01/12/07 21:08
「青春はうるわし」っていう短い小説を読んだ人いる?ヘッセが神学校を挫折した後
本屋で奉公しているときに実家に久し振りに帰ったときの話しなのだけど。。
その時に遊びに来ていた妹の友達に恋をするがかなわず,また本屋のある都市に戻って
いくという一夏の話しだけれど,いかにもヘッセらしい哀切と透明感のある小説でした。
車輪の下にあるような少年期の抑圧を経て,うるわしき青春がヘッセにも訪れたのでした。
思えばヘッセの感じた抑圧というものは日本の学校社会に生きる子供が感じるものに近い
ような気がします。だからこそ若い人達の間でヘッセは読まれつづけるのでしょう。
ヘッセを離れてからかれこれ10年以上たとうとしています。私が青春の最中にいたときには
自分の人生を生きることに夢中でヘッセの文章に気持ちが戻っていくことはありませんでしたが
30代後半から40代を生きていく今,なにか無性に彼の世界に帰って行きたい気がします
荒野の狼なんかまた随分違った角度から読むことができるだろうと思う今日このごろ。。