09/10/28 19:38:25 cl9il2Cs
― 春
まだ少し、外の空気は肌寒く感じる。
けれど、桜の木につぼみができたり
次第に木々の緑が濃さを増してゆく。
そんな季節 ―
この春、私は大学を卒業して晴れてプロの麻雀士になった。
まだまだ始まったばかりの新しい生活。
そこには、もちろん咲も居る。
初めて社会に出て、これからどんな試練が待っているのかと、不安になることもあるけれど―
それでも、応援してくれる人が身近に居るから
私は頑張れる。
ピピピピッ!ピピピピッ!
朝7時を伝える目覚まし時計が鳴り響く。
「うう…ん…」
手をのばしてペチッと、時計のボタンを押して音を止める。
眠い…
私は、ふわふわとする意識の中で考える。
あれ…?
そう言えば、今日は日曜で、仕事は休みだったっけ。
アラーム解除するの忘れてたんだな…
昨日は、私が所属している団体の先輩と夜遅くまで飲みに行ってきた。
アルコール類は、あまり得意じゃないので本当は行きたくなかったのだけれど…
「付き合いも仕事のうち」っていうのは、まさに昨日みたいな事を言うんだろうな。
あ…頭が痛い。
これは、完全に二日酔いだ。
気分がすぐれなくて、私はそのまま二度寝しようと決めた。
「んん…寒いよ」
春になったとはいえ、まだまだ朝方は冷え込む。
勝手に体がブルブルと震えて、より一層寒く感じてしまう。
私は、バサッと布団を頭までかぶり、中で体をまるく縮ませた。
少し時間が経ってから、トントンッと部屋のドアがノックされ、外から咲の声が聞こえてきた。
「お姉ちゃん、入るよ?」
ガチャっとドアが開く。
私は布団から顔を出し、薄く目を開けて咲がすぐそこまで来ているのを確認した。
あ…まだパジャマ姿だ。
「んん…おはよ、さき…」
眠いのと、頭がふわふわするのとで上手く喋れない。
「お姉ちゃん、大丈夫?昨日お酒飲んできたんだよね?」
咲がそう言いながら、床に膝をついて、私の肩に手を乗せる。
私はその手を握り締めた。あ、暖かいな…。
251:「春」 2 ラスト
09/10/28 19:40:28 cl9il2Cs
「大丈夫だけど、頭がふわふわするんだ…。まだ完全にアルコールが抜けてないみたい」
「そっかぁ…。大変だったね」
「まぁ、仕事だからしょうがないんだけどね」
心配してくれている咲の顔を見て、私は愚痴を吐かないように気を付けようと思った。
それにしても、咲の手…
暖かいな。
「ねえ咲…」
「ん?なあに?」
「お願い。ちょっとの間で良いから、こっちに来て」
私はそう言い終えてから、咲を布団に入れようと、手を引っ張った。
だけど、力を入れてグイっと引っ張ったつもりだったのに。
いざやってみると全然腕に力が入らず、すぽんっと咲の手が私の手から抜け出てしまった。
「あっ…」
「もう、お姉ちゃんったら…」
ふふふっと、咲が優しく笑い、モゾモゾと布団の中に潜り込んでくる。
そして、私は咲にピッタリとくっついて、キュッと抱き締めた。
「んん…咲あったかいね」
「えへへ…お姉ちゃんはちょっと冷たいね」
「うん。でも咲が来てくれたから、もうだいじょーぶ…」
咲の頬に、すりすりと顔を撫で付ける。
「や…っ、お姉ちゃんくすぐったいよっ…」
「だって咲が気持ち良いんだもん」
「あははっ。お姉ちゃん、今日は何だか甘えん坊さんだねっ」
多分それは、まだ完全に酔いが覚めていないせい。
でも、私はもっと咲とくっついていたかった。
「…もう少し、こうしてて良い?」
「うん、いいよ」
その返事を聞いて、私は心が穏やかになり、再び深い眠りについていくのだった――
252:名無しさん@秘密の花園
09/10/28 19:42:17 cl9il2Cs
以上です!
あまりにも時系列ぶっとんでるんで、とりあえず短編で書きました。
んで、自分は照も咲も、お酒は弱いと信じています
253:名無しさん@秘密の花園
09/10/28 21:02:54 910QNl0c
>>252
GJ!
何か気持ちが温かくなった!
254:名無しさん@秘密の花園
09/10/28 22:24:44 YV7Tfs23
>>252
正直、自重してくれ…他の作者さん達のssを無碍に流さないでくれ、頼むから
255:名無しさん@秘密の花園
09/10/28 22:44:45 IMKnhb7y
>>203
楽しみにしてるよ
256:名無しさん@秘密の花園
09/10/28 22:54:11 Ptc7kB27
ノリと勢いで書いた。後悔はしていない。
咲和エロ
257:1
09/10/28 22:54:38 Ptc7kB27
「いらっしゃい、和ちゃん」
「お邪魔します」
私が咲さんと正式にお付き合いを開始してから、一週間が経過した頃。
想いを伝え合ったというのに、私たちの関係はいまだぎこちなく、どこかそわそわとしたものだった。
その関係をもっと円滑なものにしたく、私はこの休日、咲さんと二人きりの時間が欲しかった。それは咲さんも同じだったのか、昨日、幸運にも彼女の家に誘われたのだ。私は咲さんの自宅に招かれただけで心は舞い上がり、どこか浮き足立っていた。
そして今、待ちに待った咲さんのお宅へお邪魔したところだった。
咲さんに出迎えられ、私は玄関をくぐる。
お父様は不在、と前日に告げられていたので、私の緊張感はあまり高くない。
「狭いおうちで、ごめんね」
「いえ、そんなことないですよ。とても素敵な所です」
咲さんに誘われるまま、彼女の部屋へと移動した。
室内へ通された時、真っ先に五感が感知したのは、匂いだった。咲さんを近くで感じたときに、香る匂い。その全てが凝縮されたかのように、咲さんの部屋には彼女の香りが充満している。私はそれだけで、身悶えしそうだった。
「何もない部屋だけど、ゆっくりしていってね。あ、今お茶用意するから、待ってて」
咲さんは慌ただしく、部屋から出ていく。
私はゆっくりと、室内を見渡した。
綺麗に整頓された部屋。学習机とベッド、それに本棚が置いてあるだけのシンプルな部屋。咲さんらしい部屋だった。
ここで何年間も咲さんが過ごしていた、そう考えると、感慨深い。
258:2
09/10/28 22:55:06 Ptc7kB27
私の足は、自然とベッドの方へ向かっていた。ここで毎晩、彼女が眠っているのだと想像すると―身体が熱くなる。思わずベッドに飛び込みたくなる衝動を抑え、この室内に広がる彼女の匂いだけで我慢することにした。
ほどなくして、咲さんがお盆を手に、たどたどしい足取りで戻ってくる。お盆の上には、湯気の立つカップとお茶菓子が置かれていた。咲さんは、お待たせ、といって私に微笑みかけてくれる。
私は衝動を止めることができなかった。
この部屋に充満する匂い。恐らく、ベッドの内には更なる甘美な香りが秘められていただろう。それを前にして、何とか自制心を保っていた私だったが、咲さんを前にしたら歯止めが利かなくなっていた。
直接、咲さんの匂いを嗅ぎたい。その欲望は濁流のような勢いで私を突き動かす。
お盆を床に置いた咲さんへ、私は抱きついていた。
咲さんは、わっ、と可愛らしい悲鳴をあげる。
「のっ、和ちゃん、どうしたの?」
「……ごめんなさい。咲さんのこと、もっと感じたくなってしまって」
私は咲さんを後ろから抱くようにしていたので、彼女の耳元に囁きかけた。咲さんは耳元まで顔を真っ赤にしている。多分、私も同じだろう。
私は咲さんのうなじから香る匂いを、存分に味わった。
しかし、咲さんは慌てて私を振り解く。その瞬間、私は頭に上った血が引いていくのを感じ、冷静さを取り戻した。
嫌われてしまったかもしれない―。
先ほどまで身体を駆け巡っていた熱はすっかりなくなっており、むしろ冷えすぎて寒さを覚えるほどだった。
咲さんは、ゆっくりと振り向いてくる。しかし、その顔に嫌悪さはなく、照れているような、戸惑っているような、そんな顔をしていた。
259:3
09/10/28 22:55:38 Ptc7kB27
「わたしも和ちゃんのこと、もっと感じたいから……向かい合って、しよ?」
その愛らしい唇が紡いだ言葉は、私の熱を再び呼び覚ます。頭がくらくらとする。
私は声を出すのも忘れ、ゆっくりと頷いた。
そうして、私たちは向き合ったまま、お互いの身体を抱く。
体温を感じる。吐息を感じる。そして再び、咲さんの甘い香りが私の鼻腔を刺激する。
「和ちゃん、良い匂い」
「さ、咲さんのほうが良い匂いです」
自分の匂いを嗅がれたことに、私は恥ずかしくなった。
しばらくお互いの肩へ顔を預けるような格好のままだったが、咲さんが顔を離してくる。自然と、見つめ合う形になった。
そして引き寄せられるように、唇が触れ合う。
柔らかい感触。
私はそれだけでは満足することができない。さらに咲さんを求めるべく、咲さんの口内へ舌を進入させた。
ぴくり、と咲さんの身体が震える。しかし、抵抗はせず、すんなりと私の舌を受け入れてくれた。そのことがたまらなく嬉しくなり、私は彼女の全てを味わおうと、舌を動かす。咲さんの舌と私の舌が絡まり合い、淫らな音を奏でた。
私はゆっくりと、咲さんを床に押し倒す。そうして唇を離すと、お互いの唾液が混じりあった糸を引いていた。
私がぼんやりとした眼で咲さんを見つめていると、彼女は再び私の唇を求めて口付けをしてきた。それが意外だった私は、何も反応できない。それからは、咲さんのペースだった。
私は、口内へ進入してきた咲さんの舌に抗うことができない。唇で舌を挟まれたりもした。
何も考えられなくなりそうな私の脳へ、一つの刺激が襲いかかる。私の胸に、咲さんの小さくて柔らかな手が触れていた。
「―んっ、ふぅっ」
咲さんの口に塞がれているため、くぐもった声を漏らしてしまう。咲さんはそこでようやく唇を離すと、上下入れ替わるように、体勢を反転させた。私が床に押され、見上げる視界には咲さんが映る。
そして、私の胸に触れたままの手を、優しく動かし始めた。恐る恐る、弾力を確かめるような、優しい手つきだった。
260:4
09/10/28 22:56:01 Ptc7kB27
「和ちゃんの胸、柔らかい……。ずっと、こうしてみたかったんだ」
「……いいですよ。いくらでも、咲さんの好きなように、してください……」
咲さんの手つきは次第に激しくなってくる。私が声を漏らしそうになると、咲さんは勢い良くキスしてきた。私も、貪るように咲さんと舌を絡めあう。
幸せで、どうにかなってしまいそうだった。
「咲さんのこと、愛していますっ……。誰よりも……」
唇が離れた隙に、私は荒い息をつきながら、想いをすべてぶちまける。
「わたしもだよっ……。和ちゃん、好き……」
咲さんはそう言って、私の首筋にキスをした。
咲さんの口から出た、好き、という単語は、私にとって何よりも嬉しいものだった。
大好きな咲さんが、私のことを好きでいてくれる。身体全体が沸騰しているかのように、熱くなった。
咲さんの触れている唇、私の胸を触る手。もはやそれだけでは、満足できていなかった。
もっと、支配されてみたい。という欲求が膨らんできていた。
私は咲さんの空いている方の手を握る。そうして、下半身へと誘導させた。咲さんの手が下着越しに触れる。それだけで、感覚がおかしくなりそうだった。私はより一層荒く息をつく。ものすごい興奮している。
咲さんは驚いたように私の顔を見た。
「和ちゃん……。わたし、初めてだから、どうやっていいか分からないよ」
咲さんは困ったように、それでいてそれでもその先を望むような、そんな目をしていた。私はこくりと頷く。
「わたしも初めてですので、良く分かりませんが……。咲さんのしたいように、してみてください……」
咲さんは嬉しそうに微笑み、私にそっと口づけをする。
261:おわり
09/10/28 22:56:23 Ptc7kB27
そして、咲さんの手は、私の下着の中へと入ってきた。
手が直接触れると、凄まじい刺激が私を襲う。私は身体を思いきり震わせる。
「すごい……こんなに濡れるんだ」
咲さんは感触を楽しむように、ゆっくりと触っている。その優しい手つきが、私により一層快感を与えていた。
そして咲さんの指が、私の突起した部分に触れると―
「―ちゃん。和ちゃん、大丈夫?」
どうやら一瞬だけ、気を失ってしまったようだ。心配そうに顔を覗き込んでくる咲さんが愛しくなる。
「咲さん……。好きです」
「うん……。わたしも……」
そうして咲さんと甘い口付けをした。
夜。
私は咲さんと一緒に入浴をしていた。二人が浴室に入ると、ちょっと狭い。でも、その距離感の無さが二人を結び付けているようで、嬉しかった。
私は咲さんの肩に顔をあずける。
「今晩―また、しましょうね」
「……うん。和ちゃん、大好き」
お湯のせいではない、火照って上気した顔を、お互いがしていた。
262:名無しさん@秘密の花園
09/10/28 22:57:00 Ptc7kB27
改行とかへんになって、けっこうレス使った。スマソ!!!
263:名無しさん@秘密の花園
09/10/28 23:13:05 PGAUeRcq
>>262
GJ
夜の部も是非書いてくれ
264:名無しさん@秘密の花園
09/10/28 23:13:15 khZCYLIv
>>262
GJ!
エロくて可愛いって素晴らしい
265:名無しさん@秘密の花園
09/10/28 23:28:09 qGUIU0MQ
いいな
やっぱ公式CPは頭の中に情景をイメージしやすい
266:名無しさん@秘密の花園
09/10/28 23:55:47 IMKnhb7y
>>262
GJ!ドキドキしたよ~咲和ってあんまりエロ見かけないから嬉しかった
267:名無しさん@秘密の花園
09/10/28 23:59:38 5Eg7EbPC
>>235
GJ
続きが楽しみです
前回の咲視点の話の最後見てるとマジで菫が心配になってきますね
>>252
こっちもGJ
俺やっぱりこういうのの方が好きなんだろうな
にしてもこのころ菫はどうなってるんだろうか…
268:名無しさん@秘密の花園
09/10/29 01:27:07 XroewAtV
>>262
この咲には妙な違和感があるけどたまには良いかな
次回にも期待してますよ
269:名無しさん@秘密の花園
09/10/29 07:14:40 KHEEwB5r
>>254
お前、何言ってんの?
