03/07/07 23:36
世界には、小説を介しては知り得ない文明も沢山あるけどね。
映画「緑のアリが夢見るところ」に出ていたアボリジニ族のように、
自分しか部族の生き残りがいなくなって口をきかなくなっちゃった人
とか、沢木耕太郎『イルカと墜落』に書かれていたアマゾン流域の
文明とコンタクトがない種族とか。どんな口承文学があるのだろう。
残雪は、かなりきつい。読んでいて、読者たる自分が疎外される気分で
不条理だw。
短篇集『廊下に植えた林檎の木』で、最初の「帰り道」というのが
カフカや安部公房的、いや、それより華がある気がして楽しく読んだ
ものの、作者本人が気に入っている表題作は「核」が見つけられず
しんどかった。ディックやバロウズなどサイケっぽいのが好きな人
にはいいのかも。ジャンキーの幻覚のように脈絡のないものが出てきて、
ほんとポカーンなのだ。
『黄泥街』も騙し騙し読んでいるが、別の本でリハビリしながらで
ないと進めない。『突囲~』は比較的分かり易いというので期待して
いるけれど、辿りつけないかもしれないなー。
右に転んでくれればOKだけれど、左に転ばれるとダメという微妙な
ところにいる作家で、やはり一般人にはハードルが高いという印象。