09/10/20 01:06:38 +KnFwpss
>>528はもう結構です。
530: ◆ZU7CldKWo2
09/10/20 01:18:47 9LW3aVV0
こんばんは。
コメントをどうもありがとうございます。 密かにこのシリーズが目指していたのは――特に美希編からは――
「淫靡」というイメージだったので、そういった感想を頂けて個人的には大変嬉しかったです。
その他の皆様も、コメント、ありがとうございました。
黒ブキさんのSS、大輔をそういう風に使うとは――一つ勉強になりました。
保管庫管理人さん、いつもありがとうございます。
継続SS関係、ありがとうございます。本当にお世話になっております。
さて。
最初は自分がエロに挑戦するというだけで書き始めたこのシリーズ、ここに来て 長編化の様相を示してきております。
『Eas of Evanescence VI』
美希せつです。R-18。物語でいえば、起承転結の承、かな?
531: ◆ZU7CldKWo2
09/10/20 01:26:39 9LW3aVV0
公園の片隅に、一人の少女が立っている。
時折、腕にはめた時計を眺めては、辺りを見回している。誰かがその姿を見ていれば、待ち合わせをしていると
容易に想像が付いただろう。だが同時に、首を傾げるかもしれない。どうして、こんなところで、と。
公園の、片隅。誰も来ないような場所。しかも彼女が立っているのは、公衆トイレの前なのだから。
少女自身、早くここを立ち去りたいと思っているのだろう。そわそわと落ち着きが無い。
やがて、彼女に取って永遠にも感じられる程に長い時間の後。
「お待たせ――美希」
かけられた声に、しかし、美希は顔をしかめる。その表情に、待ち焦がれていた人間が現れたことによる安堵や
喜びは無く、ただただ嫌悪ばかりが溢れていた。
それでも、声をかけた少女は、嬉しそうに微笑む――その微笑みの中には、妖しくも暗い感情が透けて見えていたのだけれど。
「さ、見せて?」
主語を省いたのは、それでも美希には伝わると知っていたから。その言葉に、彼女は顔を屈辱に歪める。気の強い
少女がわずかに涙目になっている様を見ながら、少女は――東せつなは催促をする。
「ほら、早く」
彼女の台詞に、美希は仕方なく、ロングスカートの裾をつまみ、ゆっくりと持ち上げる。露になる真っ白な膝、
太もも、そして――秘所。彼女の髪の色と同じ濃い蒼色の恥毛が、吹く風を受けて微かに揺らぐ。
「ちゃんと、言いつけは守れたみたいね」
言いながらせつなは、美希の太ももをそっと撫でる。ビクッ、と美希は体を震わせるが、何も言わない。
下着を着けてくるな。
呼び出しと共にメールに書かれていた命令に、美希は愕然とした。だが、すぐに諦める。ある意味で、想定の範囲内
だったから。
もう何度、せつなに抱かれたか。彼女自身、わからない。
ことあるごとに、彼女は美希を呼び出す。呼び出して、その体をいたぶる。飽きるまで、あるいは美希が力尽きるまで。
徐々にエスカレートしていく要求に、何度、心が折れそうになったことだろう。もう許してと言いそうになっただろう。
それでも、美希は決して、負けなかった。
未だ嬌声は、口にしていない。体がどんなに熱くても、何度、絶頂を経験させられても、決して。
無論、それがせつなをさらに過激な行動に走らせているのだと、美希もわかっている。
それでも、負けるわけにはいかないのだ。ラブと、祈里の為に。
だからこそ、下着をはかないで街を歩き、ここまで来た。
そして感じたのは、いつも身に着けているものが無いことが、こんなにも心細く思えるのか、ということ。誰かに
気付かれるかもしれないと恐れおののき、そしてそんな心配をしなくてはならない自分が情けなくて、悔しかった。
今日もまた、辱められるのか。この少女に。
532: ◆ZU7CldKWo2
09/10/20 01:29:24 9LW3aVV0
「さ、行きましょうか」
そんな彼女の葛藤をよそに、スカートの中から手を抜き出したせつなが歩き出す。
「どこに、行くの?」
低く、冷たい声で尋ねると、彼女は振り返りもせずに言った。
「いつも通り、私の部屋よ」
その答えに、美希はホッとする。このまま、街に出る等と言われるのではないかと思っていたから。もしもこんな
姿をしているところが見つかったら、どんな噂が立つか。
「ほら。早く」
苛立つようなせつなの声に、慌てて美希は彼女を追いかける。無駄に逆らう必要は無い。今はただ、虎視眈々と
逆転の機会を待てばいい――思いながら、隣に並び、せつなの顔を見て、美希は。
息を、飲む。
思いつめたような、横顔。目の下に隈があるのは、眠れていないのだろうか。余裕の一つも感じられない少女の
様子に、美希は思う。
一体、彼女に、何があったというのだろうか。
Eas of Evanescence VI
女性同士の睦み合いは、異性のそれとは違う。男が果てれば終わりなのに対して、女性は幾度でも高ぶることが
出来ると云う。無論、普通ならば、元々少ない体力が削られていくから、限度というものはあるけれど。
だがせつなことイースと美希のそれは、普通ではなかった。
イースは、時の許す限り、何度も美希の体を貪った。幾度も幾度も美希を果てさせ、それでも飽き足らぬかのように、
責め続けた。それは彼女がラビリンスの兵士として育てられ、体を鍛えられていることもあったかもしれない。
533: ◆ZU7CldKWo2
09/10/20 01:32:23 9LW3aVV0
だが一番の理由は、イース自身が達することが無いからだろう。
少女の体を支配しながらも、彼女は決して、美希に自分を触れさせない。
そのことが、美希には少し、意外だった。自分の言葉に従うように、と命令された時から、奉仕させられることも
覚悟していた。想像して、嫌悪感を抱いたけれど、逆らうことは出来ないだろうから、と。
だが、彼女の予想とは異なり、イースは一度もそれを求めてきたことは無かった。
感じていないわけではない。彼女が自分を責めている時に、その目が愛欲に曇っているのを、美希は何度も見て
いる。それでも、イースは自分の体を高ぶらせることを、美希に命じたりはしなかった。
だからいつも美希を責めるばかり。その分、責めは苛烈なものになるのだけれど。
そして、今日もまた。
「――――っ!!」
唇を噛みながら、美希は体を跳ねさせる。シーツを掴んだ手が、ギュッと強く握り締められて。
何度も何度も、繰り返し襲い来る波。その度に口から溢れそうになる声を、彼女は何とか抑え込む。
「フフ。またイッちゃったの? 感じやすくなってきてるのね、美希の体」
そしてイースの笑い声に、腸が煮えくり返る程の苛立ちと、その言葉が事実だということに悔しさを覚える。
普段ならば。
そう。普段ならば、だ。今日のイースは、少しおかしかった。
「――――――」
彼女は、何も言わなかった。いつものように陵辱を始めてから、ひと言も口にしていない。
そしていつもより、その責めが荒々しかった。いつもは強弱を付けながら胸を揉む手も、今日はまるで掴み取るか
のよう。痛みすら覚えるその責めに、美希はさすがに悲鳴をあげてしまうが、それでも彼女は止めようとしない。
まるで抱くことよりも、美希を壊すことの方が目的のようにも感じられて。
それでも。
「――っ!! ――っ!!」
数え切れない程に肌を重ねたことで知られてしまった弱点を巧みに責められ、その粗暴とも言える扱いにすら、
彼女の体は反応してしまう。催淫効果のある香りを使わなくなって、もうだいぶ経つというのに、だ。
534: ◆ZU7CldKWo2
09/10/20 01:34:30 9LW3aVV0
「――――――」
だが、それにしても。
今日の彼女は、明らかに普段と違っていた。開発されてしまった美希の体、そのの許容範囲を越えて、責め続けて
くる。
敏感過ぎる体をまさぐられても、嫌悪感すら抱かない。これまでのイースは、それをわかっていたからだろう、
美希が限界まで果てれば、少しの休みを挟んでいた。だが今日の彼女には、それすらない。
果てても、果てても。
波がひかぬ内から、責められて。
狂いそうになる。
それでも美希は、声を殺し、殺し続け。
その行為が、余計に自分の体力を削り、イースの嗜虐心をそそっているとわかっても、決してやめることなく。
結果、意識を保っていられる限界を越えて、暗い闇の世界へと沈み込んでしまったのだった。
それは、泥のような眠りだったのだろう。 目を覚ました時、美希は疲れが全く取れていないことをすぐに悟った。
だから、半分だけ目を開けて、辺りの様子を窺う。
眠い。とても、眠い。
今は、だから彼女の相手をしている余裕はない――だから、もう一度。思いながら、重い瞼を下ろそうとした瞬間。
「うん、そうね。そう思うわ」
『でしょ? やっぱり、せつなもそう思うよね~』
535: ◆ZU7CldKWo2
09/10/20 01:37:59 9LW3aVV0
耳に飛び込んできたのは、親友の声。電話の向こうにいるからだろうか、少しくぐもってはいるが、その声を聞き
間違う筈も無い。これは、ラブの声だ。
薄く目を開けて、もう一度、辺りを見回す。ぼんやりとしていたせいか、さっきは気付かなかったが、せつなが
椅子に座っていた。こちらに横顔を向けながら、電話を握っている。
『や~、やっぱりアタシ、せつなと話してると超タノシイ!! 幸せゲット、って感じだよ』
あまりに静かな部屋だから、だろうか。あるいは、ラブがはしゃいで大声になっているからというのもあるかも
しれない。ともかく、携帯から漏れるラブの言葉が全部、耳に入ってきて。
何、お気楽なこと言ってるのよ。美希は横になったまま顔をしかめる。ラブ、貴方が話してる相手は、あたし達の
敵よ。イースなのよ。
思いながら、彼女の横顔に目を向けて、美希は。
「ふふ。そうね。私も、ラブと話してるの、とっても楽しいわ」
また、息を飲む。
せつなは。
穏やかに、笑っていた。微笑んでいた。
けれどそれは、とても悲しそうで、苦しそうで。
まるで、涙を我慢しているかのように見えて。
『あーっと、そろそろお母さんのお手伝いしなきゃ。それじゃあね、せつな』
「うん、わかったわ、ラブ」
見たことのない、彼女の顔。イースの面影を全く感じさせない程に、切なさに満ちていて。
声は、楽しそうなのに。その唇は、悲哀に満ちていて。
『あ、せつな』
「なに、ラブ?」
『へへへ――大好きだよ、せつな』
その言葉を聞いた瞬間、彼女の目は、大きく見広げられて。口を何度も、開けて、閉めて。
何か、言いたそうな言葉がある筈なのに、それを我慢して。
最後に、ようやく彼女が答えた言葉は。
「ありがと、ラブ」
ただ、それだけだった。
そして通話が切れた後、せつなはぼんやりと手に持つ携帯を見下ろしている。
長い髪が、微かに流れ落ちて、横顔にかかり。
窓から差し込む夕焼けの光に、少女は赤く染まり。
美希の心が、震える。
敵の筈の、異世界ラビリンスから来た彼女が、まるで。
まるで。
弱い少女に、見えてしまったから。
536: ◆ZU7CldKWo2
09/10/20 01:41:24 9LW3aVV0
ということで、黒生駒でございました。
続きを楽しみにして頂ければ幸いなのですが、さて。
しかし、美希せつは書いてて楽しいですね。こんな暗い話であっても。
なにはともあれ。
宜しく御願いします。
537:名無しさん@秘密の花園
09/10/20 05:51:46 EE2DegkA
承ですか。…承ですか。あ~ああ。おもしろい。
WOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!
邪淫 荒淫 淫虐…やっぱり淫靡か。
538:名無しさん@秘密の花園
09/10/20 07:23:37 Zd9oeKeS
>>536
GJ!引き込まれるぜ…
続きまってます!
539:名無しさん@秘密の花園
09/10/20 07:27:44 EE2DegkA
>>537
わかりにくい書き方だったかもしれん。
続きが楽しみでしかたないゆ!
540:名無しさん@秘密の花園
09/10/20 07:56:35 xPHR7pFC
投下された職人さん乙でした!色々な書き方があって面白い!電車でニヤたり悶々と出来るのは、この板のおかげだよw
大輔ー、頑張って生きろよーw
541:名無しさん@秘密の花園
09/10/20 10:39:15 EycrkE18
>>536
せつラブよりも、せつブキよりも、せつ美希が長いところに生駒さんの愛を感じる訳でございます。
少しずつイースの黒い仮面が綻びはじめてきてますねー。どうなるのでしょうか。全裸待機どんとこい!
542:一路 ◆51rtpjrRzY
09/10/20 10:40:23 QK95p+9p
ちょっと来なかったらこの投下ラッシュ……皆さんホント乙&GJです!
>黒ブキさん
タイトルが似てるくらい別にOKじゃないです?ってもう変えちゃったんですね……orz
連絡遅れて申し訳ない……。
自分も保管庫見てて「せめてわたしらしく」とオチの感じ似ちゃったのに気づいて反省中でした。
保管屋さん申し訳ない…少し文章の順序変えました……orz
543:名無しさん@秘密の花園
09/10/20 16:03:48 EE2DegkA
あったか妄想は少し早かったんかな…。
544:名無しさん@秘密の花園
09/10/20 17:20:59 xPHR7pFC
>>543
ん?どーゆー事?
