フレッシュプリキュアで百合2at LESBIAN
フレッシュプリキュアで百合2 - 暇つぶし2ch200: ◆ZU7CldKWo2
09/08/18 02:08:56 rlW8c6i3
こちらで何度か投下させて頂いている者でございます。

保管庫出来たんですねー素敵なことです。
>>190さん、ありがとうございます。


SSサイトのリンクに関してですが、貼って頂けたらありがたいです、というとこ
ろ。
URLリンク(ikomaru.blog76.fc2.com)
リンク貼るかどうかについては、皆様の総意にお任せいたします。
SSの保管についても、ご面倒でなければ保管をお願いしたいな、と。

我侭で申し訳ございません。

とりあえず私のサイトからリンク、させて頂きますね。

201:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 02:11:43 aOelkoyB
うお、うっかり乱入するとこだった。

>>197
wikiありがとうございます!
そしてSSも!ラブが漢前でかっこいいな

wikiはいじっちゃっていいのかな?
SS一覧作ってSSも直接wikiに載せたほうがいいかなと思って。
掲載不可の作者様のはこのスレにでもその旨書いていただければ転載はしないので

202:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 02:14:15 aOelkoyB
作者ごと、カップリングごと、投下順とかの目次が別にいるかな…

203:MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/08/18 02:22:46 CyZxTahx
>>199
正常反応です。自分は朝ズバ見たら大音量の車で会社へ向かいますw
百合活動ですねwww

>>200
フレプリで百合の元祖SS神様、ありがたき幸せです。全ての作品、
全て良作。明日また作業させて頂きます。改めてありがとう・・・

>>201
今振り返ったら似てるようなのがあって。大反省中、、、
wiki改造してもらってよかですか?もう眠くてw

204:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 02:27:51 aOelkoyB
>>203
お疲れ様です。それじゃ勝手にいじらさせてもらいます。
もちろんおかしければ後で直しちゃっていいのでー

205:MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/08/18 02:32:28 CyZxTahx
せっかく一生懸命作ってくれたSSに感想付けれなくてごめんね。
みんなの作品はちゃんと保管庫で大切に残していくから。

雑談したい人たちもこれからお世話になるんで、宜しくお願いします。
フレプリで百合好きの同士たちが幸せゲット出来ますように♪

206:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 03:06:41 jYPjIkLP
今更せつながプリキュア→同棲をはじめた所から見直してる。
他の人がどう思うか知らんけど、やっぱりせつなの葛藤、幸せの意味を知る描写は好きだな

なんでその前の一騎打ちの回を録画しわすれちゃうんだ俺のばかやろうorz

207:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 04:24:25 aOelkoyB
とりあえず前スレのだけ保管終わり。小ネタはまだだけど。
力尽きたんで後はお願いします…
形式は暫定に近いのでご自由に改変しちゃってください。

>>200
このスレに直接投下された物は他の方のと同様にしてみました。
ブログへのリンク形式だった物はそのままリンクとして載せてみましたがいかがでしょうか?
そのまま文章転載といった形式のほうがよろしいようでしたら変更しますのでー

208: ◆BVjx9JFTno
09/08/18 06:33:15 nRMt1OIf
>>197

wiki作成ありがとうございます。
おかげで参照しやすくなりました。

私は何か勢いで書いてしまったものばかりなので、
題名を何にしようか考え中です。

書かれていたSSもストレートで良作です!
一緒に暮らすという時点で、一緒に寝るというのは
当然の流れですね。



209:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 06:48:30 yyLyl7xH
何があったんだ…ι
たった一日来ないだけでこんなにw
おまけに保管庫出来てる(;´Д`)<グッジョブすぎますって…

電車の中で俺ニヤけちゃう

210:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 07:22:31 LkAeLz4g
>>177
おおおおおおおお続ききてたー!
でももっと続き気になる終わり方ー!

211:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 08:27:23 IGqV5P+K
>>199
ググったけど歌詞見つからないな
俺も借りてくるか

212:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 08:35:38 XiZNL3WW
>>198
うおああ!
添い寝GJ!なんだか「本音の羽」の件を思い出した。
あと保管庫作ってくれてありがとう!

213: ◆51rtpjrRzY
09/08/18 09:08:15 WIjo0LQu
MH22S ◆Tp0rBcFpoc 様、ID:aOelkoyB様
遅ればせながら保管庫作成お疲れ様でした。
そして良作を投下してくれている職人の方々にも感謝を。
ホントここ良スレですね。



214:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 09:31:47 yyLyl7xH
電車の中で読むと時間忘れるなぁ。良スレに巡り合えて、私はどうやら運が良いらしいw

ボーカルアルバム、ぶき→せつ・せつ→ラブは確定だよね。百合フィルターかければw

215:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 09:40:47 CiyBgr6i
最近の盛り上がりに触発されて書いてみたので投下します。
ブキせつです

216:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 09:42:07 CiyBgr6i
せつなちゃんがミシンを教わりたいと言ってきたのは、
ダンス合宿が終わって数日たったある日のことだった。

あの合宿でせつなちゃんと本当の友達になった私は
もちろん二つ返事でOK。

約束どおりうちにやってきたせつなちゃんを部屋に招き入れた。

「うん、そう。そこを押さえて」
「ここ?」
「そうそう。最初はゆっくりね」

たたたたた、と子気味よいミシンの音が響く。

練習として二枚の余り布を縫い合わせながら、せつなちゃんは呟いた。
「ミシンって凄いのね。」
その目は好奇と、少しばかりの感動が見て取れる。
「慣れてくると、色んなものがつくれるようになるわよ」
「本当に、凄いわ」
ミシンの針を見詰めるせつなちゃんの横顔は、小さな子どもみたいに無邪気で。
この世界をまだ知らない彼女のキャンバスに自分が一つ色をつけていることが嬉しくって。

たたたたた。

ふっとその音が途絶えた静寂に




私は思わず、せつなちゃんにキスをした。




正気を取り戻すのは早かった。
唇と唇が触れ合った瞬間には、何しているんだという意識が頭を一気に染め上げる。
自分から不意打ちのようにキスしておきながら、
私はせつなちゃんの身体を振り払うように身を離した。
「ごごごご、ごめんね!」
顔を隠すように体ごと後ろに向けて、唇を両手で覆う。
ほのかに残るせつなちゃんの体温や柔らかさを守るように。
頬が、熱い。

217:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 09:42:51 CiyBgr6i
「う、ううん…」
滑稽にどもる私の言葉に、せつなちゃんもぎこちなく返した。
小さな部屋を満たす沈黙。
湛えるのは気まずさと、動揺。
せつなちゃんは真っ赤な顔をしてるに違いない。
そして私も。
でも彼女に背を向けている今、それを確かめる方法が思いつかなかった。
振り返ることは簡単だけれど出来ない。
今せつなちゃんの顔を見たら、
どきどきうるさい心臓がいよいよ破裂しちゃいそうだから。

『友達なんじゃなかったの!?』

私が私に問いかける。
焦った私が、焦った私に。
自分の声に『友達だよ』と即答することが出来ないのは、なぜ?
私とせつなちゃんは、プリキュアの戦士で
ダンスチームの仲間で
学校は違うけれど、掛け替えのない友達。
そう、友達、のはず。

友達―。

その言葉が何故だかとても痛くて。
胸がぎゅっと締め付けられて。
一瞬だけ、息が止まりそうになって。
知らず溢れた涙が、一筋頬を伝って。

「…ブッキー」

せつなちゃんの声に、私は現実に引き戻される。
でも、声を出すことが出来ない。
口から零れるのは言葉になり損ねた吐息ばかり。
「えと…私、もう帰るわね」
今日はありがとう。
そう付け加えて、せつなちゃんは私の部屋を出て行った。
―あぁ、そうか。
慌しく遠のいていく足音を聞きながら、私はようやく知る。
私は、せつなちゃんに、惹かれているんだと。
彼女のことを、友達とは違う意味で好きなんだと。

つい先程まで側にいた愛する人の残り香を抱きしめるように、私は自分の肩を抱く。
季節は夏。それなのに、震えている自分。
「やっぱり、嫌われちゃったかなぁ…?」
涙がまた一筋、頬を流れた。

218:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 09:52:08 CiyBgr6i
以上です。読みづらい点などありましたらすみません。
ブキせつでまた何か書けたらと思います。

219: ◆51rtpjrRzY
09/08/18 10:03:40 WIjo0LQu
GJ!朝からいいブキせつごちそう様でした・・・。
ブッキ―切ないの似合うよブッキ―。

220:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 10:31:22 pv+NnKai
GJ!!
このスレでブキせつにはまってしまったw
朝から幸せゲットだよ!

221:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 12:03:14 yyLyl7xH
昼飯のお供が百合スレwもう投下されたましたか。幸せをありがとう。

たたたたた

がハマった。

告白って難しいよね。成功しないとお互い気まずくなるのはどして?

222:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 17:16:32 GIRlmnLq
職人さんがいて投下も全然いいんだが
GJする時にコテやらトリップは名無しにもどさね?
それに♪使う奴や携帯とかでやる顔文字使うのはちょっとキモイんだが・・・
慣れ合いまでは気にしないからこれらなんとかならんか?

223:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 17:55:32 SMHnXtZ4
確かに♪や顔文字は2chでは浮くから
なるべくやめた方が良いかもしれない。

224:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 20:14:28 LCnoC0O7
俺もちょっと気になってた。
だがまぁまったり雑談やSS拝見をさせてもらえるこの板は大好きだな。

とりあえず美希せつ回早くこい

225:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 20:32:11 Azjt6sr9
そいやここって絵の投下とかはダメなん?

226:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 20:42:38 6NJTaNDV
大丈夫だと思う。スレの皆も推進してくれるって私、信じてる!

227:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 21:20:33 qJ11ixU3
今晩は。この間から黒ラブ書いてる者です。
何とか最後まで書けたんで投下させてもらいます。


しかし、覗いてみたらスレの凄い延びと、保管庫まで出来てしまう
勢いにビックリ!
保管庫、凄いですね。これでいつでも好きな作品が探せると思うと嬉しいです。

では、お目汚しですが。ちなみに今回はエロはありません。

228:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 21:25:04 qJ11ixU3
5

ラブはせつなの胸に顔を埋めたまま、動けない。
せつなの言った言葉…。
『好きよ』確かにせつなはそう言った。反射的に心が歓喜に震える。
ずっとずっと、欲しくて堪らなかったことば。

でも……、それは……。


「…違うでしょ?違うよ!!せつなが言ってるのと、あたしのは……!」
全然違うんだよ。
分かってた。今のせつなはあたしの言う事なら何でも聞きかねない。
どんな事でも、ラブが望むなら…と。
でも、そんなものは違う。欲しかったものじゃない。
ここまで酷い事をして、それなのにせつなは好きと言ってくれて。
でも、違う。どこまで自分勝手なんだと思う。
せつなの身も心もこれ以上無いほど傷付けて、それでも満足できない。

一体、どうなれば満足なんだろう。


「…そうね。違うのかも知れない。」
頭の上から柔らかい声が降ってくる。
さっきの自分の言葉への返事。違うと言ったのは自分なのに
ずきりと痛みが走る。
一瞬、体を強張らせたラブの髪をせつなは優しく撫でる。

「でも、…私、分からないんだもの。……だって、」
誰かを大切に思ったのも、誰かに大切にされたのも、誰かを好きになったのも、
ラブが初めてだから。

私には何もなかった。守りたいものも、愛しいものも。
空っぽの心。『メビウス』と言う偶像にその空白を埋める事を求め、
渇いてひび割れた水差しに、溜まるはずもない水を注ぎ続けていた。

