03/06/11 23:09
前スレ
■■海外現代文学総合スレッド(××派編)■■
スレリンク(book板)l50
関連リンクは>>2-5あたり
2:吾輩は名無しである
03/06/11 23:10
ラテンアメリカ文学
スレリンク(book板)l50
キングぶったぎりキング。スティーブン。
スレリンク(book板)l50
【軽さ】イタロ・カルヴィーノ【速さ】
スレリンク(book板)l50
★★リチャード・パワーズ★★
スレリンク(book板)l50
ボ ル ヘ ス 命
スレリンク(book板)l50
日系英国人作家★カズオ・イシグロは?
スレリンク(book板)l50
ゴンブローヴィッチどうよ?
スレリンク(book板)l50
【トマス】ヴァインランドの訳注の注【ピンチョン】
スレリンク(book板)l50
J・G・バラード はなんで凄いのか
スレリンク(book板)l50
【衒学】ウンベルト・エーコの半島スレ【長靴】
スレリンク(book板)l50
3:吾輩は名無しである
03/06/11 23:10
■■カート・ヴォネガットのゆりかご■■
スレリンク(book板)l50
【幻視者】スティーヴ・エリクスン【ヴィジョナー】
スレリンク(book板)l50
ミシェル・ウエルベック
スレリンク(book板)l50
ニコルソン・ベイカーをめぐって
スレリンク(book板)l50
現代アメリカ文学最大『アンダーワールド』
スレリンク(book板)l50
【Marguerite】マルグリット・デュラス【Duras】
スレリンク(book板)l50
レイモンクノー
スレリンク(book板)l50
ナボコフ 2
スレリンク(book板)l50
ブローティガン『アメリカの鱒釣り』
スレリンク(book板)l50
4:吾輩は名無しである
03/06/11 23:11
★これから期待の新刊関連
河出文庫海外モダン・クラシックス
URLリンク(www.kawade.co.jp)
国書刊行会 文学の冒険/未来の文学
URLリンク(www.kokusho.co.jp)
5:吾輩は名無しである
03/06/12 00:29
>>1 乙
6:吾輩は名無しである
03/06/12 00:46
★お勧めリンク★
すみ&にえ「ほんやく本のススメ」
URLリンク(www.aw.wakwak.com)
★おまけ★
これあとちょっとなので宜しく
「エドウィン・マルハウス」(スティーヴン・ミルハウザー)
URLリンク(www.fukkan.com)
7:吾輩は名無しである
03/06/12 02:08
あー、荒れるの承知で書いちゃうけど、
すみ&にえってあんまり好きじゃないんじゃよね。
アクがないっていうか、当たり障りのない粗筋の紹介みたいで。
レビューっていうのはそういうものかも知れないけど。
でも、すみ&にえ以外でコンスタントに翻訳作品読んでるサイトというと思いつかない。
8:吾輩は名無しである
03/06/12 06:11
>1
乙一。
さー、来月以降が楽しみだ。
>7
荒れるのか?(´Д`;)ビクビク
まー、個人の意見だからそれはそれで良いかと。
自覚なきフェミ書評ではあるけど、真摯な姿勢が看取できるし好感を持ってるよ。
9:吾輩は名無しである
03/06/12 07:59
>>7
おいらは、めぼしいところが殆ど網羅されてる点だけでも
素直に感心してしまうけどなぁ・・・
お~ 荒れてきた荒れてきた (;´Д`)
10:吾輩は名無しである
03/06/12 08:33
充実のテンプレートお疲れさま!!
>おいらは、めぼしいところが殆ど網羅されてる点だけでも
>素直に感心してしまうけどなぁ・・・
同意。
趣味に合う/合わない、面白い/大したことないの評価は自分で読んで
下すものだから、「新刊リストに詳しい粗筋がついたもの」と思って
見るぶんには、すごい情報じゃないか、と。
たまに眺めると感心してしまうよ。
あれだけ反応があると、次から次へ追い立てられるような読書で大変
なんだろうと思うし…。もっとペースダウンして、精選したものを掘り
下げてくれれば良いとは思うけどね。
11:吾輩は名無しである
03/06/12 12:21
乙です。
自分も>>9に同意だな。なにか読んだ後でネットに検索かけると、
かなりの率であのサイトがヒットするし。素直に読書量がすごいと思う。
今、マキューアンの「贖罪(和訳ですw)」読んでます。82ページに、
(声が)「また高くなったのは、口論だろうか、激しく同意しあう
声だろうか。」という文が出てきて水吹き出しそうになった。
12:吾輩は名無しである
03/06/12 14:23
>>11
それは婉曲表現に水を吹いたのか、
「激しく同意」に水を吹いたのか?
13:11
03/06/12 14:45
わかりづらくてスマソ。
「激しく同意」という表現を2ちゃん以外で見たせいです。
ちょうど水飲みながら読んでいたので。
14:吾輩は名無しである
03/06/12 17:20
>>11
思わず原文をあたってしまったよ:
"...talking at once, rising, falling, and rising again,
perhaps in dissent, perhaps excited agreement."(Vintage p65-66)
これかな?
15:吾輩は名無しである
03/06/12 17:23
>>11
ワロタ さいこーじゃん
16:吾輩は名無しである
03/06/12 17:42
>13
2ちゃんとは限らないが、ウェブ上の掲示板以外で使われてるのは確かに
あまり見ないですね
17:12
03/06/12 17:55
むしろその二つの効果が相乗し合ってワロタよ
AA的にはギシギシアソアソみたいな
18:吾輩は名無しである
03/06/12 18:48
W.G.ゼーバルトの『アステルリッツ』、7月下旬予定だってさ。たのしみー。
19:吾輩は名無しである
03/06/12 23:27
おまいら、前スレの埋め立てイベントも頼みますですよ(w
スレリンク(book板)l50
>>11
しかし現代文学の翻訳とはいえ、臆面もなく
2ちゃねらー文体を使うとは如何なものか。
20:吾輩は名無しである
03/06/13 09:20
たまたま2ちゃねらー文体になっただけのような気が…。
もちろん訳語に対してはププゥーと楽しめるけど。
「激しい口論」という慣用句を受けて、その「激しい」を
「同意」の形容詞にスライドさせたようにとれるJo。
「禿」に変換されてなくてヨカッタ、ヨカッタ。
exicited agreememtって、この場合ほかに適訳語あるかな?
「興奮がちの同意」とかにすると締まらない感じ。
>>18
どこから出るの?
21:18
03/06/13 20:20
>>20
『アウステルリッツ』ウが抜けてた。白水社です。メルマガに載ってた。
22:吾輩は名無しである
03/06/14 00:19
前スレにマーティン エイミスは?
ってのがあったので、ぐぐってたらこんなページに行き当たった。
URLリンク(subaru.shueisha.co.jp)
結構便利そうですねん。あ、「すばる」のサイトか・・・
しかし前スレより下にあっちゃいかんage
23:吾輩は名無しである
03/06/14 00:24
中国文学に興味津々なこのごろ・・・・
24:吾輩は名無しである
03/06/14 09:01
莫言先生age
25:吾輩は名無しである
03/06/14 09:52
ほうにゅうひでん
を図書館で借りてきた。
26:吾輩は名無しである
03/06/14 15:46
蓬乳秘伝?
27:吾輩は名無しである
03/06/14 16:42
「ジェネレーションX」ダクラス・クープラント
「ビーチ」アレックス・ガーランド
とかって、日本の読書家にはどんな評価されているの?
わたしは、わりと好きなんだけれども、だれか聞かせて。
28:吾輩は名無しである
03/06/14 16:53
「なんとなくクリスタル」みたいな。今更読むものでもないかと。
29:吾輩は名無しである
03/06/14 17:03
なんかこのスレ、一般書籍板化してない?
30:27
03/06/14 17:05
>>28
「なんとなくクリスタル」を読んでいないのでなんとも。
例に挙げた著書はちょい古いんですけどね…>>27の作家
はどういう評価されているのか(いたのか)を知りたくて。
31:吾輩は名無しである
03/06/14 17:19
ジェネレーションXは当時アメリカで流行した。
読んでなくても名前は知っている人が多い。
グランジロックを聴きながらってのが定番。
今が一番思い出すのに恥ずかしい時期だと思う。
32:吾輩は名無しである
03/06/15 00:36
>>26
『豊乳肥臀』莫言
33:27
03/06/15 10:46
>>31
>今が一番思い出すのに恥ずかしい時期だと思う。
平和な時代の話だからかな。確かに、911とかあったからねー、
『ハズい』なんとなく理解できるな。
んでは、今の時期を象徴してる、海外の作家さんて、いますか?
まだ、混迷してるのかな?
34:吾輩は名無しである
03/06/15 13:44
>>33
芸のない反応をするならデリーロかな。今のアメリカはあの事件から
新しい段階に入ったけどそれが反映された小説が出てくるのは今年か
来年あたりでは?そういう意味ではオースターなんかがどういうもの
を出してくるのか興味ある。あとピンチョンに期待するのは無理だろ
うか?アメリカ以外の作家ではラシュディ辺り。
35:吾輩は名無しである
03/06/15 15:19
難しいな。
アメリカ国民の大半がマスコミに洗脳されている(と我々も思わされてる)現在、
申し分なく書くには相当の確信と覚悟が必要だろう。
オースターら優れた作家の一部はユダヤ人であり、彼らがパレスチナ情勢をどう
見るかは非常に興味がある。
(オースターは直接政治的なことは書かないと思うけど)
36:吾輩は名無しである
03/06/15 18:32
>今の時期を象徴してる
「9・11以後」とか「米国V.S.イスラム」といった意味でいいのか?
むろん手法がリアリズムか寓話かは問わないとして。
家族をはじめとする身の回りの人間関係から見つめ直すという傾向や
歴史に学ぼうという傾向、人間存在の根源を問うていこうという傾向の
なかにむしろ、奥深い「米国への警鐘」を読み取れる気がするのだが。
37:吾輩は名無しである
03/06/15 20:16
>>11
『贖罪』読了したら感想キボン。
若島正氏が毎日新聞の評で「近年の英国小説における最大の収穫だと
断言しておこう」と書いていた。
それ読んだら、オコナー全短編と『ベル・カント』をクリアしたあとに
読んでみようかと思ったんだけど…。
38:吾輩は名無しである
03/06/15 21:31
>>33
ジョナサン・フランゼン
39:吾輩は名無しである
03/06/15 23:35
ヴォネガットに死ぬまえにガツンと一撃期待したい。
死ぬ前の老人でないと好きにやれないというのがなんともだが。
40:吾輩は名無しである
03/06/15 23:47
確かに今の世界で政治的イデオロギーに全く抵触しないで文学をつくるのは無理だろうな
だけどあんま911以降の事にこだわりすぎても一時期の米ソが遂に核戦争に・・・・・・ってなちょっと
恥ずかしいテーマになりそうな予感
と、いうわけで、メイラーのthe naked and the deadをちょびちょびと読み進めている今日この頃
41:33
03/06/16 01:50
レス遅れてしまい(マトリクスを見にいっていたw)すいません。
>>34-40 not37
みなさん、ありがとうごさいます。
例にあげていただいた作家の書籍、注意してみてみますね。
>今の時期を象徴してる
そうですね、私見ですが今の時代は、解っていたけれども無視して
来た色んな問題をわりと日常で実感できる時期だと思うので、
最近、日常にリンクする何か丁寧な物語が欲しいな、なんて思ってます。
>>36
>人間存在の根源を問うていこうという傾向
>奥深い「米国への警鐘」
このへん、増えそうですね。
>一時期の米ソが遂に核戦争に・・・・・・
↑これ系のハナシは、もーお腹いっぱいですネ(w
そーいえば、マトリクスの劇中の、テレビの中にブッシュ
さんぽい顔が出てました。良くも悪くも、時代反映してます。
とりあえずオースター狙っておきますー。
42:吾輩は名無しである
03/06/18 00:45
重複スレ?の方が上だから一度あげるね。もし荒れたらごめんなさい。
前スレ落ちたっぽくて、文学板の速度はもっとゆっくりだと思っていたので
焦りぎみぽw。
んでもってそれだけだとつまらんから、スレ違い厨房質問。
全然現代文学じゃないんだけどw。ここの住人たちの意見を伺いたくて。
ヘンリー・ジェイムズの「ねじの回転」で一番怖いのはアメリカ人家庭教師の
のうてんきな突っ走り正義感ぶり?
昔読んだときにはそう思っていたんだけど、新潮文庫の解説読んだら、
彼女に必要な属性は「整然として、堅実で、勇気がある」属性を持ち、
「彼女の語る事実だけが正確に、ありのままに読者の前に浮き出るように、
作家はこれを描いている。」とあってかなり意外な感じで。
この作品、雰囲気は好きなんだけどわかんないよ。厨房質問スマソ。
43:吾輩は名無しである
03/06/18 01:10
>重複スレ?
え?どこ
44:42
03/06/18 01:17
>>43
スレリンク(book板)l50
ここ。最新50なんて意味ないくらい放置されてるwんだけどさ。
45:吾輩は名無しである
03/06/18 12:15
どう考えても、前スレと重複スレが間違えられて削除されて
しまった気がして仕方ない。
手すきになったら、前スレの書名や作家をチェックしておこうと
思っていたのでズガガガガーンとショック受けた<dat落ち
html化は3ヶ月以上先だよね?
