フレッシュプリキュアで百合2at LESBIAN
フレッシュプリキュアで百合2 - 暇つぶし2ch650:名無しさん@秘密の花園
09/08/28 10:41:39 sxYj8UuU
>>649
ありがと!一人称まで気にしないといけないんだ。
ラブ・ブッキー・せつなは私、美希はアタシだと思ったけど。

職人て凄いんだな~

651:名無しさん@秘密の花園
09/08/28 10:47:53 lAc4x6lI
意外と間違えやすいけどラブも「あたし」

652:名無しさん@秘密の花園
09/08/28 11:09:57 DT3xqbJ8
キャラの性格はギャグならある程度は崩壊していても気にならないけど、一人称や呼称、口調が違うとさすがにね。

653:名無しさん@秘密の花園
09/08/28 12:28:18 sxYj8UuU
ラブは「あたし」なんだ。テレビ見てたのに気付かなかった。みんなはなかよしとか読んでるからわかるのか?

とりあえず保管庫見ながらチャレンジしてみる。アドバイスありがと!

654:名無しさん@秘密の花園
09/08/28 12:48:43 JzTWTqmN
保管庫のSSも結構間違ってたりキャラが別人なやつも多いから
>>649の言うように自分でアニメを見直して洗い出したほうがいいと思う
あとはまるパが貴重な資料になるからオススメ

655:名無しさん@秘密の花園
09/08/28 19:25:25 wx6sKSw1
美希たん関連ってあんま見ないなと思って書き始めたら
>>638に先越されててふいた。GJ!
でもせっかくなんで投下。口調とか間違ってたらごめんね。

656:名無しさん@秘密の花園
09/08/28 19:27:37 wx6sKSw1
もう見て見ぬふりはできない。
最近何をしていても浮かぶのは彼女の顔ばかりで。
・・・・・・美希ちゃん。会いたいよ。


祈里がこのもやもやに気がついたのは、いつだっただろうか。
気がつくと、ただ一人だけを目で追っていた。
幼馴染で、小さいころからずっと一緒だった。
臆病な自分と違って自信に満ちていてかっこいい美希は祈里の憧れだったのだ。
でも、大きくなって、完璧だと信じていた彼女が、弱さを隠して、
影で努力していることを知って、彼女もまた自分と同じ一人の女の子なのだと思った。
そして、憧れはいつしか違う感情に変わっていた。


美希が他の人といるのを見ると、
胸の辺りが締め付けられるようで、息が苦しくなる。
わたしだけを見てほしい。その笑顔をわたしだけのものにしたい。
その声でわたしを呼んで、その手でわたしに触れてほしい。
こんなこと自分でもばかげていると思う。
しかし、とめどなくあふれる感情を止める術を、祈里は知らなかった。

657:名無しさん@秘密の花園
09/08/28 19:29:37 wx6sKSw1
これは恋なのだろうか。
違う。恋なんて甘い言葉は似合わない。
こんなどす黒い感情には。

わたし、いやな子だな。
なんでこうも自分勝手なのだろう。


祈里は暗闇の中で助けを求めてもがく。
助けて。誰か助けて。お願い。
叫ぶ。彼女の名前を何度も、何度も。
でもとどかない。いくらこの手を伸ばしても。
自分のどろりとした感情の波に足をとられて身動きがとれない。飲み込まれる。

「美希ちゃん・・・」


美希のことを考えているうちにいつの間にか眠っていたらしい。
祈里が目を覚ますと、全身にぐっしょりと汗をかいていた。
最近こんな夢ばかりを見ている。
胸が苦しい。こんなに苦しいなら、いっそこんな想いなんて捨ててしまいたい。
シャワーを浴びたら、いやな汗と一緒にこんな気持ちもどこかへ流れてくれるだろうか。
辺りはしんと静まり返っていて、自分のため息がやたら大きく聞こえた。
祈里は自嘲するように薄く笑うと、部屋を出た。

658:名無しさん@秘密の花園
09/08/28 19:31:42 wx6sKSw1
次の日から、祈里は美希を避けた。
目が合いそうになれば視線を逸らし、
話しかけられそうなときには、美希から離れてラブやせつなに話しかけた。
4人で歩くときも、なるべく隣に行かないようにした。
不自然過ぎないようにたまに美希と話すこともあったが、
祈里は決して美希の目を見なかった。
しかし、諦めようとすればするほど想いは強くなっていく。
ダンスの練習をしているときも、ドーナツを食べているときも、
勉強をしているときも、頭の中は美希のことでいっぱいだった。
辛かった。でも、我慢し続ければ、いつかこの気持ちが消えて、
美希とまた友達として普通に接することができるようになるはずだと祈里は自分に言い聞かせた。


そんな日が何日か続いた。
ダンスレッスンが終わり、帰ろうとした祈里の腕を誰かがつかんだ。
その力の強さにわずかに顔をしかめつつ振り返ると、美希が立っていた。
とっさに目を伏せる。
一瞬見えた美希の顔には怒りや苛立ちの他に、悲しみや寂しさがにじんでいた。


「美希ちゃん・・・?どうしたの?」
「どうしたもこうしたもないわよ!・・・なんであたしのこと、避けるの?
 あたしブッキーに何か悪いことした?」

659:名無しさん@秘密の花園
09/08/28 19:34:04 wx6sKSw1
美希の気迫に押されて、祈里は思わず顔を上げる。
今にも泣き出しそうな顔でこちらを見つめる美希が目に入り、ずきりと心が痛んだ。

「避けてないわ」

動揺を悟られないように素っ気なく答えると、祈里は美希の手を振り払った。

「ごまかさないで!今だってそうやって・・・目も合わせてくれないじゃない!
 あたしのこと嫌いになったならそう言ってよ!」

嫌い。
その言葉に、かっと頭に血が上る。

「そんなことない!」

こんなに、こんなにも好きなのに。


「・・・っじゃあどうして!」
「好きだから!美希ちゃんのことが・・・好き、だから」

言ってしまった。目の前が真っ白になる。
きっと拒絶される。
涙があふれた。もういやだ。このまま消えてしまいたい。
祈里の歪んだ視界に呆然としている美希が映った。

「え?ブッキー、それって・・・」
「美希ちゃんのことを考えるだけで胸が苦しいの。
 だから、忘れようとして、それで・・・」

次から次へと涙が祈里の頬を伝う。
その涙を美希の指がそっと拭った。

660:名無しさん@秘密の花園
09/08/28 19:37:30 wx6sKSw1
「ばか」
ひどく優しい声だった。
さっきとは違って、ゆるりと腕を引かれる。
導かれるように足を踏み出すと、美希の腕が祈里の背中に回される。
祈里は、美希の体がかすかに震えていることに気がついた。
泣いているのだろうか。
何か言おうと口を開くが、言葉が見つからない。
ふいに、ふわりと美希からいい香りがして、くらくらする。


「本当に、辛かったんだから。ブッキーに嫌われたんじゃないかって。
 ・・・こわかった。ブッキーがあたしから離れていくのが。
 変よね、最近それで全然調子でなくて」


あたし、ブッキーがいないと完璧じゃないみたい。
そう言うと、美希は祈里から体を離す。


なにが起こっているのかわからなかった。
祈里はぼんやりと美希を見つめる。
もう、ここまで言って何でわかんないのよ、と
呆れたような美希の声が聞こえる。
その声もずっと遠くから響いてくるようだ。


「あたしも、ブッキーが、祈里が好き」
祈里の目に真剣な顔の美希が映る。
考えるより先にまた涙があふれた。
ブッキーは泣き虫ね。
そうからかうように笑うと、美希は再び祈里を抱き寄せた。
おずおずと祈里も美希の背に手を回す。

661:名無しさん@秘密の花園
09/08/28 19:40:35 wx6sKSw1
「・・・あのね、もう一回祈里って呼んでくれない?」
「言われなくてもこれから何度だって呼んであげるわよ、祈里」

頬が熱くなる。
名前を呼ばれるだけで、こんなに嬉しいなんて。
ようやく実感がわいてきて、祈里はぎゅっと腕に力を込める。

「ありがとう・・・美希」

最後の部分は蚊の鳴くようなか細い声だったが、美希にはしっかり聞こえた。
その響きはあまりにも甘くて、美希の心がとろけるように疼く。
からだの芯が熱い。囁かれた耳が火照る。
同じく真っ赤になっているだろう顔を見られたくなくて、
美希は抱きしめる力を強めた。
腕の中で身じろぎした祈里から苦しいよ、と声が上がる。
慌てて祈里を解放して、短く謝罪する。
そんな美希がかわいくて、祈里は、もう、と少し怒った顔をしてみせた。

一瞬の間があって、2人同時に噴き出す。
なんでもないことがすごく楽しい。
幸せってこういうことなのかな。ふとそんなことを思った。

662:名無しさん@秘密の花園
09/08/28 19:43:33 wx6sKSw1
次の日、またダンスレッスンがあった。
祈里と美希は待ち合わせて一緒に公園へと向かっていた。
たわいない会話がたまらなく嬉しい。
話しているうちに、無意識のうちに2人の距離が近づいていたらしい。
指先が触れ合った。思わず手を引っ込める。
互いの反応を見て、顔を見合わせて笑う。
祈里の手がそろりと差し出された。
その手に躊躇いがちに美希が手を重ねようとする。
ごくり、と喉が鳴った。


「おーい!美希たーん!ブッキー!」

突然声をかけられて、びくっと全身がはねた。
振り返ると、手を振りながら走ってくるラブと、
その後ろをすこし遅れてついてくるせつなの姿があった。
美希と祈里は、あまりのタイミングに曖昧な笑みを浮かべながら手を振り返す。

「仲直りしたんだ!よかったー。
 最近2人がぎくしゃくしてるみたいだったから心配してたんだよー。ね、せつな」
「ええ。本当によかったわ」

気づかれていたのか。祈里は苦笑する。
無理もない。今考えると、あからさますぎた。

「心配かけてごめんなさい。でも、もう大丈夫だから」

祈里が言うと、美希も隣でうなずく。


「よーし!じゃあ早く行こう!」

ラブの元気な声につられて、みんなが走り出す。
走りながら、祈里が美希の袖を引っ張った。
美希だけに聞こえるように囁く。

「おあずけだね」

いたずらっぽく笑うその瞳から目が離せない。
敵わないわね。
美希の呟きは流れる風景とともに、あっという間に後ろへ消えた。

663:名無しさん@秘密の花園
09/08/28 20:35:37 nLN/o76g
萌えた、GJ

664:名無しさん@秘密の花園
09/08/28 22:18:44 3hASg4N8
>>655
自分から身を引いていくブッキーが物凄く切なくて・・・。
美希たんがキレた時の緊張感、伝わりました。
好きと言う感情って色々あるんだなって思いました。

保管しますので、宜しければ題名を。補足もあれば足しますよー

665:名無しさん@秘密の花園
09/08/28 23:03:33 GoEup31J
美希ブキGJ! このカップルも言っていいなぁ。
なかなか進展しなさそうな、もどかしい甘酸っぱさが漂う…。


自分もラブせつの小ネタを。ちょいエロかも。


666:名無しさん@秘密の花園
09/08/28 23:09:58 fBlGwZk9
百合というより友情話書いてるけど、恋愛やエロを極力絡めないように気をつけると意外に難しいもんだな

667:名無しさん@秘密の花園
09/08/28 23:10:03 GoEup31J
彼女の髪は夜の色。顔を埋めるととても優しい匂いがする。


「ラブの髪はお日様みたいね。」
ラブの波打つ様な癖のある明るい色の髪を、せつなは愛し気に撫でる。
「ラブは太陽みたい。」
もう一度、せつなは言う。ラブはくすぐったそうに身をすくめ、
ぴったりと、どんな小さな隙間も無ないくらいに肌を寄せる。


柔らかな少女の肌はひとつに蕩けあってしまわないのが不思議なくらいだ。
そして、溶け合えないもどかしさを埋めるように飽きること無くお互いを貪り合う。


「ねぇ、せつな…。名前…呼んでよ……。」

「…ラブ。」

「…もう一度…。」

「ラブ……?」

「もう一度……。」

「ラブ…。………もう、何なの?」


少し苦笑いしながらもせつなは何度も繰り返し呼んでくれる。


「…せつなの声、大好き。」

せつなの声は、少し低くて、柔らかい。その声で甘く名前を呼ばれると、
幸せで全身が蕩けそうになる。



「ねぇ、好きって言って…。」

「…好きよ。…ラブ。」

「ホントに…?」

「大好き。」

「えへへへ…。あたしも…」


大好き、大好き、大好き…。
ラブは少し身を起こし、せつなの唇をついばむ。
軽く、浅く、だんだん深く。
吐息までひとつになるように。



太陽が安らぐのは、たったひとつの闇の中。
また明日も周りを照らせるよう、太陽は自分だけの夜に包まれて眠りにつく。

668:名無しさん@秘密の花園
09/08/28 23:11:31 GoEup31J
書き忘れた。
タイトルは『声』、でお願いします。

669:名無しさん@秘密の花園
09/08/28 23:36:20 3hASg4N8
2作品保管しました。職人さん、確認お願いします。
>>665
綺麗な表現ですね。勉強になります。声をポイントにしたとこ、
見事です。小ネタじゃなく、ラブせつに振り分けしましたよー

>>666
難しいですよね。エロは押さえられるけど、友情=百合な展開が
イメージとして根付いちゃってるもんで・・・。
文章構成ってホント難しい・・・。

670:名無しさん@秘密の花園
09/08/28 23:48:19 sxYj8UuU
お、投下あざっす。自分も作ろうとチャレンジしてるから参考になるよ!

