フレッシュプリキュアで百合2at LESBIAN
フレッシュプリキュアで百合2 - 暇つぶし2ch350:MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/08/20 23:33:05 5nQrmUB6
「私、これじゃ何の役にも立ってないよね。ラブちゃんが苦しんでるのに・・・。私には何も出来やしない・・・。」
ブッキーは泣いていた。美希たんやせつなと比べてしまったのだろう、ブッキー自身を。
悪い事をしたなって今でも反省してる。


「私ね、ラブちゃんの事が好き。ラブちゃんの笑顔も。踊ってる姿も。ラブちゃん全部が大好き。
あ、それとね・・・。私をここまでにしてくれたのはラブちゃんなんだよ?」


「え?」
確かに。幼い頃からのブッキーを知っていれば驚く程、感情豊かに成長していた。

「私の力だけじゃないよ。私たちには美希たんがいて、せつなもいてくれたからだよ。
それと、変わりたい!って信じ続けたブッキーの力がイチバン!」
いつの間にやら私よりブッキーを気にしちゃってる自分がいて。相変わらずの自分に思わず笑ってしまい。

「さ、帰ろう。あっ!ドーナツ食べいこっか!美希たんやせつなも誘っちゃおう!」
そう言ってブッキーの手を引っ張る。

「キャッ」
勢いあまって重なる二人。


「ラブちゃん・・・。」
「ん?」

「本当に好きなんだよ?4人でいる時も1人でいる時も、ずっと・・・」

「言ってくれるね~」
そっと涙を指で払ってあげる。

「愛してる、ラブちゃん。」


「ほんとに~?」

「うん。」

「絶対~?」

「恥ずかしいよぉ・・・」

「神様に誓う~?」

「もぅヤダぁ・・・。」

「私もだよ、ブッキー」

ブッキーの愛してるは甘酸っぱくて。
今日より明日、明日より明後日、またみんなで輝いて行こうね。

~END~

351:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 23:35:52 5nQrmUB6
明日はラブ美希で投下します。読んでもらえるって信じてる!
微エロじゃなくて申し訳。

352:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 23:47:27 e/ItH9jb
>>351
ラブせつと所々文章変えてるんだね。細かい仕事乙です。

ブッキー優しいなー。最後の駆け引き好き。昨日と比べるとキャラ違いが良く分かる!GJ!明日も期待age

353:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 00:14:49 rNQixwXX
四人で何パターン出来るんだろ?どんどん保管庫も溜まってるし。

職人全てに敬意を。

354:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 00:32:02 h8WRji5i
ミユキさんや皆の母親とかを含めたら、まだまだいけるさ!

355: ◆BVjx9JFTno
09/08/21 00:32:17 hv+HHR12
こんばんわ。
美希せつで浮かんだので投下します。
9レスほどお借りします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

闘っていたときに無意識に感じていたのは
強い人に対する憧れ。

強いと思っていた人が見せた
脆さ、ひたむきさ。

それに惹かれたのかも知れない。




  【Unreachable】




「うわー、可愛いー!」

ラブとブッキーが同時に声を上げる。

ドーナツショップのテーブルで、あたしたち4人は
雑誌を広げていた。

今月初めに発売されたティーンズ向けファッション誌。
夏のアウトドア特集に、あたしが載っている。

「わはー!このページ美希たん水着だよ!たまらんねこりゃ」
「ラブちゃん、何かオジサンみたいだよ」

せつなも、あたしの顔と雑誌を交互に見ている。

「すごい...本当にモデルやってるんだ...」
「読者モデルってたくさんいるから、そんなに大したことじゃないよ」
「あーぁ、あたしもこんな風に雑誌に載ってみたいなぁ」
「クローバーで頑張ってさ、載ってみようよ」
「そうだね!表紙ゲットだよ!」

雑誌を見ているせつなの横顔に目をやった。
くせのない髪、長い睫毛、大きな瞳、整った鼻筋。

同性でもドキッとするほど、可愛い。




356: ◆BVjx9JFTno
09/08/21 00:33:09 hv+HHR12
ふと、髪が結構伸びていることに気づいた。


「ねぇせつな、髪伸びたね」

「ええ...向こうでは機械で勝手にやっていたから
 こっちの世界でどうやってるか解らないの」

「せつな、美希たんのところで切ってもらいなよ。
 美希たんのお母さん、すっごく上手なんだよ!」

「今日は店休日だけど、電話して聞いてみるね」


ママに電話すると、二つ返事でOK。
あたしが手伝う条件で、無料で良いそうだ。

「じゃぁ決まり。今から行きましょ」

「私とブッキーは夕ご飯の買い物に行ってくるから、ごゆっくりー」


せつなと並んで歩く。

「本当にいいの...?」

「うん。気にしないで。
 ママもせつなに会いたがってたし」

「ありがとう、美希」

せつなが笑顔を見せる。

心臓が、
ドクン、と脈打った。

どうしたの、あたし...



357: ◆BVjx9JFTno
09/08/21 00:34:18 hv+HHR12

ママはせつなと軽妙におしゃべりしながら、
手際よく髪を切りそろえていく。
よく口と手がここまでバラバラに動くものだ。

シャンプーとトリートメントは、あたしが担当。

せつなの髪はするすると指が通り、地肌もやわらかく
ついすみずみまで指先で触れてしまう。

指先を通して、せつなの体温を感じる。

「とっても気持ちいい。上手ね、美希」
「ふふ、これでもお手伝い歴長いんだから」



ママがブローをして仕上げる。

「さ、これでOK。おつかれさま」
「ありがとうございました」

ぺこりと頭を下げたせつなから、髪のいい匂いが拡がる。


「私、これから和希のところに行ってくるから、
 お留守番よろしくね。」
「そっか、今日お見舞いに行く日だったね」

「じゃぁせつなちゃん、ごゆっくりね」
「ありがとうございます」



358: ◆BVjx9JFTno
09/08/21 00:35:44 hv+HHR12

せつながあたしの部屋に入ってきた。

「わあ...きれいな部屋ね」

すっきりと片付いた室内、大きな鏡台、しゃれたアロマライト。
アロマライトにはリラックスできる香りのオイルを落としておいた。

「何かとっても落ち着く...」


何か恋人を招き入れた気分になり、
胸の鼓動が速くなった。

何なのよ、あたし...


「ちょっと、飲み物持ってくるね」

いそいそと居間に降り、冷蔵庫からアップルジュースを取り出して
2つのグラスに注ぎ、氷を浮かべて持っていく。

「ありがとう。ちょうど喉が渇いていたの」

せつなはほぼひと息で飲み干した。


あたしもアップルジュースに口を付ける。


...!



359: ◆BVjx9JFTno
09/08/21 00:37:09 hv+HHR12

何か違う。

これって...リンゴの味するけど、お酒じゃない?

「ごめん、ちょっと待っててね」
あわてて冷蔵庫まで戻り、ジュースの瓶を確認する。

「やっぱり...!」
ママがいつも飲んでるシードルだった。


ばたばたと部屋に戻る。
「せつなごめん!さっきのはジュースじゃなくてお酒...」

部屋に戻ると、せつなが椅子に座ったまま、
船をこぐように眠りかけていた。


とりあえず肩を貸すように抱え、ベッドに寝かせる。

「ふぅん...」

せつなの吐息が顔にかかる。

胸がゾクゾクする。


あたし、何考えてるの?

女同士だよ。

あたしは恋愛も完璧にこなすんだから。



360: ◆BVjx9JFTno
09/08/21 00:39:07 hv+HHR12

時計の秒針の音と、せつなの寝息だけが聞こえる。


目は本に向いているが、内容なんて頭に入りやしない。
耳をすませて、せつなの寝息を聞いている。

せつなの寝顔を見る。

髪のいい匂いがする。

自然に整った眉。

閉じるといっそう長さが強調される睫毛。

きめの細かい肌。

ぽってりとした唇。


ついこの間まで、敵として闘っていた。
ラブを騙そうとしている、したたかな女。
生気の無い笑顔を見て、絶対に裏があると思っていた。

でも、

ラビリンスから排除され、この世界でひとつひとつ
やり直しているせつなを見て、あたしの中に
ある感情が生まれた。


守ってあげたい。


いや、


独り占めしたい。


あたしは、自分の中にある気持ちを
はっきりと認識した。


せつなを、あたしだけのものにしたい。



361: ◆BVjx9JFTno
09/08/21 00:41:32 hv+HHR12

せつなの唇から、目が離れない。

でも、

だめよ。

女同士じゃない。


心とは裏腹に、あたしの顔はどんどんせつなに近づく。
せつなの匂いが、鼻をくすぐる。


だめよ、

しちゃうと、

堕ちちゃうよ。



...ちゅっ。


甘美な感触に、全身が震えた。
心臓が飛び出しそうなほど高鳴っている。


唇を離すと、せつなが目を閉じたまま軽く微笑み、
おねだりをするように、唇を少し尖らせた。


...ちゅっ。

もう一度、口づける。

せつなの手が、あたしの髪に触れた。

すぐ近くにあるせつなの顔が、少し寄って来て
あたしの唇の近くに、小さく、何度も口づける。


胸の鼓動が聞こえるほど高鳴った。


「...ラぁブぅ...」



362: ◆BVjx9JFTno
09/08/21 00:43:45 hv+HHR12

冷水を浴びたように、体が、心が、固まった。

それは、今まで全く聞いたことがない、せつなの声。

ベッドで恋人にささやきかけるような、甘えた声。


あたしの唇に唇を重ねていたせつなの動きが
また止まり、パタンと手がベッドに落ちた。
寝息がまた聞こえてくる。


あたしはベッドの横にへたり込み、目の焦点を合わせるでもなく
せつなの顔を見つめていた。


どのくらいそうしていただろうか。
窓の外からは夕日が差しこんている。
せつなが目を覚ました。

「...ん...あれ?ごめんなさい、何か寝ちゃってたみたい」
「何か疲れてたみたいだったんで、ベッドに寝かしておいたの」

「そう...私、何か寝言とか言ってなかった?」
「...ううん、別に。」




363: ◆BVjx9JFTno
09/08/21 00:46:10 hv+HHR12
「あっ、こんな時間!私、そろそろ帰らなきゃ」


玄関を出る。

「美希、今日はホントにありがとう」
「うん。明日はダンスレッスンだから、また頑張りましょ」
「そうね。じゃあまた明日」
「うん。バイバイ」

通りを歩いていたせつなが一度振り返り、笑顔で手を振る。
手を振り返し、家に入る。


部屋に戻ってドアを閉めた瞬間、抑えていた感情が
涙になってあふれてきた。

せつなが口づけしていたのは、
あたしじゃなかった。


でも、これでいい。


せつなとは友達のまま。
クローバーも今までどおり。
何も変わってない。


あたしが、勝手に失恋しただけ。


ベッドに横になる。

「さすが、あたし」

心にもないことを、口にする。


「失恋だって、完璧にこなしちゃうんだから」

言い終わる前に視界が歪んだ。


あたしは枕に顔を深くうずめ、ありったけの声をあげて泣いた。



364: ◆BVjx9JFTno
09/08/21 00:47:13 hv+HHR12

以上です。ありがとうございました。

書いてて辛くなった。
誰か美希たんを幸せにしてやってくれ...



365:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 01:01:50 lrqmdvHs
もうラブに犯られちまったのか

366:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 01:17:38 YKtE1tOV
GJ!!
美希たんの気持ちがすごく伝わってきたよ。こっちまでドキドキしたw
ラブラブなのもいいけど切ない話もたまらんね~。


367:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 02:33:11 iU3dPPci
んぬあああ~う!!たまらん!せつねえ!だれか美希たんを幸せにしてあげて!!

368:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 02:34:36 iU3dPPci
この文体は・・・いつも乙です!

369:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 02:55:33 cq2nmsiw
次々新作投下されてる。皆さんどんだけのスピードで書いてるんですか…。
しかもどれも神作ばかりじゃないか…。
>>351
甘酸っぱさに悶え死んだ…GJです!ブキラブいいなあ…。
>>364
切ねええええええ!!GJ!!美希たん報われてよ美希たん…
新しい職人さん達もスゴいっす!やっぱここレベル高いわ…。

370:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 02:57:15 jPat6EvE
GJです!