作品の評価もロクに出来ないようなクズのお前の書き込みこそが、まさに無駄レスというものだろう。
それに、別に>>252は他の作者の作品を流している訳でもないだろ
お前みたいなヤツの書き込みが、他の観覧者や作者が書き込みを自重する原因になっちまうんだから、もう二度と書き込みすんなよ
>>252
GJ!!
やっぱ、こういう照と咲も良いな。
可愛い
上のキチの書き込みは気にすんなよ。みんな、期待してるから。
次回作も楽しみにしてる。
>>262
GJ!!たまには王道カプも良いな
夜の部も楽しみにしてるぜ
270:名無しさん@秘密の花園
09/10/29 07:20:12 5D7ZzTDw
書き上げたら投下するだろうから流れるとか
よく分からん事心配する必要は無いと思うぞ
271:名無しさん@秘密の花園
09/10/29 07:23:50 5D7ZzTDw
あ、流れるってそういう意味じゃないか。んーいや別に大丈夫でしょ・・・
272:名無しさん@秘密の花園
09/10/29 12:18:53 ptkEABb5
あげて噛みつく奴に何言っても無駄
273:名無しさん@秘密の花園
09/10/29 15:21:36 HPQa6fZ1
>>254
やあ(^ω^) 君もキティなのかい?
ぼくもそうなんだ
さあ、キティは大人しく僕と一緒に衣たんスレに帰ってペロペロしてようね
ペロペロ(^ω^) (^ω^) (^ω^)
274:名無しさん@秘密の花園
09/10/29 15:24:21 HPQa6fZ1
うひひ(^ω^)
まずははじめたんのおまんこをペロペロするおお
次はのどちゃんにパイズリやってもらうんだあ
しめはやっぱり、我らが聖母のキャプテンに中出しして顔を真っ青にしてあげるお
ふひひひ(^ω^)(^ω^)(^ω^)ペロペロ。デザートはころもたんのおしっこだお
275:名無しさん@秘密の花園
09/10/29 15:28:40 HPQa6fZ1
ペロペロ(^ω^) (^ω^)
(^ω^) (^ω^) (^ω^) (^ω^)
(^ω^) (^ω^) (^ω^) (^ω^)
(^ω^) (^ω^) (^ω^) (^ω^) (^ω^)
(^ω^) (^ω^) (^ω^) (^ω^) (^ω^)ふひひ
咲たんいバックで挿入して照ちゃんにおしりを蹴られるってのもいいね
うひひひひ
姉妹丼も捨てがたいなあ
でもやっぱりキャプテン聖母になかだしは必須だお
(^ω^) (^ω^) (^ω^) (^ω^) (^ω^)
(^ω^) (^ω^) (^ω^) (^ω^) (^ω^)
ハアハア キャプテンの中最高だおおお
らめええええええええいっちゃういっちゃうお!!!!
ああ!! ドピュ!
276:名無しさん@秘密の花園
09/10/29 15:30:41 HPQa6fZ1
うひひ
僕の精子はバケツに1リットルくらい溜めて、あとで衣たんにぶっかけるんだ
ひいひい
衣たん臭いお
(^ω^) (^ω^) (^ω^)
(^ω^) (^ω^) (^ω^)
(^ω^) (^ω^) (^ω^)
(^ω^) (^ω^) (^ω^)
(^ω^) (^ω^) (^ω^)
277:名無しさん@秘密の花園
09/10/29 17:33:36 HPQa6fZ1
(^ω^) (^ω^) (^ω^) (^ω^)
(^ω^) (^ω^) (^ω^) (^ω^) (^ω^)
(^ω^) (^ω^) (^ω^) (^ω^) (^ω^)
(^ω^) ((^ω^) ^ω^) (^ω^) (^ω^)
278:名無しさん@秘密の花園
09/10/29 18:36:13 xIj8pXwk
百合スレからレスが消えたじぇ
規制あけを待つしかないかぁ
279:名無しさん@秘密の花園
09/10/29 19:43:27 0mvTB8tz
ぺろぺろがこんなところにまで
280:名無しさん@秘密の花園
09/10/29 20:49:42 5D7ZzTDw
∧「ハギヨシ!」
281:名無しさん@秘密の花園
09/10/29 23:15:32 QZIjB2xj
>>262
いまさらながらGJ!
282:名無しさん@秘密の花園
09/10/30 03:20:30 Tg0dEYGp
なんか2ch全体が規制祭りになってるみたいだな
283:名無しさん@秘密の花園
09/10/30 07:53:05 9jXYAku2
>>252
姉妹丼の続きまだ-??
284:名無しさん@秘密の花園
09/10/30 13:14:48 XuPo8GXQ
マジで規制がきついな。このまま人がいなくならなければ良いが……。
285:名無しさん@秘密の花園
09/10/30 16:00:26 yLkz6M4H
今週のヤンガンは?
286:名無しさん@秘密の花園
09/10/30 17:29:46 iyh/06DB
ドラマCDで部長は料理が苦手と聞いて
キャプテンに手料理作って貰ってる微笑ましい光景が浮かんだ
萌え死ぬ
287:名無しさん@秘密の花園
09/10/30 18:46:01 lVCahZPy
>>286
部キャプ関連の話題は隔離スレでな
そこで存分に語れ、このスレのためにも頼むわ
288:名無しさん@秘密の花園
09/10/30 18:52:12 rhyKvLZ2
以下いつもの流れ禁止
289:名無しさん@秘密の花園
09/10/30 19:02:38 iyQJznb/
3年生ならこの時期のイベントはオープンキャンパス!部長もキャプテンと一緒に大学巡りをしてるんだろうな
290:名無しさん@秘密の花園
09/10/30 20:00:54 iu1IzSPQ
南浦さんとむっきーの続編SS書いたので投下します
タイトルは「優しいあなた」です
4レスお借りします
※微エロ
291:「優しいあなた」 1
09/10/30 20:01:29 iu1IzSPQ
「お泊まり、か…」
枕に顔を埋めて、ぼぅっとする。
そして、私はさっき睦月さんと電話で話した内容を思い出す。
明日の土曜日は、睦月さんのご両親が不在らしく、良かったら泊りにおいでよ、と誘われたのだ。
明日は特に用事も無いので私はもちろん、行きます。と返事をした。
あ…
思い出したら、なんだかまた緊張してきました。
睦月さんと、いわゆる恋人関係というものになってから、もう2ヶ月以上経つというのに。
今だに、睦月さんの事を考えると胸がドキドキしてしまう。
「でも、楽しみです…」
そう言えば、昨日買った雑誌に「女の子に聞いた恋愛事情」というアンケート特集のようなページがあったな。
そんなことを思い出し、普段はそういったページに興味が無く、飛ばして読んでいたけれど、少しでも参考になればと思い私は雑誌を開いた。
しかし…
「え……ええっ?!」
そこに広がってる文字を見て、私は驚愕した。
「恋人との初お泊まりは初エッチになる率58%」
と、大きくタイトルが書かれていてその下には…
「やっぱり、お泊まりの時は下着に気合いを入れます☆」
「こないだ初めて恋人の家に泊りに行って、そんな雰囲気になってそのまま…」
「もしお泊まりに行っても、何もされなかったら自分に興味が無いのか不安になっちゃいます。」
その下や隣にもまだまだたくさん、私と同い年くらいかと思われる女性達の体験談が綴ってあったのだ。
それは、私にとってあまりにも衝撃的で、これ以上はとても読む気になれず、パタンと雑誌を閉じ、そのまま本棚へと押し込んでしまった。
再びベッドに横になり、枕に顔を埋める。
「一体…あれは何なのでしょうか」
さすがに、エッチというのはどういう行為の事なのかくらいは知っていますが…
292:「優しいあなた」 2
09/10/30 20:02:45 iu1IzSPQ
ですが…
初めてお泊まりに行くにあたって、そんな大きな試練があるだなんて…
枕を抱く腕に、ぎゅっと力をこめる。
「ありえない…ですよね」
睦月さんと、そのような行為をするのが嫌なのかと言われたら、別にそういう訳ではない。
ただ、どうしても今はまだ考えられないのだ。
心の準備も何もできていない。
まぁ、でも…
さっきのはあくまでも体験談なんですよね…?
誰もが必ずしも、そうなる訳じゃ無い。
あんなものは気にしないで、明日は普段通りに睦月さんと過ごせば良い。
そう思い、私は眠りについた――
そして当日
やはり、あの体験談を意識しないなんてのは無理でした。
「数絵…だいすき…」
「ひゃっ…む、睦月さ…ん」
家に着き、夕食とお風呂を済ませ部屋で雑笑をしていたら突然、睦月さんが後ろから私を抱き締めてきたのだ。
私は昨日の雑誌で見たページを思い出し、緊張と恥ずかしさのあまり、どうする事も出来ずに、ただただ睦月さんに体を預ける。
あ…
睦月さん、すごく良い匂いがする…
シャンプーの香りかな。
いつもは私と同じで髪をポニーテールにしているけれど、今はお風呂から上がって、全て下ろしている。
髪を下ろした睦月さんは、いつもとは少し雰囲気が違っていて、それでも綺麗でとても魅力的だった。
良い香りに包まれて、なんだか少し心が落ち着く。
私を抱き締めている睦月さんの腕に、そっと手を添えた。
「ねえ…数絵」
「はい」
「キスしても良い…?」
「はい…どうぞ」
今までなら、過剰に反応してしまう言葉だったけれど、多少は免疫がついたのか、鼓動がドクンと跳ね上がる程度で済んだ。
睦月さんの腕が、解かれる。
「その前に、電気消すね」
「え?はい…」
293:「優しいあなた」 3
09/10/30 20:04:00 iu1IzSPQ
何故か、突然部屋の電気を消されてしまい、頭に疑問が浮かぶ。
時間はまだ9時ですが、もう寝る準備に入るのでしょうか。
部屋の中は暗くなり、カーテンの隙間から僅かに月明かりが差し込み、うっすらと目の前に睦月さんの顔が見えた。
おいで、と手を引かれて私達はベッドの上に座る。
「好き。愛してる…」
私の両頬に手が添えられ、ゆっくりと彼女の唇が重なった。
「んん…」
そして何秒か経ってから、唇が離れていく。
鼓動が高鳴り、胸が熱くて苦しい。
「今日は、いつもみたいに騒がないんだね?」
少し意地悪な笑顔を浮かべて、睦月さんが私の頭を撫でた。
「…これでも、緊張はしているんですよ?」
「そっか」
と言い、くすりと彼女が笑う。
それから、再び体を引き寄せられて、ぎゅうっと抱き締められた。
「あの、睦月さん…」
「ん?何?」
「睦月さんは、その…したいとか思ったりするんですか…?」
自分でも、何で急にこんなことを言ってしまったのか分からない。
おそらく、ナチュラルハイといいますか…夜になり、少しテンションが上がっていたのかもしれません。
それと、彼女がどう思っているのか少し気になっていたというのもある。
「へ…っ?数絵…?まさか、したいって…あれのこと言ってるの?」
「は…はい…」
「何でまた、急にそんなことを…?」
「実は、昨日…雑誌で見たんです…」
「うん…」
「その……」
すうーっと息を吸い込む。
「恋人との初めてのお泊まりは初エッチになる率が高いって書いてあったんです…!!!」
はぁはぁ、と一人で勝手に興奮して息が上がってしまった。
「か、数絵…?びっくりした…」
「す、すみません…」
いや、良いんだけどね。と言い、彼女は続ける
294:「優しいあなた」 4
09/10/30 20:05:15 iu1IzSPQ
「うーん…。まぁ、正直にいうと、したくないって言ったら嘘になるかな…」
「そう、なんですか…」
「うん。だから、電気を消したの」
「はっ、はい…!」
彼女の言葉に、体が急に固まってしまった。
緊張して頭に汗をかいてしまう。
「でも…」
「え…?うあっ!?」
突然、服の上から胸を撫でられて反射的に声をあげてしまった。
そんな私の様子を見て、彼女は少し困ったように笑う。
「数絵はまだ、そんな気にはなれないでしょ?」
「はい…その通りです…」
「うん。やっぱりね」
「ごめんなさい…」
なんだか、いつまで経っても緊張して、先に進めない自分に少し嫌気がさす。
ポフッと睦月さんの首もとに顔を埋めた。
「もう…。謝らなくて良いから」
「嫌いにならないで下さい…」
「なる訳ないよ」
背中を手でポンポンと優しくたたかれる。
「睦月さん…」
「ん…?」
「私の心の準備が出来るまで、待っててもらえますか?」
「もちろんです」
「ありがとうございます…」
彼女のその返事を聞いて、ホッとする。
「でも…」
「はい…?」
「キスはたくさんさせてね?」
「はっはい…!」
耳元で囁かれ、顔がぼっと熱くなるのを感じる。
それから、私達は何回も何回も数えきれないくらい唇を重ね続けた――
睦月さん。
私は本当に、優しいあなたの事が大好きです。
いつかは、私からも積極的になれるように頑張ります。
それまで、もう少しだけ待っていて下さいね。
295:名無しさん@秘密の花園
09/10/30 20:09:53 iu1IzSPQ
以上です
相変わらず、自分の中での南浦さんは不器用で恋愛に関して、とても臆病って感じです…
そんなイメージが強いので、なかなかこの二人を夜の対局まで持っていくのは難しいですね…。
書いてみたい気はするのですが…。
まあ、なんだかんだ言ってこのカプが大好きです
失礼しました
296:名無しさん@秘密の花園
09/10/30 20:16:49 FBs9duGq
GJ!やっぱりSSが無いと始まらないな
297:名無しさん@秘密の花園
09/10/30 21:03:56 vDp9HJ6s
うむ、GJだな。
298:名無しさん@秘密の花園
09/10/30 21:45:18 M05ULx1O
GJ!!
