04/03/22 01:49
>>887
でも、落選したことのある当人が、問題の文章の中で、
> 僕のように賞と名のつくものにまったく無縁のポット出は、
> 乱歩賞作家というだけで、簡単に恐れ入ってしまう。
とか、
> 小説現代の年中行事のひとつに「乱歩賞作家特集」というのがあって
> …疎外感を覚えたりもする。
とか書いてますが。コンプレックスの告白とは読めないんでしょうか。
ついでに言うと、光文社の全集の「私と乱歩」という文章は、
山前・新保が執筆しているような、いわゆる「解説」ではなくて、
全集に付き物の「月報」が、本体の中に入れ込まれている、ということだと思うのです。
この扱いは、文庫版という書籍サイズもあってのことでしょう。
類例としては、創元推理文庫の『日本探偵小説全集』の巻末に「付録」として、
収録作家にゆかりの人物からの寄稿を掲載している、というのもありましたね。
文庫版で気軽に手に入れることができるのは、まあありがたくはあるのですが、
大量生産・大量消費といった感じで、『全集』という仕事の大きさまでが、
あまり軽く扱われてしまうのは、どうも好ましくない。
「私と乱歩」なりかつての「推理文庫」の巻末エッセイなりの、
執筆者や内容に関して反感を持ってしまうのも、そういう大仕事に
「相応しい」とは思えないから、ということです。