自分、基本ラブせつなんだけど、ブキせつ、美希せつもいいなあ。
ってか、どんなカプでも萌えるなんて、すごいアニメなんだな。
このスレに住みはじめてから、妄想が止まらなくなってる。
3人がかりで嫌がるせっちゃんを喜ばせたい。

371: ◆ZU7CldKWo2
09/08/21 03:05:42 ziW8mmoo
保管庫に拙作を入れて頂き、ありがとうございました。


今日もSS祭りですね。わかります。

っていうかみんな、レベル高い・・・・・・私も精進しないと。


>>364
幸せというかはわかりませんが、美希せつの穏やかな日常風景で。

372: ◆ZU7CldKWo2
09/08/21 03:07:35 ziW8mmoo
 秋の匂いが漂う河川敷。ワーワーと子供達が野球に熱中する声が空に響く。
 その片隅の草っぱら。傾斜の途中に座る、少女が一人。
 目を閉じて、イヤホンからの音に耳を澄ます。思い描くは、ダンスシーン。ト
リニティの三人が、ステップ、ステップ、ターン、ステップ。指先まで綺麗に手
を両に伸ばして、綺麗にポージング。
 心に描くは容易なこと。けれど、実際に自分がしてみると、全然うまくいかず。
腕に意識を向ければ足がおろそかになり、ステップを気を付ければリズムが狂
う。

「体で覚えるしかないわね」

 ミユキにコツを聞いた時、そう応えられたことを思い出す。

「何度も何度も、繰り返し繰り返しレッスン。ダンスを上手くなるには、これし
かないわ」

 頑張ってね。
 笑顔でそう言った彼女は、どれほどの汗を流したのだろう。ステージの上、ス
ポットライトを浴びるミユキのダンスには、揺ぎ無い自信が感じられる。
 すごい。素直にそう思う。
 一つのことに夢中になるというのは、とても素敵なこと。
 私も、いつかはそういったものに出会うんだろうか。

「――」

 誰かに声をかけられた気がして、目を開ける。それと前後して、後ろから両の
イヤホンを奪われて。

「こんなところで、何やってるの、せつな?」
「美希」

 振り向いたそこにいた親友の姿に、せつなは驚きに目を見広げた後、ゆっくり
と笑ったのだった。




      Whisper in the Wind

373: ◆ZU7CldKWo2
09/08/21 03:10:49 ziW8mmoo
「なにこれ。レッスン曲じゃない」

 せつなから奪ったイヤホンを耳に入れた美希は、不思議そうな顔をしながらそ
う言った。首を縦に振る彼女に、

「どうしてこれ、聞いてるわけ? レッスンで飽きるぐらい聞いてるのに」
「それでも、まだまだ聞き足りないから」

 返されたオーディオプレイヤーを鞄にしまいながら、せつなは微笑みながら言
う。隣に座った薄水色のロングスカートの少女からは、鼻をくすぐるいい匂い。
きっと、その長い髪から漂ってくるのだろう。

「なるほど、イメージトレーニング、ってわけか」
「ミユキさんからは、体を動かして覚えろ、って言われてるけどね」

 けど、今日はもう疲れちゃったから。
 苦笑しながらの言葉に、美希は怪訝そうな顔で尋ねる。

「練習してたの?」
「うん。一人で、だけどね」
「あら。ラブは?」
「なにかの委員の集まりだとかで、友達の家に行ったわ。クラスで何かやるみた
い。せつなにも内緒なんだから、って言ってた」
「ああ、あの子、そういうサプライズ、好きだもんね」

 クスクスと顔を見合わせて笑う二人。今頃、友達の家で色々と企んでいること
だろう。

「けど、せつな、ひどい」
「え?」

 唐突に責められて、せつなは不思議そうな顔をする。美希は可愛らしく唇を尖
らせて、

「声、かけてくれれば、一緒に練習したのに」
「ああ、そのこと」

 本気で怒られているわけじゃないと知って、彼女は笑みを見せた。そして、

「だって今日は、お仕事も久しぶりのお休みだったんでしょ? 邪魔しちゃ悪い
かなって。それに――」
「それに?」
「一緒に練習したら、追いつけないじゃない、私」

 悪戯っぽい表情を見せるせつなに、きょとんとした後、美希は思わず吹き出した。

「なに、それ。負けず嫌いなんだから」
「そ。すっごく負けず嫌いよ、私。知らなかった?」

 澄ました顔で言うものの、すぐにそれは笑みに変わる。美希も、クスクスと笑う。
 秋の風が、二人の髪をそっと撫でて、去っていく。羊の形をした雲が、ゆっく
りゆっくりと空を歩いていて。

374: ◆ZU7CldKWo2
09/08/21 03:13:34 ziW8mmoo
「でもね」

 一頻り笑いあった後、せつなは穏やかな顔で言った。

「追い付きたいってのは、ホント」
「ダンスで?」

 コクリ、と彼女は頷く。

「ラブもブッキーも、もちろん、美希も。皆、やっぱり上手いなって」
「そりゃあ、せつなよりは始めたのが早かったもんね」
「うん。だから早く追い付きたいなって」

 その言の葉を口にしたせつなの唇は、相変わらず微笑を湛えている。だが彼女の
瞳には、真っ直ぐな強い光が宿っていて。

「四人のダンスがピタッて嵌ったら、すごくパワフルでカッコイイダンスが出来
る、ってミユキさんが言ってた。けど、私はまだ、慣れてないから、足手まとい
になっちゃう」
「足手まといだなんて、そんなこと思ってないわよ?」

 美希の言葉に、せつなは、ううん、と言いながら首を横に振った。

「まだまだ、だっていうのはわかってるつもり。だから皆みたいに、早くうまく
なりたいなって」
「それで一人で練習してたってわけか――あわよくば、抜かしちゃおう、っ
て思ってたでしょ?」
「バレた?」

 美希の指摘に、せつなはお茶目な顔で舌を出す。

「もう、後輩の癖に、生意気よ」
「アハハ、ごめんごめん」

 怒ったふりで拳を上げる美希。それをよけようと体をそらすせつな。二人はや
っぱり、笑顔。とても明るい笑顔。

「でも、誘っとけば良かったわ。美希とブッキーを」

 しばらくじゃれ合った後、空を見上げながらせつなは言った。その横顔を、
青の少女は見つめる。

「一人が寂しかった?」
「それもあるけれど......私、皆のダンスを見ているのも好きだから」

 空の羊達は、その数を増やしている。ゆっくり、ゆっくりと足踏みをしながら、
彼方へ彼方へと流れていく。

375: ◆ZU7CldKWo2
09/08/21 03:16:28 ziW8mmoo
「ラブのダンスは、元気いっぱいで好き。ブッキーのダンスは、女の子らしくて
可愛くて、好き」
「――あたしのは?」

 二人の名前だけで止まって、不服そうな顔をする美希に、せつなは照れ笑いを
浮かべながら、

「本人の前で言うのは、恥ずかしいわ」
「そう? あたしは、せつなのダンス、頑張ってるって感じがして、すっごく好
きよ」

 う、と言葉に詰まる。流し目の彼女に、思わずドキッとする。頬が熱くなる。

「ほら、今やってる振り付けで、腕を目一杯伸ばすところがあるでしょ?」
「う、うん」
「せつな、こんなに小さいのに、すっごく頑張って大きく見せようとしてるでし
ょ? それがもう、微笑ましくて」
「――もう!! どうせ私は、美希に比べれば背が低いわよ!!」

 からかい混じりの口調に、せつなは軽く彼女の肩を小突く。アハハ、と楽しそ
うに笑う美希の姿に、彼女はドキッとして損した、と思って。
 美希のダンスは、すごくセクシーで大人びてて、好き。そう言おうと思ってた
けれど、絶対に言ってやらない。言ってやるもんか。

「ごめんごめん、せつな。機嫌直して?」
「知らない」

 プイッと顔を背けるせつな。その様に、また笑う美希。

「冗談よ、冗談」
「フンだ!!」

 せつなは怒ったフリをする。あくまでも、フリ。本当に怒っていたら、その場
を立ってどこかに行ってしまう。それをしないのは、美希だから。
 そして拗ねているだけだとわかっているから、美希も本気で慌てたりはしない。
満足いくまで笑ってから、

「アハハ――でもね、せつな」
「――なに?」

 口調を改めた彼女の声に、たっぷり十秒数えてから、せつなは返事をする。

「あんまり、根を詰めすぎないでね? 精一杯、頑張るのはいいけれど、無理は
しないで欲しいの」
「――うん」

 相変わらず顔は背けたまま。けれど、せつなにはわかった。彼女が、美希が、
今、とても優しい目をしていることが。




「ねぇ、美希」
「ん? なぁに、せつな」
「――ありがとう」

376: ◆ZU7CldKWo2
09/08/21 03:18:02 ziW8mmoo
「いい風ね」

 なんとなく話が途切れて。美希は地面に両手をついて、空を見上げていた。そ
の前髪を揺らす、穏やかな風。とても、気持ちのいい風。
 彼女の声に、しかし返事は無く。

「――?」

 隣の少女を見ると、座ったまま、目を閉じていて。コクリ、コクリと微かに船
を漕いでいる。気持ちのいい風は、秋の薫りだけでなく、彼女の瞳に眠りを運ん
できたようだ。
 だから、頑張り過ぎだっていうのよ。
 美希は、小さく溜息をつく。それは彼女に呆れたからだけど、しょうがないな
ぁ、という優しい呆れ。
 フラフラと危なっかしく揺れる彼女を起こさないように、そっとその頭に触れ、
自分の膝の上に導く。
 美希のロングスカートの上で、気持ち良さそうに小さく寝息を立てるせつな。
その彼女の可愛らしい顔を見つめる美希は、暖かな笑みを浮かべながら。
 慈しむように。愛でるように。
 そっと彼女の黒髪を、優しく撫で続けたのだった。

377: ◆ZU7CldKWo2
09/08/21 03:22:17 ziW8mmoo
以上、美希せつの穏やかな日々でした。


美希せつはなんだか、こういうのが書き易いです。

378:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 03:58:36 iU3dPPci
ぬわあーん。ゆったりいいかんじ!

379:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 04:03:58 cq2nmsiw
GJです!寝る前に素晴らしいSS読めてよかった…美希せつ和むよ美希せつ…
枕を美希たんの膝だと思って寝るよ…良い夢見れそう…
しかしこの時間でもSS投下されるとは…

380: ◆BVjx9JFTno
09/08/21 07:11:19 hv+HHR12
感想ありがとうございます!

いつもせつな視点で書いていて、たまには別の視点で
書いてみようとしたら切ない結末になりましたorz

自分で書いておきながら落ち込んでいたのですが
◆ZU7CldKWo2さんのSSを見て救われた感じです。


SS祭りになってから、仕事中も妄想が止まらず大変www



381:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 07:16:11 J1H9ehsZ
何故だろう……とってもエロい気がするのは……
URLリンク(precurelove.nazo.cc)

382:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 07:16:15 hv+HHR12
>>347

このときのラブの感情はすごくわかるなぁ。
いつか来る別れに対する不安。

感情移入してしまいました。
ブッキーかわいいなぁ


383:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 14:54:58 +JhclQR7
管理人さんではないですが
とりあえずここまでのSSは保管作業全てしておきましたので一応ご報告。
SSを書いてくれる職人の皆様に感謝です!

384:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 15:27:45 d1KoL15A
そのラビリンス板ってのはどんな板なの?申請しようかな…。

385:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 16:40:27 ZjSgokLD
エロコラを貼る板、なぎほの専用の板、なんでも自由に貼れる板、の3つ
書き込みはあんまり頻繁じゃない

>>381は「キュアピーチ&キュアパッションのイチゴクリームサンド」っていう新商品のパンだよ

386:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 17:38:46 rNQixwXX
>>383
乙です。住人が素敵すぎるので、ここに俺も住もうと思うw

ピーチとパッションが、プリキュアパンをお互いに食べさす所を除いていたい…。クリームが指について、それを舐めたり。

387:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 18:53:58 VOybWuM9
昨日妄想ラブせつを投下した者です。
GJして頂いた皆様、ありがとうございました。

美希は切ない感じが似合いますね~。
ラブ⇔せつ←みき(ブキ)が個人的には好きですね。
せつな総受けw
でもどのカップリングも魅力的!

以下、「せつなとラブ すれ違う心」の続きを投下します。
タイトルは、「作戦その45発動!」です。
微エロあり。相変わらずせつなが壊れ気味です。
昨日に引き続き、少し長いです。

388:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 18:54:29 VOybWuM9
コンコン。
「せつな、起きてる?」

ラ、ラブ!?
思考の海へと潜り込んでいた私は、一瞬にして覚醒する。
慌てて時計を見ると、時刻は午前1時30分。
普段の彼女ならとっくに眠っているはずの時間だ。
こ、こんな時間に、どうして私の部屋へ?

