09/11/23 07:19:06 GmQ6hS5L
「残りはラップをして、冷蔵庫の中に入れておきました。おなかが空いたら食べてください」
そう言って、ベッドで休んでいる私のそばへ腰掛けた。
私はというと、食後に飲んだ風邪薬が効き始めてきたのか、少し眠気を感じ、
ベッドへと入っている。
「今日は本当にありがとう、モモ」
私は感謝の気持ちを伝えた。食事だけでなく、モモと一緒にいるだけで元気になれた気がする。
「役に立てて私も本望っす」
嬉しそうにモモもそう言った。
そうしてモモが帰った後、薬が効いたのか私はすぐにまぶたを閉じ、
朝までぐっすりと眠りこんだ。
翌日の朝、目を覚ますと体のだるけがとれていた。熱を計ると平熱に戻っており、
これなら学校にも行けそうだ。
私は風邪がぶり返さないよう、いつもより暖かい格好をして学校へと向かった。
放課後、部室でモモに会った私は昨日のお礼を言った。
「モモのおかげで早く風邪を治すことができた。ありがとう」
私の言葉に、モモも明るく答えた。
「私も先輩のお役に立てて本当に良かっ……くしゅん」
モモがいきなり大きなくしゃみをした。モモのおでこに手を当ててみると明らかに熱がある。
もしかすると、これは……
「先輩の風邪が移っちゃったみたいっす」
そう言ってモモは顔を赤くし、寒気で体を震わせていた。
どうやら、今度は私がモモの看病をする番のようだ。
モモに風邪を移してしまったことに対して申し訳ないという気持ちと、
モモの看病ができるという少しばかりの期待感を胸に秘め、私は彼女を見つめていた。
終わり