いつも楽しみにしてます。続き期待してます!
299:名無しさん@秘密の花園
09/10/30 22:06:51 rKwiTbCu
>>287
死ね
300:名無しさん@秘密の花園
09/10/30 23:24:14 wiYxdnGf
>>287
アニメ終わって一月も経ったのにまだ基地外が粘着してんだな
301:名無しさん@秘密の花園
09/10/30 23:28:44 LIuJiiOL
昨日みたいな馬鹿が出張してきてるだけでしょ
302:名無しさん@秘密の花園
09/10/30 23:44:34 wDu1XIAD
今更池キャプ厨に反応するって…
荒らしをスルーできずに、部キャプ派が分裂した過去から何も学ばないのか。
303:名無しさん@秘密の花園
09/10/30 23:47:07 BpMlyfyI
>>302は荒らし
304:名無しさん@秘密の花園
09/10/31 00:05:46 v67jUpVL
うぜぇ
305:名無しさん@秘密の花園
09/10/31 13:30:53 H24NGadq
部キャプの話題になると荒れるのはお約束だな
せっかく隔離スレあるんだからそこから出てこないでね
306:名無しさん@秘密の花園
09/10/31 14:04:04 OMjQAW58
ポン
307:名無しさん@秘密の花園
09/10/31 14:05:28 FnZTgU0b
規制で新作なかなか出なかったからウィキ見てたけど
タコスと衣の話とか池田と衣の話とか続編見たくなっちまった
あと井上と咲の最初の話の続編で井上と他のキャラの話とかも
>>295
GJ
相変わらず良い話書きますね
308:名無しさん@秘密の花園
09/10/31 14:14:32 gUun4lWr
お前キモい
309:名無しさん@秘密の花園
09/10/31 14:51:30 1zKXQPdp
部キャプは荒らしが勝手に隔離したんだろうが。死ね!
310:名無しさん@秘密の花園
09/10/31 15:59:30 i7Wcyyo5
生きる!!
311:名無しさん@秘密の花園
09/10/31 17:19:10 Pvzk1oFK
荒れるとか荒れないとか
そんなオカルトありえません
312:名無しさん@秘密の花園
09/10/31 17:52:29 ZNDSJH14
>>311
正論だな
313:名無しさん@秘密の花園
09/10/31 20:38:37 uwmIv0ef
俺、部キャプ派だけどけんかは嫌いだ。
皆自重して仲良くしよう、お願い。
314:名無しさん@秘密の花園
09/10/31 22:32:12 Wrz/1tC6
大丈夫だ。このスレは百合と優しさで出来ているから
315:名無しさん@秘密の花園
09/10/31 22:34:22 OMjQAW58
チー
316:名無しさん@秘密の花園
09/10/31 22:46:17 2ge0QBX2
クビ
317:名無しさん@秘密の花園
09/11/01 01:22:17 w86KEE1y
たぶん分類するなら咲和
だけど京太郎視点+京太郎→咲含む。
このスレ的にどうなんだ?というのはありますがせっかく書いたので投下します
苦手な人はNGするかとばしてください。
アニメ無視な感じです
4レス借ります。
携帯から失礼
318:友達と恋心
09/11/01 01:23:47 w86KEE1y
中学で同じクラスになってからずっと一緒にいたからさ。
あいつの、咲の変化はすごくよくわかる。
麻雀部に入って、和と出会って、あいつは変わった。
俺には見せない表情を和の前ではするようになっていた。
「咲ちゃんはイイ嫁さんだなァ」
なんて言われた時もあったっけ。
俺も信じて疑わなかったよ。
俺たちずっとこうして傍にいて、そのうち付き合って、で、結婚するんじゃないかって。
俺には、いや、俺だけじゃなく、和にだけしか見せない咲の表情。
和に会う前に好きだとか伝えとけばよかったのか?
そう思った時もあった。
だけど、きっとそれでも。
咲は和に会えば、和は咲に会えば、好きになるのは当然だろ。運命だろ。
そうさ、俺は咲の友達だ。ただの友達さ。
「ねぇ、京ちゃん。」
「ん?」
「好きな人、いる?」
いるよ、お前だよ。
心の中ではそう返事して、でも口にした言葉は曖昧で。
「ん~、まぁな。」
「私…。好きな人、できたかも…。」
咲、鈍いお前は俺がお前のこと好きだって気付くわけもないだろうけど。
だけど、俺は分かるよ。好きだから、さ。
お前の好きな人ってのは、和だろ?
安心しな。和もお前のこと好きだから。
319:友達と恋心
09/11/01 01:24:53 w86KEE1y
「その…、お前の好きな奴も、お前のこと好きかもよ。」
俺はばかだな。
そんなこと言わなくてもいいのに。
「え、でも、そんなの…分からないよ。」
でも、俺わかっちゃうんだ。
咲は俺のこと友達以上の感情を持つはずないってさ。
「自信もてよ。咲なら大丈夫だからさ。」
それでもさ、俺は咲に笑っていてほしいんだ。
咲の幸せを願うんだ。
「大丈夫、きっと大丈夫だろ!」
咲は少し笑って、そしてありがとうって言った。
その数日後、咲と和は手を繋いで登校中も下校中も手を繋ぐようになった。
麻雀してないときだと、たまに目が合うと顔を赤らめて微笑み合うようになった。
それを見て、俺はよかったって思うんだ。
「ねぇ、京ちゃん!今度原村さんに何かプレゼントしようと思うんだ。何がいいかなぁ。」
「あれ?和の誕生日もうすぐだっけ?」
「ううん、まだだよ。」
そっか、もうすぐ1カ月なんだな。
俺が頭の中で思った時、咲が声をかけた。
「ねぇ、京ちゃん。」
「ん?」
「き、キスしたこと、ある?」
「…ない。自慢じゃないがない。てか咲、お前中学一緒だったから知ってるだろ。」
「全然モテなかったよね。」
320:友達と恋心
09/11/01 01:25:59 w86KEE1y
ふぅと息をついて呼吸を整え、雑貨屋に向かうために歩き出すと咲が小さく呟いたんだ。
「…キスって、どんな感じなんだろう?」
それで俺はわかってしまう。
こいつら、まだキスもしてないんだ。
そもそもまだお互い名字呼びだしな。
「なぁ、咲。プレゼントってものじゃなくてもいいんじゃないか?」
「え?じゃあ、何をあげればいいの?」
「そりゃ、お前…。いわゆるあれですよ。」
「あれってなに?」
「ぷ、プレゼントはあ・た・し。って。」
半分本気で半分冗談で言ったことだった。
さすがの咲でも意味わかるだろ。
「んで、そうだな…。咲はいつも和のことを“原村さん”って呼ぶから、これを機に“和”って呼んでみるのもいいんじゃないか?」
「そうしたら、原村さん、喜ぶかな?」
「まぁ喜ばないこともないだろ。ものより思い出って言う言葉もあるしな。」
「でも、さすがに“和”はちょっと言いにくいな。」
そうやって咲はちょっとの間、ぶつぶつ呟いた。
と、思ったらいきなり顔をあげて言ったんだ。
「の、和ちゃん。プレゼントは…わ、わたし。」
頬を真っ赤に染めて、目をうるませて、ぐって手に力を込めて。
おいおい、嘘だろ?俺は男でお前は女なんだぞ?
「ど、どうかな?京ちゃん。練習してみたんだけど。」
「完璧すぎるだろ…。」
321:友達と恋心
09/11/01 01:27:26 w86KEE1y
少し目をそらして言った。
横目でちらりと見てみると咲はえへへと笑っている。
まったく、どこまで天然なんだよ。
「じゃあプレゼントはこれでいっか。ありがと、京ちゃん。」
「おう!」
片手をあげていつもみたいに元気に答えた。
そうか、これで咲と和が…。
それを想像しかけてやめた。
ばか、俺。
「なぁ咲!」
「ん?」
なんでこのとき俺は咲に声をかけたんだろう。
なんでこの言葉をかけたんだろう。
「俺達、友達なんだから当たり前だろ!」
たぶん、線を引きたかったんだと思う。
俺と咲は友達でそれ以上じゃないって。
口に出してまで、線を引きたかったんだ。
咲は笑った。
「うん!」
「まぁ、プレゼントの件、頑張れよ。」
そう言って別れた。
咲が見えなくなってから俺は少し泣いたんだ。
それから数日後、咲と和はお互いを名前で呼ぶようになっていた。
いいんだ、咲が幸せなら。
もしお前と和の仲を引き裂こうという奴が出てきたら、俺が全力でおまえらを守るから。
「咲さん」
「和ちゃん。」
だからおまえらはこの先もずっとそうやって笑ってるんだぞ。
俺とおまえらの約束だ。
322:名無しさん@秘密の花園
09/11/01 01:28:19 w86KEE1y
おしまいです
もうしません
ほんとごめんなさい
失礼しました
323:名無しさん@秘密の花園
09/11/01 01:56:48 I3k5nnz3
たしかにスレ的にはアレなのかもしれんけど
こういう切ないの大好きだっ!
犬がタコスに置き換わったら、スレ的にも良かったのかもしれん
なんにしてもGJ!!
324:名無しさん@秘密の花園
09/11/01 02:31:37 NNuGjuxu
何気にまとめwikiが10万突破
出来た時期を考えるとけっこう早いな
325:名無しさん@秘密の花園
09/11/01 02:36:11 rTpCOA6M
>>322
確かに少し残念…>>323を受けて優希視点の優希→和とかでリベンジしてみては?!…と提案してみる
話は良かった
326:名無しさん@秘密の花園
09/11/01 04:13:04 s5RvAklF
>>322
まあ1回きりならそんなに気にすることないんじゃないかな
優希→和でやってみるのは俺もありだと思う
しかしプレゼントはわたしって本当に言ったのかよ
のどかが倒れかねない気がするな
327:名無しさん@秘密の花園
09/11/01 08:05:30 HFp5JhR6
>>326
倒れる(倒される)のは咲
328:名無しさん@秘密の花園
09/11/01 08:08:14 iE7j91gQ
>>322
GJ!京咲が少し好きになった。でも考えてみれば公式は京→和しか無いなw
今まで京咲好きの人はよく頑張ったな
329:名無しさん@秘密の花園
09/11/01 08:55:56 s/KWu4nI
南浦さんとむっきーの続編を書き上げたので投下します
終盤に夜の対局があるのでご注意下さい
次からスタートです。
330:「旅行」 1
09/11/01 08:58:39 s/KWu4nI
― 秋
日が暮れるのがすっかり早くなり、朝と夜はとても冷え込むようになった
野山の木々は赤や黄色など、賑やかに染まっていく
そんな中、私は睦月さんと一緒に温泉へとやって来た ――
事の始まりは、睦月さんのお母様が商店街での福引きで二人ペアの旅行券を引き当てたところにある。
ちょうど、私が初めて睦月さんのお宅へお泊りに行った翌日の話だ。
しかし、せっかく当てた商品だというのに二人しか行けない上に、睦月さんのご両親は共働きのため夫婦で行くには時間の都合がつかないらしい。
そこで、その券は睦月さんのもとへやってきたのだ。
今週は土・日・月の三連休があり、私達はその休日を利用して二泊三日の旅行へ行くことに決めた
先週に引き続き、また睦月さんと二人きりで過ごせることになり、私はとても心が弾んでいた。
そして、今日はその一日目。
私達は夕食を食べ終え、座布団に座りお茶をすすっていた。
「お料理、美味しかったね」
「そうですね。竹の子ご飯を食べたのは久しぶりです」
他にも、あのお刺身は明日も食べられるのかな、などと二人で先ほどの秋の味覚について感想を言い合った。
それから少しして、睦月さんが言う。
「じゃあ、温泉に行こうか」
「はい」
うわ…
脱衣場で、するりと浴衣を脱いだ彼女に思わず見とれてしまった。
白くて綺麗な肌だな…
あ、やっぱり髪を下ろしているのも素敵ですね。
「あの…数絵?」
「はっはい…」
「そんなに見られたら恥ずかしいよ…」
「あ…ごめんなさいっ」
睦月さんに言われてハッと我に返り、私も急いで浴衣を脱いで準備をする
時間も少し遅かったこともあり、浴場には他の旅行客が数人いる程度だった。
331:「旅行」 2
09/11/01 09:02:34 s/KWu4nI
「露天風呂は行く?ちょっと寒そうだけど…」
「そうですね。せっかくなので行きましょうか」
露天風呂へと繋がる扉を開くと、スーッと冷たい風が肌をかすめた。
「うわっ…冷たい…」
「寒いね…早く入ろう」
ちゃぷん…
肩までしっかりとお湯に浸かる。
露天風呂にも最初は何人か人が居たけれど、次第に一人、また一人と上がって行き、やがて私達二人だけとなった。
「はぁー…気持ち良いね」
「はい。とっても…」
お湯の中で腕をさすると、すべすべとした肌触りになっていて心地よかった。
ふと睦月さんの横顔を見ると、やっぱりこの人は美人だなと感心してしまう。
髪を下ろした姿は、いつものポニーテールとはまた違った魅力がある。
少し視線を落とすと、首筋や鎖骨、胸…などに目が行ってしまい、なんだかドキドキしてしまう。
睦月さん、意外と胸が大きいんだな…
「ん…数絵、どうかしたの?顔少し赤いけど、のぼせた?」
「あっ…!いや、違うんです…その、睦月さんって意外と胸が大きいなと思って…」
「えっそうかな…?」
「はい…大きい方だと思いますよ」
「数絵もなかなか大きいと思うけどね」
「そっ…そうでしょうか」
うん、と隣で彼女がうなずく。
同年代の女性の裸はあまり見たことが無かったので、自分の胸が大きい方だなんて…今まで知らなかったです。
「ねえ、もしかして私の裸見て顔が赤くなってたの?」
「え…っ」
少し意地悪な顔をした彼女が言う。
「そっ、そうかもしれないです。なんだか、睦月さんの体を見てると胸がドキドキしてきて…」
「そ、そうなんだっ…」
お互い、顔が赤くなり黙ってしまった。
「そろそろ、上がろっか」
「そうですね…」
部屋に戻ると時間は十時を少し過ぎていた。
旅の疲れもあり、自然にふわぁーっとあくびが出る。
「眠い?」
「ええ。少し…」
「じゃあ、今日はもう寝よっか」
「はい」
332:「旅行」 3
09/11/01 09:03:09 s/KWu4nI
部屋の灯りを消して、二つ並べられた布団に潜り込む。
温泉から上がった後だというのに、布団の中はひんやりと冷たくて、体が少し震えてしまった。
寒い…
私が布団の中で足を曲げたり、延ばしたりと、さわさわ音を立てたものだから、睦月さんが心配そうに話し掛けてきた。
「数絵、どうかしたの?」
「いや…その、なんだか寒くて…」
「なら、こっち来る?」
「え…?」