最近ラブがこの部屋を訪れることはめっきり少なくなった。
それは、私のラブに対する態度が原因ではあるのだけれど。
ラブと二人きりになるなんて、今の私には耐えられそうもない。
けど寂しい。ラブに会いたい。
私の中で、終わりのない葛藤が繰り広げられてきた。

でも今、ラブが訪ねて来てくれた。
こんな時間に、私の部屋に。
用件が何であれ、こんなに嬉しい事はない。
ラブの声が聞けた。ただそれだけで。
こんなにも、心が歓喜に震えている。

「せつな?入るよ?」
あ、と思ったときにはドアがそうっと開けられた。
私はとっさにドアに背を向け、寝たふりをする。

「・・・おじゃましま~す。」
そろり、そろりと彼女が近づいてくる気配がする。

心臓が早鐘の様に鳴り、体中が熱を帯び始める。
とっさの事とは言え、どうして寝たふりなんてしてしまったのか。
後悔が胸を過ぎるが、今更やめる事も出来ない。
何より、こんな状況でまともに彼女の顔なんて見れやしない。

ラ、ラブ。一体どうしたというの?
この状況って。ま、まるで夜這いみたいじゃない。
ありえないと思いつつも、淡い期待を抱かずにはいられない。
もし、もしもラブが-。

389:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 18:54:58 VOybWuM9
-----
「ねぇ、せつな。」
彼女はそっと私の肩を揺すり、私をまどろみから呼び覚ます。
「ん・・・。どうしたの?ラブ。」
私は重い瞼を少し開け、焦点の合わない目で彼女を見つめる。
「せつな・・・一緒に寝てもいい?」
彼女は少し恥ずかしそうに俯きながら、私の目をちらちらと見てくる。

やっと頭がはっきりしてきた。ラブの不安そうな顔が目に映る。
私が断るとでも思っているのかしら?ホント、可愛い子ね。
「眠れないの?・・・怖い夢でも見たの?」
私は優しく彼女に微笑みながら、布団の端を上げておいでと手招きする。
彼女は顔を赤くしながら、私の横に潜り込んでくる。
「うん・・・。とっても怖い夢を見ちゃったの。」
潤んだ瞳で私を見上げ、パジャマの裾をキュッと握ってくる。
「可愛そうなラブ。一体、どんな夢を見たの?」
彼女の髪を優しく撫でながら、そう尋ねる私。

「・・・せつなが。せつながいなくなっちゃう夢。」

手を止め、彼女の潤んだ瞳を見つめる。
「あたし、あたし必死にせつなに手を伸ばしたの。でも、その手は届かなくって。」
震えている。まるで、本当に起こってしまった事であるかのように。

「せつなは、大丈夫よって。あたしを安心させるように微笑んで。けど!」
「もういいわ、ラブ。もう、話さなくてもいいのよ。」
「よくないよ!あたしは、あたしはせつなを!・・・んっ!」

彼女の唇を自分のそれで塞ぐ。彼女がもう、辛い言葉を吐き出さなくても済むように。
ゆっくりと唇を離し、再び彼女の瞳を見つめる。

「私は、ここにいるわ。どこにもいったりしない。ずっと、ラブの側にいるから。」
そういって、再び唇を重ねた。彼女の口内に舌を差し入れる。
「ん・・・せつな。あむ・・・ふぁ。せつな、せつなぁ!」
ラブも私の舌に自分のそれを絡めてくる。お互い、貪欲に相手の唇を貪った。

「せつな、せつな。もっと、あたしにもっとせつなを感じさせて・・・。」
私は彼女のパジャマのボタンに手を掛ける。
キスをしながら、器用にボタンをひとつずつはずしてゆく。

「お願い、せつな。せつながここにいるって。どこにもいかないって。あたしの体に、刻み込んで・・・。」

ゆっくりと、乳房に舌を這せてゆく。彼女の熱い吐息を感じながら、私はラブの体に溺れていった-。
-----

390:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 18:55:22 VOybWuM9
はぁ、はぁ。

一瞬でそこまで妄想して、私は荒い息をつく。
た、たまらないわ。ラブ、なんて可愛いの!
やっぱりせつラブは最高だわ・・・。少し幼い感じのラブの仕草がポイントね。

・・・じゃなくて!こんな時に何を考えてるの、私は!
いつの間にかすぐ側にラブ来てるみたいだし!
ね、寝たふりって気付かれてないかしら。
さっきの妄想で体は火照ってるし、息遣いは荒くなってる。マ、マズイわ。
落ち着くのよ、せつな。そう、素数でも数えて心を静めるのよ。
2、3、5、7、11、13、17、19、23、29、31、37、41、43、47・・・。

「ねぇ、せつな。あたし、何だか眠れないの。・・・一緒に寝ても、いい?」

私は死んだ。(理性的な意味で)

391:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 18:56:00 VOybWuM9
「ねぇ、せつな。あたし、何だか眠れないの。・・・一緒に寝ても、いい?」

そう言って、あたしは眠っている彼女の肩に手を掛けた。
ビクッと彼女の体が震える。
やっぱり、起きてたんだ。でも、どうして寝たふりなんかするんだろう。

やっぱりあたしのこと、警戒してるのかな。
そうだよね。こんな時間にいきなりやってきて一緒に寝ようだなんて。
こんなの、どう見ても夜這いにしか見えないよね。

奮い立った心が萎みそうになる。
やめておけばよかった。そう、弱音を吐きそうになる。でも。
こんなのあたしらしくないよ。前に、進まなきゃ。

「せつな、入るよ。」

あたしは意を決して彼女の布団に潜り込む。
目に見えて彼女の背中が硬直するのがわかる。
でも、もう止まれない。もう、突っ走るしかない。

「せつな、あたしね。最近せつなに避けられてるみたいで、すごく悲しかったんだ。」
「あたしの態度が原因で、せつなが戸惑ってるのはわかってる。でも。」
「どうしようもないんだ。あたし、少しでもせつなに近づきたくて。」
「せつなにとっては迷惑かもしれない。でも、もう我慢できない。」

「あたしは・・・せつなの事が好き。友達としてじゃなく、一人の女の子として。」

言った。ついに、言ってしまった。
もう後戻りは出来ない。祈るような気持ちで、彼女の背中を見つめ続ける。
しかし、彼女は微動だにしない。まるで、時が止まってしまったかのように。

392:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 18:56:28 VOybWuM9
「せつな?」

突然、ガバっと彼女の体が覆いかぶさってきた。
両方の手首をつかまれベットに押し付けられる。
驚きに目を見開く。そこには、潤んだ瞳の彼女の顔があった。

「せ、せつな。どうし・・・んっ!」

唇が塞がれる。それがキスだと気付いたときには、彼女の舌が私の口内を蹂躙していた。

「ん!ンッんんーっ!」

何も考えられない。せつなが私に、キスをしている。
妄想ではなく、現実で。
あまりの驚きに、嬉しさよりも動揺の方が先に来てしまった。
こ、これって本当に現実なの?疑問符があたしの頭の中を飛び回る。
そんなあたしに構わず、せつなはあたしの顔にキスの雨を降らせてきた。

せつなにキスされた箇所がじんわりと熱を帯びている。
これがまぎれもない現実だと、あたしに突きつけるように。
これは、現実なんだ。せつなが、あたしに、キスしてるんだ。

少しずつ、心に喜びが広がってくる。
再び彼女の舌が口の中に入ってきた。
それに答えるように、今度はあたしも舌を絡める。

あたし、せつなとキスしてる!嬉しい!!
喜びが私の中で爆発した。もう止まれない!!

393:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 18:57:07 VOybWuM9
「せつな!せつなぁ!」

今度はあたしから。せつなの顔にキスの雨を降らせる。
彼女がもどかしげにあたしのパジャマのボタンをはずしている。
あたしも負けじと、彼女のパジャマを脱がしにかかる。

「ラブ、ラブ!好き!好きなの!!」

普段の彼女からは想像できない程の激しさで、あたしの体を抱きしめてくる。
こんなに、こんなにあたしのことを求めてくれるなんて!
あたしの目じりから涙がこぼれる。
もう、嬉しすぎてどうしたらいいかわかんないよ。
せつなの方を見ると、彼女も涙を溢れさせている。
それはきっと、うれし涙。あたしと同じ・・・涙。

心が痛む。甘く。切なく。
こんなに嬉しいのに。心が痛んで、涙がこぼれるなんて。
嬉しすぎると、悲しい時と同じみたいになるんだね。
あたし、知らなかったよ。
これはせつなが教えてくれた気持ち。
せつなだけが、あたしに与えてくれる気持ち。
二人だけの、大切な気持ち。

せつなの手が、ゆっくりと下腹部に伸びていく。
「あぁ、せつな、せつな!そ、んな。は、げし・・・あ、ああーーっ!」


-しばらくお待ち下さい-


394:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 18:57:41 VOybWuM9
「はぁ、はぁ・・・。」
すごかった。そうとしかいいようがない。
カーテンの外はうっすらと明るくなっているようだ。
一日の始まり。けど、あたしの体は疲労でもうヘトヘトだ。

動かない体とは裏腹に、心は例えようもない充実感で満ちていた。
満ち足り過ぎて、心が破裂しちゃうんじゃないかと思うくらい。
愛情たっぷりだよ~。えへへ。
自分の体を見ると、体中に赤い跡が付いている。

もう、せつな、積極的過ぎ。
もはやあたしの体で、せつなの手と唇がふれていない場所なんて、なかった。

せつなの、ラブになっちゃったな。

口元がほころび、自然と笑みがこぼれてくる。
布団を捲ると、うっすらと赤が混じった、あたしとせつなが愛し合った証が付着している。
あっちゃ~。お母さんになんて言い訳しよう・・・。こっそり洗うしかないよね。

苦笑しながら横に顔を向けると、穏やかな寝息を立てるせつなの顔があった。
柔らかに瞼を伏せながら、彼女も微かに微笑んでいるようだ。

その、せつなの体にもたくさんの赤い跡。
あたしも負けじとせつなに付けた、あたしだけのせつなだっていう証。

誰にも、渡さないんだから。

また、胸がいっぱいになる。
幸せ過ぎるってこういうのをいうのかなぁ~。
にんまりと笑いながら、あたしは、これから始まるせつなとのイチャラブ生活に胸を弾ませていた。

「大好きだよ・・・せつな。」


こうして作戦その45、なんだか眠れないの。せつな・・・一緒に寝てもいい?は、
これ以上ないくらいの大成功を収めたのだった。


395:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 18:58:05 VOybWuM9
~おまけ~
【せつなside】

「せつな、入るよ。」
9929、9931、9941、9949、9967、9973・・・。

「せつな、あたしね。最近せつなに避けられてるみたいで、すごく悲しかったんだ。」
3.14159265358979323846264338327950288・・・。

「あたしの態度が原因で、せつなが戸惑ってるのはわかってる。でも。」
ええっと、ほ、他には・・・。そ、そうだわ!私の中の欲望を倒せばいいのよ!
変身よっ!ビートアップ!

「どうしようもないんだ。あたし、少しでもせつなに近づきたくて。」
真っ赤なハートは幸せの証!熟れたてフレッシュ、キュアパッション!
私の理性を汚すものよ!あこぎな真似はおやめなさい!とうっ!

「せつなにとっては迷惑かもしれない。でも、もう我慢できない。」
ああ!私の理性が!!な、なんて強いの・・・。まるで歯が立たない!
ごめんね、ごめんねラブ。私、負けちゃった。もう、限界だわ。ラブ、私は・・・。

「あたしは・・・せつなの事が好き。友達としてじゃなく、一人の女の子として。」
そう、ラブのことが好きなの。友達としてじゃなく、一人の女の子として…って。え?

ラ、ラブ?い、いま何て?
アナタイマ、ナントオッシャイマシタカ?
私のことが好きって、そう聞こえたのだけれど。
ハッ!これは夢!?また妄想の世界に来てしまったの!?
それなら無問題ね。ラブ。いただきます。


・・・温かい。ラブの唇、とっても温かい。
どして?夢なのに・・・。も、もしかして!
レロレロ。
やっぱり、ラブの口の中もとても温かくて心地いい。
ゆ、夢じゃない・・・夢じゃないのね!

ラブ!ラブラブらぶぅ~。好き好き大好き!!
あぁもう!ラブ!愛してる!!

「ラブ、ラブ!好き!好きなの!!」

~END~

396:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 18:59:18 VOybWuM9
以上で投下終了です。
続きは考えてなかったのですが、感謝を込めて書いてみました。
お目汚し、失礼致しました。

昨日の投下で初おさるさんくらいました。
結構投下規制厳しいんですね。
職人の皆様方の苦労がちょっとだけわかりました・・・。

妄想シリーズは一応これでハッピーエンドですが、
気が向いたら、この後日談的な話でも書いてみます。
読んで下さった皆様、ありがとうございました。

397:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 19:41:42 xqUbKR87
>>396
職人さんGJ!
雰囲気明るくておもしろかった!w


398:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 20:00:45 vrWjQ2Yl
>>396
GJすぎる!ありがとう!

399:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 20:39:18 jPat6EvE
>>396

GJすぎ!
微エロなのになんか笑えるw
コメディエンヌせっちゃんかわゆす。

400:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 20:41:06 iU3dPPci
>>396 GJ!バカっぽさ(無論、ほめ言葉)が素晴らしかったです!

401:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 21:28:15 o1YruwgX
面白かった!
急にかぶさってくるせつなにドキンとしました
ホラー的な意味で
>>395
せつなは夢のつもりだったんかいw

402:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 21:34:40 sMD+krQl
今晩は、以前黒ラブ投下した者です。
今更ですが、続きと言うかおまけ書いたんで投下させてもらいます。
ちょっとラブやん悩ませ過ぎて可哀想Wになったんで、ちょっとでも
元の前向きで元気なラブやんに戻したくてW


しかし、相変わらずの投下数&ハイクオリティーに脱帽。
保管庫の整理もすばらしくGJ!

403:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 21:35:53 sMD+krQl
おまけ


せつなとあたしはおでこをくっつけ合って、少し、笑った。
何て事しちゃったんだろう、と言う大きな後悔。大好きな人と
気持ちが通じあった、大きな喜び。
いろいろな思いが渦巻き、泣きたいような、笑いたいような不思議な気持ち。


「…ごめんね。」
もう一度、あたしは謝る。どんなに謝っても足りないのは分かってる。
でもそれしか言えないから。

「…うん。でも、もうこんな乱暴なのはやめてね。」
結構、辛かったんだから。と少し冗談めかして、せつなは含羞む。


「やだ、私…。」
「…わはー……。」
せつなは今更ながら自分のはしたない姿に気付いたように
服の前を掻き合わせ羞恥に耳まで真っ赤にしている。
パリッとしていたワンピースは見る影もなくくしゃくしゃで、
汗やその他諸々で汚れて、かなり悲惨な状態だ。


(わはー…、何かせつな、すんごいえっちぃんですけど。
いや、ひん剥いたのはあたしなんすけどね…。)

「どうしよう、これ。」
血の染みが付いたワンピースを摘まんで少し途方に暮れる。
買って貰ったばかりの服を汚してしまったのを気に病んでいるらしい。
「あー、だいじょぶだよ。これコットンだし。すぐに洗ってアイロン掛ければ!」
洗ったげるよ!貸して。と服を引っ張ろうとするラブに、
「あっ、やん!」
裾を押さえて抵抗する。


下、何も着てないんだから!と赤い顔で上目遣いに少し睨まれ
ラブの顔も負けず劣らず赤くなる。
ついさっきまで、あーんな事やこーんな事をされてたのに
何を今更…と言う気がしなくもないが、どうやらそう言うものでもないらしい。

404:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 21:37:35 sMD+krQl
「…シャワー、浴びて来てもいいかな。」

そりゃそうだよね。恐らく身体中エライ事になってるんだから。
そりゃあ早くさっぱりしたいだろう。


「そだね!お湯、もう張ってあるから!ゆっくり入ってきなよ!」
そう言った途端、くしゅん!ラブがくしゃみをした。
考えなくてもラブも巻いていたバスタオルはとっくに落ちて、すっぽんぽんだ。
ある意味せつなより恥ずかしい。
クスリ、とせつなが笑い、
「じゃあ、一緒に入っちゃおうか?」
「!!ふぇ?!」



先に行くね。ぱさっ、とラブの頭に落ちてたバスタオルを掛けて、せつなは
バスルームに向かった。


(一緒にって、一緒にって…?!)


ラブは先ほどのせつなの言葉を反芻する。
『もう、こんな乱暴なのはやめてね。』
って事は、乱暴にしなきゃオッケー!って事すかね?!


かぁっ!と全身が熱くなり、心臓が口から飛び出しそうにバックンバックン
脈打っている。

405:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 21:38:55 sMD+krQl
今こそ真の勝負の時!ラブの本能がそう告げていた。
大好きな人と(無理矢理ではあるが)体の関係を持ち、(順番が逆だが)気持ちを
確かめ合い、(普通はこれが最初だろうが)告白もした。


(これで二人は両想い!晴れてラブラブ恋人同士…!)


のはず。
しかし、問題が一つ。


せつなは今回の事がラブが慣れない深刻な悩みに耽った挙げ句の暴走。
つまりは非日常、普通ならあり得ないイレギュラーな出来事と捉えて
いないか、と言う事だ。
それは困る。大いに困る。トチ狂って暴挙に出てしまったが、
ラブとしては、ここまでやったからには付き合い始めの恋人らしく
日常的にあんなコトやこんなコト……できなきゃ意味がないのだ。



(それに、えっちは気持ち良くなきゃ!
このままじゃ、えっちがトラウマになっちゃうかも!!
そんなのせつなの為にも絶対良くない!!!)


そのトラウマを植え付けたのは間違いなく自分なのだから
『責任取らなきゃ!』
ラブはいつものポジティブシンキングを取り戻しつつあった。



(ようし!!)
ラブの体に闘志がみなぎる。



(待ってて!せつな!!女ねヨロコビ、ゲットだよ!!!)




406:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 21:46:44 sMD+krQl
以上です。お粗末様。


しかし、>>355、>372両氏の美希せつ、すごい好きです。
こう言う雰囲気と言うか、潤いのある文が書けるのって羨ましい。
多作なのに全然やっつけ仕事的な所がないのもすごい。

>>388氏はコミカルで明るい雰囲気がすごく上手いですね。
まさかこのスレで腹抱えて笑うとは思わなかった。
堪えてたけど、―しばらくお待ちください― で限界でした。

407:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 22:23:36 ASsAlZhg
>>396
GJ!続きをありがとうございます。あれから続きが気になって勝手に妄想したりしてました。。
次回作も楽しみにしていますね。

408:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 22:43:58 o1YruwgX
>>405
ラブやんが黒い世界から帰ってきたー
純粋なせつなと、ラブの思考回路がガチなところが素敵

409:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 22:56:57 xqUbKR87
>>406
GJ!
続き待ってました!
その後のせつなとラブのいちゃいちゃが想像できるww

410:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 23:06:35 UXvudcPz
この二連続のSS見て心から思ったよ
事後っていいね!最高だよ

411:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 23:17:53 UTkhLaQr
>>386あたりから妄想。エロはないよ。
はじめてなのでお見苦しい点もあるでしょうが。


412:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 23:19:22 UTkhLaQr
「うわぁ!おいしそー!」

嬉しそうな声に読んでいた本から顔を上げると、
そこには2つ折りにしたようなスポンジ生地をもって目を輝かせているラブがいた。

「ラブ、それ、何?」

私が聞くと、今日のおやつだってー、とにこにこしながら答える。

「ね、せつなー。はやく食べようよー」

ラブは待ちきれないといった様子で、私を呼んだ。

「もう、ラブは食いしん坊さんね」

だってー、と笑うラブの元へ私も笑いながら近づいていく。



「はい、せつな。あーんして?」
「――へ?」

413:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 23:20:49 UTkhLaQr
予想外の出来事に全身が固まった。
いつのまにか2つに割ったパンの片方を私の前に差し出して、
わずかに首をかしげたラブは、とても愛らしくてなんだかどきどきしてしまう。
突然のことに私が戸惑っていると、せつな、どうしたの?と
顔を覗き込むようにしてラブが近づいてきた。
私の鼓動はさらに高まり、あわてて目の前のパンにぱくりとかみ付いた。

ふわふわのスポンジを口に含むと、その間にはさんでいたイチゴクリームの香りが
口いっぱいに広がり、一瞬今の状況を忘れてしまった。

「どう?せつな、おいしい?」

その言葉に、はっと我に返る。
ラブの顔が思いのほか近くにあって、また心拍数が跳ね上がる。

「――お、おいしいわ。でも、立ったまま食べるなんてお行儀が悪いわよ」

ぱっと後ろに下がって、照れ隠しになぜかマナーの注意なんかをしてしまった。
せっかくのラブとのスキンシップだったのに・・・。
うなだれて自己嫌悪に陥っていると、ラブの明るい声が聞こえた。

414:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 23:22:42 UTkhLaQr
「あ、そっか!あはは、ごめんごめん」
 
じゃあ座って食べよっかーと、暢気に笑いながら机に向かうラブを見ていると、
自分だけがどきどきしていることがなんだか悔しくなってきた。
私は素直に座ってパンを食べているラブに歩み寄り、
ぐっと顔を近づけるとそっと囁いた。

「クリーム、ついてるわよ」

そしてすぐさまラブの唇の脇に口付ける。
そこまではよかったが、ラブから唇を離すと突然恥ずかしくなってきてしまった。
熱くなる頬を隠すように勢いよくラブから離れると、
くるりと向きを変え、私は脱兎のごとく逃げ出した。

でも、部屋を出るときにちらりと見えたラブの顔が真っ赤だったから、
おあいこってことで、ま、いっか。
ラブに触れた唇にそっと指をあてて、頬が緩むのを感じながら、
私はゆっくりと目を閉じた。

415:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 23:24:26 UTkhLaQr
以上です。駄文失礼。
このスレの職人さんたちはレベルが高すぎるぜ・・・。
いつも楽しませてもらってます。これからも頑張ってくださいってことで!
ありがとうございました。

416:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 23:45:01 xqUbKR87
>>415も十分にレベルが高いwww

自分にはこんなものは書けないwww

GJ!

417:名無しさん@秘密の花園
09/08/22 00:07:43 MOKaDFot
皆様GJです!
ラブせつたくさん読めて今夜も幸せゲットだよ!!

418:名無しさん@秘密の花園
09/08/22 00:16:28 yU4R31bc
>>364
相変わらずの神的描写、もっともたかいと書いて「最高」です。
ジュースとシードルを間違えた件、リアルに使えるwww
美希たん芯が強いなぁ。どんな恋愛も完璧にこなさないと納得しなさそう。
また良作が保管されました。ありがとう!

>>377
何て綺麗な描写なのでしょう・・・。ゆったりと時間がもう素敵すぎて。
ちょっぴりすかしたせっちゃんイイですねぇ。相手が美希たんだから
しっくりクルんだよなぁ。せっちゃん負けず嫌いのトコとかもイイ!
これまた良作、保管させて下さいませ。

>>383
感動。かなり助かりました!お礼に後ほど投下と、保管庫に感謝の意を。

>>396
また逝きそうになった・・・w案外せつなはHだと積極的だったり・・・。
って素数とかもぅwww管理国家!!!みたいなw円周率もかよっw
二人だけの証、俺好きです。シーツ自分で洗うとか宴の後の処理って大変。
保管庫には勿論H有りと記載で。

>>406
俺の好きなラブやんが登場しましたwもうね、どんだけ性欲あんのよwと。
せつなのオドオドした感じ、何かたまんない・・・。脳内ムラムラしてきた。
にしても一人ボケツッコミがツボw世間のツッコミでしたね。
無論保管させて頂きます。良作多すぎて多すぎて!

>>415
386さん喜んでるハズw見事なシチュエーションでございました。
是非とも題名をお願いします。駄文なんて言葉、このスレにはなくってよw
みんなもプリキュアパン食べて妄想ゲットだよ!
保管庫も口を開けて待っておりますw

感想書いてたら日付またいじゃったよwんぢゃラブ美希ver作ってきます。

419:名無しさん@秘密の花園
09/08/22 00:16:38 oQ3e7LOQ
職人の皆様GJ過ぎる。
お互い妄想で暴走して、最後にかみ合うなんてwww

保管庫にもたくさんSSが入ったなあ。
読むのが楽しい。

トップページの画像見て気づいたんだが、
並んでウェーブするときって、腕絡ませてるんだね。
相当息合わせないと難しそうだ。



420:MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/08/22 02:18:58 yU4R31bc
【愛してると言って~ラブ美希ver】
私の取り柄って何だろう。
笑顔とダンスが無くなったら何も残らないんじゃ・・・。


一人になると、不意に自己嫌悪に陥る事がある。


美希たんは背が高くて綺麗でモデルさん。
ブッキーは胸が大きくて優しい獣医さん。
せつなは色白で純粋無垢なお姫様。

それに引き換え、自分はなんなんだろ?見失いそうになっちゃう・・・。
しいて言うなら料理ぐらいかも、自慢出来るとしたら。


お父さんやお母さんは私を大切に育ててくれた。
友達のみんなも私を大切にしてくれる。
だけど、私と来たらそれに答えられてるのかな・・・。

笑顔をいっぱい振りまいて。踊ってる姿はみんなを喜ばせているの?


大丈夫!絶対みんなは幸せゲットしてくれてる!

それはエゴ。ラブの思い違い。笑顔の押し売りだよ。

ラブとラブが私の心の中でいつも戦っていた。




「もう辞めてよ」





私らしくない。いつからこんな風になっちゃったんだろ?ホント私らしくないから。
そんな時、私の心を癒してくれるの場所がココ。四葉町が見渡せる丘。
いつでも私を快く出迎えてくれる。

目を閉じて横になると自然に落ち着けるんだ。心が安らぐ瞬間を感じれる。



いつしか眠ってしまった私に誰かが声をかける。聞き覚えのある声だ。
「また悩み事?スランプ続いてるわね。」 

「美希たん・・・」

「悩んで辛くなった時はいっつもココにいたよね。」


「辛くなんか。。私はただ・・・。ただね・・・。」
私がここに来てる事を知ってた驚きと、気持ちを悟られたくない葛藤で
返す言葉を誤魔化していた。

421:MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/08/22 02:20:14 yU4R31bc
「隣空いてるでしょ?」

「うん。」


「ラブ~、最近笑顔が完璧じゃないぞ~」

「そんな事ないよ!いつだって私は全力の笑顔なんだから!」

「そうかしら?いきなりムキになっちゃうトコとかバレバレよ。ラブは昔っから嘘ヘタすぎ。」
美希たんはそう言うとジッと私の瞳を見つめて。とても勝てそうにない。まるでおまわりさんだよね。



「美希たんに嘘つくなんて無理、やっぱ。」


「正直で宜しい。で、どうしたの?ここんとこずっと、ラブの事ばっか頭をよぎってね~。」



「自分が嫌になっちゃって。・・・。笑顔とダンスしか私って取り柄ないんだよ?」
悔しかった。あまりのネガティブさに自分でも腹が立ったぐらいで。



あっと言う間に8月が終わろうとしている。あんなに暑かった夏が終わろうとしている。
そんな夕日を背に、美希たんは口を開く。



「私ね、ラブがいつもそばにいてくれたらなって思う。ラブの笑顔、ラブの怒った顔、ラブの泣いた顔。もっと見ていたい。」
ゆっくりと話す口調はまるでお母さんのようだった。美希たんの声がこんなに優しかったなんて。



「いつも笑顔でいたい。だけど押し付けがましくないかな?踊っている時もホント幸せ。ただこの二つしか私には無い・・・」
さっきから愚痴ばっかり。ホント情けなかった。黙って聞いてくれてる美希たんには頭が下がる思いで一杯だった。

「それでイイじゃない。笑顔で踊れるなんて最高。ブッキーやせつなも羨ましがるハズよ。でもね・・・」

「でも?」

「自分を・・・、自分を殺しすぎだよラブは・・・。他人を喜ばせる事ばかり考えて。
私は・・・、そんなラブが可哀想で仕方なかったよ。もっと早く助けてあげるべきだったよね・・・。」


「ううん。ありがと美希たん。気にしてくれてたんだね。」

422:MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/08/22 02:21:18 yU4R31bc
「私はラブの笑顔がホーントに好き。だけど私にはそんな笑顔が作れない・・・。悩んでるのに、そばにもいてあげれなかった。」
美希たんの目は潤んでいた。せつなはすぐ傍にいるのに、ブッキーは優しく包んでくれるのに、どうして自分は・・・。
そんな想いをさせてしまった事を、今でも私は悔やんでいる。



「私がモデルになった理由、話してなかったよね。」


「うん。」


「綺麗になればいつか、私が大切に想ってる人はこっちを振り向いてくれるって信じて・・・ね・・・。
一杯努力して、ダイエットもして、とことん目立ってやろう!って。」



「美希たん・・・、もしかして・・・」
いつの間にやら私がドキドキしていた。私の悩みや愚痴は遠い昔のようで。ちょっぴり恥ずかしくもあり。


「好きとかそう言うレベルじゃないのかも。」

「え・・・」



「愛している、その人を。今でもずっと・・・」

「美希・・・たん・・・」

「私だってホントは完璧じゃない。だからその人の気持ちが良くわかるの・・・。」



「その人って、料理上手だったりする~?」

「どうかしら?お母さんは上手だったわね。」

「じゃあ笑顔が飛びっきりのもぎたてフレッシュ~?」

「さっきまでは愚痴って悩んでばかりだったような気もするけど。」

「じゃあ、誰よりも目立ちたがり屋の踊り大好き少女~?」

「確か、いっつも幸せ幸せって言ってたような。」

「それワタシで・す・ケ・ド!」

「うふふ。ごめんごめん。」

「美希たん、愛してる~っ!!!」

「私も愛してる、ラブ・・・。」

美希たんの愛してるは大人の味がした。ちょっと背伸びしちゃったケド、その分は笑顔でお返ししま~す!

