平沢 唯 × 田井中 律 2at LESBIAN
平沢 唯 × 田井中 律 2 - 暇つぶし2ch500:名無しさん@秘密の花園
10/12/01 02:09:16 42+b9t/W
>>498
想像したら可愛すぎた

501:名無しさん@秘密の花園
10/12/01 09:20:41 QT1lcHiJ
             _ .. -. : : ¨: : ̄´: ヽー-、                ,....-........___
          ,. .:': : : , .-‐ 二二ニλ: : :\: ヽ、         ,..-‐:::::'::::::::::::::::::::::::::::::::: ̄:::ヽ、   
        ./: : :/,. .‐: ̄: : : : : : :ヘ: : : : : : : :ヽ、     /:::,:::::::,::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::丶  
       /´: :./ イ: : ヾ: : : : : : :ィ_:ヘ: : : : : : : : :.ヽ、 /::::/::::/::/::::::::::::::::::::::!::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
      /: : : | イ: : : : :_.ゝィー ´   'ーヘ: : : : : : ト: : ;V:::::::::/:::/:::イ:::::::::::::::::|:::::::!:::::::::::::!:::::::::ヽ:::|:::::::ヽ
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    .i: :|: : : :.i     _       / iノし心: : : :||::::::|::.、| /,u ニ.、     イ::じミ:i !|::イ:::::|:::/|/::/::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
     !: |: : : : |   / ,ニテ示       弋益ノ.i: : : |:|::,、:i::::.、ヽ|パ!i ,゙    弋,っノ .'イ|: : :.レ: :|:/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::}
     V: : : : :.ト .< {. {イJニヽ        ̄ .i: : :.!:ヽi:}::::::::ヽ .ゞ9'        ̄   |::/:::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::イ
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    ノ: ヘ|: :ヽ: : i: : :.ヽ           ,    'イ: : : /イ:::|:::::::::::i    .、 _ ., '    i:::,:::::::/::::イ      .ヽ:::::::::人   梓までもらっちゃったぜー♪
  フ::: ̄/|: :!:ヘ: i: : : :|ヘ       ー- '     イ|: : /v:|::::::::::::::::ゝ、         i:/!:::::ヽノ       !':i:::::イ::::::ヽ
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502:名無しさん@秘密の花園
10/12/01 17:22:22 Ag3qieyW
>>498
唯「りっちゃーん」

カプリ

律「うひゃあっ!? ゆ、唯!?」

唯「んー、これはなかなか……」

ハムハムハム

律「やっ、やめっ……くすぐった…」

唯「あむあむー」

律「ちょっ……私はスルメか!」

唯「えへへー、りっちゃん味のスルメ美味しいよ」

律「笑いながら噛むな!」

唯「痛くないから大丈夫!」

律「そういう問題じゃねぇ!」


こうですかわかりません

503:名無しさん@秘密の花園
10/12/01 18:48:08 a6YQPt+P
>>502
正解だと思う
素晴らしすぎると思う
唯ちゃんかわいすぎると思う

504:名無しさん@秘密の花園
10/12/03 19:18:18 AwkpkEsG
唯にベッドでも好きなようにされちゃうヘタレりっちゃん

505:名無しさん@秘密の花園
10/12/03 19:32:09 n4nf76VO
OPでりっちゃん寝てるけど
あれ二つとも唯の部屋だよね
ベッドに壁、カーペットの色からして

506:名無しさん@秘密の花園
10/12/03 21:12:12 YUEy8GDo
唯「りっちゃんのおフトンふかふか~」ポフ

律「干したからな」

唯「うん。ダニの死んだ匂いがするよ~」クンクン

律「・・・お日様の匂いって言えよ」


507:名無しさん@秘密の花園
10/12/03 21:20:00 +uV4hTIf
空気読んでエロ書ければ良かったんだけどほのぼのっぽい小説投稿させて頂きますよんと


ぼんやりと窓の外を見ていると、不意に唯が歌い出した。
教室は静かで、唯の歌声がやけに響いてる。
いつの間に二人きりだったんだろう。ついさっきまで私達の他にも誰か居たような、ずっと前から二人きりだったような。
とにかく、今は教室に唯と私しかいない。静かな空間に唯と二人きりなんて久しぶりだ。

私達は二人で唯の机の上に座って他愛ないお喋りしたりふざけたりして、進路指導の部屋に行った澪とムギを待っていた。
ホントは私達だって受験生なんだから一緒に行った方が良かった。
そうわかっていても、嫌なことは極力後回しにしてしまう。唯と私の共通点のひとつ。

オレンジ色に染まる部屋にぴったりの歌が心地よくて、頭を唯の肩に預けた。
目を閉じたら、歌声に包まれて溶けてしまうような気持ちになった。
小さな歌が止むと今度はそっと手を握られた。目を開けると繋がれた私達の手。
その手が唯の唇に寄せられてそのまま手の甲にキスをされた。
なんだか心が隅々まで一杯満たされて、身体中がやんわり熱くなる。
顔を上げて、唯の横顔に口付けた。温かくて柔らかい頬っぺた。
唯が顔をこっちに向けて笑った。嬉しそうに見えるのが自惚れなんかじゃなければ良いな。
今度は唇と唇をくっつけた。


508:名無しさん@秘密の花園
10/12/03 21:21:10 +uV4hTIf

澪の書くメルヘンな詞で痒くなるような私だけど、恋なんてしてみたら今みたいな時間を愛しく感じてる。
指を絡め合ってキスをして、なんて。
また唯の顔が近くなって、目を閉じると今度は瞼にキスされた。薄い皮膚の上に優しく唯の唇が触れたのを感じる。
唯は、りっちゃんは睫毛まで可愛いね、なんてわけのわからないことを言って反対の瞼にも口付けた。
瞼を閉じる寸前に見た私達から伸びる影は二つが一つになっていて、唯と私のゼロ距離を感じた。

廊下から声が聞こえてきて、また後で、とアイコンタクト。
何もなかったふりをして、唯がまた歌い出して、私達は友達の顔をして教室に入ってきたムギと澪を迎えた。



おわりです


509:名無しさん@秘密の花園
10/12/03 21:31:14 5r/VrN/7
萌死ってあるんだな…そう今の俺

510:名無しさん@秘密の花園
10/12/03 21:52:02 pibCzHSR
>>508
唯律はじゃれ合うだけじゃなくて、落ち着いた雰囲気も似合うと分かった。GJ!!

511:名無しさん@秘密の花園
10/12/04 10:01:02 kkJtazeC
>>508
んふふ……GJGJ

512:名無しさん@秘密の花園
10/12/04 22:23:13 uEQD4On5
URLリンク(www.kyotoanimation.co.jp)

律→唯ktkr

513:名無しさん@秘密の花園
10/12/04 23:37:52 X2UXwaIz
>>512の可愛いなー
何の紙袋なの?欲しいな



514:名無しさん@秘密の花園
10/12/04 23:40:24 uEQD4On5
>>513
URL見てくれれば分かると思うけど今月の冬コミの京アニセット

515:名無しさん@秘密の花園
10/12/04 23:55:54 X2UXwaIz
ホントだ
冬コミとか行ったことないから変な憧れがあるw
唯律とか補給できるの?

516:名無しさん@秘密の花園
10/12/05 01:02:52 JjVV6ZmS
うーん、一冊唯律の同人が出るような…うろ覚えでスマン…

517:名無しさん@秘密の花園
10/12/05 17:22:43 vTpoK/YR
>>516

> うーん、一冊唯律の同人が出るような…うろ覚えでスマン…

518:名無しさん@秘密の花園
10/12/05 17:26:33 vTpoK/YR
>>516
一冊か・・・!!
レスありがとう
唯律から微妙に脱線させてごめんよ

519:名無しさん@秘密の花園
10/12/05 18:17:22 vTpoK/YR
わ、なんか一個ミスってた
すみません

520:名無しさん@秘密の花園
10/12/06 09:47:29 vlQUCC1K
律「唯はおっちょこちょいだな~」

521:名無しさん@秘密の花園
10/12/06 09:59:40 l+00tsaF
唯「でへへ~それほどでもないよう」

522:名無しさん@秘密の花園
10/12/06 10:27:15 4Y+VSLV2
>>512
腰に手を回して抱きついてるの最高だな

523:名無しさん@秘密の花園
10/12/06 23:02:34 63lfDrZs
黒S唯×virgin律

524:名無しさん@秘密の花園
10/12/06 23:49:54 R2u7tWcw
イケメンりっちゃん×乙女唯ちゃんのが好き

525:名無しさん@秘密の花園
10/12/07 01:15:51 asWHQ/hF
属性は何でも良いけど基本的には唯×律のが好きだな
可愛い唯が可愛い律を可愛く攻めちゃえば良いと思うの
かっこ唯がイケメン律をクールに攻めるのもアダルティで燃えるけど


526:名無しさん@秘密の花園
10/12/07 11:05:31 F6zs9i5/
何それ全部萌える

527:名無しさん@秘密の花園
10/12/08 14:52:41 UTZsaRva
S唯萌えはわかるが自分的には黒よりも自覚なしのSが良いな
軽く意地悪してみて、何この反応おもしろーいかわいいなって思う感じ
ちょっとトイレの前に立ちふさがってみたりとかね

528:名無しさん@秘密の花園
10/12/08 16:12:57 sQ17Ws/o
間に合わなくて漏らしちゃった律にお詫びと称して汚れた股間を舐めてキレイにするわけか
流石だな唯ちゃん

529:名無しさん@秘密の花園
10/12/08 16:44:15 UTZsaRva
自分からトイレの前に~とか書いといて何だが、高校生がお漏らしはかわいそすぎないか


530:名無しさん@秘密の花園
10/12/08 19:29:27 QckA4vYV
唯にSキャラは似合ってる。でもりっちゃんに無自覚で責められてアタフタする唯も見てみたい

531:名無しさん@秘密の花園
10/12/10 00:43:28 zryT3cT6
告白はどっちからか考えてるといつの間にか夜が明けてる
どっちからでも萌えるけど唯からのが妄想しやすいという結論に至りました、異論は認める


532:名無しさん@秘密の花園
10/12/10 09:59:54 tv/1X1Zi
唯は律のことを好きだっていう気持ちに気づいてなさそう

533:名無しさん@秘密の花園
10/12/10 20:10:02 LK8cUaTq
唯(最近…ううん、もっと前から律っちゃんのことがすごく気になってる…)

律(なんでだろう、唯のこと目で追っちゃう)

唯(律っちゃんともっと話したい、律っちゃんと手を繋ぎたい)

律(唯のこと見つめていたい、唯のそばにいたい)

唯・律(この気持ちはなんだろう)

唯×律より唯→←律のが萌ゆる

534:名無しさん@秘密の花園
10/12/10 20:12:48 XdvdI80o
付き合う前が一番萌えるもんね
お互いに意識しちゃってぎこちないのがたまらん

535:名無しさん@秘密の花園
10/12/10 20:13:26 +wCt3uz9
唯と律が絡んでるなら
ふざけてても、片思いでも、いちゃいちゃしてても
なんでも萌えるってこと

536:名無しさん@秘密の花園
10/12/11 02:40:50 Fg1o1jVU
URLリンク(s.cyrill.lilect.net)
やっぱり唯と律はこういう扱いか

537:名無しさん@秘密の花園
10/12/11 02:44:20 vJBcy9pc
犬っころかわゆすwww

538:名無しさん@秘密の花園
10/12/11 10:58:24 jIAMEIAZ
わんこな唯律は可愛いけど、これ唯和と律澪じゃんか・・・

539:名無しさん@秘密の花園
10/12/11 12:34:51 gFk98AFx
そのまま律わんが唯わんにマウンティングだ!

540:名無しさん@秘密の花園
10/12/11 23:45:29 KXo1Aza6
>>538
律唯はそういう運命にあるんだよ…

541:名無しさん@秘密の花園
10/12/12 00:42:54 qQQKLbw2
この画像の1コマ目の更に上でじゃれあってる唯律が見える

そんで飼い主の和澪がいつもすみません…とばかりに引き離してるのが1コマ目と妄想

542:名無しさん@秘密の花園
10/12/12 01:18:17 0X8z9+Q7
>>540
嫌じゃー
唯律は唯と律が仲良くハッピーに結ばれて末永くうんたらかんたらな運命だぞ!

っていうか、ここ唯律スレなんだから他CP出さん方が良いんじゃないかね

543:名無しさん@秘密の花園
10/12/12 01:21:55 d7b5/tbb
最近百合関連に出没してる変な人の可能性あるから普通にスルーしよ

544:名無しさん@秘密の花園
10/12/12 01:33:06 qQQKLbw2
実は俺>>536なんだけど普通に唯律のつもりで貼ったんだ
気分悪くしたならゴメン

545:名無しさん@秘密の花園
10/12/12 01:49:36 gISAm0gh
>>544
気持ちは分からなくは無いけどそれ書いてる作者が律澪、唯和好きだからねw
まぁ妄想すんのは自由だわな

546:名無しさん@秘密の花園
10/12/12 02:21:22 0X8z9+Q7
>>544が唯律者だというなら許さざるをえないですな
唯律好きに悪いやつはいない。はず。

ところで、夏期講習!で律が一番最初に遊びに誘ったのって唯ってことで良いのかな?
原作で唯の漫画読み尽くした発言あるし、視聴者の見えないところで沢山遊んでるなこの二人

547:名無しさん@秘密の花園
10/12/13 21:26:39 JmS10iML
隠れてイチャイチャしやがって~

548:名無しさん@秘密の花園
10/12/14 08:35:43 dn5oMHE5
水着で抱き合ってるのを見せつけたくらいだし、もう隠す必要ないのにね

549:名無しさん@秘密の花園
10/12/14 13:30:47 BaLvipnF
修学旅行では裸でいちゃついてたしな!