「寝冷えしたら大変でしょ?」
横を向くと、彼女は優しく微笑んでいた。
「じゃあ…失礼します」
睦月さんの布団に潜り込む。
…暖かい。
「睦月さん、暖かいですね…」
「そう?なら良かった」
腰に手を回されて、優しく抱き締められる。
私はなんだか、とても心地がよくなり無意識のうちに、睦月さんの胸元に顔をすりすりと埋めてしまった。
「んあっ…」
「え…っ?」
突然、普段の彼女の声色からは考えられないような色っぽい声が耳に入り、驚いて顔を上げる
333:「旅行」 4
09/11/01 09:04:08 s/KWu4nI
「…ごめん、ちょっとくすぐったかったから…」
「あっごめんなさい…」
初めて聞く睦月さんの声に、ドキドキしてしまう。
「ねえ、数絵…」
「はい…」
「私のこと、好き?」
「当たり前じゃないですかっ…」
「ありがとう。」
あ…でも、今のじゃ少し言葉が足りなかったかな…
私は勇気を出して自分の気持ちを伝えることにした。
すぅっと息を吸い込む。
「睦月さん!私は…」
「うん?」
「心の底からあなたのことが大好きですよ…」
ああ…言ってしまった。
やはり恥ずかしくなってしまい、睦月さんの浴衣をぎゅっと握り締めた。
「数絵…」
「はいっ…」
「私も、大好きだよ」
腰から腕が解かれて、私の頬に両手が添えられた。
そして、唇を重ねる。
すごく、嬉しい。
でも、私はなぜか一回だけでは物足りなかった。
少し、身を乗り出してこんどは私からキスをしてみる。
その柔らかい感触が、とても気持ち良いい。
「数絵からしてくれるなんて、珍しいね…」
「なんだか、そんな気分なんです…」
さすがにもう、慣れたのでしょうか。
不思議と、今日はいつものような過剰な緊張はしていなかった。
そうだ、今なら…
「あの…睦月さんっ」
「ん、なに?」
「今なら、私…できる気がしますっ…」
「え…できるって…良いの?」
「はい…心の準備ができたような気がするんです」
先週お泊りに行った時は、まだ心の準備も何も出来ていなくて、結局そうゆうことは出来なかった。
でも今なら大丈夫な気がします。
「うん。分かった…ありがとう」
もう一度、唇を重ねた。
それから、睦月さんの手が浴衣の中に潜り込んできて、優しく私の胸を触る。
「ふあ…っ」
334:「旅行」 5
09/11/01 09:05:23 s/KWu4nI
初めて直に胸を触られて、最初はなんだか不思議な気持ちになった。
その後は、ちぅーっと音を立てられながら首筋を舐められる。
「ひゃうっ…」
「ふぁっ…んんっ」
「首、弱いみたいだね」
自分でこんな声が出せるなんて…と、少し驚きつつも更に首筋を刺激され続けて、次第に下半身が熱くなってきたのが分かった。
じわりと、頭や背中に汗が浮かんでくる。
やがて、睦月さんの手が私の下腹部へとのびてきた。
「んぁっ…!」
秘部を、そうっと指でなぞられて体がびくっと震える。
「しーっ。あんまり大きい声出したら隣に聞こえちゃうよ?」
「そっ…んなこと言われても……んぁっ」
「くすっ。頑張って抑えてね」
睦月さんに意地悪なことを言われても、何故か私の下腹部は更に熱を帯びてしまう。
指が私の秘部へとゆっくり侵入してきて、内側を掻き回すように攻められた。
「んああっ…やっ…」
「ねえ…どんな気持ち?」
「えっ…どんなって…?んん…っはぁ」
「ちゃんと答えて…?」
「なんか…体が熱くてっ…ふわふわします…き、気持ち良いです…っ」
「くすっ…。よく言えました」
えらいえらい、と頭を撫でられた後、指の動きが少し激しくなり、くちゅくちゅと、音が響く。
これが、自分のそこから出ている音なのかと思うとより一層恥ずかしさが増してきた。
「ふぁあ…っ…んはっ…んんぅ…」
あ…もう駄目です…
これ以上指を動かされたら…
目をぎゅっと瞑り、自然とぐっと下腹部に力が入る。
「んんっ…!」
最後の声をあげた瞬間、私は体からすっと今まで入っていた力が抜け落ち、ガクッとうなだれた。
気付いたら、はぁはぁ…と息が荒くなっていて心臓がドクドクと脈打っている。
「数絵…」
睦月さんの体が、私に覆い被るように重なる。
彼女も、同じように息を荒げていた。
「むつきさ…ん。大好き」
「私も…」
335:「旅行」 6
09/11/01 09:06:28 s/KWu4nI
さっきも、同じ言葉を交わしたというのに。
なんだか、心がくすぐったい。
「私、睦月さんとお付き合いが出来て本当に良かったです」
睦月さんの肩を抱きながら、小さく呟いた。
「ん…ありがとう。」
「そう言えば、前みたいに恥ずかしがって騒いだりしなくなったね?」
それは…
あなたがずっと待っててくれたから。
「睦月さんのおかげですよ…」
「そっか。嬉しいな…」
「ええ…」
「これからも大切にするからね」
「…はい。お願いします」
その言葉を聞いて、また頬が熱くなる。
「おいで」
「はい。…あっ痛っ」
睦月さんに手を引かれて、起き上がろうとしたその時、下腹部に軽く痛みが走った。
「んっ?どうかしたの?」
「……ここの中がチクチク痛いんです」
「あらら…大変だ」
「もう…あなたのせいですよ?」
「ははっ…ごめんなさい」
「もう…」
少し怒りたくなったけれど、彼女の無邪気な笑顔を見たらそんな気持ちはどこかへいってしまった。
「じゃ、今日はもうこのまま寝よっか」
「ええ、そうですね」
浴衣を着直して、再び二人で布団を被る。
手を繋いだまま。
「おやすみ」
「おやすみなさい」
最後にもう一度だけ、キスをしてから私達は目を閉じた。
睦月さん
あなたに出会えて、本当に良かった。
私は今、幸せでいっぱいです ―
336:名無しさん@秘密の花園
09/11/01 09:10:21 s/KWu4nI
以上です
タイトルは「旅行」です。
一応今回、夜の対局も書いてしまったので、これで完結にしようかどうか悩ましい…
まあ、とりあえず恥ずかしがり屋の南浦さんがやっと積極的になれたということで。むっきーはやっぱり包容力があるイメージですね。
では、携帯から失礼しました。
337:名無しさん@秘密の花園
09/11/01 10:38:07 uZHW3jUm
>>336
GJ!このシリーズ読んで、むっきー×南浦さんが好きになったよ
338:名無しさん@秘密の花園
09/11/01 11:10:57 bSB+zvsS
Gj!まだまだ続いてほしいけどキリはいいですね。
339:名無しさん@秘密の花園
09/11/01 11:39:52 iE7j91gQ
GJ!続き書きたかったらまた書けば良いと思う
340:名無しさん@秘密の花園
09/11/01 17:34:17 06W3rNke
もうちょい激しいシーンも…なんてね…
むっきー視点もお願いします
341:名無しさん@秘密の花園
09/11/01 22:04:28 iE7j91gQ
SS投下します。メインは智紀と透華と一。ただし透華の所へ来た時期が以下
ハギヨシ(最初から)
衣(小6。4月)→歩(中1。4月。つまり透華達中2。4月)→同年6月に衣の事を透華に打ち明ける。
それまでは、透華は衣と同じクラスにさせてもらえず、衣は友達の事は問題ないと答え
(衣的に透華が居ればそれで良い)、他の人は変に関わりたくないから噂話でも衣の話はせず
透華は知らなかった。→部活メンバー集め(衣は透華は友達じゃなかったのだと更にグレる。)
→純(中2。12月)→智紀(中2。3月)→一(中3。7月)
というオリジナル設定。というかこうじゃないとこの話ちゃんちゃら大崩壊なので・・・
いや、大分いじれば・・・?でも、そんな体力は無いです・・・ごめんなさい
では透華×一。前編。他にもオリジナル設定満載・・・。これと最後のレス含めて全10レスの予定
誰か居たら割り込みお願いします・・・
342:名無しさん@秘密の花園
09/11/01 22:06:48 iE7j91gQ
☆☆☆
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
「・・・・・・熱い・・・」
蝉の合唱もとうに過ぎ、肌を突き刺す風が吹き始める頃。
洋館屋敷の一室で声の主、龍門渕透華は声を上げた。
熱い。という言葉通り、
月明かりに照らされたベッドの上には熱さに苦しむ透華の姿が見えた。
どこかで風邪でも貰ってきてしまったのだろうか。
と透華は考える。
しかし、ここのところ家の者は一人でも外に出た跡は無く
誰かが病気に罹ったという報告も受けていない。
今日も、いつもと変わらぬ生活を過ごした筈なのに
子の刻を過ぎるや否や、急激に身体が熱を帯び始めた。
既に、着ていたネグリジェは身体にへばり付き
呼吸もままならない状態になっていた。汗が出過ぎている。
「流石に、・・・まずい、ですわ・・・」
これ以上は危険だと思い、人を呼ぼうとしたその時。
透華はある事に思い当たった。普段とは異なる事、
今日、いつもはしない人物の起こした行動・・・。
「ま・・・さ、か」
しかし透華はそれ以上思考を働かせることは出来ず、
意識が薄れていった。
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
☆☆☆
大きな窓から差し込む朝日に
眩い思いをしながら廊下を突き進む。
今日から2日間は久々の休暇だ。
殆どの使用人は昨日の内に家に帰り、
今頃滅多に無いのんびりとした朝を堪能している事だろう。
ボクの仲間達も
純が昨日、大量の食材を抱えて「ちょっくら旅に出てくる」と旅立って行き、
歩は病気の祖母を看病しに家に戻り、ともきーは何も言わず部屋に帰った。
つまり透華とボクと衣は休日をこの場で過ごし、ともきーが不確定といったところか。
ボクは帰らないのかって?ボクはこの屋敷主の孫娘の専属メイド
だから例え休暇であっても主人を置いて一人帰る事は許されないのだ。
343:名無しさん@秘密の花園
09/11/01 22:08:43 iE7j91gQ
・・・・・・本当は帰るように促されたけど、一年365日
期限付きの関係というのもあって、
一日でも長く一緒に居たいというのが本音だった。
そういう訳でボクは今、
ある種の命令違反を犯してこの場所にいて
いつもの習慣でとーかを起こしに向かっているところだ。
衣は、一段と冷えた今日は恐らく一日起きる事は無いと思う。
普段一緒に居る人達が居ないことで、事実上とーかと二人っきり
になれる可能性がある事に少しばかりの
期待を膨らませながら目的の場所に着いた。
コンコン。とノックをするが返事は無い。しかしそれはいつもの事で
ボクが起こしに来るより先にとーかが起きていた事は一度も無い。
私室に入り、そして寝室の扉を開ける。
朝日に照らされ、そこは何とも神秘的な空間となっていた。
毎度この輝かしさに、しばらく足が竦んでしまう。
「とーか、朝だよ」
起きて。と言っても呼びかけだけで起きた例は無い。
そこでボクはいつもの強硬手段に出る。
「ほら、起きて。」
そう呼びかけながら勢いよく布団を剥ぎ取った。
「ッ!!?」
そしてボクは、信じられない様な光景を目にした――
☆☆☆
『 ツイン=カプセル :R』
☆☆☆
誰も居ない廊下を一人歩く。
日差しは大分高く上り、晴天恒常。
休日とはいえ家に戻る気は無かった。素直に言えば私は自分の家が嫌いだ。
それでも透華にはたまには帰った方が良いと言われるけれども
その内努力すると告げるといつもハァと小さく溜息を漏らすだけで特に強制はしてこない。
特に目的も無くふらふら歩いていると一がコソコソ部屋から出ようとするのが見えた。
あの部屋は――透華の私室・・・。
私はある事に思い当たり一に声を掛ける
「一。」
「わッ!!!」
相当驚いたのか、一は滅多に上げない大声で叫んだ。
344:名無しさん@秘密の花園
09/11/01 22:10:13 iE7j91gQ
「あ、ともきー。おはよう。」ハハと一は繕う。
「お早う。どうかした?」
「え?」
「何か真剣だったけれど。」
「うん・・・、・・・実は」一は何かをひょいっと持ち上げた。
「・・・・・・。・・・・・・。一にこんな大きい子供がいたなんて。」
「い、いやいやボクの子じゃないから!この子は、」
「龍門渕透華ですわ。」
・・・6歳くらいの子供が、言い放った。
・・・金のウェーブかかったふわふわの髪に、特徴的なアンテナ。
それにクリクリとした青い目が可愛らしい。顔立ちも透華に似ている。
・・・なるほど。
「透華?」
「ええ。それに私のお父様はこんなちんちくりんではないですわ。」
「ち、ちんちくりん・・・?」
普段透華はそんな風に自分を見ていたのか、確かにボクは
小さいし頼りないよね・・・と今一は落ち込んでいるのだろう、肩が落ちている。
「透華?」
大分長く一緒に居るので私の会話未満の言葉でも
仲間達は私が何を聞きたいのか分かってくれる。
「うん。朝、とーかを起こしに行ったんだ。そうしたら」
一はさっきまでの出来事を話し始める・・・。
☆☆☆
布団を取ったボクは目が点になった。
だってそこには本来居るはずのとーかじゃなくて、小さい女の子が居たのだから。
「な、ななな??!」
「う、ん・・・もう何ですの?」
ボクの慌てふためく声が五月蝿かったのか、目が覚めたらしい
その子はむくっと起き上がった。目にはまだ涙が浮かんでいる。
「あ、えっと、あの、君は??」
「ん・・・ー?わたくし?」
「私はこの部屋の主ですわ。あなたこそ何ですの?」
ファ~と欠伸をしながら女の子は答えた。
この部屋の主?じゃあこの子は、
「と、とーか??」
「透華ですわ。」
「とーかなんだよね?ボクだよ?分からない?」
「・・・存じ上げませんわ」
「そう・・・」
一体どういう事だろう。とーかだとこの子は言うけれど。
確かにとーかのベッドに居るし、とーかの服を着ているし
でもそうすると、考えられる事は・・・
345:名無しさん@秘密の花園
09/11/01 22:13:11 iE7j91gQ
ボクが、大き過ぎて服としての機能を全く果していない
とーかの服に目をやると、小さなとーかもつられて視線を落とした
・・・そして青ざめる。
服としての機能を果していないという事はまぁ要するに
スッポンポンみたいなものだ。
「ひゃあ?!!な、なんですの?これは?!?」
今まで気付かなかったみたい。
青赤くなりながらボクから布団を引っ手繰って、埋もれた。
「あなた私に何かしたんですの?!」
「え?いやボクは、」
「信じられないですわ変態!!ロリコン!早く出て行って!!」
ろ、ロリ、?!この子は一体どこからそんな言葉を、??