~END~

423:名無しさん@秘密の花園
09/08/22 02:31:42 yU4R31bc
保管庫では誤字修正しますんで。ちゃんと書いてるつもりなんだけどなぁ。

>>419
自分もコレみて「おォ!!!」ってw
絡めて絡みまくってくんずほぐれつ・・・。自重しろよ、大輔はwww
やっぱ4人でフレッシュプリキュアですね。そりゃ百合も繁盛しますよ~

424:名無しさん@秘密の花園
09/08/22 03:06:12 UlaoCG0J
>>423
三部作ありがとうございました。全部完璧でした!四人のキャラ、言葉遣い、雰囲気や丘の景色など伝わってきました。

投下と保管庫作業大変でしょうが頑張って下さい!楽しみにしてる者より

425:名無しさん@秘密の花園
09/08/22 08:56:42 oQ3e7LOQ
>>422

GJ!美希たんがモデルになった理由にグッと来ました。
三者三様で楽しめました。ありがとう。


426:名無しさん@秘密の花園
09/08/22 12:31:38 6ri0RgHV
誰もいないみたいなんで、長いの置いておきますね。>>276の続きになります
ハッピー風エンドですけど、ハッピーエンドじゃないんで。>>321さんごめんなさい。
まだ話終ったワケじゃないですけど。
>>383様、>>423様、保管庫ではご迷惑おかけしました。重ねて御礼申し上げます。


427:名無しさん@秘密の花園
09/08/22 12:32:53 6ri0RgHV
                      ◎
『――大型の台風が接近中の為、関東地方には本日、豪雨警報が発令され――』

 あたしは人気の無い店内で、ぼんやりとオレンジジュースを飲みながら、ラジオから流れる台風情報を
聞いていた。窓の外は、朝から相変わらずの雨…今はまだ弱い降りだけど、ラジオからの情報を信じるな
ら、もうすぐこのクローバータウンも暴風圏内に入るはず。
 ……帰るなら今のうちなのにな……。
 でも、それが出来ない事は、誰よりもあたしが分かっていた。

「……と、あとジャケットとか、上に羽織るものなんていいと思うの!――?聞いてる?美希ちゃん?」
「………ハイハイ、ちゃんと聞いてるわよ、ブッキー。…で、ナゲットおかわりでいいの?」
「……美希ちゃん、やっぱり聞いてない……」

 ちょっと頬を膨らませて、呟くブッキー。なに?あたしバケットと聞き間違えた?
 あたしとブッキーの二人は、今ファミリーレストラン『Yotuba』にいた。……ここあんまりいい思い出
無いのよね……、まあプリキュアになった記念の場所ではあるんだけど。
 あたし達の間には、広げられた何冊かのファッション雑誌。

「…だから、予算的にはこっちの靴がいいんだけど…デザイン的にはこのパーカーが似合うと思うの……、
あ!やっぱり赤を基調にしたほうが喜んでくれるかなあ?」
「あー。そーかもねー」
「…赤っぽい感じだと…このキャミソールとか…。う~ん、これはちょっと子供っぽ過ぎるかなぁ…でも
こっちはちょっと、お、大人っぽいというか…え、えっちな感じだし…」
「そーそー分かる分かるー」
「だとすると…この帽子なんかいいと思うんだけど…似たようなの持ってたような気がするのよ…」

 あたしの気の無い返事に構わず、忙しくページをめくるブッキー。…人の話聞いてないのはそっちじゃ
ないの?
 熱心にファッション雑誌をチェックするブッキーを他所に、あたしはまた窓の外に目をやる。
 外は雨。
 あたしはふと、管理国家って雨降るのかな、って思った。天候まで管理されてたら凄いわよね…。

「――傘……」
「――?何?美希ちゃん?」
「……傘、なんかいいんじゃない?…ほら、値段もそんなしないし…」
「……傘かぁ……」

 腕組みをしながら考えるブッキー。

「……傘って、雨の日にしか使ってもらえないよね?」

 ――当たり前よ。
 こんな時にしか頼りにされないあたしと一緒。
 あたしは少し自虐的な気分になって、彼女に気付かれないよう、小さな溜息をついた。


428:名無しさん@秘密の花園
09/08/22 12:34:21 6ri0RgHV
 
 ブッキー、山吹祈里からリンクルンに連絡があったのは、昨日の夜の事だった。

「…お買い物に行くから、付き合ってほしいの!ホラ、美希ちゃんモデルだし、わたしなんかよりセンス
いいし!…アドバイスして欲しいなって思って!」

 珍しい、っていうのがあたしの率直な感想。…もともとあたしとブッキーではファッションの趣味も
まるで違うし、こんな風に意見を求めてくるなんて、久しぶりの事だったから。
 本当なら、ここで少しは疑問を持ってもいいはず、だった……でも、クローバーの練習とプリキュア
としての活動で、なかなか彼女と二人きり、って状況が無かったあたしは、近付いてきつつある台風の
事なんて、それこそどこ吹く風って感じで、ウキウキした気分で眠りについて。

 そして今日。
 待ち合わせ場所である、この店に着いたブッキーの第一声は――。

「――美希ちゃんは、どんなのがせつなちゃんに似合うと思う?」

 あたしは、天国から地獄って言葉を、身を持って体験した気がした。

 
 ブッキーはまだ、自分がせつなを好きな事をあたしが知らないと思っている。
 ……ブッキー、あなたどれだけニブいのよ……。
 もっとも、あたしもブッキーへの思いを未だ伝えられずにいて。
 近くにいるのに、お互いの秘密が、それ以上の距離を縮めさせない、って状況がしばらく続いていた。
 
 それにしても、誕生日でもないのに、どんな名目でせつなにプレゼントなんてするのか。……まず
あたしにはその理由が分からなかった。
 あたしの問いに、ブッキーはちょっと恥ずかしそうな顔でもじもじしながら、言った。

「ほ、ホラ…せつなちゃん、こっちに来てまだ日も浅いし…まだ着るものとか、そういうの良く分から
ないと思うのよ…それにラブちゃんの家に住んでて、そんなにワガママも言えないと思うし……だ、
だから、わたし達で何か贈るのもいいかなって……クローバーに入ったお祝いも兼ねて!」

 ……それはこじつけって言うのよ、ブッキ―。
 せつなの服や日用品は、ラブがきっちり管理してるし、ラブのご両親はワガママを聞かないどころか
せつなを自分の子供のように可愛がってる。…むしろこっちが甘やかし過ぎじゃないかって心配になる
くらい。…クローバーに入ったお祝いなら、ブッキー、あなたがあげた練習着でいいんじゃ…。

 単純な話、ブッキーはせつなの物を全てラブが選んでいる事にヤキモチを焼いているのだ。

 普段着るものや身に付けるもの、それこそ下着までラブが選んでるって状況が気に入らなくて、一つ
くらいなら何か自分が選んだものを身に付けてて欲しいって思ったに違いない。
 
 健気で、可愛らしくて、あたしにとっては残酷な乙女心…よね。

 楽しそうに悩んでいるブッキーの顔を眺めながら、心の中で呟く。
 せつなしか眼中にないブッキーを見ていると、胸がチクチクと痛むけれど、それでも彼女と二人だけで
いるこの場所から離れられなくて。

 ――惚れた弱みってこういう事なのかしら……
 
 あたしは薄く自嘲気味に笑うと、雑誌のチェックに余念の無いブッキーから外へと目を移した。
 外は雨。
 目の前には俯いて何やら本に夢中なブッキー。

 ……何か似たような事が前にあったな――とあたしは記憶を探り始めた。


429:名無しさん@秘密の花園
09/08/22 12:36:35 6ri0RgHV
                      ○
「…まだ、雨やまないね、美希ちゃん…」
「…もうちょっとここで待ってみようか、ブッキ―」

 あれは、まだあたしとブッキ―が小学2年生くらいの時だったっけ。
 あたし達はあてにならない天気予報のせいで、昼くらいから降り出した雨につかまり、学校の教室から
表に出る事が出来ないでいた。
 いつも一緒だったラブは、風邪を引いたそうで、珍しくお休み。
 クラスの皆は、傘を持ってお迎えに来たお母さん達と仲良く帰って行ってしまって。
 あたしは母親が仕事をしてるから迎えになど来られる訳もなく、ブッキーも、ご両親が獣医をやってる
から忙しいらしく、迎えには来られないようだった。
 
 空は黒く分厚い雲に覆われて、まるで夜のように真っ暗で。
 電灯の点いた広い教室にはあたしとブッキーだけ……。
 
 自分の事ながら、子供だけに心細かったろうな、って思う。
 今なら自分の親や、ブッキーの家庭の事も分かってるし、雨くらいどうって事ないのだけれど。
 それでもその時のあたしは、暗くなりそうになる雰囲気を盛り上げようと、ブッキーに言った。

「だいじょうぶだよ!もうちょっとだけ待てばやむよ!」
「ほんとう?美希ちゃん……?」
「まかせてよ!あたしのカンの方が、ヘタな天気よほうより、かんぺき!なんだから!!」
「……うん、美希ちゃんのこと、わたし、信じてる!!」

 ……いつものやり取り。
 何かあって、ブッキーが不安そうにしてたり、怯えてたりした時、あたしは彼女を励ますために、毎回
そんな根拠の無い虚勢を張っていた。…ブッキーもその言葉に励まされて、元気を取り戻す。……そんな
他愛も無い、いつも通りの掛け合い。
 
 昔からあたしの役回りってそうだったな、って思う。ある意味、損な役ではあるわよね。本当なら、淋
しいし、怖いし、泣いてしまいたい時だってあった筈……。

 ――でも、ブッキーがいたから。

 ブッキーにそんな顔させたくないし、そんな彼女を見たくなかった。…だからあたしがしっかりしなきゃ
っていつも、思ってた。

430:名無しさん@秘密の花園
09/08/22 12:38:06 6ri0RgHV

「そうだ!今日としょ室で借りてきた、どうぶつの本があるんだよ!ブッキー、それよむといいよ!」
「……!本当?……でもどうして美希ちゃんがどうぶつのご本なんて……?」
「こんな事もあるかと思って、借りて来ておいたの!ちょっと待ってて!」

 過去の自分とはいえ、底の浅い嘘よね。
 本当はねブッキ―、いつも動物の事を楽しそうに話してくるあなたと、話題を分け合いたかったから。
 少しでも動物の知識が増えれば、ブッキーもきっと喜んでくれるでしょう?