545:名無しさん@秘密の花園
09/10/20 17:37:31 EE2DegkA
>>544
や、ほら、寒くなるのもまだまだこれからって感じだから。
おれの力不足なのはわかるんだが、なかなかいい季節の妄想ができなくてさ。
546:名無しさん@秘密の花園
09/10/20 17:52:08 EE2DegkA
スレの皆の妄想が季節外れだ。なんてことでは決してないぞ!
547:名無しさん@秘密の花園
09/10/20 18:02:28 xPHR7pFC
思いの他、寒くない日中。公園でダンス練習に励むクローバーの面々。
着ていたジャージの上着を脱ぐ。
と、ここまで妄想してみたよ同志w
548:名無しさん@秘密の花園
09/10/20 18:06:02 09c8nj5c
>>531
GJ
本人にだけ判る恥ずかしい格好とか良いよね。
549:名無しさん@秘密の花園
09/10/20 18:31:14 TY816Fgn
逆に、夏や春の話を持ってくるのもいいんじゃないか?
四人でプールに行ってキャッキャウフフイヤンバカンみたいな。
550:名無しさん@秘密の花園
09/10/20 18:59:58 xPHR7pFC
思い出リターンズってやつか…。
春だとまだ3人のイメージが強いのかな?夏は合宿と祭りしか公式ないからなぁ。花火やプールで盛り上がれるな。キャンプも可。駅前のアイス屋もあったね!
551:名無しさん@秘密の花園
09/10/20 19:03:41 IhP3pwGa
>>549
海+潮風+せつな+白いワンピース+つばの広い帽子+生足+水しぶき+イヤンバカン…とかどうですかw(キャッキャウフフ相手はお好みでどぞ)
さてこんばんは。かなり秋風味、美希ブキのようなものを置いていきます。
ちなみに3-673イース→ラブを投下した者だったりします。
552:香る秋の約束(1/2)
09/10/20 19:04:59 IhP3pwGa
香る秋の約束
「いい香り…」
やさしく降っていた雨が止んで、太陽が再び地を照らし始めたころ、美希は瞳をとじて言葉をもらした。
「金木犀だわ…」
祈里もおなじように甘い風をあびる。
「もう、秋なのね」
「…美希ちゃんの香り」
「え?」
「わたしの中で、金木犀の香りは、美希ちゃんの香りなの」
「なぁにそれ。アタシ?」
「ちいさいころ…、小学生くらいのときかな」
祈里は木を見上げながらほほえむ。心のなかの美しいひとこまを思いだしていた。
「ちょうどこの場所で、ちいさな美希ちゃんがこの木を見上げてた」
「そんなことあったっけ?」
「わたし、声かけなかったの。ううん、かけられなかった」
美希も一緒に木を見上げる。
「だって美希ちゃんがすごく綺麗だったから。妖精かなにかだと思って」
「…妖精?それはまたずいぶんな」
「ふふっ。あの日もたしか雨上がりだったわ」
そよ風に踊る髪を耳にかける仕草。少女たちはほんのすこし大人になりつつあるのだろうか。
思い出話を、できるほどには。
「あのときの香り―雨上がりのこの空気。覚えてる。美希ちゃんはそのままずっと木の前にいたの」
「…好きなことしてると時間とか忘れちゃうのよね。ほらアタシ、香りにはうるさいし?」
冗談めいた声色でいうけれど。
「美希ちゃん、いつもいい匂いするものね」
「あ…ありがと」
「でも、香りだけじゃないの」
「え?」
祈里の睫毛がちいさく震える。
「金木犀の花言葉のなかにね、“初恋”っていうのがあって」
美希には祈里の言わんとしている気持ちがわかった。
「……祈里…」
「わたしにとっての初恋は、美希ちゃん。…あの日から、始まった」
553:香る秋の約束(2/2)
09/10/20 19:06:28 IhP3pwGa
蒼い瞳をかすかに揺らして、美希は祈里の手をとった。頬が秋の色に染まる。
「アタシの初恋も…ブッキー。あなたよ」
「ほんとう? うれしい…」
見つめあっていたけれど、なんだか恥ずかしくて、ふたりして目を伏せてしまった。
けれど祈里が顔をあげるときには、すでに美希の眼差しはまっすぐこちらに向いているのだ。
「いまも初恋は続いてるわ」
「……」
「好きよ、祈里。あなた以外のひとを愛したことなんてない」
「も…美希ちゃん、」
美希の真剣な表情に祈里はますます紅くなる。
「…わたしも、同じ。美希ちゃんだけが好き…」
恥ずかしくても伝えたい言葉。
美希は満たされたような笑みをうかべた。そして、言う。
「じゃあ、この木に約束しない?」
「約束?」
「これから先、蒼乃美希は山吹祈里だけを愛します」
「…!」
「ね、」
祈里を誘う、魅力的なウインク。実をいうと照れ隠しでもあった。
「…山吹祈里は、蒼乃美希だけを、愛します」
「約束ね?」
右手の小指を差し出す美希。
「うん、約束」
睫毛を涙でにじませながら、祈里も小指を差し出した。
秋の深まりを運ぶ風が、木の葉を歌わせる。
ふたりの熱さを知っていたのは、冷たい雨に濡れた金木犀の香気だけ。
以上です。なんかありがちですいません!
美希ブキはすでに恋人同士な設定で、この話のまえにちょっとすれちがいとかがあった感じに妄想してくださると助かりますw
過去の美希とブッキーは逆でもよかったかな?花の色的にも。
美希ブキ、好きだ。
ふたりともどこか大人っぽい雰囲気があると思うんだ。
レッツ美希ブキ!
読んでくださった方いらしたらありがとうございました!
554:名無しさん@秘密の花園
09/10/20 21:08:49 EE2DegkA
そうだ、おれは季節という概念に縛られていたんだ…。時を越えて羽ばたけ妄想!ww
>>553
GJ。秋の雨上がりって、風景がとてもきれいですよな。灰色の雲の隙間に、高く澄んだ蒼が覗いたり、雨跡に金色の陽光が煌めいたり。そして涼やかな空気には微かに甘くも切ない金木犀の香り…
うわ、自分きめェww
甘い香りが鼻先を掠めた気がした。もう一度GJ!
555:名無しさん@秘密の花園
09/10/20 22:57:35 oQi93ahE
>>黒ブキさん
解説も時にあった方がイイのかなって思う時もありますよ。
特に職人さんたちのほとんどが、感想を欲しいと思われてるはずだし。
魂込めて作った・考えた・ここがポイント!とか絶対あるはずで。
解説あれば念入りに読んでくれると思う反面、やはり感想が付かないと
ガックリきちゃうかもしれないし。
難しいトコですよね、、、
>>生駒さん
連日投下キター!読むだけでドキドキしてる自分がいて。
耐えて美希。今は一瞬でも、スキがあれば漬け込むチャンスは来るはずだから。
念入りに絡むのね、イース…。よほど美希がお気に入り?そりゃそうよ。
だって誇り高き戦士、キュアベリーなんですもの。
そう…。完璧なまでの悶え方で、あなたたちの絡みが僕を刺激するんだ。。。
はっ!まただ…。やはり、望んでいるのか?こうなる事をw
>>一路さん
自分も悩んだんですよ、実は。これだけの作品が投下され、今も進行形。
そりゃ似る物も出てくるはず。が、しかし!作られた職人さんは一人な訳ですよ。
なのでね、今回はタイトルをご指摘通り変えたんですが、旧タイトルは最後尾に
ちょっち改造して付け加えさせてもらった訳なんです。
あら、合作と似ちゃったんですね。お互い通じ合うものがあるんじゃないかしら?
>>553
ゆっくりとした時間、雰囲気、そして二人の愛。
解説を読んでから、もう一度振り返りました。
さらに感慨深い印象になりますよね。
自分が思うには、幼少期を振り返ることで二人の関係を確かめたんじゃないかと。
あの時のドキドキ感、それは今も変わってないんだよ?と。
そして初恋は実る。秋風、金木犀の香りと一緒に訪れた幸せ。
うん、美希ブキにもマンネリなんか全然ないね!
556:名無しさん@秘密の花園
09/10/20 23:00:48 oQi93ahE
>>551
この案件、お借りしても宜しいですか?骨組み2パターンあるんですが、
短編妄想の流れor白百合HYPER
どっちがイイですかねぇ?
557:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 00:13:48 5UBd1KpE
>>549見て思い出した。
みんな、来年のプリキュアカレンダー買った?
ちょっとネタバレだから嫌な人読まないで
7,8月のカレンダー
クローバーが水着なのに、一人だけパーカー着てるせつな
ラブに「泳ごうよ!」と誘われてる様子なのに、困った顔して笑ってる
日焼けがイヤなのか?もしやせっちゃんはカナヅチなのか??
みんなに水着を見られるのがイヤなのか???
それとも、パーカーの下は何も着てな(ry
気になる!!!!
558:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 00:39:51 Wk45Ffrc
>>557
買ったよん。僕の妄想なら、せっちゃんはスクール水着なんだ。
で、人前で肌を出すのに慣れてなくて困ってると。
がしかしだ。せっちゃん小悪魔になって、3人にオイル塗り塗り攻撃を
仕掛けるんだ。もう泳ぐとかの概念飛んじゃってw
反省。お詫びにせつな→美希発射します。何気にまだ2本目なんだなぁ、
このカップリング…
559:【恋~心ときめいて】MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/10/21 00:41:06 Wk45Ffrc
同い年とは思えないわ…。
読者モデルとして、華やかな舞台に立っている彼女。
着こなす姿も振舞いも、全てが〝完璧〟
頬杖をついて私は、美希が掲載されているティーンズ雑誌を読みふけっていた。
どうすれば美希みたいな女性になれるのだろう。
率直な気持ちだった。
すっかり生活にも慣れ、欲が出てきたのかもしれない。
それは
――女性――
としての目覚めだと把握するのに、さほど時間はいらなかった。
少女から大人へと変革する年頃。
14歳。
恋。
美希が掲載されている雑誌をしまい、国語辞典を開いてみる。
検索するのは〝恋〟
(1)異性に強く惹(ひ)かれ、会いたい、ひとりじめにしたい、一緒になりたいと思う気持ち。
「―に落ちる」
560:【恋~心ときめいて】MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/10/21 00:41:56 Wk45Ffrc
検索した内容をノートに書き写す。
そしてふと、考えてみる。
書き写した字を消していくと
異性に強く惹(ひ)かれ、会いたい、 「―に落ちる」
と言う言葉が残った。
自然と心の中で呟く自分がいて。
―美希に強く惹かれる、会いたい―
「恋に落ちた」と。
温かい気持ちが私を包み込む。
今頃、彼女は何をしているのだろう。
窓から見る外の景色はすっかり秋めいて。
入れておいた紅茶をそっと口へ運ぶ。
いい香りがする。心も落ち着く。
マグカップを両手で押さえ、胸元に近づける。
そうすれば美希に近づける気がして。
「これ、アタシのオススメなんだ!」
「紅茶?」
「そう。飲む前の香りと、飲んだ後に伝わってくる香りが違うの。」
「不思議な飲み物なのね。」
561:【恋~心ときめいて】MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/10/21 00:42:58 Wk45Ffrc
初めて二人でお買い物した時、帰り際に記念と言ってプレゼントしてくれた紅茶。
教えてくれた通りにお湯を注ぐと、凄くいい香りがして。
紅茶を飲み干すと、ゆっくりとした時間が私を招き入れる。
ベッドに横になり、瞳を閉じる。
「また誘ってもイイ?」
「え、えぇ。私なんかで良ければ…」
「なんかって言い方おかしいわよ。」
「……」
「せつなじゃなきゃダメなの。」
脳裏に焼きついて離れない彼女の言葉。
一人になってから気付いた
恥ずかしさ。
そして、――ときめき。
リンクルンにはまだ誰にも見せていない画像があって。
そっと口づけをしてみる。
私、顔真っ赤だろうな…。
そう思いながら、晩御飯まで少しばかり眠る事にした。
~END~
562:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 00:57:31 GYJwpMH9
――――――
言葉にできないキュンキュンっぷりですわ
563:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 01:06:39 54SGg6mw
>>553
GJ!読んでるこっちが照れたwなんという結婚式wレッツ美希ブキ!!
>>557
それと>>547で小ネタ書いていい?
564:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 01:12:46 YGyWeSUd
>>561
保管屋さんにときめきましたが何かw
さすがミスター白百合ですね。全裸待機命令発動でしょうか?