ボクは断じてロリコンじゃない!
・・・でもちっちゃいとーかは・・・うん。愛くるしい・・・
いやいや普段も愛くるし過ぎる位可愛いから!
とかそんな事考えてる場合じゃない
“出て行け!”なんて一番言われたくない人から
一番言われたくない言葉を言われてしまった・・・
図々しいだろうけどここは弁解させてほしい・・・。
「ち、違うよとーか!ボクは何も、ただ君を起こしに来たんだ。
君は17歳の少女のはずなんだ。昨日まではそうだった。
なのに、急に小さな女の子になってしまっていて!
・・・こんなこと言っても信じてもらえないだろうけど・・・」
「・・・・・・」
絶対、変な人に思われる・・・素直にここを出よう・・・。
「そう、ですの。分かりましたわ。」
「え、信じてくれるの??」正直ボクが信じられない。
「・・・あなたが嘘をつく様な人には見えないですわ。
先程は怒鳴ってしまってごめんなさい。
とりあえず、服を下さる?」少し紅潮しながらとーかが言った。
「う、うん。」
それからボクはとーかの部屋を引っ掻き回し
ようやくとーかの小さい頃の服を探し出し、とーかに着せた。
「ありがとう、ございますわ。それよりお腹が空きましたわ。何か持って来て下さらない?」
☆☆☆
「と、食事を取りに行こうとしていたところなんだ。」
一が話し終える。
朝突然透華が縮んでいた。か。やはり・・・
私は無意識にそっとポケットに触れた。
346:名無しさん@秘密の花園
09/11/01 22:19:08 iE7j91gQ
「そういう訳でご飯持って来るから、その間この子お願いしても良いかな?」
コクリと頷く。
「ともきーはもう済んだ?よかったら持ってくるけど。」
「いらない。」
「そっか。じゃあ、よろしく。」そして一は食堂の方へ駆けて行った。
さて・・・。私は小さな透華を見下ろした。
透華も一へ向けていた視線を戻して私と目が合う。
「中に・・・戻りましょう。」
私は透華をベッドに座らせて、向かいのソファーに座った。
あの透華の子供の頃にしては意外に大人しく、衣より扱い易かった。
いや、私にとってそれほど珍しい事ではない。
恐らく純も衣も、歩にとっても・・・。
私は持ち前のパソコンを開く。
「質問。名前は?」 「龍門渕透華。さっきお答えしましたわ。」
カタカタと記入する。
「年齢は?」 「六つと10ヶ月ですわ。」
「両親の名前は?」 「~~。~~~。」
その後も生年月日や家族構成など基本的な質問をし、
透華はどれもすんなりと答えてみせた。
「私の名前は?」
「分かりませんわ。あの方も名乗らずに行ってしまって困りましたわ。」
「私は沢村智紀。背の低い人は国広一。」
「ともきさんに、はじめさんですわね。宜しくお願いしますわ。」
要するに、戻った年月までの記憶に異変は無いけれど
それ以降の記憶は覚えていない。と。
「身体に異常は?」
「有りませんわ。」
サンプルデータを渡す事が条件だったので、漏らさずそれも加えて入力する。
「もう質問はよろしいかしら?」
コクと頷く。
「はじめさんから私が突然小さくなった事は聞きましたわ。
何故こんな事になってしまったのかしら?」
何故か。――それは、昨日の夕方に遡る――。
「ご馳走様ですわ。」「ご馳走さま~♪」
「ごちそうさま。」「ごち」「(コクリ)」
夕食を皆で取った後、私は自らすすんでお茶を入れる係りに名を上げた。
私の申し出に、皆は目を丸くした。
私は一と同じく透華のメイドをしているが、
大概パソコンに観察した事を記録しているだけで
メイドの仕事をした事は無いと言って良い。
だからそんな私の珍しい言動に透華は喜んで、止める歩を制し
私にお茶を入れさせてくれた。
347:名無しさん@秘密の花園
09/11/01 22:21:40 iE7j91gQ
調理場に立つと私はそれぞれのティーカップを出し、
紅茶を注ぐ。そしてポケットから小さな――風邪薬と同じ大きさ程の
赤いカプセルを取り出した。
その中身を透華のティーカップに入れ、運び出す。
透華は何の疑いも無くそれを飲み干した。
良心が少し痛んだけれど、やむを得ない。人体に悪影響は無いはずだから――
そして今日になる訳だけど。どうやらカプセルの中身は縮ませる効能だった様だ。
おまけに即効性・・・。
私は中身が具体的にどうの様な作用を及ぼすのかについてまでは聞かされていない。
信用のおける人物から貰ったので心配はしていないが。
記載事項はこんなものだろうか。と私が思った時、扉のノック音が聞こえた。
一が朝食を持って来たのだろう。
と言ってももはや昼食と言った方がしっくりくる時間だけれど。
ドアを開け放つ。
「ふぅ。ありがとうともきー。」
廊下に両手にお盆を乗せた一が立っていた。和風料理・・・
「とーか、どう?」
「異常なし。異変なし。」
「そっか。」
「私はこれで。」
「えっちょっと!」
そのまま私は足早にその場を去った。
☆☆☆
これからどうすれば良いのか相談しようと思っていたのに
ともきーはさっさと行ってしまった。
困ったなぁ・・・。
「はい、ご飯。」
「ありがとうございますわ。しかし遅いですわ。」
「う、ごめん。」「では頂きますわ。」「いただきます。」
はむもぐ。
「本当は食堂で食べるのが良いんだろうけど、
万が一人に見つかったら色々ややこしいだろうからここで。ごめんね。」
「それなら気になさらずに結構ですわ。
というかあなたは私と一緒に食べれるんですのね。」
「ボク達、さっきの沢村さんとあと3人。大体6人で一緒に食べてるよ。」
「そうなんですの?私はお爺様も両親も仕事で忙しく、
使用人との食事も禁止されていましたからいつも独りで取っていましたわ。」
「あ、でも一緒に食べられる様になったのは去年の
麻雀県大会で優勝してからで、それまでは別々だったよ。」
ボク達ととーかと・・・。
348:名無しさん@秘密の花園
09/11/01 22:23:42 iE7j91gQ
「麻雀?庶民の間で流行中の?
色々とまぁお父様が認めるなんて信じられませんわね。」
どこかで頭でも打ったのかしら。と、とーかは笑った。
可愛らしい笑顔にボクも自然と微笑んだ。
「それにしてもこの料理美味しいですわね。家にこんなシェフが来ましたのね。」
「いや、ボクが作ったんだ。急いで作ったけどお口に合ったのなら良かった。」
「あなたが作ったんですの?美味しい・・・いつもあなたが?」
「いやいや、とーかの家のご飯を食べてるよ。
手料理をとーかに食べてもらったのはこれが初め、ん?」
「どうなさいました?」
料理、とーか。
「・・・思い出した。中3の夏に君と初めて会った時、ボクの家に挨拶に行くと言って
そのままご飯を家で食べたんだ。(結局お父さんは帰ってこなかったけど)」
食べるなり急にボルテージが上がったらしく何やら叫んでいた。
あの時はどうすればこの変な人をお引取り願えるかで頭がいっぱいで
よく聞いてなかった・・・失敗した。
「中学3年とか今の私からしたら果てしないですわ・・・」
「・・・とーか。今幾つ?」
「六つと、」
「子供の頃のとーかって落ち着いてるね。
もっと私が世界で一番目立ってますのよ~!とか、はっちゃけるかと思った。」
「むぐっ。目立つ?目立ったって、何も変わりませんわよ!」
何か不機嫌になって次々にご飯を頬張る。
あれ?ボク何かいけない事した?
「あなた、見掛けによらず料理上手ですのね。」
・・・ボクそんな変な見た目してるかな?
「幼い頃にお母さんが亡くなって、お父さんは駆けずり回っていたから、自然と・・・。」
「そう・・・ですの・・・。大変でしたわね。お悔やみ申し上げますわ。」
「ありがとう。」
「しかし、こんなに料理が上手な方が許婚でしたら良かったのに。」
「い、い、いいn??!ゲホッ、ゴホッ、ガハッ」
食べた物で見事にむせてしまう。
「大丈夫ですの??」とーかが可愛らしい手で背中を叩いてくれる。
許婚だって?!しまった!すっかり忘れていた。とーかはお嬢様だから
そんな人の一人や二人・・・ッ!ガーン
「だ、だいじょうぶだいじょうぶ!
赤巻紙青巻紙黄巻紙、
長生麦生米生卵!
隣の客はよく柿食う客だ!
ほら大丈夫!」
「まるで渋柿を噛んだ時みたいな顔してますけど。」
「ハハハハハ・・・」
何故今ままで許婚という存在を忘れていたか、
簡単だ。とーかからその様な話を全く聞かなかったからだ。
それで無意識に安心していたのだろう。
しかしよく考えてみるととーかが自分に
そんな私情を打ち明けなければならない義理は全く無い訳で・・・
トホホ
349:名無しさん@秘密の花園
09/11/01 22:25:51 iE7j91gQ
「許婚かぁ、じゃあお見合いとかしたんだ。」
何を聞いているんだボクは、立ち直れなくなっても知らないぞ。
「えぇ散々。ハジヨシともしましたわ。」
ハ ギ ワ ラ さん !!!
どうやらボクは命を懸けて闘わなければならない様だ。
出来ることなら貴方とは敵になりたくなかった・・・!
そうだ、確かに萩原さん以上の完璧な男はいない!
ぬおおお!
「何をそんな怖い顔なさってますの??ちゃんとお断りしましたわ。」
「へ?そうなんだ、良かった。アハハ」
「そもそも何であなたが私の許婚話に一喜一憂してるんですの?」
「いや、まぁ、ちょっと。アハハ」
限りなく見っとも無い顔をしてるんだろうな、ボク・・・
「クスクス。面白い方ですわね。」あ、それボクの特権。
「何だかあなたと居ると楽しい気分になりますわ。」
「そう?ありがとう。」
「あなたが――なら――、」
「え?何か言った?」
「なんでもありませんわ。」またとーかはクスクスと笑った。
何なんだろう?でも良かった。小さいとーかもよく笑ってくれて――
「グ!ッ!」
「とーか?!」急にとーかは胸を押さえて苦痛の声を上げた。
「とーか?!とーかどうしたの?!」
「ウッ、く、苦しい・・・熱いッ」「とーか!!」
凄い汗だ。早く誰か呼んで来ないと・・・!
「一!」
「ともきー!?」声を聞いて駆けつけたのか、ともきーが来てくれた。
「ともきー、とーかが!」
「!これは!」とーかは見る見る苦しそうに蹲っていった。
「一、服脱がせて。」「え?」
「いいから!」「うん。」言われるままボクはとーかの服を脱がせた。
「!ともきー!」とーかの体が徐々に大きくなっていた。
「コクッ」
それからとーかをベッドに寝かせ、布団を掛ける。
まだ汗が出ており、時たまふき取ってあげる。
「ウ・・・ッ」「とーか、しっかり!」「ウ・・・、フゥ」
痛みが少し引いたのか、とーかの呼吸は整ってきた。
「とーか・・・。ともきー、とーかは大丈夫だよね?」
「恐らく。」
「よかった。・・・このまま元に戻らなかったらどうしようかと思っていたんだ。
でも、そもそも何でとーかは小さくなっちゃったんだろう?
ね?ともきー。・・・・・・ともきー?」
350:名無しさん@秘密の花園
09/11/01 22:26:50 iE7j91gQ
☆☆☆
私は、部屋を出たけれども直ぐ近くで中の様子を窺っていた。
やがて中から一の叫び声を耳にすると、私は中へ飛び込んで行った。
そこには床に蹲る透華がいた。私はすぐに状況を理解し
一に透華の服を脱がせ、予測通り透華は元へと戻り始めていた。
透華をベッドに寝付かせた後、一が何やら話し掛けてくるが
私にはそれどころじゃなかった。
即効性の上に効果時間が短すぎる・・・。このままでは何の意味も無い・・・
意を決し、私はポケットに手を入れ、握る。
もう一つの、青いカプセルに――
―― つ づ く
351:名無しさん@秘密の花園
09/11/01 22:55:42 s/KWu4nI
>>350
GJです!