 ランドセルの中から本を取り出し、ブッキーに渡す。
 その表紙を見ただけで、ブッキーはさっきまでの不安そうな表情とはうって変わり、目が輝き出す。

「ありがとう!……美希ちゃん!これ、読んでもいい?」
「いいよ。雨が止むまで、それでヒマをつぶすといいよ。あたしは外見てて、雨が止んだら、ブッキ―に
おしえてあげるから!!」

 それも、嘘。
 あたしが借りてきた本をブッキーが読みふけってる間、あたしは外なんか見てなかった。
 ブッキ―、あなたを見てたのよ。ずっと。
 茶色くて、フワフワの髪の毛。
 一生懸命本を見つめる宝石みたいな瞳。
 小さく結ばれた、桜貝みたいな唇。

 今思えば、あの頃にはもう、あたしはブッキーに恋してたんだな。
 まるでお姫様みたいなブッキーを見ているのが楽しくて仕方無かった。

 ブッキーが本に夢中になるように。
 あたしはブッキーに夢中になってた。


 フッ


 突然、今まで点いていた教室の灯が消えた。
 違う、教室だけじゃなく、廊下も、外の建物も、町の光すら、全部。
 ―――停電。
 変電所に雷でも落ちたのか、その音にも、それぞれ夢中になってたあたしたちは気付かなくて。
 子供だったあたしは、世界が終ってしまったんだと思った。
 
 
 暗闇の中、あたしはずっと震えていた。
 怖かったし、不安だったし、泣きそうだった。
 でもそれは、今まで押さえてきたものが噴出したのではなく
 たったひとつ。
 「もうブッキーに会えない」って思ったから――。


431:名無しさん@秘密の花園
09/08/22 12:39:51 6ri0RgHV

 
 その時、あたしの手に、温かくて、柔らかいものが触れた。

 
「……だいじょうぶ?美希ちゃん?」

 ブッキーの声が、した。

「…ていでん、かな?ビックリしたね」

 その声と温もりだけで、震えが止まった。
 あたしは両手で、ブッキーの手を挟み、しっかりと握る。

「――うん、あたしならだいじょうぶよ、ブッキー!」

 ブッキーが無事なら、あたしは何があっても平気。

 ブッキ―が無事なら、あたしは震えてなんかいられない。
 
「ブッキーこそ、だいじょうぶ?……なにがあっても、あたしがいるから平気だよ」
「うん……ほんとうに、美希ちゃん、すごいね。わたしなんて怖くて……」
「当たり前よ!あたし、かんぺきだもん!」
「ふふ、わたし、信じてた!」
 
 お決まりの、会話のやり取り。
 でも一つだけ違うのは。
 救われたのは、あたしの方だったって事。

 ……そうじゃない。
 きっといつも、ブッキーがいる事で、あたしは逆に救われてたんだと思う。
 ……ブッキーを支えてるのは自分だって思ってたけど。
 本当はブッキーに支えられてるのはあたしの方だったんだ。
 
 あたしは今になってそれに気が付いた。
 
 
 消えた時と同じように、唐突に明かりが点く。

 
 あたしとブッキーは顔を見合わせる。
 それから、何を言い出すでもなく、額を寄せ合い、微笑む。

「ふふ」
「うふふ」

 そんなあたしの目に、教室の隅に置かれた、誰かの忘れ物の傘が映る。

「ブッキー!あれ!!」
「え?」

 傘の名札には『ももぞのラブ』と書いてあった。

432:名無しさん@秘密の花園
09/08/22 12:42:30 6ri0RgHV
 
                      ◎
「……う~ん、でも傘っていうのもありなのかな~」

 ブッキーの呟きで、あたしの思考は現在に引き戻された。

「…なに?ブッキー、傘にする事にしたの?」
「……もう、やっぱり美希ちゃん何も聞いてなかった……。傘だって、普段気にしていなくても、雨の日
には自分の傍に絶対にあって欲しいものだから、いいかな、って言ったじゃない!」
「そうなんだ…まあありがとうと言っておくわ」
「?何?」

 あたしは「何でもない」と誤魔化すと、オレンジジュースを口に運ぶ。
 そして少しだけ考えて、まだ悩んでいるブッキーに話し掛ける。

「傘は……ないんじゃないかしら?ブッキー…」
「?え?さっき美希ちゃんが傘がいいんじゃないかって……」
「でもね、梅雨はもう終ってるし、そうそう必要も無いかなって思って。台風行っちゃえば、またお天気
続くらしいし……」
「本当?……天気予報で言ってた?」
「任せてよ!あたしの勘の方が、下手な天気予報より完璧!なんだから!!」

 ブッキーは一瞬、目を丸くして、クスクス笑い出す。

「何それ~。変な美希ちゃん!!」

 そんなブッキーの笑顔を、あたしは少しだけ、淋しい目で眺める。

「……じゃあ、傘は止めて、こっちの帽子にしようかな……」
「いいんじゃない?……で、どうする?買い物行くの?早くしないと、もう雨が強くなってきてるんだけど」
「!!行けない!こんな風にのんびりしてる場合じゃないじゃない!……美希ちゃん、本当に一緒に来て
もらっていい?……雨……」
「……何よ今さら――いいわよ、ここまで来たんだもの。その代わり、ここは奢ってよ?」

 ブッキーに軽く片目をつぶってみせると、あたしは傘を手に、先に一人で店から出る。
 
 外は雨。
 
 あの時と同じように。
 
 でも、同じ雨が降っているわけじゃない。

 それは分かってる事なんだけど、ね。

 台風が近付いているだけあって、雨はどんどん強さを増すばかりだった。



433:名無しさん@秘密の花園
09/08/22 12:43:47 oQ3e7LOQ
さるさん防止支援

434:名無しさん@秘密の花園
09/08/22 12:45:25 6ri0RgHV
                      ○
 雨が、上がった。

 あたしとブッキーは、置いてあったラブのかさで、なんとかぬれずに帰ることができた。
 小さなかさだったから、二人でむりやり入るとキツイ。……でも、いやじゃなかった。
 かさを閉じようとするあたしを、ブッキーが止める。

「なんだかあいあいがさみたいだね、美希ちゃん」
「??ブッキー。あいあいがさって恋人どうしで入るものだよ?あたしたち女の子どうしじゃない」
「美希ちゃんは女の子だけど、いつもわたしを助けてくれるし、はげましてくれるし、まるで王子さま
みたいだから、いいの」

 ブッキーはそう言うと、あたしの肩に頭をのせてきた。
 すごくいいにおい…。なんだかあたしはむねがドキドキするのを感じた。

「重くない?」
「だいじょうぶ、全然重くないよ。ぎゃくになんか気持ちいい……」
「良かった……」

 そう言うと、ブッキーは目をつむった。

「わたしもなんだか気持ちいい感じ…変かな?」
「ううん。さっきブッキー、あたしのこと、王子さまみたいって言ってたけど、あたしも、ブッキ―の
こと、お姫さまみたいだって思ってたもん。……だから、きっと変じゃないよ。」

 あたしは肩にのったブッキーの頭の上に、そっと、自分の頭をかさねる。

「ずっとこうしてたいね」
「わたしもそう思ってた。……美希ちゃん、ずっとずっと大人になっても、わたしの隣にいてね?」
「もちろん!王子さまとお姫さまはずーっと二人でいるんだよ。それで、ずーっと幸せにくらすの!」
「見て!美希ちゃん!虹!!」

 まるであたしたちをお祝いしてくれてるみたいに、空に虹がかかる。

「キレイだね……」
「本当……わたしたちいつまでもいっしょのかさのしたにいようね!」
「わかった!雨の日のやくそく!だね!」


435:名無しさん@秘密の花園
09/08/22 12:46:09 6ri0RgHV

 あたしたちはゆび切りした。

 
 きっと、このやくそくは、えいえんの、やくそく。


「これでかんぺき!だね!」
「うん!わたし、信じてる!」

 


 あたしたちは、かさを閉じることなく、ずっと虹をながめていた。





                      

                               


                                    了

436: ◆51rtpjrRzY
09/08/22 12:49:37 6ri0RgHV
おしまい。酉付け忘れてた…。
雨の日のお話は何人か書いていらっしゃいましたけど、自分風にやってみました。
支援ありがとうございました。
タイトルは『雨上がりの約束』です。

437:名無しさん@秘密の花園
09/08/22 12:50:58 oQ3e7LOQ
美希たんが不憫すぎて泣きそうになった。
頑張らなくていいよ美希たん。

438:名無しさん@秘密の花園
09/08/22 13:14:07 6ri0RgHV
自分も美紀たんには幸せになって欲しいんですけどね…。どうなることやら。
っていうかホントラブラブ書ける職人様方いつも尊敬してます。

439:名無しさん@秘密の花園
09/08/22 17:15:50 NK++QUv2
またすごい作品がきた。
職人さんGJ!

440:名無しさん@秘密の花園
09/08/22 17:48:01 qYn5D9aB
美希たんって一番周りが見えてるよな、だからなんとなくみんなの気持ちがわかっちゃって、そのせいで動けなくなっちゃったり動いちゃったり。損、って感じだよなあ…。

美希たんは幸せになってほしい、いや勿論みんなだけど。あああもどかしい!

441: ◆BVjx9JFTno
09/08/22 21:03:49 oQ3e7LOQ
こんばんわ。
ようつべ見てたら浮かんだので投下します。
ドラマも百合も少ないですスマソ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ラビリンスには、音楽というものは無かった。
この世界に来て、初めてその存在を知った。

耳から入り、心に作用するもの。
感触すら、はっきりと思い出すこともある。




     【夜想曲:nocturne】





テーブルの上には、これでもかとばかりに
ご馳走が並んでいた。

庭に面したテラス席。
夜風が気持ちいい。

今夜は、私がラブの家族になって、初めての
桃園家恒例、外食デー。


この間は、いきなりラブに連れて来られた戸惑いと
心の整理が出来ていなかったこともあり、
最初は動揺していた。


でも、
ここで、ラブに教えてもらった。


家族。

笑顔。

そして、幸せ。



442: ◆BVjx9JFTno
09/08/22 21:04:41 oQ3e7LOQ

「せつな、ケーキの種類すごく増えてるよ!」
「本当だわ、どれにしようかしら」

色とりどりのケーキが並ぶショーケースを
眺めていると、とても幸せな気分になる。
その思いを閉じこめなくても良いことが、嬉しい。


顔を上げると、店の中ほどにある黒い塊が目に留まった。
「ラブ、あれは何?」
「ん?...ああ、あれはピアノって言うんだよ」

「ピアノ?」
「うん。とっても綺麗な音がするんだよ。
 今日はピアノ演奏があるから、私も楽しみなんだ。」

「演奏...」


正直、音楽のことはまだよくわからない。
ダンスの練習で聴いている音楽も、まだ体の動きに
意識を集中するのが精一杯で、「1,2,3,4」と
タイミングをとるためのガイドの域を出ない。



443: ◆BVjx9JFTno
09/08/22 21:05:58 oQ3e7LOQ

みんなで囲む食事は、とても楽しく、
時間を忘れるようだ。


優しくみんなの話を聞くお父さん。

空いたお皿の整理や並べ替えを忙しくやりながら
ほうれん草を食べる決心をつけかねているお母さん。

いろんな話をして、朗らかに笑いながら
あっという間にご馳走を平らげるラブ。
ちゃんと噛んでいるのだろうか。

私もみんなと一緒に笑いながら、スープを口に運ぶ。

体にしみわたる、幸せの味。
あの時、家族みんなが気づかせてくれた味。



444: ◆BVjx9JFTno
09/08/22 21:06:59 oQ3e7LOQ

紺色のドレスを着た女の人が入ってきた。

店内に拍手が起きた後、水を打ったように静まった。


「始まるよ」
ラブが私に耳打ちする。


女の人は頭を下げ、ピアノの前に座る。


演奏が始まった。


とても澄んだ音が響きわたる。
穏やかで、静かな音の連続。

ひとつひとつの音が、頭ではなく
胸の奥に届く。

星が瞬く、夜のような情景が心に浮かぶ。
その中に、吸い込まれていく。


そのうち、静かなメロディは響きが暗くなり、
激しさと不安さが増す。

心の中の空は曇り、雨が降り出す。


ふいに、あの時の感覚がよみがえってきた。
感触まで思い出せるほど、鮮明に。



445: ◆BVjx9JFTno
09/08/22 21:08:12 oQ3e7LOQ

......

音を立てて胸の鼓動が止まる。

顔に水たまりの感触がわずかにある。
すべての感覚が急速になくなっていく。


ラブの笑顔が浮かぶ。


まだよ、まだだめ。

もっと、色々、話したい。


ラブの笑顔が、

だんだん、小さくなる。


行かないで。


ラブの笑顔が、遠くなる。


行かないで。

行かないで。


ラブの笑顔が、消える。

......


察したのか、テーブルの下で
ラブが私の手を握ってくる。



446: ◆BVjx9JFTno
09/08/22 21:09:32 oQ3e7LOQ

演奏からは激しさと不安さが次第に消え、
また穏やかな音へと推移する。


心の空の雨が、止む。

雲が切れ、明かりが差し込む。


......

赤い光に包まれる。


意識がはっきりしてくる。


体の感覚が戻ってくる。
足に力が入る。
手に力がよみがえってくる。


そして、

また出会えた。

ラブの笑顔。

......


最後の1音が、静かな余韻を残す。

いつの間にか、涙がほおを濡らしていた。



447: ◆BVjx9JFTno
09/08/22 21:10:47 oQ3e7LOQ

みんなが拍手をする間も、
私の体はまったく動けなかった。

「せつな、大丈夫?」
私の手を握ったまま、ラブが心配そうに
私の顔を覗き込む。

「...うん、演奏を聴いていたら、
 色々思い出しちゃって...」


まだ余韻が残っている。


「これが、音楽...」

「本当に素晴らしいわ。私も感動しちゃった」

目を潤ませたお母さんが、ハンカチを私にくれる。

「せつなちゃんもやってみる?うちにも、小さいけど
 ピアノあるのよ。ラブはすぐにやめちゃったけど」

「にははー」

「明日、少し弾いてみていいですか?」

「ええ、もちろんよ。少しなら私が教えてあげられるわ」



448: ◆BVjx9JFTno
09/08/22 21:12:09 oQ3e7LOQ

レストランからの帰り道は、いつもよりゆっくり歩いた。

お父さんとお母さんはワインを飲んでちょっとご機嫌。
腕を組んで歩いている。

ラブと私は、そのだいぶ後ろを歩いている。


「ピアノ、ロマンチックだったねー」
ラブがうっとりした表情で話す。

「あんなに心に響くなんて、知らなかったわ...」
「またひとつ、幸せゲットだね」


街灯がやさしく道を照らしている。


音楽が心を揺らしたからか、
自然に手が出た。

そっと、ラブの腕に私の腕を絡ませ、
頭をもたせかける。


どこにも行かないでね。

どこにも行かないから。


「やはー、私また幸せゲットだよ。
 せつな、今夜は寝かさないよ。なんちゃってね」

「ふふっ」


少しでも長く、このままでいたくて、
歩く速度をまた少し、落とした。



449: ◆BVjx9JFTno
09/08/22 21:13:07 oQ3e7LOQ

以上です。
ありがとうございました。

せつなと音楽との出会いについて書いてみたかったのです。
元になった曲は、ショパンのノクターン8番。
   ↓
URLリンク(www.youtube.com)

顔はキモイけど演奏は神だとオモ

ピアノを弾くせつなが見たいのは個人的な希望です。



450:名無しさん@秘密の花園
09/08/22 21:30:28 bJtjCMR6
メビウス様を称える歌も無かったのか

451:名無しさん@秘密の花園
09/08/22 21:54:36 UlaoCG0J
増えてますねー。帰宅したんでゆっくり読ませてもらいます!