565: ◆ZU7CldKWo2
09/10/21 01:44:11 v09yXRkr
三日続けてこんばんは。
まさかの連投です。
鉄は熱い内に打て、SSは熱い内に書けと言いますしね。
明日も仕事が早いというのに、胸に生れた書きたいという衝動を止められません。
とはいえ、理性が制止をするので、今日は切りのいいところまで。
『Eas of Evanescence VII』
美希せつです――このシリーズ、途中から完全に美希せつになってきてますね。 反省はしませんが。
ちょとR-18。ほのぼのラブラブ作品の後ですが、暗い、かもしれません。
566: ◆ZU7CldKWo2
09/10/21 01:48:00 v09yXRkr
「せつな、最近、どうしてるのかな?」
ふぅ、と溜息混じりに放たれた親友の言葉に、美希は片眉を上げる。
「ホントに。やっぱり、占いのお仕事とか、忙しいのかしら?」
逆側からは、もう一人の親友が、やはり溜息と共に。
「二人とも、最近、せつなに会ってないの?」
何気ない風を装って尋ねると、ラブと祈里は同時に頷いて。
「電話では、時々、話すんだけどね。なかなか会えなくって」
「わたしも。メールは、ちょくちょく来るんだけど」
「......そう」
アンニュイな二人の表情を眺めながら、美希はテーブルの上のティーカップに視線を落とす。
感じるのは、安堵。彼女達の元に、せつなが現れていないのなら、それでいい。思っていると、携帯が鳴って。
「美希タン、電話、鳴ってるよ?」
「ん? ああ、多分、メールだから」
言いながら、リンクルンを取り出してメールを見る。
『五時に、館で』
書かれていたのは、ただそれだけ。
送り主の名前を登録していないから、メールアドレスが直接表示されている。恐らく、携帯を買った時から変えて
いないのだろう、アルファベットと数字がランダムに並んでいた。
それでも、美希にはこれが誰からか、わかっていた。もう何度、見たことだろうか。知らずその文字の羅列を
記憶してしまっていて。
いつものようにメールを消去してから、時計を見る。今は、四時半。これから行けば、間に合うだろう。
567: ◆ZU7CldKWo2
09/10/21 01:52:08 v09yXRkr
「ごめん。ちょっと、用事が出来ちゃった。また今度、ね」
「えー」
立ち上がって言う美希の言葉に、明らかにラブは不満そうな顔を見せた。彼女ほどあからさまではないが、祈里も
同じことを感じているようだ。
「最近、美希タン、付き合い悪くない?」
「そう? ダンスのレッスンは欠かさず出てるじゃない」
「そうだけどー」
ブーブーと唇を尖らせるラブを、まぁまぁ、となだめる祈里。二人が笑う、そんな優しい光景に、美希は思わず
笑ってしまう。
最近の二人は、また仲良くなってきてる。一時期の微妙な距離感が薄れているのは、そこにせつながいない
からだろう。
「は!! もしかして!!」
そんなことを考えていると、いきなりガタン、と立ち上がりながらこちらを見てくるラブに、美希はビックリして
目を瞬かせる。
「な、なに?」
「もしかして美希タン――彼氏が出来たとか!?」
「えぇっ!! そうなのっ!?」
顔を寄せてくる二人の勢いに気圧されながら、美希は両手を顔の前でパタパタと振った。
「ないない、そんなんじゃないわよ」
「ホントにぃ?」
「ホントにぃ?」
息の合った二人の言葉に、思わず彼女は苦笑する。
「ホントに、そんなんじゃないわ――それじゃ、あたし、行くわね」
まだ物足りなさそうな二人に別れを告げ、颯爽と歩き出す美希の背の向こうから、
「ねぇねぇブッキー、ホントだと思う?」
「うーん、どうだろう。美希ちゃん、モテるからね」
小鳥のさえずりのような明るい親友の声が聞こえてきて。
美希は、クスリ、と笑う。
そう。それでいい。
二人は、そのままでいて。
明るく、優しいままで。
やがて彼女は辿り着く。呼び出された場所に。
占いの館に。
Eas of Evanescence VII
568: ◆ZU7CldKWo2
09/10/21 01:58:13 NR2KvR/3
館の中に入ると、美希は、待合室を通り抜けて館の裏へと回る。このところ毎日のように訪れているから、勝手は
知っている。途中、この家の残りの住人であるサウラーとウエスターに顔を合わせないように気を付けながら、
やがて美希は目指す部屋の前に辿り着いた。
一つ、深呼吸をしてから、ゆっくりと扉を開ける。
「来たわよ、せつな」
後ろ手で、音が出ないように気を付けながら扉を閉める。
薄暗い部屋の中、ベッドの上に座る少女が一人。せつな、いや――イース。
彼女は、俯いたまま、身じろぎ一つしない。カーテンを閉め切っているせいか、その姿はぼんやりとした影にしか
見えない。
そしてイースは、何も言わない。訪れた美希の姿を見ようともしない。自分が呼び出したにも関わらず、だ。
彼女のそんな姿に、美希は眉を顰める。このところ、イースはいつもそんな感じだった。
目の下の隈は、日に日に深く、濃くなってきていた。その目には、ただ焦燥ばかりが溢れていて。
そして何より余裕の無さを感じるのは、抱かれている時だった。何かに追い詰められているかのように、ただ
激しいばかりの愛撫。最初に美希を犯した時のような笑みは、彼女には見られない。ただ狂ったように、責め
立てるばかり。
ふと、美希はテーブルの上に目をやる。そこにあるのは、一枚のカード。閉じた瞳が描かれたそれは、千切られた
部分が三つあるところから、元は四つの瞳があったのだろうと想像される。
そして美希は、それが何かをうっすらと察していた。
最近のイースが、プリキュアに差し向ける敵、ナキサケーベ。それを産み出しているのが、このカードなのだろう。
彼女に余裕が無くなってきたのは、ナキサケーベを呼び出すようになってからだ。
イースとしてプリキュアの前に現れる時も、ここで美希を抱く時も、追い詰められているかのような顔しか見せない。
そして、肉体的にも、疲労しているのだろう。彼女への責めは相変わらず苛烈だが、以前程には長くはなかった。
昨日など、美希よりも先に、彼女が眠ってしまって。
一体、何があったのだろう、彼女に。
――なに、考えてるのよ。
美希は心の中で、自分を戒める。どうしてあたしが、せつなの――イースのことを案じなきゃいけないのよ。
軽く唇を噛んで、美希はイースに近付いていく。
569: ◆ZU7CldKWo2
09/10/21 02:01:07 NR2KvR/3
「イース......」
声をかけた瞬間。
強く腕を掴まれる。
え、と思う間もなく、油断していた美希はベッドに引き込まれ、そのまま上にのしかかられる。
「な――」
声を上げようとした彼女のシャツを掴み、イースは力任せに両に開く。ちぎれ飛ぶボタン、あらわになるブラ。
「ちょっ!? やめなさ――」
「うるさいっ!!」
今までに無い乱暴な扱いに、さすがに抵抗をしようとする美希だったが、一喝されて、ビクッと体を震わせる。
逆らうことを許さないその雰囲気に、美希は思わず慄いてしまって。
何も言わぬまま、取り付かれたようにイースは彼女の服をはいでいく。そして、隠すものの何も無くなった美希の
体に、彼女はむしゃぶりつく。胸を揉み、乳首に吸い付き、舌を這わせ。
だがその全ては、あまりに唐突で、あまりに激しすぎた。だから、快感など、覚えるはずもなく。
こんなことは、初めてだった。
確かに、最初から激しく扱われたことが無いわけではない。だがそんな時でも、イースは美希の体に快楽を注ぎ
込もうとしていた。しかし今日は、何も感じなかった。ただ、痛みだけ。
「い、た――」
せつなの手が、美希の秘所に潜り込み、指を激しく動かし始める。が、そんな扱いをされていては濡れている
はずもない。そんなことに構わず動く彼女の強引さに、美希は悲鳴を上げる。
それでもイースは、手を止めようとはしない。
「やめ、て」
あまりの苦痛に我慢できず、美希は顔をしかめながら、イースの体と手を振り払おうとする。
だが。
「うるさい――」
先程とは打って変わって、静かな声。
だがそれは震えていて。強張っていて。
570: ◆ZU7CldKWo2
09/10/21 02:03:22 NR2KvR/3
「......イース?」
「うるさいうるさいうるさい」
嫌々と幼児が駄々をこねるように、イースは首を目いっぱい横に振る。振りながら、叫ぶ。
呆気に取られながら、美希は彼女を見つめる。気が付けば、イースが彼女を責める手は止まっていた。
「うるさいうるさいうるさいうるさい――うるさいっ!!」
何も音がしないにも関わらず、美希の胸に顔を埋めながら叫んでいたイースが、不意に顔を上げる。その顔に、
美希は思わず、息を飲んだ。
泣いているように、見えた。
唇は震え。瞳は揺らぎ。眉の端が落ちていて。
涙こそ、流れていなかったけれど。
彼女は確かに、泣いているように、見えた。
「――――」
声をかけようとして、戸惑う。一体、何を言えばいいのだろうか。
彼女は、敵なのだ。
その敵に、どうして手を差し伸べなければ――助けようとしなければならないのか。
「教えろ、美希!!」
そんな彼女の葛藤に気付かないまま、イースは美希に顔を近づけて、叫ぶように問いかける。
「どうしてあいつは――ラブは!! あんな風に、私を信じて、疑わない!?」
あ――
美希は、目を見開く。大きく、見開く。
その問いかけを聞いた瞬間、美希の心に訪れたのは、まぎれもない――
571: ◆ZU7CldKWo2
09/10/21 02:10:22 NR2KvR/3
というわけで、本日はここまで。
どうせ引っ張るなら、一番いいとこで引っ張れって、ばっちゃが言ってた!!
コメントを下さる皆様、そして保管庫管理人様、いつもありがとうございます。
あぁ、それにしても最近の私はせつ美希の虜すぎますねぇ。
では明日も頑張りましょう。
お休みなさいノシ
572:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 02:38:07 5UBd1KpE
>>563
557だけどおkっす
プリキュアカレンダーはネタの宝庫だと思ってるw
歴史のお勉強をしぶしぶやってるせっちゃんとかな
573:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 02:49:25 u4HHuimn
せつ美希GJ過ぎる!
574:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 02:56:04 54SGg6mw
>>572
サンクス。って言ってもリロードしてないうちに保管屋さんと生駒さん来てたのね……。
この二人の後に自分とか……投下し辛いな……。まあ突貫小ネタって事で。
ラブせつ、美希ブキです。笑って流してくれると有り難い……。
575:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 02:59:02 54SGg6mw
あたしとブッキーは二人で学校帰りに待ち合わせて、ドーナツカフェへとやって来ていた。
ラブとせつなは、宿題があるからって先に帰ってしまっていて。
「――付き合い悪いんだから……あの二人」
「ふふ……しょうがないじゃない。それとも、美希ちゃん、わたしと二人きりは……イヤ?」
軽く拗ねたようなブッキーの声に、あたしは慌てて言い返す。
「い、イヤなワケないでしょ!分かってるくせに!」
その言葉にクスクスと笑うブッキー。
なにかちょっと悔しくなって、あたしは続ける。
「――ママがまた旅行に行っちゃって、家に帰っても一人なのよ。だ、だからそんなのつまんないな、って
思って」
「はいはい。わたしで美希ちゃんのヒマつぶしの相手が務まればいいんだけど」
澄ました顔をして、ストローでアイスティーを飲むブッキー。
う……何よその見透かしたような言い方。
「大体、ラブとせつなの話でしょ!なにもクラスが一緒だからって、宿題まで揃って出る事ないわよ!」
「美希ちゃん、それは難クセって言うのよ?――う~ん、そうねぇ。でもあの二人仲……いいから」
そう言って、何かを思い出したように、彼女は顔を赤くする。
あたしも、あの二人の事を言っているうちに、ある出来事を思い出して――。
576:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 03:01:15 54SGg6mw
*
「あれ?せつなちゃん、なんでパーカー脱がないの?」
季節は夏。わたし達クローバーの四人は海へ合宿にやって来ていた。
練習の合間にミユキさんから許可をもらい、せっかく来てるんだし、って事で泳ぎに来たんだけど。
「――なんでもないわ。私の事は気にしなくていいわよ、ブッキー」
せつなちゃんはそう言ってパラソルの下から出て来ようとしない。
?なんだろう?もしかしてカナヅチとかなのかな?