○パ読んでしゃべり方とかはイメージ出来た。教えてくれた人ありがとね

671:名無しさん@秘密の花園
09/08/29 13:32:26 ewPqgNKw
自重してたんだけど、誰もいないみたいなんで長いの置いていきますね。
保管庫の、黒い声、走り出した日、雨上がりの約束は・…読んでた方がいい…かな。
自分書いたやつは全部繋がっちゃってるんで。すいません……。

タイトルは、『壊れてしまった光景』です。

672:名無しさん@秘密の花園
09/08/29 13:35:18 ewPqgNKw

 今でもはっきりと覚えている。

 わたしが暗い闇の中で泣いていた時、差し伸べられた彼女の手。

 その手は、とても温かくて。

 きっと彼女の心も、こんな風に温かいんだろうなって、思った。

 それからも、ずっと。
 
 何度も泣きそうになったり、挫けそうになったわたしを、彼女はその手で助けてくれた。

 彼女とわたしのいる光景は、いつまでも変わらないと思っていたのに。

 ――でも、それは、あっけなく壊れてしまった。


 ――彼女はもう、わたしに手を差し伸べてはくれないだろう。




673:名無しさん@秘密の花園
09/08/29 13:36:57 ewPqgNKw
                    1

「…カオルちゃん!この新作のドーナツ、ちょー美味しいよ!!何個でも食べれちゃいそう!!」
「ラブ、口の周りにクリームいっぱいついてるわよ…ほら、ハンカチ」
「……全く…子供じゃないんだから。もうちょっと落ち着いて食べられないの?」
「ふふ、ラブちゃんよっぽどお腹空いてたのね」

 夏の日の夕方。
 ダンスレッスンの終ったわたし達4人は、カオルちゃんのドーナツ屋さんで、恒例になりつつある、練習
後のおやつパーティをしていた。……程々にしないと、太っちゃうかな……。

 それはいつもの光景。
 わたしたちの、ずっと繰り返されてきた変わらない日常。

「あれ?美希たん、ドーナツ食べないで、何飲んでんの??」
「……パインジュースよ。あたしはモデルだから、ラブみたいに食べ過ぎたりしないの」
「へえ、美味しそうね。ねえ美希、一口だけ飲ませてくれない?」
「―――…ヤだ」

 せつなちゃんの言葉に一瞬動きを止めたあと、それを断わり、美希ちゃんはまたストローでパインジュー
スを啜る。珍しいな。いつもなら飲ませてあげそうなものなのに。
 ……わたしだったら、喜んで飲ませてあげるのにな…そ、それにか、間接キスって事になるし…。

「……それはそうと、やっぱりその帽子、似合ってるじゃない、せつな」

 そう言うと、美希ちゃんは左隣に座ってるせつなちゃんのかぶっている帽子へ目をやる。

「ええ、素敵なものをありがとう、美希」

 大きな赤いリボンのついた、広つば帽子。
 この間の大雨の日、無理を言って美希ちゃんに付き合ってもらって、買ってきたもの。
 せつなちゃんがクローバー、そしてプリキュアに入った記念、って彼女にプレゼントしたものだけど、実際
かぶっている所を見るのは今日が初めて。
 ……思った通り、すごく良く似合ってる。
 わたしは内心、自分が選んで贈ったものをせつなちゃんが身に付けてくれたことが嬉しくて仕方なかった。
 ほんの少しでも、彼女の傍に近づけた気がして。
 いつでもせつなちゃんの近くに、わたしが存在しているような気がして。

674:名無しさん@秘密の花園
09/08/29 13:38:27 ewPqgNKw

「……お礼はあたしより、ブッキーに言ってあげて。あたしは選ぶのに付き合っただけだし。…大体、元はと
言えば、プレゼント贈るって言い出したのもブッキーだしね」

 美希ちゃんは素っ気なくも見える感じで言う。…今日の美希ちゃん、何かいつもと違う感じ…?それとも
せつなちゃんにお礼を言われて照れてるだけなのかしら…?

「そうだったの…ブッキー、本当にありがとう…」
「そ、そんな、お礼なんて……でもその帽子、きっと似合うって、わたし信じてた……」

 真っ直ぐにわたしを見つめて、真剣な顔でお礼を言うせつなちゃん。
 わたしは嬉しいような、くすぐったいような、そんな感じで彼女の顔から目線を外して。
 でも…喜んでもらえたみたいで、良かった……。
 何か贈り物をしたわたし自身が、せつなちゃんに幸せな気持ちをプレゼントされたみたい……。


「――ホントありがとうね、ブッキー!せつなにこんな素敵なプレゼントしてくれて!!」


 一瞬、わたしの思考が止まる。
 
 ――なんで、ラブちゃんが、ありがとうを、言うの?

 そんなわたしの気持ちに気付く訳も無く、ラブちゃんは明るい声で続ける。

「良く似合ってるよ、せつな~!なんかお嬢様っぽくて、イメージぴったり!」
「ふふ、ラブ、そんなに褒めると逆に嘘っぽいわよ」
「ウソじゃないよ!まあせつなは何でも似合うけどね。なんたってデキが違うもん!」
「……もう、あんまり言われると恥ずかしいわよ……」
「へへ…でもホントのホントに、せつなは何着ても、何つけても可愛くて、あたしの自慢だよ!」

 わたしの中の幸せな気持ちはかき消えていた。
 心の中に、代わりに嫌な思いが霧のように広がっていく。

 ――わたしのプレゼントは、ラブちゃんにあげた訳じゃないのよ……?
 
 ――あなたの恋人を着飾らせて、あなたを満足させる為じゃないのよ……?
 
 ――どうしていつもせつなちゃんとわたしの間に入ってくるの……?
 
 ――わたしのささやかな幸せすら、あなたは許してはくれないの……?

 ――わたしは……

「……ちょっと!惚気るんなら家に帰ってからにしてくれない?……正直、一緒にいるこっちが一番恥かしい
んだけど!」

 美希ちゃんが、呆れたような少し強めな口調で、二人をたしなめる様に言った。

「タハハ…ごめ~ん、美希たん。そんなに怒んないで~」
「ご、ごめんなさい、美希……」
「……ったく。少しは周りの目を気にしたらどうなの?」

 そう言って、美希ちゃんはチラッとわたしの方を見る。
 ――え?
 なんだろう、今の……。
 もしかして、わたし、嫌な思いが顔に出てたかしら……?

675:名無しさん@秘密の花園
09/08/29 13:43:21 ewPqgNKw

                    *

「……とにかく、今後そういった行為は慎むように!いいわね、二人とも!」
「は~い……」
「精一杯、慎むわ……」

 二人の反省した様子に、さすがに美希ちゃんも言い過ぎたと思ったのか、気まずそうにジュースを飲む。
 ラブちゃんとせつなちゃんも、無言でドーナツを口に運んで。
 わたしはといえば、さっきまでの嫌な霧が、美希ちゃんの言葉のおかげか、ちょっと薄れてきた事にホッ
としていた。

(ありがとう、美希ちゃん……)

 心の中でお礼を言う。危なくまた自己嫌悪になるところだった。
 せつなちゃんと一緒の場所に立っている事で満足しようって決心したのに。
 
 ……まだわたしは完全に想いを振り切れてはいない。
 ……せつなちゃんにプレゼントなんてしたのがその証拠だ。

(……しっかりしなきゃ)
 
 自分に言い聞かせる。このままじゃわたしだけじゃなく、ラブちゃんまで嫌いになっちゃいそうだから。
 わたしの勝手な片思いで親友まで失うなんて、最低だ…。
 自分のせいで、この光景を壊したくない……。

 そう考えながらラブちゃんとせつなちゃんへと目を向ける。

「…あれ?せつなちゃん、口にドーナツついてるよ?」

 上品に食べる彼女には珍しく、せつなちゃんの唇にドーナツの欠片がついている。

「あ、や、やだ……ちょっとボーっとしてたから……。ラブ、さっきのハンカチ……」
「――いいよ。動かないで、せつな」

 そう言ってラブちゃんはせつなちゃんの顔に自分の顔を近づける。

 一瞬の出来事で、わたしは目を逸らす事も出来ず――。



 せつなちゃんとラブちゃん。
 
 チュッ

 という軽い音と共に。
 
 二人の、唇が重なった。



 あまりの衝撃に、わたしはただ茫然とする事しかできなかった。


676:名無しさん@秘密の花園
09/08/29 13:44:22 ewPqgNKw

 顔が、離れた。
 せつなちゃんもラブちゃんの行動にビックリしたらしく、目を見開いたままで。
 その顔が、どんどん赤くなっていく。

「……これで取れたよ。せつな味のドーナツ、GETだね!」

 ラブちゃんは屈託なく言うと、唇をペロッと舐めた。

「ラ、ラ、ラブ!人前ではやめろって美希にさっき言われたばっかりじゃない!」
「あ!そうだった!!ご、ゴメンね、美希たん!」

 よっぽど動揺したのか、彼女らしくなく慌てた様子のせつなちゃん。
 さすがのラブちゃんも、怒られたばかりなのを思い出したのか、焦って美希ちゃんに謝る。

「…………」

 かなり怒っているのか、美希ちゃんは無言。

 わたしは、衝撃が去って行くのと同時に、どんどん悲しみが溢れてきて。
 このままだと、それが瞳から流れ出してしまいそう。
 そう思って、それを見られたくなくて、俯いた。 

 ギュッ。

(え……?)

 俯いたわたしの右手を、美希ちゃんの左手が握り締める。
 まるで、わたしの涙の栓を止めようとするように。
 美希ちゃんは相変わらず、無言のまま。
 わたしはそんな彼女を、伺うように上目遣いで見た。

「…………」

 美希ちゃんは何も答えず、少し遠い目をして、ジュースを口に運ぶ。

 チュッ

 っという音と共に、彼女はストローに軽く口をつけた。



677:名無しさん@秘密の花園
09/08/29 13:46:31 ewPqgNKw
                    2

「まったく、ラブにも困ったものだわ……ブッキーからも何か言ってあげればいいのよ。あの子、あたしが
何か言ったところで、もう慣れちゃってて効きやしないんだから」

 こんな事言っている美希ちゃんの顔も、わたしにとって昔からの光景の一つ。

 練習からの帰り道。わたしは「新しい香水作ったから、感想くれない?」っていう美希ちゃんの誘いに応
じて、彼女の部屋へ遊びに来ていた。……一人でいたら、さっきのラブちゃん達のキスシーンを思い出して、
また暗い気分になってしまいそうだったし……。
 それに……。

「ま…まあラブちゃんだって悪気があってやってる訳じゃないんだし……」
「悪気が無かったら許されるってものじゃないの!天真爛漫だろうと、純粋無垢だろうと、周りに迷惑な行為
をしてる時点で反省……ううん、猛省すべきなのよ」

 子供の頃から、ラブちゃんが何かする度に、美希ちゃんはこうやって呆れたような、それでいてちょっと
諦めたような口調でわたしに言うのだ。もっとも、わたしは彼女の言うようにラブちゃんに意見した事など
一度もなく……大抵、今みたいに少し困った顔で微笑むことしか出来ないのだけれど。

「……あ、折角来てくれたのにゴメンね、ブッキー。今飲み物持って来るから」

 そう言って美希ちゃんは部屋を出て行った。
 わたしは小さな溜息をついて、心の中で尋ねる。

(……どうしてさっき、わたしの手を握ってくれたの?)

 わたしの心の中を読んだかのように、握られた手。
 泣き出しそうだったわたしを、支えてくれた、手。
 小さな時からずっと変わらない、差し伸べられた、あの温もり。
 
 その答えを聞きたいのもあって、わたしはここに来たのだけれど。
 美希ちゃんの勢いに押されて、何も言えなかった。
 いや――それだけじゃない。
 怖かった、んだ。

(美希ちゃんは、知ってるの?……わたしの、せつなちゃんへの想いを……)

 それを確認するのが、怖い。
 自分の邪な恋に、彼女は気付いているのだろうか。
 女の子に、しかも親友の恋人に対する哀れで、報われない恋に。
 だとしたら、きっと、美希ちゃんに嫌われてしまう――。
 ……もしかしたら、もう軽蔑されているかも……。

(それは…それだけは、嫌だ……) 

 わたしの中の美希ちゃんは、気高くて、真面目で、潔癖な女の子のイメージで。
 わたしの歪な恋など、許してはくれそうではない。
 だから……たった一言が、聞けなかった。
 彼女を失いたくないから。
 隣に彼女のいる光景を、失いたくないから。


678:名無しさん@秘密の花園
09/08/29 13:47:24 ewPqgNKw
(美希ちゃんが、いなくなっちゃう……)

 その想像が恐ろしくて、思わず自分の肩を抱く。

(聞けないよね……やっぱり……)

 今度は深く、大きな溜息をわたしはついた。

「お待たせ、ブッキー。紅茶で良かったわよね?……どうかしたの?」

 美希ちゃんが飲み物の乗ったお盆をもって戻ってきた。

「あ、う、ううん!な、何でもないの!気にしないで!」
「……本当?なんかこの世の終わりみたいな顔してたけど……?」

 慌てて首を振るわたしを怪訝そうに見る美希ちゃん。

「……何かあるなら相談してよね。……友達、でしょ?」

 彼女は少し淋しそうに言う。
 その言葉と表情が、わたしの胸を締め付ける。
 でも……。

「わたしなら大丈夫だから……。そ、それより美希ちゃんの新作の香水に興味あるんだけど!?」

 ……わざとらしく話題を変える。
 今なら……答えが聞けたかもしれないのに。
 臆病な子だ、わたし……。

「…そう――分かったわ。ちょっと待ってね」

 美希ちゃんはお盆をテーブルに置くと、ドレッサーの引出しから、黄色い小ビンを取り出した。
 そのままベッドに腰を下ろす。

「こっち来て、ブッキ―。つけてあげる」

 言われるがまま、彼女の隣に座る。
 彼女はわたしの左手を取ると、手首に香水を、シュッ、っと軽く吹き付けた。

「……試してみて」

 わたしは手首を顔に近付け、その香りを吸う。

 不思議な香りだった。

 甘酸っぱくて、ほろ苦くて、なぜか胸が切なくなる……。

「……変わった香り……。美希ちゃん、これ何か効果とかあるの?」
「効果……は特に無いと思うわ。ただテーマを決めて作っただけだし……」
「テーマ?」

 聞き返そうと顔を上げると、美希ちゃんの顔がすぐそばにあった。
 彼女は、少し驚いているわたしの両手首を握ると、そのまま押しかかってくる。

(――あれ?)