まあ、それまでに読みたい本は山と積んであるが。
H.ジェイムズ君のスレは不思議なことに、まだ生き残っていたあるね。
46:42
03/06/18 12:29
>>45
うわ。単独スレあったんだ>ジェイムズ。皆さんスレ汚しごめんなさい。
でも自分は「ねじ」と「アスパン」と短編数作しか読んでいないから敷居が高い。
>前スレと重複スレが間違えられて削除されてしまった気がして仕方ない。
そのようですね(泣。
47:吾輩は名無しである
03/06/18 12:40
いや、20世紀文学の先駆けであったとも言われるジェイムズの
名を出すのに、「汚し」ということはないっしょ。
敷居は、おさむ君がまたぎ易いようにしてくれているw。
48:吾輩は名無しである
03/06/19 01:16
>>45
もう全鯖が蝉化したのでHTML化は基本的に「されません」
49:吾輩は名無しである
03/06/19 09:38
ガイドライン板で依頼して前スレのミラーを作っていただきました。
■■海外現代文学総合スレッド(××派編)■■
URLリンク(dat2ch08.free-city.net)
50:吾輩は名無しである
03/06/19 11:20
>>49
ぐっじょぶ
51:45
03/06/19 11:22
>>48 >>49
どうもありがとう!
52:ixion ◆ySh2j8IPDg
03/06/19 12:32
>>49さん
わざわざ依頼してくれたことに感謝!!
海外現代文学ベスト3って、考えてるうちに
いつの間にか前スレがいなくなってたよ^^;
(ヘラーって結構人気あるんだね)
ピンチョンなら、やっぱ『重力の虹』か。
カポーティ『冷血』も外せない。
ジュネ『恋する虜』も素晴らしい。
グラスのダンツィヒ三部作や、ギャディスの『認識』、
マッケルロイの『女たちと男たち』なんかも入れたい。
F・オブライエンとかバロウズはどうだろう…。
SFにも素晴らしい作品がたくさんあるし・・・。
てことで、やっぱり決まらなかった<ベスト3
53:49
03/06/20 00:14
あ、ixionさん。
いろんなスレで拝見しています。
多分ヘラースレでもいらっしゃったのでしょうか。
のびませんでしたが、あのスレにも3、4回ほど書き込みましたw。
ヘラーは「古書店めぐりは夫婦で」によると一発屋だったらしいのでしょうがないかもですが、
「なにかが起こった」も「輝けゴールド」も「笑いごとじゃない」もけっこう楽しんだ自分には
悲しかった。(すべて和訳なのが何ともw。このひとの英語に太刀打ちできないと思いPicuture
Thisは積読中)
うざい個人レスですが、のんびりマターリスレだから許して欲しいスマソ。
54:吾輩は名無しである
03/06/20 00:36
>>49
おいらからもお礼。
ぐっじょぶ!
>マッケルロイの『女たちと男たち』
うわ、これも読んでるの!(^_^;)
(確か1200ページの大作でピンチョン系)
紹介たのんます。
55:吾輩は名無しである
03/06/20 17:40
>>35 >>41
にタイミング合わせたみたいに、オースター氏の発言が新聞に…。
「政治が極右に侵されている」とマドリード講演会で16日に
ブッシュ政権をこき下ろした、と。
その記事の上(朝日夕刊)に、70歳になったソンタグ女史も、
ドイツ出版業界平和賞をとった、と。
『この時代に想う テロへの眼差し』などが評価された
もよう。やっぱりまだ、単に作家というより、
ラディカルな意志のスタイルのイメージのまま。
56:吾輩は名無しである
03/06/20 20:14
>>52
ベスト3選考なんて無茶な真似をw
候補を30くらい挙げて、それから比較してくのが良いのでは?
57:11
03/06/20 23:38
>>37
先ほど、「贖罪」読了。
ただ、自分は文学作品は好きなんだけど、文学については一般教養程度の
知識しかないので、厨房の読書感想文になってしまうと思うスマソ。
マキューアン、こういう物語もつくるのか、意外。というのが読んでいる途中の
印象。先日「昏き目の暗殺者」読んだこともあって、アトウッドが書いたと言われ
ても信じてしまいそうだ。(女性の回想という形式もあって)
起こったこと自体はかなりわかりやすく提示されていて、読者はもどかしく思い
つつ読み進んでいくことになると思う。
最後の部分を、帰路のガソリンスタンドで洗車待ちしつつ読んでいたんだけどw、
あやうく目が潤みそうになった。安易でスマソ。
かなりのケレン味も含み、「キャッチ22」のあのシーンを思わせるような部分も
あり...。自分はマキューアンは邦訳出たやつは多分だいたい読んでいて、原文は
Cement~しか読んでいないんだけどw、ものすごく幅の広い作家になりつつある
(なった?)んだな、のがよくわかった。
「夢見るピーター」を読んで、マキューアンをもう少し読もうかと言っている友人が
いて、「いきなり「自家調達」なんて読んだらどうしようガクブル」と思っていたので、
この作品を薦めようと思った。
浅い読み、しかも長文スマソ。もう少し整理してから書き込みたかったけど、さっき
読み終わったばかりの勢いで書き込みたく。
58:37
03/06/21 13:40
>>11さん
感想ありがとう。違うマキューアンが読めそうということで期待大。
ヨーロッパ方面で今、目が離せない作家の一人だし上手いのだろうが、
「何かが物足りない」という感じがつきまとってる。
その何かが今回はあってほしいな…と期待。
技巧に走る傾向とか、読者層を知識人に限っちゃうようなところが
あると分析するけど、そこを突き破っててほしい感じかな?
>>56
自分にとってのオールウェイズ・ベスト3かと思ってた。
大作をあまり読んでいないから挙げられない事情もあったけれど、
ここに来る人って趣味の傾向に広がりがあるから、大事に読んだ
3冊を挙げてくれると楽しいな、と…。
キングなんかとても現代的だと思うけれど、文学という枠を
意識すると、挙げる人はいないのかな?
90年代の作品がほとんど出てこないのは、評価が定まっていないから?
こうしてみると、20世紀後半、ヨーロッパ文学はWWⅡへの贖罪、
米国文学は覇権主義への疑念や抵抗みたいなものが主たるテーマ
だったように取れる。アジアは伝統や体制との確執、ラテアメは
政治色濃いものもあるれど、人間の本性に一番がぶり寄って物語の
豊饒を大事にしているような感じがする。
日本は、何かひとつ通った筋がないような…。
59:ixion ◆ySh2j8IPDg
03/06/21 14:01
紹介、っつってもねぇ…<McElroy >>54さん
読むのに2ヶ月かかった、根気との勝負^^; まさに"a tome"って感じ。
片方に母親が自殺し、インディアンと熱愛したような祖母を持った男、もう片方に
フェミニストのワークショップやってる女。その間に多数の登場人物がいる。
しかもみんなが大体両者の共通の(common→この作品のキーワードのひとつ、
かな?)友人か、その友人の友人というwebの絡み合い。ここらへんはBrian McHale
がいうようにディケンズ的世界のパロディだと思う。もしくは「隣接性/換喩」を示して
いるのかもしれないけど。
"This global network looked so compact, but put yourself in it and your
neighborhood is endless"(1013, Women and Men)
とにかくニューヨークのアパート、いやニューヨークという個が群生(語義矛盾だけど)
している場所で、これだけのwebで結び付けられているにもかかわらず、主人公の
二人はすれ違いまくる。つーか合わない。ジャーナリスト、情報科学、メッセンジャー
なんて、"connect"することを役割とする人々が二人の間にいて、さらに現代版オペラ
「ハムレット」がニューヨーク上演されるときに、その観客はほとんどが二人の知り
あいだったりもするのに、この二人の間にはconnectionが生じない。
冒頭、生誕の場面から始まって、premodernの散文の歴史を追いながら
(まぁトリストラム・シャンディでさえも「生誕」をめぐる愚痴から始まるしね)、
さらに男の母の自殺をめぐる謎やキューバとチリの間での陰謀など、
だんだんmodernの散文へとつながっていき、しかし同時に、二人の
女と男の間にconnectionが不在である、というpostmodern的な散文でも
ある。また作中にはいろいろな情報(bits)が詰め込まれている。
まぁ、ピンチョンほどではないにしても、こういう意欲作はあっていいと思うし、
読みながら後藤明生の楕円や団地の思想を思い出したりもしたよ。
こんなところで許して。もう一回読むのは今は無理^^;
60:54
03/06/22 18:54
>>59
>マッケルロイの『女たちと男たち』
いえいえとんでもないです。詳細な紹介サンクスです。ヽ(´ー`)ノ
それ読まして頂いただけでおなか一杯。
邦訳紹介はまだみたいなんで、マッケルロイは
(原書無理なおいらみたいなのには、)
ピンチョン系で最後に残った大物って感じなんでしょうね。
何年か前、何かの本の巻末の近刊予告に
ジョセフ・マッケルロイ「プラス」
って見た記憶があったんだけど・・・(´・ω・`)
61:吾輩は名無しである
03/06/22 19:37
>何年か前、何かの本の巻末の近刊予告に
>ジョセフ・マッケルロイ「プラス」
そういやこれ、ペヨトル工房から出る予定だったね。
ほかにもイアン・バンクス『ブリッジ』とか……、南無。黙祷。
62:ixion ◆ySh2j8IPDg
03/06/22 20:07
げ、そうなん?<近刊予告『プラス』ペヨトル
南無・・・きっともう出ねぇな、マッケルロイ。
うん。出るとして国書刊行会しかないな。
イアン・バンクスは『フィアサム・エンジン』で俺的に
ずっこけたのだが、『蜂工場』は好き。こっちは
翻訳されそうだけどなぁ。
そういや、ダニエレブスキーの短編が訳された、
って、何の雑誌?>all
63:吾輩は名無しである
03/06/22 20:55
新潮みたいだね<ダニエレブスキー
紙葉の家、うちの大学の図書館入れてないんだよなぁ…
◆「紙葉の家」著者の初短篇
真夜中のすべての光―サルバトーレ・ヌフロ・オレホン『エロrの物理学』
とリヴィア・バッシル『物理学の心理学』……マーク・Z・ダニエレブスキー
嶋田洋一 訳・解題
64:ixion ◆ySh2j8IPDg
03/06/22 21:20
さんきゅう!! >63さん
てことは7月号か…もう売ってねぇんじゃねーか^^;
6月号なら舞城読むのに買ったんだが…探してみるか。
ダニエレブスキー、大してすごいと思わないんだけど、
一作だけで判断すると間違うからねぇ。
65:54
03/06/22 21:46
>>62
イアン・バンクスのは両方とも訳されてるでしょ・・・
66:54
03/06/22 21:49
↑
あ、スマセン
『ブリッジ』が
って意味ねん・・・
67:11
03/06/22 22:25
>>58=>>37さん、しつこいレス失礼。
>技巧に走る傾向とか、読者層を知識人に限っちゃうようなところが
今回は、走るより「激しく技巧的」な気もスル。
(自分の“技巧的”の語の定義が58さんと違う可能性もあるけど)
でもその技巧がものすごいので、その方向で突き破っているかも。
図書館で借りたんで言う権利ないけどw、これで2600円は安いと思った。
68:ixion ◆ySh2j8IPDg
03/06/22 22:27
あ、わりい。俺も「(マッケルロイに比べて)こっち(=バンクス)
は訳されそうだけどなぁ」って意味。ごめんね^^;
69:吾輩は名無しである
03/06/23 00:06
>ixion氏
>てことは7月号か…もう売ってねぇんじゃねーか^^;
普通にまだ売っていると思われるが。
三島賞発表号だよん
70:吾輩は名無しである
03/06/23 00:32
お、ここ、ちょっとまとも。
ageで書いてるばかが1人混じっているw
71:吾輩は名無しである
03/06/23 01:05
は? 誰お前? 意味不明~
72:37
03/06/23 01:34
>>11さん
技巧にねじ伏せられたいので
今回は買ってみることにします。
私もマキューアンは今まで全部
借りて読みました。
読後に手元に置いておきたいから、
買っておこうという作品がなかった。
前スレの最後の方から、
このスレ、何か回転が速いな。
よその板みたいで、ちょっと
ついていきにくい。
73:吾輩は名無しである
03/06/23 10:07
>マッケルロイ
ウディ・アレンの映画を3本ぐらい観たあとの
気分に、読後感が似ているのかなと推察。
74:吾輩は名無しである
03/06/23 22:34
>>72
だね。
>>49
を見て頂ければわかるけど
去年の今頃はdat落ち防止の保守書き込みが
やっとだったよ・・・ (´・ω・`)
75:吾輩は名無しである
03/06/27 11:21
はら~、またーりに戻りすぎ。
ピュリッツァー賞は4月に『Middlesex』に決まっていたんだね。
『ヘビトンボの季節に~(何たら)』The Virgin Suicidesの作家さん。
あれ映画観てコケたが、Epi文庫に入ったときは、いがーいだった。
76:ixion ◆ySh2j8IPDg
03/06/28 10:24
映画はあまり好きじゃなかったし、『ヘビトンボ~』はふつうの
作品だった。思春期というある特定の時期に生きている女の子
にしか分からないことがある、っていうのはわかるが、その