メビウス様の為に
メビウス様の為に
メビウス様の為に


ラブと出逢い、ラブと触れ合い、いつの間にかひび割れは消えていた。
少しずつ、心に溜まっていく何か。
それが何なのか、今も表す言葉を私は持たない。
でも、これだけは分かる。こんな気持ちはラブに対してしか生まれない。
盲目的に誓っていた忠誠とは違う。
ただ依存の対象が代わっただけだと言われるかも知れない。
そうかも知れない。もしそう言われても、私には明確な反論は出来ないかも知れない。

でも私はもう決めてる。ラブしかいらない。

この先、例えどんな出会いがあってもラブ以上に大切な人は出来ない。
ラブが最初で最後の、一番大切で愛しい人。

仲間、家族、友達…。今の私には大好きな人が沢山できた。
決してラブ以外の人がどうでもいいわけじゃない。
その人達を守る為にも、私は命懸けになれる。

でも、その人達全てを合わせても、ラブ一人にはかなわない。

229:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 21:27:28 qJ11ixU3
6

せつなは拙くことばを綴る。
どう言えば分かってもらえる?
どうすれば伝わるんだろう。


ラブには知られてはいけないと思ってた。友達でいなきゃ。家族にならなきゃ。
ラブがいないとダメだと思われたくない。ラブに依存しきってると思われたくない。
ラブにはラブの世界があるんだから、邪魔しちゃいけない。
自分だけ、見て欲しいなんて、絶対に、言えない……。
だって重すぎるもの。人ひとりの心を丸ごと被せられるなんて。
ラブは分かってない。どんなに私がラブを好きか。
ラブが想像するよりも、ずっと、ずっと…。


隠しちゃいけなかったのかな。鈍い私はラブが追いつめられてるのに
ちっとも気付かなかった。
いつもラブは自分の事より、人の事で怒って、泣いて。
昔からそうだったって聞いてる。


だから、ラブは多分泣いてしまうだろう。
せつなに酷い事をした。
せつなを傷付けた。
そして、それ以上に自分を傷付けてしまうかもしれない。
ごめんね、ラブ。本当にごめん。


……もどかしい……。
どんなことばでも伝えきれる気がしない。私のことばはどうしてこんなに拙いんだろう。


せつなは全身で強く強く、ラブを抱き締める。
極度の緊張と過度な刺激に晒された体はミシミシと軋み、力が入らない。
それでも強く。ラブを丸ごと体の中に包み込めるように。


「分かってないのはラブの方なんだからね!」

230:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 21:28:57 qJ11ixU3
last

「……っう…うわ、うわああああーーん!!」
ラブは突然、子供のように声をあげて泣き始めた。
「…っごめ……ごめっ…なさっ…!…… ごめんっ…なさ…い!
ひっく…ぅえ、せっ…、せつなっ…せつなぁ……せつな………」
「うん……、ラブ…」
「ホ…っトに……ホントに、ごめんなさい!」
「……うん……」


優しく優しく頭を撫でられ、きつく体を抱き締められ、どのくらい泣いただろう。
涙と共に凍えた塊が溶け出していく。冷えきった体をせつなが暖めてくれる。
溶け出した塊も全部は無くならないかも知れない。
一度向き合ってしまった剥き出しの欲望は、
そうそう簡単には自分を解放してくれないかも知れない。
でも、きっと大丈夫。せつながいるもの。
醜い欲望も身勝手な独占欲も全部はせつなが受け止め、洗い流してくれた。
ごめんなさい、せつな。謝っても傷付けてしまった事は取り返せない。
でも、もう傷付けたりしないから。あたしもせつなを丸ごと包み込みたいから。


身を起こしたせつなは、少し震える唇で羽根のように軽くて優しいキスをくれた。

「ラブは、言ってくれないの?」
「……?」
「私はちゃんと言ったのに。ラブは言ってくれない、どして?」
「……あ………」
いたずらっぽく微笑むせつな。言われてやっと気がついた。
あたし、一度もちゃんと言ってないや。
あたしは一つ大きく深呼吸して…



「あたしは、せつなが大好きです。世界で、一番、せつなが好き。」


今度はあたしからキスを送る。できる限り優しく、でも、
せつながくれたキスよりはちょっぴり深く。

231:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 21:59:12 rTkESdDG
キター!!
ラブが病むラブせつも盛り上がりますね
新鮮でした

232:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 22:33:09 q3n9Uq3Q
ラブせつは俺のジャスティス!!
ラブやんが依存ちゅのも萌えますな。GJでした

233:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 22:52:13 nRMt1OIf
>>230

GJでした。
最後うまくまとまってよかった。

中盤はどうなることかと...


234:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 23:02:56 CyZxTahx
雑談で申し訳。現スレ16日までのSSを保管しました。多分異常無く
見れてると思います。気づいた点がありましたら修正お願いします。
手助けしてくれた>>191>>192>>204の方々、ありがとうございました。

て事で、日付変更線あたりに保管庫立ち上げ記念に一発投下します。

235:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 23:49:29 yyLyl7xH
>>227
普段明るい子が病むとマジやばいよね。せつながあのままイースで敵だったらと思うと…。

こんなにみんな百合ってないはずw

泣いてる姿の文字化良く出来てるね。普通に想像出来たよ。

>>234
作業乙です。携帯からですが読めてますよー

236:名無しさん@秘密の花園
09/08/18 23:50:52 pv+NnKai
>>230
黒ラブいいなぁ
ラブせつ最高だ!

237:MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/08/19 00:03:50 iaS1ue8W
【美希の苦悩、明日への希望】
「髪の毛だいぶ痛んでるわよ。ちゃんと手入れしてる?」

「ごめ~ん。手抜き全開です…。」

口実にしてはあまりにも完璧すぎたかな…。
いつか告白しようと考えてはいたものの、なかなか言え出せなくて。

「今日はママも仕事でいないし、お店いらっしゃい。トリートメント
してあげるから。」

「うぉ~!超助かるよ美希た~ん!」
そう言うと、ラブははしゃいで私に抱き付いて来た。

ラブはホント、いつまでたっても無邪気。私はそんなラブが大好きで。

「じゃあ15時ぐらいにお店に来て。待ってるから。」

「うん!あ、美希たん。」
「何?」

「タダだよね?」

「くすくす。当たり前よ。」
こんなやり取りですら私には恋人同士のように感じた。
ラブと一緒にいると不思議と落ち着く。

15:00
「さ、どうぞ。」
「お邪魔しま~す。」

ラブのチャームポイント、ツインテールをまずは梳かしていく。
こうして見ると、ラブってお人形さんみたいだなって思う。


次にトリートメント剤でヘアケアーをしていく。私には
二人きりの時間が物凄く幸せに感じて。

「あ、美希たん。和君の具合どう…?」

「そーだった。言うの忘れてたわね。体調も安定してるから、
一時退院出来るらしいの。ようやく落ち着けるわ。」

「ほんと~!良かったぁ!」

「ラブは暇さえあればお見舞い来てくれたもんね。和喜も喜んでたよ。」




「和君も入院辛かったと思う。美希たんのママも元気無かったし。美希たんだっ
て寂しかったと思うから…」



「ラブ…」
どうしてこの子は他人のために、ここまで優しくなれるのだろう。ラブの魅力の
一つに、底無しの優しさがある事を再確認した。この先、このような子は私の前
には現われないだろう。

238:MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/08/19 00:09:38 iaS1ue8W
「さ、濯ぐから椅子倒すわよ。」
「は~い。」

シャワーが掛からないようにラブの顔にそっとタオルを掛ける。
目を閉じるラブはまるでお姫様のよう。思わずタオルを掛けるのを
ためらってしまい・・・。

「ん?」
「あっ…」
目と目が合い、お互い見つめ合う。

「あ、熱かったら教えてね!」
私って情けない。普通ならキスの一つもするんだろうな。私のどこが完璧なのか。
ため息すら出なかった。

「美希たん上手だね~。モデルと美容師さん両方出来ちゃうじゃん。」
「お世辞なんか言ってもドーナツあげないわよ。食べ過ぎは禁物なんだから。」
「ぶぅ~」
ホント仕草が子供。無垢な表情もまた可愛い。

「ね、美希たん。」
「何?」

「私が男の子だったら付き合ってくれる?」
頭が真っ白になった。もちろん濯いでた手の動作も止まり、鏡に写る私の顔は固
まってた。

「な、何よイキナリ。ビックリするじゃない…」
「だよね。ビックリしちゃうよね。」
「でも告白はすると思う。」
今でも思い出すとドキドキする。

239:MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/08/19 00:09:58 iaS1ue8W
(今しかない。言わないで後悔するより言って後悔しよう!)
「私は…、女の子のラブが好き。」
決して大きな声じゃないけど、私は頑張った。悔いが残らないように。

「ずっとラブが好きだった。ホントは今日告白しようと思ったんだけど…。」


「叶わない恋があってもイイよね。これも私らしくてカッコいいし。」
何もカッコ良くないのに。決め台詞になんかなってないのにね。

「ごめんねー、何か私一人で盛り上が…」

zzzzz

(寝ちゃったか…)

物凄い恥ずかしさが私を襲って来たと同時に、どこかスッキリした感じで。

眠ってる彼女を起こさないよう、タオルで濡れた髪の毛を吹き、ブローを始める。

「終わったわよ。起きて。」

「ふわぁぁぁ~」
涙目をこすり彼女は呟く。

「寝ちゃった…。あはっ」

「ふふ。ありがとうございました、お客様。」

「こちらこそ助かりました~。ありがと!美希たん。」

時計は17時を回り、窓からは夕日が差し込む。

「また明日ね。髪の毛は女の命なんだからしっかりケアするのよ。」
「うん。わかった。」


お互い手を振って別れる。

「さーて、後片付けするか!」
店内の掃除をしようとした瞬間だった。ラブが勢い良くドアを開け。

「美希たん!忘れ物した!!!」

「え?」
振り向く私にラブは唇に唇を重ねた。

「返事してなかったよ~。ごめんごめん。」

「ラブ…」

「あんな大事なトコで眠る程、私は鈍感じゃないよ~。」
そう言って私の手を握り。

「私も美希たんの事だーい好きっ!」
「ありがとラブ。私・・・嬉しい。」

眩しい夕日が差し込む店内に、それ以上の明るい笑顔の天使が、私に幸せを運ん
で来てくれた。

240:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 00:18:17 YwYhxcD9
>>237
待ってました!つか、すご。美希ラブで作ったんですね。読みやすくて良かったです。

ラブやんモテすぎw

241:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 00:19:08 Txh/xJAT
美希たんは直球勝負が似合うな
ラブの演出力がキテル

242:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 00:20:54 zeXvMNfm
GJです!
美希ラブって考えたことなかったけどすごく萌えましたw
フレッシュはどのカプも素敵だなー

243: ◆BVjx9JFTno
09/08/19 00:22:22 i45sYZNu
んじゃ私も投下。

個人的に脳内補完したかったので書きました。
チラ裏かつ百合ゼロで申し訳ない。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

