10/03/07 00:56:40 WaJta9GM
「そうだったの。きっとその隼人って方は、せっちゃんを家に帰してあげたかったのね」
「はい、多分そうだと思う。でも……あんな悪質な嘘をつくなんて」
「あのね、せつな。今日は四月一日、エイプリルフールって言ってね、嘘をついてもいい日なんだよ。
隼人さんは多分、そのことを知ってたんじゃないかな」
「そんな日があったなんて……でも……」
「ね、せつな。あたしも今から嘘をつくね」
せつなが居なくなって、毎日寂しいの。
ご飯が美味しくなくて、学校やダンスもつまらなく感じて。
楽しみで仕方なかった明日の訪れが、全然わくわくしなくなっちゃったの。
せつなが居ないだけで、こんなに世界から輝きが失われるなんて思わなかった。
こんな気持ちになるのならーーーー引き止めればよかった。
行かせるんじゃ……無かった。
「なんてね、嘘だよ。全然そんなこと思ってないから心配しなくていいよ。
あたしは平気だよ。もうすっかり慣れちゃったし、だから忘れてくれてもいいんだから……」
「ごめんなさい……ラブ。寂しいのは私だけだと思ってた。だから私が我慢すればいいんだって、そう思ってた。
これからはーーーーなるべく会いにくるようにするわ」
「ほんとっ? それは本当なの? せつなっ」
「なんてね、どうかしら。自分で考えなさい」
「ちょっと、それひどいよ、せつなぁ」
「ふふ、エイプリルフールって素敵な日ね、ラブ」
「そうだね、せつな。あたしも今年から好きになれそうだよ」
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以上です。ちょっと強引でしたね。これからもよろしくお願いします。