彼女たちの自殺の真相をたどるのが男の「視線」であったりする
のが気持ち悪かった…あまり良く覚えてないけど。
(ちょっと厳しいかな^^;)
やっと長年探していた『紅い高粱』の翻訳続巻(現代中国文学
選集で、なぜか正・続に分けて刊行された)を手に入れた。
で、あとがきを読んで納得したのは、やっぱり残雪は莫言の
ことあまり好きじゃないんだな、ってこと。土俗・神話・民族礼賛
は、残雪みたいな作家にとっては「わざとらしいこと」に思える
んだろうなぁ。
77:吾輩は名無しである
03/06/28 11:55
中国文学選集、近所の図書館で途中巻までしかなく、
確かに続巻の方が欠けていた。何かの事情で稀本なのかも…。
訳者解説に、ライ病とかに関する情報不足のため無神経な記述が
あるというようなことが書いてあったが、ひろすけ童話(今はもう
読まれてないか)程度にしか気にならない問題なんだろうか。
トム・フランクリン『密猟者たち』Poachersという創元文庫で出た
アラバマ出身作家の短篇集がよさげなので、ネットでオーダーしてみた。
『Hell on the Beach』という向こうで出たばかりの作品も面白そう。
きょうはジョセフィン・テイ『ロウソクのために~』を読むつもり。
翻訳出た『魔性の馬』は、しっかりしたハーレクインロマンスみたいで
なかなか良かった。20世紀前半の小説でごめんね。
78:ixion ◆ySh2j8IPDg
03/06/28 13:13
>訳者解説に、ライ病とかに関する情報不足のため無神経な記述が
>あるというようなことが書いてあったが、ひろすけ童話(今はもう
>読まれてないか)程度にしか気にならない問題なんだろうか。
問題は、莫言が「あえて」そういう記述の仕方を麻風病者に対して
とることで、一般の謬見をなぞるだけでそれを超えていないところ
なんだよなぁ。あの訳者解説は、共同体の道徳にもとづいての
批判に終始しているが、そんなものは作家にとってどうでもいい
話で、批判としては低級なものでしかない。問題は、作家が
対象を「自分に対する/にとっての応答可能性をもった他者」
として扱ってないところ、つまり単に利用しているだけである
ことだと思う。
その点で、残雪の批判は莫言の問題をより深くついている:
「思うに、ああした原始的な民俗、神話の類に粉飾を加え、
いい加減にでっちあげ、生命そのものの衝動に見せかけた
まがい物は、われわれの民族にとって、麻酔薬にほかならない」
つまり、莫言にとっては麻風病者でさえも単なる記述の手段に
終始しているわけで、そこから何ら発展があるわけではない
んだな。そこが『紅い高粱』の欠点。魔術的リアリズムに
「のっかった」ように書かれた『紅い高粱』は、結局土着的な
ものを利用することに終始していて、最後も勝手に(擬似神話
的に、民族高揚の叫びのように)盛り上がって終わる。残雪は
こういう作品は嫌いだろうなぁ、って言うのはよく分かるし、莫言
の作品としては決していい出来ではないと俺も思う。
79:ixion ◆ySh2j8IPDg
03/06/28 13:20
あ、そういや残念ながらダニエレブスキーの短編はつまら
なかった。でも教えてくれた人ありがとう。
いかにもアメリカ前衛ブンガクが書きそうなもの(ということ
は、もう大体10年前くらいに皆がいろいろやってたもの)で、
もっとすっきり(ボルヘスのように、とまでは期待しないが)
書けるのに、やたらと衒いが目立つ。こちらの想像を
裏切るような「凄さ」は全く感じられなかった。
次の長編が出るまで判断保留だけど、こういう作家は
他にもいるし、その紹介を進めるよりはギャディスの
作品などを翻訳した方がいいんじゃないか、とか思うけど。
短編読んだ他の人の感想キボン
80:吾輩は名無しである
03/06/28 20:29
>問題は、作家が対象を「自分に対する/にとっての応答可能性を
>もった他者」として扱ってないところ、つまり単に利用している
>だけであることだと思う。
たとえば単なる物を描いたにしても、自分との対話可能性を完全に
払拭することはなかなかに難しい。描写にはどんな形容詞を使うか
全く使わないかだって、何かしら作家の観点が入るから…。
だから、ある意味、単に利用しているだけって、すごいハード
ボイルドなのかも。まあ、それはネタとして。
「何のための利用だろう。小説の完成度を高めるため、芸術のためか」
と考えて、ピント違いだけれど浮かんできたのが永山則夫の作品。
彼の小説に原形を見たとする援護派と、「犯罪を子供時代の環境に
帰納させるため文学を利用した」とする反対派の論争はよく理解して
いないが、とにもかくにも書きつけるという衝動的な行為、
そうする作家の真意のありかの判断は、当人にとっても読み手に
とっても永遠の謎というか、白黒をつける問題ではないのだろうね。
81:80
03/06/28 20:32
読み手の読解力によっても、「魔術的リアリズムに『のっかった』
ように」と欺瞞的なものを嗅ぎ取れる人もいれば、その魔術が
もたらす昂揚感に我知らずのせられてしまう人もいる。
となると、読むのがコワくなるw。
オコナー『賢い血』の巻末に掲載された手紙が思い起こされた。
(ああ、1956年の日付で、また古いわw)
―小説は芸術の一つの形です。小説を芸術以外のことに使うときは、
小説を邪道におとしいれることになります。これは私がジャック・
マリタンを通して聖トマス・アクィナスから学んだことです。
もし小説を社会的、宗教的、あるいはほかの目的のために使って成功
するならば、それは小説をまず第一に芸術にしているからです。
その芸術に預かる自分は何のために読むのか自問すると、対外的には
内面の充実(=幸福)とカッコつけるが、惰性なのか、脳の働きを活性化
させておくためなのか、当てのない欲ゆえなのか…。
どうもすみません、フラナリーさん。
82:ixion ◆ySh2j8IPDg
03/06/29 09:33
ところで、何で名無しで書いてるの?とふと思ったが、俺が思ってるのと
違う人だったりして^^;
俺が逆に莫言がすごい、と思うのは、ある統一したイメージに基づいて
描写を重ねるのがうまいと思うから。『紅い高粱』ならこんあところ:
「むごい4月、燦然と輝く星の光のもとでつがいあったトノサマ蛙が
つぎつぎにべとべとした透明な卵のかたまりをほうりだす。強烈な
日の光がしぼりたての油のように河の水をあたため、オタマジャクシ
の群れがつぎつぎに孵化して、あたたかい流れのなかでどんよりした
墨汁のようにいくつもの群れをなして移動する」
In the cruel fourth luner month, frogs lay their transparent eggs
in the Black Water River under radiant sunlight. Then, in the
sweltering heat of the sun, swarms of inky-black, squirming
tadpoles emerge into the warmth of water that looks like the
slowly flowing river.
ここは英訳の方がつかみやすいけど、エリオットの4月(荒地)を
ひっくり返して、透明な卵や強い光などを描き、さらにその卵が
孵化して黒い流れになっていく…そのイメージが明確に頭に浮かぶ
ような表現をしているんだと思う。
原文で読める人の感想を聞きたいなぁ。
83:吾輩は名無しである
03/06/29 13:12
ageはちょ~(フルッ
84:吾輩は名無しである
03/06/29 22:15
―どこかの洞窟の漆黒の闇の中であろうと、何百万の群衆の波の中
だろうと、これらのことばや言いまわしのひとつさえあれば、われわれ
兄弟はたちまちにして相手がだれだか見破れるはずである。
(N.ギンズブルグ『ある家族の会話』)
須賀敦子に焦燥感を抱かせ、書くことへと向かわせたこの部分を再眺する
たび、彼女と同じ羨望と感嘆を禁じ得ない。
記名などしなくとも、わずか数語、ほんの一行の書き込みにすら匂い立つ
ものが出れば…という自分への挑戦の気持が少しw。でも実際のところは、
名乗ればデメリットがあれこそすれ、名乗らなくても何の不都合もない
でしょ?
小説の表現っていろいろあるけれど、畳みかけるように、あるいはめくる
めくように重ねられる言葉の迫力より、上のような記述を自分は
いとおしく思う。これは書きつけておくべきだという「本物」を逃さない
目と感性。その「本物」を書くに当たって、なるべく自分の素の言葉で
書こうとする姿勢。だから、パスティシュとかメタフィクションとか、
よく分かっていないけれど実験的で凝った試みにはあまり手が伸びない。
というか、文学的背景が浅いので読んでも分からず通り過ぎてしまう。
「現代文学的」でないなー。
莫言もエリオットも神話的に書いたということから、やはりフレーザー
『金枝篇』に学んだ人たちなのでしょうか。
85:84
03/06/29 22:20
名無しの主人公については、丸谷才一が『闊歩する漱石』で、
「あの有名な名前のない猫」として名作を褒めている。
世界文学史に冠たる放れ技であると…。
(猫だけじゃなく、「先生」とか「坊ちゃん」とか)
―名前のない猫が語り手であり主人公であることは、どういふ効果を
もたらすか。前にわたしがバフチンを援用して言つた、哲学的=観念的に
なるといふことのほかに、名前といふ制度に反撥し逆らふ快さと寂しさとを
味ははせることになろう。そこには自由と解放の、気楽と切なさとが二つ
ながらあつて、作者の抱懐する、禅的なアナーキズムとでも形容するしか
ないようなもの、……
そのあとの展開で、メタっぽいもの(丸谷センセは意図的にか、そうは呼びや
しないけれど)を紹介する流れでクンデラ『不滅』も挙げている。
プールで見かけた老マダムにアニュスと勝手な名をつけるあの話も、
確かに名無しの「私」が語る、名も知らぬ女性を妄想で物語化した作品で、
「私」はラストでアニュスに勿忘(忘れ名)草を買わせていた。
サラマーゴ『白の闇』も登場人物に名前が与えられてなかったと記憶。
オースター作品にも何かあったかな?
他に、どう? 名のある人もない人も…w。
86:吾輩は名無しである
03/06/29 22:56
>>82
中国語は知らないけど 日本語訳の「燦然と輝く星の光」
の部分が英訳では "radiant sunlight" になってるのか?
87:吾輩は名無しである
03/06/29 23:14
82の引用、英訳と日本語訳にギャップありすぎるから、
「原文で読める人」が必要なんじゃないかと思った。
中国語の翻訳やってる友だちがいるけど、
映像畑で文学からきしだめなんだよね。
「中国」板も訊くのに適当そうなスレッドが
見当たらなかった。
88:ixion ◆ySh2j8IPDg
03/06/30 02:19
あ、わりい、そこ"starlight"の写し間違い^^;<sunlight
でも、英語で読んだほうがすっきりしてるんだが、日本語の方が
より入り組んでいるのは全体について言えること<『紅い高粱』
上の引用部分は第4章の冒頭部分です。
日本語訳のほうが原文に近いんじゃないかなぁ、と思っているん
だけど、分からん。今度神保町に行ったときに原書探してみよっ
かな(←読めもしねーのに)。
>莫言もエリオットも神話的に書いたということから、やはりフレーザー
>『金枝篇』に学んだ人たちなのでしょうか。
莫言が「神話的に書く」っていうのは、むしろ「百姓的に書く」という部分
があって、『紅い高粱』のときはその欠点(「~的に」という欺瞞)がもろに
出ているところがあるから、残雪に批判されたんだと思う。おそらくね。
『酒国』や『豊乳肥臀』は、『紅い高粱』よりその点については良くなってる
のかな。でも、俺が莫言を評価しているのは作り物めいていようが
いまいがその描写の巧さなので、やっぱりそれ判断するためには原書で
読めんといかんのだろうか…。今のところ英訳と日本語訳で比べて想像
するしかないわ^^;
そういや、残雪の話題とかもあんまり出てなかったね、ここ。
89:吾輩は名無しである
03/06/30 04:26
>ixion
残雪はみな絶版だからなー。一般の人が読める内容でないし。
原文は意外と読みやすい。滅入りさえしなけりゃ。
あ、そうだ。莫言、入手したらどこで買ったか教えて。
古書だとあまり見かけない……
さて問題。中国語で何の意味でしょう→「羅丁」
90:ixion ◆ySh2j8IPDg
03/06/30 06:25
>あ、そうだ。莫言、入手したらどこで買ったか教えて。
>古書だとあまり見かけない……
原書、ってことだよね? うーん、俺も中国書籍扱ってる店は
2・3店しか知らんからなぁ…大体買っても読めねーぞ^^;
残雪だって『突囲表演』と、何かで訳されてた短編しか
読んでないし。
>さて問題。中国語で何の意味でしょう→「羅丁」
ラテン、とかじゃねーんだろうなぁ、きっと。
91:89
03/06/30 08:20
>ixion
ラテン、正解(w
神保町だと漢籍の占める割合が多くて、現代文は少ないかも。
一、二世代前の作家が限界かねえ。
母校に忍び込むのもアレだし、中国に行く友人に頼むしかないかな(´・ω・`)
(んで、最近の中国本土は、規制は緩くなったけど娯楽作が大量執筆される時代
になってて、ここで望まれる様な作品と出会うのは難しくなってる)
(上海ナントカが次々出たのは御存じの通り)
92:吾輩は名無しである
03/06/30 11:11
>>89さん
すごい。ちゃんと伏兵がいちゃうわけ。
一般の人が読める内容ではないんですか?