寝室には3人の寝息が響いていた。

2段ベッドの上にラブが寝ている。
私は下。

もう1つの2段ベッドには
美希とブッキーが寝ている。

今日は合宿初日で練習もハードだったし、ナケワメーケとの
闘いもあり、3人とも夕食後は倒れ込むように寝てしまった。

私は、まだ眠っていない。
みんなが寝るのを待っていた。

ゆっくりと体を起こし、静かに寝室を出る。


      【告解:Confession】


大切な友達、ラブ、美希、ブッキーと共に
ダンスが出来たら、どんなに楽しいだろう。


でも、


あの人にしてきた罪が

重く、のしかかる。


公園で紹介されたときも

私は顔を見ることができなかった。



今、伝えなければ。

今、謝らなければ。


ブッキーからもらったのは、
ダンスを始める勇気だけじゃない。

罪と向かい合う勇気。



244: ◆BVjx9JFTno
09/08/19 00:23:22 i45sYZNu
レッスンスタジオには、まだ電気がついていた。
ドアを開ける。

ミユキさんが1人でストレッチをしていた。

「あら、せつなちゃん。どうしたの?」

「...ちょっと...お話しできますか...?」


膝が震える。


それに気づいたのか、
ミユキさんは汗を拭いてから立ち上がる。

「...外、出よっか...」


バルコニーには、弱い風が吹いている。
波は低く、静かにさざめいている。


「せつなちゃん、ダンスやる気になったんだって?」

「...」

「みんな大喜びだったわぁ。
 私の4人アレンジ、最高だから頑張ってね」


「...ミユキさん...」

「ん?」

海に向かって軽く伸びをしているミユキさんに向かって
切り出す。


「...私は...ミユキさんにひどいことをしました。」



245: ◆BVjx9JFTno
09/08/19 00:24:12 i45sYZNu
鮮明に思い出す。

 『あの子たちの夢を、邪魔させない!』
 『邪魔なのはお前の方だ!』


「私は...ラビリンスのイースという兵士でした...」


ミユキさんは海を向いてバルコニーの手すりに手を置いたまま、
微動だにしない。


「ダンス大会やコンサートを潰したのは...私です...」

「...謝ってすむことじゃないですけど...本当にすみませんでした...」


頭を下げる。
ただ、下げる。


ミユキさんが私を罵りたければ、どんな罵声でも受ける。

ミユキさんが私を殴りたければ、気が済むまで打たれる。

ミユキさんが私を排除するなら...それを甘んじて受ける。


それほど、ひどいことをした。




246: ◆BVjx9JFTno
09/08/19 00:25:18 i45sYZNu

下げている頭を、両手で挟まれた。
ぐいっと持ち上げられる。

目の前にミユキさんの顔があった。


その目に宿る光は、凛とした、まっすぐな光。
プロで鍛え上げられたのだろう、芯のある光。


「今ここにいるのは、みんなの笑顔を奪っていたラビリンスのイース?
 それとも、みんなの幸せを守るキュアパッションのせつなちゃん?」

「...せつな...です」


「じゃあOK!許します。おしまい。」

ミユキさんが笑顔で私の頭を軽くポンと叩く。


「えっ...」


膝の力が抜けて、その場にへたりこんだ。


「知ってたよ。イースだったってこと」

ミユキさんも座り、空を見ながら話し始めた。



247: ◆BVjx9JFTno
09/08/19 00:27:02 i45sYZNu

「昨日の夜、ラブちゃん、美希ちゃん、祈里ちゃんがうちに来たの。
せつなちゃんを許してあげて欲しいって。」


「みんなが...?」


ミユキさんの横顔を見る。


「最初は私も、コンサートをめちゃめちゃにしたのが、
 イースだった頃のせつなちゃんだったと聞いて
 複雑な気持ちになったわ。」


「でも、いろんな話を聞いたわ。
 自分も怪物に苦しめられながら闘っていたこと、
 使命のために心を殺していたこと、
 寿命が切られたこと、
 生まれ変わったこと、
 今も、苦しんでいること...


 きっと思い出したんでしょうね、ラブちゃんも祈里ちゃんも、
 美希ちゃんまで泣きながら話してくれた...。

 私たちの大切な仲間です、って...」


みんなの思いが、心にゆっくりと染みこむ。

また視界がにじむ。



248: ◆BVjx9JFTno
09/08/19 00:28:49 i45sYZNu

ミユキさんが私の方を向き、まっすぐに見つめてくる。

「よく話してくれたわね。」

「えっ...」

「私もプロの現場でやっていて、色々と迷惑かけたり
 失敗したり、時には人を傷つけたりってこと、たくさんある。

 その時に大事なのは、自分の過ちに向き合って、
 ちゃんとケリを付けることなの。

 とても怖くて、難しいことだけど...
 隠したままだと、絶対にうまくいかないの。

 せつなちゃんは、過去の自分にちゃんと向き合ってる。
 私は、それで充分。

 それに...
 
 ラブちゃん、美希ちゃん、祈里ちゃんが信じていて、
 アカルンが選んだせつなちゃんですもの。

 私、信じるよ。」


笑ったミユキさんの顔に、一瞬だけ
寂しそうな顔が浮かんだような気がした。
 


249: ◆BVjx9JFTno
09/08/19 00:32:28 i45sYZNu

「そうだよね、みんな!」

ミユキさんが大きな声を上げたので、驚いて
声の届く先に目をやると、バルコニーの角で
ビクッと動く影があった。


「やはー、ばれてたか」

ラブ、美希、ブッキーがそろりと姿を現す。

「何か気になってさ...よかったね、せつな」


みんなを見て。また視界が激しくにじむ。

「みんな...!」


押し寄せる感情に耐えられず、3人に飛び込んで
声を上げて泣いた。

「よかったね。」
「本当によかった...」

ラブも、美希も、ブッキーも涙声だ。


「さあ、今日はもう寝ましょう。
 明日からびしびし鍛えるから、覚悟してね!」

「はい!」


その夜はベッドから布団を引っ張り出し、
寝室の床に並べ、みんなでくっついて寝た。



250: ◆BVjx9JFTno
09/08/19 00:33:27 i45sYZNu

朝日が昇ってきた。

不安定な足場を駆ける訓練をしていたことが役に立っているのか、
砂浜のランニングはあまり苦にならない。

振り返ると、美希が少し遅れて走っている。
ラブとブッキーはそのさらに後方。
走っているのかよろけているのか解らない。

「せつなちゃん、基礎体力あるね」
横でミユキさんが走りながら話す。

「あたしが一番完璧と思っていたのに...」
「待ってくでぇぇ」
「もう走れませぇぇん」

後ろからの声を聞いて、ミユキさんと私は
声をあげて笑った。

「ほらー、気合い入れなさい!
 そんな調子だとダンスもせつなちゃんに追い越されちゃうわよ!」

「ふえぇぃ」

今日から、私の本当のダンス合宿が始まる。



251: ◆BVjx9JFTno
09/08/19 00:36:47 i45sYZNu
以上です。

ミユキさんの心情的にはikomaruさんのMy Sacrifice Seriesの方が
アリなのですが、ダンス合宿の矛盾を個人で脳内補完したかった
という個人的な理由ですスマソ


252:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 00:44:21 thJeYOAA
泣けました。
ありがとう。

253:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 00:44:56 YwYhxcD9
>>251
これまたすご。ミユキさん視点でキタよ!布団並べて寝る所とかもう…。

友情もイイわぁ。これが発展して百合だもんね。

ぶっこわした会場などはプリプーが何とかしてくれてると思わせといてくれw

また今日も神が連発で降りました。ありがたや

254:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 00:54:41 zeXvMNfm
拝見させてもらってばかりなので投下します。

【ニックネーム】

せつな「そういえば美希たん…」

ラブ・美希・祈里・(たん付けだと…!)

せつな「…あっ、ごめんなさい、つられて呼んじゃった…」

美希「…す、好きなように呼んでいいんだからね///」

ラブ「せつなが呼ぶとなんか新鮮だね~。
私のこともラブたんって呼んでみて!」

せつな「ラ、ラブたん…」モジモジ

ラブ「く~っ可愛いよせつなぁ!」ギュッ

祈里「…あの、せつなちゃん、わ、私も…///」

せつな「え、ええ///」


せつな「ブキたん」


ラブ・美希(祈里たんじゃないんだ…)

おわり

255:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 00:59:10 iaS1ue8W
ミユキさんが4人目だと当初思ってたのを思い出しました。
あの頃は3人で百合ばっか考えてたw

せつなが4人目でさらに百合に拍車がかかったような気がします。
相変わらず素晴らしいお仕事されてますね>>251さん

そろそろ美希たんにもスポット当てて欲しいよ、TV。

256: ◆51rtpjrRzY
09/08/19 02:53:58 jOI7EnNg
人いないみたいなんで、置いておきますね。
>>21の後日談です。黒いの好きな人は読まないほうがいいかも。

>>222
すいません・・・自重します。

257: ◆51rtpjrRzY
09/08/19 02:55:28 jOI7EnNg
                       1 
 イライライライライラ………!!
 あーもうっ!イライラするっ!!

「あ、あの…み、美希…ちゃん…?」
「…そこのフリ、違ってるってば!ブッキ―!何度言えば分かるの!?」
「あ…ゴ、ゴメン…」
「…今のトコやり直し!いい?そういうのは意識してやらないと直らないんだからね!!」

 音楽を止めたあたしを、ブッキーは泣きそうな顔で見ている。
 …まったくもう、泣きたいのはこっちだっていうのよ!

 今日はミユキさんのダンスレッスンはお休みの日。モデルのお仕事もないし、本当なら一日ゆっくり
家で好きな音楽でも聴いているか、出回り始めた秋物の新作の洋服でも見に行ってるはずだったのに。
 残念なことに、あたしが今いるのは、いつもの公園の練習場。その原因は、今目の前で振り付けを確認
し直しているブッキー…山吹祈里だった。

 東せつながあたし達のダンスユニット・クローバーに入ってから十日が立つ。
 最初は、あたし達より後に練習し始めたという事と、ラビリンスにはダンスや音楽が無かったって聞い
た事もあって、彼女は不安要素でもあった。
 ところが、流石というべきか、せつなの運動神経と勘の良さは際立っていて、今では早くも、ミユキ
さんですら一目置く存在となっている。
 これならあたし達のクローバーは順風満帆、何の心配も無いはずだったのだが…。

 イライライライライライラ………。

「…ブッキー……!!」
「あ~ん!ごめんなさい!美希ちゃ~ん!!」

 また同じところを間違えたブッキーに、あたしのイライラは更にエスカレートする。
 そう、せつなには何の問題も無かった。悔しいくらい完璧に。
 …せつなが加入した事で問題になっちゃったのはこの子・・・ブッキ―だったのだ。

 もともとおっとりタイプのブッキーは、そんなに運動神経が発達している方ではない。…ううん、どう
贔屓目に見たって、同年代の女の子と比較すると、中の下って所が精一杯。
 それでも彼女は、なんとか必死に頑張って、あたし達のダンスに付いて来ていた。
 …それが、せつなが加入した途端、だだ崩れになった。
 ダンスに、今までの集中力が感じられない。
 こんな風に、同じ振り付けを忘れて何度も間違えるなんて、今までの彼女なら無かった事だ。
 理由は……分かってる。
 
 東せつなだ。
 
 イライライライライライライラ……。

 

 ブッキーは、彼女に恋してしまったのだ。




258:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 02:55:55 N08xT0tK
投稿するときトリップはあってもいいと思う

259: ◆51rtpjrRzY
09/08/19 02:57:11 jOI7EnNg
                       2
「……じゃあもう一度、アタマからやってみて」
「………ハイ…」

 肩を落としたブッキ―は、また一からダンスし始める。

「ブッキー!背筋伸ばして!!」
「ハ、ハイ!!」

 厳しかったダンス合宿と、最近のプリキュアの忙しさを知っているミユキさんからの『久しぶりに練習
を休もう』という提案に、唯一反対したのはあたしだった。
 理由はさっき説明した通り。ブッキーのダンスの遅れが甚だしかったからだ。
 このままではブッキーがクローバーの足を引っ張るかもしれない、と判断したあたしは、レッスンの終
わった後、一人でミユキさんの所へ向かった。