550:名無しさん@秘密の花園
10/12/14 23:22:29 JnUMLBpR
とりあえず唯の隣は律ってのが基本ポジだよな
アニメ見直したらいつでも2人並んでやがる

551:名無しさん@秘密の花園
10/12/14 23:35:56 2P2hEHCp
一緒にいるのが当たり前になって将来的には同棲ってのが俺の最近のトレンド

552:名無しさん@秘密の花園
10/12/15 00:33:37 7wsrZ983
確かに唯の隣が律ってのは多いね
まず部室で隣同士だし
アニメ雑誌とかの絵とかで組んで貰えないだけなんだよな・・・

>>551
唯律が同棲したら楽しい毎日に違いないね

553:名無しさん@秘密の花園
10/12/16 02:52:05 bnpHZuZ0
ねーねー、りっちゃん」

「ね、りっちゃん。このストラップ可愛いでしょー?買ったんだ~」

「りっちゃんのケーキも美味しそう!一口交換しようよ!」

「帰りにアイス食べようよ~。りっちゃんの好きそうなの見つけたんだー」

「あ、ほらりっちゃん見て見て!あのワンちゃんすっごく可愛い!」

「うーん…これもいいけど、こっちも捨てがたい…。ねぇりっちゃん、どっちがいいかな?」

「あー!当たりがでた!ほらりっちゃん見て見て!すごいでしょ!?りっちゃん、ねぇ!」

「りっちゃんが選んでくれたおかげだよ!はんぶんこして食べよう?」

「ねーねー、りっちゃん。明日遊びに言っていい?」

「りっちゃん、また明日ね!ばいばい!」

………………………………………………………

見たいな感じで唯は隣の律に話し掛けてるんだろうなー

554:名無しさん@秘密の花園
10/12/16 09:52:58 wjVguA1S
律唯結婚しろ!!

555:名無しさん@秘密の花園
10/12/16 15:50:49 GAOEMDZD
>>553
激しく萌えた
アイスといえばゴーマニだよな

556:名無しさん@秘密の花園
10/12/16 16:08:24 pTzGRz/2
URLリンク(www.uproda.net)

557:名無しさん@秘密の花園
10/12/16 17:36:02 Yv0PWjzv
>>553
よし!結婚しろ!

>>556
よし!性交しろ!

558:名無しさん@秘密の花園
10/12/16 21:08:30 rvlicvXx
二人が結婚したら名字はどっちのを取るんだろ?

559:名無しさん@秘密の花園
10/12/16 21:17:39 Ndv46S4a
語感いいし、意外とりっちゃんが嫁で平沢姓

560:名無しさん@秘密の花園
10/12/16 21:22:56 Ry5t6ayM
いやいや、田井中唯だって中々の響きだよ


561:名無しさん@秘密の花園
10/12/17 19:12:57 nKiF4vT2
一緒の名字だねってはにかみながら喜ぶ新婚唯律ってことですね~

新婚唯律って字の並びも語感もなんか故事成語とかでありそうな感じだな

562:名無しさん@秘密の花園
10/12/17 21:00:07 V3tFOkSX
【新婚唯律(しんこんゆいりつ)】
[名・動・形]
-ほのぼのしていて、当人同士はもちろん周囲の人間も幸せにしている様。
-平沢唯と田井中律が生涯のパートナーとして人生を歩み始めること。
例)お前ら、新婚唯律でも見とけ。
 意)あなた方は唯律を見て癒された方がよろしいと思います。
例)あー、今日も新婚唯律った。
 意)今日もいちゃいちゃしている唯律を拝見することができてとても心和みました。


563:名無しさん@秘密の花園
10/12/18 00:23:28 xH6iHiKr
吹いたw


564:名無しさん@秘密の花園
10/12/19 18:31:22 VhDMtLYl
過疎さみしー
皆唯律離れしちゃったのかね

565:名無しさん@秘密の花園
10/12/19 20:29:16 5sER5p7n
URLリンク(imepita.jp)

566:名無しさん@秘密の花園
10/12/19 21:39:44 KXqqg5wi
>>565
新婚唯律乙

567:名無しさん@秘密の花園
10/12/19 22:36:56 NVPMemad
>>565
うはー、これいいなあ
唯律は末永く夫婦としてやっていけそう
これは唯が旦那、律が嫁かな?
その場合だと、律は明るくて家事もできる気風のいい評判の奥さんになって、唯は、ちょっと頼りないところもありながらも憎めない夫になるんだな
だけど、いざってときには頼りになって、たまに気弱になる律をしっかりと守る
そんな唯にどきどき、唯ももちろん律がすきすき

律が旦那、唯が嫁だと、律は家事だけでなく仕事も持ち前の人当たりの良さでこなすスーパーな夫になって、いろいろモテそう
唯は、家事で失敗することはしょっちゅうだけど、律を思う気持ちは人一倍で、律の弱音や愚痴をしっかりと受け止めて癒せる唯一の妻
そんな唯にメロメロ、唯ももちろんかっこいい律にほれぼれ

ふう、妄想吐き出したらすっきりした
とにかく唯律万歳

568:名無しさん@秘密の花園
10/12/19 23:38:56 OAN4MRb5
りっちゃんって背高いと思ってたのに唯ちゃんより低くて驚愕

569:名無しさん@秘密の花園
10/12/20 00:50:54 RyPK2eDn
しかも唯って澪の次に手が大きいよね
手繋いだ時とか意識しそうだ
身長2㎝の差って普段はあんま感じないけどどうだろう
律は小さいの気にしてるけど唯は身長差とか気にしてなさそう

570:名無しさん@秘密の花園
10/12/20 02:12:25 T60KOqWv
身長差を活かすには唯にもうちょい成長してもらわないと
向かい合って目を合わせた時、律が見上げる感じになるのが理想

571:名無しさん@秘密の花園
10/12/20 09:25:11 dgkE68zP
>>570
あとたった2センチの差を、もどかしく思う律がいいんじゃないか!
他の誰よりも同じ目線でいられる二人がいいんじゃないか!
同じくらいの身長だと、キスもしやすいだろうし
でも、唯の方がちょっぴり高くて、悔しく思いながらもキスする律を、にまにましながら見る唯まで想像できたぞ

572:名無しさん@秘密の花園
10/12/20 10:23:20 RyPK2eDn
>>571を読んでかなり萌えた
修学旅行での、
「背も伸ばしたいの?」「おっきくなってやる~!」
っていうやりとりを思い返すとなんとも・・・
そういや牛乳じゃ骨は強くなっても背は伸びないらしいね
りっちゃんェ・・・

573:名無しさん@秘密の花園
10/12/21 00:24:33 2nZ1OfNS
りっちゃんスレの転載
URLリンク(s.cyrill.lilect.net)

574:名無しさん@秘密の花園
10/12/21 01:22:27 h2/m3DY+
>>573
いいね
こんな感じに律がはしゃげるのは唯のおかげだね
逆に唯も律以外とではこんな風に出来ないし、お互いがお互いにとってオンリーワンなんだな

575:名無しさん@秘密の花園
10/12/21 06:58:45 e8vR/KjW
さわちゃんがすごく微笑ましそうに見つめてるw

576:名無しさん@秘密の花園
10/12/21 13:08:04 Gek4Svis
>>573
さりげなくムギちゃんも可愛いな
唯律は肌の色も近いね~
そんなとこすら愛しい

577:名無しさん@秘密の花園
10/12/21 13:26:28 B8i1GOvA
>>576
内面は少し違うけど、外見は本当に似ているよね
前髪を下ろして、自分を唯に見立てて、鏡の前でにやにや妄想する律とかどうかな
声真似もできるわけだし

578:名無しさん@秘密の花園
10/12/21 14:07:06 Gek4Svis
>>577
「なんか違うな~唯はもっと可愛いぞ・・・」って鏡の前であれやこれやなりっちゃんか
そしてそれを目撃してほくそえむ唯ちゃん・・・
う~ん二人とも可愛いやつだ

579:名無しさん@秘密の花園
10/12/21 17:56:56 m0sDw5Eh
冬コミに唯律本出るなw
期待したい

580:名無しさん@秘密の花園
10/12/22 12:51:36 YTdoABWY
出るのかカタログチェックまだしてなかた

581:名無しさん@秘密の花園
10/12/22 18:07:19 sMVChMSp
唯律本か
唯律補給したいから欲しいけど冬コミ行かないから買えないや
イベントとか行ったことないし周りに詳しい人いないしで初めてへ踏み出せない
金も時間もあるのに・・・

582:名無しさん@秘密の花園
10/12/22 18:09:17 tx554w0F
金も時間もあるなら行けよw

583:名無しさん@秘密の花園
10/12/23 00:42:03 Xed3bj30
>>581
詳しい人に自分がなるくらいの気持ちで行くんだ
金も時間もない俺より恵まれてんだから

584:名無しさん@秘密の花園
10/12/23 01:17:52 Kjz63BUL
規制のせいで乗り遅れた…

唯「りっちゃんがお嫁さんだよっ!」

律「あたしはどう見ても旦那だろー?嫁は唯だ!」

唯「りっちゃんは料理も得意だしボタン着けもできるしお嫁さん以外考えられないよ!」

律「ほ、ほら!あたしは男前じゃん?!可愛いのは唯だからお嫁さんも唯!」

唯「そんな赤い顔で言っても説得力無いよ!ていうか照れるりっちゃん可愛すぎだよ!」

律「あたしがそんなにか、可愛いわけないだろ!?街頭アンケートしたら100人中100人唯のが可愛いって言うよ!」

唯律「(唯のが)(りっちゃんのが)可愛い!!」

澪「…2人とも何やってるんだ?」

梓「結婚したらどっちが旦那でどっちがお嫁さんか揉めてるみたいですけど…」

紬「いつのまにか、どっちが可愛いかの争いになってるわね~」


みたいになる唯律萌え

585:名無しさん@秘密の花園
10/12/23 02:17:49 zDCEc2zm
時間も金もある学生アルバイターのうちにイベントデビューしたいとは思うんだけどね
勝手がわからなすぎる

>>584
お互いに可愛くてたまらない唯律・・・萌える

これ読んで思ったんだけど原作の唯と律じゃCP妄想ムズいね


586:名無しさん@秘密の花園
10/12/23 08:06:32 QJeSLrVO
原作は律も唯もドライな感じ
二人ともアニメよりも大人っぽいから、唯ん家のマンガもう全部読んじゃったしとか
さらりと言われるとドキッとする
原作唯ってなんかりっちゃんにだけちょっと意地悪だよな、アニメだと無邪気にキャッキャしてるけど
原作はアニメよりも二人の関係が対等な印象を受ける
遠慮とか律の唯に向ける母親的目線があんまりなかったり、だがそこがいい

587:名無しさん@秘密の花園
10/12/23 16:45:12 A9Zjbgem
唯(身長156cm体重50kg)
律(身長154cm体重48kg)
澪(身長160cm体重54kg)
紬(身長157cm体重53kg)
梓(身長150cm体重46kg)

憂(身長154cm体重50kg)
和(身長158cm体重52kg)
さわちゃん(身長165cm体重56kg)

他のアニメよりリアルな設定だよね。
他のアニメって芸能人並に痩せた設定が多いけど。
そんな中でも、律の華奢さは際立ってる。
年下の憂よりも体重が軽い。
その反面、澪はかなりガッチリ体格。
肉付きの良さそうな紬よりも体重が重い。
唯は(妹の憂が年上の律より既に体格が良いことを考えると)まだ成長しそう。
でも、律は骨格も華奢そうだし痩せているから、この先もあんまり成長しなさそう。

588:名無しさん@秘密の花園
10/12/23 16:46:30 A9Zjbgem
唯(身長156cm体重50kg)
律(身長154cm体重48kg)
澪(身長160cm体重54kg)
紬(身長157cm体重53kg)
梓(身長150cm体重46kg)

憂(身長154cm体重50kg)
和(身長158cm体重52kg)
さわちゃん(身長165cm体重56kg)

他のアニメよりリアルな設定だよね。
他のアニメって芸能人並に痩せた設定が多いけど。
そんな中でも、律の華奢さは際立ってる。
年下の憂よりも体重が軽い。
その反面、澪はかなりガッチリ体格。
肉付きの良さそうな紬よりも体重が重い。
唯は(妹の憂が年上の律より既に体格が良いことを考えると)まだ成長しそう。
でも、律は骨格も華奢そうだし痩せているから、この先もあんまり成長しなさそう。

589:名無しさん@秘密の花園
10/12/24 01:06:20 k8t3tNG/
>>588
身長体重の数値と見た感じの細さはあんま関係ないけど、けいおんキャラは皆リアル体型だよな
むしろ数字的にはリアルよりちょっと重めの印象
唯も律も太るのとか気にしてないけど一緒にダイエット頑張ったりしても可愛いな
このチョコでさっき歩いた1万歩が無駄になるぞ!とか
Wiiフィットサボったら昨日ウィーボに怒られたよりっちゃん!とか励まし合ってそう

ふと思ったんだけど、唯と律ってムギのティーセット一回くらい壊しちゃってそうだよね
右京さんの真似~とかいってふざけてガシャンとやっちゃってそう

590:名無しさん@秘密の花園
10/12/24 01:35:47 CjqhOW5t
さすがにそこまでヤンチャじゃないだろ、もう高校生なんだしw

591:名無しさん@秘密の花園
10/12/25 05:22:30 0xv69ZHD
律(唯の寝顔、かわいいな…。)

592:名無しさん@秘密の花園
10/12/25 09:04:49 nwccCiZ4
律「涎ついてるぞ全く唯はw ぺろんっ……甘ぇ……」

593:名無しさん@秘密の花園
10/12/25 13:14:48 fxbyHa70
唯(ひゃっほー!やったぷー!)