一般の人なのに『突囲表演』、オーダーかけちゃった。
前から名前の由来がカッコええなあ、気合の入ったものを
書いていそうだと気になっていたもので。
北京、がんがんビル建てちゃって、何てったっけあの、中庭のある
古い様式の家がかたまった地区をこわしちゃって…。
文芸もそういう進み方をしているのか。
何年か前、北京中心街の大きめ書店を覗いたとき、どうせ読めない
からと文芸棚はスルー。世界名作の類いが並んでいた記憶はある。
いつかの書道用にと毛沢東と王義之の字の本なんて買ってこないで、
二大巨頭の原書買っておいて、高く転売すればよかったw。
すみませんが、一、二世代前の作家とか、そのあたり世代ごとに
くくって、できれば代表作も添えて(さらにできれば作風、政治色など)
列挙してもらうわけにはいかないですか。
たとえば彭見明がどのぐらいの位置にいる人なのかとか少しでも
知って整理したいので、よろしくお願いします。
93:ixion ◆ySh2j8IPDg
03/07/01 04:33
とりあえず、読み直したいから『突囲表演』もう一度買おう
(←まったく、読んだら見境なく売るからこうなるんだ^^;)
残雪に関しては、英訳も全て絶版なんだよなぁ。とりあえず
『突囲表演』をもう一度読んだらなんか書きます。
でもまた仕事が煮詰まってきたぞ、莫言のせいで(苦笑)
94:89
03/07/01 07:30
>92
残念ながら、俺は現代中国文学を専攻してない。
ixionのスペイン語と同類(w
>残雪
この板に来る人なら大丈夫。
強烈な不条理とフェミニズムを堪能してござれ。
「中国文学には自己否定のシステムが無いから、お先真っ暗だ!」
>世代
……中国文学概論をやれと? 講義料取るよ(w
えーと、中国の現代文学は「清朝末」「中華民国」「抗日戦争」「共和国成立」
「文化大革命」「文革後」「現在」で、時代を区切る。
同じ作家でも、時代で作風が異なる。
世代分けをするなら、文革以前と以後(と未体験)で区切ると明確になる。
95:92
03/07/01 08:57
>94
ああ、やっぱり取る、講義料? 図書カード払い?
しかし、上の時代の区切りに関する4行だけでも、
分け入っていく者には大きな指針。謝謝。多謝。
中国人作家というのは「禁書」によって、物を書いたり考えたりする
(自分にとって相応しい時期に読むべき本を読み、語るべきことを
人と語り合う)教養の土台を歪められたということが、ものすごく
大きいことなのだと『お針子』で痛感した。
あれは、恋愛感情のもっていき方すら学べなかった青年たちが、
禁書を読んだ効果でもって恋を不器用に進めていくお話だけれど、
そういうことを考えると、小説がなければ(あるいは他の文化がなければ)、
社会は野蛮に充たされる…という当たり前なことが興味深い。
そこが莫言の「百姓的」(フレーザーの文化人類学的、民俗的な見地)に
書くことの意味へともつながっていくのか…と。よくまとまんないけど。
抑圧されなくても、本など読まない人で暮らす人たちも世界には多いが、
知的好奇心旺盛な人にとって、これはどれほどの現実なのだろうかと、
SF作品の焚書とは違った意味で、考えることが多々あると思う。
文化のホロコースト。そして情報や知識が生半可であったところで
創作される小説への評価。
―長文つづけすぎたので、しばらく読むのに戻ります。
96:89
03/07/01 23:51
>95
受講料は現物(書籍)払いで。
「時間」の次は「空間」。
共産革命や文革時には、亡命や下放などで夥しい人口移動があった。
また、近年移動の自由を得た事で、海外へ移住する作家も現れた。
これら、亡命/移住/華僑作家は、移民先の言語を用いた創作などで文化交流を
推し進め、高く評価されている。
米国で反共小説を書いた張愛玲、仏語を用いノーベル賞も受けた高行健、文革後
渡米し英文創作で全米図書賞・PEN/フォークナー賞を受けた金哈、などなど。
一方、台湾も大陸や日本の微妙な影響の下で漢字文学を発達させている。
97:89
03/07/01 23:51
(続き)
「空間」第二の問題は、中国の少数民族の文学について。
中国では漢民族の他に、独特の文化を継承/発展させた民族が多く存在する。
国内で民族の自覚が高まる(尋根文学)と共に、彼らは強く他者を意識した創作
を始める。
それには公用語である漢語の他に、個々の民族固有の言語も用いられた。
エヴェンキ族でありながら役人の父を持ち、複数の文化の間で育ったウロルトや
チベット族のザシダワ、回族の張承志、モンゴル族のオノン・ウルグンゲなど。
世界的視野を獲得した現在、英語や独語、日本語さえ用いて創作がなされている。
98:吾輩は名無しである
03/07/02 09:53
情報を元に検索したけど、ほとんど絶版なんだ>中国文学
莫言や高行健も今のうちに読んでおかないと危ないね。
99:95
03/07/02 16:03
現物払い…内容充実だから高そう。Book 1st.で万引きしてくりゃよかったw。
情報を少し(のつもりでまた長レス)。
Book 1st.、銀座コアにもできるらしく、交通会館に出た三省堂といい、
銀座書店事情が変わった。しかし、三省堂の海外文学の棚はさみしすぎ。
日曜の朝日で三浦しをんがアナイス・ニン『小鳥たち』を紹介したせいか、
反響があった模様。「文芸書の体裁をとったエロ本」というあざとい紹介が、
若い女性のツボにきたのだろう。
しをんさんのコラムの下で『銀のほのおの国』が紹介されてた。
随分なタイミングだね。意外な人たちがROMしているかな、ここ。
…と思えるようなサイトが最近他にもいくつかあるし。
>>77 に書いた『密猟者たち』―『塵に訊け!』にハマった人、
オコナー、マキャモンあたり好きな人、コーエン兄弟の映画ファン
などにお薦めしたい。『Hell on the Beach』はガセで『Hell at the
Breech』が正解。ごめん。
訳者が原文がいいと書いているのが分かる気がする硬派な文体と内容で、
注目すべき新しい書き手だと感じ入った。
『突囲表演』到着。発刊時に検閲で削除された性的表現を、邦訳に当たり
著者が補ったという点も興味深いが、文革で中学進学を阻まれ、製鉄工や
組立工をやってたって経歴が…!。
「労働」を身をもって知るため女工になったシモーヌ・ヴェーユが聞いたら
友情を結んだだろう。読んだらixion氏のBBSにでも感想書いてみたい
(何冊か先の読書予定だけど)。
100:吾輩は名無しである
03/07/02 16:04
100
101:99
03/07/02 16:06
>100
びっくりした。
sageでコソーリ書いているのに、心臓に悪いなwww!!!
102:吾輩は名無しである
03/07/02 17:31
【繰り上げ当選、繰り上げ前は落選】 だよ
共産党は「クリ-ン」が売りじゃないか。ブツブツブツブツ
表は政治資金の半分は党に渡して、党として党員が全員均等に使用すると
言っているが、単なるネズミ講式の『上納金式』の資金集めじゃないか。
今回の共産党党本部のビル新築、募金活動が全て。(笑っちゃうよマジに)
○○十万寄付で共産党の記念品ですと?
無利息で共産党へ貸付
すべて『上納』じゃないか。
こんな事が大きく報道されたら、
繰り上げ当選の大門なんか,,,『ただの爺-じゃねーか!』 そうだろう
103:林彪 ◆ZJMS.Joo8Q
03/07/02 19:35
>>ixion様
莫言の『酒国』はいわゆる民俗・土着的な要素を特別に扱ってはいませんよ
それよりはまさに「酒」というものをixion氏の言うように体よく利用する事によって
物語に不思議な虚構感覚を与えていると思います また舞台も物語の構造上一致していません
また莫言の描写がうまいとの事ですが彼の文は美麗字句ではなくむしろ直接的で
卑猥なものさえ感じさせると思うのですがやはり独特の比喩や、
畳み掛けるような文章は大変魅力がありますね
莫言は一時期中国文壇から総スカンを食らったことがありましたがそれは多分に
政治的な含みもあったと思います 失念したので調べたらまたカキコみます
どちらにしろ酒国は読んでおいて損はないと思います
と言っても私の未熟な中国語ではとても読みこなせないので邦訳を読んでの話です
このカキコで不快になられたなら謝ります
104:吾輩は名無しである
03/07/02 19:38
631 :林彪 ◆0RbUzIT0To :03/07/01 16:46
>>630
うん、俺の中ではixionがそのくらい純化された少年なの
ixionの白い体を抱きしめながら、一緒に本を読みたい
って、俺は脳内バイかな?
632 :吾輩は名無しである :03/07/01 16:48
ixionは昼間からパチスロ打ってそうな普通の兄ちゃんだぞ。
634 :林彪 ◆0RbUzIT0To :03/07/01 16:53
>>632
コテハンで書き込んだ時点でixionはそういう世俗的、土臭い現実感を失って
さっき書いたみたいな桃源郷の美少年になるんだ だからそんな、現世に汚されたixionはいらない
タッジオみたいな夢うつつの間をさまよう顔の見えない存在だからこそかわいい
それに比べて美香は・・・・・・・こんな掲示板でもあの下劣きわまるヒヒ女。
635 :吾輩は名無しである :03/07/01 16:58
ixionはチンコ長いよ。
まぶしい陽光の中で戯れる古代ギリシャの少年みたいだけどチンコ長い。
105:吾輩は名無しである
03/07/02 19:39
647 :吾輩は名無しである :03/07/01 17:45
林彪よ、もまいもここに書きこんでixionと仲良しになれ
URLリンク(6909.teacup.com)
648 :吾輩は名無しである :03/07/01 17:47
たーるとまだむはixionとメールやチャットで遊んでるぞ
もまいもがんばるのだ
649 :林彪 ◆0RbUzIT0To :03/07/01 18:16
僕は恥ずかしいからいい
一人で、想像の世界で、ixionと愛し合う
そういえば、ジュネは二冊読んだ(泥棒、と、鼻のノートルダム
650 :吾輩は名無しである :03/07/01 19:28
>>649
もしネタじゃなかったらキモ過ぎるな(^Д^)ギャハ!
106:ixion ◆ySh2j8IPDg
03/07/02 20:20
ageなくていいから^^; どうせろくでもない奴らが「必死だな」とか
書いてくるだけだし。
>莫言の『酒国』はいわゆる民俗・土着的な要素を特別に扱ってはいませんよ
知ってる。莫言は訳されたもので『花束を抱く女』以外は読んだから。
「『酒国』や『豊乳肥臀』は、『紅い高粱』よりその点については良くなってる
のかな」って書いた(最後に「かな」と付けた非決定性)のは、莫言は『赤い
高粱』以降の作品でも、ところどころであえて「土に従う」といった書き方を
してしまったりしてるから、「良くなった」という言い方は怪しいと思ったの。
林彪さんの言うように、「直接的で卑猥」な演出をしたりする癖が莫言には
あるんじゃないか、それを残雪は(ああいう作風の人だし、「不誠実な虚構」
には厳しい作家だろうから)見抜いて批判してるんじゃないか、ってことです。
>莫言は一時期中国文壇から総スカンを食らったことがありましたがそれは
>多分に政治的な含みもあったと思います
『豊乳肥臀』書いた頃に人民解放軍一級作家(確かこんなの)ではなくなった
けど、その前の話?それともその後?
『酒国』は全スレでも誰かに勧めたような気が…気のせいかな。
107:ixion ◆ySh2j8IPDg
03/07/02 20:26
>>89さん
今日仕事帰りに神保町寄ったんだけど、『豊乳肥臀』と『花束を抱く女』の
原書ならあった。三省堂のでかい交差点から、東京堂書店に向かって
く道に入って、東京堂過ぎた先にある内山書店ってとこの2階。
残雪は…当然なかったわ^^;
108:
03/07/02 20:37
109:89
03/07/03 00:50
>ixion
奇遇とゆうか、俺も昨日行った(w
つーか、東方書店(三省堂とかんたんむの間)は覗かなかった? 残雪も莫言も
それなりにあったぞ(高梁は見つからず)。
高行健は戯曲が揃ってたけど、やはり池莉や方方とかの若手は少ないねぇ。
その代わり、2001・2002短編ベスト集成なんてのもあった。
んで、格非コーフェイ作品集『格非』を購入。例に依って邦訳は絶版だけど、カフカや
安部公房が好きな人にオススメの作家です。
そうそう、発売中の『しにか』七月号で、中国系検索サイトを特集してたよ。
データベース化はありがたいなー。
110:吾輩は名無しである
03/07/03 01:48
『酒国』と『豊乳肥臀』
どっちがお勧め?
111:ixion ◆ySh2j8IPDg
03/07/03 10:58
あれ、俺が見つけたの東方書店の方だっけな?
高行健もあったし…。
>奇遇とゆうか、俺も昨日行った(w
なーんだ、会って話でもしたかったなぁ。こっちは
中国現代文学は全くの素人だしね。
そういや、中国現代小説、って雑誌あるじゃん?