 そう思ったときには、わたしは彼女に覆い被さられるように、ベッドの上に倒れていた。


679:名無しさん@秘密の花園
09/08/29 13:50:22 ewPqgNKw
                    *

 視界の中には美希ちゃんしかいなくなっていた。
 澄んだ青い瞳。すっと高く整った鼻梁。そして、綺麗な…唇。
 それらがスローモーションのように近付いてきて。
  
 羽毛が舞い落ちるように、柔らかく、静かに。

 

 唇同士が、触れた。



 一瞬、わたしの頭の中が真っ白になった。
 何が起きているのか、まるで理解できない。
 その行為を拒否する、という当たり前の選択すら思いつかなくて。
 ただ甘んじて彼女の唇を受け入れていた。

 そんなわたしの無抵抗ぶりを、了承の印とでも思ったのだろうか。
 最初はただ、わたしの存在を確認するだけみたいに、軽かった彼女の唇の感触が、変わる。
 ただがむしゃらに、わたしの唇に押し付けてくるものへと。
 
 それは、奪う、って言葉が相応しいように、強引で粗暴な、圧力。
 そのうちに、それにも飽き足らなくなったのか、彼女の舌が、わたしの内へと侵入してきた。
 それすらも、放心してるわたしに拒む事は出来ず。 
 
 わたしの口内を、手探りでなぞるように、彼女の舌が這い回る。
 
 やがて、わたしの舌を見つけたそれは、歓喜したかのように絡み付いてきて。
 その動きは、まるで暗闇ではぐれた恋人に、やっと会えたかのよう。
 激しくて、一方的な抱擁を、わたし達の舌はずっと交わし続ける。

 
 まるで軟体動物の交尾みたい……。


 わたしは、ただそんな事を考えていた。
 

 
 どれくらいたったのだろう。
 視界の中から、美希ちゃんが消えていた。
 ただ荒い息遣いだけが、わたしの左耳から聞こえている。

 ちょっと、重いな。美希ちゃんって軽いイメージだったんだけど。あ、でも、わたしより身長あるし、こ
んなものなのかしら……。それとも――もしかして太った?
 そうだとしたら、やっぱりカオルちゃんのドーナツ屋さんに行き過ぎなのがいけないと思うのよ。美希
ちゃん、ドーナツ食べなくてもジュース飲むから…。それだって、結構カロリーあるわけだし……。
 モデルさんなんだから、そういうとこも気をつけなくちゃ。烏龍茶とか、そういうのにした方がいいんじゃ
ないかしら?余計なお世話って怒られちゃうかもしれないけど。

 明日、言ってあげよう。
 
 明日。

 変わることの無い光景の中で。



680:名無しさん@秘密の花園
09/08/29 13:52:19 ewPqgNKw
「……喉、渇いちゃったね……。ブッキー、紅茶、飲む?」

 美希ちゃんは疲れたような口調でそう言うと、わたしの上から身を起こした。
 
 
 ショックで飛んでいた思考が戻ってきた。
 

「………………」 
 
 声が、出ない。
 身体が、美希ちゃんがどいたのに、まだ重さを感じている。
 彼女の方へ顔を向ける事すら出来なくて、わたしは、ただ天井だけを見つめていた。
 そこで初めて頬に違和感を感じる。
 濡れてるんだ……知らないうちに泣いてたみたい。

 今までの事が、現実なんだって、徐々に認識する。
 悪い夢でも見ていたと思っていたかったけど。
 ――だって、こんな事あり得る筈が筈が無いから。

 美希ちゃんがわたしにこんな事をするなんて、あっていい筈がないから。

 わたしの心の光景の中で、子供の頃の美希ちゃんが微笑んでいる。
 その彼女なら、わたしに手を差し伸べて、ここから起こしてくれる筈。
 何よりも、私の事を心配して、大切にしてくれる筈。

 でも、そう思う一方で、分かってもいた。
 その光景は、もう砕かれてしまったんだと。
 もう修復する事の出来ないくらい、粉々に。
 他ならない、彼女自身の手によって。

 
 新しい涙が、頬を伝い、流れる。


 わたしの心になど気付かないように、彼女は続ける。

「その香水ね、良かったらあげるわ。元々その為に作ったものだから。……せつなにプレゼントあげたのに、
ブッキーは何も貰ってないでしょ。……だから、あたしからの、プレゼント」

 美希ちゃんは淋しそうに、ちょっとだけ笑った。
 
 違うよ、美希ちゃん。
 わたしが聞きたかったのはそんな言葉じゃない。
 わたしが聞きたかったのは――。
 


681:名無しさん@秘密の花園
09/08/29 14:12:19 ewPqgNKw
「――『片思い』がテーマなのよ。それ」


 わたしは何も言わず、ノロノロとベッドから起き上がった。
 そのまま、置いてあった鞄を持ち、ノブを回し、部屋のドアを開ける。
 その間、わたしが彼女を振り向く事も、彼女がわたしに何か言う事も無かった。
 後ろ手にドアを閉める。
 なぜか見ていないのに、美希ちゃんも今のわたしと同じ表情をしてる事が分かった。
 悲しい、顔を。


「……やっぱり、知ってたんだね。美希ちゃん」

 
 わたしはそう呟いて、重い足を引き摺るように、彼女の家を後にした。


682:名無しさん@秘密の花園
09/08/29 14:14:14 ewPqgNKw
                    3 
 
 あれはいつの事だったろう。
 ……確か、小学校に入ったばかりの事だったと思う。

 近所の子供達と遊んでいて、草むらの陰にあった小さな―って言っても子供には充分大きくて深い―穴
に落ちてしまった事があった。
 這い上がろうとしても、湿った土のせいで滑るばかり。助けを呼んでも誰も来てくれなくて。
 泣き疲れて、幼いながらに、わたしはここで死んじゃうのかな、って思った。
 そのまま、日も落ちて辺りも暗くなりかけた頃。
 彼女の――美希ちゃんの声が聞こえた。

「ブッキ―、そこにいるの!?」
「……み、ミキちゃん!」
「ちょっとまってて!」

 少しして、古びたロープがわたしの前に下ろされる。

「それつかんで、のぼってきて!!ここまできたら、あたしがひっぱってあげる!」

 わたしは必死に、そのロープを掴んでよじ登った。
 そして、わたしの前に差し伸べられた、彼女の手。
 それに縋って、わたしは穴から出た。

「……だいじょうぶ!?どこもケガしてない!?」

 わたしに声をかける美希ちゃん。
 その姿を見たとき、逆にわたしの方が不安になった。

「ミキちゃんこそ……ボロボロじゃない!!」

 おそらくわたしを探してる最中、転んだり、引っ掛けたりしたのだろう。
 いつもオシャレだった彼女の服はあちこち破けてボロボロで。
 身体も、いたる所擦り傷や切り傷だらけ。
 とても、将来モデルになりたい、って夢を持っている子の姿ではなかった。
 
 それでも彼女は、わたしの手を握り締めたまま言ったのだ。

「いつもとかわらないよ!あたし、かんぺき!!」

 ……いつもそうだった。
 わたしが不安そうにしていたり、怯えたりすると彼女はいつもそう言って、笑う。

「でも、ち、でてるし……おようふくだって……」
「こんなのいたくないよ!ふくだってっこれしかないわけじゃないし!」
「でも……」

 なおも心配するわたしを、彼女はギュッっと抱き締めた。

「ブッキ―がぶじなら、いいの!それがあたしの、かんぺきなんだから!」

 そんな彼女の目は、わたしを探している間ずっと泣いてたのか、真っ赤に腫れてて。
 わたしはそれを見て、また泣き出した。


683:名無しさん@秘密の花園
09/08/29 14:15:35 ewPqgNKw

「なかないでよ、ブッキー……。」
「……だって……」
「あたし、ブッキーのわらってるかおがみたくて、がんばったんだから。だからわらって。これからだって
ブッキーがなきそうになったら、いつだってたすけてあげる。だから……」

 わたしは涙を拭うと、心配そうな彼女に笑いかけた。

「……うん!わたし、しんじてる!」


 その約束は、破られる事は無かった。

 彼女は、それからも、いつもわたしを守ってくれていた。
 辛いときや悲しいとき、真っ先に駆けつけて手を差し伸べてくれるのは美希ちゃんだった。
 幼い頃からわたしにとって、彼女は何より頼れる存在であり、憧れであり、親友だったのに。

                    *

「あら、お帰りなさい、祈里。早かったのね。美希ちゃんのとこに寄って来るんじゃなかったの?」
「……ただいま……お互い練習で疲れてたから、帰ってきちゃった……」

 涙の跡をお母さんに見られないように、と顔を伏せたまま、わたしは自分の部屋へと入った。
 背中でドアを閉め、崩れ落ちそうになる足を懸命に動かし、明かりも点けずベッドへと飛び込む。

「…………」

 頭の中がグルグルと回っている。
 美希ちゃんはどうしてわたしの想いを知っていたのか?
 なぜそれでも彼女はいつも通りに振舞っていたのか?
 わたしを嫌いになっていないのか?
 ……疑問ばかりだ。なんの答えも浮かばない。

 (それに――)

 
 どうして、わたしに、キス、したの?

 
 一番大きくて厄介な疑問。
 それを考えた時、何故だか可笑しくなった。
 キス、なんて言葉が今まで思い浮かばなかった事に。
 それは――あまりにもかけ離れすぎていたから、だと思う。
 わたしの中での、キス、ってイメージと。
 した事は無いけど、それはもっと甘くて、ロマンチックで、素敵なものだと思っていた。
 
 ……今日見たラブちゃん達みたいに……。
 

684:名無しさん@秘密の花園
09/08/29 14:16:15 ewPqgNKw
 
 ―わたしは頭を振ってその影像を打ち消すと、美希ちゃんと交わしたそれを思い出す。
 あれは…違う。最初こそ優しいものだったが、その後の荒々しさはまるで嵐のようだった。
 乱暴で、いやらしくて、深い―――。

(……蹂躙、って言うんだっけ)

 あの行為には、その言葉が一番しっくり来る。
 そうじゃなければ、略奪、だ。
 涙が滲んでくるのが分かる。
 まだ残っているあの感触を消し去ろうと、左手の甲で唇を擦る。

(……どうして、こんなヒドイ事……)

 わたしの知っている彼女は、こんな事をするような子じゃなかったのに。

(……美希ちゃんがわたしを泣かせた事なんて、あの時だけだったな……)

 わたしの信頼は裏切られてしまったんだろうか。

 
 ――違う、わたしが彼女を裏切っていたんだ。
 

 自分の許されない恋を、彼女に告げずにずっと隠していた。
 一番最初に相談すべき相手なのに、それも出来ずに。
 
 
 ――だから美希ちゃんは怒って、わたしにあんな事したんだ。
 
 
 だとしたらこれは――美希ちゃんを傷付けた分、わたしが負うべき、罰。

(――もう、美希ちゃんに会えない………)

 それを考えた時、なんともいえない喪失感を感じた。
 胸に……埋める事の出来ない大きな穴があいたみたい……。
 
 プリキュアも、クローバーも、今後一緒にやって行く事は……出来ない。
 彼女の隣に、わたしが立つ事も。
 彼女の前に、姿を見せる事も。
 ……きっと美希ちゃんは許してはくれない。
 
「…ごめんね、美希ちゃん……ごめんなさい……」 
 
 わたしの目から、また涙が零れ始めた。

685:名無しさん@秘密の花園
09/08/29 14:18:06 ewPqgNKw
 
                    *
 
 その時、左手首から、フッ、と香水が香った。



『――『片思い』がテーマなのよ。それ』

 

 美希ちゃんの、淋しそうな声。
 
 その声が、もう一つの意味をわたしに教えてくれる。

 混乱して見失っていた、最初に思いつくべき真実に。
 





「――美希ちゃん、もしかしてわたしの事…………」

 



 そう思った途端、全ての疑問が氷解していく。


 美希ちゃんはどうしてわたしの想いを知っていたのか?
 ――彼女は、見ていたんだ。いつでも、わたしだけを。

 
 なぜそれでも彼女はいつも通りに振舞っていたのか?
 ――彼女もわたしと一緒で、必死に想いを隠していたから。

 
 わたしを嫌いになっていないのか?
 ――有り得ない、だって・……。

 
 

 どうして、わたしに、キス、したの?
 ――………好き、だから。


 
 