……でもせっかく来てるんだし、――せつなちゃんの水着にも興味あるし……。
「――パーカーくらい脱ごうよ!ね?」
「ちょっと!や、やめてってば!!ブッキー!!」
半ば強引に彼女のパーカーを脱がせるわたし。
するとその下から出てきたのは……。
「!!!」
「だから、だから脱ぎたくなかったのよ……」
目を丸くするわたしの前で、顔を真っ赤にしてフルフルと振るえるせつなちゃん。
白いビキニを着た彼女の身体のあちこちには、行為の激しさを物語るように。
キスマークが点々と……。
「あ、ああ、そういうことだったんだ……」
逆に恥かしくなってしまい、顔を赤くして目を逸らすわたし。
「……ラブの―――ラブのバカぁ!!」
まるで青春映画の1シーンのように、せつなちゃんは海へと向かって叫んだのだった。
577:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 03:02:51 54SGg6mw
*
季節は秋。あたし達はいつものように練習場でダンスレッスンをしていた。
一区切りついた所で休憩に入ると、用意していたタオルで身体を拭く。
「……秋とは言っても、やっぱり身体動かすと暑いわよね……」
そう呟いて、あたしはジャージの上着のジッパーを下ろす。
……はあ、やだ、汗でびっしょりじゃない。
「どうしたのラブ?上着脱がないの?」
あたし以外の二人も上着を脱いでいるっていうのに、ラブだけは何故か脱ごうとしない。
「ははは……お、お構いなく~。あ、あたしそれほど暑くないし」
そう言うラブの顔は汗で光っていて。
「?なんでウソつくのよ……いいから脱ぎなさいって!風邪引くわよ!!」
「ちょ!美希たん!い、いいってば!!」
気温自体は下がってるんだから、身体冷やしたら大変じゃない。
嫌がって逃げようとするラブの襟首を鷲づかみにして、無理矢理にジャージを剥ぎ取るあたし。
「!!!!!」
「ふぇ~ん!!だからいいって言ったのに~!!」
真っ赤な顔でその場にへたり込むラブ。
その身体には、何かで縛られたような跡が赤く、くっきりと………。
「え、えーと……ま、まああんまり無茶な事はしないほうがいいわよ……」
引きつった顔で、ラブへと声をかけるあたし。
ううう、とラブは涙を浮かべたまま俯いて……。
「この間のお返しって、やりすぎだよ~!せつな~!!」
青く晴れた秋の空に、ラブの悲痛な叫びが響き渡った。
578:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 03:03:35 54SGg6mw
*
「……はあ。ラブとせつなにも困ったもんだわ。ホント」
わたしの前で、溜息をつく美希ちゃん。
二人の恋人ぶりというか、アツアツな感じには、いつもわたし達は当てられてばかりで。
「――うん……でも、なんかちょっと羨ましい、よね?」
「え!?や、やめてよブッキー!あたしはもうちょっとこうオシャレというか、落ち着いた感じの方が好み
だわ」
伺うようなわたしの台詞に、彼女は焦って首を振る。
美希ちゃんって、そういうのがいいんだ。けど、わたしは――。
「やっぱり、一緒に住んでる、っていうのが関係してるとは思うのよね……。二人っきりになる時間が多い
ワケだし……よ、夜とか………」
美希ちゃんは自分の想像に照れたのか、顔を真っ赤にしてオレンジジュースを口に運ぶ。
そんな彼女の様子が可笑しくて、クスッと笑うと、わたしはポケットの中から……。
「――美希ちゃん、これなーんだ?」
「!ブ、ブッキー、それって家の鍵――!?」
驚いて目を丸くする美希ちゃんの前で、わたしは彼女の家の鍵を軽く振って見せる。
「美希ちゃんのお母さんに頼まれたの。留守の間、女の子一人だと心配だから、って。だからね、美希ちゃん
―――」
悪戯っぽく微笑むと、冷や汗をかいている美希ちゃんに、わたしは甘えた声で言う。
「今夜一晩、よろしくね?」
579:一路 ◆51rtpjrRzY
09/10/21 03:05:27 54SGg6mw
おしまい。なんかすいません……orzまた酉忘れてた……。
580:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 03:43:02 7mpWfG4h
>>579
出ました出ました~!
いよいよ一路さんも禁断の18禁突入でしょうか!?続編はあるのか?あるよね、きっと。楽しみ過ぎる。
軽く小悪魔なブキたんと、翻弄されまくりの美希たんイイですなぁ~
581:一路 ◆51rtpjrRzY
09/10/21 03:51:38 54SGg6mw
あと、遅ればせながらこの間感想くれた方々、ありがとうございました。
>>421
あの運動会妄想楽しかったスね。発案GJ!またやりたい。
>>424
>なぜかせつなに完璧なキスをねだられるラブとか?
休み時間で、周りにはクラスメイト達がいるのに、みたいなのがいいな。
「……許して欲しいなら、今、キスして?」「せ、せつな……」みたいな。
>>432
「素敵に無様」ってフレーズに一目惚れです。見た瞬間あの話思いつきました。
美希たん三枚目所も完璧だと思うんだ…シフォン子守り回大好きだし。
>>557>>547
ホントすいませんでした……。
582:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 05:44:14 54SGg6mw
>>580
早っ!つ、続かないですよ。この流れでやらかしたかと思って凹んでるのに……。
でもつい出来心で…18禁注意って入れるべきだったかなぁ…。
583:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 07:41:58 YGyWeSUd
お見事な全裸待機命令発動でした。生駒さんも一路さんもありがとうございました。お陰で寒いですw
584:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 08:03:59 FlYxxvAR
>>569
GJ
>>578
GJ
是非続きを。
585:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 08:23:14 Cx04cEGb
>>581
蒼乃さんかわいいなあもうww
押せ押せな山吹さんもGJ!
「素敵に無様」な蒼乃さん… "素敵に無様"この言葉、実はキャラスレで見かけたものなんですよ。でも、一路さんの妄想の種になったようで、良かったです!
可愛くてちっちゃい娘が美人で背の高い娘を慌てふためかせるとか、すげーイイ…。
586:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 08:44:21 5UBd1KpE
>>581
自分>>557です。
ちょw 小ネタっていうから数行コント?かと思っていたら
すさまじいGJっぷり。おみそれいたしました。立派なSSですよ。
むしろ自分の妄想を拾ってくれてありがとうw
ちなみに、運動会ネタ振ったのも自分だったりしますww
587:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 10:06:59 YGyWeSUd
今さらでしょうが美希たん祭りですよねw
588:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 12:12:08 jBpJd+gQ
美人で他の子よりも背が高くて大人びててカッコよくて
勝気でお茶目でしっかり者で、そのくせちょっとドジっ子で
そして何より貧乏クジばっかり引いてしまう不遇体質
もう存分に弄ってあげて下さいと言われているようにしか…
次回も次回だしw
せっちゃんあたりから厳しいお言葉を頂戴するかも知れないな
それはそれですごく楽しみだが
でも、何故箱を無くしたかの理由を知ると…
神回の予感
589:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 12:42:06 Cx04cEGb
東さんの天然な言動に慌てふためく蒼乃さん。
山吹さんの有無をいわせぬうるうるオーラにしどろもどろになる蒼乃さん。
おれは素敵に無様な蒼乃さんが大好きだ!
桃園さんの…
なんだろう?
590:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 12:48:34 YGyWeSUd
ラブは美希たんに対して絶対の信頼感があるはず。言葉が無くてもわかり合える。親友でもあるし戦友でもある。常に最前線で戦う二人には絆がある。
わっはー!ガチ百合になっちゃったよー
591:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 17:41:02 7mpWfG4h
どんぐり王国の回で、
ミミズに怯える美希たんに惚れた自分から見ると…
完璧そうに見えて、よく知り合っていくと実は、
イロイロ突っ込みどころ満載な、
弱点ありまくりの美希たんがイイんですな。
592:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 18:03:45 54SGg6mw
タイトルと了忘れてた……どんだけ寝不足なんだ……。
巡る季節と彼女達~夏・秋~
この破廉恥な内容で無駄に洒落たタイトル……。
あと訂正個所を2つ程。
16行目 そう言って、何かを思い出したように、彼女は顔を赤くする
>宿題が無くても来たかしら?と言って、何かを思い出したように、彼女は顔を赤くする。
下から2行目
悪戯っぽく微笑むと、冷や汗をかいている美希ちゃんに、わたしは甘えた声で言う。
>悪戯っぽく微笑むと、動揺している美希ちゃんに向かって、甘えた声でそっと囁く。
で。意味が通りにくいのと、このほうがえっちぃかな、と思って。
保管いただけるのでしたら、あとで修正に伺います。
感想ありがとうございました!正直あの流れに置いて行ったから、怒られるかと思ってた……。
お礼は近々、ちょっと長いの置いてく時に。これの続きじゃないですよ!?
季節ネタを思いつかせてくれた>>543~>>551の方々にも感謝です。ビバ思い出リターンズw
593:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 18:05:00 54SGg6mw
保管屋さんにも一言お礼を。
自分も運動会妄想楽しんでたんで、ああいう形でまとめてくれると嬉しいですwでもあまりご無理なさらないよう。
それでもほぼ連日の投下GJです!保管庫の管理もあるのに…ご苦労様です。
昨日のも読んでキュン死するかと思いながら、途中「……興味深いな。パスワードを」って呟いてました。スレ違いですがw
長々と失礼致しました。ではまた。
>>591
そ れ だ !
594:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 18:36:27 Cx04cEGb
せつ美希では…そうだな、
2人とも勝ち気というか、負けず嫌いというか。なかなか素直になれんだろう。
普段はクールですげない、少しキツい言動をしつつも、時たま見せるデレデレな素振り。
強気な態度を保とうとしてるんだが、顔は真っ赤なんだ。
突然のことに美希たんも真っ赤っか。
どちらも勝ち気なスタンスを崩さないんだが、やっぱり2人の顔は真っ赤っか。
もしくは、
手をつなごうとするんだが、小指が触れ合うたびにびくっと離れる。小指が触れ合うたびにびくっと離れる…を繰り返したりな!その間2人とも顔を真っ赤にして、互いにそっぽ向いてたりな!!
595:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 18:46:12 7mpWfG4h
>>593
やはりそうですよねw
>>594
せつ美希はツンデレ、デレツンってことですね
わかりますw
美希たんまつりの中で大変恐縮なんですが、
思い出リターンズにあやかりまして、
ラブ×ミユキ18禁を投下させて下さい。
今しかない感じなので…。
お嫌いな方は回避お願いします。
596: ◆EeRc0idolE
09/10/21 18:47:52 7mpWfG4h
いつからだろう、こんな気持ち。眼を合わせると胸が高鳴り、声を聞くと心が躍り、言葉を交わすと幸せな気持ちになる。
わたし…あの子が好きなの?
バカね、相手はまだほんの子供じゃないの。おまけに同性でしょ。やめておきなさい。
理性は囁くけれど、あの子を前にするとそんなちっぽけなものはすぐに吹っ飛んでく。
ああ、やっぱり好き。
明るくて誰からも好かれる性格も、キュートな笑顔も、バランスの取れたスタイルも、みんなみんな大好き。
「ミユキさん…?聞いてます?」
「っあ!うん、聞いてる聞いてる。…で何だっけ?」
「んもー聞いてないじゃないですかぁ」
ラブちゃんは苦笑いして、わたしの肩を軽く叩く。
彼女にしてみれば、ただのコミュニケーション。なのに、触れられた肩が熱くてじんじんする…。
「じゃあ明日、ダンス合宿で。楽しみにしてますね!」
明日はラブちゃんと合宿かぁ…(正確にはあと3人いるのだけれど)。
まるで初デートの前日のようで、気分だけは浮かれている自分がいた。
597: ◆EeRc0idolE
09/10/21 18:49:17 7mpWfG4h
***********
合宿一日目は無事に終了し、皆それぞれ寝床についた。わたしも一旦はベッドに入ったものの、同じ屋根の下にいるあの子が気になり、とても寝付けそうにない。
もう一度シャワーを浴びれば寝られるかな…起き上がろうとしたその時………コンコンコン。ドアを叩く音がした。誰だろう?
「…ミユキさん、ラブです。入ってイイですか」
ひぇ!?なんでラブちゃんがわたしの部屋に?
「…返事がないけど入りますね」
薄暗い部屋にドアの開く音が響き、ぴたぴたと足音が続く。そのまま足音はベッドの中へと侵入してくる。
わたしは慌てて寝たふりをするが、ラブちゃんは今や心臓の激拍が聞こえそうな程の距離にいる。
不意に後ろから抱きしめられた。ラブちゃんのふたつの膨らみを背中越しに感じ、胸の高鳴りが一層激しくなる。
「…あたし、ミユキさんのコト…ずっと前から…好きなんです」
嘘でしょう!?こんなことありえない。好きな娘が自分のベッドに入り込んできて告白してくるなんて、こんな理想通りのシチュエーション、ありえるわけないんだから。
夢よミユキ!これはユ・メ!夢なのよ!
かたく眼をつむって自分に言い聞かせていると、抱きしめているラブちゃんの腕に更に力が込もり、わたしの耳元で囁くように語りかける。
598: ◆EeRc0idolE
09/10/21 18:50:16 7mpWfG4h
「ミユキさんの意地悪…起きてるくせに…」
そう言いながら、ラブちゃんは耳たぶを舌で舐め、わたしの胸に触りはじめる。わたしは寝る時にブラはしないのが常なので、もちろん今もTシャツだけ。
「あ…」
思わず声が洩れ、身体をよじる。
Tシャツの上から乳房をまさぐられ、敏感な頂きを摘まれ尖らされ、どんどん吐息が増えて大胆になっていく。
「ホラ…やっぱり起きてた」
わたしは何て言っていいかわからず、ラブちゃんの与えてくれる快楽をただひたすら、無言で貪る。
今の今まで、胸がこんなに気持ち佳いなんて知らなかった。
「みゆきさんすっごく色っぽいよ…。おっぱい感じるんだね」
ラブちゃんの言葉が快感を何倍にもする。大好きな年下の娘に、言葉で、指で、なぶられる。
歓喜と羞恥とがないまぜになり、身体を駆け巡る。
そのうちに、彼女の指はパジャマの下に伸びてきて、下着の上から秘部を擦りはじめる。
ラブちゃんがしやすいように自然と脚を開く自分に対し、急に理性が頭をもたげる。
このまま最後までいっていいの?あなたはこの子のダンスのコーチなのよ!おまけに女同士なのよ!
けれど、本音が理性に抵抗する。
たまたま好きになった相手が年下の女の子で、ダンスの生徒だっただけ。わたしだって好きなひとと愛し合いたい!