あれにいろいろ訳されてるよね。残雪の短編読んだ
のもあの雑誌だった。
格非の短編も訳されてるみたいだね。
112:ixion ◆ySh2j8IPDg
03/07/03 11:07
あと、ここが良いね。残雪とかも手に入るよ。
URLリンク(www.frelax.com)
>『酒国』と『豊乳肥臀』 どっちがお勧め?
俺は『豊乳肥臀』 の方が好き。ただし、先述のような
欠点(意図的な土俗化)が引っかかるところはある
けど。面白さなら『酒国』の方が上かなぁ。
113:林彪 ◆ZJMS.Joo8Q
03/07/03 12:09
>>106
ほとんど読まれたのですか 凄いですね私は至福の時をまだ読んでいないのです
確かに意図的な土俗性というのはあるかもしれませんね ただ酒国の入り組んだ語りなどは
魅力があると僕は思います 作者登場というのは小島信夫他多くの作家が使っていますが
残雪と莫言は作家としての立場が対極にありますから彼の批判もうなずけるものです
ところで鄭義などは読んだ事ありますか
いわゆる文革派の代表と言う事ですが古井戸にも神話的要素が入っていたと思います
あと高行健の英訳はどのくらい出てるんでしょうか
では失礼いたします
114:ixion ◆ySh2j8IPDg
03/07/03 12:47
高行健は『霊山』『一個人的聖経』や戯曲集などが英訳されて
いますよ。
>ところで鄭義などは読んだ事ありますか
ないです。読んでみます。
でも、うっかりバロウズの火星シリーズを読み始めてしまった…。
115:江青
03/07/03 13:12
荒らす気は、もう(たく)とうwないんだけれど、
その「林彪」という名前で現代中国文学を語ってるって
ものすごくおかしい。Kera Kera,Kera~~~!
文人じゃなく武人だよね?
116:吾輩は名無しである
03/07/04 00:11
鄭義ってえと『神樹』って分厚いのが訳されてますな。
URLリンク(www10.ocn.ne.jp)
なるほど中国版「百孤」ですか(w
これもお勧めですか?<読まれてる方
>>112
ども。
やっぱ『酒国』の方が面白いですか。
117:吾輩は名無しである
03/07/04 01:56
例のサイトによると、
URLリンク(www.aw.wakwak.com)
ミルハウザー『エドウィン・マルハウス』が復刊されるらしいね
118:吾輩は名無しである
03/07/04 08:39
uブックスじゃないのかな?<エドウィン・マルハウス
uブックスはここ一両日のうちに3冊(『舞姫タイス』なんて
シブどころも入って)新刊が出たようだから。
119:89
03/07/04 08:59
『エドウィン・マルハウス』、三日前に読み終えたばかりだ(w
図書館で借りてさ。急いで読むことは無かったのだな。もう少しだけ、じっくり
楽しみたかった。
>鄭義
『神樹』は、カルペンティエルの『春の祭典』と仲良く積み置かれてたり。
ヘタレやな、俺。
『古井戸』は張芸謀の主演/撮影で映画化されてるね。これは見たい。
120:林彪 ◆ZJMS.Joo8Q
03/07/04 18:30
>>115
林彪は少しだけ僕自身に似ている
文革の歴史を調べているときにそのことに僕は胸を打たれた
また、墜落死するというのも、一種僕の精神の反映のようで切ってもても切り離せない
>>116
僕は「中国の地の底で」と「古井戸」を読みました 神木は未読です
中国の地の底で はぜひお勧めしたい
この本は単なる悲惨のノンフィクションではなく文革に対する新しい提示も含まれている
現在の文革=惨劇という一面的な評価は、同時に現在の中共産に利益のあるものでもあるので
彼はそこに疑問をなげかけています
例えば高級幹部のドラ息子達老兵は一般市民を迫害したが、毛の老兵批判に乗じ次のred guards達は
解放のために戦った つまり民衆も政変を利用し民主主義への戦いを目指したというような言説がある
まあ ひとつの視点として楽しめるのではないかと 惜しむらくは、抄訳であるところ。
>>114
ありがとうixionさん 最近ベケットについて調べているので高の戯曲に興味を持ちまして
>>119
春の祭典もこれまた分厚いですよね 私はまだ読んでいませんが・・・・・・
121:吾輩は名無しである
03/07/04 23:47
『エドウィン・マルハウス』復刊.comでまだ100票
いって無かったから、これは快挙ですな。
>『神樹』は、カルペンティエルの『春の祭典』と仲良く積み置かれてたり。
>ヘタレやな、俺。
いや俺なんかそれと仲良く『世界終末戦争』と『イリワッカー』と
『アンダーワールド』と『重 ・・・
↓ 以下続けてどうぞ(w
122:ixion ◆ySh2j8IPDg
03/07/05 09:35
…何続けよっかなぁ(w
ダイベックもuブックスになったんだね。ダイベックは子供2人が
ばぁちゃんにシチュー作るためにトリ(だっけ?)の血を手に入れ
ようとして、変な郵便屋にあったりして逃げる話が好き。タイトル
忘れた^^;
>>89さん
残雪「新生活」読んだ?彼女はこういう「都市の気持ち悪さ」みたいな
ものを描き出すのも巧いなぁ、とあらためて感心した。
(俺が読んでるのは「季刊 中国現代小説 通巻47号」に載ってる奴)
『突囲表演』でも、たしか「大衆の気持ち悪さ」みたいなものを書いて
いたと思うけど、今回は高層ビル・婆さん・エレベーター・『蜘蛛の巣』
のような街、と、とても少ないものを淡々と描いていながら、ちゃんと
残雪らしい不思議文学になってる。とても良いよ。
123:89
03/07/06 01:03
>ixion
『新生活』は未読……だと思う。短編は原文で幾つか目を通したけど、おそらく
それには入ってない(もはや記憶も定かでない('A`)
『中国現代小説』47号は、品切れみたい。
つーか、よくこの雑誌知ってたね。中国語の読み書きが出来ないのに購読してる
のは、日本でアナタ一人だけだと思うぞ多分(w
そして、今日紀伊国屋に行き、改めて流通量の無さに(´・ω・`)ショボーンとして帰る。
阿来の長編は訳されねえかなァ……
124:ixion ◆ySh2j8IPDg
03/07/06 08:41
URLリンク(www.mmjp.or.jp)
ここからバックナンバーも注文できるよ。第2期11号(通巻47号)ね。
俺の場合には、気になる作家の分だけ注文してる。
あとは鼎書房の『現代中国女性文学傑作選』とか読んだ。でも
これは「中国現代小説」で訳出されたものの再録だった。
方方の「やがて悲しき」とか最初に読んだのはこれ。
>中国語の読み書きが出来ないのに購読してる
>のは、日本でアナタ一人だけだと思うぞ多分(w
物好き…なのかなぁ、やっぱり(苦笑)
でも、新しい小説が世界のどこで起こってるか分からないじゃん?
欧米なんて世界の一部に過ぎないしさ。
阿来、知らなかった。チベット族の作家なんだね。
125:89
03/07/06 23:03
スチュアート・ダイベック『シカゴ育ち』買いますた。
そして、折り込みチラシにある『ベケット伝』(上下)の値段に( ゚д゚)ポカーン
>ixion
阿来は『中国現代小説』で三回取り上げられてる。
日本企業による松茸の買い付けで、辺境の町が松茸狩りの熱狂に陥る『松茸』。
チベット族の禁漁の習俗に因んだ綺譚『魚』。民話に数々の奇蹟を残す人気者を
主人公にした『アクトンパ』の三作。どれも気に入ると思う。
先月のユリイカのコラムでも、山口守先生が紹介してた。
ところで、マジックリアリズムの影響と言えば鬼子グイズはどうかな?
126:吾輩は名無しである
03/07/07 23:31
『現代中国の輪郭』という藤井省三氏の本、1993年に出たものだけれど
情報が豊富で、つまみ喰いしていて面白い(と言うには不謹慎な内容もある)。
『人民文学』に長編が掲載されたときの莫言の略歴に思わず笑った。
こんなユニークな略歴って、見たことない。
「…暮らしが厳しかった時期に、餓えのため彼の頭はおかしくなり、
神経系統は余り正常でなく、好んででまかせを言うが、口に出すと
すぐに忘れてしまう。…」
高行健が戯曲「バス停」で『ゴドー待ち』を意識したとか、鄭義『古井戸』
邦訳刊行後、逃亡中の本人から訳者宛てに序文が寄せられて再版時に
それを掲載したとか。
母国の言葉を剥奪され、チベット語での読み書きはできないザシダワに
ついても言及されている。文革のチベット文化破壊については、ミステリ
『頭蓋骨のマントラ』でショックを受けた。ラサの町に異民族を強制移住
させたり、寺院を破壊する政策に…。
チベット文明って、西欧合理主義に対峙する老荘思想以上に突き抜けた
ものがあるだろうから、宗教を介してでなく小説を介して知りたいものだ
と思う。
127:吾輩は名無しである
03/07/07 23:34
「現代」じゃなくて申し訳ないが、
『フィネガンズウェイク』(柳瀬訳)がとうとう文庫化されるね。>河出
昨日、『西瓜糖の日々』(ブローティガン)と『見えない都市』(カルヴィーノ)
買ったらカバーの袖のところに続刊予定で書いてあった。
カルヴィーノの『柔らかい月』と『宿命の交わる城』もでるみたい。
128:126
03/07/07 23:36
世界には、小説を介しては知り得ない文明も沢山あるけどね。
映画「緑のアリが夢見るところ」に出ていたアボリジニ族のように、
自分しか部族の生き残りがいなくなって口をきかなくなっちゃった人
とか、沢木耕太郎『イルカと墜落』に書かれていたアマゾン流域の
文明とコンタクトがない種族とか。どんな口承文学があるのだろう。
残雪は、かなりきつい。読んでいて、読者たる自分が疎外される気分で
不条理だw。
短篇集『廊下に植えた林檎の木』で、最初の「帰り道」というのが
カフカや安部公房的、いや、それより華がある気がして楽しく読んだ
ものの、作者本人が気に入っている表題作は「核」が見つけられず
しんどかった。ディックやバロウズなどサイケっぽいのが好きな人
にはいいのかも。ジャンキーの幻覚のように脈絡のないものが出てきて、
ほんとポカーンなのだ。
『黄泥街』も騙し騙し読んでいるが、別の本でリハビリしながらで
ないと進めない。『突囲~』は比較的分かり易いというので期待して
いるけれど、辿りつけないかもしれないなー。
右に転んでくれればOKだけれど、左に転ばれるとダメという微妙な
ところにいる作家で、やはり一般人にはハードルが高いという印象。
129:吾輩は名無しである
03/07/08 00:17
>>126
チベット文化は仏教やその他土着外来問わず宗教が混じりまた対立してて、
一様には捕らええない。
宗教なしに文化に触れるってのも無理だろ。
130:126
03/07/08 09:08
>126
書き方が悪かった。「宗教を介してでなく」というのは「宗教
なしに」というつもりではない。
教義がどうだとか、それが人々の生活にどう溶け込んでいるかと
いう視点(歴史学者や文化人類学者の取り組み)からの紹介でなく、
宗教とあいまった文化のただなかにいる人の生活に根ざした想像力
から生じる物語、そこにあらわれる「思念」のようなもの(あるいは
その根源)を知りたいという意味です。
文明を一様には捉えられなくても、特殊な地理や風土(気圧の人体→
思念に及ぼす微妙な影響ひとつとっても、National Geographicなんぞ
には写っておらんし)、そして歴史に左右されるところの、例の「土地の
神話性」―これを作家の言葉から感じとってみたいということに
なるのかな(今、書いてて分かってきた気がする)。
自分には、それが作家的「霊感」のひとつだという思いがある。
つまり土地の神話性みたいなものを身に帯びて書くと、意識あるなしに
拘らず、それが書かれたものに表出してしまうことが…。
中国現代文学には「ルーツ派文学」という括りもあるみたいだけれど。
確かに、そのように霊的なものに満ちた小説を『百年の孤独』と
呼ぶのなら、それはそれで便利な用語だと思う。
それより前の作品には使えないだろうけれど。
131:126
03/07/08 09:14
訂正
>126→>129
我ながら読みにくい文章だな。
きょうは気圧が低い上、朝は血圧が低いんだよと
余計な言い訳しておこうw。
132:吾輩は名無しである
03/07/08 10:11
暫く流れをみてて残雪に興味をもったんですが、新刊で読めるのって
ほとんどないのね…
スーパー源氏で検索したらやたら高いし
古本に定価の倍以上出すのはやだ(w
133:吾輩は名無しである
03/07/08 15:44
ぶっちゃけ宗教=文化だしな。
要するに、文化史観的な他者の紹介では満足できないってだけだろ?