 なんでそれに気が付かなかったのだろう。
 

 ……わたしが彼女の方を見ていなかったから、だ。
 わたしには、せつなちゃんしか見えてなかったから……。


686:名無しさん@秘密の花園
09/08/29 14:19:50 ewPqgNKw
 そこまで思い至った時、嫌悪しか感じていなかった彼女との行為が、胸の痛む、愛しいものへと変わる。
 抑えていた感情を爆発させたような、不器用で、哀しいキス。
 もしせつなちゃんに……キス……するような事があったら、わたしも同じようにするかも知れない。
 一瞬でも永く、強く、自分の存在を相手に焼き付けるために。

「……美…希…ちゃん………」

 暗い部屋の中で、わたしは美希ちゃんを今までないくらいに近くに感じた。
 ずっと『親友』って枠の中に入れていたから分からなかったんだ。
 美希ちゃんもわたしと同じように苦しんでいた事に。
 こんなにすぐ傍にいた事に。

「……………」
 
 自分の左手を、見つめる。
 
 今でもはっきりと覚えている。

 わたしが暗い闇の中で泣いていた時、差し伸べられた彼女の手。

 その手は、とても温かくて。

 きっと彼女の心も、こんな風に温かいんだろうなって、思った。

 それからも、ずっと。
 
 何度も泣きそうになったり、挫けそうになったわたしに、彼女はその手で助けてくれた。

 彼女とわたしのいる光景は、いつまでも変わらないと思っていたのに。

 ――でも、それは、あっけなく壊れてしまった。



 ――彼女はもう、わたしに手を差し伸べてはくれないだろう。
 

 

687:名無しさん@秘密の花園
09/08/29 14:21:40 ewPqgNKw
―――……だったら。



 ――――だったら今度は、わたしが手を差し伸べる番なのかもしれない。


 
 同じ闇の中で迷っている今のわたしに、可能なんだろうか。
 でも、おそらくそれが出来るのは、わたしだけなんだ。
 子供の頃に彼女がしてくれたように、わたしが彼女を引き上げてあげたい。

 わたしは涙を拭いて、ベッドから起き上がった。
 ――美希ちゃんに会わなければいけない……。
 どうすればいいのか、何を言っていいのかも分からない。
 でも――。
 リンクルンを取り出し、彼女の番号を押す。

 
 変わらないと思っていた、今までの光景は壊れてしまったけれど。
 
 ここからまた新しい光景が作られていく事を……わたしは、信じたい。


 リンクルンに彼女が出るのを、暗闇の中、わたしはずっと待ち続けた。






                                了

688: ◆51rtpjrRzY
09/08/29 14:25:35 ewPqgNKw
おしまい。おさるさんって初めてくらった。しかも酉わすれてたorz
ブキ美希フェア実施中と聞いてやってみたけど、長すぎ反省。

689:名無しさん@秘密の花園
09/08/29 14:30:30 ryKJUgvY
反省する事なんてない!!!
GJ過ぎて死ぬかと思った…
めちゃくちゃ読みごたえあったよ。
続き楽しみにしてます!

690:名無しさん@秘密の花園
09/08/29 15:28:08 7AlfC4Zg
GJ!こりゃまたせつない...

日常切り取ったようなほのぼの系を書いてる
途中だったんだが、ここまで激情あふれるものが
出てくると、そっち系も書きたくなるなぁ。



691:名無しさん@秘密の花園
09/08/29 15:39:16 6abdWkLq
>>655です
ブキ美希フェアとは夢のようだ・・・
感想くれた方ありがとうございます。嬉しいもんだなぁ

>>688
GJ!続き楽しみすぎる

>>669
保管作業いつもお疲れ様です。
タイトルですが
日常+非日常
でお願いします。お手数おかけしてすみません。
補足は特にないです

692:名無しさん@秘密の花園
09/08/29 15:48:44 J0ZB1Oag
>>688
GJ
次くらいで決着がつくのかな。続きが楽しみです
あと、レッスンの話のときも思ったけど、ラブが微妙に黒いのは気のせいだろうか

>>655のタイトルと>>672-687を保管庫に追加しときました

693:名無しさん@秘密の花園
09/08/29 16:08:52 0BXT4jCm
家宝は寝て待てとはまさにこの事だな。投下無いからずっと寂しかったんだぜw

吹き荒れろSSの嵐!

694:名無しさん@秘密の花園
09/08/29 16:09:53 ewPqgNKw
>>688
やってみた×やって来た○だった…orz
感想ありがとうございます!半分以上ミスって消去しちゃったのに書いた甲斐があった…。
>>692
素早い保管ありがとうございます…雨上がりの『』も修正してもらえたんですね。
お察しの通り、次で決着のつもりですけど、遠日公開です。何も考えてないんで……。
多分ラブの事もちょっと触れますよ。

695:名無しさん@秘密の花園
09/08/29 19:50:09 YqFyS0Zd
皆せつない系心理描写書くの上手すぎ。
エロくない分ピュアだわー。

でも、最近エロSS投下なくて寂しい自分もいるw

696:名無しさん@秘密の花園
09/08/29 20:07:28 lBCibkSZ
>>695
せつな「性一杯、頑張るわ」
ラブ「ワハッー!!」

697:名無しさん@秘密の花園
09/08/29 23:13:28 YqFyS0Zd
せつな「ねぇラブ、本を読んでて
わからなかったんだけど、キスってなあに?」

美希・祈里「!!」

ラブ「あぁ~、それなら友達同士でするあいさつだよ。
簡単だから教えてあげる!口と口をくっつけるだけなんだよ」

せつな「こうかしら?」

ちゅ

ラブ「クッハー!」

美希「せつな!アタシともあいさつして!」

祈里「私にも!」

せつな「わかったわ」

ちゅ ちゅ

美希・祈里「ムフフ…」

ラブ「みんなで幸せゲットだね!」

698:名無しさん@秘密の花園
09/08/29 23:48:38 aXcBAqeW
ブキ美希フェアと聞いて、修行途中ですが投下します。
少しは成長したかもw

【夏の思い出】
今年の夏は長雨のせいか、早く過ぎてしまった感があって。
いよいよ来週から学校も始まる。あっと言う間の夏休みだったかな。


そんなアタシにとって、短い夏の最後の日曜日。大好きなアナタと待ちに待ったデートの日。


「今日もバッチリ!うーん、アタシ完璧!」
ママにお願いして、ちょっとだけ背伸びしたオシャレな服を着飾って。
いつ以来だろう、こんなにときめいて洋服を着たのは。


いつしかモデルとして働く事にも慣れ、洋服を着るのに戸惑いも無くなり。

仕事としてのオシャレ。モデル、蒼乃美希としての生き方。

だけど何か物足りない自分もいて。




「チョット胸開きすぎかも。」
アナタに会える嬉しさが、アタシの気持ちを開放的にさせて。鏡に映る蒼乃美希は、最高の笑顔でこちらを見てる。


「ママー、今日遅くなるかもしれなーい!」
弾む声が玄関に響く。足取りも軽く、ドアを開けると夏の太陽の日差しがアタシを襲ってきた。


まだアタシに歯向かう気なの?女の大敵は。そう心に呟きながら実は、晴れてくれた事に感謝したり。


699:MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/08/29 23:49:31 aXcBAqeW
思えばいつも、アナタと一緒にいた気がするな。幼馴染みとしての運命だったのかもしれないケド。

変わらぬ四葉町の景色。アナタと歩いたこの道。これから進んでいく未来へ。

思い出のアルバムは進行形。アタシもまだまだ進行形。あ、アタシたちも・・・だった。



街路樹のお陰で歩道は日陰が多く、風も気持ちいい。自然と歩くスピードも速くなって。


「早く会いたい・・・」


そう呟く自分がどこか恥ずかしい。



あそこの角を曲がれば待合場所のレストラン。時間よりも30分前に到着。ほんとアタシって完璧。
手鏡でお化粧チェック。ルージュも塗り直して。開き過ぎだった胸をちょっと隠したり。



「美っ希ちゃんっ!」

後ろから脅かすようにアタシの肩を掴んで顔を覗かせる無邪気な天使。

「えっ!?もう着てたの?」
先を越されるなんて有り得ない・・・。完璧主義のアタシが負けるなんて。

700:MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/08/29 23:50:16 aXcBAqeW
と、言うか負けても悔しくない相手。じゃない、

大切な人。
大好きな人。
恋人、山吹祈里。

眩しい夏の太陽以上の輝きを持ったアナタ。アタシにいつも、希望と信じる心を届けてくれる。



「早いわよ祈里。待つ喜びも感じさせてくれないなんて。」
ちょっとふてくされてみる。まだまだアタシも子供。

「ごめんなさぁい・・・。でも、わたしも美希ちゃんと一緒だよ。待ってる時間も楽しみなの。」
そう言って、アタシの両手を握り笑顔を振りまく祈里。きゅんと胸が締め付けられる。可愛すぎる程可愛い。

「お洋服も綺麗だねー。美希ちゃん大人っぽい。」
ちゃんと背伸びしてオシャレしてきたトコも褒めてくれる。さすがアタシの彼女。



付き合い始めて最初の夏。お互い、忙しいながらも会える事を望み、信じ合ってここまでやって来れた。
レストランから見える青空は雲一つ無く。燦燦と照りつける太陽もアタシたちを祝ってくれていた。

701:MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/08/29 23:50:56 aXcBAqeW
「祈里、ホントそれ好きだよね」
このレストランに来ると、必ず注文するのがホットケーキ。ちょっとシロップを多めにかけるトコがまだまだ子供。


「美希ちゃんだって毎回一緒だよぉ?」
アタシも実は単純。アイスカフェオレとホットサンド。もっと食べたいけど、好きな人の前では小食気取り。


そんな心情を無視して祈里はイタズラにアタシを誘惑してくる。

「あーんしてっ?美味しいよ?」


「チョット・・・。恥ずかしいわよ!」


「お願ーい。ねっ?」

「・・・」

やっぱり甘い。かけ過ぎだってシロップ・・・。




702:MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/08/29 23:51:35 aXcBAqeW
「あ!美希ちゃん、この後どこに行くの?」
目をキラキラ輝かせながら問いかける祈里。このテーブルさえも遠く感じる程の距離。

抱きしめたい。壊れるほどに。




「夏の思い出作りに・・・行こっか!」


「うん!ほんと、今日は楽しみにしてたの!」


会えない時間は愛を育てるって本当なんだと実感した瞬間。



「そうそう。新しいメニューが出来たんだって。祈里知ってる?」

「え?知らないよ?」

「メニューのここなんだけど・・・」
そう言ってアタシは祈里の横に座り。


――chu――


「さっきの仕返しよ。」


「・・・恥ずかしい・・・」



夏の思い出。アタシならではの演出。ちょっと甘すぎたカモね。

703:名無しさん@秘密の花園
09/08/29 23:58:19 aXcBAqeW
>>697
保管しますので、宜しければ題名をお願いします。

もっとイイSSが作れるよう修行します。エロなくてごめんね。

704:名無しさん@秘密の花園
09/08/30 00:14:00 Y7r7Voq1
プラトニック好きにはここは天国だ。
もちろん、エロがあるのもそれはそれでいい。

705:名無しさん@秘密の花園
09/08/30 00:17:19 qBauuLC2
>>703
甘い。甘すぎる。どうしてもっと投下してくれないんだw
てかウマいよね作り。俺も頑張って作るわ。

切ないのも甘甘のも形になるのがフレプリのイイ所だね。

706:名無しさん@秘密の花園
09/08/30 00:48:27 3/6VHpbK
次回の放映までに前回のネタを消化したくて流れを読まずに勢いだけで書いた。後悔はしていない。



クローバータウンストリート中央付近に位置するビルに設置された大型ハイビジョンモニター
流されているTVニュースではキャスターが次の話題を読み上げる。

「来日していたメクルーメーク王国の王室のご一家が予定されていた日程を終え、
 明日、帰国することなりました。
 本日はその記者会見の模様を…」

「あ、ジェフリー!」

見上げればモニターに映るのはつい先日、ほんの少しの間だけ行動を共にした少年
両親に囲まれて満面の笑顔を見せる姿がそこにはあった。

「「「やっぱり、かわい~い!」」」
ジェフリーの笑顔を見て顔をほころばせるラブ、美希、祈里

「あの子の笑顔、やっぱり完璧!」
「いつも見てるこっちまで幸せになっちゃう」
「うんうん、これで今日も幸せゲットだね…ねえせつな?」
「私は別に…あの時もずっとラブだけを見てたし」

「「「えっ」」」

「ラブの笑顔はいつでも私を幸せにしてくれるの
 ああ…あの時のラブの笑顔、とってもかわいかったわ~」

そこには赤く染まった両頬に手をあてて顔がゆるみまくった、今まで見たことのない表情の彼女がいた。



707:名無しさん@秘密の花園
09/08/30 00:52:14 3/6VHpbK
余談

お暇な人は29話の「か、かわいい…」のシーンでの
せっちゃんの顔の向きと目線を今一度チェックしてみるといいかもしれない。


708:名無しさん@秘密の花園
09/08/30 00:55:29 tmMs6LJc
>>703

>エロなくてごめんね。
開きすぎた胸とか、十分エロいですってw
この後ラブホに行くふたりを脳内補完しました。

タイトルは【キス=あいさつ?】でお願いします。
まんまですね…

709:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 04:36:02 srPJ6+r/
>>697です。
誰もいなそうなので、エロいの置いていきますね…。

710:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 04:36:54 srPJ6+r/
【大切なひと】~【片恋】後日談~

最近すっごくモヤモヤしてる。
あと一歩な気がするのに、届きそうで届かない。
そんなふたりの距離がもどかしくて。

私がずっと片思いしていたのは、幼なじみの美希ちゃん。
けど、ひょんなきっかけで両思いだとわかり、付き合い始めたばかり。
今は最高に幸せな時期…なはず。

なのに、美希ちゃんってば、私にキスしかしてくれない。
それも子供にするようなキスばかり。
私がお子ちゃまだから?