わたしは決意して、自ら下着を下ろした。
599: ◆EeRc0idolE
09/10/21 18:50:56 7mpWfG4h
「ミユキさん…嬉しい。あたしを受け入れてくれるんだよね」
嬉しそうに言うラブちゃんの言葉を聞き、たまらず叫ぶ。
「わたしも…ラブちゃんが好き!」
「嬉しい…もっと言って」
「好き…大好き…!」
ラブちゃんはわたしの前に周り込み、指でわたしのくちびるをなぞる。そういえば、すっぴんを見られたの、今日が初めてだ。
「お化粧してないミユキさんも…可愛い」
ラブちゃんは、わたしのくちびるに顔を近づけ、そっとキスした。
初めてのキスは、優しいけれど、長くて、甘い甘いものだった。
ラブちゃんはいったんくちびるを離し、わたしの瞳を見つめる。そしてもう一度、味わうようにくちづけてくる。
さっきとは打って変わって、激しく舌を絡ませ、強く吸われる。お互いの唾液が混ざり合い、口角からこぼれ落ちる。
ああ…なんて気持ち佳いの。今度こそ、理性は何処かに吹き飛んでいった。
キスされている間中、ラブちゃんの指は愛撫をやめようとはしない。
割れ目を直になぞり、奥から溢れ出した蜜を、突起した部分に丁寧になすりつけ、快感を塗りこめてゆく。
何度も何度も電流が走り、やがて大きな放電がわたしを貫いた。
「すっごく綺麗だったよ…」
ぴくぴくと下腹部を痙攣させるわたしを、ラブちゃんは抱きすくめ髪を梳く。
抱きしめあったまま、幸せな気持ちで朝まで眠った。
***********
眩しい…。
朝の光が差し込み、何も身につけていない裸体を照らす。
生まれたままの自分の姿に気づいて、夕べの出来事が頭をよぎった。
脚の間には、昨夜の蜜が乾ききらずに残っている。
くちびるに舞い降りる優しい感覚がして、顔を上げるとすぐそばに、照れくさそうにはにかむ笑顔。
夢じゃなかった。そこには確かに、愛しいラブちゃんの姿。
「―――おはよう、あたしの恋人」
…FIN…
600: ◆EeRc0idolE
09/10/21 18:52:22 7mpWfG4h
タイトル「真夜中の訪問者」で。
どこかミステリーちっくだな…
601:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 19:03:34 FlYxxvAR
>>598
GJ
夢落ちだと思っちゃうミユキさん可愛い。
602:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 19:46:43 Cx04cEGb
おいおい、まさかミユキさんがくるとは…。
可愛いじゃねえか…。
年上か~。そうだ、年上がいたんだな~
603:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 20:01:01 Fi6XKHe3
さすがにマンネリだなぁ…
604:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 20:12:37 nshYMjba
>>579
合作にしてくれてあざっす!まさか俺の妄想がw
最高すぎてキャッキャウフフですw
超GJ!!!
605:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 20:18:44 YGyWeSUd
>>603
どこが?初めてだよ、この組み合わせ。
606:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 20:55:56 FlYxxvAR
>>603
じゃあ、ノーザとか。
607:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 21:07:50 YGyWeSUd
ノーザに愛あるか?生駒さんの作品みたいにイースが愛に目覚めて行くならまだしもだ。
ドギツイエロや凌辱ばっかじゃ全然萌えない。
黒百合は相手を好きすぎてどうしようもなくなり、裏の顔が出るから面白い訳だ。
今回のミユキさんSSは白百合の新たな方向性が出たんじゃないの?作った人にマジ敬意。
608:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 22:11:53 as06QzIr
>>594
せっかく睦みあう段に至っても
どっちが上になるとかで揉める可能性があるなw
で、何だかんだで折れるのは美希
せつなは実は4人の中では一番甘えん坊なイメージ
この場合は何百合?
黒でも白でもないならば、赤百合とでもしておきましょうか
609:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 22:16:17 EkBX7ryc
>>606
「ねぇ、せつな。やっぱりノーザって強いの?ソレワターセは強かったけど、ノーザ自身の力は分からなかったよね。」
「そうよね。ソレワターセはウェスターも使ってきたし、実際どうなの?」
「わたし達の新しい力なら対抗できるよね!」
新たな敵ノーザの登場による不安からプリキュアの三人はせつなに詰め寄った。
「私にも実際の強さは分からないわ…でも伝説は幾つか聞いてるの。睨みだけで猛獣の群れを追い払ったとか、たった独りで国を一つ滅ぼしたとか…。
しかも男嫌いで女好きのドSで、ラビリンスの男たちの間では名前を口にする事さえ恐れられているのよ。女達の中では一部で人気があったけど…」
「!!せつなはどうだったの!?」
「私は別に…だから安心して。私はラブが大好きよ。」
「ワタシもだよ~せつな大好き!」
「オホン、話が逸れたわ。ノーザは滅ぼした国から女を連れてきて奴隷にしてハーレムを作ってるって噂もあったわ。だからみんなも気をつけて。」
「大丈夫!せつなはワタシが護るから!」
「美希ちゃんは渡さないわ!」
「ブッキーは未来永劫アタシのものよ!」
その頃ノーザは…
「イースったら露出の低い服になっちゃって…ほかの子も可愛かったわね。
へその子は縛ってイジメて、フワフワの子はイカセまくって、ツインの子はどうしようかしら?」
610:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 22:20:06 EkBX7ryc
ノーザは女好きでSな愛はあるって事でwww
そういえば、ウェスター以外はノーザの事を避けてますよね?
クラインもサウラーもノーザの名前を呼ばない…
611:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 22:38:54 54SGg6mw
ノーザ何者だよw多分ツインの子には逆に堕とされるから止めとけw
>>583!!>>596が見えているか!?
GJなのが投下された……ミユキさん絡みで…ラブ攻めだ……もう、もう服を着ていいんだよ………。
612:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 23:11:13 pczxUYsB
>>607
誰もお前の嗜好なんか聞いてねぇよ。
613:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 23:28:14 Wk45Ffrc
わんばんこ。ミスターですwじゃ早速
>>生駒さん
ビックリしたwラブさんの勘がズレててほっとしたり。。。
こんな関係バレたら…orz幼馴染みが一斉に修羅場と化す。
いやぁぁぁぁぁ!!!
イース。痛がってるじゃないか。そこに愛はあるのかい?
美希たん、チャーンスwww
イースからせつなに心情が変わっていましたね、今回。
物語はまだまだ続くぞ!ばっちゃナイス助言!
>>一路さん
ごめーん、投下しづらかったかな?でも初の合作、お見事でした!
合作ってそれぞれの想いや妄想などが詰まっているので、完成した時は
すっごく充実するんですよねー。いかがでしたか?お褒めのお言葉多くて
非常に良いお仕事でしたね!さすが〝職人〟だ。
と、修正しときました。自分はへっちゃらですよ。仕事の方が何千倍もしんどいですw
全ては百合板・同志のみなさんのため。フレッシュプリキュアって 最 高 だ
>>◆EeRc0idolE
す、すげぇ…。いきなりのミユキさんメインSS。しかも18禁だ…。
思いもしなかった展開。ラブさんから仕掛けただと!?
もしかしてラブさんは絶倫なのかw
「ミユキさんの意地悪…起きてるくせに…」 ←ゾクゾクってきた。時に少女は大胆になると…
保管場所なんですが、継続型になります。前作とはリンクしません(外伝的扱いでリンクも可です)
>>609さん、保管しますのでタイトルあればどぞー
てな訳で、すっかり忘れてたー!美希たん祭りでしたね!!!面目ない…
後ほど、保管庫に記念品投下しときますw
614:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 23:36:12 aLgXyFlf
ノーザはまだ情報が少ないからなー。逆に妄想も膨らむが
ラブと喧嘩してトボトボ夜道を歩くせつなをノーザが捕まえて
ピーがピーでピーしちゃうエロエロな展開も個人的にはありなんだぜ
ハードがお好みでなければ
ピーな寸前でピーチが助けに来てノーザを出汁にして絆を深めるのもあり
615:名無しさん@秘密の花園
09/10/21 23:51:00 fA42QBMr
現状ではノーザは「ただの悪役」だからなー。
少なくても人間体での振舞いをもうちょっと見せてくれないと。
個別キャラスレみたいに良い人設定にしちゃうと
最早本編とは別物のオリキャラって感じだし。
616:【パインのためいき】MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/10/22 00:39:31 R9jhWoV+
特訓回より。すれ違い場面参照、パイン→3人、百合極小、暗めですので
嫌な人は回避して下さい。
―みんなが悪いような言い方しなくても―
あ~あ…。何であんな事、言っちゃったんだろ……。
普段なら笑ってごまかしたり、ドタバタしながら空気を変えたりするのになぁ~。
みんなで楽しく帰るはずだった道には、わたしの影しか無くて。
…はぁ…
何度ため息をついたのだろう。歩く速度もだんだん遅くなり、わたしは
等々道の真ん中で止まってしまった。
今戻ればピーチに謝れるかな。許してくれるのかな。
ベリーの所へ行けば、わたしを励ましてくれるのかな。一緒に帰ってくれるかな。
パッションはわたしを理解してくれるのかな。笑顔で迎えてくれるのかな。
…はぁ…
またため息。答えなんて出る訳なくて。おまけに後悔ばかりが頭をよぎって。
617:【パインのためいき】MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/10/22 00:40:15 R9jhWoV+
でも、わたしだって意地がある。わたしは〝キュアパイン〟
シフォンちゃんを助けたい。
強くなりたい。
そして……、みんなを守りたい。
それは、わたしがみんなの事を―――愛しているから。
ピーチのためにも。
ベリーのためにも。
パッションのためにも。
みんなの役に立ちたい。その一心で、辛い特訓にもチャレンジしよう!って決意出来た。
なのに.....
一人で帰る夕暮れの通り。再び歩き始めようとするが、秋風がわたしの心まで寒くして歩幅が大きくならない。
どうすればいいんだろう…
帰宅してからのわたしはずっと部屋に閉じこもったきり。食事も喉を通らなかった。
いつも一緒にいる事が当たり前だと思っていたのに。そう信じていたのに。
初めての言い争い。戸惑い。そして、悲しみ。
…はぁ…
618:【パインのためいき】MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/10/22 00:43:16 R9jhWoV+
普段は必ずと言って良いほど、みんなからメールが届いたり電話がかかってきたりする。
それすら今日は無い。無理も無いのはわかっているんだけど…。
やっぱり寂しい……。
わたしからしようと試みてはいるものの、さっきからリンクルンを握ったまま眺めているだけ。
やっぱりわたしは、一人じゃ生きていけない。愛されていたいし、愛していたい。
明日みんなに謝ろう。強くなるのはその後でも遅くないと。
みんなの事が大好き。みんなを愛している。みんな、わたし信じてるよ。
みんなはわたしの事――
…はぁ…
もっと、自分に自身が持てればこんな事にはならなかったのかな…
~END~
619:名無しさん@秘密の花園
09/10/22 00:50:15 zOxYbDn2
>>618
やっぱりあの後はみんな
こういう気持ちになったんでしょうね。
反省するブッキーが健気ですわぁ。
620: ◆BVjx9JFTno
09/10/22 01:00:46 zOxYbDn2
こんばんわ。
ここのところ休日は運動会の写真撮影ばかり
していたので、運動会ネタで投下します。
せつな視点、百合ゼロで申し訳ない。
お目汚し失礼します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
昼間の日差しは、
秋とは思えないほど強い。
砂ぼこりが舞うグラウンドで、私は
赤い鉢巻きを締め直した。
短距離走のタイムが良かった私は
クラス対抗リレーの最終走者に選ばれた。
「頑張ろうね!」
「練習通りに出来るといいな!」
気合いが入るみんなに対して、
私は、気が重かった。
621: ◆BVjx9JFTno
09/10/22 01:01:37 zOxYbDn2
リレーという種目は、初めて
体験するものだった。
他人と協力して走るなんて
考えたことも無かった。
当然、バトンの受け取りがうまくいく
はずもなく、私は足を引っ張っていた。
私が、みんなに迷惑をかけている。
そう考えるだけで、私の体は
小さく縮こまってしまう。
そんな私に、チームのみんなは
夜まで練習に付き合ってくれた。
ラブも、家や通学路で
毎日、練習相手になってくれた。
622: ◆BVjx9JFTno
09/10/22 01:03:59 zOxYbDn2
号砲が鳴り、スタートした。
歓声が、急に大きくなる。
緊張する。
体が硬くなる。
頭に、次々と浮かんでくる。
バトンパスを失敗する光景。
転倒する光景。
落胆。
失意。
こんな気分では、うまくいくものも
うまくいかない。
いけないとは思いつつ、
下を向いてしまう。
気が、さらに重くなる。
623: ◆BVjx9JFTno
09/10/22 01:05:04 zOxYbDn2
体操着のズボンのポケットに
何か入っている。
取り出してみる。
いつの間に入れられていたのか、
小さく折りたたまれた紙が2枚。
ゆっくり、開く。
「一緒に頑張ろうね!」
「めざせ1番!」
「いいとこ見せちゃおう!」
チームのみんなの字。
寄せ書きのようなメッセージ。
もう1枚。
「せつななら、できるよ!