こうゆうお話もおもしろいですね
352:名無しさん@秘密の花園
09/11/01 23:15:24 KRYaBcAB
>>350
GJ!モンブチいいよな
ここで空気読まずにひっそりと部咲を投下。携帯からでごめんね
353:部咲1
09/11/01 23:18:22 KRYaBcAB
夕暮れの淡いオレンジがやんわりと暖める帰り道での分かれ道。
そっとどちらからともなく繋いだ手を離す。ほんの少しの名残惜しさと気恥ずかしさを残して。
いつしか私と咲は部活の後ときどき一緒に帰宅するようになっていた。本当にときどきなのだけれど。
互いに本好きだということもあり、会話に困ることなど無かった。元より最大の繋がりである麻雀の会話も持ち寄れば私たちの間に沈黙など訪れるはずもないのだ。
…とは言っても大体は私が麻雀や本の話題はもちろん、ついついそれ以外のあらゆることを喋っているのを笑顔でおとなしく聞いて、時々二言三言の質問や意見を投げ掛けてくる咲…という構図なのだけれど。
普段は部活が終わり次第、咲は和や優希たちと共に帰宅するのだけれど、たまに私と二人だけで帰り道を共にすることがある。
それは何だか二人だけの秘密を共有している気分になるから不思議だ。別に悪いことをしてるわけじゃないのにね。
それを何度かしている内にどちらともなくいつしか手を繋ぐようになっていた。
恐らく私からなのだろうけど初めて繋いだ時のことはあまり覚えていない。それくらい自然的なことだったのかもしくは緊張しすぎていたのか。
354:部咲2
09/11/01 23:21:46 KRYaBcAB
「じゃあまた明日ね」
「はい。また明日…あっ」
「ん?」
「あ、明日はその…和ちゃんと…」
何だか言い辛いそうにもじもじしてる。「また明日」って言ったのは明日も学校を休まない限りは部活で顔を合わすから言っただけで「明日も一緒に帰りましょう」とイコールというわけじゃないのよ。
「あら先約?残念だわ」
「ごっごめんなさい…」
私たちは約束をしない。その時のお互いの空気や気持ちを優先するから約束なんて未来を縛ることは必要ないのだ。
けど、少し意地悪っぽく残念がってみた。私はどうやらこの子をからかうのが好きみたいね。
「冗談よ。友達は大切にね」
「はい」
それでも少し、ほんの少しだけ浮き上がったもどかしい感情を私はどう扱えばいいのか分からなかった。
分からなかったからさっき離れたばかりの自分の手を強く握ってみた。
355:名無しさん@秘密の花園
09/11/01 23:22:28 KRYaBcAB
以上。
携帯からだとバランスがわかりにくくて読みにくいと思うが許してね。
356:名無しさん@秘密の花園
09/11/01 23:42:53 s/KWu4nI
>>355
GJ!!
なんか、二人とも可愛いです、ほんとに。
続きに期待してます!
357:名無しさん@秘密の花園
09/11/01 23:58:53 iE7j91gQ
>>355
GJ!規制本当早く解除されないかな・・・
358:名無しさん@秘密の花園
09/11/02 00:27:43 Jja9wGbt
転載だが美しすぎる姉妹愛だったので貼り
咲「おねえちゃん…またオネショしちゃったよぉ…」
照「咲はお漏らしさんだなぁw大丈夫!今夜からは私がなんとかしてあげるから!」
咲「ほんと?!おねえちゃんすごい!」
咲「ん…はぁ…んんっっ!…っっおねえちゃん?!なんでわたしのおまた舐めてるの?!」
照「あ、起きちゃったかぁ咲ぃ…咲がオネショしそうだったから私が飲んでおいてあげたよ」
咲「すごいや!おねえちゃん!なんで私がオネショしそうだってわかったの?」
照「それはね、私が咲のおねえちゃんだからだよ」
咲「おねえちゃん…ありがとう!」
359:名無しさん@秘密の花園
09/11/02 00:43:47 G3xQ8O3E
菫→照咲の続編をやっと書き上げたので投下させていただきます。
今回のは前作「後悔」
>>226
の、照視点で、照の心理描写が中心になっています。
エロ無しですが、中盤に少しだけ似たような描写が入っていますので苦手な方はご注意下さい。
また、6000字近くと、長いことになってしまいましたが、次レスからスタートです。
360:「後悔」 照視点1
09/11/02 00:44:45 G3xQ8O3E
「うるさい…早く止まってよ」
夜6時頃。
私はベッドに座り、テーブルの上でブルブル震えているケータイをぼうっと眺めていた。
背中は汗でびっしょり濡れていて、なんだか気持ち悪い。
数十回くらい、振動し続けてから、ようやくピタリとケータイの動きが止まり、安堵の溜め息を吐く。
ついさっき…
私は無理矢理、菫に襲われた。
「痛っ…」
そのシーンを思い出そうすると、ズキッと頭に衝撃が走る。
どうして…
どうして、こんなことになってしまったの?
私はゆっくりと、今日一日のことを振り返ってみる
― まず、朝
学校について、教科書を机に入れようとした。
そしたら、なぜか教科書が奥まで入らなくて、どうしたのかと、手を入れて中を確認してみた。
そしたら、黒くて小さな箱が出てきたのだ。
「え、なにこれ…」
全面が真っ黒で文字も何も書かれていないそれは、私にとって、なんだかとても気味が悪いものだった。
間違いなく、誰かのいたずらだろうな。
もし、開けてみてとんでもないものが入っていたら…
そんなことを想像してしまい、鳥肌が立つ。
だから、私はそれを持ってトイレにあるごみ箱にそのまま捨てたのだ。
そう。
何もためらわずに捨ててしまった。
その後は、久しぶりに菫とお茶でもしようかと思い、放課後に家に誘い、いたずらの事なんてすっかり忘れて、お喋りを楽しんでいた。
でも、お喋りの途中で、何故か菫の顔が険しくなり、どうしたのかなと思っていたら、その後に衝撃的な事実を告げられた。
なんと、あの黒い箱は、私への誕生日プレゼントだったと言うのだ。
361:「後悔」 照視点2
09/11/02 00:45:47 G3xQ8O3E
まさかあれがプレゼントだったなんて、思いもしなかった…
私は正直に、捨ててしまったことを伝えて謝った。
けれど、もちろん許してもらえるわけもなく、更に菫の怒りを爆発させてしまうことに。
挙げ句の果てには、肩に手を置いたら「触るな」とまで言われてしまった。
菫は私にとって、とても大切な親友だ。
もし、これが原因で縁が切れるなんてことになったらどうしよう…
それだけは絶対に嫌だ。
「何でお前、あの時私と体を重ねたんだ?」
菫にそう言われて私はハッとして、去年の記憶を蘇らせる。
そうだ
私はあの時、菫にその気があった訳でもないのに、セックスをしてしまった。
いや、菫のことは好き。
でも、あれは恋愛感情ではなかった。
自分でも、どうして好きでもない相手と体を重ねられたのかが分からない。
たぶん、私はあの時…
まだ咲と仲直りをしていなかった。
だから、心の中にぽっかりと穴があいていたんだと思う。
もし菫と体を重ねたら心が満たされるのかな。
そんなちょっとした好奇心で私は、菫を受け入れてしまったのだ。
でも、結局私の心が満たされることは無かった。
やっぱり、咲じゃないと無理だったんだ。
自分の中で、そう答えが出ていたにも関わらず、その後も断ってゴタゴタになってしまったら面倒だな、という理由だけで、菫と体を重ね続けてしまった。
あの時の自分の浅はかな思考に、今はとても後悔している。
菫は本気で私のことを好きでいてくれたというのに。
そして、今も。
「本当にごめんなさい…どうしたら許してくれる?」
362:「後悔」 照視点3
09/11/02 00:46:46 G3xQ8O3E
私は、もどかしい気持ちでいっぱいになり、泣きそうになるのをぐっと堪えて、菫に尋ねた。
許す、許さないの問題ではない事くらい分かっている。
けれど、去年の告白といい、今日の誕生日プレゼントの事といい、せっかくの菫の好意を私は二度も踏みにじってしまったのだ。
悪気があった訳ではないけれど、全ての原因は私にある。
だから、もし何かをして許してもらえるのなら、どんなことでもしようとこの時は覚悟を決めていた。
だけど…
菫の口から出た答えは私にとって、とても過酷なものだった。
「じゃあ、お前を抱かせろ」
その答えを聞いて、私の頭の中は大きく揺れ動く。
菫とはもう関係を持たない。
そう決めていたはずなのに…
でも、今これを断ったら、これから先、もう菫と笑って話をすることも無くなってしまうかもしれない。
結局、私は最低な人間なんだ。
嫌われるのが怖くて、菫を失うのが怖くて、もう一度体を重ねることで許してもらえるなら、と了承をしてしまった。
去年のあの時、しっかりと告白を断らなかったのが今となって仇になってしまった。
363:「後悔」 照視点4
09/11/02 00:47:52 G3xQ8O3E
ふわっと、頭の中に咲の顔が一瞬浮かんだような気がした。
咲…お姉ちゃん、情けない人間で本当にごめんね。
心がズキズキと痛む。
私が菫に返事をした途端に、腕をグイッと凄い力で引っ張られベッドに押し倒されてしまった。
それから徐々に、制服を脱がされていき、唇、首筋、胸へと…私の体のありとあらゆる箇所に菫がキスをしていく。
「んんっ…」
思わず、声が出そうになるのを私は目を瞑り、必死に耐えた。
どうしよう…
下腹部がだんだん熱くなる。
こんな状況でも、濡れてしまうなんて…
どうして菫にその気が無いのに勝手に反応してしまうんだろう。
これを菫に見られたら、私が感じているんだと、勘違いさせてしまうかもしれない。
「あ…っ」
菫の手が、だんだんと秘部に近づいてくるのが分かった。
やだ…やだよ
見ないで…お願いっ…
ちょうど、太ももの付け根あたりに菫の指が到達した頃
目の前がフッと真っ暗になり、私は気を失ってしまった。
364:「後悔」 照視点5
09/11/02 00:48:57 G3xQ8O3E
― そして、今に至る
目が覚めたら、菫はもう居なくなっていてた。そして私はちゃんと服を着ていた。
菫が着せてくれたんだね…
汗を拭いてくれたのか、枕元にはタオルが置いてある。
気を失っていたのは、多分一時間くらいかな…
結局、私は菫に最後までされてしまったんだろうか。
意識が無かったから、分からないけど。
でも、抱かせろなんて言うくらいだから、きっとされたんだと思う
さっきの電話の着信は菫からなんだろうな。
まだ確認はしていなかったけど、今は頭がぼーっとして何もする気になれない。
「あ…痛っ…」
また頭に衝撃が走る。
咲、本当にごめんね…
このことを咲が知ってしまったら、どんな顔をするんだろう。
今度こそ、嫌われちゃうかな…。
そう考えると、とても悲しくて辛い。全て、私が悪いというのに。
汗で体がぎとぎとしていて、気持ち悪い。
早く綺麗にしないと…
そう思って私はシャワーを浴びた。
だけど、体を洗っていても気が付くと、さっきのことを思い出していて手の動きが止まってしまう。
明日から、菫とどんな顔をして会えば良いの?
普通に接することなんてできるのかな。いや、出来るわけないよね。
いっそのこと、さっきのことを全て記憶から消せれば何事も無かったかのように話が出来るんだけど…
「あっ…そっか」
365:「後悔」 照視点6
09/11/02 00:49:54 G3xQ8O3E
記憶が無くなった事にしちゃえば良いんだ
あまりにも幼稚で、馬鹿げた考えだとは自分でも分かっている。
でも、本当にさっきの事は一切覚えてないっていう態度をとって、いつものように接すれば…
さすがに菫も信じてくれるかもしれない。
だって、何事も無かったかのような態度を私がとっているのを見たら、記憶を無くしてしまったと思ってもおかしくないはずだから。
あんなこと、一晩寝て忘れる訳ないし…
「うん…そうしよう」
菫とはこれからも友達で居たいから。
私が記憶を無くしたことにすれば菫もきっと、内心ホッとするはず。
ちょっと、無理がある話だけどお互いの為にもそれが一番良い選択肢だと、私は結論をだした。
あとは明日、私が上手く演技をするだけ。
いつものように、菫と会話をしてれば良いんだ。
うん
そうだよね…?
― そして翌日
昨日は結局、全然眠れなかった
かろうじて、二時間ってところだろうか。
何回も何回も頭の中で、今日のイメージトレーニングをしていたから。
上手くいけば良いんだけど…
靴箱を確認すると、菫はもう学校に来ているみたいだった。
教室のドアの前で、一度大きく深呼吸をする
そして、意を決して中に入った。
あっ、居た…
菫が席に座っている。
366:「後悔」 照視点7
09/11/02 00:50:57 G3xQ8O3E
「菫、おはよう」
「あ…ああ、おはよう。
なあ…昨日のことなんだが…」
「ああ、昨日ね。電話くれてたのにごめん。あの時まだ寝てたんだ」
「いや、それは良いんだが…お前、怒ってないのか?」
「え…何が?」
「何がって…お前、まさか昨日のこと覚えてない訳じゃないだろうな?」
「え…菫がうちに遊びにきて、私が途中で寝ちゃったんじゃないの?あのタオル、菫が置いてくれたんでしょ」
「タオルを置いたのはそうだが…
なぁ、昨日私がしたこと怒ってないのか?」
「……菫、なにか私にしたっけ?」
「えっ…?」
やっぱりね
完全に菫が動揺している。無理もないか…
でも、ごめん。私はこのまま嘘を突き通すよ
「なあ、照。先週の金曜にお前の妹がこっちに来たの、覚えてるよな?あの日は本当に良かったな」
突然、こないだの話を振られた。
きっと、他に私が忘れていることが無いか確認のためだと思う。
予想外の質問に、少し戸惑ったけど、忘れたのは昨日の事だけにしておかないと、更に話がややこしくなっちゃうよね…
私は頭をフル回転させて、菫の質問に答えた。
「うん、咲が来たね。でも急にそれがどうかしたの?」
「ああ…いや、あの時のお前が凄く楽しそうだったのをふと思い出してな」
「そっか。」
「ああ…」
その時、チャイムの音が響いてきた。
「あっチャイムだ。それじゃあね、菫」
「ああ…」
私は菫に挨拶をして、自分の席へとついた。
あのタイミングでチャイムが鳴ったのはちょうど良かったかもしれない
これ以上質問をされずに済んだのだから。
それにしても…
菫、相当驚いてたな。
普段はあまり感情を顔に出さない彼女だけど、明らかに動揺していたのが分かった。
まあ、当然の反応だと思うけど…
昨日の怒った顔といい、この二日間で私は様々な彼女の表情を見た気がする。
それは、どれも初めて見るものだった。
三年近くも一緒に過ごしてきたと言うのに、まだまだ知らない事ってたくさんあるんだな…。
367:「後悔」 照視点8
09/11/02 00:51:54 G3xQ8O3E
そして、この後はお互いに昨日の話には一切触れず、学校が終わった後も、いつものように菫と駅まで一緒に帰り、私は家路へと着いた。
自分の部屋に入ると、今まで張り詰めていた緊張がとけ、疲れが押し寄せてきた。
どさっとベッド倒れこむ。
うまく、いったんだよね…?
