09/08/19 00:03:50 iaS1ue8W
【美希の苦悩、明日への希望】
「髪の毛だいぶ痛んでるわよ。ちゃんと手入れしてる?」
「ごめ~ん。手抜き全開です…。」
口実にしてはあまりにも完璧すぎたかな…。
いつか告白しようと考えてはいたものの、なかなか言え出せなくて。
「今日はママも仕事でいないし、お店いらっしゃい。トリートメント
してあげるから。」
「うぉ~!超助かるよ美希た~ん!」
そう言うと、ラブははしゃいで私に抱き付いて来た。
ラブはホント、いつまでたっても無邪気。私はそんなラブが大好きで。
「じゃあ15時ぐらいにお店に来て。待ってるから。」
「うん!あ、美希たん。」
「何?」
「タダだよね?」
「くすくす。当たり前よ。」
こんなやり取りですら私には恋人同士のように感じた。
ラブと一緒にいると不思議と落ち着く。
15:00
「さ、どうぞ。」
「お邪魔しま~す。」
ラブのチャームポイント、ツインテールをまずは梳かしていく。
こうして見ると、ラブってお人形さんみたいだなって思う。
次にトリートメント剤でヘアケアーをしていく。私には
二人きりの時間が物凄く幸せに感じて。
「あ、美希たん。和君の具合どう…?」
「そーだった。言うの忘れてたわね。体調も安定してるから、
一時退院出来るらしいの。ようやく落ち着けるわ。」
「ほんと~!良かったぁ!」
「ラブは暇さえあればお見舞い来てくれたもんね。和喜も喜んでたよ。」
「和君も入院辛かったと思う。美希たんのママも元気無かったし。美希たんだっ
て寂しかったと思うから…」
「ラブ…」
どうしてこの子は他人のために、ここまで優しくなれるのだろう。ラブの魅力の
一つに、底無しの優しさがある事を再確認した。この先、このような子は私の前
には現われないだろう。