精一杯頑張って、幸せゲットだよ!」
ちょっとくせのあるラブの字は、まるで
目の前で話しかけてくれているようだ。
624: ◆BVjx9JFTno
09/10/22 01:08:23 zOxYbDn2
顔を上げる。
砂ぼこりの中、必死で走り
バトンを繋ぐ、みんなの姿。
前の人の思いを、胸に。
自分の思いを、次の人に。
立ち上がって、応援席を見る。
ラブと、目があった。
強い光を放つ瞳で、
ぐっと親指を立てている。
せつななら、頑張れるよ。
重い気持ちが、消えた。
心に、火が灯る。
625: ◆BVjx9JFTno
09/10/22 01:09:52 zOxYbDn2
スタートラインにつく。
他のチームが、次々と
私の横をすり抜けていく。
私に渡るバトンが、
近づいてくる。
前を見た。
自然に、スタートを切った。
手を、後ろに伸ばす。
バトンが近づいてくるのがわかる。
スピードが、シンクロする。
ファールラインぎりぎりで、
バトンが手のひらに触れた。
ぎゅっと握る。
弾かれるように加速する。
ワッと大きくなった歓声は、
すぐに後ろに飛んでいった。
626: ◆BVjx9JFTno
09/10/22 01:10:33 zOxYbDn2
みんなの思いが、
バトンに詰まっている。
全力で飛ばす。
追い抜く。
1人。
2人。
私のクラスの応援席に
近づいてきた。
大きな声援が耳に届いた。
「せつなちゃーん!」
「東さーん!」
「飛ばせー!」
ひときわ大きく聞こえる、
ラブの声。
「せつなぁ!」
「行けー!」
627: ◆BVjx9JFTno
09/10/22 01:11:52 zOxYbDn2
不思議な感覚を、味わっている。
全力で走っているはずなのに、
力が、まだ湧き出る。
心が、歓喜している。
体が、躍動したがっている。
もっと速く。
もっと速く!
限界を超えて、加速する。
体が、ぐんと前に出る。
息をしているのかどうかすら、
わからない。
前を走る人の背中が、近づく。
並ぶ。
張られたままの、
ゴールテープが見える。
まだまだ!
もっと速く!
一気に、駆け抜けた。
かはっ、と、息を吐き出す。
足から力が抜け、私は
トラック上に倒れ込んだ。
628: ◆BVjx9JFTno
09/10/22 01:13:28 zOxYbDn2
商店街を、夕日が
赤く染めている。
私とラブは、心地良い疲れを感じながら
ゆっくりと歩いた。
胸元のメダルが、留め金に当たって
カチンと音を立てる。
金色が、夕日を反射して
まぶしい。
「いやぁ、すごいよ、せつな!
あたし感動しちゃった!」
ラブが振り返り、自分のことのように
はしゃいだ。もう何度目だろう。
僅差で、先頭をかわしきったらしい。
息があがったままの私に、
チームのみんなが次々と抱きつく。
耳をつんざくような歓声。
それで、はじめて優勝だと
いうことに気がついた。
629: ◆BVjx9JFTno
09/10/22 01:15:40 zOxYbDn2
クラスの応援席に戻った私達は、
みんなにもみくちゃにされた。
チームのみんなも、クラスのみんなも、
ラブも、私も、笑っているのか
泣いているのか、解らなかった。
「ラブが言ってくれた通りだったわ...」
「ん?」
「応援してくれる人が居るから、
力が湧いてくる、って...」
ずっと前。
ナキサケーベの向こう側から、
ピーチに言われた。
「ありがとう、ラブ」
「うん...にはは...」
ラブが人差し指で
ぽりぽりとほおを掻く。
「さ、早く帰ろ!今日はごちそういっぱいだよ!」
「ええ、そうね!私もうお腹ぺこぺこ」
私とラブは、家までもうひとっ走り
することにした。
630: ◆BVjx9JFTno
09/10/22 01:24:22 /vy1nrdJ
以上です。お目汚し失礼しました。最後の最後でさるさんくらったorz
631:名無しさん@秘密の花園
09/10/22 01:37:35 R9jhWoV+
>>◆BVjx9JFTnoさん
お待ちしてました。と、パパさんなんですねw遅くまでご苦労様です。
緊張感のある描写、せつなの不安、ラブの思いやり。全然公式でも
イケる件。赤いハチマキに情熱を感じた!せつなを後押しした不思議な力。
「応援してくれる人が居るから、 力が湧いてくる、って...」
最 高。精一杯頑張ってくれた姿に大拍手だ!
保管しますので、タイトルお願いします。ほんと、公式で運動会なぜ
やらないのか。映画のせいかw
632: ◆BVjx9JFTno
09/10/22 02:09:58 zOxYbDn2
>>631
感想有難うございます。
写真撮影対象は、残念ながら甥と姪ですorz
運動会は公式で思いっきりやっていい展開ですよね。
先日の二人三脚や、玉入れ、フォークダンス!など
燃料いっぱいのような気がします。
タイトルは「i got the power」でお願いします。
633:名無しさん@秘密の花園
09/10/22 07:52:24 sSQsGTTt
>>611
確かにツインの娘は逆に落としちゃうかもwww
「おねーさん美人なのに、そんな怖い顔してちゃ勿体ないよ~。いっぱい笑って幸せゲットだよ!」
「なにいってるのよ!この×××!×××を××して××××」
「ねえ、せつな。おねーさん何言ってるの?」
「ラブは知らなくていいわ。軍隊特有のスラングよ。」
「??とにかく良くない言葉なのよね?そんなこと言うお口はこうだよ!」
チュッ
「ラブ、舌は入れちゃだめよ?噛まれてしまうわ。」
「むー分かってるよ~せつなは心配性だなぁ。舌を入れるのは下のお口から…なんてね。ぐはっ!」
「…カオルちゃんのマネにしても下品すぎよ…」
「じゃあ、いっただっきまーす!」
「この小娘が!×××r
「自分の下着でもしゃぶって黙っててください。ラブに汚い言葉は聞かせたくないわ。」
「んんー!(このテクニック!小娘のレベルじゃない!?)」
「精一杯頑張って耐えてくださいね。本気のラブはこんなものじゃありませんから。」
634:名無しさん@秘密の花園
09/10/22 09:25:50 6J2xijdo
おはようございます。
3-432です。
夜は職人さんの時間なので、
たまたま時差出勤でゲット出来たこの機会にこっそり投下していきます。
馬鹿の一つ覚えのラブせつで、Hなし、百合分ほとんど無いです。
興味の無い方は↓のアンカをご利用ください。
>>642
635:『ねむりひめ』
09/10/22 09:26:20 6J2xijdo
秋のとある晴れた日の午後。
それは、教室の窓際の席に座る人にとっては、睡魔との戦いの時間。
お弁当を食べてお腹も満足しているところに容赦なく暖かい日差しを浴びせられるという、
圧倒的に不利な状況の中を無事に生き残る事はとても難しいとされている。
それは、例え伝説の戦士であっても例外ではなく……。
「ふああ……あふ」
「あれ?せつな、どうしたの?」
歴史の授業の時間。
隣の席のせつなが、目に涙を滲ませつつ口元を押さえているのを見たラブが声をかける。
「うん……昨日借りて来た本が面白くて、つい夜ふかししちゃって」
「気をつけてよ、この授業の先生、厳しいことで有名だからちょっとしたことでも
見つかったら廊下に立たされちゃうよ?」
「大丈夫……精一杯がんばって聞くわ」
最後に、ラブじゃないんだからね、と小声で付け加えて笑ってみせるせつな。
もう、ひどいなあとこちらも小声で返しつつ、
ひとまずは安心したラブは、とりあえず授業に集中することにした。
「さて……次のここは誰かに答えて貰おうか」
授業は進み、一通りの解説を終えた教師が、黒板に書いた設問の解答者を探し始める。
教壇の上のその目がゆっくりと教室中を巡っているのを注意深く見守る生徒達の表情は多種多様。
しっかり予習してきているので、平然と済ました顔でいる者もいれば、
自分の方に来ませんようにと心中で必死に願う者もいる。
そして、ラブの思いも後者のそれだった。
(う~、ここ全然勉強していないところだからわかんないよ~
あたしのとこには来ませんように来ませんように……)
そんな彼女の願いが通じたのか、教師の視線はラブをそれて、ある一点で止まる。
「よし、じゃあ東……これ答えてみろ」
そして呼ばれる解答者の名前。
(……あーよかった、あたしじゃなくてせつなか、せつななら楽勝だよね)
それが自分で無かったことに安堵しつつ、ラブは指された隣の少女の方を見る。
(……って、えええっ!)
636:『ねむりひめ』
09/10/22 09:26:43 6J2xijdo
映りこんだ予想外の光景に目を見開くラブ。
そこには、右手にシャープペンシルを握り、左手は開いた教科書を押さえて、
一見授業に真面目に取り組んでいるように見えるようで……
実際は両目の上と下のまぶたが完全にくっついてしまっているせつなの姿があった。
しかもよく見ると、頭から上半身にかけて小刻みに、ゆっくりと前後に揺れてたりする。
(わ、せつな、寝ちゃってるよ……)
一瞬、真面目な彼女がこういう風になっているのを珍しい、と思ったが
すぐに今の状況を思い出して、その思考を頭から追い出す。
今現在、せつなは先生に指名されているのだ。
「ん?どうした、東?」
教師の促す声。
とっさにラブは、立ち上がって声を上げた。
「先生!あたしが答えます!」
「なんだ、桃園か……まあいい、答えてみろ」
教師は解答者が代わったことにはさほど関心を持たなかったようで、
先程までと同じように、新しい解答者に答えを促す。
「……あー、えーと……」
ラブは口ごもる。
この設問は、さっきまで解答が全くわからなくて自分の所に来ない事を願っていたものだ。
とっさにせつなを庇おうと声を上げたのはいいが、
彼女への想いだけで解答がピンと閃くほど世間は甘くはない。
ラブが沈黙したまま、時間だけが過ぎていく。
「桃園?早く答えなさい」
二度目の催促の声。
そしてラブは、覚悟を決めた。
637:『ねむりひめ』
09/10/22 09:27:08 6J2xijdo
「あ、えーとですね、その……わかりません」
その言葉が終わると同時に、教室にどっ!と笑い声が巻き起こる。
なんだよそれ、とかラブなにやってんの、といったクラスメイト達の声に応えるように
右手で頭を掻きながら、えへへへ、と照れ笑いをするラブ。
和やかな雰囲気が教室中に満たされる。
「桃園……」
そして、そんな雰囲気とは対象的な反応の歴史の教師。
「自分から名乗り出ておいて、答えがわからないとは……いい度胸だ」
声音こそ冷静を装っているようだが、
そのこめかみには青筋が一つ、二つと浮かんでいる。
怒っている、確実に。
「あの、先生、ごめんなさい……って謝っても……ダメ、ですよね?」
おずおずと声を掛けるラブ。
わざわざ聞くまでも無い、わかりきった返事が返ってくる。
「ダメだ、授業が終わるまで、廊下に立ってなさい」
「はーい……すみませんでした」
今度は素直に謝罪の言葉を口にすると、廊下に向かおうとするラブ。
すると、それと同時に教室にもう一つの動きがあった。
ゴンッ
何かと何かがぶつかる音。
ラブが何事かとその音の方を振り返ると、それは。
「せ、せつな……」
先ほどからずっと舟を漕いでいたせつなの頭が、
その振り幅に耐えられなくなって机に激突した音だった。
「いたたた……、あれ、ラブ?