菫に、嘘をついた罪悪感と、それと同時に安心感もあり、その二つの気持ちが複雑に絡み合うようで、なんともいえない気分になる。
結局、菫との今までの関係を壊してしまうのが嫌で、私は正面から向き合うことに逃げてしまったんだ。
自分の事がとても臆病で、ずるいと思った。
ほんと、最低だ…
しばらくの間、私は制服を着替えもしないで、ただただボーっとして、ベッドに横になっていた。
ブーーーッ
ブーーーッ
ブーーーッ
気が付くと、かばんの中で携帯が震えていた。
振動パターンが電話の着信だったので、菫からかもしれないと思い、慌ててかばんから携帯を取り出す。
だけど…
「…………………」
画面に表示されている名前を見て、私は体が硬直してしまった。
電話は、咲からだったのだ。
368:「後悔」 照視点9
09/11/02 00:52:55 G3xQ8O3E
「咲…」
どうしよう…
声が聞きたい。
でも、話すのが怖い。
親指で通話ボタンの上をなぞる。
でも、押せない…
「あっ…」
そうこうしている間に、電話が切れてしまった。
「咲、会いたいよ……」
ブーーーッ
ブーーーッ
再び、私の手の中で携帯が震え始めた。
反射的に体がビクッと震える。
「…………………」
変に緊張して、おそるおそる通話ボタンを押し、耳に携帯をあてた。
「もしもしっ!お姉ちゃん?」
明るくて元気な声が聞こえてきた。
でも、自分の声が上手く出せない。
「あれっ…もしもしっ?」
「…………………た……いよ」
「えっ、なあに?」
「……………あ…いたい」
「お姉ちゃん…?どうかしたのっ…?」
「咲………会いたい…よっ」
無理だとは分かっていても、無性に咲に会いたかった。
会って、咲を抱き締めて温もりを感じたい。
「お姉ちゃん…泣いてるの?」
咲にそう言われて、頬に涙が伝っていることに気付いた。
私、泣いてたんだ…。
泣いている事に気付いたら、余計に悲しくなり涙が溢れてきた。
うっ…うっ、と喉がつっかえて息苦しくなる。
電話越しとはいえ、こんな声を妹に聞かせてしまう自分がみっともない。
「おっお姉ちゃん!?大丈夫っ?何かあったのっ?」
「ぅっ…うっく……ほん…とにっ…ご…めん…」
「……お姉ちゃん、今日お母さんは?」
「ぅっく………や、夜勤っ…」
「分かった。じゃあ今からそっちに行くね」
「…………えっ?」
369:名無しさん@秘密の花園
09/11/02 01:01:52 G3xQ8O3E
突然の言葉に驚いた。
こっちに来るだって…?
「でも、ちょ、ちょっと…まって…っ…明日学校あるでしょっ?」
「あるけど、学校なんかよりお姉ちゃんのほうが大切だからっ!それに、朝一の電車に乗れば午後の授業には間に合うよ」
「……ほんとにいいの?」
「当たり前だよっ!今から出かける用意するから待っててね!後でまた連絡するからっ」
「う、うんっ分かった…」
「じゃあ、またあとでねっ」
ピッ― 電話を切り、放心状態になる。
今、何が起こったの…?
咲が私に会いに来てくれる、だって…?
「どうしよう…」
すごく嬉しい。
いつの間にか、涙が止まっていた。
でも…
菫とのことを話したらどうなるんだろう。
やっぱり嫌われる、よね…
そう考えたらまた頭がズキッと痛くなってくる。
鏡を見ると、ひどい顔になっていた。
目が赤くなっていて、ぼってりと腫れている。
とりあえず、今はしっかりと咲と向き合わなくちゃ。
菫とのことも正直に話そう。
それで、もし咲に嫌われてしまっても全ては私が悪いんだから仕方がない。自業自得だ。
私は腫れをひかせる為に、タオルを冷たい水で濡らして目にあてた。
あ…ちょっと気持ち良いかも。
そのままベッドに仰向けになって寝転がった。
咲が東京に着くまでは、まだまだ時間がかかる
私は、少しの間このまま横になって時間をつぶすことにした。
咲、ありがとうね…
そして、こんな情けない姉でごめん ―
370:名無しさん@秘密の花園
09/11/02 01:07:14 G3xQ8O3E
以上です。
9で連投規制に引っ掛かってそのままミスってageてしまいました。すみません
9の次は「後悔」 照視点10 です。
あと、記憶をなくしたフリとかちょっと無理のあるストーリーになっちゃいました…。
あとは、咲視点を書けばこの物語は完結になります。
では、ケータイから失礼いたしました。
371:名無しさん@秘密の花園
09/11/02 01:45:27 XDpVaW0+
>350
もしかして、メ○モちゃん?
と、突っ込める私は若くない(笑)
372:名無しさん@秘密の花園
09/11/02 02:53:36 XDpVaW0+
勢いで書いたゆーき、まこものを投下します。
タイトル: 「とある恋のはじまり」
「はぁ~…」
合宿二日目、夕食後の自由時間、あたしは一人部屋の椅子に座って
ため息をついていた。
どうも、のどちゃんと咲ちゃん二人の様子がおかしい。
朝の練習開始に遅れて入って来た時から二人の間にびみょーにエロエロな
雰囲気が漂よっていた。
対局中はそうでもないけど、合間で目と目があうと二人で照れあったり、
「咲さん」
「のどかちゃん」
なんてお互いを名前で呼び合い初めてるし…
「二人が名前で呼び合ってるじぇ」
あたしがそう指摘すると、友達同志なんだからおかしくないでしょとか言って
真っ赤になっていたのどちゃん…
(のどちゃん、そんなばればれの態度では私の目はごまかせないじぇ)
二人の間の関係が今までよりも進んだんだろうな、という事は
あきらかだった。
「のどちゃんはアタシの嫁、ってずっと言ってたのになぁ~
やっぱり咲ちゃんに取られちゃったじぇ…
あたしの方がずっとのどちゃんとの付き合い長いのに…」
なんとも言えない孤独感と喪失感を味わいながら、独りつぶやく。
夕飯後の自由時間、のどちゃんと咲ちゃんに露天風呂に誘われたけど
そんな二人を見ていたくなくて
「二人で行っていちゃいちゃしてくるといいじぇ!」
なんて、軽い冗談を言って送りだしてしまった。
そんな言い方をした自分にさらに自己嫌悪…
「はぁ~ のどちゃん…」
今日何度目かのため息をつく、ああ、だめだじぇ…
なんだか泣きそうだ…
373:名無しさん@秘密の花園
09/11/02 02:54:04 XDpVaW0+
「どうしたんじゃ、そんなため息をついて?」
思いつめていたせいか、染谷先輩が入ってきたのも気がつかないでいたみたいだ。
「なんでもないじぇ…」
「そうか?」
先輩はそれ以上は何も言わなかったけど、近くに立って私の頭をやさしくなでてくれた
きっと気づいてるんだろうけど、何も聞いて来ない。
先輩流の気遣いが嬉しくて、涙が出そうになる
「ありがとうだじぇ…」
「何もしとらんよ」
そのまま、先輩の身体に頭を預けながら、しばらくなでてもらう
心地よい沈黙… そして、染谷先輩の手のぬくもりを感じて、一人じゃないんだ、
という不思議な安心感が広がって来た…
「なんかちょっとだけ元気になったじぇ…」
「そか?じゃあ、何か飲み物でも買いに行くか?」
「いくじぇ」
まだ、先輩に甘えていたい気分もあったので、先輩の左腕に両腕を絡ませて立ち上がる。
先輩は甘えん坊の私をくすりを笑ったけど、その手を振りほどくことはしないで
そのまま廊下を歩きはじめた。
「何を飲むかのう」
「あたしはフルーツ牛乳がいいじぇ」
「まーた、飲むんか……」
突然先輩が窓の前で立ち止まった
「???」
先輩の視線の先をみると、窓の外の中庭で、部長と、風越のキャプテンさんが
仲良く歩いているのが見えた。
部長は今まであたしが見たこともないような笑顔でキャプテンさんと話していた
そして、キャプテンさんはそんな部長に甘えるように身体を預けていて…
どう見ても恋人同士が二人楽しく散策しているようにしか見えなかった。
374:名無しさん@秘密の花園
09/11/02 02:54:27 XDpVaW0+
「あはは…やっぱりそうか…」
先輩は窓の外を眺めながらつぶやいた。
その顔はなんだか今にも泣き出しそうだった…
(そっか…先輩は部長のことを…)
なんとなく気がついてしまった… さっきまでの自分と同じだったから…
「せんぱい…」
あたしは、ちょっと震えていた染谷先輩の手をとり、両手でぎゅっとにぎりしめた
本当はあたしにしてくれたみたいに頭をなでてあげたかったけど、手が届かなかったから…
「ゆーき…ありがとう。」
泣きそうな顔を隠すように、先輩はにぎりしめた手を握り返してくれた。
そして、ぽんぽんと私の頭を叩く。
「なにもしてないぢぇ」
「いいや、いっぱい元気をもろうとる。」
先輩はぎこちないながらも、微笑み返してくれた。
その、どこか憂いのある笑みに心がどきりとする…
「さ、さあ、、フルーツ牛乳のみにいくじぇー!」
照れをかくすように染谷先輩の手をひっぱり歩き始めた。
いつかこの先輩を心から微笑ませてあげたい、、 そんな風に思いながら…
375:名無しさん@秘密の花園
09/11/02 02:55:01 OMX3q/Ac
>>336
GJです
続きがあるなら見たいですね
>>350
GJです
なんか先がすごく気になりますね
ていうかともきー何やってるんだ
>>355
ちょっと物足りないけどGJです
続き期待してます
>>370
GJです
いよいよ>>187のラストにつながるんですかね
376:名無しさん@秘密の花園
09/11/02 02:58:45 XDpVaW0+
以上です。
なんとなく咲のどがくっつくとゆーきが可愛そうだな、と思って
なぐさめてくれる人は誰かなと思って書きました。
まこはやっぱり部長が好きなんだろうなとは思ったけど
部長は天性のジゴロだから、なんとなくここも報われなさそうな雰囲気だし…
という事で、何かきっかけさえあったら、この二人って案外しっくりくるんじゃないかなぁと…
377:名無しさん@秘密の花園
09/11/02 03:09:42 OMX3q/Ac
>>376
GJです
確かに割としっくりくる組み合わせですね
勢いで書いたとのことなので難しいかもしれませんが続き期待してます
378:名無しさん@秘密の花園
09/11/02 06:00:24 j8S+YZVd
なんか前スレ終盤辺りから急にどうでもいいスレになっちまったな、ここ
もう去るか
379:名無しさん@秘密の花園
09/11/02 08:03:03 yZ47qzDL
>>370
GJ!菫さん、Presentforyouとかハートとかス・ミ・レとか張っておけば良かったのにw
>>371
いえ、昨日ブロックされて書け無かったですがこれ
前々前(?)スレのはじめちゃんと国広くんネタを見た時に浮かんだ話です
限りなく遅くなりましたが、だからピクドラとかそんなの知らないです
メ○モちゃんとネタが被っていたら申し訳無いです><
>>376
GJ!タコスは本当可哀相だなって思う。まこと合えば良いな
380:名無しさん@秘密の花園
09/11/02 10:47:52 y8WkrkBO
>>378
確かにな…俺はもう少し傍観してるよ
381:名無しさん@秘密の花園
09/11/02 11:28:10 G3xQ8O3E
むっきー視点という意見に感化されて続編書く意欲が湧いたので勢いで南浦さんとむっきーの続編書きました
前作の続きでむっきー視点SSエロなしです
※初めてモモを作中に登場させたので、ちょっとキャラ違うかもしれないです…次スレからスタート
382:「変化」 1
09/11/02 11:29:26 G3xQ8O3E
「おーい!むっちゃんせんぱーいっ?」
「…あっ、ごめんごめんっ」
東横さんに声をかけられて、はっと我に返り牌を切る。
「あっ!それ、ロンです」
「あ…」
「あーあ。むっちゃん先輩、やっちゃいましたね…」
しまった…。ぼーっとしていたら、妹尾さんに振込んでしまった。
なんで、ぼーっとしていたのかと言うと…。
私の可愛い彼女のことを、考えていたからだ。
先輩達が引退して、私が新部長を任されたというのに、全く情けない話だ。
「睦月ちゃん、ぼーっとしちゃって、どうかしたの?」
「いや…なんでもないっ。」
「そう…?」
「うん…」
「むっちゃん先輩。今日はもう、このへんでお開きにしませんか?時間も時間ですし」
「ああ…そうだね」
東横さんに言われて、私達は部室の片付けを始める。
「では、お先に失礼しますう」
「お疲れ様です、かおりん先輩!」
「また明日ね、妹尾さん」
片付けが終わって、妹尾さんが先に帰っていった。
でも、もうやることは何もないのに何故か東横さんは一向に帰ろうとしない。
「東横さんも、もう帰って良いんだよ?」
「むっちゃん先輩…」
「はい?」
「さっきボーッとしてたのは、ずばり、恋っすか!?」
「うわあっ…!」
急に東横さんが、ぐいっと私に迫ってきて驚く。
「え…ええと、その…」
「恋なんですねっ!?」
「んんー…。まあ、そうなるかな…?」
やっぱりーっ!と、彼女が言う。なんだかテンションが上がっているようだ。
ニコニコと嬉しそうに、笑顔を私に向けてくる。
そう言えば、東横さんは加治木先輩とそうゆう関係だったんだけ…。
383:「変化」 2
09/11/02 11:32:46 G3xQ8O3E
「でっ!相手は誰なんすかっ?この学校の人ですか?あっ!もしかして、かおりん先輩だったりして…!」
へっ…?