594:名無しさん@秘密の花園
10/12/25 15:09:46 Teh7mMnv
唯(りっちゃん、もっかい!もっかいなめて!)

595:名無しさん@秘密の花園
10/12/25 23:48:36 eHCCH9zv
カタログみたけど、唯律本のサークルなんて、あるのか?

596:名無しさん@秘密の花園
10/12/26 17:59:15 +2Y/lYCF
>>595
支部で唯律本出すところ一つ確認したよ

ところで、年末だから、このスレや前スレの唯律SSの中で、どれが一番お気に入りか語らないか?

597:名無しさん@秘密の花園
10/12/26 18:06:10 rSJPdSwa
難しいなw

598:名無しさん@秘密の花園
10/12/26 18:46:59 ry/ph97u
>>596
支部か。ノーチェックだったわ。でも登録してないから、早速登録するか

599:名無しさん@秘密の花園
10/12/26 20:05:22 sOEr+fIM
>>596
どのSSも良かったな~
皆唯と律のキャラや唯律の雰囲気を壊さずにMMQで素晴らしかった
ちゃんとけいおん!を見てすごく唯律を応援してるから書けるんだなと思ってた
なんか偉そうな感想になっちゃったけどSS職人には感謝してます
そんな中でも特に、授業中に手紙のやりとりしてくっつく唯律の話が大好きです
っていうかあの小説で本格的に唯律にハマった
あの時リアタイで読んでなかったから感想言えなかったから今言いたい、すっごく萌えた

・・・語り過ぎた・・・・・・

600:名無しさん@秘密の花園
10/12/26 20:55:40 +2Y/lYCF
>>596
全部良作すぎてかわいいんだよなあ…
したらばの方もいいものあるしね
各自、いくつでも特にお気に入りなものを語っていこうではないか

かくいう自分は、>>412が特につぼだった
手紙唯律も確かによかったなあ
集計とかは…しないほうがいいか

601:名無しさん@秘密の花園
10/12/26 20:57:46 +2Y/lYCF
すまん、自分にレスしてた
>>599の間違いです

602:名無しさん@秘密の花園
10/12/26 23:44:41 TSwo1WAQ
もちろんどれも最高だけど>>174-189のSSが一番好きかな
この唯は相手が律だから見られるっていうかとにかく乙女な唯が可愛い

あと>>53の「ああだこうだどうだこうだゆいりつさいこうだ」が忘れられないww

603:名無しさん@秘密の花園
10/12/27 15:08:31 3GhQNPem
修学旅行の唯律可愛すぎwww

604:名無しさん@秘密の花園
10/12/27 18:13:43 zdF3whk0
好きな唯律絵
URLリンク(www.dotup.org)

605:名無しさん@秘密の花園
10/12/27 21:55:49 8hCyDnf6
うpろだに上がったSSとかもう読めないのがもったいない

606:名無しさん@秘密の花園
10/12/28 16:31:22 4h4YXOIp
ほいどうぞ
URLリンク(adultbody.info)

607:名無しさん@秘密の花園
10/12/28 18:22:37 xYqqENfJ
>>605
読みたいならどっかにうpしてもいいけど

608:名無しさん@秘密の花園
10/12/28 23:17:40 8aQnJaiv
何も考えずに打ったらちゃんとオチなかった・・・
SS書きの方々は皆ちゃんとストーリーとか考えてから書き出してるのですかね・・・



今年のクリスマスも皆でどんちゃん騒ぎで盛り上がって、すごく楽しかった。
澪はコスプレ強いられて、梓は何だかんだで楽しそうで、ムギは終始笑顔ではしゃいでた。憂ちゃんもにこにこして皆を見てた。
さわちゃんはやっぱり彼氏出来なくて、和は何ていうかプレゼントが相変わらずで。サラダ油の詰め合わせだった。いや、ありがたいんだけどさ。
私だけ、去年と同じようにはいられなかった。
ケーキを食べるときも、プレゼント交換の時も、隣に座る唯のことが気になって気になってたまらなかった。
その唯は皆と同じく去年と変わらない様子で。変わらない様子で、りっちゃんりっちゃん言って。
皆で楽しく騒ぐのはおおいに結構。
でも、世間じゃ恋人達が浮かれて良い雰囲気作って良いことしてるんだぞ。
別に、唯にそんな恋人らしさを求めてる訳じゃないけど。それでも特別な何かが欲しかった。言葉でも態度でも良いから。だって私達、特別な関係じゃないか。
私のこと、一番大好きだって、特別に好きだって、言ったのは唯じゃん。私も唯のことが好きだって言ったら泣くほど喜んだのも唯じゃん。
なのに何でこういう時にそういうこと言ってくんないんだ唯のばか。隣同士の席だったんだから手だって軽く握れただろ。
唯は、見送りの時までずっと私を友達として見ていた・・・気がする。今はそんなの嬉しくない。


609:名無しさん@秘密の花園
10/12/28 23:20:18 8aQnJaiv
クリスマス会を終えて唯の家を出てからそんなことばっかり考えてる。
クリスマスだからってそんな想いに駆られるなんて、誰だよ私は。面倒な女みたいでげんなりする。大体、私らしくないんだ、こんなの。唯のばか。
「へくちっ」
背後から聞こえたくしゃみについ振り返ると数メートル後ろに唯がいた。
「・・・って、唯?」
「ありゃ・・・バレちった・・・」
「は?何で?ずっと着いてきたのか?」
「そだよ・・・目の前にりっちゃんがいるのに近づけないのは大変な苦労だったよ!こんなに近くにいるのに心は遠い・・・こういうことなのかしら・・・?」
「全然気付かなかったぞ・・・何で唯が?」
「りっちゃん家に着いたら驚かそうと思ったんだー・・・失敗したけどね」
鼻と耳を赤くして笑ってる唯が無性に愛しくなって、さっきまでうだうだ考えてたこともバカみたいなことに感じた。バカみたいというよりバカなことだった。
とにかく、私は単純だから唯を見たら安心した。
うちまで来てどうすんだよって聞く前に唯が一歩踏み出して言った。
「これからりっちゃん家で二次会しましょー!二人で!」
「これから!?」
「だって今日クリスマスだよ?」
「お、おう」
「二人で過ごしたくない?」
「え・・・あ、の・・・」
「私はりっちゃんと二人で過ごしたいな」
私が照れる間もなく唯は私の望んでいたような言葉を言ってみせた。
肝心なところで素直になれない私は上手く返事が出来なくてついつい唯から目を逸らした。唯のテンポから少しズレて徐々に頬が熱くなってきたのがわかる。
二人で過ごしたくてたまらなかったのは私なんだから、唯に甘えてばかりいないでちゃんと言わないと。
「わ、私も唯と二人になりたかった!・・・唯がそう言ってくれんの、期待してたし、今、すごく嬉しいよ」
「うん。クリスマス会の時も薄々感付いてた」
感付いてたのかよ。てか感付かれてたとか、私どんな態度だったんだ。恥ずかしいな。
「よーし、りっちゃん家まで手を繋いで行こーう」
「・・・・・・おー」
わざわざ手袋を外して差し出された左手。やっぱり素直になりきれない私は半端な返事をしてポケットから手を出して唯の手のひらを握った。
唯のこと子供扱いしてるけど、こうやって自然と甘えさせてくれてるところは私よりずっと大人だと思った。
手を繋ぐなんて小学生かって照れ隠しで言った私に、愛人ですと真面目に返すあたりはやっぱりアホだなと思わざるをえなかったけど。
それを言うなら恋人だろ。



おまけ?

「そういや唯荷物少ないな。泊まってくんじゃないのか?」
「りっちゃんたら・・・!!家に行くって言っただけですぐお泊まりに結びつけるなんてヤらしいよ!年頃だよ!」
「えっ、はっ?ヤらしいとか違うし、聡も両親もいるし、」
「いっやーん。でも下着は持ってきてるであります!」
「だからそんなつもりは・・・」
「今夜は寝かせないよ~りっちゃーん」



おわりです
クリスマスとか二日も前だけど・・・

610:名無しさん@秘密の花園
10/12/29 00:11:45 hrCGT/nv
GJ!最近SSなかったから嬉しいよ
二人ともめっちゃかわええ

611:名無しさん@秘密の花園
10/12/29 02:53:53 QF2yaggw
オチがなくたっていいじゃない
そこに唯律がいれば
  みつを


つうかちゃんとオチてるよ!GJ
ぽやぽやしてるようで実はリードしてる唯とか、照れ屋なりっちゃんとかすごいツボ

612:名無しさん@秘密の花園
10/12/29 23:38:44 9tumzLMO
>>610
>>611
ありがとう
中身の無いものしか書けないけどまた書いてみようと思うよ

話変わるけどここの皆はあまり唯律エロってあんま妄想しないの?
ざっと見た感じエロネタあんま無いし、あってもすぐ話題が変わってたから気になった

かくいう自分は唯律で初めて百合にハマったから女の子同士のエロってよくわかんないからネタ提供とか出来ないんだけどね

613:名無しさん@秘密の花園
10/12/29 23:43:44 cNgwjKFY
>>612
た、試しにりっちゃん家からの唯律を書いてみるといいんじゃないかな?フンスフンス

唯が強気にリードしてる唯律が好きです。
エロいともっと嬉しいです。

614:名無しさん@秘密の花園
10/12/30 01:13:54 UPssaQ0X
えっちの時は唯ちゃんになされるがままの乙女りっちゃん

615:名無しさん@秘密の花園
10/12/30 01:16:31 G5HUj2WD
されるがままとは思わないけど
唯ちゃんが「これ試してみようよ!フンスフンス」って言って「おお!やってみよう!」か「ええ~?!」ってなるかのどっちかだな

616:名無しさん@秘密の花園
10/12/30 03:04:35 9UKfxxeg
りっちゃんが唯を引っ張ってるほうが好きな俺は異端なのだろうか

617:名無しさん@秘密の花園
10/12/30 03:07:33 hxwE7GkN
俺もそっちが好きだぞw
唯ちゃんが「お~!」ってちょこちょこ付いていく感じがたまらなく可愛いw

618:名無しさん@秘密の花園
10/12/30 18:00:47 W0M9xF0u
SS書くとき、唯律にしようか律唯にしようか悩むんだよな…
唯律の方が書きやすいけど、読むなら律唯が好き

ところで、エロっぽいの書きたいと思ったんだけど、ここってどれくらいまでのエロなら許されるの?
あと、パラレルSSってこのスレ的にアリかな?

619:名無しさん@秘密の花園
10/12/30 18:17:04 1MOE3djo
ここは18禁なのでエロは問題なし
パラレルは人を選ぶかもしれないけど俺は読んでみたい

620:名無しさん@秘密の花園
10/12/30 18:18:14 q3kit2zD
唯律派だったけど、SSとか読んでると律唯もいいかなと最近思い始めて来た
攻め攻めりっちゃんでも女の子らしい一面があったりするのがいい

ここは確か21禁板だったような気がするから
どれくらいって、極端な話スカトロやらグロでも何でもありだと思う
書いて落とすなら唯と律絡んでればスレ違いではないしパラレルだっていいんじゃないかな

621:名無しさん@秘密の花園
10/12/30 18:46:08 W0M9xF0u
>>619
ありがとう。がんばってパラレル書いてみるよ!
あと、IDが萌えw
>>620
説明サンクス! 唯と律はどっちが攻めでもいいよね

ちなみにパラレルで思い浮かべているのは、
・唯が律たちより一年先輩
・唯が悪魔、律が天使
・唯に犬耳生えて隠すために律唯てんやわんや
・「羊のうた」的な唯律

というどっかでみたことあるようなないような感じで
出来たら投下したいなあ


622:名無しさん@秘密の花園
10/12/30 18:54:29 W0M9xF0u
あ、もし、>>621のネタで創作魂をくすぐられたSS職人さんが万が一いらっしゃいましたら、
全然ネタを使ってくださってかまいませんので。つーか読んでみたい
あんまそそられるネタじゃなくてすまん

623:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 00:04:50 pkTPah8K
もしもSSが書けたなら~妄想のすべてを文にして~♪


しかし書けそうにない、書いたこともないしな

624:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 01:45:25 dF1YSn4q
2010年も終わっちゃうね~
年明け前に何か書けないかなと思ったけど無理そうだからエロについて語っとく
なんか夜中にこんなん打ってる自分がキモいわw

唯と律のエロは唯攻めのが好きだったけど二人が好きすぎてどっちも行けるようになってきたな
日替わりとかで良いんじゃないかと思うんだ
でも受け攻め問わず基本的に唯ちゃんが一枚上手だと嬉しい。萌える
りっちゃんは攻めの場合すごく優しいっていうか、気持ち良い?とか確認しそうなイメージ。ヘタレっていうか何て言うか
焦らしたり意地悪したりSっぽいことはしなさそうだなと思う
唯のこと泣かせなさそう
あとりっちゃん明るいキャラだけど無邪気攻めみたいのイメージも無いな
唯攻めは何でも似合う
ヘタレも意地悪もいける
可愛い顔してりっちゃん泣かす勢いで焦らしたり意地悪したりするのとかたまらない
それから唯律にしても律唯にしても裸にならないで事に及ぶイメージがあるw
ブラウスのボタン外して下着外してパンツ下ろしただけとか
何故だろ

625:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 02:03:30 n/owP8uw
夏コミケ期待してるわ

626:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 15:46:00 Assmt3ad
唯律夫婦SSを書きました
めっさ長くなったので、何回かに分けて投下します
まあ、今人はいないだろうけれど…
読んでいただけたら幸いです。

627:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 15:47:09 Assmt3ad
午前六時半。私はいつも、これくらいの時間からエプロンをつけて朝食作りを始める。
今日のメニューは、ご飯、みそ汁、卵焼き、ほうれん草のおひたし、そして塩鮭というかなりオーソドックスな朝食だ。
とはいえ、近頃の過程の食生活は破綻しているとか何とかテレビでよく見るから、その点に関しては私はちゃんとしているほうだろう。
むしろ、こんなしっかりとしたものを朝から食べられて、私の相方は大いに果報者だ。
まさしくりっちゃんさまさま、と大げさに感謝してほしいくらいだけれど、生憎私の相方、つまり旦那様はまだ夢の中だ。
まあ、こんな時間に起きていることの方が珍しいので、とっとと二人の寝室に向かう。
朝食の用意をし終わって、旦那を起こしに行くのは、もうとっくに習慣となっていた。
最初のころは、憂ちゃんはこんなに大変だったのか、と彼女の妹の苦労をしみじみと感じたものだったけれど、今では特に苦に思わない。

「……完璧に、唯に毒されたなあ」

私の頬に自然に笑みが浮かぶ。唯と一緒にいることに慣れ切って、むしろそれが心地よくて、当然のように感じていることを自覚している。こういうときに、夫婦ってこんな感じなのかな、と考える。あ、夫婦じゃなくて、婦妻か。
寝室に辿りついて、開口一番。

「こらー、唯! おーきーろー!」

寝室にはダブルベッドが一つあって、いつもそこで唯と私は一緒に寝ている。
ベッドの上で、唯はむずむずと動きながら、「んむ……りっちゃーん、おいでえ~」なんて私が寝ていたスペースに手を伸ばしながら、寝言を言っていた。りっちゃんはここにいる。つうか、むしろお前がリビングに来い。


628:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 15:47:50 Assmt3ad
「お・き・ろっつうの! いつまで寝ぼけてんだよ?」

少し強めに言うと、唯がようやく覚醒したように大きく体を動かした。ゆっくりと体を起して、ドアのところに立っている私を見る。

「……なーんだ、夢かぁ」

失礼なことに、私を見るなりがっかりした声を上げて、またベッドに沈もうとする。
おいおいおい! なんだとはなんだ! せっかく起こしに来てやったのに!
私はずんずんとベッドに歩み寄り、唯が被った毛布をはぎ取る。すると、唯はびくっとして、大きい目をさらに大きくして、私を見た。

「おおおおきいいいいろおおおおおおお!」

唯の耳元で叫んでやると、「っわあああ!」とうめき声を上げて、飛び上がった。そそくさとベッドから下り、私をびくびくと見つめる。
起きられるじゃんか。まったく。手間かけさせて。

「お、おきました!」
「ん、ならよろしい。ほら、顔洗ってこい」

らじゃー! と敬礼を返し、唯はそそくさと寝室を出ていこうとする。
まったく、こういうところは、変わってないんだからな。
ふと、気になったことがあって、唯の背中に声をかける。


629:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 15:48:24 Assmt3ad
「唯、さっき見た夢って、どんなのだったんだ?」

聞くと、まさに洗面所にいこうとしていた唯は、パッと振り向いて、にへら、としまりのない笑みを浮かべる。……なんか、予想がついた。

「え、へ、へ。あのねえ、りっちゃんがねえ、私に裸でしがみついて、すっごく甘えてきたんだよお」

ほー。ほおお。

「『唯が欲しい、唯とずっと一緒にいたい』っていってねえ、もーう、すんごくかわいかったんだからあ」

……唯、覚悟はいいな?

「それでりっちゃんを抱き寄せようと思ったら、エプロン姿のりっちゃんに邪魔されちゃったんだよね……ってうおあ!?」
「ばっかやろおお!」

唯に走り寄り、華麗なドロップキックを決めた。
唯はつんのめるように倒れたけど、いてて、と腰を押さえてすぐに立ち上がる。
付き合ったころから受けているからか、唯も耐性が身についてきたみたいだ。

「ふざけんな! 勝手にお前のエロ夢に私を登場させるなよ! それで『なーんだ』っていったのかこんちくしょー!」
「えええ、だってえ~、本当にいいところだったから」
「あほ、ばか、トロ唯! さっさと顔洗ってこい!」



630:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 15:49:01 Assmt3ad
しっしっと追い払うように手を動かすと、唯は、はたと気付いたように、意地悪な笑みを浮かべた。

「……なんだよ」
「……りっちゃん、ヤキモチ?」
「ぁあん!?」
「安心してよ。昨夜のりっちゃんも、夢の中のりっちゃんに負けないくらい、可愛かったから!」

ぷちん、と何かが切れる音がした。

「大体さあ、確かに私は寝坊しちゃうかもしれないけど、でも、それはりっちゃんにもちょっと責任あるからね」

ぶちぶち、とまた切れる。

「昨夜だって、なかなかりっちゃんが寝かせてくれなくて……うう~ん、眠いよお」

ぶちぶちぶちぶちぶちっ。

「もう、りっちゃんたら、お・さ・か・ん……」
「だあああ! おっまえが勝手にサカってただけだろ! 早く顔洗いやがれええ!!!」

鬼の形相で吠えると、唯は今度こそ青ざめて、そそくさと洗面所に向かった。
「鬼嫁だよ、鬼嫁がいるよ!」という嘆きが聞こえた気もするけど、気にしない。あの、どあほが悪いんだからな!
唯がぐちゃぐちゃにしたベッドを直しながら、ふとシーツを見る。

「……洗濯機、回すか……」

昨夜のことを思い出しそうになって、熱をもった頬をとっさに手で覆った。


631:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 15:49:54 Assmt3ad
「わあ! お~!!」

身支度を素早く終えた唯が、食卓にきて歓声を上げた。
そりゃそうだろ。これだけ完璧な朝食が揃っているんだからな。
ふふん、どうだ、と鼻高々に私がつつましい胸を張ると、唯が空気をぶち壊すような言葉を放り込んできた。

「今日は、パンの気分だったかも……」

言い終えると同時に、私はすぐに唯にチョーキングを決めた。
なんって、妻不孝な奴だ。

「ご、ごはん好きです。ごはん食べます」
「よろしい。っつか、日本人ならごはんだろ」
「1・2・3・4・ご・は・ん~♪」

調子に乗って歌い出す唯の頭をぺチリと叩くと、唯はえへへ、と笑って、行儀よく「いただきます」と手を合わせた。
唯の、こういうところが好きだ、とふとした拍子に想う。
いいかげんなようで、ちゃんと相手を想っているところ。
それは、りっちゃんも同じだよ、って前に唯にいわれたから、私たちは似た者夫婦なのかもしれない。

「おいしいい! どうやったら、こんな風に作れるの?」
「唯には無理だなー。やっぱり、りっちゃんの天才的センスがないと」
「むう、がんばるもん!」
「期待せずに、待ってるよ」

そんな軽口をたたき合いながら、私たちはぺろりと朝食を平らげた。


632:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 15:51:17 Assmt3ad
私は、いわゆる専業主婦ってやつだ。家事は嫌いじゃないし、近所の人たちともうまくやれているから、寂しいとかつまんないとか、あんまり感じない。
ローンで買ったこの一軒家に唯と一緒に住む前は、専業主婦にあまりいいイメージをもっていなかった。でも、唯と住むなら、自動的に家事をやるのは私になるから、なりゆきでそうなったけれど、意外に毎日は充実していた。
休日には唯とギターとドラムでセッションするのが楽しいし。暇を見つけて澪やムギ、梓とかと会ったりするし。
唯は、会社に行って、何とか働けているようだ。そこそこ忙しいようで、残業とか、休日出勤がないわけじゃないけど、それでも、私と話す時間は毎日つくってくれていた。
仕事はできるというわけじゃなく、上司に怒られるのはしょっちゅうだ、といっていたけれど、それでも元気に毎日出社するから、それなりにがんばっていて、可愛がられているんだろう。
総合的に見て、私は幸せだと思う。波風立つことなんて、皆無といってもいい。
このままこの日々が続けばいいな、続くんだろうな、と思っている。

「唯、八時十五分発の電車に乗るんだろ? 間に合うのか?」
「だーいじょうぶ……ってうわぁ!!」
「ばか、だからさっさとしろっていったのに」

唯はどたどたと音を立てながら、バッグを肩にかけ、パンツスーツの裾をはためかせて、玄関へと向かった。
ああ、こりゃ、またごみ当番は私になりそうだな、と息をつく。

「りっちゃん、ごみごめんね! 行ってくる!」
「こおのやろー、明日こそ早く起きろよ」
「うう、ごめん、あっ、りっちゃん!」
「ん?」

首をかしげると、唯が目をつぶって、唇をつき出した。

「いってきますのちゅー」

無言でばしり。朝だけで、何回唯に突っ込みを入れただろう。

「いたい! ひどいよりっちゃん!」
「そんな暇あるなら、ごみ置いてこいって話だろ!」

いいながら、唯の背中をぐいぐいと押し、玄関のドアを開けて、外に出す。
唯は口をとんがらせながらも、小さな門を抜け、ドア先に立っている私に手を振る。

「いってきまーす!」
「いいから走れ! 早く行け!」

無邪気な唯の声が大きかったから、照れ隠しにぶっきらぼうに言った。
唯はぶう、と不満そうにしながらも、すぐに駆けだして行った。


633:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 15:51:49 Assmt3ad
唯の姿が見えなくなるまで見送り、私はごみ袋を手に、ごみ置き場まで歩いて行った。
ごみ袋を置くと、近所の誰かの旦那さんらしいサラリーマン風の男性が、急いで置き、早歩きで駅の方向に向かっていった。

「そうだよな、最近の旦那っていうのは、これくらいはやるよな」

独り言をつぶやきながら、家へと歩いて行くと、二、三人の主婦の集団とすれ違った。
げっ、と心の中で思う。私は、大抵の近所の主婦たちと上手くやれていると思うけれど、このベテラン主婦集団だけは、なんとなく苦手だった。
挨拶だけして、そのまま通ろうと思ったけれど、呼び止められた。

「田井中さん……でよかったかしら?」
「……あ、はい。おはようございます」

リーダー格っぽい天然パーマのおばさん主婦が、尊大な感じで話しかけてくる。

「あなたが、いっつもごみ置いてるの?」
「あ、いえ、えと、旦那が置いてくれることもあります」
「でも、いつも大体あなたよね」
「っ、は、はあ……ま、まあそうかもしれないですねえ」

人のごみ置くところを、毎回チェックしてんのかよ、と気味悪く思う。

「だめよ、甘やかしちゃ。最近の夫っていうのは、ごみ置きは最低限してるんだから」
「で、ですよねー、気をつけまーす。あはは……」

乾いた笑いを最後に、今度こそ家に戻ろうとしたとき、後ろからひそひそ声が聞こえてきた。

「でも、旦那っていってもね……」
「夫、ともいえないし……」
「若い人の恋愛って、分かんないわねえ」

何を言っているのか、分かる気もしたけれど、完全にシャットアウトして、家に急いだ。
気にしない。世の中、色んな考え方の奴がいるから。
それでも、幸せばかりだった私と唯の日々に、ちくりとケチがついたような気がして、少し不愉快だった。



634:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 15:52:54 Assmt3ad
朝の嫌な気分を振り切って、午後からは買い物に出かけた。
最初は迷ったりもしたけれど、ここの商店街の道は、もう慣れたものだ。たまに楽器店やスタジオを見つけるたびに、唯と一緒に行ったりもしている。
私は、馴染みの肉屋の前で足を止め、じっと肉を吟味していた。
すると、店の奥から、これまた馴染みの肉屋のおっちゃんがやってきて、私に二カッと笑いかけた。私も、笑顔で会釈をする。下手に自分で選ぶよりは、専門家に見つくろってもらった方がいい。

「奥さん、こんにちは! 今日はいい肉が入ってるよ!」

毎回、奥さん、と呼ばれる。そのたびに、くすぐったいような、照れくさいような気持ちが広がる。自分の、今の幸せを実感できているみたいで、嬉しくなるのだ。

「んー、どれがおすすめ?」
「そうだな、この黒毛和牛が、安く入ってるなあ。あとは、んー」
「じゃあ、それにする。……旦那に、元気つけてもらいたいし」

人前で、旦那、と呼ぶことに嬉しさを感じる。まあ、あの主婦集団の前で言ったのは、ノーカウントだけど。

「あいよお! これは、うまいぞお! 旦那も精ついちゃうかもなあ!」
「つってもなー、もともと元気だから別にいいような気もするけど……まあいいや」
「おっほう、ノロケかい? お・さ・か・んだねえ」

にやにやとしながら、おっちゃんは素早く肉を包んでいく。
唯、お前の言葉、おっちゃんと同じレベルだぞ。まったく。

「ばかいうなっつうの。ていうか、いまどきお盛んって」
「あっはっは。毎度! またよろしくなあ」

手を振るおっちゃんにお辞儀をし、私は家へと向かう。
おっちゃんは、旦那が女であることを知らないだろうけれど、それでも朝の嫌な気分は、すべてなくなった。
ビニール袋を下げながら、今日はステーキにしようかな、と軽くなった心で考えていた。


635:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 15:53:48 Assmt3ad
遅い。今日は、ずいぶん遅い。
大抵いつも残業で、帰ってくるのが八時くらいだから、それにぴったりと間に合うようにりっちゃん特製のビーフステーキを作ってやったというのに。
もう、時計は十時を過ぎていた。ビーフステーキはラップをして、唯が帰ってくるのを今か今かと待っている。

「……食べちゃおうかな」

いつも私は、唯と一緒に夕食を食べる。唯の食べる姿を見るのが好きだし、昼間はほとんど会話をメールで済ませているから、こういうときにいろいろ直接話す時間を作りたいのだ。
唯も、嬉々として仕事やいろんなことを話して、風呂に入って、で、ちょっといい雰囲気になったときは……まあ、昨夜みたいなことをするわけだけど。

「でもなあ」

唯も、食べながら私と話すのを楽しみにしていることを知っているから、そんな唯の気持ちを無駄にしたくはない。
まあ、いいか。一回ぐらい、夜中に食べて、脂肪ついちゃっても。
そう思って、暇つぶしにテレビをつけようとすると、ぴんぽんとインターホンが鳴った。
私は、急いで駆けだす。

「はい」
『えへへ、私』

受話器を耳に当てると、唯特有の幼い声が聞こえてきた。
ドアを開けると、少し疲れたような、でもいつものように笑っている唯が立っていた。
文句の一つも言ってやろうと思ったけれど、すぐにどうでもよくなった。


636:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 16:00:19 Assmt3ad
そろそろさるさんくらいそうなので、夜にまた投下します。
年またぐかもしれん……
一応、まだ序盤です

637:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 16:26:32 yncsb5gq
>>636
お疲れ様です、今年最後の締め括りは唯律になりそうですw
楽しみに待ってます!

638:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 16:37:21 /Ssr0Buk
期待して待ってるぜ

639:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 16:55:12 dF1YSn4q
>>636
乙です
新婚唯律いいねぇ~
読みながらめちゃニヤニヤしたw
続き楽しみにしてます

640:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 16:56:36 f1sLMeFd
続き期待

641:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 22:58:46 2aJPDJmB
続いての投下です。
このぶんだと年をまたいでしまうかも…


642:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 23:01:26 2aJPDJmB
「おかえり、外寒いだろ」
「ただいまっ、マフラーしてたから平気だよ」

唯は、赤い手編みのマフラーを指さしながら答えた。付き合っているときに、唯がおねだりしたので、わざわざ私が編んでやったマフラーだ。それがいたく気に入ったらしく、寒いときには必ず巻いてくれていた。思わず、笑みがこぼれる。

「あれ? 朝行くときは、巻いてなかっただろ?」
「ふふふ、バッグに忍ばせておいたんだよ。寒いときに、りっちゃんマフラーは必須だからねっ!」

思わず和やかな空気になりかけたが、向こうにラッピングされたビーフステーキを見て、ぽかりと唯の頭を小突く。

「うわあん、いたあい」
「いたあい、じゃなくて、なんかいうことは?」

その言葉に、唯は食卓を見て、うつむいた。

「遅くなっちゃって、ごめんなさい」

殊勝な態度に、怒っているのがばからしくなって、ふっとほほ笑む。

「遅くなるのは、仕方ないだろ。仕事なんだし。そうじゃなくて、連絡ぐらいしろってこと。昼には余計なメールを送ってくるくせにな」
「ひ、ひえっ、余計!?」
「まー、こっちも暇つぶしになるし? 別にいいけどな」

言って、私は夕食の皿を電子レンジに入れて、温め始める。
後ろから、わあい、今日はステーキだ! と無邪気に喜ぶ唯の声が聞こえてくる。

「これ、りっちゃんがいってたお肉屋さんの?」
「そうそう。今日のおすすめだって。早く食べよーぜ」

最後に、ステーキの皿二つを電子レンジに入れると、唯が、うつむきながらもじもじとしていた。


643:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 23:01:47 m6WgXMhX
>>641
最高の年越しだぜ

644:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 23:02:46 2aJPDJmB
「どうした?」
「あ、あのね」

唯が眉をハの字にして、私を見る。

「りっちゃん、今日みたいな日は、先に食べちゃってていいよ?」

おそるおそる、といった口調の唯に、はっ、と笑う。

「いーよ、大したことじゃないし。ま、連絡はしてほしいけどな」
「でも、りっちゃんがせっかくつくってくれたステーキが、冷めちゃったし」
「だあから、連絡さえすれば、間に合うようにつくるから。ほれ、とっとと食べる」
「また、これくらい遅くなること、あるだろうし」
「いいって。連絡はしろよ。まあ、あんまり遅くなるようだったら、私も腹減るし、食べる。それでいいだろ?」

私の言葉に、ゆっくり頷く唯の手を引いて、食卓につかせた。

「いただきます」
「……うん、いただきます」

私に続いて、唯が復唱した。
温めなおしても、ステーキは美味しくて、さすがにおすすめだな、と言うと、りっちゃんの腕とお肉屋さんの目利きのコラボがよかったんだよ、とわけわかんないことを唯は言った。

「ゆーめのっ、夢の、コラボレーション♪」
「調子にのるな」

こつ、とまた唯の頭を小突き、切ったステーキを口に入れる。唯も、もくもくと食べながら、仕事の話をして、私を笑わせた。


645:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 23:03:46 2aJPDJmB
「まーた、ドジったのか?」
「うう、コピー太が言うことを聞かなくなっちゃって」
「いや、お前の操作ミスだろ。……ていうか、まさか会社でコピー太って言ってないよな?」
「え? 言ってるよ?」
「まじか! 周りはなんか言ってる?」
「最初はね、えっ、て感じだったけど、だんだん周りの人もコピー太っていうようになってきたんだよお」
「気付け! 誰か、おかしいことに気付け! 感染してるぞ!」
「ええ~、りっちゃんひどーい」

話しながらふと、あ、そうだ、と切り出す。

「唯、今日残業で遅くなったんだよな、まーた叱られたか?」
「……う、ん。そうだよ。えへへ、だめだなあ私」
「自分でいってりゃ世話ないな。ま、めげずにがんばれ」
「……うん」

微妙に、間があったことが気になったけれど、大したことじゃないだろ、とスルーした。



646:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 23:04:25 2aJPDJmB
「このお肉、美味しいね。うふふ、精がついちゃうわん」

いやだから、お前の言語センス、おっちゃんと同レベルだから。

「でも唯、今日はエロいことなしな」
「っ! え、ええ!? なんで?」

声を張り上げて驚く唯に、ふん、と意地悪い笑みを見せる。

「連絡もなしに、こんな遅くまで叱られた罰だ、罰」
「ええ、いいよ、っていったくせに~」
「夕食抜きになんなかっただけ、感謝しろ」
「りっちゃんの鬼嫁!」
「第一さ、一応残業してきて、疲れてるだろ?」

本音を向けると、唯は感動したように、りっちゃん……ときらきら目を向けてきた。
けど、すぐにしまりのない顔になる。

「でもね、疲れてる時の方が、燃えるんだよ! ってうぼわっ!」
「どこのエロ親父だ、お前は! さっさと寝ろ!」
「せめて、お風呂! お風呂だけでも一緒に……」
「ごちそうさまっと。さー、皿洗い」
「りっちゃんの鬼畜!」
「どっちがだよ!」

そのあと約束通り、風呂は別々にして、二人で床に入った。
ふと、今朝のことが頭を過ぎって、ぎゅっとかたく目をつぶった。
すると、唯の腕が体に回されて、そのまま唯の体に引きつけられ、強く抱きしめられた。

「……唯」
「……ふふ、これくらいなら、いいよね?」

唯の顔は見えなかったけど、でも、優しく微笑んでいるような気がした。
約束通り、唯はエロいことはしてこなかったけど、朝までずっと抱きしめてくれていた。
唯の腕の中は、あったかくて、柔らかくて、いい匂いがして。
すごく安心して、ぐっすりと眠れた。
大丈夫、唯とだったら。
嫌な気分も、唯が全部消してしまったようだった。



647:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 23:07:31 2aJPDJmB
翌日からも、私と唯の、慌ただしい朝は続いた。
唯をベッドから引っ張り出して、朝ごはんを食べさせて(一回、パンにしてやったら、「朝って、ごはん食べたくなるよね」と抜かしやがったので、頬をつねってやった)、
やっぱり時間ぎりぎりになって、「ごめんね」といいながらもごみを捨てに行けず、猛スピードで、それも騒がしく家を出ていく。
この繰り返しだったけど、いつものことと思えば、それなりに慣れてくるもので、ごみ置きもほぼ毎回私が行っていた。
そのたびに、少し白い目で見られたり、何かこそこそと言われるのは嫌だったけれど、唯と話していれば、自然にリセットできた。
だから、今まで以上に唯の帰りを待ち望むようになった。
だから、あの日以来、唯の帰りが極端に遅くなっているのが気にかかった。
八時どころか、この前のように十時、十一時が当たり前になって、一度は日をまたいだときもあった。
きちんと言い含めていた甲斐あって、何時に帰るかしっかりとメールはするようになったけれど、
唯と話す時間が減っていることの実感は日に日に積もっていった。
朝は朝で慌ただしいから、ゆっくりと話す余裕がない。
仕事だからしょうがないけれど、それでも忸怩たる思いがあった。
唯は、いいかげんに見えても、相手のことを想って行動できる奴だから。そういうところに、惚れたんだから。
だから、唯があまり話す時間を作れないことに、少しの不満と不安があった。
退屈だなあ、と思った。いつも当たり前にあると思っていた唯との触れ合いが減ると、こうも空虚感を覚えるものなのか。そういえば、エロいことも……最近していない、かも。
唯が疲れている、と思うから、私も言いだせないし。
家事をやって気を紛らわそうとしたり、澪やムギ、梓たちと会って色々話したりしても、どうしても埋められなかった。
なんか、なんか嫌だな、これ。
こんな不安定な状態だったから、あっけなく私の心も崩れてしまったのかもしれない。


648:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 23:12:05 2aJPDJmB
今日も唯は、慌ただしく家を出ていった。
自分の当番なのに、ちゃんとしなくてごめんね、と行き際に言って、駅へと向かった。
いただきます、と言ってくれたし、美味しそうに食べていたし、起きるときも軽口程度の会話は交わせたけど。
それでもやっぱり、気持ちが沈む。
私はごみ袋を手に持って、歩き始めた。
今日も遅くなるのかな。
残業続きで疲れているだろうし、なんか胃に優しいものでもつくってやろっかな。
唯は、私が支えてやんないと。妻だし、さ。
少し元気を出して、夕食のメニューを考えながらごみ置き場までやってきた。
するとそこには、珍しいことに、私より早くあのベテラン主婦組がいた。
何か、嫌な予感がしたけれど、軽く会釈をして、ごみ袋を置く。
早く帰ろう。洗濯して、掃除して、買い物に行って……。

「またあなたがやってるの?」

鋭い声が飛んできた。私は、思わず振り返ってしまった。

「え、あ、まあ、そうです」

答えると、ふーん、と何か嫌な含みを持たせた口調で言った。
なんだよ、言いたいことがあるなら言え。

「旦那さん、よっぽどお忙しいのね」
「んー、そうみたいですね」

皮肉めいた言葉も、何とか受け流す。

「へえ、そうは見えないんだけどねえ」

私は、リーダー格の主婦の女の方を向いた。

「いや、忙しいみたいですよ。別に、私も置きに来るのは面倒じゃないですし」
「あはっ、本当に忙しかったら、あんなに騒がしく家を出ていかないでしょうよ」

その言葉に、私は顔を上げる。



649:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 23:15:25 2aJPDJmB
「だって旦那さん、いつもあなた、田井中さんに背中を押されるようにして出ていくじゃない。単に、しっかりと起きていないだけでしょ? それでごみ置きくらいできないっていうのは、ただの甘えよ」

……こいつ、いつも私たちの様子を見てんのか。
気味が悪くて、背筋が冷たくなる。

「あなたたち、新婚さんでしょ? そういうのは、最初にびしっといってやらないと、これからずるずるそうなっていくわよ、どんどんだめになっていくの」
「もう、手遅れかもしれないけどね。私だったら嫌だわ、そういう人」
「もしかして、忙しい、っていうのも、仕事ができないからどんどんやることが増えていってるんじゃないの? なんか、そういう人がいると、こっちにまで影響しそうでちょっとねえ」

三人が間髪をいれずに唯をなじっていく。
一理あることはあるかもしれないけど、そんなの私たちの勝手だ。
私は、唯にいうべきことはちゃんといってるし、こいつらに言われる筋合いはない。

「そういう人、連れ合いに選ぶ田井中さんもちょっと、どうなのかしらね」
「早いとこ、しっかり更生させてね。見ていると、いらいらするのよ」
「どうかしら。慌ただしいってことは、夫婦間の会話もあんまりないんじゃない?」

ずきっと、図星をさされた。
何も言わない私に追い打ちをかけるように、さらに三人は続ける。

「あらー、かわいそうに。せっかく家を買ったのにねえ」
「ローンを返すために、ただ働くだけが役割じゃないわよね、夫は」
「そうね、近頃は家事とか育児とかもやって当然だって言うし……あっ」

リーダー格の主婦が、わざとらしく口に手を当てた。


650:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 23:16:28 2aJPDJmB
「ごめんなさいねえ。育児は、必要ないものね」
「えっ、どういうこと、どういうこと」

脇にいるやせぎすの主婦が、はしゃいだようにリーダーの主婦の方を向く。

「だって、ほら、ねえ、女性同士じゃ、子供なんて生まれないしねえ」
「あ、そうね。表札の名字も、別々だものね、同姓婚って禁じられてるし。旦那さんは平沢でしょ?」
「え、女性同士だったの。じゃあ、夫婦でも何でもないじゃない、単なるルームシェアっていうものかしら?」

知っていたくせに。唯が、女だということを。
体が、がちがちと震えて、動かない。

「ねー、実際にいるのね、そういう人たち。理解できないわ、何が楽しいのかしら」
「想像できないわ。それで、妻とか、旦那とか……なんかね」
「そういうのって、一瞬の気の迷いでしょ。熱病。どうせすぐ飽きて、普通に男性とくっつくものなんじゃないの?」

分かっていた。普通に、受け入れられる人間なんて、少ないということくらい。
分かっていて、どんと構えているつもりだったのに、それでもどんどん心が削られていく。

「もう破綻するんじゃない? 会話がないって、結構致命傷だもの。それに、あんなだめな感じの人じゃ、どっちみちね」
「だめな人ほど、あっちこっちに気持ちが行くし」
「家を買うの、もう少し待てばよかったのにねえ」