「教えてもらっている身で言うのもなんですけど、今練習を休むべきじゃないと思います!」
「あら、美希ちゃん、お休み嬉しくないの?ここのとこ大変だったでしょ?」
「それはそうですけど、でもこのままじゃ…」
「……祈里ちゃん、ね?」
「・・・・・」

 ・・・ブッキ―とせつなの事をどう説明したらいいのか、言葉に詰まる。
 そんなあたしの気持ちには気付かないように、ミユキさんは続ける。

「……せつなちゃんが入った事で、祈里ちゃんがプレッシャーを感じるのも、当然だと思うの。経験のない
同年代の女の子があそこまでやれるんだもの。自分に不安を持って当然だわ」
「・……」
「でもね、だからって根を詰めて、練習練習って押し付けては、逆効果だと思うのよ。下手をしたら、祈里
ちゃん、また身体を壊しちゃうかもしれない。…美希ちゃんは、それでもいい?」
「…ですけど…」
「休むのも、レッスンのうちだと思うわよ、……きっと。休むことで、なにか見えてくるかもしれないで
しょ?」

 ミユキさんはニコッと微笑んだ。
 あたしは、どうしても・・・・・・理解できない。

「……じゃあ、お休みの日にあたしがブッキ…祈里にダンスを教えるって言ったら、どうします?」
「…美希ちゃんも強情ねぇ。…いいわ、納得できないなら納得いくまでやるのも。……若さよねぇ~」
「茶化さないで下さい……あともう一つ、なにか見えてくるって、なんですか?」
「そうね……じゃあヒントだけ」

 ミユキさんは軽くウィンクして言った。


「……立っている場所、かな?」


 あたしはそれを、クローバーでのブッキーのダンスの順位だと考えた。
 彼女がそれを自覚する事が必要なのだと。




260: ◆51rtpjrRzY
09/08/19 03:01:08 jOI7EnNg
                       3
 休みに自主練習をやろうってブッキーに告げた時、ラブとせつなも参加したがっていた。
 ブッキーは喜ぶだろうだけど、あたしはその申し出を断わった。…当然だ。せつながいるから集中でき
ないでいるのに、その遅れを取り戻す場所に、彼女がいては意味が無い。
 
 もともと、ダンス合宿でブッキーとせつなが二人で踊ってたのを見た時から、何か違和感を感じては
いたのだ。それは幼馴染みだから分かる事なのだと思う。・・・まあラブが感じたかは知らないけど。
 あえて理由をつけるなら、昔の、いや、最近までのブッキーは、割と人見知りな部分のある子で、なに
かあるときはいつもあたしの傍にいたから・・・まだ仲間になって間も無いせつなと、すぐに二人で打ち解
けるなんて、考えられなかったからだ。
 でもその時は、同じプリキュアとしての連帯感が芽生えたのかな、くらいにしか思っていなかった。

 決定的だったのは、この前の、夏祭りの夜。
 ラブとせつなが、相変わらず人目もはばからずにイチャイチャとバカップルぶりを発揮してる時。
 呆れたあたしが、見てられなくて視線を逸らすと、その先にブッキーがいた。


 花火の光の舞い散る中、彼女は上を向いて震えていた。


 握り締められた手と、噛み締められた唇から、必死で泣きだしそうなのを堪えてるのが分かった。


 ハッキリ言って、理解できない。
 
 女の子同士で好きになるとか。
 
 親友の恋人を好きになるとか。
 
 そんなの、全然完璧じゃない。

 
 だから。
 理解できないから。

 
 あたしは、ブッキーへと走り出す事が出来なかった。



 それが、堪らなく――・・・



「・……美希ちゃ~ん・・・・・・お願い・・・・・・そろそろ休憩させて~・・・・・・」

 あたしの思考は、ブッキーの弱々しい声で中断された。

 イライライライライライライライラ・・・・・・。

「・・・・・・あのね、ブッキー、あたしは今日、『心を鬼にした美希』なのよ。分かる?」
「・・・・・・・・・いじわる・・・・・・・・」
「意地悪じゃないの!!ブッキーのためなんだからね!!」
「ふぇ~ん・・・・・・」

 そうだ。あの時、駆け寄れなかった分、あたしはブッキーを、全力でフォローしようと決めたのだ。
 ダンスでも、プライベートでも。
 ・・・・・・例え叶うはずのない恋、だとしても。
 それがきっと、あたしなりの贖罪なのだ。


261: ◆51rtpjrRzY
09/08/19 03:03:39 jOI7EnNg
「お~い!美希た~ん、ブッキ~、頑張ってる~!?」
「二人とも、そろそろお昼の時間よ。ひと休みしない?」

 ラブとせつなが、そんなのんきな声を上げながらやってきた。
 それぞれの手には、シフォンが眠るベビーバッグと、大きなバスケットを持っている。
 あのねぇ・・・ただでさえブッキーの練習がはかどってないっていうのに・・・・・・。

「わ~い!・・・・・・美希ちゃん、お昼なら・・・仕方ないよね?」
 
 子犬のような上目遣いで、あたしの顔を覗き見るブッキー。

 イライライライライライライライライライラ・・・・・・。

(あたし完璧あたし完璧あたし完璧あたし完璧あたし完璧あたし完璧あたし・・・・・・・・)

 あたしは心の中で、限度を越えそうなイライラを抑えるため、その言葉を呪文のように繰り返した。


262: ◆51rtpjrRzY
09/08/19 03:07:20 jOI7EnNg

~ちょっと中断~
人いるみたいなんで聞きますけど、このまま長いの一気に置いていくのと
分割して置いておくのではどっちがいいです?

263:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 03:09:06 G4Go7zdj
構わん続けろ
いや続けてくださいお願いします

264:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 03:09:53 qZ+xYMyU
ある程度分割した方が見やすいけど、連投規制があるからほどほどに

265: ◆51rtpjrRzY
09/08/19 03:14:17 jOI7EnNg
>>263
いや、そうしてもいいんですが・・・
>>264
連投規制ってどのくらいで引っかかるモンですか?

266: ◆51rtpjrRzY
09/08/19 03:21:53 jOI7EnNg
まあ今見たら・・・の大きさがまちまちだったりするんで、また改めて明日
続きやりますよ。

267: ◆51rtpjrRzY
09/08/19 03:41:51 jOI7EnNg
前々回より多分今回のが長いと思うんで、規制に引っかかるとあれなんで。
1~6までのうち今日は3まで置いときます。
ここまで読んだ方、申し訳ないです。じゃあまた明日これくらいの時間に。

268: ◆51rtpjrRzY
09/08/19 04:36:40 jOI7EnNg
……すんません、連投規制っての勘違いしてたみたいです。
続き置いときますね。お騒がせしました。

269: ◆51rtpjrRzY
09/08/19 04:39:24 jOI7EnNg
「はぁ~!食べた食べた~」

 そう言うと、ラブは敷いてあるレジャーシートの上に、ごろん、と横になった。
 少し離れたところで、せつなとブッキーが何か真面目な顔で話し込んでいる。

 イライライライライライライライライライライラ……。

「……何話してるのかしら?」
「さあ~。お昼ごはん美味しかったって話じゃない?……何しろあたし達が早起きして、腕によりをかけて
作ったんだから~」
「……ホントのんきなもんね、ラブは……気にならないの?」
「?何が~?」

 ……呆れる。
 普通、恋人が他の子と、しかもその子に片思いしてる子と二人で何か話してたら気になるでしょ。
 やっぱり、ブッキーの心にはあたししか気付いてないのかしら。
 そうじゃないとしたら……大した自信家だわ……この子。

「二人だけで話したい事があるから話してるんだよ、きっと。あたし達が口挟んでもしょうがないっしょ。
美希たんが気にしすぎなんだよ~」
「べ、別にそんな事ないわよ」
「ほんと~?」

 ラブは、にふふ、と何やら怪しい笑みを浮かべてあたしを見る。な、何よこの子……。

 
 休憩も終って、せっかく来たんだしという事で、ラブとせつなの前で、ブッキーの前半の練習の成果を
披露するってことになった。
 ……もっとも、成果なんて呼べるものは何ひとつ挙がってないのだけれど。

 
 でも、あたしの予想は大きく裏切られた。

 
 違うのだ、ブッキーの動きが。さっきまでと…いや、そうじゃない、今まで見てきた彼女のダンスと。
 ――明らかに良くなっている。
 キレも、スピードも、リズム感も。
 問題だった、集中力も、だ。
 まるで、みにくいアヒルの子の童話の、最初と最後だけ読んだみたいな錯覚を覚える。
 
 「すご~い!!ブッキー、上手くなってるよ~!!」
 「よっぽど一生懸命練習したのね…。スゴイわブッキー!」

 感嘆の声を上げる二人とは逆に、あたしはただ唖然とするしかなかった。
 そして、一つの結論が頭に浮かんだ。


270: ◆51rtpjrRzY
09/08/19 04:42:06 jOI7EnNg

「……せつな、ブッキーにさっき、何かアドバイスしたでしょ?」

 あたしは横に立つせつなに、戸惑いつつも尋ねる。
 
「?いいえ、別に何もアドバイスなんてしてないわ」
「……ウソでしょ……?」

 有り得ない。何もなしに、これほど短時間で変わるわけはないのだ。

「じゃ、じゃあ、さっきお昼の後、何を話してたっていうの?」
「さっき?ああ…ブッキーがあたしに『せつなちゃんは、ダンス楽しい?』って聞くから…」



「『みんなと一つになるのは楽しいわ』って答えただけよ。」


 
 ――それだけの事で。
 ブッキ―はこれほど変わったって、言うの?

 けれど――想像、できてしまった。
 ブッキーの気持ちが。
 
 彼女は、ダンスをすることで、せつなと一つになろうと決めたのだ。
  
 現実には不可能だけれど、クローバーというユニットの中でだけでもって、決めたのだ。

 
 あたしは、なぜか、胸が締め付けられるように感じた。


 イライライライライライライライライライライライライライライライライラ……。


271: ◆51rtpjrRzY
09/08/19 04:43:41 jOI7EnNg
                       5
「……どうだった?せつなちゃん、ラブちゃん!」
「すごく素敵だったわよ、ブッキ―」
「うんうん!これならデビューへの道も近いかもね!!」

 盛り上がる三人とは別に、あたしは引きつった笑いを浮かべるのが精一杯だった。
 今まで自分のやってきた事が、まったくの無駄だったって分かった脱力感。
 ブッキ―をフォローしていくって決めたのに、何にもできなかった無力感。
 もうひとつ……それは……。

「―――みーきタン!!」
「ちょっ!!重い!何よラブ!!」
 
 いきなりラブがあたしの背中に飛びついてきた。

「喜んでないの~?こんなにブッキ―上達したのに~!!」
「……喜んでるわよ…」
「ホントに~?」

 そしてあたしの耳元で囁く。



「―――悔しがってるようにしか見えないよ、美希たん」



「!!」
「……なんちゃって~。ブッキ―もスランプ脱出したんだし、お祝いにカオルちゃんのドーナツ食べに
行こうよ~!!」
「ちょ、ちょっと、まだ食べるの?ラブ!?」
「わ~い!踊ったら喉渇いちゃったし、いいよね!美希ちゃん!」

 茫然としているあたしを他所に、三人は盛り上がっている。
 
(悔しい…、か…。)
 
 あたしが必死に教えるよりも、せつなの一言の方が、ブッキ―には効果があったのだ。
 それが悔しい、のかもしれない。
 ミユキさんの言っていたことが頭をよぎる。


272: ◆51rtpjrRzY
09/08/19 04:45:13 jOI7EnNg
「――立っている場所、ね。」
 
 クローバー。せつなと一つになれる、場所。
 ミユキさんは知っていたのだ。ブッキ―の秘めた心を。
 だから、ブッキ―がそのことに気付けば、っていうヒントをくれたのだろう。
 その意味を取り違えて、暴走したのはあたし……。