明日のプリキュアはカオルちゃんメインみたいだし、百合ないのかな?

452:名無しさん@秘密の花園
09/08/22 21:55:46 +KxHMwYn
>>449 きれいな話でした! きれいな話なだけに、ラブやんの今夜は寝かせないよ発言は要らなかったとおも・・・

453:名無しさん@秘密の花園
09/08/22 22:17:56 yU4R31bc
>>436
片思いマジ切なすぎる・・・。自分を押し殺して。美希たんカッコ良すぎる
よ、美希たん。ブッキー、たまには気づいてあげてよ・・・。

>>449
せつなの感情描写綺麗ですねー。やっぱ繊細なお嬢様・お姫様って感じだ、
せっちゃん。ラブの性欲は無限大w

ここまでの作品、保管しました。自分も投下します。また後ほど

何か1週間早かったwせつながクローバー加入してからフレプリ
楽しみで仕方ない・・・。どんだけ百合脳なんだ俺w

454: ◆BVjx9JFTno
09/08/22 22:18:06 oQ3e7LOQ
>>452

感想ありがとうございます。

通して読み返してみると、確かにこの箇所は
ちょっと余計に思えました。

保管庫の方(保存ありがとうございます)を
少し手直ししました。


455:名無しさん@秘密の花園
09/08/22 22:19:18 Am24Uyyi
>>418
今更ですが>>412->>414の題名付け忘れてたので一応。
元ネタに敬意を表して「いちごクリームサンド」でお願いします。
まんますぎですが・・・。
いつも保管と投下お疲れ様です。

他の職人さん方も超GJ!
みんなすごいなぁ。今日も楽しませていただきました!

456:名無しさん@秘密の花園
09/08/22 22:21:17 oQ3e7LOQ
>>453

保管ありがとうございます。
wikiの編集方法が今頃わかったので、少しだけ手直しして
クリーンにしました。

やっぱり、うp前にあと数回読み返さないといかんな俺。



457:MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/08/22 23:25:10 yU4R31bc
【祈里より、愛を込めて】
「ブッキーありがとっ!サイズもピッタリだよ~。家でもずっと着ちゃうからねっ!」


私をダンスユニットに誘ってくれたラブちゃん。嬉しかった。すっごく嬉しかった。
子供の時からずっと、ラブちゃんは私を大事にしてくれた。


「ラブの洋服のサイズ?えぇ。わかるわよ。    あら~?祈里ちゃん、もしかしてラブにプレゼント~?」
「あっ!あ、あの・・・、えっとぉ、・・・ハイ。。。」
ラブちゃんのお母さんと話すのも何故か、緊張しちゃうんです。



ダンスの練習着をプレゼントしよう!そのアイデアが出るまで実は、相当の時間がかかっちゃいました。
最初はドレスなんて豪華な物を考えたけど、これは・・・ダンス違いでした・・・。おっちょこちょいですね。
途中なんかペアルックまで考えちゃう始末・・・。恥ずかしい


「そうだ!買ってプレゼントするよりも作って渡したら、ラブちゃんきっと喜んでくれる!」
ルーズリーフに書いたアイデアを全部消して、〝手作り練習着〟に大きく◎。


それから毎日、学校・ダンスレッスン・おうちのお手伝い・プレゼント製作と怒涛の日々が待っていました。
かなりハードなスケジュールで大変だったけど、不思議と私は頑張れたんですよ~。
これもラブちゃんのお陰かもしれないって。やっと恩返し出来るって。


あ、プレゼントって何をあげようかなーとか、どれを買おうかなーとか思ってる時がイチバン楽しかったりしませんか?
相手の気持ちを考えたりとか、もらったらどんな反応するのかなーとか。


ピンクの生地を切ったり縫ったりするのが本当に楽しかったです。思い出す度にほっぺが赤くなっちゃって。
ラブちゃんの喜んでくれる顔、それだけで私は十分でした。


458:MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/08/22 23:25:50 yU4R31bc
「ラブちゃん!あの・・・、コレ。」

「お?何々~???開けちゃってもイイ?」


「一生懸命作ったの。どう・・・かな?」



「どれどれ~?    おぉ~!!!!!!!コレって練習着!ブッキー作ってくれたの!?」


「うん。ラブちゃんの好きなピンク色だよ。着てくれたら・・・、嬉しいな。」


「くは~、嬉しすぎるよブッキー!早速着ちゃってもイイ!?」


「うん・・・。」
この時のラブちゃんの笑顔、喜んでくれたあの表情。一生忘れないと思う。



「ブッキーありがとっ!サイズもピッタリだよ~。家でもずっと着ちゃうからねっ!」


「私こそラブちゃんにお礼したい。誘ってくれて本当にありがとう。本当に・・・嬉しかった!」


「ブッキー・・・。」



こうして私の人生、初めてのプレゼントは無事に成功しました。作って良かった~。


あ、いけないいけない!「大好きな人」へのです。


459:名無しさん@秘密の花園
09/08/22 23:30:36 yU4R31bc
ブッキーが加入した頃の短編を改造してみました。もちろん
美希verもあり。また暇な時にでも。

フレプリまであと9時間かwようやく関西は見れるのかな?
百合度マックスになって欲しい・・・。
こっちも明日カオルちゃん回です。百合あんのかなw

460:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 01:13:38 LZiI1Xhu
>>441さん、相変わらず美しいすぎる。
それなのに、こんな美しいSSを読んでエロい妄想を爆発させるダメな自分。


でも、もう書いちゃったし勿体ないから投下する。

461:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 01:14:16 LZiI1Xhu
耳を打つ雨の音でラブは目を覚ました。時計を見ると0時を少し回った所。
せつなの部屋へ行くつもりだったのに、つい眠ってしまったらしい。
ベランダへ出ると風向きのせいで少し顔に飛沫がかかる。
そのままそっとせつなの部屋へ滑り込む。


「…せつな、起きてる?」
ベッドの傍まで行き囁くように声をかけると、せつなは身を起こして
ラブの腹のあたりに顔を押し付けてくる。
「せつな…。」
髪を撫でるとラブの腰に腕を回したまま、せつなは顔を上げ、
潤んだ視線でキスをねだる。


体の奥から情欲が湧いてくる。唇を啄みながら自分もベッドに倒れる。
パジャマの裾から手を潜り込ませ、掌で乳房を包み込む。
せつなの肌はもう熱く火照っており、まだ触れてもいなかった
乳首が固く尖り、既にせつなの体は準備が整っている事を告げていた。



「…今日はエッチな方のせつななんだね。」
ラブはわざと少し笑いを含んだ声で囁く。
体の関係になって、もう随分たった。
せつなは未だに不慣れな処女のように恥じらい、
快感に呑まれるのを怖れるよう声殺し、それでも堪えきれない
快感に押し流され、あられもない声をあげて、泣く。


でも時々、我を忘れてラブを求め、乱れる事がある。
(…ねぇ、ラブ…もっと…!お願い…足りないの……!
……もっと…お願いだから…!)
潤んだ瞳でねだられ、そんな時はラブもいつも以上に貪欲に、
どんな快感も逃がすまいとお互いに貪りあう。


今夜のせつなもそうだ。
ラブの問いには答えず、ただ体を擦り寄せ
愛撫の先を促す。

462:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 01:15:36 LZiI1Xhu
「いつも雨の日だね…。」


この頃気が付いた。せつなが乱れるのは、決まって今夜のような雨の夜。
激しく乱れ、甘い声でラブの耳を楽しませ、意識を失うかのように眠る。

まだ荒い息のせつなは目を伏せ、ラブの胸元に頭を寄せる。



「……眠るのが怖いの…。」

雨の夜は眠りに就くのが怖いのだ、とせつなは言う。


「…このまま目が覚めないんじゃないかと思うの…。
もし覚めても、そこはこの部屋じゃなくて、あの洋館だったら…。
私はイースのままで、今までの事が全部夢なんじゃないかって……」


そう思うと恐くて眠れない…。だから…他に何も考えられなくなるくらい、ラブでいっぱいになりたい。
これは夢じゃない。体中でラブを感じて、気絶するように眠って、
目が覚めてもラブが傍にいる。

そうして、やっと安心できる。夢じゃないって。



雨の中で、イースとしての最期を迎えた。
深い闇へ堕ちて行くような記憶は、いつも雨音と甦る。
生まれ変わった喜びと背中合わせに、いつまでも消える事はない。



「……ごめんなさい。」

胸元にせつなの涙を感じる。
せつなの闇は深く、重く、でも切り捨てる事はできない。
謝る必要なんかないのに…。もっと、求めてくれたっていいくらいなのに。



「せつな…愛してるからね。」
ラブは精一杯の愛しさを込めて囁く。
せつなの体が震え、しゃくり上げる声が聞こえる。


「せつなも、パッションも、………イースも……みんな、愛してるから。」



あたしは、ただ抱き締める事しかできない。
でも…、せつなを誰よりも誰よりも愛してるから。

だから、これからは我慢せずに泣いて欲しい。
いつか、あなたが闇の夢を見なくなる日まで。




463:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 01:18:02 LZiI1Xhu
以上!!勢いで書いた。後悔はしてない!

ちなみに自分は黒ラブ書きです。

464:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 04:37:04 kLJ2HbGC
GJです!

465:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 06:41:44 IRlRYaZe
幸せゲットしました

466:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 07:50:02 Ba8miWIR
>>462
朝からGJ言わせていただきます!!は~、やっぱりラブラブいいよラブラブ…。
    
>>427のオチが分かり辛かったので、少しwikiいじらせていただきました。
推敲不足の未完成なもの投下して本当にすいませんでした。
感想くれた方々、ありがとうございます。

467:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 08:24:53 HUVeKe4s
>>460

ありがとうございます。
私も時々、生々しい表現が加速してしまいます。

>>461->>462も楽しませていただきました。
何か、文がなめらかになった感じがします。

ラブせつはあまりにもドラマチックな繋がりだから、
共依存になりそうwww


468:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 11:12:50 ZiGD6lAr
>>462
エロ&ラブなラブせついいわー
ラブでいっぱいになりたい、とか最高だ

469:286
09/08/23 12:11:57 L50zzDZ8
ラブ「ゴクゴク…美味し~ぃ!やっぱり暑い時はジュースだよね!」
せつな「ラブ、何飲んでるの?」
ラブ「これ?とろける桃!ピーチジュースだよっ」
せつな「美味しそうね。よかったら私にも頂戴」
ラブ「あちゃ、これが最後なんだよね。飲み掛けでいいならどうぞ!せつな!」
せつな「こ、これって間接キ…!精一杯、いただくわ!」
ラブ「でもさー、最初は美味しいけど、後になればなるほど味に慣れちゃって美味しさ半減だよね」
せつな「そう、ね。じゃあこれならどう?」
ラブ「?せつな?…ンむむっ…!」
せつな「…ぷはっ。も、桃とパッションフルーツのミックスジュースの口移し…どうかな?」
ラブ「そ、そりゃもう超美味しいよ!せつなの味がたまらなく甘美…」
せつな「し、幸せギブユー…」
ラブ「ワハー!」

おまけ ~黒ルート~
ラブ「でも、せつな口移しなんてよく知ってたね」
せつな「ええ、ブッキーに教えて貰ったの」
ラブ「…え?」

おまけ ~変態ルート~
ラブ「せつなの口移しのお礼にこんなんやってみました~」
せつな「ちょ、ラブ!何よこれー!?やん、ジュース冷たい…!」
ラブ「これ?わかめ酒だよ。日本の伝統美!」
せつな「こ、これも伝統美なの!?嘘でしょ!?」
ラブ「説明してるとジュースが温くなっちゃうから、早速いただきまーす」
せつな「あひぁ!ちっともお礼になってないじゃなーい!」
ラブ「ワハー!フレッシュ果汁ゲットだよ!」

自分は黒ラブも変態ラブやんも大好きです。

470:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 12:53:28 nbBNQ1IO
どんだけラブ変態なのよwワハーってなんか面白いな。
ちゃんと保管しますよー。

今朝までの保管しました。職人さん、いつも投下ありがとう!
あ、今日は百合度少なくて王子まで出ちゃったもんだから・・・。
俺病んできたなw

また今夜投下しまーす。

471:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 13:24:38 QlTCzKea
いろんなSSあって楽しいよ。投下も管理もみんな乙です。

大輔やら王子やら、百合好きにはちょっと苦痛な展開になってきたなw

472:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 13:51:23 QIGONn/Z
どうして俺はこうも黒ラブに惹かれるんだろう
大輔や王子は逆に燃料にするぐらいの気概でいこうぜ

473:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 14:28:48 HUVeKe4s
百合好きには
今は耐え時なのか...


474:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 15:37:51 ihb9lINa
正直、同居決定の回をピークに百合萌え度落ちてきたなぁ
せっかく美味しいシチュ用意した割に宝の持ち腐れと申しますか…
妄想もいいが、公式でもっと見たいんじゃーい

475:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 17:41:07 nbBNQ1IO
そこで、9月からの学園生活がポイントになる訳ですよ。
大輔とラブ喧嘩。せつなが原因でさらに悪化。ラブはせつなを
選ぶなんてシチュ来たらもう俺は朽ち果てるw

あ、SS作れるねこれでw

476:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 18:04:47 ZiGD6lAr
>>472
せつなが王子に萌えるのを見て「相手は子供じゃない」と
自分に言い聞かせながらもイラついちゃうラブさんを想像したら耐えれたぜ

477:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 18:14:56 QlTCzKea
美希たんやブッキーはどうするんだ。9月は学校編?始まれば出番が…。もっと百合ってくんないとFUKOが溜まるぞ!

478:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 19:08:14 0vz2kLHR
>>475
いいね。今から作るわw

479:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 19:09:06 0vz2kLHR
間違えたw
>>476の方だった

480:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 21:46:16 gHzsTGP+
ここの住人のハングリー精神は並々ならぬものがあるな。

481:MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/08/23 21:54:56 nbBNQ1IO
そりゃそうさ。だってみんな精一杯頑張ってるんだから。
さ、王子下がって下さい。あ、もう少し。いや、もっと。もっともっとwww


【至福の時間、幸せの空間】
最近、私にはちょっとした楽しみが増えた。
私だけが味わえる、ほんの一時の幸せ。
愛してるあなたの顔を鏡越しで見る至福の時間。



「ラブ・・・、今日もいいかな?」

「お~、来たかぁ~。もっちろん、OKだよ!さ、どうぞ。」


お風呂上がり、私はわざと髪を不完全に乾かしたままラブの部屋を訪れる。
あゆみお母さんには内緒だけど、私のために買ってくれたシャンプーやリンス、実は使ってない。

ラブと一緒のをこっそりお小遣いで買っている。勿論、ラブにも内緒で・・・。

「せつなぁ、もう少し水分拭き取ってからおいでよぉ。パジャマちょっと濡れてるよ?」
最初は心配してくれてたラブも次第に呆れたり、困ったり、ちょっぴり怒ったり。
そんな顔を鏡越しで見るのも幸せに思えて。

「ごめんなさい。ラブが乾かしてくれると思うと何だか焦っちゃって・・・。」

「照れるからやめてよ~。」
そう言って、顔をほんのりピンク色に染めるラブがとても可愛い。


「せつなの髪ってほんとサラサラしてるよね。羨ましいなぁ~」

「サラサラしてないとダメなの?私はラブの髪、好きよ。」
髪だけじゃなく、笑顔も声も暖かい心も、みんな好き。私を大切にしてくれるラブが一番好き。





482:MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/08/23 21:57:06 nbBNQ1IO
「ここんとこずっと気になってたんだけどさぁ。」

「何?」

「せつな、シャンプーかリンス変えた?」
そう言って私の顔を覗き込む。ドキっとするぐらい近くにラブを感じる。

「ど、どして?」
別に焦る必要は無いんだけど。やましい事をしてる訳じゃないのに。ちょっぴり自分が面白い。

「ドライヤーしてるとわかるんだ~。せつなの髪の匂い。すっごくいい匂いなんだよ~。」

「ほんと?何だか嬉しいな・・・」
私はどこか照れくさいと言うか、再び鏡越しにラブの顔を確認して。勿論、ラブは私に微笑みかけてる。



「はい!終わったよ。」
至福の時間はあっという間に終わってしまう。あまりにも短く感じてしまうのは何故なんだろう。

「ありがとラブ。いつもごめんなさい。」
「うぅん。また明日もおいでよ!いつでもせつなだったらウエルカムなんだから!」


「ねぇラブ・・・」

「ん?」

「今度は・・・、私がラブの髪を・・・」
真正面からは恥ずかしくて言えなかった。鏡越し、ラブが何だか遠くに感じる。すぐ後ろにいるのに。

「お願いしてもイイ・・・かな?」
ラブの顔がまたピンク、いや赤く染まってるのが私にはわかった。お互い照れてるのも楽しくて。


「でも私はちゃーんと髪を乾かしてくるからねっ!」

「嫌よ。」
「ちょっとぉ・・・」
困惑気味のラブをよそに、私はこう呟く。




「・・・待ちきれないから・・・」



「せつなのいじわるぅ~。」

「ふふ。ごめんなさい。」



私の至福の時間。幸せの一時。お互いを大切な存在だと確認出来る空間。
ラブ、今度は私の部屋でね。

~END~



483:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 22:01:30 nbBNQ1IO
9月からの学園生活で、ラブせつネタは増えると思うのです。
>>477さんのように、美希ブキが削られるのが心配ですよ。
やはり公式に百合ネタが放送されないとキツいっすよね。

484:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 22:29:24 HUVeKe4s
>>482

GJです。ほんわかしていい雰囲気ですね。
色んなところからネタ出せて羨ましいです。


485:478
09/08/23 22:49:51 0vz2kLHR
世界陸上とか見てたら遅くなったw
とりあえず作ったよ。尻切れだけどねー

486:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 22:51:39 0vz2kLHR
――本日午後、行方不明となっていたメクルメック王国のジェフリー王子が無事に…

「あら、良かったわねー」
夕飯の片づけをしていた手を止めて、あゆみママがTVから聞こえてきたそのニュースに思わず声を上げた。
なんといっても四ツ葉町で起きた大事件。あゆみさんだけでなく、それはもう町中の関心事だったのである。

――しかし残念ながら、家宝の『ポセイドンの冷や汗』は騒動の合間に割れてしまい…

「まあ勿体無い。でも不思議ね。家宝がそんな事になった割には、王様も王女も王子も、
なんだか皆嬉しそうな顔してるじゃない。どうしてかしらね?」
「ど、どーしてだろーね、せつな!?」
「そうね、どーしてかしらね!?」
突然振られた言葉に、ラブとせつながギクリと顔を見合わせた。
もちろん理由は知っている。それは宝石なんかよりもずっと大切な、ずっと価値のある物を
三人が確認できたからだ。
だけどそれは王子達とプリキュア(あとカオルちゃん)しか知らない秘密。
答えなんか言えるはずも無く、結局笑って誤魔化すしかないのだ。

「まあ分からないわよね」
とは言え、娘達にそんな秘密があるとは当然あゆみさんは知るはずも無く、一人で納得すると
「それにしてもこの王子の笑顔可愛いわねー。見てるだけで幸せになっちゃう」
と、次のニュースに切り替わったのを確認して、お勝手口へと戻って行った。


487:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 22:52:49 0vz2kLHR
「もうお母さんたらドキドキさせるんだから~」
母の姿が見えなくなったのを確認して、ラブがホッと息を吐いた。
そしてそれは、どうやらせつなも同じだったらしく、互いに聞こえた安堵の音に可笑しさを感じて
アハハと笑いあう。
「でも、お母さんも言ってたけど、ジェフリーの笑顔って本当に宝物だよね」
「そうね。あの宝石よりもずっと輝いてたわ。笑顔ってあそこまで人を幸せに出来るのね」
「あれ?せつなも幸せになったの?」
確かあの時は違うって言ってたのに、とラブが聞く。
「あ!その…まあね。一応は」
「へえ…」
とせつなを見るラブ。それから、ポツリと言った。
「あたしといる時よりも幸せ感じた?」

「え?」
「せつなはあたしといる時よりも幸せ感じた?」
なんでこんな事を聞いたのかは自分でも分からなかった。
わざわざ聞く事では無いし、大体が比べるような事でもない。でも、何故だか聞かずには居られなかったのだ。
それは確認したかったのかもしれない。しかし
「そうね」
ガツンとした衝撃が、ラブの体を突き抜けた。
「そうだったかも知れないわね」
「そう…なんだ…」

ニュースではもう一度ジェフリーの話題をやっていた。そこには彼の天使の笑顔が再び映し出されている。
でも何故だろう。さっきまではあんなに可愛いと思っていた笑顔なのに、今は胸がギュッと痛くなる。

488:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 22:54:23 0vz2kLHR
ひょっとしてあたし、こんな小さな子に…?
ウソ、ウソだよ。だってせつなが幸せになってくれるのは、あたしにとっても幸せで…。
だけど、でも、あたしと居るよりもせつなが幸せだなんてそんな事……

頭の中で思いがグルグルとごちゃ混ぜになって行く。
どうしたらいいのか分からなくなって、胸の奥が熱くなって行き――
「なんてね」
クスリとせつなが笑った。
「ラブとは比べられないわ」
「え?」
「私にとってはラブの笑顔が一番の幸せの素。だからそんな顔しないで」
そしてそっとラブの頬へと手を添える。
「ばか」
思わず憎まれ口が出た。
だけどそのまま、ギュッとせつなに抱きついた。

「ラブ…」
「せつな…」
見詰め合う二人。視線は情熱的に絡み合い、互いの呼吸すら感じられる。
そしてその雰囲気の中、互いの唇がどんどんと引き寄せられて行って……

「あなた達、なんで抱き合ってるの?」
「――!?お母さん!?」

なんとかTVの怪談話のせいにしてもらいましたとさ。


おしまい

489:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 22:56:13 0vz2kLHR
しかしもっとギャグ調になるはずだったのにおかしいな

こんなはずじゃなかった・・・こんなはずじゃ

490:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 23:18:23 QlTCzKea
>>481
いいわこの雰囲気。恥じらうトコとかまだ中学生だよねー。さすが職人、毎日あなたの読んでまっせ!

>>486
早速今日ネタあざっす!百合好きの不満払拭してくれたよ。あゆみママン、空気嫁w

491:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 23:29:13 XP9gf7i1
URLリンク(up2.viploader.net)
わは~っ! ピーチにベリーにパインのタルトゲットだよ!
家族も大喜びでさらに幸せゲットだよ!

パッション分は今夜せつなの部屋でゲットだよ!

492:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 23:31:03 jKaqJjl7
>ラブがホッと息を吐いた

ラブホがどうかしたのかと一瞬・・・
こんな自分が嫌だ

493:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 23:32:23 0vz2kLHR
>>491
グリルクローバーで買ってきたのか?
美味そう

494:名無しさん@秘密の花園
09/08/23 23:44:18 gagzd8+7
せつなが王子に(可愛いー…!)となった時に、お前の方が何千倍も可愛いわと思ったのは俺だけか。

今回は確かに百合分は少なかったけど、四人がずっと一緒にいてくれて嬉しかったな。みんなで白くなったりした場面はもうにやにやっしっぱなし。私服相変わらず可愛いしな! あと作画も安定してて良かった。
フレッシュ好きすぎて終わるのが惜しいよ…死ねる…、二期あるのかなあ…。

495:名無しさん@秘密の花園
09/08/24 00:22:49 yVjmMdx5
近所で花火をやっているという安直な理由で書いたSS、良かったら読んでください。

【小さな灯火】
(1)
「し~んぱいないって! ……だいじょ~ぶ、美希たんのママが付いてきてくれるから!
 よくバーベキューやってる人がいる、あの河川敷だよ。ね、行ってもいいでしょ?」
電話越しの母に、ジェスチャー混じりの熱弁をふるうラブの姿を、せつなはじっと見ていた。
『今夜、花火やらない? なぜか、ウチに余っちゃってるのよね』
ダンスレッスンの帰り際、美希の提案に目を輝かせたラブと祈里の姿が瞼の裏によみがえる。
ラブの説明によると、美希が言うハナビはお祭りの夜に見たそれとは似て非なるものらしい。
『う~ん、きれいな光ってのは一緒なんだけど、あの時の花火よりずっと小っちゃくて、手に持ったり、床に置いたりして……。
 とにかく、楽しいよ!』
今ひとつ釈然としないものの、熱心に母に頼み込むラブを見ていると、きっと胸躍るものだろうとせつなは思った。
ラブが勧めて、せつなが心を動かされなかったものは今のところ、只の一つもない。
「……うん、うん、ありがとう! 行ってきます!」
振り向いたラブの満面に浮かぶ笑顔が、せつなにはまぶしい。
「お母さん、花火に行ってもいいって! 幸せ、ゲットだよ!」
「そう」
素っ気ない返事に気を悪くする風でもなく、ラブはせつなの手を取った。
「じゃ、行こっか! ……って、タッハー! もう、こんな時間!?」
「お母さんの休憩時間まで、電話を待たなきゃいけなかったものね……」
「あそこまで、結構遠いし……。せつなぁ、こんな時こそ……」
「わかってるわ」
二人はポーチに出て戸締まりを確認し、せつなは懐からリンクルンを取り出した。
「河川敷へ」
念じた瞬間、ラブとせつなの姿が淡い光りに包まれる。
「……あ~、よう寝たら腹ァ減ったわ。……ピーチは~ん? パッションは~ん、どこでっか~?」
二階から発せられている声は、忽然と姿を消した二人の耳には届かなかった。


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