三人は好き勝手に言い散らし、ふふん、と鼻息荒く横を通り過ぎていった。
私はうなだれたまま、しばらくそこから動けなかった。
お前らに何が分かる。唯の、何を知っているんだよ。女同士の、私たちのこれまでの関係の何が分かるっていうんだ。
唯は旦那だし、私は妻だ。そんなの、当たり前だ。
心の中ではいくらでも言えるのに、悔しくて悔しくてしょうがなかった。
なのに、それらの言葉を口に出して言えなかったのは。「何をそんな、くだらない」と笑い飛ばすことができなかったのは。
心の中で密かに感じていた色んな心配や不安を、言い当てられたような気がしたから。
気丈だと思っていた自分が、こんなにもろいなんて、知らなかった。



651:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 23:19:10 2aJPDJmB
机に突っ伏したまま、かなりの時間が過ぎた、と思う。
昼ごはんは、とてもじゃないけど食べられなかった。このままじゃいけないと思って、何とか体を動かして、夕食を作り、七時に出来上がった。
いつもは、唯が帰る時間に合わせて作っていたけど、何か体を動かしていなければ、気がまぎれなかったから、特に何も考えずに黙々と料理をしていた。
作ったら、すぐに食べた。初めて一人で食べる、夕飯だった。
唯に悪いな、という気持ちは、少しはあった。でもそれ以上に、とにかく口に入れなければ、もたなくなると思った。
食べ終えたら、暇で、何もすることがなかった。
何でだろう。昨日までは、そんなことを感じなかったのに。
唯と一緒に食べたり、話すことを楽しみにしていれば、いくら遅くなったって待つのは苦じゃなかった。
ふつふつと、朝の悪意のある言葉が、蘇ってくる。
唯をバカにし、私たちを否定した言葉。
私は、頭を振って、その考えを消そうとした。
やめろ。こんな風に悩んでたら、ますますあいつらの思うつぼじゃんか。
それでも、どんどん心が苦しくなってくる。
どれくらい頭を抱えていたんだろう。不意に、インターホンの鳴る音がした。
ゆっくりと立ち上がり、受話器を手に取る。


652:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 23:19:47 2aJPDJmB
「……はい」
『わたしだよー』

ふと時計を見ると、十一時を回っていた。
唯のお気楽そうな声に、ピクリと何かが刺激された。
ドアを開けると、そこには、いつもと同じように、少し疲れながらもにこにことしている唯の姿。
今まではそれに癒されていたはずなのに、少し、気に障った。

「……おかえり」
「ただいまー。うふふ、おなか減っちゃったあ」

私を通り過ぎて、唯はリビングへと入って行った。食卓にラップされた皿があるのを見て、唯がん? と声を上げる。

「あれ、先に食べたんだね」
「……ああ」
「そっかあ。メールしたんだけど……」
「……別に、先に食べたっていいだろ」

投げやりな私の口調に、唯が目を丸くする。
何やってるんだ、私。

「……え、あ、うん。そうだよ、そうだよね」
「先に食べてていいって言ったのは、唯だろ。こっちだって、疲れてるんだよ」
「う、ん。ごめんね、ちょっと気になって言っただけだから」

こちらをうかがいながら、気遣う唯の声。
唯の顔から、いつもの笑みが消えている。
こんな顔させて、どうするんだ。
何言ってるんだよ、私。
それでも、私の中にどんどん嫌な気持ちが生まれていく。


653:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 23:50:20 uqle3Z77
「り、りっちゃ、りっちゃん」

唯が、おろおろしながら私を見ている。
頬を何かが伝っているのを感じて、私は初めて自分が泣いていると分かった。
馬鹿だ。泣き叫んでる子供かよ、私。
唯がそっと手を伸ばしてきたけど、それを避けるようにして、私は席を立った。

「……もう、寝る」

それだけ言い残し、すぐさま部屋に行き、ベッドに飛び込んだ。
パジャマに着替えもせず、そのまま眠りたかった。
唯は、追いかけてこなかった。追いかけても無駄だと思ったんだろう。
しばらく物音がしなかったけれど、かちゃ、かちゃという食器の音がして、夕飯を食べてくれているんだろうと分かった。それから、水を流す音。いつもは私がしている皿洗い。慣れない手つきで懸命にしているに違いない。そして、水音が止まった。
唯が、ベッドに来てくれないかな、と思った。急に、唯に抱きしめてほしくなった。
こんな、鬱屈とした気分を打ち消すぐらい、強く、強く。
散々に言っておいて、都合のいいことを考える自分が嫌になる。
でも、唯に抱きしめてもらったら、色んな事がどうでもよくなるんだ。そうすれば、また普通の私に戻れるから。いちいちあんなことで、くじけたりなんて、しないから。
だから、早く来てよ。
―それでも、唯は来なかった。
隣がいないベッドは、それだけで、寒かった。


654:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 23:51:02 uqle3Z77
目が覚めた。
あれだけのことがあったのに、眠れるもんだな、と思った。
涙が乾いて、瞼や頬のあたりがひりひり痛い。顔、洗わなくちゃ。
ベッドの隣は、誰も来た形跡がなく、冷たいままだった。胸が、締め付けられたように苦しくなる。

「……ソファーで寝てんのかな」

ゆっくりと体を起こし、ふと時計を見ると、もう八時を回っていた。

「えっ!」

初めての寝坊だった。慌てて、リビングに向かう。
何やってんだよ、私。こんなこともできなくて、唯に文句ばっかり。

「……唯!」

中には……誰もいなかった。
ソファーの上に、毛布がたたまれて置いてある。
ちゃんと起きて、会社に行ったんだろう。玄関に置いてあったごみも、なくなっている。
遅刻しなかったことにほっとしながらも、唯が私に何も言わずに出ていったことに、強いショックを覚えていた。

『りっちゃん、いってくるね~』
『おー、しっかりな』

昨日は、こんな風に言葉を交わしていたのに。
唯も、さすがに怒ったんだ。
そりゃそうだよな。疲れて帰ってきて、急に脈絡もなくキレられて。
私に、呆れたんだ。
もし、このまま帰ってこなかったら。
その考えを打ち消すように、頭を左右に振る。
考えたくない、そんなこと。


655:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 23:51:30 uqle3Z77
ふと、食卓に何かが置いてあるのを見つけた。
ラップされた皿が、いくつか並んでいる。
一瞬、昨日の夕飯を置きっぱなしにしたのか、と思ったけど違った。
私がいつかの朝食に作った、卵焼き、ほうれん草のおひたし、塩鮭がそこにあった。キッチンを見ると、炊けたばかりなのか、炊飯器から水蒸気がふき出していて、コンロにはちゃんと朝食用のみそ汁が入った鍋が置いてある。

「これ……唯、が?」

よくよく見ると、私が作るものよりも不格好だったけれど、それでもきちんとできていた。
卵焼きの皿の隣に、書きおきのような紙がある。
手に取ると、見慣れた丸っこい唯の字が、走り気味に記されていた。

“りっちゃんへ”
“昨日は、ごめんなさい。ううん、いっつもごめんなさい、だね”
“情けないんだけどね、昨日りっちゃんに言われて気付いたんだよ、りっちゃんが、いつもどれだけ精一杯がんばってるかってこと”
“家事は完璧だし、人づきあいも上手だし、何より、だらだらしてばっかりの私と、いつも一緒にいてくれる。見捨てずに、「唯、大丈夫か?」っていつも心配して、気遣ってくれる”
“私にとって、りっちゃんは、大事な大事なスーパーかっこいい奥さんです”
“なのに私は、怒られてばっかりで仕事もあんまりできないし、すぐだらけて寝坊してりっちゃんに迷惑かけるし……だめだめだね”
“りっちゃんの優しさに甘えて、それが普通になっちゃったんだね”
“だから、りっちゃんが疲れていることにも、気付けなかったんだと思う”
“お皿洗いとか、朝食作りとか、やってみてどれだけりっちゃんが大変だったのかっていうことが、すごくよく分かったよ。”
“りっちゃん、これからは、私もちゃんと家事をやります”
“ごみ置きはもちろん、皿洗いとか、ご飯作りとか、もろもろ全部頑張るよ!”
“今まで、気付かなくてごめんね。何もしてこなくて、ごめんね”
“少しでも、りっちゃんの負担が減るように、がんばるから”
“だから、これからも迷惑かけちゃうかもしれないけど、ずっと、私の奥さんでいてほしいです”

“唯より”

“P.S 書きたいことありすぎて、書いてたら食べる時間無くなっちゃったよ!”
“ちゃんと、時間配分も考えなくちゃだめだね。だから、りっちゃんの朝ごはんは手つかずの新品だよう。”
“それじゃ、いってきます!”


656:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 23:53:04 uqle3Z77
私は、書きおきをもったまま、しばらく動けなかった。
それからゆっくりとご飯やみそ汁をよそい、食卓についた。
卵焼きや塩鮭は、作ったばかりなのかまだ生温かかった。
口に運びながら、ぽたり、ぽたりと涙がこぼれて止まらなかった。

「うっ、ふあっ……ゆ、いいぃ」

とびきり美味しいわけじゃないけれど、一生懸命作ったということが伝わってくる。
朝から夜遅くまで働いて疲れているのに、皿も洗って、ろくに眠れていないだろうに、苦手な早起きまでして、慣れない朝食を作って、遅刻しないように家を出て。
すごくすごく大変だったに違いない。
唯は、これだけしてくれているのに。
私は、疲れている唯に勝手にやつあたりして、すねて眠って、自分の家事を放棄しただけだ。

「……どっちが、だめな奴なんだよ……」

しゃくりあげながら、全部をぺろりと平らげ、また書きおきを見た。
唯は、私があいつらに何言われたかとか、全く知らない。
唯がだめな奴だと言われたことも、私たちの関係が一般の夫婦と違う、異様なものだとケチをつけられたことも。
全然知らないのに、唯は、あっという間に全部解決してしまった。
なら、私もちゃんと決着をつけなきゃいけない。
私は唯の、奥さんなんだから。



657:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 23:53:52 uqle3Z77
ごみ置き場の前で、しばらく待っていると、あいつらがやってくるのが見えた。
あいつらも私を見つけ、「あら」と声を上げて胡散臭い笑みを向ける。
負けてたまるか、こんな奴らに。

「あら、おはようございます、今日は偉いわね」
「……何がですか」
「えーっと、平沢さん。久しぶりに見たわ、ごみ置いて行くところ。田井中さんが、しっかりとしつけておいたのかしら」

あいつらは、唯のことを、もう旦那とすら呼ばなかった。

「お生憎。ちゃーんと旦那は自分から置いて行ってくれましたけど」
「あ、あらそう。ちゃんと更生できたっていうことね」
「更生もなにも、あいつは、ちゃんとできる奴だし。もともとな」

私からの思わぬ反撃に、あいつらはわずかにたじろいだ。

「あいつさ、いいかげんでだらだらしているように見えるけど、まあ、だらだらしているときもあるけど、人のことを想って行動できる奴なんだよ」

じっと睨みつけてやると、さらにあいつらは慄く。

「私のことを、誰よりも愛してくれて、私のためにむちゃくちゃ頑張れちゃう奴なんだよ」
「で、でも、だめであることには変わりないわよ?」
「だめ? 何言ってんだよ、これが一番夫婦にとって大切なことじゃん」
「ふ、夫婦って……ふん、何言ってんの。別に夫婦でも何でも……」

まだ食い下がろうとするベテラン主婦集団に、ずい、と近寄る。


658:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 23:54:46 uqle3Z77
「誰が何と言おうと、私たちは夫婦だ。これからもずっと一緒にいる二人、っていう意味だったら、別に他の呼び方しても構わないけどな」
「そ、そんなのすぐに別れるに決まって」
「別れねーよ。別れるわけがないし」
「そ、そんなの」
「唯は、だらだらしているけど、でも、私にとっては、世界一の旦那なんだよ」

すっかり言い返す気力もなくなった主婦集団に、にやりとしてみせる。

「あいつ以上に、私のこと考えてくれる奴がいるんなら見てみたいよ。でもって、唯にとっても、私は、大事な奥さんなわけ」

言葉を切り、再度睨みつける。

「お前らに、唯の何が分かる。私らの何が分かるんだよ。もう、二度と関わってくるな」

一瞬、沈黙があり、主婦集団は、ぶちぶち文句をたれながらも、すごすごとその場を立ち去って行った。
言ってやった。言ってやったんだ。
これからも、受け入れられないことはあるだろうけど、それでも私たちは私たちだって、思えるから。

「近所づきあい悪くなったら、唯のせいだぞー?」

言葉とは裏腹に、私はくくく、と笑って、家に帰って行った。


659:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 23:55:39 uqle3Z77
唯が帰ってきたら、謝ろう。
私は、買い物に街へと繰り出しながら、そう決意していた。
やつあたりしてごめん、ちょっと嫌なことがあったんだ。でも、唯のおかげで、平気だった。こっちこそ、いつも働いてきてくれて、ありがとう。
ぽんぽんと言葉は浮かんできても、実際に言えるだろうか。
もし、唯が許してくれなかったら。
いや、それは無いと信じたい。書きおきもあったしさ。
でも、と自分のした仕打ちを考えると、どうしても不安になった。

「おや、奥さん! こんにちは! よってきなよ!」

振り向くと、肉屋のおっちゃんがにこにこしながら手招きをする。
そういえば、この人は、ずっと私のことを奥さんと呼んでくれていたな。

「今日は、何がおすすめなわけ?」
「ん! いろいろあるけど……やっぱり、ここはチキンだろうよ!」
「鶏肉? 何で? いつもみたいに牛肉じゃないの? ……まあいいや、んじゃそれで」
「あいよお! いやあ、今日は特に旦那さんに夜の方をがんばってもらわないとな! ん?」
「だーから、何で今日なんだって……」