なんで教室出て行こうとしてるの?もう休み時間?」
打った額を押さえながら、ラブに声を掛けてくるせつな。
その言葉に、再び教室中からどっ!と笑い声が巻き起こる。
東さんでも居眠りするんだ、意外だなー、とかでもそういう所もいいよな、といった
クラスメイト達の声にも今一状況が理解出来ず、目をぱちくりさせるせつな。
「東……俺の授業で居眠りとは、お前もいい度胸だな」
そして再び、教室の雰囲気とは対象的な反応をする教師。
そのこめかみには青筋が更に追加されて、三つになっている。
「あ、先生?何かあったんですか?」
そこに尚も状況が判ってないせつなの言葉が向けられたことで、四つ目の青筋が追加され。
「お前も、授業が終わるまで、廊下に立ってろ!」
教師は今度こそ、感情を爆発させるのだった。
638:『ねむりひめ』
09/10/22 09:27:42 6J2xijdo
授業中の廊下。
教室と壁一枚を挟んだそこは、授業を淡々と進める教師の声も、
外で体育の授業をしているどこかのクラスの声も、
全て幻聴のように遥か遠くに聞こえるだけで、学校であることが嘘のように静まり返った場所。
そこにラブとせつなの二人は、並んで立っている。
「……そうだったの、ごめんなさい、ラブ、折角庇ってくれたのに」
これまでのいきさつを聞いたせつなが、ラブに謝る。
対するラブはとんでもない、と両手を目の前で振る。
「いや、あたし何もしてないから……先生の質問にも答えられてないしねー。
……だから、せつなが謝られるようなことなんてないんだよ」
「でも、元々寝ちゃってた私が悪いんだし……」
「それにね」
尚も謝ろうとするせつなを制して、ラブが言葉を続ける。
「せつな、この間あたしの代わりに数学の授業で答えてくれたでしょ?」
つい先日の話。
シフォンがインフィニティとして覚醒して、ラブ達の前から姿を消した時のこと。
心配で、授業に集中出来ないラブが教師に指されそうになったのを
せつなが代わりに解答に名乗り出てくれた時のことだ。
「あたし、今日はあの時のお返しが出来るかと思ったんだー。
……まあ、思っただけで、結果はこの有様なんだけど。
結局せつなまで巻き込んじゃったし……タハー、なにやってんだか」
言葉と共に溜息を一つ、大げさに吐いてみせるラブ。
せつなはそんなラブに、首を振ってみせる。
「……ううん、その気持ちだけで嬉しいわ、ラブ」
そう言うと、隣に立つラブの肩に寄りかかってくるせつな。
「わっ!せつな、何?」
「ラブの気持ちが嬉しいから……今、すっごくこうしたい気分なの」
「え、でも、あたし達今は罰を受けてここにいるんだから、ちゃんと立ってないと」
「そうね、私達、先生に怒られて廊下に立たされてる悪い子なのよね。
だから、こういう事しちゃうのは、仕方ないのよ」
上目使いにラブの顔を見上げて、ね、いいでしょ?という
同意を求める問いかけの視線を送ってくるせつな。
そんな、時々こんな子供っぽい仕草をみせる彼女を
ああもう、可愛いなあ、と思いながら。
「そっかあ、悪い子かあ……じゃあ仕方ないかな」
ラブはせつなの言葉に応えて、右手で寄りかかる彼女の肩を抱きとめる。
「そういうことよ、ラブ」
嬉しそうに、更にラブに身を摺り寄せるせつな。
薄暗い学校の廊下の中、ひときわ映える赤い二つの影が、そっと身を寄せ合った。
639:『ねむりひめ』
09/10/22 09:28:17 6J2xijdo
それから暫くして。
ラブは廊下の時計を見ていた。
その長針が、まもなく授業の終了時間に辿り着こうとしているのを見て、一つ溜息。
「ああ……もうすぐ先生出てきちゃうよ……どうしよ」
廊下に座り込んで困った顔をしているラブ。
「……すぅ……すぅ」
そしてラブの膝の上には、それを枕にして、熟睡しているせつなの姿があった。
「いやー、あたしの愛の力でもどうにもならないことって、あるよねえ」
一人呟くラブ。
あの後。
せつなはラブに寄りかかって楽な姿勢になると、元々寝不足だっただけに
あっという間に熟睡してしまったのだ。
意識がコントロールを手放せば、体も制御を失う。
いくらせつなが小柄で華奢だといっても、
脱力したその体を支えるにはラブの力ではちょっと足りなかった。
だからといって、せつなを床に寝かせるわけにもいかないし、
ここで起こすのも可哀想だと思って頭の中で協議した結果が、この状態である。
(本当……どうしたもんだか)
あの先生、こんなトコ見たらまた怒るだろうなあ、と途方にくれていると、
「ん……」
ラブの膝で眠っているせつなが寝返りを打つ。
640:『ねむりひめ』
09/10/22 09:28:39 6J2xijdo
「わっ……と」
それによって、彼女の頭が膝から落ちそうになるのを慌てて支えて、
もう一度、自分の膝の上に戻してあげるラブ。
「……ん……ラブぅ……大好きぃ……」
せつながまどろみの中で呟く。
それは、眠っているにも関わらず、絶妙なタイミングで放たれた言葉。
「わはーっ……」
その言葉に顔を赤らめるラブ。
照れながら、せつなの幸せそうに眠る顔を見つめる。
(まあ、いいかな……あと一回怒られるくらい。
それまでこの顔を見ていられるなら……ね)
そう思いながら、ラブはせつなの頭をそっと撫でる。
それに反応したかのように、眠るせつなの顔に柔らかい微笑みが浮かぶ。
授業中の廊下。
教室と壁一枚を挟んだそこは、授業を淡々と進める教師の声も、
外で体育の授業をしているどこかのクラスの声も、
全て幻聴のようにはるか遠くに聞こえるだけで、
学校であることが嘘のように静まり返った場所。
ここは今、ラブとせつな、二人の少女達の、二人だけの世界。
そしてその中で、ラブはこう思っていた。
もしも、このまま、ずっと授業が終わらなかったら、そうすれば。
(……そうすれば、この二人の世界がずっと続いてくれるのにね)
641:名無しさん@秘密の花園
09/10/22 09:33:52 6J2xijdo
以上です。
『い』を付けると真のタイトルになるのかもしれません。
それにしても、廊下に立たせるって今でもやってるんでしょうかね。
では、失礼します。
642:名無しさん@秘密の花園
09/10/22 11:16:56 3vxhJDJ1
パインセツナス・・・せっちゃん健気・・・
そしてほんわかと和ませていただきました。GJ!
>>633
っていい話の間に朝っぱらから何やってんだコラwww
643:名無しさん@秘密の花園
09/10/22 12:23:01 R6/Lu1V6
タイトル「いねむりひめ」でも可愛いなw
GJです
644:名無しさん@秘密の花園
09/10/22 14:24:22 R6/Lu1V6
>>630
目に見えないパワーが伝わってきました。GJ!
運動会・体育祭って凄いパワーが渦巻いてますよね
保管屋さん
『完璧主義』読ませて頂きました。美希たん可愛ゆす。゙大胆な″服がどんなんだか気になる…
一昨日の夜にこの目で見たものをSSにしてみました。
今晩もまだ見れるかも。
美希ブキ&ラブせつ、エロなし、です。
苦手な方はどうぞご回避を。
645: ◆EeRc0idolE
09/10/22 14:25:37 R6/Lu1V6
ここは美希の部屋。夜が更けてしんとした中、ふいにリンクルンが鳴りメールが来たことを告げる。
その音で美希が目を覚ます。
ん…メール…?こんな時間に誰だろう。訝しく思いながら美希がリンクルンを開くと、差出人は祈里だった。
『きっともう寝てるよね』
文面から、申し訳なさそうにしている祈里の顔が浮かび、美希は思わず微笑みながら急いで返信する。
『起きたわよ。どうしたの?』
返信してすぐ、折り返すように着信がある。美希が起きたことを知り、祈里がかけて来たのだった。
『こんな遅くにごめんなさい。窓を開けて、空を見て!お願い』
「わかったわ」
祈里に従い、窓を開けると、ひんやりした冷たい夜の空気が入り込んでくる。見上げるとそこには満点の星空。
「うわ…すごい星ね…」
『美希ちゃん、オリオン座のそばを見て』
祈里の言葉を聞いて、急いでオリオン座を探す美希。
「オリオン座、オリオン座…ねぇ、オリオン座ってどんな形だっけ?」
『砂時計みたいな形で、真ん中に星が3つ並んでるの』
「あ、これね!」
美希がようやくオリオン座を見つけた時、光がすっと横切った。
「ああっ!今、流れ星が…あ!あっちにも!」
興奮する美希に、電話越しに祈里が話しかける
『今ね、オリオン座流星群が見えるんだって。お願いごとが叶いやすいかしらって思ったら、つい美希ちゃんにも見てもらいたくなって…起こしてしまってごめんなさい』
美希は祈里の優しい気持ちに、心が温かくなる。
「その気持ちが嬉しい…ありがと祈里。それで祈里は何をお願いしたの?」
『美希ちゃんがモデルとして、もっともっと活躍しますように…って』
「それ…だけ?他にはないの?」
もっと甘いお願いごとが聞きたかった美希は、ついつい意地悪く聞き出そうとする。
『ぁん、わかってるくせに!あとは内緒よ』
「わかってるけど、祈里の口から聞きたいな…」
『もう、しょうがないなぁ…これからも美希ちゃんとずっとずっと一緒にいられますように…って』
会話するふたりの上で、幾つもの星たちが流れ落ちてゆく。
「あー満足!それが聞きたかったの」
『恥ずかしいなあもう…なんだか顔が熱いよ』
「照れてる祈里、可愛い。祈りのプリキュアにお祈りしてもらったら、叶うわね、きっと。あ!アタシも祈らなきゃ。祈里とずーっと一緒にいられますように!」
646: ◆EeRc0idolE
09/10/22 14:26:00 R6/Lu1V6
一方その頃、桃園家のベランダでは、ラブとせつなが並んで星を見上げていた。
「先生が言ってたけど、三千年前のハレー彗星のチリがこの流れ星なんだって。そう思って見ると凄いよね」
「ええ…とても古い彗星のかけらが今、光になってるのね…」
「へへー、何だかロマンチックだよね!」
寒さで赤らんだ頬を緩めてラブが笑い、同じく赤らんだ頬でせつなが微笑み返す。
「せつな、知ってる?流れ星にお願いごとすると叶うんだって」
「本で読んだことがあるわ。この国にある言い伝えなんでしょう?」
ラブからの返事がない。見ると、ラブは星空を見上げながら、何事かを呟いている。
「ラブ?何て言ったの?」
「せつながね、これからもっともっともーっと!幸せゲットできますようにって!」
「ラブったら…」
せつなは十分幸せだった。この家に来て、ラブやラブの両親に囲まれ、仲間たちと過ごせる今の時間が、何よりの幸せなのだから。
「じゃあわたしも」
ラブを真似て、せつなも夜空を見上げて呟く。
「これからも皆とずっと一緒にいられますように」
「あたしと、でしょ?」
「んもう…バカ」
くちづけるふたりのシルエットを、星たちの光が優しく照らしていた。
647: ◆EeRc0idolE
09/10/22 14:28:44 R6/Lu1V6
タイトル【彗星のかけら】です。
あと、前回感想いただいた皆様どうもありがとうございました。
すんごく励みになりました。
648:名無しさん@秘密の花園
09/10/22 17:06:31 9Q67idlw
>>633
GJ
649:名無しさん@秘密の花園
09/10/22 18:01:50 sts7cQsP
彼女らの、泣く場所、眠る場所はどこだろうか。
ブキ美希の身長の差はすごくおいしいと思うんだ。ブッキーって、なんかこう包容力?ありそうだし。
ブキ「大丈夫だよ、美希ちゃん。いいこいいこ」
みたいな!桃園さんの膝枕がでたので、ふと。
650:名無しさん@秘密の花園
09/10/22 19:45:06 V6Hc9l0v
何この萌え要素w
651:名無しさん@秘密の花園
09/10/22 21:16:04 Ieov2UG1
ドリダンのHPが更新されてた。今回からペアカードが導入されてるんだが、ラブせつ・ラブ美希・ブキせつ絵のドレスカード、ラブブキ・美希せつ絵のアクセカードを確認。中でもラブせつはヤッパいい感じだ。美希ブキは・・・続報で出てくるって信じてる。
652:名無しさん@秘密の花園
09/10/22 22:15:35 wgyO+yll
自分、初期の話何話か見逃してるんだけど、
美希タン家って父親いないの?
あんな奔放な母親と暮らしてたら、自分ならグレそうだけどw
笑顔で母親をハワイへ送り出す美希タンの懐の広さ
完璧さを求める美希タン、でも完璧になれないジレンマ…
掘り下げていくほど、美希タンというキャラは興味深い
653:名無しさん@秘密の花園
09/10/22 22:28:13 sts7cQsP
全然完璧じゃないところも魅力のひとつというのはもはや万人周知の事実。
次回ラブ、ブキ、せつがどんなフォローをいれるのか楽しみだ。
654:名無しさん@秘密の花園
09/10/22 23:08:03 R9jhWoV+
あらためて実感する蒼乃美希様の存在。素敵すぎます。
て事で
>>633
やっちゃえラブやん!君なら落とせるはずだw
って、せっちゃん助言的確すぎwww
また一つ素敵な妄想が保管されますよ。と、タイトルあればどーぞ!
>>641
最高な展開の白百合だと思うの。ラブの思いやり、せつなの安堵感、
二人だけの空間。学校と言う堅いイメージの中でのやりとりは、
逆に緊張感が出て距離も縮まるというのかな?おまけに廊下だし。
まだまだ燃料はありますね。実感しますた。。。
タイトルですがどうしますか?ねむりひめorいねむりひめ。どちらもナイスネーミングw
>>◆EeRc0idolEさん
しまった、流星群見損ねたwせっかくの天から降ってきた燃料をスルーとかorz
美希ブキは離れているからこその展開で、これまたしっかりした愛の形。
ラブせつは同居ならではの展開で、0距離な上に接吻付。立派な愛の証。
美希とラブがそれぞれ恋人に問い詰めるトコを見ると、やはり主導権はこちら側なのかな。
そんな妄想すら余裕で出来ちゃいましたw
と、感想書いてくれた方すいませんでした。読んだ上に感想を書くと言う事は
簡単な事では無いと思います。読んで頂いた方にも感謝感謝で。
投下したSSから妄想が広がったり、雑談が盛り上がったり、投下の手助け
なんかになったらすっごく幸せゲットだよ!