134:89
03/07/09 01:00
>126
残雪は、当事者的な「意識の流れ」を読者の心中に再演する。
読者は抑圧の被害者となりながら、語り手からは抑圧の加害者として糾弾される。
視野の獲得は次第に、感情移入と文学的常識の排除を意味するようになる。
初めて読んだ時は周到さに舌を巻いた。
>132
残雪は、図書館に行けばあると思う。
上のはあくまで私見なので、あまり気にせずに(w
135:吾輩は名無しである
03/07/09 03:03
残雪、莫言は読んだ方が良いと。
しかし、次から次に知らない名前が出て来るなー。
136:ixion ◆ySh2j8IPDg
03/07/09 09:17
>>128
ちょうど『廊下に植えた林檎の木』読み終わった。
>作者本人が気に入っている表題作は「核」が見つけられず
>しんどかった。ディックやバロウズなどサイケっぽいのが好きな人
>にはいいのかも。
残雪って、結構倫理的(って用語が適切かどうかはは置いとくとして)
な作家で、例えば新旧写実の中国文学が、下手すると旧来の大地
礼賛に終始してしまう。だからこそ、生命の力や不可解さを別の形に
託して書いている。でも、その別の形が時折独りよがりに思えてしまう
のは、確かにその通りかもしれない。サイケっぽい、ってのはなるほど
その通りだと思う。けど、光と匂いに満ちたサイケね。
「わたしはこの十数年について、その後について、多少の話をすること
ができるような気がした。それも、普通の人は意識したこともなければ
言ったこともないような話で、わたしはそういうことを文学によって、
幻想の形式によって語りたいと思った。ある抽象的な、同時に純粋な
なにかが、わたしの内部で徐々に凝集してきていた。わたしは書き
はじめた、毎日少しずつ、なぜこのように、あるいはあのように書くのか
完全には知らないままに、ただひたすら自分の天国に執着し、くりかえし
味わい、ひとり楽しんだ。」(「美しい南国の夏の日」近藤直子訳)
137:ixion ◆ySh2j8IPDg
03/07/09 09:18
「廊下に植えた林檎の木」でも、最初の章にある生誕の不確かさや
崖の上の話が、最後の章「ぼくの最後の夢」につながるようになって
いるが、それは男側(祖父-父-僕)に共通する、「自分と折り合い
がつかない」という感じかもしれないし、「ぼく」が家の崩壊を願って
いるので、現実と夢が不確かに接合されているのかもしれない。
この「家(族)」は、それぞれの確かさ(正しさ・現実)と不確かさ(幻想)
との境界を明確につけられない(まぁ、女の方が自分と折り合いを
つけている感じがする)のだが、不思議に陰鬱な感じがしない。
それは光や匂いが溢れている(「敢ていうが、わたしの作品は全編
光明に満ちている」)からであり、崖から飛び降りるのではなく
「ぼく」がとどまるのは、実は非常に「倫理的な」選択(フォークナー
『野生の棕櫚』みたいな、とは言わないけど)だと思える。
でも、確かに細かい描写は、こうもり傘とミシンじゃないが、唐突な
物が多くて妙に気負ってる感じもする。その点「新生活」は、もっと
すっきりとまとめていて良かった。
138:ixion ◆ySh2j8IPDg
03/07/09 09:33
すまん、136の文章が変(まぁ勢いで書いてるからいつものことだが^^;)
例えば新旧写実の中国文学は、下手すると旧来の大地礼賛に終始して
しまって、単に読者を「安心させる」ことにだけ腐心する。残雪は逆に、
生命の力や不可解さを別の形に託して書くことで、「魂自身の文学」、
「大衆が公認する現実世界と並ぶもうひとつの、さらに広広としたあの
世界」(「精神の階層」近藤直子訳)のことを扱う文学を打ちたてようと
しているんじゃないかな。で、そういう点で俺は残雪は「倫理的」だと
思うんだな、たとえ作風は不思議文学まっしぐらであっても。
>>130
>歴史に左右されるところの、例の「土地の神話性」
>自分には、それが作家的「霊感」のひとつだという思いがある。
>つまり土地の神話性みたいなものを身に帯びて書くと、意識あるなしに
>拘らず、それが書かれたものに表出してしまうことが…。
俺もそういう文学にはあこがれる。けど、たぶんこういう「霊感」は下手
すると胡散臭い民族礼賛につながってしまうんじゃない?それを
残雪は絶対やりたくないんだと思う。
URLリンク(webclub.kcom.ne.jp)
ここの諸評論を読んでみると、残雪の文学観がハッキリしてくるんじゃ
ないかな?(近藤直子さんは残雪の素晴らしい紹介者だよなぁ…)
>>134
>読者は抑圧の被害者となりながら、語り手からは抑圧の加害者として糾弾される。
>視野の獲得は次第に、感情移入と文学的常識の排除を意味するようになる。
うん、それ納得。受け身の読みを徹底して排除する、っていうふうに、
残雪自身は上の評論のどれかに書いてた。
139:吾輩は名無しである
03/07/09 11:58
134と137の読解が自分より深いので、何かムカつく気がしないでもないw。
近藤先生の残雪評論集も入手しようかと思っていたけれど、あんな充実した
サイトがあるとはつゆ知らず、紹介に感謝します。
(というか、毎度のことながらフーディーニか引田天功みたいだね)
「美しい南国の夏の日」の「必要なのはただ、魂の渇きだけである」をはじめ
として、残雪という作家は空恐ろしい人だと思った。エッセイ集が読みたい。
米国より日本での方が読まれつづけている理由というのが、『村上春樹
ブック』にも引用された『ピープル』誌の記事「世界を生命のあるがままに
ミニアチュアの中に封じこめるべく丹精こめて書かれた彼の精緻な文章が
ボンサイ的優雅さを解する彼の国の読者に受けたのであろう」の通りかも
しれんなー…と思わせられる『西瓜糖の日々』―読みながら、本家本元の
西海岸サイケの軽味に触れ、これもやっぱり一種の霊感だよねと思う。
女の子たちに人気のある作家がプッシュして話題にもなったのだから、ワコー
ル手がけるコンビニ“It's Demo”みたいなノリの装丁にすれば売れるのに…。
イッツデモに行っておしゃべりに耳を傾けていると、かわいさと背中合わせの
ガーリー(←古い?)の残酷さが、おそらく西瓜糖ワールドしている気がする。
140:139
03/07/09 12:03
サイケの他にも実は、残雪作品から断片的に受けた印象というのがある。
それが「美しい南国の夏の日」の祖母とのエピソードで得心できた。
「廊下に植えた林檎の木」は普通の肉体をもつ人間ではなく、家族それぞれが
特徴ある異形の者なのだが、そのキャラクター設定とか寝る場所などを読んで
いて、ふっと思い起こされたのが日本民話だ。
お節介に過ぎるが、日本の昔話は関敬吾が編集した岩波文庫の3冊を買って
おけば、折に触れて読むのに便利だと思う。それと一緒に『日本昔話ハンド
ブック』(三省堂)というコンパクトな事典があると重宝する。
そこに詳しいが、昔話のルーツをたどっていくと、西洋にも東洋にも類話が
あるシンデレラみたいなお話もあるけれど、日本昔話の場合、過去の文化交流
から当然のこと、大陸から伝来してきたものが多い。
「夜は箱の中で寝る」というちょっとした記述から、つづらや長持ちに隠れる
昔話の人物たちが起ち上がってくる。「こうもり傘とミシン」のような
唐突さ、荒唐無稽さというのも民話ではよくある展開だから、本来の「もの
がたり(口承伝承)」を意識して残雪が小説を書いたとしても不思議はないか
という気はしていた。
祖母に聞かされたウワバミの民話、日本でも旅の役者「たのきゅう」なんか
に登場する。祖母とのエピソードを読んでいて、急に近しいものを感じた。
141:139
03/07/09 12:07
民話の影響が実際のところどういうものかは分からない。
しかし、「土地の神話性」には大地礼賛、民族礼賛とは異なる要素もあって、
それが民話には結晶されていると私は思っている。
民話は民族の「魂」だとか「ふるさと」だとか言われるけれど、「礼賛」だけで
なく、自分たちの置かれた境遇のみじめさを笑い飛ばすような点があったり、
知り尽くせない自然に対する畏怖、そこに潜む異形の物(化物)を描きながら、
権力や体制に対する無力感をも表現して、からり諦める点などがカタルシス
として機能する。
このように書くのは、莫言たちルーツ派の感動とは違う方向性だろう。
だけれども、民話的な乾いた笑いは、礼賛とは異なるもうひとつの民族の
尊重の仕方であり、言うなれば「新しい民話」として、作家的「霊感」に満ちた
文学の在り方なのかもしれないと、ちらと考えた。
142:吾輩は名無しである
03/07/09 20:50
>>141
具体性に欠けてるし、偶像視しすぎでないかい?
143:吾輩は名無しである
03/07/10 17:46
ストーリーテリングの女王 コニーウィリス
宮部みゆき&瀬名秀明絶賛
『航路』
認知心理学者ジョアンナの臨死体験、戦慄と感動のメディカル・サスペンス
死の恐怖に正面から立ち向かう人間の気高さを描く、驚愕と感動のヒューマン・ドラマ!
58章で終わっても感動
『ドゥームズデイ・ブック』
21世紀のオックスフォードから14世紀へと時をさかのぼっていった
女子学生キヴリンの物語。病原菌を巡ったミステリー感動作
盛り上げ方が上手い、ストーリーテラーの女王
もうよんだ?
読書の楽しさを認識させられる、読みやすい一冊。ホワイトデーの日に
読書好きの彼女へプレゼントするのに最適かと。
144:吾輩は名無しである
03/07/10 18:06
ニック・ホーンビィ好きなんだけど一般書籍板向けかな?
145:吾輩は名無しである
03/07/10 18:10
>>143
宣伝もそうしつこいと、逆に反感をかうよ。どこの変臭だ?
146:吾輩は名無しである
03/07/10 18:11
せっかくの良スレに・・・宣伝。
147:吾輩は名無しである
03/07/10 18:31
マルハウス復刊って俺もどっかで聞いたけど、ソースってあるの?
148:吾輩は名無しである
03/07/10 19:03
>147
出版社がISBNコードも決めたようなので……
URLリンク(www.fukkan.com)
149:吾輩は名無しである
03/07/10 20:35
せっかく忘れ去られたスレを上げてやったんだから文句を言うな
150:吾輩は名無しである
03/07/10 20:42
大森望が大絶賛!
151:141
03/07/10 20:43
>142
141は民話の一般論が主だから、民話も残雪も「偶像視」する気はないけど、
書かなくていい個人的「仮定」を書きすぎた。お恥ずかしや。
ただ、そういう足がかりをもって「~林檎の木」をもう一度読んだら、
>>134 の「視野の獲得」が少し可能になった。
>>137 の「ふみとどまる」ラストは『野性の棕櫚』と違うが倫理的…
という解釈は分かる気がする。妹に見とがめられたのをこれ幸い、
ふみとどまって諦めたという情けない消極的選択ではあるけれど、
自分の「分際」を知ることの積極的意味を肯定したのではないか。
『黄泥街』も読み直したら、キッチュなカフカみたいで割に楽しめた。
後半の会話が多い部分はターボかかって読めたし…。繰り返し話のような
民話的要素も少し認められた。
まとめないで語り流していくようなスタイル(言葉を出たとこ勝負みたいな
ノリで積み上げていく)が昔語り的であるし、こういう掲示板にもよく似て
いる。「糞」とか「豚」とか、煽り文句と同じ言葉もたっぷりあるしね。
152:吾輩は名無しである
03/07/10 21:53
宣伝 (・A・)イクナイ
153:吾輩は名無しである
03/07/10 22:25
ところで今売ってる「紙葉の家」って読んだひとおる?
パラパラめくってみてトリストラム・シャンディみたいだなーと思ったんだが。
154:吾輩は名無しである
03/07/11 01:32
>>153
前スレでは
それ出たとき、ここの論客が揃って
否定的だったからどーだろ(w
155:吾輩は名無しである
03/07/11 02:11
>>154
サンクス。「メリケン吉田戦車」ってやっぱなあ。
まあ伝染るんですは吉田氏だけでなく装丁の祖父江氏の仕事もでかいけど。
あと題名をつけた竹熊氏も。
紙葉の家ってスレも立ってたのかな?
アドレス判る人いないだろうか。
ところで前スレ読んでたらマダムBが『オルガニスト』を推薦していたが
新潮社の日本ファンタジーノベル大賞作品で音楽ネタなら
大声で高野史緒『ムジカ・マキーナ』の方が面白く完成度が高いと言いたい。
156:UAYE ◆uaYejoOYtk
03/07/11 02:27
>89
中国語で「ラテン」は「拉丁」のはずです。
日本では「羅甸」と書いたみたい。
中国文学は王朔の「消しゴム人間」しか読んでない。
157:89
03/07/11 06:53
『航路』は第一部がおもしろかった。
その後はサブテクストを表で語り始めたり、メタファーの強調が竜頭蛇尾に終わ
るとか微妙だけど。
>155
スレ違いだが、俺は『ムジカ・マキーナ』の文体は少し頂けない。
少女漫画、軍記小説、江戸捕物帖、冒険小説のコードが前触れ無しに入り混じり、
指揮者の不在を感じる。
文体のサンプリングやミキシング等でも無い。
音楽を題に取るなら、そこに気を張るべきじゃないかな?