「いやいや、ちょっと待って!全然違うから…っ」
全く関係の無い人の名前を出されて、少し焦る。
何故彼女はこんなにも興奮しているのだろう…
「ええーっじゃあ誰なんですかっ?教えて下さいよっ」
むむ…。困ったな。このまま黙ってたら、明日も明後日も永遠に追及されそうだ。
私は彼女に聞こえないように、小さくため息をつく。
あんまり、自分の恋人の話をペラペラと口に出すのは気が乗らないけど…。
しょうがない、少しだけなら良いかな。
「夏の大会で個人戦に出てきた南浦さんって覚えてる?」
「なんぽさん…?ええっと…。あっ!あの、途中までは三位だった南場から異常に強くなるって噂の人っすか?」
「うん、そう…東横さんと同じ一年生だよ。」
「へーっ…そうなんですか。他校の人だったんですね。意外っす。もう告白はしたんですか?」
「うん。一応、今は恋人ってゆうか、お付き合いしてることになるかな…」
「きゃーっ!素敵っす!写真とか無いんですかっ?」
「ええー?無いよ…」
「そうですか…残念。」
「東横さん、なんだか今日はいつもよりテンション高いよね…」
「そりゃあ、恋バナともなると熱くなりますよーっ」
「そ、そうなんだ」
ランランと目を輝かせている彼女を見て、本当にそうなんだなと思った。
「ところで、むっちゃん先輩はもう、その彼女さんとエッチなことはしたんですかっ?」
「……え?…ええっ!?」
ずいぶんストレートに質問をしてくるな…。普通、そういった話は他人にはしないものなんじゃないのかな…。
よく分からないけど。
でも、さすがにこれ以上、私の可愛い彼女の話を一方的にする気にはなれない。
ましてや、夜のことなんて…。
「東横さん…時間も遅いし、とりあえず学校を出ない?」
「あっ、それもそうっすね…」
しかし、なんとか学校を出たのは良いけれど、東横さんとは途中まで帰り道が一緒のため、早速さっきの会話の続きが再開されてしまった。
「でっ………えっちな事はしたんですか?」
384:「変化」 3
09/11/02 11:34:03 G3xQ8O3E
道にはポツリ、ポツリと、まだ学校の生徒が数人歩いていて、少しは気を使ったのか、こんどは小声で質問してきた。
だけど…参ったな。
「その前に…。東横さんは、どうなの?」
加治木先輩は同じ学校の人だ。さすがに、私と面識のある人の話はしないだろう。
私は、それは言えないっす…と返事を返されるのを予想して、なら私も言えないよ。と、答えるつもりだった。
「先輩のことっすか…?」
「うむ。」
「……………」
急に、静かになる。ほら、やっぱり言えないよね。
「先輩は…すごく、上手っすよ…?」
「えっ……?」
まさか、話すんですかっ?
「でも、私も攻めるのが好きなんで…最近は先輩に受けに回ってもらってるっす…」
「へえ、そうなんだ…」
「先輩の声、可愛いんですよっ。いつもはあんなに凛々しくて格好良いのに…あの甘い声とのギャップがまた、最高っす!」
はあ…加治木先輩…。
東横さんが私にこんなことを話しただなんて知ったら、もう私と喋れなくなるんじゃ…
そう思うと、少し先輩に同情してしまう。
でも、この二人は性格が全然違うのに、誰が見ても分かるくらい仲が良い。
先輩は、そう簡単なことでは怒ったりしないんだろうな。
「で…っ!」
「はい…」
「むっちゃん先輩はどうなんですか?」
また、ニコニコと可愛らしい笑顔をこちらに向けてくる。
聞きたかった訳じゃないけど、加治木先輩の話も教えてもらったことだし、これで私が話さなかったら、やっぱり不公平になるよなぁ…。
はぁ…しょうがない。
385:「変化」 4
09/11/02 11:36:02 G3xQ8O3E
「私は、こないだ二人で温泉旅行に行ってきたんだ。その時にちょっとだけ…ね。」
あの時の数絵の姿を思い出して、顔が熱くなる。
数絵…本当に可愛かったな…。
「へえー…。宿泊先でしちゃうなんて、むっちゃん先輩もなかなかやりますね…っ」
ニヤニヤと、東横さんが私の顔を見つめてきた。
ああ、恥ずかしい。もう嫌だ…。
その頃、ちょうどタイミング良く私達は分かれ道へと着いた。
「はい!この話はここまでです。私はこっちだから、また明日ね」
「ああーっ。もう着いちゃったっすか…残念っ」
「うむ。もう暗いから、気を付けて帰ってね」
「はーいっ。それではまた明日っす!」
「うん、またね」
ふう… ―
やっと、解放された…
しかし、驚いたな。普段は静かで存在感も薄いのに、恋愛の話となると、あんなに変わるものなのかな…。
東横さんと数絵は、同じ一年生だけれど数絵は東横さんに比べたら、やはり少し大人びて見える。
東横さんと別れてから、何分か歩いて駅に到着し、私は電車に乗った。
そして電車に揺られながら、個人戦が終わった後のことを思い出す。
そう言えば、数絵とこの電車の中で再会したんだっけ。
なんだか懐かしいな。
椅子に座って本を読んでいた彼女。
その姿は、私より年下とは思えないくらい大人っぽくて、そして、美人だなと思った。
386:「変化」 5
09/11/02 11:39:48 G3xQ8O3E
彼女と会ったのは、あれが二度目だったけれど、正直に言うと一目惚れに近いものだった。
もっと、彼女のことを知りたい。そう思って、気が付いたら連絡先を聞いていた。
その後は、もう無我夢中だった。
なんとか二人で会う約束をとりつけたり、メールや電話もたくさんした。
彼女のことを、知れば知るほど、可愛いと思った。そしてどんどんと惹かれていったのだ。
ほんと、思い切って告白して良かったな…
その時のことを思い出して、私は少し感傷的になる。
数絵、今なにしてるかな…。
何だか無性に数絵の声が聞きたくなり、電車が駅に到着してからは、少し早歩きで家へと帰った。
家に着き、すぐに自室にこもって私は早速、数絵に電話をかけてみる。
プルルルルッ―
プルルルルッ―
コール音を聞いている時の、ちょっとした緊張感も、電話をする際の楽しみの一つだ。
「はい…もしもし」
「あっもしもしっ…こんばんは」
「ふふっ…こんばんは。どうかしたんですか?」
電話越しに聞こえる彼女の声が、とても愛しくてたまらない。
「数絵…大好きだよ」
「……………………………」
あっ、黙っちゃった。
今頃、顔を真っ赤にして恥ずかしがっているんだろうな。
安易にその姿を想像することが出来て、なんだかちょっと可笑しくなる。
「もしもーし、数絵さーん?聞こえてますか?」
「き、聞こえてますよ!電話をかけてきたと思ったら、いきなりそんな事を言うなんて…。びっくりするじゃないですかっ!」
「あははっ。怒らないでよ。」
「怒ってません…」
387:「変化」 6
09/11/02 11:42:08 G3xQ8O3E
はあ…
ほんと、可愛いな。
「大好き…」
「……わたしも…です」
「うん、ありがとう。」
「あの、睦月さん」
「ん?なに?」
「次の土曜日、私の家に遊びにきませんか?夕方までなら両親が出かけていて居ないんです…」
「あっ本当に?じゃあ行こうかな」
「はい、是非。」
その後は他愛もない話を少しして、これから夕食だからと、言われて電話を切った。
数絵から私を誘ってくれるなんて…。嬉しいな。
以前までは、私ばかりが彼女を誘っていたけれけど、今は違う。
ちゃんと、彼女の方からもデートなどに誘ってくれるようになった。
そういった、些細な変化に気付き、嬉しくなるのも恋愛を楽しいと思う内の一つなんだろう。
でも、数絵は自分が積極的になれるようになったのは私のおかげだと、前に言っていたけれど、今考えればそれは少し違うかもしれない、と思う。
だって、それは数絵自身が努力をして克服したものなのだから。
こないだの温泉旅行の時。勇気を出して私と…したいと言ってくれたのは本当に嬉しかったな。
あの日、私達はお互いを感じて、再び愛を確かめあったんだ。
まぁ、まだまだ恥ずかしがり屋さんに変わりはないのだけれど。
でも、そこがまた愛しい。
可愛いくて仕方がないのだ。
はぁ…まただ。
気が付いたらこうやって、数絵のことばかり考えている。
部活では対局に集中するように、もっと部長らしく、頑張らないと…。
でも…土曜日、楽しみだな ――
388:名無しさん@秘密の花園
09/11/02 11:46:09 G3xQ8O3E
以上です。
タイトルは「変化」
むっきーとモモの絡みとか、本編で見たことないのでむっきーがモモのことをなんて読んでいるのか、分からなかったんですが、モモちゃん、や桃子さんでは無いと思ったので東横さんで。
なんか、このままむっきー視点で話を進めていったら、数絵にベタ惚れの描写ばかりになって、いずれむっきーを変態さんにしちゃいそうでちょっと怖いです。笑
では携帯から失礼いたしました。
389:名無しさん@秘密の花園
09/11/03 02:26:16 lZ3Uwlfn
かけるかな?
390:名無しさん@秘密の花園
09/11/03 02:59:13 lZ3Uwlfn
>379
ごめんなさい、ネタがっていうか、赤い薬と、青い薬ってだけです。
チビとーかの続き期待してますので、頑張って下さい。
391:名無しさん@秘密の花園
09/11/03 03:16:09 rssQ9Q8L
>>388
GJ
思いきって時間戻してしまうってのはどうですか
咲照の話みたいに同じ話を別視点でって感じで
とりあえず今回の話の続きも他のネタも期待してます
392:名無しさん@秘密の花園
09/11/03 20:58:27 OSaZQGSY
エロい描写って書くの難しいですよね。
なかなか筆が進まない。
上手に書いている方のSSを見ると本当に尊敬します。
393:名無しさん@秘密の花園
09/11/03 21:28:38 xBTsF3Wi
俺はエロ百合小説から学んだw
394:名無しさん@秘密の花園
09/11/03 21:36:49 ZdXuVj0h
まず上手なSS、小説を探すのがめんどい
いくつか見つけたらまぁ参考にすればええんやけど
395:名無しさん@秘密の花園
09/11/03 21:58:14 rLIaFjiQ
友達と恋心のタコスバージョンを書いてみた
優希→和咲
な感じで4レス程借ります
396:友達と恋心 Ver.優希
09/11/03 21:59:26 rLIaFjiQ
のどちゃん、知っているか?
友達から恋は始まるんだじぇ。
私もその例外ではないんだ…。
「か、片岡さん?」
「ん、優希でいいじょ、のどちゃん♪」
「の、のどちゃん?」
思い出すなぁ…。私がのどちゃんと出会った頃を。
揺れる綺麗な桃色のツインテール。
綺麗な立ち振る舞い。
初めて会ったその日から…きっと私は恋してた。
「優希?」
「え?」
「どうかしましたか?手が止まってます。」
そうだ、今は部活中でのどちゃんと咲ちゃんと京太郎の4人で打ってたんだった。
「ごめんごめん。」
私としたことが…集中力を欠くとは。
ねぇ、のどちゃん。
のどちゃんね、咲ちゃんと会ってまた変わったんだじょ。
私と会ってからも変わったけど。でも、それはただ表情が柔らかくなっただけ。
今ののどちゃんはね、恋をしてるんだじょ。
「優希?」
「優希ちゃん調子悪いの?休む?」
また手が止まっていたらしい。
確かに少し休ませてもらった方がいいかな。
「うん。タコス力が切れたみたいだじょ。ちょっとひとっ走りしてくるじぇ!!」
そんな風に、いつもみたいに明るい私で応じて部室を飛び出した。
ずっとずっと変わらないと思ってた。
私にとっての1番はのどちゃんで、のどちゃんにとっての1番は私だと。
「まーなんだ。進路に悩んだらうちに嫁にくるといいじょ。」
半分冗談で半分本気で言った言葉に
「それもいいかもしれませんね…」
なんて返してくれた。
あの真面目なのどちゃんがそう言ったんだ。
本当は嬉しくて嬉しくて嬉しくて、だけど素直に嬉しいって言えなくて冗談っぽい言葉にしちゃった。
「もじもじしてもいいかな!?」
397:友達と恋心 Ver.優希
09/11/03 22:00:19 rLIaFjiQ
正直ね、期待してたんだ。
のどちゃんも私のことを好きでいてくれてるって。
清澄に行くって言って、のどちゃんもそうした。
期待しないはずないじょ。
「高校に行ったらきっとまた新しい友達ができるじょ」
のどちゃんに出来たのは新しい友達じゃなくて、私よりも好きな人。
私ね、素直にのどちゃんの恋を応援できないんだ。
「あ、優希!探しましたよ!」
タコスを買いに行くなんて嘘をついて、屋上にいた私をこの人は探しにきてくれた。
「購買にもいなかったですし。」
「なんで?なんで私を探しにきたんだー?」
まだ部活が終わる時間ではない。なのに、なんで?
「今日の優希、ちょっと様子がおかしかったものですから。」
ねぇのどちゃん。
のどちゃんがそうやって優しくしてくれるからさ、なんか胸の辺りがギリギリと痛むんだ。
「何か、あったんですか?」
「…なんもないじょ。」
堪えなきゃ堪えなきゃ。泣いちゃだめだ。泣いちゃ。
「優希…?」
「ねぇ、のどちゃん。」
「はい?」
なんでこんな話をしたんだろう?
「好きな人いるか?」
のどちゃんは頬を真っ赤にした。
もうそれが答えだった。
「ゆ、優希はどうなんですか?」
「…いるじょ。」
「え、誰なんですか?」
「こればっかりは言えねえなぁ。」
のどちゃんだじょ。
中学の時から、初めて会ったその日から、ずっと…。
「のどちゃんの好きな人って……」
ねぇ、のどちゃん。知ってる?
好きな人が出来ると気付くと目で追ってたりすることがあるよね。
それでさ、知りたくないこともわかっちゃうんだ。
のどちゃんが恋をしてることも、その恋の相手も。