これからもどうぞ宜しく。。。
655:名無しさん@秘密の花園
09/10/22 23:18:48 qNo989qj
せつなは男のものだ
656:名無しさん@秘密の花園
09/10/22 23:21:46 sSQsGTTt
>>654
633ですが、便乗小ネタなのでタイトルは特には考えてなかったですwww
657:【蒼き炎~SKY ANGEL(飛翔天女)】
09/10/23 00:42:48 Ten8ZW8E
せつな~ブッキーの順で投下したので次は美希たん。百合無し、短いので
さらりと読めるはずです。連日すいません。気にせず雑談・妄想・投下
続けて下さいませ。
すっかり秋めいた風景をアタシは教室から眺めていた。
窓際に位置するアタシの座席。
見渡す空は雲一つない青空で。アタシらしく言えば〝蒼空〟になるのかしら。
でも、大きな雲がゆっくり流れる蒼空もアタシは好き。
普段世話しなく過ぎていく日々が、雲を見てるとどこか落ち着く。
新たな敵、ノーザ。アタシたちの前に現れたラビリンス最高幹部。
その強さは計り知れない。
特訓を積み重ね、4人の絆もさらに深まり、十分太刀打ち出来るトコまでは来てると思う。
――けれど
最後は戦術や力量で決着は付かないのだろう…と。
殺るか
殺られるか
658:【蒼き炎~SKY ANGEL(飛翔天女)】
09/10/23 00:43:41 Ten8ZW8E
並々ならぬ覚悟で望まなければ、いずれ来る戦いに勝機など生まれるハズもない。
夢。
希望。
アタシにはまだまだやらなくちゃいけない事がたくさんあるのよ。
この蒼空が永遠に続く限り、アタシのハートの灯火は消えない。
それはプリキュアとしての運命を背負った時から変わらないわ。
絶対に完璧な平和がこの四葉町には訪れる。
その瞬間が、ゆっくり流れる雲のように遅くても……。
――希望は捨てちゃいけない――
そして、
絶対に叶えるんだ…
アタシの夢を。完璧に。
再び、窓から青空を眺める。
決意を胸に。
いつか、アタシは羽ばたく。
あの空へ――
って考えてたらお腹すいちゃった。
お昼にしよーっと。
~END~
659: ◆ZU7CldKWo2
09/10/23 01:30:21 ta0tqoRU
こんばんは。
まずは感想を下さった方々、ありがとうございます。
皆様のお声が、次へのモチベーションです。
さて、ノーザSSやら、ほのぼのSSやら、ほんわかSSが舞い降りるこのスレですが、
連載の続きを投下させて頂きたく。
『Eas of Evanescence VIII』
美希せつです。R-18ではありません。
ここまで書いておいてなんですが、黒いとかっていうより、
暗いっていうか、重いっていうか、欝っていうか。
どんより風味な気がしてきました。今更。
朝の電車の中で読むには向かないかも。
ではどうぞ。
660: ◆ZU7CldKWo2
09/10/23 01:32:58 ta0tqoRU
あたしとラブ、祈里。
三人の中で、せつなと一緒に過ごした時間が一番長いのは、あたしかもしれない。
そのほとんどは、イースでもある彼女の言いなりになって、ただ責められるばかりだった。
けれど。
一緒の時間を過ごすことで、見えてくる部分があった。
彼女の隙を――弱みを見つけようとしていたあたしだから、なおさら。
あの日。せつなが、ラブからの電話を切った後の、寂しげな顔。
しばらく、忘れられなかった。
本当ならば、あたしは、そこを攻めるべきだったのかもしれない。初めて見つけた、彼女の弱点だったのだから。
だけどあたしは、そうしなかった。出来なかった。
人間なら誰もが持つ、触れられたくない、純粋な気持ち。せつなの横顔に見たのは、それだったような気がしたから。
きっと、その時からだろう。
あたしがイースを、せつなという人間だと認識し出したのは。
それまでは、ただ、敵としか思っていなかった。この世界を無茶苦茶にしようとしている、敵だとしか。
それだけじゃない。ラブを抱き、祈里を堕とし、あたしの体をいたぶっている。
彼女は、あたし個人にとっても、憎むべき存在だった。
なのに。
あんな顔を、されたら。
Eas of Evanescence VIII
661: ◆ZU7CldKWo2
09/10/23 01:35:54 ta0tqoRU
「答えろ!!」
睨み付けてくるイース、だが、泣きそうなイース。
彼女の切羽詰った問いかけに、美希はしかし、声が出ない。
理解したくなかった。イースが、こうまでもラブに拘るその理由に。
「どうしてラブは、あんなにバカみたいに、私を信じることが出来るんだ!!」
それでも、わかってしまう。
イース、いや、せつなにとって、ラブの存在は心をかき乱すものなのだと。
「自分が辛い時でも、私の体のことを気遣って!! 私が戦いに巻き込まれなったことに、あんなに安心した顔を見せて!!」
イースの手は、もう動いてはいなかった。ただ美希の裸の胸に顔を埋め、震えるばかり。その声も、言葉も、彼女に
向けられたものではなくなっている。
あの時のことか。美希は思う。
ダンス大会に向けて、プリキュアとダンスの両方に目いっぱい頑張ったせいで、彼女達は倒れてしまったことがある。
その直前の戦いで、ラブはせつなが戦いの場にいないことに、安堵の溜息を付いていた。そんな彼女とイースを見て、
美希は複雑な想いを抱いたものだったけれど。
「私は、あの子を騙しているのに!! それにも気付かないで、私のことを、好きだなんて――大好きだなんてっ!!」
顔を上げた彼女が発した、悲痛な叫びが。
美希の心に突き刺さる。
それでも、イースの瞳からは、涙は零れない。
まるで泣くということを、知らないかのように。
662: ◆ZU7CldKWo2
09/10/23 01:38:57 ta0tqoRU
再び、胸に顔を埋めてくる彼女の震える体に。
美希は、そっと手を回そうとして。
「教えて......美希......どうして......どうして」
弱々しい声に、動きを止める。
「うまくいった筈なのよ――ラブの心を篭絡して、私に夢中にさせて――プリキュアを倒そうとした」
ポツリ、ポツリと溢れる言葉が、部屋の中に響く。外の日は、もう落ちたのだろうか。カーテンから差し込んでいた
光は、徐々に薄れてきて。
静寂と闇に、二人の体は包まれる。
ドクン、ドクンという鼓動の音を、美希は感じる。
それが自分のものか、イースのものか、わからない程に二人の体は密着していて。
「そう、うまくいってる筈だった――なのに――なのにっ!!」
ばっと頭を上げる、イース。
顔を近づけて、彼女は答えを乞う。
「どうして私は、こんなに苦しいのっ!?」
安堵したのは何故?
心の中に生れる問いかけ。
それは今日、ついさっきのこと。せつなが、最近はラブと祈里と会っていないと聞いて、彼女は確かに安堵を感じていた。
二人が心乱されることが無くなったから。また仲良くなったから。だから安心した。
せつなが自分という、プリキュアに残された最後の砦を打ち崩そうとやっきになればなるほど、二人から彼女を離
すことが出来るという思惑がうまくいっているから。だから安心した。
それは、しかし、上辺だけだった。本当は。
本当は、せつなが自分以外の子に目を向けていないことに、安堵した。
その独占欲を、綺麗な言葉で隠していただけだった。
663: ◆ZU7CldKWo2
09/10/23 01:41:33 ta0tqoRU
素顔の彼女は、ただの女の子だった。
勿論、その全てを知っているわけではない。何故なら、彼女と美希の間には、脅すものと脅される者、犯す者と
犯される者という関係しかなかったから。
それでも。
物憂げな彼女の横顔が、気になった。
何かに追い詰められるように責められれば責められる程、何をそんなに焦っているのかが気になった。
ナキサケーベを操るようになってから、彼女の体に残るようになった傷が、気になった。
気になって、仕方なくなっていた。
どうして? どうしてそんなにも、ラビリンスに尽くすの?
尽くせば尽くす程、貴方の心は傷付いていっているのに。
戦いの最中、イースとしてプリキュアと闘っている時でさえ、貴方は心の中の何かを抑えつけるかのようにしていた。
その様を、闘っている時に、あたしは見ていた。
そして、その視線が向かう先をも。
気付かないようにしていた気持ちに、美希は向き合う。
そして認める。
あたしは。
あたしは、せつなが、好き。
体を支配されているからではない。これは、体からは生れない感情だもの。
この、愛と言う気持ちは。
そして、愛しているからこそ。
「答えが欲しい?」
美希の言葉に、顔を上げるイース。
「教えろ!! 私は、どうしてっ!!」
「それはね、イース、貴方が――ラブのことを、好きだからよ」
664: ◆ZU7CldKWo2
09/10/23 01:45:15 ta0tqoRU
愛しているからこそ、真実を伝える。
愛した人が、自分で気付いていない、想いを。
「私、が――?」
驚愕に目を見広げる彼女。その目を、じっと美希は見つめる。
長い、長い沈黙。
やがて彼女は肩を震わせ始める。唇から零れるのは、
「フ、フフフ――」
笑い声。
「フフフフフフ、アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!」
体をのけぞらせ、イースは笑う。高い声で、笑う。
「私が!? ラブのことをっ!? アハハハハッ、そんな、そんなことなんてっ!!」
笑う彼女。まるで、狂ったように。
いや。
本当に、狂いそうになっていることが、美希にはわかった。
高らかな声と裏腹に、彼女の眼はまるで笑っていない。
むしろ、苦しんでいた。
その笑いは、壊れそうな心が、きしむ音。
「私がラブを好きだなんて、そんなこと、ありえないっ!! 私はラブを利用してるだけ!! 邪魔なプリキュアを排除
しようとしてるだけっ!! だから私が、ラブを好きだなんてありえないっ!!」
ずっと側にいた美希だから、彼女の気持ちがわかる。
二律合反。アンビバレンツな感情に、少女の心は引き裂かれそうになっている。
彼女は、愛することを知らない。
だから自分の感情にも、気付いていない。
そして、だから。
愛されることに、戸惑っている。
その癖。
自分の行いが、ラブを傷付けていることには気付いていて。
愛する人を、傷付けているのは自分。
なのに、その傷付けた自分を、彼女は愛してくれている。
無論、せつなは、自分がイースだということを話していない。
それでも。
彼女は、いたたまれない。
そんな風に愛されている自分に、イースは。
罪の気持ちを、抱いている。
美希は、不意に悟る。
彼女の願いを。
665: ◆ZU7CldKWo2
09/10/23 01:46:59 ta0tqoRU
「安心しなさい、せつな」
イースの姿をした彼女に、美希は呼びかける。
苦悩に満ちた顔で、こちらを見てくるイースに、彼女は言った。
せつな。好きよ。
「あたしは」
大好き。愛してる。
「貴方のことを」
とても愛してる。愛してるから。
こう、言うの。
「憎んでるわ」
666: ◆ZU7CldKWo2
09/10/23 01:49:39 ta0tqoRU
「そう――なら、もっとひどい目に合わせて、屈服させてあげるわ」
言ったイースが見せた笑顔は、いつもの暗いものではなく。
とても、とても。
安堵に満ち溢れたものだった。
そうして美希は、愛する人の心を救った。
もしも彼女が愛を囁いたなら、イースの心は壊れてしまっただろうから。
イースに必要なのは、憎まれることだった。
何をしても許され、愛されることは、それに慣れていない彼女からアイデンティティを奪おうとしていた。
無邪気な好意ほど、その前に立つ者が自責を覚える物はない。そしてイースは、それを乗り越えられる程に強くは
無く、非情に徹することも出来なかった。
そう。
だから、彼女の本当の願いは。
憎まれたかったのだ。罰して欲しかったのだ。
嫌悪されて当然のことをしている、自分なのだから。
けれど。
憎まれたいと思っても、せつながイースだと知らないラブや祈里は、彼女を憎んだりはしないだろう。
なにより彼女達は、せつなを大好きだから。
憎むことなんて、しないだろう。
そしてせつなを、無意識に追い詰めてしまうだろう。
心を、壊してしまうだろう。
だから。
愛に気付いた美希は、心に決める。
せつな。
あなたの欲しいものは、あたしがあげる。
ただ一人、自分だけが。
イースを憎む。
憎み続ける。
それであなたの心が、救われるなら。
667: ◆ZU7CldKWo2
09/10/23 01:53:02 ta0tqoRU
そうして美希は、イースに体を差し出し、蹂躙される。
憎まれている相手に、彼女は容赦をしない。
常よりも激しく、厳しい責めで美希を追い詰める。
勿論、彼女は一声も発しない。
発したら、自分が感じていることに――愛する人に抱かれて、喜んでいることがバレテしまうから。
だから。
「――――っ!!」
今日も彼女は、唇を噛む。
愛する人とのまぐわいに、美希は、幸せで。
けれど、とても悲しかった。
そして彼女達は、運命に導かれる。
最後の一枚のカードを持ってきたせつなと出会ったのは、トリニティのライブの開かれるスタジアム。
憔悴し、消耗しきった彼女の体に、自然と彼女はこれが最後の戦いになることを予測した。
現れる、ナキサケーベ。
変身する、プリキュア。
キュアピーチに抱きしめられながら、イースは苦痛に絶叫する。
体、だけではない。
敵である自分ですら守ろうとする彼女の優しさに、心はきしんでいた。
そして明かされる真実。
イースは、少女達の前で変身して見せる。彼女達の親友、東せつなへと。
その時、キュアベリーは気付いた。せつなの悲愴な決意に。
せめて最後は、キュアピーチ――ラブの手にかかって。
だからこそ、美希はラブをけしかけた。愛する人の最後の望みを、かなえてあげたい。
そう思ったから。
そう。
蒼乃美希は、東せつなを愛していた。
自分が彼女に求められていなくても、構わない。
彼女が親友を愛していても、構わない。
愛しているから。
だから心を鬼にする。
自分の本当の願いを、押し殺す為に、彼女は。
心を、鬼に。