>156
調べ直した。一般にはそちらが通例だね。
羅丁と書いた原文を見た事があって、そっちで覚えてた。訂正ありが屯。
158:吾輩は名無しである
03/07/11 14:25
>>155
ふぁんたじーのべるなんて・・どれほど気取ってみせても程度が・厨房
159:吾輩は名無しである
03/07/11 20:59
どっちが厨房だよ
160:吾輩は名無しである
03/07/11 21:27
>150
その人がまた絶賛しているスタージョン『海を失った男』も出たみたい。
あらすじ読むと、幻想味があって面白そうな作品が多い。
『夢見る宝石』もSF色うすそうだから、読めそうかな?
>158
厨房は好きで、きょうはおやつも作ったから都合4回立った。
珈琲も淹れたなー。結構新しいキッチンだが、食洗器に何から何まで
入るわけでないので、片づけがキライ。クリスティーとか川上弘美とか、
厨房派の女性作家って多いみたいだね。厨房派の女性読者もとても多いと思う。
『ムジカ~』は麻薬っていうのでドラちゃんの『天使のパス 悪魔のゴール』
を思い出したw。機会あったら読んでみます。
『オルガニスト』は「男女の距離感」の描き方が絶妙で良いのだ、とマダムBが
申しておりました。最近は『贖罪』が『抱擁』より気に入ったみたいだよ。
161:吾輩は名無しである
03/07/13 08:37
若島正の日記によると、ナボコフ「青白い炎」が文庫化されるそうです。
復刊ブームが来たみたい。
162:吾輩は名無しである
03/07/13 10:26
>>161
本命キタ━━(゚∀゚)━━!!
今、訳稿を点検してるとすると、今年末~来年初頭あたり刊行か?
えらいぞちくま!!
163:吾輩は名無しである
03/07/13 23:42
>>161
「第三の警官」も文庫化してくんないかなぁ<筑摩・・・(´・ω・`)
164:吾輩は名無しである
03/07/14 14:18
エリアーデ日本オリジナルの幻想小説集です。
出版社サイトが更新されておらず全容はわかりませんが、良い企画だと思います。
URLリンク(www.bk1.co.jp)
165:吾輩は名無しである
03/07/14 20:02
>164
収録作品は作品社の近刊案内でわかるよ。
2巻は9月、3巻は11月以降の予定。
当初は1巻2002年12月、2巻1月、3巻5月の予定だったが。
URLリンク(www.tssplaza.co.jp)
もう感想書いてる人がいる。
URLリンク(d.hatena.ne.jp)
166:UAYE ◆uaYejoOYtk
03/07/14 23:41
ザシダワってやな名前だ
167:吾輩は名無しである
03/07/15 01:16
>165
情報ありがとう。
もう感想書いてる人の選書、面白い。エリアーデの「読み」も参考になる。
けど、「『ムントゥリャサ~』で現実と幻想が対峙」とか書いてあったのは
ちょっと違う気がする。
はなから絵空事のハイファンタジーと違って、エリアーデは幻想の展開して
いくところ、どこまでも現実を引きつれていくような書き方をしていると思う。
だから、自分がいつかこの世にあってその境界を乗り越えていってしまい
そうな感じが襲いかかってくることがあり、コワくなる。
最近、自分の書き込みの間違い&勘違いを発見しながら、かなり境界を
乗り越えつつあるなと同じ恐怖に襲われるwww。
そういう箇所はよろしくスルーしてね。
168:山崎 渉
03/07/15 09:01
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
169:吾輩は名無しである
03/07/16 01:58
山崎対策age
170:吾輩は名無しである
03/07/16 13:01
17日18:30~池袋ジュンク堂の若島正氏レクチャー、
誰か行けたらレポート、よろ!
171:吾輩は名無しである
03/07/16 22:01
マルハウス復刊はうれしいなあ
172:吾輩は名無しである
03/07/21 05:12
ミルハウザーのエドインマルハウスは2,200円ってことは
Uブックスでなくてハードカバーですか。
173:吾輩は名無しである
03/07/21 21:54
>>172
この手のハードカバーとしては微妙に安いし
新書版サイズにしては幾ら何でも高すぎる。
新装丁版で登場のヨカーン! ヽ(´ー`)ノ
174:吾輩は名無しである
03/07/22 19:08
ということは国書の廉価版みたいな四六版のソフトカヴァーかな?
175:吾輩は名無しである
03/07/23 01:02
となくると、本棚の飾り用と読書(積読)用と
2冊買わなきゃなんないねぇ(w
176:島田玲司
03/07/23 14:42
掲示板のみなさまはじめまして
友人にここの掲示板のことを聞いて来てみ
ました
177:吾輩は名無しである
03/07/24 20:51
エドウィンようやく復刊ドットコムからメル来たね。すっきりしたカバー。
URLリンク(www.fukkan.com)
莫言の新刊『白檀の刑』も積んであった。コンスタントに翻訳される作家
なんだな。
178:吾輩は名無しである
03/07/24 21:53
>コンスタントに翻訳される作家なんだな。
ま、大江健三郎が絶賛してるってのも大きいね・・・
179:吾輩は名無しである
03/07/24 23:13
大江健三郎セレクション「文学の王道(正統)」とか何とかシリーズ名つけて、
講談社文芸文庫あたりで出してくれないかな。文庫より、クレストに対抗
意識燃やし四六判フレキシブルバック(並製)でこじゃれた感じにすれば、
売れないことないと思うんだけど…。
リョサ『ラ・カテドラルでの対話』
グラス『ひらめ』か何か
マラムッド『修理屋』か『あたらしい生活』
T・ウルフ『天使よ故郷を見よ』
メイラー『鹿の園』
チーバー『短篇大全』
アップダイク『カップルズ』
フォークナー『野性の棕櫚』
ラウリー『活火山の下で』
マードック『切り取られた首』
M・スパーク『死を忘れるな』
絶版じゃないのもあるのかな? みんな講談社の本じゃないからw、ムリか。
全集の端本とかは本棚の場所喰いだから、やってくれると嬉しい。
企画書作って持ち込むにしても、その前に全部集めなきゃか…。現実味のない話。
180:吾輩は名無しである
03/07/24 23:23
そうそう、つけたし。
解説はね、全部オーケンじゃもったりしすぎなので、海外の新進作家と対談
してもらって色をつけます。それにオーケンの思い入れ(自作との関連)を
エッセイにまとめてもらって添えるという方向で。
喜寿記念とか何とか、まだまだ先か…。
181:吾輩は名無しである
03/07/25 00:17
>>179
微妙に渋い選択ね。
リョサ『緑の家』
グラス『ブリキの太鼓』
メイラー『古代の夜』
アップダイク『うさぎモノ』
フォークナー『アブサロム、アブサロム!』
マードック『鐘』
M・スパーク『マンデルバウム・ゲイト』
じゃないのね・・・
182:吾輩は名無しである
03/07/25 10:57
代表作とは限らないのでしょうね、作家が作家に影響を受けるのって…。
「新しい場所へ出ていくという意味で啓示を受けた」「悲嘆について考え
させられた」「女性の造型を通じて男らしくユーモアを表現してみたく
なった」とかツボがあるみたいです。
「大江セレクション」としたのは企画としてのまとまりであり、
手に入りにくくなった名作を手軽に読みたいだけのことです。
遅れてきた読者でない人は、とうに持っているのでしょうがw。
しばらく前に朝日新聞に発表されてきた往復書簡がまとめられ、
グラス、ゴーディマ、リョサ、ソンタグ、鄭義など、ここでも
挙がる興味深い相手が並んでいますが、誰か読んだかな?
183:島田玲司 ◆tr.t4dJfuU
03/07/25 22:38
O・ヘンリーとか読んでる人いませんか?
184:吾輩は名無しである
03/07/26 04:51
>>183
すれ違い
185:ixion ◆ySh2j8IPDg
03/07/30 23:03
ケルテース出ました、ってことでたまにAGE
186:吾輩は名無しである
03/07/30 23:32
チャック・パラニュークの新刊どうよ?
187:吾輩は名無しである
03/07/31 08:13
アウステルリッツもきのうかな、出たみたい。
188:吾輩は名無しである
03/07/31 20:45
グレック・イーガンも誰か得意な人、解説してケロ。
何から読むとよさそうだ、とか。
189:とーりすがーり
03/08/01 00:07
>アウステルリッツ
立ち読みした感じではなかなか面白そうだったけど、どうっすか?
ピンカーの本買ったのでまあいいかと思い買わなかった。
感想ききたいです。
190:トーリスギャラー
03/08/01 00:23
>>188
早川文庫の90年代傑作選の中の短編なんか
191:吾輩は名無しである
03/08/02 11:41
>>188
イーガンは『宇宙消失』が良いんでない?
そういえば奥泉光も褒めてたとか。
192:無料動画直リン
03/08/02 11:41
URLリンク(homepage.mac.com)
193:吾輩は名無しである
03/08/02 22:53
>>188
短編集が出て盛況のモヨリ
スレリンク(sf板)
194:吾輩は名無しである
03/08/02 23:23
この本、面白そうなんだよね。紹介文はまったくよくないけれど、
未知谷だし―といっても、企画の傾向がいまひとつつかみにくい
良心派出版社。
URLリンク(www.michitani.com)
ノサックって誰か読んだことある?
さて、アウステル~読むとするか。
おととし自動車事故で死んだと著者紹介で読んで、何かショック。
195:ひまわり
03/08/02 23:45
URLリンク(life.fam.cx)
196:ひまわり
03/08/02 23:48
URLリンク(life.fam.cx)
197:吾輩は名無しである
03/08/03 09:02
しかし、海外文学耽溺人口と、国内エロゲーハァハァ人口と
どっちが多いんだろうね。正直、初心者無視ではどちらも
先細りするしかないような。
198:DEN ◆Wr92gSiYqA
03/08/03 14:22
>>194
ノサックは岩波文庫『死神とのインタヴュー』だけだが読んだことある。
面白い。器用で多才な人だなと思った。
199:194
03/08/03 17:08
>198
ちょうど今、それ買って帰ってきた(イーガン短篇集といっしょに)。
古書店で高い値がついているけれど、去年の暮れに復刊したんだね。
面白いですか。近日中に読んでみます。
その解説にもあるけれど、「アウシュヴィッツのあとにもなお詩を書く
とは野蛮である」と言われたところの世代なのに、ツェラン、グラス、
ハインリヒ・ベルのようには聞かない名前だったから、へえーと思った。
寓話やSF的に戦時下の体験を書いているというのは興味深い。
戦争つながりで、ケルテス『運命ではなく』―すごいね。
一気読みした、久しぶりに。
200:吾輩は名無しである
03/08/04 23:20
>189
過去スレにゼーバルトの話題あり。
URLリンク(book.2ch.net)
『アウステルリッツ』は訳がカタすぎ(そうした意図は分かるが)。
テーマが重い(ドイツだから仕方ないが)。
意識の流れ的なのでじっくり追う必要がある。
しかし、厳然とした独自性があり、読むべき1冊と思いました。
201:吾輩は名無しである
03/08/04 23:23
前スレのミラーに飛ぼうとすると、変なページに
つながるようになった。くわばら、くわばら。
202:吾輩は名無しである
03/08/05 10:51
201ほんとだ。
でも前スレhtml化されているみたい。
URLリンク(book.2ch.net)
203:吾輩は名無しである
03/08/05 22:29
>>202
>前スレhtml化されている
ヽ(´ー`)ノ
204:吾輩は名無しである
03/08/06 12:50
>>194
今年に入って岩波文庫から『死神とのインタビュー』が出たばかり
ですよ>ノサック
戦後ドイツの空気が臭いと思うかいとおしいと思うかで評価が変わるような
205:吾輩は名無しである
03/08/06 13:50
>204
評価のものさし、ありがとうございます。
落手した岩波文庫は2002年12月の6刷で、しばらく品切れののちの
重版再開かと思われます。
ちなみに初版が1987年2月。1977年のノサックの死から10年の経過を
見ている。やはり生前のうちに刊行されることがめったない「古典」
および「古典候補」のための文庫だと意地をまざまざ感じさせられて…w。
カフカの影響下と分析する研究者がいるようで、楽しみに積んでいます。
集英社の全集には、『死神との~』所収の短篇がひとつ、入っている
みたいです。
206:吾輩は名無しである
03/08/07 13:34
マルハウス出たよ。
白水社のサイト更新はまだみたいだけど。
207:吾輩は名無しである
03/08/08 22:17
>>マルハウス
キタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!!!!!
208:吾輩は名無しである
03/08/09 12:30
イアン・マキューアンとロバート・ゴダードのスレが見当たりませんが、なんでだろう?
過去ログ倉庫に行けばあるのかな?
209:吾輩は名無しである
03/08/14 11:44
マキューアンやゴダードのスレって見たことない。
210:吾輩は名無しである
03/08/15 05:16
マグラアのスレはないですか?
211:吾輩は名無しである
03/08/15 09:27
>209
だれかスレ立ててくんないかなぁ。
好きな人多いと思うのだけれど・・・。
212:山崎 渉
03/08/15 10:07
(⌒V⌒)
│ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
⊂| |つ
(_)(_) 山崎パン
213:吾輩は名無しである
03/08/15 22:16
ゴダードなんかだとミス板に無いの?
ちょっと浮上
214:吾輩は名無しである
03/08/17 22:39
>>209
>>213
ありましたよん↓
スレリンク(mystery板)l50
215:吾輩は名無しである
03/08/18 12:20
>214 サンクス!