これでも色々と、その…アッチのお勉強もしてるんだよ。
女の子同士の愛し合い方だって、少しは知ってるつもり。
美希ちゃんに、いつ「祈里が欲しい」って言われてもいいように、
勝負下着だって着けている。

「今夜、パパとママ遅いの。良かったら遊びに来ない?」
この前、勇気を出して誘ってみたけど、答えはNO。

その後も、二人になれそうな日は何度も誘ってみた。
でも答えはNOばかり。

「ダメよ!あ、え~と、あ!そうそう!弟と先約が…ゴニョゴニョ」
とか、
「さ、撮影が入ってて、アハハ、ゴメンね」
とか。
巧くかわされてしまう。私、魅力ないのかなあ?


711:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 04:37:50 srPJ6+r/

そんなことばかり考えていると、
美希ちゃんとのデートはあっという間。

「…なのよ。ん?祈里、聞いてる?上の空ってカンジ」

「そ、そんなことないよ!」

「そう?それでさ、今夜ママったら、彼氏とデートで朝まで帰らないって。
ったく、年頃の娘を置いてオトコと朝帰りなんて、
祈里もひどいママだと思うでしょ?」

「え…、うん、そうね、美希ちゃんのママ、不良よね、アハハ…」
美希ちゃんが、今夜ひとり…?

チャンスよ!祈里!このチャンス、必ずつかんでみせる!
言えばいつもみたいに断られちゃうに決まってる。
だから黙って、強引に泊まりに行っちゃおう。
きっと上手くいくって、私信じてる!

712:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 04:38:35 srPJ6+r/

   *******

はーあ。またため息ついちゃった。
最近、祈里とのデートの後はいつもこう。
その時不意に、ラブが脳裏に浮かぶ。
「ダメだよ、美希たん!ため息つくと幸せが逃げちゃうんだよ。
幸せはゲットしなきゃ!」
ラブの言葉を思い出して、出そうとしていたもうひとつのため息を、
あたしは慌てて飲み込んだ。

「ママー、ただいまー。夕ご飯なーにー?」
しーん、と静まり返った玄関。
…あ、今夜、ママ居ないんだっけ。

まず、シャワーを浴びよう。
じっとしていると、祈里のことばかり考えてしまう。

少し冷たい温度のシャワーに身体をまかせる。
火照った身体を、少しでも落ち着かせようとして。

でも…頭から追い払おうとすればするほど、祈里は
あたしの心の扉をこじ開けようとするみたい。

713:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 04:39:02 srPJ6+r/


シャワーを終えて、バスタオルを巻きつけたまま、
リビングのソファに横たわる。

すぐにあたしの頭の中は、祈里へのよこしまな思いで侵食されていく。
ダメだと思いながらも、止めることができない。

空想の中で、あたしは祈里を淫らな格好にし、
卑猥な言葉を吐かせる。

「美希ちゃん…しよ?」空想の祈里はあたしを見上げる。
現実の彼女とは正反対の、誘うような瞳で。

ダメよ…あたし、まだ貴女を大切にしたいの。
「お願い…じらさないで。美希ちゃんもホントは私が欲しいんでしょ。
ほら、もうこんなに…」

空想の祈里になりきって、あたしは敏感な場所に手を伸ばす。
くちゅ くちゅ
「あ…はぁ…ふ…ぅん…いの、り…」

空想はいつも同じ内容。
彼女と愛し合う妄想で、ひとり快楽に耽ってしまう。

「あぁっ!祈里ッ!」
・・・・・また今日も、彼女を汚してしまった。

714:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 04:39:26 srPJ6+r/


淫らにはだけたバスタオルを再び巻きなおし、
もう一度シャワーを浴びに行こうと立ち上がった時。
ピンポーン。玄関のチャイムが鳴った。

来客の映像を確認して、言葉を失った。
そこには、制服姿の祈里が映っていたから。

「祈里どうしたの!?もう20時近いよ。ご両親心配するじゃない」
「美希ちゃんお願い、入れて」
いつになく真剣な祈里の気迫に押されて、
あたしは思わず鍵を開けてしまった。ガチャッ。

あたしに倒れこむように抱きつく祈里。
「美希ちゃん…あたしのこと好き?」

「な、なによ急に!照れるじゃない」

「いいから答えて!」
今日の祈里、いつもと違う…。

「そりゃ、好きよ、わかってるでしょ!」

「じゃあ証明して」

「証明?どうゆうこと?」

祈里は、ちょっと怒ったような、拗ねたような表情で、
恥ずかしそうに言った。
「…抱いて」

715:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 04:39:57 srPJ6+r/



   *******

祈里はそう言うと、呆然とする美希を寝室へと引っぱっていき、
ベッドへ押し倒した。

「ま、待って!祈里、待って!」
うろたえる美希に耳を貸そうともせず、
祈里は美希のバスタオルをはいでいく。

さっきの手淫によってもたらされた快感の跡は、
美希の身体のあちこちにまだ残っている。

まだ硬いままの乳首に祈里のくちびるが触れる。
「はん!」
まるで悦んでいるようなあられもない声が出てしまう。
「や…祈里、やめて…あぁっ…
あたしまだ貴女を汚したくない。大切にしたいの」

「もう待てないよ、じらさないで、あたしのモノになって」
祈里の指先が、容赦なく脚の間に伸び、
さっき達したばかりの淫豆を弄び始めた。

「おかしいね。美希ちゃん、もうこんなになってるじゃない」
大量に流れ出た美希のものを指に絡めながら、
たしなめるように祈里は言った。

「もしかして、自分でシテタの?ダメじゃないの…」
「ふぅん…あぁ…はっ…だっ、て…」
「だって、なあに?」
罰を与えるように、美希の乳首を甘噛みする祈里。

「はあ!んん!」
「キレイ…感じてる顔の美希ちゃんもすてき。
そんな顔されると、たまらなくなっちゃう」

美希に快感を与えながら、次第に祈里の顔も紅潮しはじめる。
祈里の白いショーツには、いつしか染みができていた。

「お願い。私も、はやく美希ちゃんのものになりたい…」

「わかったわ…今までずっと我慢してた。大切にしたかった。
さっきも、貴女を想って自分を慰めてた。
でも、もう我慢するのはやめにする」

716:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 04:40:30 srPJ6+r/

美希は、祈里のスカートをたくしあげ、
ショーツの上から敏感になっている部分を擦りはじめた。
「ああ…ずっと…ずっと夢見てた…美希ちゃんとこうなること」

「あたしもよ…」
祈里のブラウスの胸だけをはだけ、服は脱がさない。
ブラジャーのフロントホックをはずと、ふたつの膨らみは
自由を獲たように、美希の手のひらを跳ね回る。

可愛がってと言わんばかりに隆起した先端を、そっと口に含む。
汗の混じった祈里の香りが鼻孔をくすぐる。
少しだけしょっぱい。ゆっくり味わいながら、舐めたり、吸ったりした。

すぐに祈里は歓声を上げはじめる。
驚いた。なんて感じやすい子。
「こんなこと、初めてよね?」

「ん…でも…私もずっと、美希ちゃんを想って…シテタから…」
祈里は消え入りそうな、かぼそい声でつぶやいた。
そんな彼女の小さな耳を、美希は念入りに舐め上げる。
「んっ…それ、すっごくスキ…」

耳朶への初めての愛撫によってもたらされる感覚。
波のように襲う快感に、祈里は顔をゆがめた。

そのまま唇に移動し、舌を入れ、祈里の口内を侵す。
ふたりがいつも交わす、ついばむような小鳥のキスではなく、
獰猛な獣のような、激しいくちづけ。

長い時間をかけ、舌でむさぼるようにさぐりあった後、
美希は身体を下にずらして行き、再び乳房にくちづけて愛撫を加えた。
祈里の声は今や、とどまることなく大きくなっていく。

717:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 04:41:05 srPJ6+r/


乳首を口に含みながら、美希は祈里を見つめた。
「祈里、感じてるのね…めちゃくちゃ可愛い」
「やんっ…!美希ちゃ…はっ、ずか、し、いんっ…」

充分に可愛がり、唾液にまみれた突起を左の指で弄りながら、
右手でショーツをずらす。
脱がせやすいように、自然と腰を浮かせる祈里。
そんな気遣いも可愛く、胸が熱くなる。

今、あたしたち、愛し合ってる。
脚を開かせると、美希の眼前に、祈里の花園が広がった。
「やん…あんまりじっと見ないで…」
蜜があふれ、ヒクヒクと震える柔襞に、そっとくちづける。

美希の舌が、祈里の中心の膨らみを捕らえた。
電撃を受けたように、肢体を振るわせる祈里。
舌でこじ開けるように舐め取っていくが、
どれだけ舐めようと、泉は尽きることはない。

「あっ、んっ…はぁ、美希、ちゃん…も、ダメ…」
「我慢しなくていいのよ。でも黙ってイっちゃダメ。
かならずイクって言いなさいね」

せつなそうな祈里の瞳を見ながら、美希は快感の楔を打ち込み続けた。
「あああ!もうっ、いっ、イクイク、イっちゃう!あああああ」
祈里の白い肢体が、激しく震え、
やがてヒクヒクと最後の痙攣を繰り返した。

美希は満足そうに顔を上げ、祈里にキスをした。
「わ、たし…美希ちゃんのものに、なれたん、だね…」
「そうよ。もう絶対はなさないから」


718:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 04:42:24 srPJ6+r/
以上ですノシ

719:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 09:07:23 tMSWneV8
最近美希たんとブッキーの話が多くて嬉しい!GJ

720:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 09:11:48 gktbPlii
来週鬼門だな・・・なにも無いといいんだが

721:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 09:14:45 s7OyXTw+
俺は逆に予告で安心した なんだこんなもんかー
サイトの次回予告映像で「せつなぁ~制服チョー似合ってるよ!」で
一週間戦える

722:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 09:18:53 HxtEGkQg
今日の開始5分までの展開が百合イメージを膨張させてくれたw
やっぱ公式は強いなー。

今朝までの投下は保管してあります。>>707さん、題名あれば教えて下さい。

来週は思ったよりダメージ少ないかも。
って私信じてる!

723:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 09:23:29 qlIYxAEN
>>721
確かにあんまりガツンと来るようなダメージは無さそうだな
まあ、来週になって見ないと分からないからなあ

それと>>718GJ!
最近美希ブキが多くて幸せゲット出来てます

724:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 09:27:35 qBauuLC2
投下続いて嬉しいよ。改めて職人ありがと。美希たん大人だな~。

>>722
保管乙。俺のも今度ヨロシクね

725:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 09:28:25 UbbaWC6i
雨降って地固まるというか、ほぼ間違いなくラブと大輔の関係は一歩前するだろうなぁ
なんで貴重なせつなの学校回にラブ大輔やるのか意味不明だ
公式はガチでラブと大輔の関係を描くつもりなのかね・・・

726:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 09:29:59 HHBx6x1l
他人の幸せのためばかりに一所懸命になってたラブが、
自分の幸せをゲットするためにがんばる、
周りはその手伝いをするってのを描きたいってことかねえ

727:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 09:33:30 HxtEGkQg
>>725
ラブせつがその何万歩前を進んでるけどね!って思わせて・・・。
大輔登場はワンポイント・中継ぎって事で。

>>724
投下待ってます。題名も忘れずに~

728:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 09:33:53 xlxtxd64
>>725
リメンバー・藤P

729:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 09:35:06 4jISYvR9
モチベちょっと下がったなぁ

730:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 09:37:22 QZsIWoen
>>728
藤Pは結局空気だったじゃん

731:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 09:42:17 qBauuLC2
>>726
周りが気を使ってフォローする展開かな。ラブは最後まで気付かないとかね。

せっちゃんはどう感じるかだ。

732:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 09:49:42 UbIpb+3t
大輔を異性として意識するような展開になるなら
まあ今後日曜はゆっくり寝ますわ

733:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 09:55:41 QZsIWoen
その昔神無月の巫女というアニメがあってな・・・
まあ一時的に男とくっつく展開になっても、それで絶望するのは早いってこった

734:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 09:57:31 UbIpb+3t
いや、あんなのは例外中の例外w
ガチ百合看板の作品。あくまで子供向け一般向けのプリキュアと一緒にしちゃいかん


735:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 10:05:51 s7OyXTw+
もともと公式で百合ってのはありえないんだしなー
ちょっとした描写の小さな幸せゲットしてこうぜ

736:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 10:06:38 qBauuLC2
製作段階で恋愛無し路線だったよな~。
ガチ百合あってもイイじゃんねぇ

737:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 10:07:22 UbIpb+3t
藤Pは象徴的な王子キャラであって、両思いになるとかはあり得ない存在だったけど
大輔というのはガンガン自分から好きベクトル出して来るからね
プリキュアシリーズで一番危険な男かも

738:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 10:18:04 qlIYxAEN
まあしかしここでネガティブな論争してても何も変わりゃしないんだから、ここはラブ×祈里でも妄想しとこうぜ

739:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 10:19:25 4jISYvR9
正直いま軽く欝になりかけてます

740:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 10:34:16 P8VeNj27
初投下です
30話のネタバレが入ってるので注意してください


『おたのしみ』


「まったく、タルトも困ったもんだよ!」

タルトのヘソ騒動は解決し、家族全員で帰宅した桃園家。
ところが、タルトの体調不良はアイスを全部食べてしまったせいだったことが判明した。
ラブとせつなは二人でアイスを買い直し、せつなの部屋へ。
ラブの部屋はタルトが泣きながら逃げ込んだせいで入れない。

「それじゃあ、アイス、食べようか……」
「え、ええ……」
アイスが楽しみだったのは、ただアイスが食べたかったからだけではない。

「はい、せつな。あーん」
ラブはアイスを容器からスプーンですくい取って、せつなの口元まで移す。
せつなは顔を赤くしながら。それを咥え、飲み込む

「どう? せつな? おいしい?」
「うん。アイスも美味しいけど、ラブが食べさせてくれたから、もっと、美味しい」
「もう照れるなぁ~。じゃあ今度は、せつなの番だね」

今度はスプーンを受け取ったせつなが容器からアイスをすくい、ラブの口元へ移す。
ラブも先程のせつなと同じようにそれを食べる。
「クッハー! せつなのアイスで幸せゲットだよ」
「やっぱり恥ずかしいわ、もう!」

二口だけ食べられたアイスの容器が二人の真ん中に置いてある。
「それじゃあ、もう一回やろっか……」

それからは無言で交互にアイスを食べさせていく二人。
お互いから手渡されるスプーンが徐々に熱を帯びていくのが分かった。
ただ黙々と時間が過ぎていく。

アイスの容器が空になったのは夕方頃だった。
タルト同様、二人揃って仲良く腹痛を起こしたのは言うまでもない。

741:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 10:34:19 UbbaWC6i
>>736
逆に恋愛要素はテーマの一つだって前川さんが言ってたぞ・・・
その割に描写が薄かったから安心してたのに

742:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 12:03:33 X5IB27CB
>>740
馬鹿な!俺が妄想したシチュが既に投下されているだと!?
ありがたやありがたや…

743:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 12:51:46 s7OyXTw+
>>740
おっ最近美希ブキ祭りだったからラブせつ分が不足してきた所だ。GJ
この後はトイレ争奪戦ですね

744:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 15:38:17 wZH+2oVE
今日の回観ると
なんかせつながラブに毒されてきたなぁと。いい意味で。
似てきたw
お母さんとの関係も

745:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 15:57:42 vROGOz/b
>>744

んー、でもあれだけのドラマを経てるんだから
あそこまではっちゃけられてもなぁという気がする。

結局何が言いたいかというと、ラブせつで百合って欲しい。
それだけだ。


746:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 16:04:50 Sb9OQ4D+
もうちょい家族とせつなのふれあいとか、絆の芽生えとかじっくりやってほしかったが…。
その上でだったら、あのはっちゃけもおkなんだけど。
そこまでせつなだけに尺使えないんだろうけどさ。
ただ最後タルト追い詰めるトコは似たもの夫婦過ぎて吹いたw

747:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 16:14:06 UbbaWC6i
ここだけじゃなくて他のスレやブログでも、せつなの性格付けが微妙って意見が多いね
大友的には、暗い過去を背負いつつも前を向いて健気に精一杯やってるせつなや
どちらかというと暴走しがちなラブをたしなめる、しっかり者をイメージしてる人が多かったかな
確かに今のままだと、良くも悪くも普通の子だ
メインターゲットが子供ということを考えると仕方ないけど

ラブ美希祈里で基本的なキャラ属性は網羅してるから、せつなは味付けが難しいというのもありそう
あるいはこちらの世界のことが分かって行くにつれて性格も変わっていくとか
せつなが自分の夢を持つ過程も作中で描かれるだろうし、しばらくは様子見だな

748:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 17:18:48 dDNgFTcs
「ラブとせつな!仲直りのしかた」
というssが読みたいなw
どなたか書いてくれないかww 自分には文才がない。

本編でやってくれたら萌え死ぬんだが

749:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 17:29:45 HxtEGkQg
>>748
今日のお題にけってーいw
ライトなSSで良ければ今夜中にでも。

750:MH22S3MH22S
09/08/30 19:10:44 HxtEGkQg
【秘密のでぇと】の続きって事で。文才得るため修行中ですがw

【ラブとせつな!仲直りのしかた】
「出来れば内密に・・・。せつなぁ~」
そう言って戸惑うラブを見て、私は何か悪い事をしてしまったような気がした。


「せつなちゃん、ちょっと自分の部屋に戻ってもらっててもいいかな?」

「はい。」

空気が変わった。お父さんの顔がちょっと強張り、ラブも下を向いたまま。
不安になりながらも私にはどうしていいかわからず、2階へ向かう事にした。


「心配ないわよ。ちょっと待ってってね。」
お母さんのいつもと変わらぬ笑顔を見て、少しほっとする。優しいお母さんが私は大好き。
もちろんお父さんも。


部屋に戻っても、特に何もする事は無かった。 むしろ、今日もでぇと出来ると思って
いたからお洋服は何を着ていこう?とか、どこへ連れてってくれるんだろう?とか
考えるだけで楽しかった。


ラブと私が写ってる二人の写真を見ながらベッドに横たわる。
目を瞑れば走馬灯のように蘇る楽しい思い出。ほんとに幸せな日々。一緒に過ごせる喜び。



――ありがとう――



気がつくと眠っていた私。窓からはうっすら夕日が差し込んでいる。

ラブは!?

胸の鼓動が不安を後押しする。スリッパも履かずにドアを開け、ラブの部屋へ。


751:MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/08/30 19:11:40 HxtEGkQg
「ラブ!?」

「あ、せつな・・・。」
ベッドに腰掛けて天井を見上げるラブ。どこか寂し気。


「お父さんとお話・・・」


「うん・・・。平気だよ。」


平気って何?何か隠してると私は思った。第一、ラブは私を見てくれない。

「怒られたの?私、余計な事言ったのかしら?」


「違う。全部あたしが悪いんだ。」

どして?どして全部ラブが悪いの?私がお父さんとお母さんにでぇとやキスをしてる事喋ったからじゃないの?
心の中に寂しいと言う感情が芽生えた。でも言葉に出来ない・・・。


「せつな。もう秘密にするのはやめよ?」


ショックで呆然と立ち尽くした。何でこうなってしまうの?


やっぱり私は幸せになってはいけないんだ・・・。



「やっぱ嘘付いたらバレるよねー!」
「えっ?」

「デート行くって実は・・・、内緒にしてたんだー。お父さんとお母さんには図書館で勉強しに行くって。」

頭の中がごちゃごちゃして整理するのに時間がかかった。と、同時に嘘は良くないと思い。

752:MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/08/30 19:12:08 HxtEGkQg
「どして嘘付くのっ!?」
「ちょ・・・。待ってってば。何で怒ってるのせつなー。」
「隠し事や嘘はダメってお父さんもお母さんも言ってた!」
「イヤイヤ・・・。それは時と場合で・・・。」
「ダメなものはダメよ!」
「あたしだって恋もするの!せつなとデートしたいの!」
「だからって嘘は良くないわ!」
「あぁ、もぅ!うるさーい!!!」


気が付けば夕日は沈み、窓の外は暗くなりつつあった。
虫の音が、静かな部屋を響かせる。


「私・・・、わからないわ。」
不安になって心配して、落ち込んだ私はどうしたらいいの。



「あたしの事・・・、嫌いになっちゃった?」
ラブの言葉にはっとする。こんな事で嫌いになる訳ないのに。



そう、なれる訳ない。


そう思ったら自然とラブの横に座る事が出来た。


753:MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/08/30 19:12:35 HxtEGkQg
「初めてせつなとケンカしちゃったね。」


「ケンカ?」


「うん。言い争う事。意見のすれ違いって事。」


「ごめんなさい。私、ラブが心配で・・・。」

「うぅん。元はと言えばあたしが嘘付いちゃったからね。」



「ケンカしたら仲直りしなきゃいけないんだよ?」

「そなの?」

「こうやって」


月明かりが差し込む部屋で、大好きな人から仲直りのプレゼント。


「私、またケンカしたいわ。」
「変な事言わないの!」


ラブは寝る前に、ケンカする程仲が良いって教えてくれた。

仲直りの仕方は私たちだけの秘密だって言ってた。

嘘はダメだけど、秘密は良いみたい・・・。

754:名無しさん@そうだ選挙に行こう
09/08/30 19:43:48 qBauuLC2
こーゆー恋愛要素なら大歓迎なんだが。無論ラブせつで。

仲直りの仕方、キスはもうしてるから、ディープ?それとも愛撫?
もしくは…ぐはっw

755:名無しさん@秘密の花園
09/08/30 23:09:01 65WpqBl7
>>750
GJ!!
続き気になってたから嬉しいw
せつなの天然無知なところが可愛すぎるよおおお

756:名無しさん@秘密の花園
09/08/31 00:18:11 qIRQ8Qbh
>>750
ネタバレかと思ったわ!やっぱ嘘は良くない。堂々とデートしなさい。お父さんが認めますwww

修行しないと書けないまでいってんのか、職人のSSは…。投下頑張ってくれ!

757:名無しさん@秘密の花園
09/08/31 00:32:05 UvszjL7i
>>750
保管&投下乙です。読みやすくて良かった。もちGJ!
ラブせつ喧嘩回はもしかすると今後あるかもね。
大輔もう諦めろ。自重しろw

>>754
カオルちゃん乙

758:名無しさん@秘密の花園
09/08/31 00:48:21 Y6O2/2ou
できればタイトルと一緒にカップリングも書いてくれると分かりやすくてありがたい

759:名無しさん@秘密の花園
09/08/31 00:50:03 Y6O2/2ou
あ、ごめん上のは投下する職人さんたちに対するお願いね。

760: ◆BVjx9JFTno
09/08/31 02:19:53 kPO8jNoX
こんばんわ。
最近ネタが浮かばないので、
酔った勢いで日常切り取りものにしました。
ブキ美希フェア中ですが、空気読まずにラブせつでスマソ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

小さな土鍋の中が、くつくつと煮えている。

卵を回し入れ、軽く混ぜる。
刻んだネギと海苔を散らす。

「これでいいですか?」
「バッチリよ。せつなちゃん上手じゃない」

めずらしくラブが熱を出したので、
お母さんに教えてもらって、卵雑炊を作った。

土鍋と器を盆にのせ、ラブの部屋に入る。

「ラブ、ご飯食べる?」
「うーん...あんまり食欲ないかな...」

「私が作ってみたんだけど...」
「えっ?嘘!今の嘘!あー何かお腹すいちゃったー!」

額に濡れタオルを乗せ、辛そうにしていた
ラブの声が1オクターブ以上あがる。

「ふーふーして!」

起きる気配も見せず、きらきらした目で私を見る。
食べさせてもらう気満々だ。これが目的か。




761: ◆BVjx9JFTno
09/08/31 02:20:31 kPO8jNoX

「はいはい、わかったわ」

スプーンですくい、2、3度息を吹きかけてから
ラブの口に運ぶ。

「んー、おいしいーん」

満面の笑みで、ラブが口をもぐもぐさせる。
この笑顔を見ていると、多少のわがままも
許せてしまう。


残暑も過ぎ、夜は過ごしやすくなった。
開けた窓の外から、小さく虫の声が聞こえている。

ゆっくりと、ラブにスプーンを運ぶ。
静かで、穏やかな時間。


「にははー、風邪ひいて良かった。
 せつなの笑顔ひとり占めだよ」

「そんなこと言ってないで、早く治してね。
 明日は一緒に洋服を見に行く約束でしょ。」


顔を上げ、部屋の鏡を見てみる。

鏡の中の私の顔は、あのときのラブの顔に
よく似ていた。



762: ◆BVjx9JFTno
09/08/31 02:21:22 kPO8jNoX

......

スタジアムの医務室で、私が目を覚ましたときに
そこにあったラブの顔。

全てを受け止め、包み込んでくれるような
その笑顔を見て、闇の底に封じ込めていた
私の本当の気持ちが、抑えきれないほどに
動き出すのを感じていた。

次の瞬間、闇が、心を縛る。
あの時の私は、ラブがくれた水を払いのけ、
医務室を飛び出し、自棄のように
最後のカードを天井に向けて放った。


死んでもいい。
どうなってもいい。

死ぬなんて嫌。
ラブとお別れなんて、嫌。

ふたつの思いが、音を立てて交錯する。
心に、体に、激痛が走る。

心の激痛は涙になり、
ナキサケーベの力は増大する。
増大した力は棘となり、
さらなる激痛として私に襲いかかる。

なすすべなく、蝕まれる。

そんな闇の底に、ラブは両手を拡げ、
再びあの笑顔で舞い降りてきてくれた。

......