なんか、今日あったっけ? と考えても、思い出せない。
おっちゃんは、にこにこしながら、鶏肉を詰める。
ずいぶん立派な骨付きの肉だ。どう料理しようかな。
おわびをこめて、思いっきり豪勢にしてやろうか。


660:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 23:56:12 uqle3Z77
「はいよ!」
「あ、サンキュ。これ、代金」
「まいど! 今日は旦那さんと仲良くな!」
「いっつも仲いいよ……あ、でも今は」
「ん? ケンカか?」
「……私が、一方的に怒っただけなんだけど。あの、さ」

ん? とおっちゃんが目を向ける。
言ってみたくなった。私を、奥さんと呼ぶ人に。

「あのさあ……うちの旦那って、女なんだよね」
「えっ」
「あ、ひくよなひくよな、ごめんなおっちゃん、何でもないから」

そそくさと立ち去ろうとすると、「そうかあ」というのんびりとしたおっちゃんの声が聞こえた。

「え、ひかないの?」
「んん、のろけられるくらいラブラブなんだったら、文句なしだろうよ」

驚いて、おっちゃんの目を見る。

「旦那さんは、奥さんにそんなに思われて幸せもんだな、っていっつも思ってたんだよ。だから奥さん、そんなケンカしちゃいけねえよ」
「う、あ、うん」
「そんだけ思っていれば、すぐに許してもらって、仲直りできるよお。ほれほれ、今日は特別な日だしな」
「だーから、何の日だっつーの……」

呆れながら、おっちゃんに軽く会釈をし、家に向かった。
こういう人もいるんだ。
それだけで、足取りは軽くなった。早く、唯に会いたくなった。


661:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 23:57:04 uqle3Z77
「……よし」

焼いた骨付き肉に、特製のソースをかけて、とうとう夕飯ができあがった。
ミニハンバーグとか、サラダ、他にも唯の好きな私の料理をたっぷり。
それで、謝るんだ。で、ここ最近話せなかった分、唯とたくさん話して、食べて、盛り上がって。……エロいことも、できたら、な。
時刻は七時三十分。唯は今日、早く帰ってくると言っていたから、そろそろ頃合いだと思って、間に合うように作った。
でも、ちゃんと帰ってくるかな。もしかしたら気が変って、やっぱり今日は遅く帰る、なんてことになるかもしれない。
それでも、今日はいくらでも待つつもりだった。
エプロンを外して、一息付いていると、がちゃがちゃ、という鍵が開く音がした。
なんだなんだ、と玄関先にやってくると、ドアが勢い良く開いた。

「りっちゃあああああああん!!!」

ものすごい叫び声と共に、唯が私めがけて勢いよく飛び込んできた。
私は思わず体勢を崩して、倒れそうになったけれど、すんでのところでこらえた。
唯は、私の服をつかんで、うつむいている。

「ゆ、ゆい……? あ、あのさ、私ごめ」
「ごべんねえええ!! ごべんねえ、りっちゃあああん!!」

ううう、と唸る唯の顔を見ると、ぐしゃぐしゃに泣いていた。

「と、とりあえず落ち着け」
「ぐすんっ、ひぐっ、だってえ」

唯は私からいったん離れ、涙をぬぐいながら、言葉を続ける。


662:名無しさん@秘密の花園
10/12/31 23:57:39 uqle3Z77
「りっちゃんっ、ごべ、ごべんなさいっ……か、紙にも書いたけどっ、り、りっちゃんが疲れてること分かんなくてっ」
「……ああ、見たよ。でも、そういうことじゃなくて、私がわる」
「わ、わたし全然だめでえ……り、りっちゃんはスーパー主婦なのにっ……」

……スーパー主婦って、なんだよ。

「り、りっちゃんただでさえ疲れてるのに、私何にもしてなくてっ……今日会社行ってても、そのことで申し訳なくって、頭がいっぱいでっ」

……ばーか。

「りっちゃんは、私の大事な奥さんなのにっ」

その言葉に、温かいものが胸に広がる。

「大事な奥さんなのに……大事にしたいのに……全然、できてなかったっ」

唯が、パッと顔を上げる。私と目が合うと、いっそう瞳に涙が溜まっていく。

「ごめんねっ、これからは、もっと私頑張るから、だから、嫌いにならないでっ……愛想尽かさないでえ……」

思わずそれを聞いて、ぷっと吹き出してしまった。

「な、何で笑うのお……」
「ふ、ふふ……いや、なんか唯見てたら、色んな事どうでもよくなってさ」

きょとんとする唯に、ふっとほほ笑みかける。
ばかだな、もう。ばかでばかで、どうしようもない奴。

「……私の方こそ、愛想尽かされるんじゃないかって、不安だった」
「え、ええ!? な、なんで私がりっちゃんを? そんなの、ありえないよお」
「唯は、ちゃんとやってるよ。ときどき、だらけるときもあるけど。でも、頑張ってるのは私が一番よく分かってる」
「え……りっちゃん……」

唯が、まっすぐ私を見つめてくる。
私も、言わないとだめだ。自分の情けないところを。


663:名無しさん@秘密の花園
11/01/01 00:02:22 HVq6Nxrm
「唯、私さ、すげーやなことがあったの。大したことじゃないかもしれないけれど、でも、すごく嫌だったんだ」
「え……ごめん」
「違う。唯と関係……あるかもしれないけど、やなことっていうのは唯のせいなんかじゃない」
「よ、よく分かんないけど」

唯は少し戸惑っているようだったけれど、唯が私を嫌な気分にさせたんじゃないってことが分かればオーケーだ。

「そのやなことっていうのが頭に残ってて……家に帰ってきた唯に、思わずさ、その、八つ当たりしちゃったんだ」

ふう、と自嘲気味に息を吐く。

「最低だよな、私。勝手に八つ当たりして、すねて、唯に余計な気使わせて。……だから、私こそごめん。唯が謝る必要なんてないんだよ。私が悪いんだ」

唯に、頭を下げた。
そんなことで、と呆れられるだろうか。怒られるだろうか。
どっちでも、受け入れるつもりだった。
すると、私の頭に唯の手がのって、そのまま撫でられた。
驚いて顔を上げると、唯が優しい笑みを浮かべている。

「……りっちゃん、やなことっていうのは、もう解消できた?」
「え、あ、うん。本当に、唯見てたら、気にならなくなった」
「そっかあ。なら、よかった」
「唯……怒って、ないのか?」
「ええ? なんで? いやあ、私がりっちゃん手伝えていないのは事実だし」
「だから、それは口が滑っただけだって。私、勝手に八つ当たりしたんだぞ、なのに」

言い募ろうとすると、そっと唇に指を当てられた。


664:名無しさん@秘密の花園
11/01/01 00:07:57 HVq6Nxrm
「私とりっちゃんは、夫婦だよ? 八つ当たりだろうと、わがままだろうと、全部ぶつけていいに決まってるじゃん」

むしろ、ぶつけてください! と唯が照れ隠しに敬語でふざける。
なんか、ほんと、どうでもよくなってくる、唯を見ていると。

「……そーだよなー。唯、ごみ置きさぼってるしー」
「う、そ、それは、わがままということで」
「いや、単なるさぼり」
「そ、そんなあ」

くす、と思わず笑みが漏れる。すると、唯もつられて笑う。
この空間が好きだ、本当に。

「……唯、今朝の朝食だけど」
「え、あ、うん! りっちゃんをまねてみたんだけど」
「まず、鮭焼き過ぎ」
「あう、生焼けよりはいいと思って」
「限度があるだろ……卵焼きはカラが入ってた」
「上手く割れなくて……」
「ほうれんそう、灰汁取りきれてない」
「い、急いでて、ゆできれませんでした……」
「みそ汁は普通。ごはんだけは……ちゃんと炊けてたけど」
「えへ、りっちゃんがごはん好きだから、がんばったんだよ。1,2,3,4ごーは」
「調子に乗るな」
「いた、あ、なんか久しぶり」

笑いながら、頭を押さえる唯。お前はМか。

「総合評価は、だめだめ。早起きしてごみ置いたのも今日だけだし、やっぱり唯はいろいろだめだめ」
「うう、さっきは、ちゃんとやってるっていってくれたのに」
「本当にダメな奴だけど、私がいなきゃどうすんだって奴だけど」
「た、確かに、うん」
「でもな。私にとっては、世界で一番の旦那なんだよな」

思わず頬をかく。すると、少しの衝撃と共に、唯が私に飛びついてきた。
そのまま、苦しいくらいにぎゅうぎゅうと抱きしめられる。

「り、りっちゃんこそ、私にとって、世界一の奥さんだよっ……!」
「当たり前だろ。このりっちゃんさまだぞ? 世界一のお前の奥さんに決まってるじゃん」
「うー、否定できない……」
「ふふん。さ、世界一の奥様が作った料理があるから、早く食べるぞ」

唯から離れようとすると、唯はがっちり私をホールドしたまま、動かない。


665:名無しさん@秘密の花園
11/01/01 00:08:49 VELRK3RX
「唯? 動けねーって……」
「ごめんね、せっかくの料理だけど、ラップしといて」
「あん? 食わないの?」
「先に、食べたいものがあるんだけど」

なに、と訊こうとすると、いっそう強く抱き寄せられた。

「ねえ、律」

唯が耳元でそっと囁く。唯の表情は、見えない。
“そういうこと”の前に、唯は私を名前で呼ぶ。つまり……。

「……触りたいな、だめ?」

ね、律、と唯が続ける。
ずるいよ、唯。
唯が私を名前で呼ぶたびに、一気に周りの空気は甘くなるんだから。

「……いいよ、私も、触られたい」

もともと、そういうつもりだったし。
私も唯も、ずっと、お互いが足りなかった。
ぎゅっとしあって、すぐに、二人の足は、寝室に向かった。


666:名無しさん@秘密の花園
11/01/01 00:10:24 HVq6Nxrm
はあっ、という息とともに、私の欲が解き放たれる。
もう、六回目、ぐらいか。唯は、もう少し少ないかもしれない。
唯も、私に覆いかぶさり、ぴったりと肌をくっつけながら、はっはっと短く息を吐いていた。
汗とかいろんな水滴が混じったもので、シーツはぐっしょり濡れている。
肌をすり合わせると、ぬるっとして、体の奥が甘く痺れた。
やばい。高まりすぎ?
唯のことを「サカってる」とか馬鹿にできない。
お互いに積極的に「お・さ・か・ん」状態になって、気付けばあっという間に回数を重ねていた。
もうできない、って思うけれど、唯がふと身じろぎして、唯の胸の突起と、私のそれがこすりあった。んくっ、と突然の強い刺激に思わず声を漏らす。すると、またむくむくとやましい気持ちが立ちあがってくる。
いっつも、行為の続きを促すのは、唯の方。それに付き合ううちに、私ものってきて、っていうのがパターン。
追いつめられると、唯が促す前に、私から続きをねだることがある。
一回、死ぬほど恥ずかしい思いを我慢して声に出していったら、散々唯にからかわれたので、それ以来、無言で唯に伝えるようにしている。
私に覆いかぶさる唯の髪を、きゅっと軽く引っ張る。これが、「もう一回、して」の合図だった。
まだ、足りない。もう少し。
想いをこめて、そっと唯の髪に手を伸ばす。触れるか触れないか、というところで、急に唯が、「あっ!」と飛び起きて、裸のままベッドから下り、傍に置いていたバッグから、携帯を取り出す。
一瞬で、甘い空気が壊れた。
こっ、このやろおおおおっ!!!!
何だよ、私のこと放置かよ! つーか、この手どうすりゃいいんだよ!
なけなしの勇気返せこらあッ!
散々心の中で悪態をついていると、唯が「ああっ…」と情けない声を出した。


667:名無しさん@秘密の花園
11/01/01 00:12:07 HVq6Nxrm
「ど、どうしようりっちゃん」
「……あー? こっちは今不機嫌なんだよ」
「レストラン予約してたの、忘れてた……」

今キャンセルするね、と手際よくボタンを押して、耳に電話を当て、謝りながら二言三言いい、電話を切った。
レストラン? 何のことだよ?
首をかしげていると、唯はまた「あああ!」と声を上げた。
どうしたんだよ。裸で電話握りしめてるとか、シュールだな。

「ぷ、プレゼントも取ってくるの忘れた……」
「ぷ、プレゼント!?」

思わず素っ頓狂な声が出る。いや、意味が分からない。

「ごめんね、明日必ず……」

そういって、涙目で振り返る唯。
いやいや、お前はその前に、服を着ろ。変な画になってる。

「唯、私の誕生日は夏だぞ? こんな十二月とかじゃ」
「知ってるよ? え、りっちゃん、覚えてないの?」

え? いや、唯の誕生日は十一月だし……。なんだ?
あっ! そうか、肉屋のおっちゃん、こういうことか。

「そうか、今日はクリスマスイブか」

納得しながら頷く私。唯は、このために早く帰ってこようとしたんだな。
唯の方を見ると、唯は、若干の苦笑いをしていた。
え、なんで?