 イライライライライライライライライライライライライライライライライライライラ……。

 あたし、全然、完璧じゃなかった。
 なにひとつ、今まで、理解できてなかった。

 イライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライラ……。

 違う、理解できないって、目を逸らしていただけだ。
 彼女の……ブッキ―の気持ちから。
 ブッキ―の、せつなを想う恋心から。

 イライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライライラ
イライライライライライライライライライライラ……。

 暗い顔を見られないように、あたしは皆の後を、一人遅れてついていった。


273: ◆51rtpjrRzY
09/08/19 04:47:22 jOI7EnNg
                       6
 公園からの帰り道、ラブ達と別れたあたしとブッキーは、もう日の沈みかけた川沿いの土手を、お互い
無言で歩いていた。
 もっとも、ショックから立ち上がれないあたしは、みんながワイワイ騒ぐ中、その中に入ることもでき
ずに、あれからずっと黙ったままだったのだけれど。
 
「……美希ちゃん、あ、あのね、今日は……ありがとう」

 長い沈黙を破ったのは、ブッキ―だった。
 あたしも、自分の心を悟られないように、と重い口を開く。

「……大したことは、してないわよ」
「…!そんなことないよ!…美希ちゃん、わたしの為に、わざわざお休みつぶしてまで……。本当に
……ありがとうね…」

 ブッキーは、少し困ったような顔で、言葉を続ける。

「わたしね、最近、ダンスよりも気になる事ができちゃって…自分でも、その事に気を取られちゃ駄目っ
って分かってるんだけど……止められなくて。だからね、今日美希ちゃんが一緒に練習しようって言っ
てくれた時……嬉しかったんだ……少しでも、忘れられるかな、って。……美希ちゃんと一緒なら、
考えないでいられるかなって……、そう、思って。……ちょっと、練習は、厳しかったけど…」

 そう言うとブッキ―はクスッと笑った。……淋しそうな目で。
 知ってるわよ、そんなこと。
 でも、無理だったじゃない。あなたに彼女を忘れさせてあげられなかったじゃない。
 ブッキ―を立ち直らせたのは結局―――。

「……でもね、思ったんだ。…きっとわたしは逃げてるだけなんだって。忘れたり、考えないでいる
より、きっと自分で納得できるまで突き詰めないと、先に進めないんだって……。そんな風に考えて、
答えが……見つかったような気が、するの。それが分かったのは、美希ちゃんのおかげ……」
「…だからあたしは大したことしてないって――」

274: ◆51rtpjrRzY
09/08/19 04:50:32 jOI7EnNg
 溜息混じりに言うあたしの手を、ブッキーは両手で握り、自分の胸へ重ねる。
 
「ううん……美希ちゃんは、今日を、くれたよ。今日って日を…わたしにくれたの。……わたしが
答えを出す事ができた、大切な日を。……だからね、」

 わたしを一直線に、真剣な目で見つめながら、彼女は言った。

「……ありがとう、美希ちゃん」
 
 その目を見たとき、初めて、全てが、理解できた。
 自分が、本当は、何から目を逸らしていたのかを。


 
 

 あたし、ブッキ―が、好きなんだ……。


 
 

 きっと…ずっと、ずっと前から…あたしの中に眠っていた気持ち……。
 
 意識してしまった途端、胸が、苦しくなる。
 頬が紅潮するのが、自分で分かる。
 今すぐブッキ―を抱きしめてしまいたいたい気持ちを、必死に押さえ込む。

「?美希ちゃん?どうしたの?」
「…なんでもない!」

 あたしは、無理やり、ブッキ―の手を振りほどいた。
 そして乱れそうになる、呼吸と、心を、整える。

「……なんでも、ないの。ゴメンね、ブッキ―。」
「…本当?」
「…ただ、自分の間違いに気付いただけ。すごく、大きな間違いにね。それに気付いたのも、今日って日
があったからよ。……だから、ありがとうはお互い様だわ」

『―――悔しがってるようにしか見えないよ、美希たん』

 ラブの言葉を思い出す。
 合宿の時も、お祭りの花火の時も、さっきブッキーが立ち直った時も。
 ずっとずっと、悔しかった。
 なんであたしじゃなくて、せつななのって。
 子供の時から、いつもブッキ―の隣にいたのはあたしだったのに…。

『……立っている場所、かな?』

 ミユキさんの言葉。きっと、あたしに対しても向けられていた言葉。
 あたしは、ブッキ―の一番でありたかった。
 そこが自分のいる場所だって、思っていたかった。
 でも、ブッキ―の中の、あたしの立っている場所は――。



275: ◆51rtpjrRzY
09/08/19 04:57:22 jOI7EnNg
「……わたし、美希ちゃんが友達で、本当に良かった!」

  
 
 最悪な答えを、彼女は最高の笑顔で口にした。

 

 あたしは―――泣かなかった。

 
 
 代わりに、ブッキ―の手を引き、駆け出す。

「え!?きゅ、急にどうしたの!?美希ちゃん!?」
「――ゆっくりしてたら、日が暮れちゃうでしょ!ホラ、急いで、ブッキ―!!」

 ――泣いてたまるもんですか。
 まだ勝負は始まったばかりなんだから。
 必ず、ブッキ―の一番になってみせるんだから。

276: ◆51rtpjrRzY
09/08/19 04:59:38 jOI7EnNg
 

 もう理解できないって言葉でごまかしたり、しない。
 
 女の子同士でも。

 違う人を好きでも。
 
 彼女が好き。 
 
 大好き。
 
 ブッキ―を好きなあたしが、完璧なあたし――。


 せつなの存在を追い越そうとするかのように、あたしは走るスピードを上げる。
 

 
 
 

 ドキドキドキドキドキドキ……。


 

 
 イライラは、いつの間にか、胸のときめきに変わっていた。

 
 


 
                                          了

277: ◆51rtpjrRzY
09/08/19 05:13:27 jOI7EnNg
おしまい。>>269から4になります…なんか色々申し訳ないorz


278:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 05:48:31 0miwsUQD
GJ! 読みやすかったし、美希たんも絡む展開もよかったです!

279:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 06:21:50 i45sYZNu
>>277

GJ!読みやすかったですよ。

お互い、思いが一方通行なままなのが切ない...。


280:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 08:23:57 eX8CZ+vK
早くに目が覚めたんで、ちらっと覗こうとスレ開いたら……。


なにこれ、神作品の嵐……。


つい読みふけってこの時間……orz 二度寝しようと思ってたのに。

美希ラブはあんま考えた事なかったけど新鮮だし、
大人のミユキさんカッコ良すぎだしで4人娘健気で涙…。
それに自分、ラブ←→せつな←ブキ←美希なんだが、それを具体化した
作品が読めるとは夢にも思わなんだ!
いっそ自分で書こうかと思ってたけど、こっちの方が全然いいっすよ!





さて、仕事頑張ってきます。

281:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 08:33:02 BlQp1jcl
>>277
GJ!
このお話しだと、
ラブ⇔せつな←祈里←美希
って感じかな。む、報われるのかなぁ…

282:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 09:01:13 Txh/xJAT
みんな乙です
帰ってきたらよもっと

283:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 10:04:51 RscXg2u7
クローバーはドロドロでたまらんね。


284:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 10:07:43 YwYhxcD9
>>254
読んでてコーヒー吹いたwやっぱ短編も面白いね

285:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 10:55:33 JealDc6w
ところでコミケでこのスレ的に幸せゲットした奴はいるのか?
ラブせつやブキせつはタイミングが合わないか

286:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 11:24:03 BlQp1jcl
せつな「ラブ、これは何に使う物なの?」
ラブ「それは“耳掻き”だよ。耳の中の垢を取るのに使うの」
せつな「みみかき…?ごめんなさい、何だか想像つかない」
ラブ「そうだ!せつなにやってあげるよ!ほらほら、横になって頭を私の膝に乗せて」
せつな「え?えっと…こう?」
ラブ「そうそう!危ないからじっとしててね…」
せつな「あ…何これ。何だか変な感じ…」
ラブ「こうやって耳の中をお掃除するんだよ」
せつな「ん…気持ちいい…かも」
ラブ「よかった。でも痛かったら言ってね?」
せつな「ラブが優しくしてくれるから痛くないわ。そろにラブの膝枕…とっても心地良い…」
ラブ「えへへ…ありがと、せつな」

番外編
ラブ(あ、そうだ)
せつな「きゃ、どこ触ってんのよ、ラブぅ」
ラブ「せつなのおムネ。ほらほら、動くと危ないよ?」
せつな「ず、ずるい…!ああん!やだぁ~!」
ラブ「ワハー!揉みたてフレッシュ!」

287:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 12:03:53 YwYhxcD9
>>285
イース物が大半だったらしいが。後輩にお願いしたが、二日目だったしフレプリで百合な物はあんま無かったと。

ラブせつは冬にタップリ買えると私、信じてる!

ま、十二分にここのSSで買えなかった分は補えてるがw

288:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 12:28:33 /GMqfqXj
>>277
話の起承転結がうまいな!
美希たんに自然と感情移入出来たGJ!
まあちょっと切なかったがw
今度は美希たんが幸せゲットする話が読みたいぜ

289:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 14:02:45 TT3wct71
>>287
そっか、㌧クス
イース物は顔なし男が出張ってくる系だろうなぁ
9月からはラブに大輔が絡み始めるって噂だし、このスレが心の拠り所だわ
ほんと職人様には感謝してます

290:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 14:39:23 3Vy8EYbZ
>>277
GJ!
みきたんにすごく感情移入してしまった・・・
みきたんはやっぱりいい女!

291: ◆51rtpjrRzY
09/08/19 16:39:45 jOI7EnNg
感想ありがとうございます!
フォントサイズ間違えてたり、途中gdgdになっちゃったりで本当にすいまぜん…。
遅ればせながらタイトルは『走り出した日』です。

292:233
09/08/19 18:21:06 i45sYZNu
>>230

言葉が足りませんでした。スマソ

最後うまくいった=ハッピーエンドでよかった

です。


293:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 18:37:09 i45sYZNu
>>252さん、>>253さん、>>255さん、>>280さん

ありがとうございます。

24話のご飯おかわりーで号泣 → ラブやんに落とされる
24話ラストで号泣 → せつなに落とされる
26話のせつなさん笑ってるーで号泣 → ブッキーに落とされる

という転落人生なので、お涙ストーリーが多いです。

エロに走ると濃くなるのでwww



294:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 20:23:00 0miwsUQD
9月からの展開は百合厨にとって試練だ というようなはなしを度々目にする。 9月6日以降の話の情報って、もう出てるんですか?情報弱者の自分に、誰か教えてエラいひと!

295:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 20:54:45 7wieU6Zs
>>294
31話 ラブと大輔 仲直りのしかた!(9/6)
脚本:伊藤睦美 演出・絵コンテ:黒田成美 作画監督:河野宏之 美術:須和田真

新学期が始まり、ラブと同じ四つ葉中学に通うことになったせつな。
入学初日にしてクラスメイトたちからの人気を集めるせつなとその様子を見て喜ぶラブだが、
対照的に大輔は不満げな表情だった。

296:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 20:55:34 G4Go7zdj
>>286
揉みたてフレッシュwwww馬鹿かwwwwwwww果てしなくGJ

297:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 21:12:29 TT3wct71
>>295
ラブが大輔との約束を忘れる話だっけか
これ以後のバレはまだ無いと思う

298:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 21:21:41 0miwsUQD
>>295>>297ありがとうございます。 そうですか、6日以降のことはまだ心配してもしょうがないんですね。
自分、別に大輔アンチというわけではないんですが、ラブやんの相手となると・・・

299:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 21:22:19 9rNIYKrK
ダンスの本編での扱いがあんなもんだから、男女恋愛もそれほどプッシュする
わけではないと私信じてる。
後半からは、Pが言うにはすごい展開になるらしいが…

>>286
ワハーじゃねえよwwwwラブやんwwww

300:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 21:38:22 j51EMnkk
某板に貼ってあった動画を転載してみる……OKかな?
URLリンク(www.veoh.com)
ラブせつフィルターかけて見ると涙ナシには……

301:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 22:42:40 aOsipPTN
どのみち百合なんて公式でやるわけもなく
大友が外野で勝手に妄想して楽しむモノなんだから
ラブと大輔がどうなろうが関係ない

302:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 23:08:18 iaS1ue8W
大輔は嫌いじゃないが、すでに空気w
てな訳で保管庫は17日まで完了しました。今日も精一杯頑張ったわ!

美希たん人気あって嬉しいよ。イイ意味で4人ドロドロに今後も期待さ。
>>291
相変わらず素晴らしいお仕事されてます。自分も作る時、お手本に
させてもらってます。

>>254
やっぱ短編もアリですね。初期の自分はこんな感じで作ってました。
保管しますのでお楽しみに。

303:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 23:46:05 S6YsOZ/j
大輔回は悲観的な反応が多いけど俺は凄く楽しみにしてるがな
妄想の種が増えるのはいいことだ

304:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 23:53:49 A7SL40j+
>>285
樹堂と黒鹿亭が神


305:名無しさん@秘密の花園
09/08/19 23:55:53 ImdF88dj
大輔回はいつもラブが嫁の相手しすぎだろていう回だと私信じてる

306:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 00:01:08 cxXkE0sY
ラブやんは「どっちかなんて選べないよ!両方ゲットだよ!」と断言した御方だぞ。
全部同時にゲットするに決まってる。

307: ◆BVjx9JFTno
09/08/20 00:10:24 gdOj3vPN
>>302さん、保管庫メンテナンスお疲れさまです。

拙作の題名を考えましたので、次回メンテナンスの時にでも
編集お願いします。

1-955  【月明かり:Moonshine】

2-125  【笑顔:Smile】

2-26  【兵:Soldier】



何のひねりもないorz


308:MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/08/20 00:51:18 5nQrmUB6
見てろよ大輔!これが俺のSSハリケーンだ!

【愛してると言って~ラブせつver】
みんなの幸せが私の幸せ
みんなの笑顔が私の元気の源

ずっとそう思っていたのに、何故か最近空しくなる。


ホントに私って幸せなのかな?
私を幸せにしてくれる人は現れるの?


せつなと一緒に暮らし始めて毎日が楽しい。
美希たんやブッキーと話したり遊んだりするのも勿論楽しい。
お父さんやお母さんは私を大切にしてくれる。
四葉町のみんなが私に優しくしてくれる。


でもね、何か足りないんだ・・・


私を〝愛してる〟と言ってくれる人がいないの。

寂しいのかな、桃園ラブは。

そうだよね、今までずっと走り続けてきたんだもん・・・。



だけど、暗くなっちゃうのは私のプライドが許さない。
そんな時、私の心を癒してくれるの場所がココ。四葉町が見渡せる丘。
いつでも私を快く出迎えてくれる。

目を閉じて横になると自然に落ち着けるんだ。心が安らぐ瞬間を感じれる。


いつしか眠ってしまった私に誰かが声をかける。聞き覚えのある声だ。
「探したよ、ラブ。」 

「せつな・・・」

309:MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/08/20 00:52:09 5nQrmUB6
「最近良くここに来てるでしょ?どして?」


「知ってたんだ・・・。理由なんて無いよ。何となくね。」
私がここに来てる事を知ってた驚きと、気持ちを悟られたくない葛藤で
返す言葉が冷たくなってしまった。


「隣座ってもイイ?」

「うん。」


「元気ない。ラブらしくないわ。」

「そんな事ないよ。考え事してただけ。」

「そう?だったらそんな寂しそうな顔にはならないはずよ?」
せつなはそう言うと、着ていたカーディガンを私にかけてくれた。
気がつくと陽も暮れ始めていて。



「せつなには嘘つけないね、やっぱ。」


「どうしたの?何か辛い事あったの?ずっと気になってたのよ私。」



「何だが空しくなっちゃって・・・。私ね、疲れちゃったのかもしれない。」
情けなかった。話を聞いてくれてるせつなの顔も見れなかった。


しばらく沈黙が続き、重い空気の中こう叫ぶ。

310:MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/08/20 00:52:46 5nQrmUB6
「今度は私がラブを助けたい!ラブのために何かしてあげたいの!元気になって欲しい!」
心の叫びのような声だった。せつなのこんな表に出した感情は初めてだった。



「私ね、不安なの・・・。誰も私の事、〝愛してる〟って言ってくれないんじゃないかって・・・」
今思うと恥ずかしい台詞だよね。ドラマじゃあるまいし。


「そんな事ないわ。私はラブを愛してる。けどね・・・」

「けど?」

「こーゆー時、どうしたらいいのかわからないの。本当に助けてあげたいのに・・・。
力になってあげたいのに・・・。ごめんなさい・・・。」

「ううん。ありがとせつな。気持ちだけでも十分嬉しいよ。」


「気持ちだけじゃない!気持ちだけじゃ・・・」
せつなは泣いていた。感情を上手く伝えられないのが悔しかったのだろう。
悪い事をしたなって今でも反省してる。


「本当にラブを愛してるわ。ずっと言おうと思ってた。それに、私をここまでにしてくれたのはラブなのよ?」


「私の力だけじゃないよ。美希たんやブッキー、お父さんやお母さん、四葉町のみんな、
それとせつな。せつな自信なんだよ。」

「ラブ・・・」
いつの間にやら私よりせつなを気にしちゃってる自分がいて。これもまた私らしくて。

311:MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/08/20 00:53:08 5nQrmUB6
「さ、帰ろう。風邪引いちゃうぞ~」
そう言ってラブの手を引っ張る。

「あっ」
勢いあまって重なる二人。


「ラブ・・・。私じゃダメ・・・かしら?」

「ダメじゃないよ。」
そっと涙を指で払ってあげる。

「愛してる、ラブ。」


「ほんとに~?」

「ええ。」

「絶対~?」

「絶対。」

「神様に誓う~?」

「しつこいわよ。」

「ごめんなさーい・・・」

せつなの愛してるは世界一、いや宇宙一私に効く特効薬かもしれないね!

~END~

312:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 00:57:24 e/ItH9jb
俺を泣かせてどうする気なの神様…

313:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 01:01:31 Oq0Y4yQF
ラブせつ最高や!大輔なんか最初からいらんかったんや!

314:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 01:13:19 5nQrmUB6
明日はラブッキーverです。お楽しみに。
職人さんたちのお陰でセミロング書けるようになった件w

○パのふたご先生のラブイース扉絵見ながら作りました。
やっぱ百合だよねぇ、どう見ても・・・

315:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 01:41:20 e/ItH9jb
何で続き投下してくんないんだよ…。生殺しされてる俺_| ̄|○

クラスで人気者になるせつな。それを自慢気に見るラブ。

「近寄っても無駄よ。私達、結婚するんだから!」

316:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 01:51:41 x8vmC61l
>>314
大輔が入る隙間などないねwごちそうさまです。
今からラブッキーが楽しみだ。

317:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 03:25:29 jYiOSDYG
マリファナは取引現場で現行犯が大部分
マリファナは自分で栽培すれば安全
育て方や種入手方法などのマニュアル
1万円でおわけします
roppongibig●gmail.com ●を@に

318:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 03:29:06 3VU1Rotm
通報しました

319:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 04:10:16 cqYCJTUe
>>254
今更だがブキたん吹いたwwwGJ!

320:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 06:37:03 gdOj3vPN
>>311

GJ!やっぱラブせつは最高です。
会話が脳内再生されました。

大輔なんて人は最初からいなかったのよ!


321:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 11:07:37 e/ItH9jb
>>277
お願い!ブキ美希ハッピーエンドにして下さい…すれ違いのままじゃ何か辛い…

あ~、やっぱこの時間帯は誰も居ないのか。気になって来てみたんだがw

早く夜になってくれw

322:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 12:26:03 d6hXUgyY
スレ違いエンドはスレ違いエンドで好きかな。

323:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 20:29:10 VwNIOm9B
職人の皆様方、毎晩GJです!
このスレを見るのが毎朝の楽しみになりました。
パッション爆誕からいっきにスレが伸びましたね~。

以下、ラブせつSS投下します。5レス消費。
タイトルは「せつなとラブ すれ違う心」

324:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 20:30:22 VwNIOm9B
「ラブ・・・。」

私は部屋の壁を見つめ、そっとため息をついた。
壁向こうの部屋の主は、今頃深い眠りの中にいるのだろう。
時刻は午前1時。
町中が寝静まっている中で、私は何度となく繰り返した言葉を再び呟く。

「私は、ラブの友達なの・・・?」

本人に直接聞けば、彼女はきっとこう答えるだろう。
あたりまえじゃない。せつなは大事な親友だよ!と。

私がまだイースだった頃、私は彼女たちがうらやましかった。
お互いに信頼し、支えあえる友達が、仲間がいる事が。
そう自覚したのは、ラブの心に触れてから。
今まで敵だった私を受け入れ、友達だと言ってくれる彼女たちにはとても感謝している。
私にとって、美希もブッキーも大切な友達。
もちろんラブの事も。・・・でも。

「ラブにとって、私はただの友達なのよね・・・。」

友達。
ラブにとっては、美希も、ブッキーも、学校のクラスメートたちも。
自分と同じように大切な友達なのだ。
それは、当然の事だと思う。
彼女たちは私とラブが出会うずっと前から一緒にいて、ラブと同じ時間を過ごしてきた。
その輪の中に、私が入って来ただけ。
ラブのたくさんいる友達の中に、東せつなという存在が加わっただけの事なのだ。

それでもよかった。ラブの傍にいられれば。
一緒に暮らして、一緒にお買い物に行って、一緒にダンスの練習をして。
たくさんいるラブの友達の中で、私は誰よりもラブに近い場所にいる。
これ以上の幸せなんてない。
そう、思っていたのに。

友達、親友。
この家に来たばかりの時は、その響きがとても心地よかった。
いつからだろう。
彼女がその言葉を口にするたびに、胸が締め付けられる様に苦しくなったのは。
キュアパッション。幸せのプリキュア。
幸せを求める心が生み出したプリキュア。

325:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 20:30:50 VwNIOm9B
「幸せを、求め続けるプリキュア・・・か。」

私は自嘲気味に笑う。何て強欲なのだろう。
私はきっと、現状に満足していないのだ。
自分の幸せを求め続ける。例え、周りの人間を不幸にしたとしても。
それでは、イースだった頃と何も変わりはしない。
私はもう、誰も不幸にしないと誓った。
皆の笑顔を守りたい、その気持ちに変わりはない。
だけど。

苦しい。胸が、張り裂けそう。
自分の気持ちを隠して、当たり障りのない言葉を並べて。
最近の妙に余所余所しい私を、ラブはどう思っているのだろうか。
ラブに近づけば近づく程、お互いの心が離れていく気がする。
でも、だめなの。あなたを見ていると、自分が抑えられなくなる。
私だけを見て欲しい。
私だけに話しかけて欲しい。
私だけに・・・触れて欲しい。
そう、叶わぬ想いが溢れ出しそうになる。

私は必死に隠してきた。心配する彼女に何でもないと告げて。
普段どうりに振舞う様、精一杯頑張ってきた。
でも、それももう限界かもしれない。
もう私は、私を抑えられる自信がない。

数時間前に起こった出来事が、私の理性を完全に打ち砕いてしまっていた。

326:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 20:31:44 VwNIOm9B
「せつな~。お風呂空いたよ!」
「ええ、わかったわ。ラ・・・ぶっ!」

振り向いた私の目に飛び込んできたのは、バスタオル一枚巻いただけのラブの姿だった。
ほんのり上気した肌。しっとりと濡れた髪。
もぎたてフレッシュな彼女の裸体を隠しているのは、純白のバスタオル一枚だけ。
少しのぼせているのか、潤んだ瞳で私を見つめる彼女の目は、まるで私を誘っているかのように・・・ハッ!

