03/07/08 09:08
>126
書き方が悪かった。「宗教を介してでなく」というのは「宗教
なしに」というつもりではない。
教義がどうだとか、それが人々の生活にどう溶け込んでいるかと
いう視点(歴史学者や文化人類学者の取り組み)からの紹介でなく、
宗教とあいまった文化のただなかにいる人の生活に根ざした想像力
から生じる物語、そこにあらわれる「思念」のようなもの(あるいは
その根源)を知りたいという意味です。
文明を一様には捉えられなくても、特殊な地理や風土(気圧の人体→
思念に及ぼす微妙な影響ひとつとっても、National Geographicなんぞ
には写っておらんし)、そして歴史に左右されるところの、例の「土地の
神話性」―これを作家の言葉から感じとってみたいということに
なるのかな(今、書いてて分かってきた気がする)。
自分には、それが作家的「霊感」のひとつだという思いがある。
つまり土地の神話性みたいなものを身に帯びて書くと、意識あるなしに
拘らず、それが書かれたものに表出してしまうことが…。
中国現代文学には「ルーツ派文学」という括りもあるみたいだけれど。
確かに、そのように霊的なものに満ちた小説を『百年の孤独』と
呼ぶのなら、それはそれで便利な用語だと思う。
それより前の作品には使えないだろうけれど。