216:吾輩は名無しである
03/08/23 21:40
しびれるサイトを見つけたので、ひとりで見ているともったいない。
貼っとくね。翻訳家の中野善夫さんのページ。
URLリンク(www010.upp.so-net.ne.jp)
世界の書店のリンクが面白い。カナダにあるハンガリー語専門店、
カリフォルニアのアルメニア本の専門店…一生世話にはならないと
思うけど。
日記がいいな。
「本を注文するのに忙しくて読む暇がない」とか「ダンセイニの本は
2冊ずつ買うことにしている」とか「スタージョンの全集は10年近く
買い続けているのに全く読んでいない。しかし、後悔していない」
217:吾輩は名無しである
03/08/24 13:45
>10年近く買い続けているのに全く読んでいない。
>しかし、後悔していない
なんか力付けられる言葉ね(w
218:ixion ◆ySh2j8IPDg
03/08/24 17:55
ロシア文学専門のひとにとっては当たり前の話なのかもしれないが、
ビートフって…すごいな、いろんな意味で^^;
まぁ、ソローキン初めて読んだときほどの衝撃はないが、
「文学は終わった」と思わせておいて、きちんと「文学は続く」
といった手法(まぁ、要するにそれは「ポストモダン」の「メタフィクション」
とやらなのかもしれないが、そんな怪しげな用語はどうでもいい)を、
やっぱロシア文学でもこれだけ意識的にやっている人はいたのね。
『プーシキン館』は、ロシア文学の素養があまりない俺には、作中の
作中のさまざまなallusion(と思われるもの)は全て分かるわけではない
が(まぁ、ナボーコフやベールイはいいとして)、とてもまともな作品
であり、この作家がまだ邦訳されてないのはちょっと惜しい。
(ちなみに、俺が読んだのはすばらしい出版社Dalky Archive Press
からでている英訳版)
てことで、ロシア文学専門の人、ここにいたらビートフについて
いろいろ教えてくださいな!
219:吾輩は名無しである
03/08/25 11:46
木曜の夜かな、BSで『オスカーとルシンダ』の映画をやるみたいだね。
220:吾輩は名無しである
03/08/26 20:25
鳴り物入りのキニャール
URLリンク(www.mainichi.co.jp)
邦訳出版された。
221:ixion ◆ySh2j8IPDg
03/08/30 08:43
たまにあげよう。
レオノーラ・キャリントン『耳ラッパ』!
222:吾輩は名無しである
03/08/30 12:26
イクシオンPDg発見!
キャリントン『耳ラッパ』って月刊ペン社?
223:ixion ◆ySh2j8IPDg
03/08/30 15:21
いや、工作舎だよ>222さん
URLリンク(www.kousakusha.co.jp)
キャリントンやバロは大好きなのだ(ちょうど渋谷で作品展やってますね
>首都圏在住の方)。
それよりなにより、今読んでるヴィトキェヴィチがすごいぞ。なんで
こんなすごい変人、じゃなくて芸術家が日本ではあまり紹介されて
ないんだ???(とりあえず、あまりに気に入ったから久々に自分のサイトに
長文を書いてしまった…)
ポーランド文学・美術専攻の人、もっとこの芸術家を翻訳・紹介してくれ!!
224:吾輩は名無しである
03/08/30 16:44
>>223
レオノーラ・カリントン『耳らっぱ』は月刊ペン社から昔出てた。
ヴィトキェヴィチを読んでるなんていかしてるね。
その長文どこで読めるの?
225:ixion ◆ySh2j8IPDg
03/08/30 17:43
へぇ、昔出てたんですね、『耳ラッパ』。しかも月刊ペン
(=妖精文庫、と俺は思ってた…恥)。
じゃあ、最近復刊された、ってことですね。
>ヴィトキェヴィチを読んでるなんていかしてるね。
>その長文どこで読めるの?
うーん、お目汚しになると嫌なんでここに貼りたくないっす^^;
だって、読んでる人はもうとっくの昔から読んでるん
でしょ、ヴィトカツィ。今更読み始めて盛り上がってる
俺って一体、みたいな…。
もしよろしければ、"jacob's mystic heart"で検索掛けて
みてください。ご批判やもっと専門的な話などありましたら
どうぞよろしく。
では。
226:吾輩は名無しである
03/08/30 18:52
つーか、どこをどう辿ってヴィトカツィに流れ着いたのかが気になる
227:ixion ◆ySh2j8IPDg
03/08/30 19:43
>つーか、どこをどう辿ってヴィトカツィに流れ着いたのかが気になる
1.ケルテース・イムレから辿って、ハンガリー文学をいろいろ読む。
コンラード・ジェルジュ、イエーシュ・ジュラ、そしてエステルハージ・
ペーテル(7月~8月あたり)
2.ペーテルいいね、と思ってうっかり(ここが俺のバカなところ)
『世界文学のフロンティア3 夢のかけら』を買う。もちろん、
ペーテルの「ハーン=ハーン伯爵夫人のまなざし」は、すでに読んで
いた『黄金のブタペスト』に所収されていた。クソウ。
3.そこでわが敬愛する沼野充義先生の読者への案内
「蕩尽された未来の後に」を読む。そこでヴィトキェヴィチの名前を
知る。
4.そういえば、俺の大好きな「ライロニア国物語」を書いた哲学者
レシェク・コワコフスキや、俺の中好きな詩人チェスワフ・ミウォシュ
についての、なんかの英文読んだときにも出てきたぞ、この名前。
と思い出す。
5.アマゾンで注文、今日に至る。
…ていうか、知らないこと多すぎ>俺^^;
228:224 ◆cSCk8wkcVM
03/08/30 20:48
>>225
イクシのWEB拝読。なかなかの力作。
今後時折寄らせてもらおうかな。
昔ヴィトカツィ読んだときはたまげた。
個人的にはゴンブロヴィッチより好き。
世界には未訳のスゴイのがあるなと。
東欧文学おそるべし。
「狂人と尼僧」は忘れがたい作品だね。
229:ixion ◆ySh2j8IPDg
03/08/31 14:53
そういえば、ガタリが何か書いていたような気がして、
今日は部屋の大掃除<ヴィトカツィ
>未訳のスゴイの
英米圏ならいろいろあるのだが、東欧文学を集中して
読み始めたの最近だからなぁ。そういや、ミウォシュの詩
は前から読んでいたのだが、日本ではまだまとめて訳されて
ないね(まぁ、ミウォシュの詩は好き嫌い分かれるとは思うし、
実は彼の散文の方が優れていると俺個人は考えてる)。
エステルハージ・ペーテルも、もっと翻訳してくれ。『心の助動詞』
なんて、英訳も絶版なんだから…。
あとは…ロシア文学、アンドレイ・ビートフも訳して欲しい。
というわけで、ロシア・東欧文学に強い人、
いろいろ面白い作家教えてください!!
230:吾輩は名無しである
03/08/31 20:00
面白いレスだからageとこうよ。
ロシア・東欧文学の情報こちらもキボーン
231:吾輩は名無しである
03/08/31 23:54
この本は原語からの翻訳で、東欧文学や言語の各研究者が紹介したい作家を
集めたものとして少し話題になった。
URLリンク(www.michitani.com)
そういう神様たちが降臨するといいね。
ポーランドの詩人って、19世紀人だけどショパンとの絡みでミツキェヴィチの
名前はたまに見る。『バラードとロマンス』がポーランド・ロマン主義の始ま
りという文脈で…。彼の代表作『パン・タデウシュ』はワイダ映画公開で邦訳
出たけど読んでいない。面白そう。
手元に『東欧の民族と文化』っていう本があり、たとえば次のような記述が
あるが、そういう名の作家たちがいるのか…とは思っても、何としてでも
読んでみたいというところには、なかなか行かないな。エリアーデ、カダレ、
あるいはチャペックあたりがまとまって訳されていることだけでも、すごい
ことだと思う。「東欧」という括りすら、その多用な民族・伝統・文化・
言語を考えれば強引なものだという気がする。
[ロマン主義から現代にいたるまで、多くの文学者によって、作品の素材と
して用いられてきたバラード「パニ・パナ・ザビワ(奥方が旦那を危なめた)」
―ワルシャワに始まり、ポーランド及び近隣の国々に広く知られていた
もので、アダム・ミツキェヴィチの「睡蓮(リリイエ)」ほか、レナルト
ヴィチ、カスプロヴィチ、ヴィスピヤンスキ、ガウチンスキらの作品があり
ます―との連関です。このバラードのテーマは妻の夫殺しで、モチーフや
状況はさまざまなのてすが、必ず<犯罪-そのいんめつ工作-証拠の露呈-
処罰>という単純な構成を保つものです]
「連帯」時代の流行歌の一節に触れた記述だが、ここ読んだだけで奥深そう。
232:吾輩は名無しである
03/09/01 12:58
>>231
未知谷の東欧文学アンソロジーは私もチェックしました。
未知谷は国枝史郎といい、エライもの出しますよね。
チャペックは日本でも固定ファンが結構いそう。
エリアーデあたりは出版社は頑張ってると思うけど、
読者受容はこれからという気が。
「東欧」とひと括りするのは強引だけれど
専門でもなければしょうがないでしょうね。
西欧では日本も一般的にはアジア文学として括られるでしょうから‥。
>>229
アンドレイ・ビートフについて逆に教えてください。
233:吾輩は名無しである
03/09/02 23:34
>ロシア・東欧
ぎゃ~ 全然話題について逝けない・・・
なんか凄いってんで、図書館で「ロマン」の下巻は見てみたけど・・・
あと、ミロラド・パヴィチとか・・・ (・ω・`)
234: ◆Hd6iVFPOKk
03/09/03 00:06
>>233
235: ◆Hd6iVFPOKk
03/09/03 00:13
>>233(上234ミス失礼)
パヴィチもいいね。「ハザール辞典」「風の裏側」は秀逸。
「紅茶で描かれた風景」とかいうやつは未訳かな?
>>232
エリアーデはいいよね。「ムントゥリャサ通り」ほか傑作多い!
チャペックは結構翻訳がそろってきたよね。
「ロボット」って言葉はチャペックの造語らしいね。
236: ◆Hd6iVFPOKk
03/09/03 01:09
東欧文学に関しては恒文社という出版社が地道に刊行してきてた。
名前の出たゴンブロヴィッチの「コスモス」も結構早く出してたしね。
カフカ「審判」をポーランド語に訳したシュルツとのカップリングだったかで。
ポーランドといえば、ヤン・ポトツキ「サラゴサ手稿」の全訳はどうなったんだろ?
確か工藤幸雄氏が‥。
カリンティ・フェレンツ「エペペ」(ハンガリー)や
ヤン・ヴァイス「迷宮1000」などもメジャー路線から少し外れるけれど
なかなかの幻想的秀作。そのほかムロージェックとかいろいろ。
ドイツでいえば、種村季弘が訳しそうな異色作家ってところかな。
>>231
エリアーデ、カダレ、チャペックの邦訳は確かに充実してる。
あと、ダニロ・キシュの「死者の百科事典」なんかも良かった。
アンソロジー「文学の贈り物」は貴重ですね。
>>229
だいぶ昔に白水社から東欧幻想文学の短篇集があったはず。
雑誌「幻想文学」が一度東欧文学の特集を組んでいた記憶が。
ヴィトキェヴィッチは1930年発刊?だったかの「充たされぬ者」
とかいう本がスゴイ傑作らしいと聞いているけれど、
誰か邦訳してくれないだろうか?
沼野充義氏にこれからも頑張っていただきたい。
237: ◆Hd6iVFPOKk
03/09/03 01:18
それから、これはフランス文学だけど
ジョルジュ・ペレック「さまざまな空間」が出たね。
デリダ「火ここになき灰」といい、
最近こういう縦長の判型が多いのは
狭い書架には困りものだけど‥。
238:吾輩は名無しである
03/09/03 16:37
>236
『エペペ』は確かに、読書好きの人から面白いと上がってくる本ですね。
ヤン・ヴァイスという人は知らなかったな。
ノーベル賞がらみては、ヤロスラフ・サイフェルト(チェコ)…千野栄一氏
あたりが邦訳出している?
旧ユーゴのイボ・アンドリッチは代表作『ドリナの橋』恒文社がまだ大手
書店には並んでいたと思う。どちらもリアリズム系統。
同じくノーベル賞とったカネッティはブルガリア生まれたらしい。
「亡命」ってケースも多いですもんね。
ここではまだ名前が上がってきていないと思ったけど、ゴンクール賞取った
ロシアのアンドレイ・マキーヌ。水声社・作品社あたりが地味~に出して
くれているけど、フランス語で書き始めた人。チェコ、スロバキア、ハン
ガリーあたりも、地理的なことがあるから多少ドイツ語が通じないでも
ないが、インテリはフランス語なんだよって言われたことがある。
スレに関係ないけど、「東欧」って、地理的には確かにその言葉通り
なんだけど、「西欧」と「旧ソ連」との区別、それも政治的含みで
使われてきた用語なので、民族のアイデンティティたる言語、文化を
語るときに、やや抵抗が…。スラブ文学とかマジャール文学とかなんだ
ろうな、現地の人にとっては…みたいな意識です。
「強引」という言葉を、やや乱暴に使ってしまったけど。