763: ◆BVjx9JFTno
09/08/31 02:22:07 kPO8jNoX

風邪薬を飲ませ、電気を消して
ベッドの横に座る。

布団の中に手を入れ、ラブの手を握る。

「寝るまで、こうしててあげる」
「うん。ありがと、せつな。」

薬が効いたのか、ほどなく
ラブの規則正しい寝息が聞こえてきた。

薄闇の中、もう一度、鏡の中の私を見る。

大切な人を見つめるときって
こんな表情になるんだね。


私は、しばらくラブの寝顔を見つめた後、
ラブの夢にこの想いが伝わるように、
こっそり口づけをした。



764: ◆BVjx9JFTno
09/08/31 02:25:09 kPO8jNoX
以上で終わり。
お目汚し失礼。
オチも何もなくてすまん。

いくつか書いてるけど、とっ散らかって
収拾がつかない状態orz



765:名無しさん@秘密の花園
09/08/31 02:53:39 XyP1cyz8
>>764
GJ!
いやいやもっとやっちゃってくださいw

766:名無しさん@秘密の花園
09/08/31 03:14:31 QrvF/2+F
お題投下した748です。>>750タソ早々とありがとう!!堪能しましたw

>>764タソも最高。今夜は幸せだ。

767:名無しさん@秘密の花園
09/08/31 03:28:35 1VBG6Rnv
>>764
ああ、幸せな気分にしてくれやがって・・・

768:名無しさん@秘密の花園
09/08/31 05:40:24 Ja0pbVDL
>>764
せつなに看病されるなんてラブさん羨ましすぎる
こんな時間に癒されてしまったよ。GJです!
他もの作品も見てみたいな

769:名無しさん@秘密の花園
09/08/31 08:44:13 wvRql/Kd
そろそろ容量がやばいw

770:名無しさん@秘密の花園
09/08/31 12:05:47 s/xwblix
>>764
慈愛に満ちたせっちゃんの微笑みが目に浮かんだわ
素晴らしいです

771:名無しさん@秘密の花園
09/08/31 12:13:28 qIRQ8Qbh
>>764
続き頼む!いや頼みます。快気祝いで是非!

容量って保管庫?パンク寸前?職人どんだけw

772:名無しさん@秘密の花園
09/08/31 12:28:43 EgL9feiC
>>771
このスレじゃない?
もう次スレの時期かな

773:名無しさん@秘密の花園
09/08/31 14:13:45 4MDwLfxu
500超えたら次スレ考えた方がいいかも。

774:名無しさん@秘密の花園
09/08/31 16:34:48 wvRql/Kd
500越えたら手遅れだよw
このスレ速なら480くらいじゃない?

775:名無しさん@秘密の花園
09/08/31 17:09:12 HDsVr2Oz
今476KBです。

776:名無しさん@秘密の花園
09/08/31 22:04:52 tqsEYgrY
そして誰もいなくなった…

777:名無しさん@秘密の花園
09/08/31 22:07:04 sG0XQS+G
そりゃ今477KBだしSSも変に投下できないだろ

778:名無しさん@秘密の花園
09/08/31 22:07:52 xe+woO3s
いるからwww
スレの事詳しくわかんないけど、何がマズイんだ?
過去ログ残せないとか?

779:名無しさん@秘密の花園
09/08/31 22:20:05 ZepNkY0H
スレは500KBに達すると書き込みできなくなる
今477KBぐらい
SSなど1レスの文字数が多いスレは1000までもたない

780:名無しさん@秘密の花園
09/08/31 22:28:33 s/xwblix
>>778
スレの容量が500KB超えると過去ログ行きになって読めなくなる

781:名無しさん@秘密の花園
09/08/31 22:39:53 xe+woO3s
>>779>>780
詳しく教えてくれてありがとう。この容量ってどこに表示されてるの?
質問ばかりでごめんなさい。

投下煽ってスマンかった。雑談メインだったっけ。スレ分けるべきかなー

782:名無しさん@秘密の花園
09/08/31 22:42:54 mIgWjy6b
さすがに半Rとしか言いようがない

783:名無しさん@秘密の花園
09/08/31 22:43:20 SIMqwRzy
いちばん新しいレスの下に↓これが書いてあるだろ?
478 KB [ 2ちゃんねる 3億PV/日をささえる レンタルサーバー \877/2TB/100Mbps]

この478KBってのが容量
つまりこのスレはあと約20KB分の文字しか書き込めない

784:名無しさん@秘密の花園
09/08/31 22:58:02 xe+woO3s
新スレ立てようか?

785:名無しさん@秘密の花園
09/08/31 23:00:43 sG0XQS+G
別にスレ分けする必要はないと思うけどね。
SS祭り中だが、夏休み終わって投下する人も減るかもだし。

786:名無しさん@秘密の花園
09/08/31 23:03:23 qIRQ8Qbh
>>784
立ててくれるって私、信じてる!

787:名無しさん@秘密の花園
09/08/31 23:05:45 xe+woO3s
スレリンク(lesbian板)
あい。これで足りてるよね?

788:名無しさん@秘密の花園
09/08/31 23:20:24 6Lr7EIaA
>>787
乙です。


789:名無しさん@秘密の花園
09/08/31 23:32:02 qIRQ8Qbh
>>787
完璧!

SSのお陰で盛り上がってるし、無理に分けなくてもイイような…。
職人頑張ってくれてるしさ。

790: ◆BVjx9JFTno
09/09/01 00:04:36 i7oM7hDx
感想有難うございます。
コメント付くと嬉しいですわ。

保管ありがとうございます。
タイトル忘れてました。「GoodNight Kiss」でお願いします。


スレ容量上限という状況に初めて出会いました。
>>787さん、スレ立て乙です。



791:名無しさん@秘密の花園
09/09/01 00:44:29 rstFoxXh
>>774

ごめん、なんか520くらいって勘違いしてた。
勉強になったわ。


792:名無しさん@秘密の花園
09/09/01 01:11:11 4XMQO9hD
保管屋です。投下で容量使いすぎて申し訳ないです。これからは気にしながらやってきます。

>>790
タイトル付けました。いつも投下ありがとうございます。良作ばかりで素晴らしいです!

793:名無しさん@秘密の花園
09/09/01 01:39:33 Bqnl7QMa
>>791
や、それぐらいじゃなかったかなー?
まぁどちらにしても次スレ乙。
梅がてら。今この壁紙を使ってるんだが、何かオススメはないでしょうか?
URLリンク(ranobe.com)

794:名無しさん@秘密の花園
09/09/01 01:49:42 FoMI4ns7
>>793
詳細kwsk
完全に百合魂に火が付いたw

795:名無しさん@秘密の花園
09/09/01 01:51:04 uKetvavF
>>793
はじめてみた

796:名無しさん@秘密の花園
09/09/01 02:00:55 FoMI4ns7
大した画像は持ってないけど、キャプ画でよければうぷします。日頃の
感謝を込めて。多分みんな持ってるだろうけど・・・。
壁紙には使えると思いますよ。てかうぷろだ指定してw

797:名無しさん@秘密の花園
09/09/01 02:04:09 4XMQO9hD
ぶっ飛んできました!これだけでSS書けちゃうよwww
また時間が夜中っすねー

798:名無しさん@秘密の花園
09/09/01 02:59:55 vkGy/hgu
>>793
どこにあったんすかこんなシロモノ

799:名無しさん@秘密の花園
09/09/01 03:23:26 Bqnl7QMa
>>796
キャプ画うれしいです。
ろだは持ちが良いのはsukimaかranobeかしらん。
固まりならなんだかんだで斧かなぁ。贅沢言ってスマンス。
潮騒は前の方のレスにも出てきたと思うけどlove板の認証が必要な方です。

800:名無しさん@秘密の花園
09/09/01 06:41:40 FoMI4ns7
了解。帰宅したらうぷする!

801:名無しさん@秘密の花園
09/09/01 07:07:25 i7oM7hDx
>>793
ストライク過ぎる。
元ネタ何ですか?


802:名無しさん@秘密の花園
09/09/01 12:47:10 CLP8yZnd
匿名でうpされたコラ画像だからある意味詳細はないんじゃないかな

803:名無しさん@秘密の花園
09/09/01 13:10:26 wX915lBv
容量制限って512Kじゃなかったっけ?ちょっと俺のSS投下してみますよ。

短いから大丈夫だと思うけど。美希ブキです。


804:名無しさん@秘密の花園
09/09/01 13:11:35 wX915lBv
【戦う理由】

ここは四つ葉町のファミリーレストラン。
蒼乃美希と山吹祈里は奥の片隅に席を取り、和やかに談笑していた。
美希が口を閉じてうつむくと、会話がしばらく途切れた。
ゆっくり顔をあげた美希は、切り出し始めた。

「あのさブッキー、なんでプリキュア続けてるの?」
「えっ?」
「うら若い乙女が年中大変な目に逢ってるのよ、こんなひどい話ってないと思わない?」
「えっと‥それは‥‥そのう‥」

「せつなは、一度命を失ってしまって、そしてプリキュアになることで
いまのせつながあるわけでしょ。今では何があっても戦いから逃げることはできない、
と思ってるんじゃないかな」
「‥‥‥‥‥‥」
「ラブはさ、どんなピンチに陥っても最後は絶対自分たちが勝つ、
って信じて疑ってないみたい。何だかよく分かんないけど」
「そうかもしれないわね」

「あたしは‥‥」
「美希ちゃんは?」
「その前にブッキーは?」
「‥やっぱり、仲間がピンチの時は自分が何とかしてあげないと‥」
「そうそう、パインには何度も助けてもらってるよね。
ホントはこっちの方が守ってあげなきゃ、って思ってるのに」
「えへへへへ」
「あたしがプリキュアをやめるって言った時もそんな感じだったわよね。
でもね、それだけじゃあちょっと甘すぎるんじゃないかしら」
「そう?」

「あたしは、もう死ぬ覚悟ができてるっていうか‥‥」
「えっ?」
「希望のプリキュアなのにこれじゃあしょうがないんだけどね。はは。
もうダメだと思うことが何度もあったよ。それで後でいろいろ考えるの」
「美希ちゃん‥‥」
「戦いで死んでしまうのもアリかなって。
プリキュアになって普通の人じゃできないようなこともいろいろできたし、
後から讃えてくれる人も何人かはいるだろうし。
あたしが無鉄砲なのは昔からだから、ママも許してくれるかなって勝手に思ったりして」
「美希ちゃん‥美希ちゃん死なないで!」

805:名無しさん@秘密の花園
09/09/01 13:12:54 wX915lBv

「ブッキー?ちょっと落ち着いて。泣かせるようなこと言ったのなら謝るわ。
これはあたしがそう思っているだけで‥
でね、あたしはかなり開き直ってるつもりなんだけど、
何ていうか、ブッキーが一番無理してるようにあたしには映る。
だから‥プリキュアやめてもいいんだよ?」
「それって‥わたしが要らないってこと?」
「そんなこと言ってない!そんなことは‥絶対‥ない」

「ねえ聞いて。ブッキーがどんな気持ちで戦っているか、あたし真剣に考えたの。
そりゃあプリキュアとして選ばれたんだし、使命感を大いに持っているのは分かるけど、
ラブやあたしに引きずられてる部分も結構あるんじゃないかって。
つらい、って言いたくても言い出せないんじゃないかって。
ブッキーみたいに引っ込み思案で優しい子が、耐えられるはずないんじゃないかって‥」

「美希ちゃん、泣いてるの?」
「だから‥たから、この子を戦いで倒れさせるわけにはいかない、
あたしがなんとかしなきゃ、って‥‥うっ‥くっ‥」
「美希ちゃんそんなに心配してくれて‥‥
でもやっぱり、みんなの元を離れるわけにはいかないわ」
「‥‥‥ありがとう」
「え?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥」

「やだ美希ちゃん、さっきと反対のこと言ってる。
大丈夫よ、わたしはどこにも行かないわ」
「う‥‥ダ、ダメだわ、あーあたし何やってんだろう‥
さっきの決心はどこへやら‥
ブッキーを説得するつもりが、逆に慰められて‥」
「うふふふふ」
「正直に言います。側にいてください」
「うん」



806:名無しさん@秘密の花園
09/09/01 13:14:30 wX915lBv
大丈夫だた。まだ余裕があるのかも?

807:名無しさん@秘密の花園
09/09/01 21:18:28 FoMI4ns7
URLリンク(ranobe.com)
キャプ画うぷしましたよ。13個あるかな。百合板に住ませて
もらってるお礼ですw
みんな持ってるんぢゃないかな?コメントのトコに誰の画像か
書いといたんでわかると思います。

808:名無しさん@秘密の花園
09/09/01 21:35:01 4XMQO9hD
>>803
投下ありがとうございます。保管しました。と、改行を工夫してみたんで確認宜しくです。
ホントは美希たん、一番の心配屋さんなんですよねー。GJです!

>>807
持ってないです!イースがディケィドライバー付けてるwww最高だ…。頂きます~

809:名無しさん@秘密の花園
09/09/01 22:31:02 Bqnl7QMa
>>807
いただいたよー。わざわざサンクスです。最近美希せつがお気に入りなので
URLリンク(ranobe.com)
にしようと思うんだ。
>>806
美希の最後のセリフがイイ。
美希は意外と、スタンドアローンタイプじゃないんだろうなぁ。

810:803
09/09/02 00:20:54 Z4iwxQTc
保管ありがとうございます。なるほどー読みやすくなってますね。

811:名無しさん@秘密の花園
09/09/02 00:44:42 xEYly5Pe
容量の問題のせいか書き込みが少なくなったなw

次スレ立ってるし容量は気にしないでいいと思うんだけどね
一応誘導だけしとく

フレッシュプリキュアで百合3
スレリンク(lesbian板)

それとも埋めるか?

