09/03/20 07:28:33 O
>>627
「この子を捨てる!?何で!」
有り得ない、信じられないといいたげなカヲたん。
さっきまでの上機嫌から一転・・・などという表現では追い付かない程の豹変ぶりで、シンたまに詰め寄る。
「シンジ君がそんなこと言うなんて嘘だ!どうして!」
「・・っ」
見た事も無い悲愴な面持ちで取り乱すカヲたんにシンたま動揺。
なんだこの執着ぶりは?
「リリンの大多数は子供を授かったら喜んで育てるんだろ!?」
「はあ!?」
「シンジ君は子供を授かっても嬉しくないっていう少数派なの!?」
そういえば・・ミニラミたんの卵を見せて、僕達の子供だとカヲたんは言って喜んでいた。
そこでシンたまは仮説を立てる。
あの卵は恐らく、リッちゃんの趣味的な研究施設とかで偶然拾ったのではなかろうか。
卵が二人の子供だったらいいなという願望が、高熱のせいで現実だと認識してしまった。
いやこれだ間違いない。
「男同士じゃ子供は出来ないよ。リツコさんに返して来い」
「性別なんかに拘って子供を作るのはリリンだけだろ!僕が産んだんだ!」
「・・・」
拘ってない・・・人体とはそういう仕様なのだが・・・。
でも言われてみれば、カヲたんは姿形こそリリンの男の子でも、全く別の生命体だったんだ。
カヲたんの両瞳は潤み、大粒の涙がポロッとこぼれた。
「この子を赤木博士に渡したら、きっと変な研究の実験台にされる・・・」
「ファーン・・ファーン・・」
「・・・・・」
まあ、確かに。
続く。