「それもそうなんだけどね、それだけじゃないよ?」

唯は体ごと私の方に向き直り、私を見つめる。
やましい気持ちになるから、せめて前は隠してくれ。

「私たちの、記念日」

照れながら言う唯に、私は一年前の今日を思い出した。


668:名無しさん@秘密の花園
11/01/01 00:12:43 HVq6Nxrm
12月24日。
カップルのご多分にもれず、私たちもイブのデートっていうのを楽しんでいた。
ほお、と息を吐いて、手を温める唯。
普通ならここで手をつなぐところだけれど、生憎人目が多いから。
でも、見ていられなくて、唯の手をつかんで、人気のないところに移動した。
さりげなく手を動かして、唯の手首に触れる。
白く、細い。これなら、大丈夫か。

「りっちゃん」

唯を見ると、手をつないでいるからか、頬を少し染めていた。
さりげなく手を離すと、唯はバッグをごそごそし始めて、包装された箱を取り出した。

「プレゼントだよ」

開けていいか、と訊くと、頷いたので、リボンを解いて箱を開ける。
中には、スワロフスキーが並んで綺麗な、カチューシャが入っていた。
ちなみに今も、毎日これをつけている。

「……サンキュ。高かったろ?」
「えへ、カチュー太が、りっちゃんのところまで連れて行って! っていうから、奮発しちゃった」
「早速名前をつけるな! ……でも嬉しいよ、ありがとな」
「いえいえ」

私も、と包みを取り出し、唯に渡す。開けてみて、といい、唯は中に入っていたものを取り出した。

「……これ、腕時計! わあ、すごい。これこそ高いんじゃ」
「いいの。社会人には必須アイテムだぞ? 使ってくれよ。……ん、似合う」

唯は手首が細いから、問題なく似合った。ちなみにこれも、唯は毎日付けて出社している。
へらへらと喜ぶ唯を見つめていると、唯が、急にはっとなり、うつむいた。
どうしたのかと思って覗きこむと、唯は目をそらし、顔を赤くして急にあわて始めた。

「ご、ごめん。ちょっと待ってね」
「? いいけど」

唯は背を向け、ふー、ふー、と深呼吸をする。そして、覚悟を決めたのか、振り返って、私にずんずんと近寄り目前にまでやってくる。

「な、なんだよ、どうした?」
「……りっちゃん」

唯の真剣な声色に、こっちも真顔になる。

「あの、もうひとつ、りっちゃんからプレゼントが欲しいんだけど」
「もうひとつ?」


669:名無しさん@秘密の花園
11/01/01 00:13:23 HVq6Nxrm
こくりと頷く唯。なんだか調子が狂う。唯らしくないぞ、もじもじしちゃって。
あ、もしかして、プレゼントって、あれか?
キスか……まあ、エロいこと。
そんなのいつもお構いなしにしてくるくせに、どうして今?

「プレゼントしたくなかったら、しなくていいから」

何もかも唯らしくない。
いっつも結構強引にするくせに。
つーか、……したくないわけないだろ。

「する、するって」
「……りっちゃんが考えてるのとは、違うよ、多分」

訊き返そうとすると、急に唯が抱きついてきた。
唯は私の肩にあごを乗せ、きついくらいに抱きしめてくる。私も、唯の背中に手を回す。
すごく、温かい。唯の匂いだ。
唯と一つになったような、感触を覚える。

「……どうした、唯?」
「……」
「んー?」
「……あのね」

唯が顔を上げ、キスできそうな距離で、私をじっと見つめる。
そこには、キスも、それ以上のことも、浮かんでいないと分かる表情の唯がいて。
真剣な目に、心が射抜かれそうだった。

「私、これまで、りっちゃんの人生を、時間を、少しもらってきたけど」

だいぶ頂かれているけどな。
それだけ、唯の存在はでかい。

「りっちゃんのこと、大事にするから。ずっと、大事にするから」

唯の目の中に、私が映っている。
それくらい、強く見つめ合っている。

「りっちゃんが欲しいの」

時間が止まったかと思った。

「これからの、りっちゃんの人生、私にちょうだい。これからも、ずっとりっちゃんと一緒にいたい」

心臓の鼓動が、早くなる。それって……。

「私に、りっちゃんをください」
「……ぷろ、ぼーず?」

聞くと、こくっと真っ赤な顔で頷く。


670:名無しさん@秘密の花園
11/01/01 00:13:51 HVq6Nxrm
「せ、籍とかは入れられないけど、そ、それでも」
「……うん」
「……ご、めんね? あ、あは、ごめんね! 欲張りすぎたかもー。何でもないや、忘れて忘れてほらっ」

離れようとする唯を、逃がさないように抱き寄せる。

「りっちゃん……?」
「ほんと欲張りだな、唯ってば。この上さらにプレゼントってさ」
「うう……でも」
「重いぞー? このプレゼント」

お茶らけた口調で言うと、唯が少し目を丸くする。

「ちゃんと受け止められる?」
「え、……も、もちろん! ごっつあんです!」
「面倒くさいこともあるかもしれないぜ?」
「そういうところがいいの!」
「なーんだよ、それ。じゃあ……」

唯に微笑む。イルミネーションなんかより、私の心が、すごくきらきらしている。

「しょうがないな。……あげる。大事にしろよ」
「り、りっちゃ……うわああああん!」

叫んで私の肩に顔をうずめ、唯は盛大に泣きじゃくった。
あとで聞けば、断られたら、切腹してしまいそうなほどに緊張していたらしい。
他の奴から言われたら、即お断りだけど。
でも、唯から言われた時、唯と一緒にいつまでもいる場面が、するりと簡単に浮かんできたから。
私は、唯とずっと一緒にいるんだろうなって、思えたんだ。
それから、翌年の私の誕生日に、ムギの家を借りて、結婚式代わりのパーティを内輪で開いた。
交換した指輪は、安物だったけれど。でも、すごく幸せだったな。


671:名無しさん@秘密の花園
11/01/01 00:14:32 HVq6Nxrm
「結婚記念日はりっちゃんの誕生日だけど、実際に二人で一緒になろう、って決めたのは今日だから、私にはこっちの方が記念日っぽくて」

唯が幸せそうな顔で、話しかけてくる。
忘れていたわけじゃない、忘れていたわけじゃない。
けれど……唯がそこまで、今日という日を大切に思ってくれていたのは、知らなかった。

「……なんか、ごめん」
「いいよお、別に。私も、いろいろ忘れちゃったし」

レストランで食事をして、プレゼントを渡して、と思っていたらしい。

「こうやって、一年りっちゃんと一緒にいることができたから。また、来年も、再来年も、ずっとよろしくっていう意味で、準備してきただけなんだけどね」
「……すごい、罪悪感がたまってきた」
「いいよ、プレゼント渡せなかったし。明日、取りに行くね」
「ところで、プレゼントって、なんだったんだ?」

聞くと、唯は少し恥ずかしがって、いったん間をおいてから答えた。

「……指輪だよ。ほら、ちゃんとしたの、まだ渡していなかったから。だから、がんばっちゃった。奮発したよ」
「も、もしかして、最近ずっと残業だったのは……」
「うん。いろいろ仕事ひきうけて、残業代稼いでたんだよ。あ、まあ、本当に叱られただけのときもあったし、指輪の下見に行ってた時もあったけど」

えへへ、と頭をかく唯に、いとおしさがこみ上げてきた。
いいかげんなようで、ちゃんと相手を想えるところ。
……見る目あったな、私。
やっぱり、私にとって、唯は……。


672:名無しさん@秘密の花園
11/01/01 00:15:08 HVq6Nxrm
「でも、残業して、こっちに色々心配かけたのはホントだからな」
「はっ、う、うん」
「……罰として、もう一個プレゼントくれ」
「もう一個?」

首をかしげる唯に、そっと近づき、抱きすくめる。
肌が擦れ合って、気持ちいい。
心臓がどくどく鳴っている。

「唯が欲しい」

はっきりと、届くように伝える。

「唯と、ずっと一緒にいたい。私に、これまでも……これからの分も、全部、唯の人生を私によこしてほしい。大事に、するから」
「……お、重いよー? あ、あと、めんどくさいかもしれないし」
「そんなん、百も承知」

言い、唯をまっすぐ見つめた。唯は、ふふ、とほほ笑み答える。

「じゃあ……もらって?」
「ああ。つーかとっくにもらってるけどさ」

二人で笑い、きつく抱いて、お互いの体温を確かめあう。
しばらくそのままでいると、唯がまた「あっ」と声を上げた。
ムードぶち壊しにするのも、ほどがあるぞ、唯。
けれど、唯はさっきのように動いたりせず、さらに私を強く抱きしめる。


673:名無しさん@秘密の花園
11/01/01 00:33:30 VTxc8g9X
「正夢だあ」
「んー?」

唯の唐突な言葉に、疑問で返す。

「正夢になったよ、ほら、いつだったか、りっちゃんに起こされたときに見ていた夢」

言われて、いつかの唯の言葉を思い出す。
『あのねえ、りっちゃんがねえ、私に裸でしがみついて、すっごく甘えてきたんだよお』
『「唯が欲しい、唯とずっと一緒にいたい」っていってねえ、もーう、すんごくかわいかったんだからあ』

「……あ」
「ね? うふふ、嬉しいなあ」

本当にうれしそうに、唯は私に頬ずりをする。くすぐったいっつの。
そういえば、今……私と唯は、その、真っ裸で抱き合ってるわけで。
今さらながらに気付いて、体中が熱をもったような気がした。


674:名無しさん@秘密の花園
11/01/01 00:34:01 VTxc8g9X
「なあ唯」
「んん?」
「夢、どこらへんで終わったんだ?」
「え? えーと、いいところまで?」
「つまり、今らへん?」
「そーう……かな?」

クエスチョンマークが浮かんでいる唯に、にやりとする。

「それで? もしもっと寝ていたら、それから夢でどうするつもりだったんだ?」
「ぐふふ。そりゃあ、りっちゃんを好きにし放題で……」

といったところで言葉を切り、私に殴られるかと思ったのか、唯は頭を抑える。
攻撃が来ないことが分かると、唯は、おそるおそる目を開けた。

「正夢なんだろ? だったら―」

そっと、唯の髪を引っ張った。
唯と私にしか分からない、秘密の合図。

「―続きも、叶うんじゃねーの?」

一拍の沈黙の後。

「ふええっ!? い、いいの?」

珍しく慌てふためく唯に、これはいいものが見れた、と得意な気分になる。

「私を、どうしたかったんだっけ?」
「……す、好きにし放題」
「……じゃあ、そうすれば?」

言うと、「りっちゃあああん! エロス!」とわけのわからないことを言って私に抱きつき、すぐさまベッドのシーツに私の体を押し付けた。
二人でくすくす笑いながら、お互いの体に触れ、さらに甘い夜に突入した。
一年たっても、相変わらず私たちは、幸せだった。


675:名無しさん@秘密の花園
11/01/01 00:34:48 VTxc8g9X
今日も唯は慌ただしく出ていったけれど、ごみは置きに行ってくれた。
最近は、ほとんど唯が行っている。ときどきあの主婦集団とすれ違うようで、「おはようございまあすっていったら、なんかたじたじになりながら挨拶を返されたよ」と唯が教えてくれた。それを聞いて、私はものすごくせいせいした。
玄関前の掃除にでる。すると、表札が目に入る。

平沢  唯
田井中 律

私は、そっと田井中の部分を左手の指で隠した。

               平沢  唯
                   律

なんでか、嬉しい気分になって、赤くなっているだろう頬に左手を当てる。
薬指には、イブの翌日、唯と一緒に取りに行った指輪がはめられている。
とても幸せな気持ちになって、その場で唯にはめてもらった。
少し怪訝な目で見られたけど、全然気にならなかった。
これは、ずっと付けている。ずっと、ずっと。
掃除を終えて、そうだ、とあることを思いつく。

来年のイブには、私から唯に指輪を贈ろう。

私は家に入り、今日も唯の帰りを楽しみに待つ。

おわり


676:名無しさん@秘密の花園
11/01/01 00:41:12 VTxc8g9X
ちょ、超投下ミス!
>>652>>653の間にこれが入ります

「すごい、疲れてるんだね、りっちゃん」
「……見りゃ分かるだろ」
「ご、ごめんね」

座ったまま動かない私を見て、萎縮して小さくなった唯は、ラップをされた皿をもって電子レンジに向かった。ぴ、ぴ、と電子音が聞こえる。
料理も、温めるのも、ほとんど私がやってきたから、唯は家の電子レンジの操作に慣れていない。試行錯誤しながら何とかやろうとしている気配が伝わってくる。
唯、大皿のやつは、二分くらいに設定して、他の小鉢はまとめて温めるんだぞ。
ほら、みそ汁も温めないと。一応、いつもどおり上手く出来たつもりだからさ。
言葉にしようとしても、一向に口から出てこない。

「り、りっちゃん。あのね」

少し温めすぎた大皿を食卓に置きながら、唯が探るように声をかける。

「明日、私帰り遅くならないかもしれないんだ」

唯は全部の食器を置いて、席についた。
唯は、この空気を変えようとしているのか、いつもみたいに明るく話そうと努めていた。

「ううん、頑張って絶対早く帰るよ、だからね、明日―」
「じゃあ、何で今まで遅かったんだよ!」

気付いた時には、大声で唯にあたっていた。

「……り、りっちゃん?」
「頑張れば、早く帰れるんだろ!? だったら、今まで何してたんだよ!」

仕事に決まってんだろ、何言ってんだよ、私。

「お前が仕事できないから、ぐだぐだ働いているから、だめな奴だから、叱られたり、無駄な残業が増えてるんじゃないのかよ!?」

唯が、ちゃんと頑張っていること、知ってるよ。

「仕事がだめなうえに、ちゃんとした生活しようとしないし、いろんなとこ私任せにしてるし!」

やめろ、やめろ。
そうは思っても、自分の本音とはかけ離れた言葉が、次から次へと出てくる。

「……自分だけ、気楽な顔して、人のことほっといて。私が、どれだけ頑張って、どんな思いしてるかなんて、考えてないだろっ……!」

朝に、あいつらにぶつけてやりたかった胸のむかつき。
受け流せばいいのに。ちゃんと、自分の中で、消化するべきなのに。
唯を見た途端、ふいにそれが破裂していく。



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