812:名無しさん@秘密の花園
09/09/02 00:52:11 CAkHhKaU
まだだいぶ余裕あるよ

813:名無しさん@秘密の花園
09/09/02 04:38:55 fm3J0F7g
投下自重はわかるが、雑談も減ってどうするw

美希は確かに孤独になりがちかもな。考えも一人大人だし。そこでラブの幸福論やブッキーの信じる心、せつなの頑張る姿で百合展開ですよ。

単純すぎるかorz

814:名無しさん@秘密の花園
09/09/02 07:50:50 mtc26YDu
この停滞した流れで日曜に大ラブなんてやられたら・・・想像するだに恐ろしい
9月は美希せつ回以外は話のネタになりそうにないね
ストーリー上の重要回が二話も入ってるから、日常描写薄そうだし

815:名無しさん@秘密の花園
09/09/02 10:05:17 PsorSZLm
次のはラブせつ的においしいとしか思えないんだが…。だって大輔が妬いてせつなの悪口言うくらいラブせつがイチャつくわけだろ?大輔VSせつな回なわけだろ?
私は楽しみで仕方ないぞ。

816:名無しさん@秘密の花園
09/09/02 11:22:02 FMFHR0OJ
話の導入はそうだろうけど結末が怖い。結局大輔と仲良くなってしまうに決まってるからな
最悪は、せつなが大輔×ラブを応援するようになる展開

817:名無しさん@秘密の花園
09/09/02 11:30:26 fm3J0F7g
俺にはそれが死亡宣告に聞こえる、、、
参ったなこりゃ。
日曜こぇー

818:名無しさん@秘密の花園
09/09/02 12:45:22 jd+a0ppl
大輔とラブ仲直り→大輔とせつなも友達に

「……悪口言ったりしてごめんな、東。ヨロシク」
「こちらこそよろしく――でもラブは渡さないわよ?」
「え!?」
「うふふ、行きましょう、ラブ」

せつなとラブ、手を繋いで駆け出す。取り残される大輔。

ってのが理想の着地点かな。

819:名無しさん@秘密の花園
09/09/02 12:55:23 uW5nX9/u
最初の15分でせつなプッシュ描写
終わりごろに美希と祈里と合流、ラブがせつなの学校での自慢話
大輔通りかかるもせつなが居るから近づけない

CM明け早々大輔とラブケンカ
ラブはぷんすかしながらも「大輔・・・なんであんなに怒ってるんだろ?」
せつなに大輔がラブになんか言いたそうだったとか告げられて、野球の試合見に行く約束を思い出す

駆けつけてみると大輔はラブとのケンカがショックで力が出ない、大ピンチ!
西さんが現れてナケワメーケ登場→撃退
試合再開してラブが大輔応援、奮起して大輔はピンチを切り抜けて大勝利
試合終了後、ラブが大輔に謝ったり大輔がラブとせつなに謝ったりして友情回復
それから・・・

こんな感じだと思うけど、肝心のラストは読めないな
無難なのはせつなと仲直りして、ラブには片思い進行中って感じか
最悪なのはラブが大輔を意識したり、大輔の気持ちに気付いて顔赤くしたり、せつながラブと大輔を応援しようとか考えること

820:名無しさん@秘密の花園
09/09/02 15:14:39 K+67u4Q3
大輔「悔しいけどやっぱり2人の間には割り込めねーわ。東。ラブは任せたぜ」
ラブ「大輔は何を言っているんだろう」
せつな「さぁ?それより帰ってアイス食べましょう♪」
ラブ「ワハー!今週こそアイスゲットだよ!」

これが最高の終わり方

821:名無しさん@秘密の花園
09/09/02 15:25:32 GX3+GIKZ
ガチで恋愛やるって言ってたからどうなんだろうな

822:名無しさん@秘密の花園
09/09/02 15:57:32 C1LjLKJR
よく聞くがそれ誰がいつどこでした発言なんだ??
スタッフがってのも聞くがどこまで信じていいのかわからん 
構成だって初期案のままいくわけでもないだろうしなー

823:名無しさん@秘密の花園
09/09/02 16:08:47 trOsF3XV
恋愛やったほうが女児受け良いのは確か

824:名無しさん@秘密の花園
09/09/02 16:55:39 fm3J0F7g
恋愛よりも友情っすよ!クローバーの笑顔が一番だよね。







友情→百合w

825:名無しさん@秘密の花園
09/09/02 19:11:39 n7kg77ru
>>822
現プロデューサーがした発言。フレプリ放映直後じゃなかったかな。
小学生になった頃から月9を見出すのでフレプリにも
恋愛要素を取り入れたいとかなんとか。

826:名無しさん@秘密の花園
09/09/02 19:20:02 mtc26YDu
あのインタビューだと女の子の好きそうなものは全部詰め込みましたって感じだったな
サントラには、これまで描かれることの少なかった家族や地元とのふれあいを描くってあった
何にせよフレッシュなだけあって、シリーズのお約束やジンクス破りまくりだからな
大輔周りでも何が起こることやら・・・

827:名無しさん@秘密の花園
09/09/02 19:50:46 fm3J0F7g
フレッシュしか見た事ないんだけど、ジンクスってどんなのがあったんです?

828:名無しさん@秘密の花園
09/09/02 20:00:20 FMFHR0OJ
恋愛っつっても姉が芸能人ってことしか売りが無い大輔じゃ受けないだろ…
もっとこう理想が高くないと

829:名無しさん@秘密の花園
09/09/02 20:00:45 K+67u4Q3
今まででは敵に壊されたものは戦闘後に復活したけどフレッシュでは壊れたままだったりとか
あと一般人に正体がバレたのも確かフレッシュが初めて

それで、人間の男女の恋愛をちゃんと描いたことは今までのプリキュアではなかった
つまり……

830:名無しさん@秘密の花園
09/09/02 20:05:53 mtc26YDu
ジンクスというか、たとえば恋愛関係になりそうなキャラは今まで全員年上
そして淫獣のココ以外は空気もいいところだった
でもフレッシュだと大輔とか禿眼鏡は同い年な上に普通の人間
男側から好意を寄せてるというのもこれが初めて

お約束といえば、キャラデザからしてフレッシュは破ってる
おっぱい描写やスカートの中身が見える下からのアングル解禁とか
今まではおかしいだろ、とつっこみいれたくなるほど女性的な特徴を排除してたのに
イースせつなパッションも今までのシリーズでは考えられなかった

831:名無しさん@秘密の花園
09/09/02 20:06:32 PohjaUSR
俺のラブせつフォルダの寿命が尽きようとしているようだ

832:名無しさん@秘密の花園
09/09/02 20:33:27 7cwLeLb+
そろそろネガティブも鬱陶しいので

833: ◆BVjx9JFTno
09/09/02 20:59:47 IPul7lOg
じゃあ小ネタでもひとつ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

勢いよく吹き出る泡が、アタシの肌を刺激する。
やっぱりジャグジーって最高。

今日はみんなでスーパー銭湯に来ちゃった。
いろんなお風呂があって、つい長居しちゃう。
露天もあって、お風呂ロケの練習も出来るの。

これでお肌も卵みたいにつるつる。
湯上がり美人の完成だわ。うん完璧!




ちょっとラブ!
露天に出るならタオルくらい巻きなさい!
開放感って何よ!
バンザイポーズとかしないの!
せつなも真似しないでいいから!
え?日本の伝統?全然違うから!
ブッキーも電気風呂で変な声出さないで!


あらやだ
アタシったら鼻血が。


834: ◆BVjx9JFTno
09/09/02 21:02:06 IPul7lOg

あぁ気持ち良かった。
湯上がりさっぱりだわ。
湯上がりにはヨーグルトがいちばん。
おなかもきれいになって、体の中も完璧。

窓際にちょっと体を寄せて、
ほんのり上気した顔に濡れ髪がかかる。
うん、アングルも完璧。




ちょっとラブ!
腰に手当てて牛乳飲むのやめなさい!
回りの人が見てるでしょ!
だからせつなも真似しなくていいの!
え?日本の伝統?全然違うから!
ちょっとブッキー何でビール買ってるの!


え?タルト何?
鼻にちり紙詰めてるのがおかしい?
殺すわよ!



835: ◆BVjx9JFTno
09/09/02 21:03:14 IPul7lOg
以上短いですがおわり。

勢いで書いた。
少し反省している。


836:名無しさん@秘密の花園
09/09/02 21:59:50 XZwRGz26
>>835
GJ!美希タン最高!
ネガティブな話が続いてたので投下感謝です。

837:名無しさん@秘密の花園
09/09/02 22:31:20 QsHpX549
>>835
相変わらず素晴らしい推し事っぷり。その勢い見習います。
クローバーのツッコミ役は美希たんでけってーいw
ラブの無鉄砲、それに毒されたせつな。マイペースなブッキー。
そして美希たんのオチがもうGJすぎ!!!
保管するので良かったら題名を。複数扱いにしますよー

838:名無しさん@秘密の花園
09/09/02 22:53:46 n7kg77ru
>>835
いちいちラブのマネしてるせつながかわいすぎる。
絵が浮かぶわー。

839:名無しさん@秘密の花園
09/09/02 22:56:52 fm3J0F7g
やっぱ投下あると雰囲気変わるなw

質問答えてくれた人ありがとう。フレッシュがそんなに前シリーズからチェンジしたとは知らなかったよ。

840:名無しさん@秘密の花園
09/09/02 23:14:25 QsHpX549
いずれにせよ日曜で今後が分かれるのかな。大した事ないって私、
信じてる!

あ、設定資料集の発送通知きました。SS作る材料になるとイイなぁ。

841: ◆BVjx9JFTno
09/09/02 23:42:49 IPul7lOg
勢いで書いたにもかかわらず、
感想有難うございます。

美希たんはやっぱお姉さん的な
位置になりますね。

保管ありがとうございます。
題名は「自由ね、貴方たち」でお願いします。



842:名無しさん@秘密の花園
09/09/03 02:53:57 ffYS/7N+
こういうSS大歓迎
あいかわらず上手いですね
投下感謝

843:名無しさん@秘密の花園
09/09/03 07:05:34 ft5NpVee
設定資料集今日か。忘れてた。
ふたご先生みたいな扉絵ありゃ嬉しいね。
それよりもなかよしの方が重要みたいだが。

844:名無しさん@秘密の花園
09/09/03 07:06:31 IXC8TYH8
>>835
GJ!です。いつも思ってたけど、タイトル付けるのもウマイですよね。

845:名無しさん@秘密の花園
09/09/03 11:45:00 igkKNOZw
設定資料集って表紙にパッションいないんだけど
ちゃんとパッションとかの資料も入ってるのかな?

846:名無しさん@秘密の花園
09/09/03 12:06:27 ft5NpVee
入ってると思うが。前にムービックの通販見た時、パッションも追加とか書いてあったような希ガス。

これ限定の絵とかありゃ最高だね。百合的だったら聖書になるなw

847:名無しさん@秘密の花園
09/09/03 12:07:21 hMU/gsCa
すでにあちこちで指摘されてるけど、なかよしはラブせつの代償として美希祈里が空気っぽい
いくら百合でもちょっとなぁ・・・祈里好きだから残念
もっとページ数を増やしてあげられないものか

848:名無しさん@秘密の花園
09/09/03 12:07:27 igkKNOZw
ありがとう。まぁ吶喊する価値はありそうだね。探してみる。


849:名無しさん@秘密の花園
09/09/03 15:48:27 unHdZ2ZG
なかよし版フレプリで吹いたのは
2話まるまる使ってベリー誕生の話→3話の1ページ目でパイン誕生「ブッキーもプリキュアだったなんて!」
扱いがひでぇ

代わりにせつな関係の扱いは特別
イースだったことをミユキに謝罪したりとかアニメ以上にあゆみとの絡みがあったりとか

850:名無しさん@秘密の花園
09/09/03 15:53:49 hMU/gsCa
>>849
あざといくらいせつなの贖罪描いてるよな
先週のムチ打ちはふたご先生にしては展開が強引すぎた
アニメがその辺適当に終わらせて突っ込まれまくってるから、その尻拭いって感じだ

851:名無しさん@秘密の花園
09/09/03 17:50:24 /6e6vVVR
そうなのか…なかよし買ってみようなぁ。あゆみとの描写があるのは先月号?

852:名無しさん@秘密の花園
09/09/03 18:58:07 Pn8QuhOf
今月号だよ
ミユキに謝るのも

853:名無しさん@秘密の花園
09/09/03 19:07:26 /6e6vVVR
>>852㌧!
旅先のホテルで暇だし、コンビニになかよし探しに行ったけどなかったww発売日っていつ?

854:名無しさん@秘密の花園
09/09/03 19:21:59 Pn8QuhOf
今日
コンビニよりかは本屋のほうが確実

それにしてもラブせつっぷりが凄まじい
ラブがアニメよりもせつなのこと色々と構ってる

855:名無しさん@秘密の花園
09/09/03 19:25:44 ifWUo3o1
SSのときも百合全開だったな
逆に無印や5は男キャラ多かったけど
フレプリはせっかく4人で男キャラ薄いから、もうちょっと平等に描いて欲しい

856:名無しさん@秘密の花園
09/09/03 20:16:58 ft5NpVee
ふたご先生はラブせつ描きたいのかな?なかよしはガチ百合で行くかもね

857:名無しさん@秘密の花園
09/09/03 20:43:50 IXC8TYH8
1ページ目の軽く病んだ微笑みを浮かべたせつなに心臓を鷲掴みにされた。
俺は心底ダメ人間だ…。

858:名無しさん@秘密の花園
09/09/03 20:49:08 G1aBlzy+
>>845
ちゃんとせつな・パッション入ってますよ。全部白黒ですけど、
登場人物みんなの身長比べとか個人の私服・夏服・浴衣設定もあります。
扉絵みたいなのは無くて残念でしたが、絵を描きたい人には必需品かと。

自分にはSS作る資料になってます。


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