「ラ、ラブ。何て格好してるのよ。」
いけないいけない!私は残った理性を必死にかき集め、目を逸らす事で彼女の姿を視界から隠す。

「いや~考え事してたらちょっとのぼせちゃって。しばらくこのままでいるよ。」
こ、このまま!?バスタオルラブのまま!?き、危険すぎるわ!!
「ね、せつな。お風呂に行く前に、あたしの部屋でちょっとお話しない?」
や、やめて!私の理性はもうゼロよ!

「あ、汗かいちゃったから先にお風呂入るわね!ラブも早く服着ないと風邪をひくわよ!」
最後の力を振り絞り、よろよろとその場を去ろうとする私。
その腕を、ラブがつかむ。

「せつな、最近おかしいよ。何だかあたしを避けてるみたい。何か悩み事でもあるの?あたしじゃ力になれないのかな?」
そういって上目遣いに私を見上げてくるラブ。

私は死んだ。(主に理性が)

327:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 20:32:31 VwNIOm9B
-----
ラブの手首をつかみ、こちらに引き寄せる。
「せ、せつな?どうし・・・んっ、んう!」
そのまま唇を奪い、口内に舌を滑り込ませる。
「んっ!んんーー!!」
バスタオルの上から、柔らかな乳房をもみしだく。
少し小ぶりな彼女の胸が、私の手の中で形を変える。

歓喜に心が震える。

シャンプーの甘い香りにクラクラしながら、私はひたすらラブの唇を貪った。
もがくラブを逃がさないように、彼女の細い腰にしっかりと腕を回す。
唇を離すと、ゆっくりと彼女の首筋に舌を這わした。
ビクッと彼女の体が震える。ああ、何て愛らしいの。

「あ、せ、せつな・・・。どうして、急にこんな・・・。」
「急にじゃないわ。ずっと、ずっとこうしたかったの。」
「あ、あたしたち女の子同士だよ!?こんなの、おかしいよ!」
「そうかもしれない。でも、私はラブが好き。もう、自分の気持ちに嘘はつけないの。」
太ももを彼女の股の間に滑り込ませる。
「ラブがいけないのよ。こんなイケナイ格好で、私のことを挑発するんですもの。」
「そ、そんなつもりじゃ・・・あ!」
彼女の体を隠す、唯一の物体に手を掛ける。
ばさっとバスタオルが滑り落ち、彼女の裸体が私の目の前に晒された。

「キレイ・・・。ラブ、キレイ。」
そう言いながら、彼女の乳房に手を伸ばす。
「だ、だめだよ。こんなの・・・。あたしもせつなが好きだよ!でも。」
「【友達】として、だから?」
ハッとラブが私の顔を見つめる。
「私はいや。ただの友達でいるなんて、もう我慢出来ない。」
彼女のおしりを掴み、自分の方へと引き寄せる。
「ラブを、私だけのラブにしたい。ラブだけの・・・せつなになりたいの。」
彼女の秘肉が私の太ももでこすれ、ラブは声にならない声を上げる。

ラブの頬をそっと撫で、耳元で優しく囁いた。
「愛してるわ・・・ラブ。」
-----

328:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 20:33:25 VwNIOm9B
「せつな?どうしたの?せつな!」
ラブが私の肩を掴んで揺すっている。
はっとし、慌てて周りの状況を確認する。

どうやらいつの間にか、妄想の世界に入り込んでしまったようだ。
ラブはいつも通りだし、しっかりとバスタオルも巻かれている。
まだ、大丈夫。まだ、ラブに嫌われてはいない。よかった・・・。
ほっとすると同時に、またラブのバスタオル姿に釘付けになりそうになる。

「ご、ごめん!」 「あ、せつな!」
私は逃げるように風呂場へと駆け込んだ。
冷たいシャワーで頭を冷やす。もう、限界だった。

最近、思考の海へ沈み込んでしまう事が多くなった。
気が付けば、せつラブの百合百合な展開を考えてしまっている。
ラブの無防備な姿に理性が保たず、無意識に現実から逃げているのだと思う。
さっきみたいな事も、これが一度や二度ではない。
妄想と現実の境目がどんどん曖昧になってきていて、自分でもわけがわからなくなってくる。
このままじゃ、本当に・・・。

お風呂を上がると、ラブを避けるようにして部屋に閉じこもった。
私、どうしたらいいの?ラブ、苦しいの・・・。
彼女のバスタオル姿を思い浮かべながら、私は再び妄想の世界へと旅立っていった。

329:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 20:34:10 VwNIOm9B
「はぁ~あ。」

あたしは本日何度目かの大きなため息をついた。
時刻は午前1時。タルトとシフォンはとっくに眠っている。
あたしもいつもなら夢の中なんだけど・・・。

「あ~あ。どうしたらいいんだろう。」

頭に浮かぶのはせつなのこと。

「最近、まともに顔も見てくれないんだよね・・・。」

枕に顔を押し付けながらそう呟く。
そう、せつなはあたしを避けている。鈍感なあたしでもわかるぐらい、あからさまに。
理由はわかっている。最近のあたしの態度だ。

「いきなり、積極的過ぎたのかなぁ。」

東せつな。あたしの友達。あたしにとって、誰よりも大切なひと。
初めて出会った時から惹かれていた。
物静かで神秘的な彼女に、どうしようもないくらい魅力を感じていた。
最初はそれが、女の子らしいせつなに対する憧れだと思っていた。

「まさか、自分と同じ女の子を好きになるなんて思わなかったな。」

そう、あたしはいつの間にか、せつなのことを好きになっていた。
ううん、せつなのことが好きだと自覚した、という方が正しい。
たぶん最初から、あたしはせつなのことが好きだったのだ。
友達としてではなく、一人の女の子として。
気が付いた時にはもうどうしようもなかった。
せつなをあたしだけのものにしたい。
あたしだけを見ていて欲しい。
あたしだけを、好きだと言って欲しい。
けど、そんな想いが叶うはずもなく。
あたしはせつなに対して必要以上に友達という言葉を強調することで、自分の気持ちを誤魔化してきた。
でも、やっぱり無理。自分の心を偽って、せつなと接するのはとても辛い。
だから決めたんだ。せつなに振り向いてもらえる様、努力しようって。

とは言っても、どうすれば好きになってもらえるかなんてわからなかった。
せつなが女の子のことを好きになるかどうかもわからないのに・・・。
もうすぐ新学期が始まる。そうすれば、せつなはあたしと同じ学校に通うことになる。
それはとっても嬉しいことだけど。学校には男の子もいっぱいいるわけで。
せつなが他の男の子のことを好きになっちゃったらどうしよう、とか。
せつなに憧れる後輩の女の子が告白してきちゃったらどうしよう、とか。
最近はそんなことばかり考えてしまって、学校が始まるのがとても怖い。
それまでにせつなに振り向いてもらわなくっちゃ!
そう焦って、せつなにあたしを意識してもらうように積極的に動いている。けど。


330:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 21:00:09 VwNIOm9B
「ご、ごめん!」
そう言ってあたしの手を振り払った彼女の姿が思い浮かぶ。
つい数時間前の話だ。
作戦その44、お風呂上りのセクシーな姿でせつなのハートをメロメロよっ!は、
これ以上ないくらいの失敗に終わってしまった。
やっぱりあたしの体って魅力ないのかなぁ~。タハハ・・・。

最近せつなはじっと考え込むことが多くなった。
特にさっきみたいにあたしがアプローチをかけると、
急に物思いに耽るように顔を伏せ、謝罪の言葉を述べて逃げ出してしまう。

それが、堪らなく悲しい。

もしかしたら、せつなはあたしのやましい心を見抜いているのかもしれない。
それでもせつなはあたしを拒否しない。せつなは優しいから。あたしを拒否することができない。
その優しさに付け込んで、あたしは・・・。そんなの、最悪だ。

せつなに嫌われたくない。でも、もっとせつなに近づきたい。せつなにあたしを見て欲しい。
唯のわがままだよね、こんなの。
アハハと力なく笑う。あ、涙でてきた。
笑いながら泣くなんておかしいよね。はは。

「はぁ~あ。」

ホント、どうしたらいいんだろう。
せつな、会いたいよ。
隣の部屋にいるのに、心はずいぶん遠くに離れちゃった気がする。
初めてせつなが家に来た頃は、毎晩お互いの部屋を行き来してたのに・・・。
最近はあたしも妙に意識しちゃって、なかなかせつなの部屋に行く勇気が出てこない。
せつなもあたしを避けてるみたいだしさ・・・はぁ。

あぁ~。せつなぁ~。イチャイチャしたいよ~。
あたしの思考は、既に日課となっているラブせつの妄想へと突入していった。

331:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 21:00:52 VwNIOm9B
-----
「ラ、ラブ。私たち、女の子同士なのよ?」
「うん、知ってる。でも、あたしはせつなが好きだよ。」
「わ、私もよ。けど、いいの?私なんかで・・・。」
「せつなじゃなきゃだめなの。もう、自分の気持ちに嘘はつけない。」
「ラブ、嬉しい・・・。」
「せつな・・・。好き・・・。」
「あっ!ラブ!だ、だめよそんなところ。汚いわ。」
「せつなの体に、汚いところなんてないよ。」
「あ・・・だ、だめ。んっ!」
「せつな、とってもキレイだよ。」
「いやぁ。恥ずかしいから、あんまり見ないで・・・。」
「可愛いよ、せつな。大好き。」
「ラブ・・・私も、私もラブが好き。大好き。」
「せつな・・・。」
「ラブ・・・。」
-----

にへへ~と顔がにやける。
枕に顔を埋めたまま、ゴロゴロと布団の上を転がった。
ああ~せつなは可愛いなぁ~。
さっきまで悩んでたのに、ラブせつパワーでなんだか元気が沸いてきた!
単純だな、あたしって。
よし!もう一度頑張ろ!
作戦その45、なんだか眠れないの。せつな・・・一緒に寝てもいい?で、せつなゲットだよ!
あたしは枕を小脇に抱え、タルトとシフォンを起こさないようにそっと部屋を抜け出した。

~END~

332:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 21:02:02 VwNIOm9B
以上で投下終了です。
初投下で稚拙なSSですが、読んで下さった皆様、ありがとうございました。

フレプリのいいところは、4人全員誰とペアを組ませても違和感ない事ですね。
このスレみて、ラブ⇔せつな←ブッキー←美希にはまりました。
大輔・・・お前は自重しろよ。な?

333:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 21:07:01 VwNIOm9B
>>323
5レスではなく8レスでした・・・。
長くてすみません。

334:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 21:14:56 e/ItH9jb
>>332
初投下で内容がコンプリートされてるとか、どんだけプロ職人なのw
危うくエロで逝きそうになった。切り替えウマー

最後のラブの作戦数の多さにワロタw

大輔涙目。すまんな

335:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 21:20:49 HccvBWxk
>>333
GJ!神ですね。続きが気になります!!


336:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 21:27:02 5nQrmUB6
>>332
同居ならではの展開+妄想HでオチがラブらしくてGJです!
初めてでこのレベルの高さ・・・。勉強になります。

やっぱせつなの加入がでかかったですよねー。中断してたSSやり
始めたキッカケでしたから。

保管作業進んでいます。背景画も加わりました。知らない間に
手伝ってくれてる同士に感謝。
URLリンク(www12.atwiki.jp)
では後ほどお礼投下を。

337:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 21:49:00 m36JL5Yn
>>332
二人とも妄想が激しくてお似合いですねww
やべぇ、二人とも可愛すぎる。GJ!

338:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 22:09:04 mKgjhS4c
初投下でみんなこんなレベル高いのかよ・・・
なんか・・・ほんとにすごいな。尊敬

339:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 22:44:50 7EuRwVtV
>>332
さ・・・・作戦その43以前の内容が気になります!


GJです。 ラ・・・ぶっ! でふいたww

340:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 22:50:58 1J3ztUKb
「ある日のお風呂」書いたものです。
勢いに任せて書いちゃいました。
2度目の投下でお目汚しすみません。


341:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 22:51:25 1J3ztUKb
【秘めごと】

「はぁ…」
今夜もまるで寝付けない。ここ最近、毎晩だ。遅くまで眠れずに考えて考えて、考え疲れて明け方に眠りにつく。

考えるのは隣の部屋で眠る女の子のことだ。
彼女のことを思うと、それだけで心も身体も熱くなる。
ダメだよ。せつなは女の子なんだよ。好きになっちゃダメなんだもん。
でも、せつなを思い出すと、脚のあいだが熱い。なんだか、変な気分…。

熱さの正体が知りたくて、そっと下着の中に手を伸ばし、中心に触れる。
とろん…。
な、に?なんで?あたしってばおしっこ漏らしちゃった?
少し焦ったけど、しばらく弄っているとわかってきた。ううん、おしっこなんかじゃない。
前に美希ちゃんに聞いたことがあるアレだ。

「気持ちいいと、女の子はアソコからジュースが出るの。ラブジュースって言うのよ。好きなひととエッチなことして気持ちよくなったら出るのよ」

だけど、今のあたしは?
せつなのことを思ったのだけなのに。
きっと、あたしってすんごくエッチな悪いコなんだ。
せつなを思ってアソコからジュースを出してる。
せつなに触ってほしくて、せつなに触れたくて。

「ふ…ぁあ…」
罪悪感と快感の中に漂いながら、彼女の名前を呼ぶ。
「せ、つ、な…」

その光景を、ドアの隙間から微動だにもせず覗き見るのは、黒髪の少女。
眠れない夜は隣の部屋へ忍んでいき、大好きな少女の寝顔を見るのが日課となっていた。
それが一体どうしたことだろう。これは現実なの?目の当たりにしていながら信じられない。
恋しい少女がひとり遊びに耽りながら、自分の名を呼び果てようとしている。

ラブ…あんなに乱れて…。そんなに思ってくれていたなんて。
わたし、精一杯あなたの心に答えるわ。

いつもドアの隙間から寝顔を見るだけで満足だった。
だから、部屋の中に入るなんて考えたこともなかった。
ラブ、待ってて。今わたしもいくから。

強い決意に支えられて、せつなは一歩前に歩き出した。


342:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 22:55:53 1J3ztUKb
皆さんの良作に刺激されまくりました。
台詞だけより大分難しくて悩みましたが、下手なりに書いて楽しかったです。
ありがとうございました。

343:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 23:01:00 yK7cExnq
なんでこんなみんあレベル高いんだwびっくりするわw

344:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 23:01:24 e/ItH9jb
>>342
いいねぇ。ラブも等々覚えたか。て事は美希たんもう知ってるんだな…。

誰でやったんだ!?

自重はしないぞw
無論GJ。続きに期待。てか作って下さい。

345:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 23:06:53 5nQrmUB6
>>342
やっぱベランダから行けるトコがポイントっすよねー。
お目汚しなんてとんでもない!これもまたラブせつ百合
パターンの一つだよね。

自慰は何か新鮮でした。微エロ続くねぇ。

346:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 23:14:47 Gnej4TQ6
>>311
萌えた!
ラブゥは妙に頑固なとこあるから

>>324
おもしろいw
まともになったり壊れたりの不思議なバランス感覚と
隣室という胸キュンシチュエーションが良かったです
>>341美希たんの話題って一体w
だがこれで幸せゲット間違いなし!

347:MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/08/20 23:31:29 5nQrmUB6
【愛してると言って~ラブ祈里ver】
四人仲良く笑っていられる事
みんなの笑顔は私のオアシス

だけど、これっていつまで続けられるのかな。


来年はみんな受験で忙しくなる。
美希たんはどうするんだろう。
ブッキーはどうするんだろう。
せつなはどうするんだろう。

自分の事より、友達の事ばかり気にしてる。


せつなが加わってからのダンスレッスンは今まで以上に楽しい。
美希たんやブッキーも以前と比べ物にならないぐらい輝いてる。
ミユキさんの教えは厳しいけど、終わった後の清清しさは癖になるほどで。



でも、明日はこれが出来るかな?明後日は?来月は?

来年・・・

不安で何度も押し潰されそうになる。一人でいるのが怖い。
こんな事みんなに相談しても〝わからない〟って言われるだろうし。
一人が本当に怖くなる。




「寂しいよ」


348:MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/08/20 23:32:06 5nQrmUB6
私の暗い顔なんてを誰にも見せたくない。そんなの私らしくないから。
そんな時、私の心を癒してくれるの場所がココ。四葉町が見渡せる丘。
いつでも私を快く出迎えてくれる。

目を閉じて横になると自然に落ち着けるんだ。心が安らぐ瞬間を感じれる。



いつしか眠ってしまった私に誰かが声をかける。聞き覚えのある声だ。
「やっぱりここにいたんだね。。」 

「ブッキー・・・」

「最近ここがお気に入りなの?」


「バレてたんだ・・・。理由なんて無いよ。何となく・・・、何となくね。」
私がここに来てる事を知ってた驚きと、気持ちを悟られたくない葛藤で
返す言葉に気持ちが入らなかった。


「隣座ってもいいかな?」

「うん。」


「元気ないよ。ラブちゃんらしくない。」

「そんな事ないよ。考え事してただけ。」

「そうかなぁ?だったらラブちゃん笑ってるはずだよ?」
ブッキーはそう言うと私の顔を覗き込む。天使のような可愛い顔して。

349:MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/08/20 23:32:39 5nQrmUB6
「ブッキーに嘘はつけないかな、やっぱ。」


「どうしたの?誰かとケンカしちゃったの?私ね、ラブちゃんの事ずっと心配してたんだよ。」



「寂しくなっちゃって。私ね、みんなともっともっと一緒にいたいんだ・・・。」
情けなかった。相談してる内容が子供のワガママみたいになっちゃって。


8月にしては涼しい風が私たちを横を通り過ぎた。
するとブッキーが口を開く。

「私、ラブちゃんの役に立ちたい。ラブちゃんのために何か出来ると思う。元気になってくれるって信じてる!」
天使の声、その物だった。ブッキーの優しさがこんなに有難いと思ったのは初めてかもしれない。



「不安なんだ・・・。私は4人でいる事がホント幸せ。でもこれがね、いつまで続けられるんだろって。」
正直、ブッキーにもわからなかったはずで。難しい悩みだったと思う。まして私たちはまだ14年しか生きてないのだから。


「私も不安だよ。ラブちゃんと一緒。美希ちゃんやせつなちゃんも一緒だと思う。だけどね・・・」

「だけど?」

「一人で悩むより・・・、相談して欲しかった。ずっと気になってたんだよ?ずっとラブちゃん
の事見てた・・・。本当は私から声かけるべきだったよね・・・。ごめんなさい・・・。」


「ううん。ありがとブッキー。心配してくれてただけでも嬉しいよ。」


350:MH22S ◆Tp0rBcFpoc
09/08/20 23:33:05 5nQrmUB6
「私、これじゃ何の役にも立ってないよね。ラブちゃんが苦しんでるのに・・・。私には何も出来やしない・・・。」
ブッキーは泣いていた。美希たんやせつなと比べてしまったのだろう、ブッキー自身を。
悪い事をしたなって今でも反省してる。


「私ね、ラブちゃんの事が好き。ラブちゃんの笑顔も。踊ってる姿も。ラブちゃん全部が大好き。
あ、それとね・・・。私をここまでにしてくれたのはラブちゃんなんだよ?」


「え?」
確かに。幼い頃からのブッキーを知っていれば驚く程、感情豊かに成長していた。

「私の力だけじゃないよ。私たちには美希たんがいて、せつなもいてくれたからだよ。
それと、変わりたい!って信じ続けたブッキーの力がイチバン!」
いつの間にやら私よりブッキーを気にしちゃってる自分がいて。相変わらずの自分に思わず笑ってしまい。

「さ、帰ろう。あっ!ドーナツ食べいこっか!美希たんやせつなも誘っちゃおう!」
そう言ってブッキーの手を引っ張る。

「キャッ」
勢いあまって重なる二人。


「ラブちゃん・・・。」
「ん?」

「本当に好きなんだよ?4人でいる時も1人でいる時も、ずっと・・・」

「言ってくれるね~」
そっと涙を指で払ってあげる。

「愛してる、ラブちゃん。」


「ほんとに~?」

「うん。」

「絶対~?」

「恥ずかしいよぉ・・・」

「神様に誓う~?」

「もぅヤダぁ・・・。」

「私もだよ、ブッキー」

ブッキーの愛してるは甘酸っぱくて。
今日より明日、明日より明後日、またみんなで輝いて行こうね。

~END~

351:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 23:35:52 5nQrmUB6
明日はラブ美希で投下します。読んでもらえるって信じてる!
微エロじゃなくて申し訳。

352:名無しさん@秘密の花園
09/08/20 23:47:27 e/ItH9jb
>>351
ラブせつと所々文章変えてるんだね。細かい仕事乙です。

ブッキー優しいなー。最後の駆け引き好き。昨日と比べるとキャラ違いが良く分かる!GJ!明日も期待age

353:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 00:14:49 rNQixwXX
四人で何パターン出来るんだろ?どんどん保管庫も溜まってるし。

職人全てに敬意を。

354:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 00:32:02 h8WRji5i
ミユキさんや皆の母親とかを含めたら、まだまだいけるさ!

355: ◆BVjx9JFTno
09/08/21 00:32:17 hv+HHR12
こんばんわ。
美希せつで浮かんだので投下します。
9レスほどお借りします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

闘っていたときに無意識に感じていたのは
強い人に対する憧れ。

強いと思っていた人が見せた
脆さ、ひたむきさ。

それに惹かれたのかも知れない。




  【Unreachable】




「うわー、可愛いー!」

ラブとブッキーが同時に声を上げる。

ドーナツショップのテーブルで、あたしたち4人は
雑誌を広げていた。

今月初めに発売されたティーンズ向けファッション誌。
夏のアウトドア特集に、あたしが載っている。

「わはー!このページ美希たん水着だよ!たまらんねこりゃ」
「ラブちゃん、何かオジサンみたいだよ」

せつなも、あたしの顔と雑誌を交互に見ている。

「すごい...本当にモデルやってるんだ...」
「読者モデルってたくさんいるから、そんなに大したことじゃないよ」
「あーぁ、あたしもこんな風に雑誌に載ってみたいなぁ」
「クローバーで頑張ってさ、載ってみようよ」
「そうだね!表紙ゲットだよ!」

雑誌を見ているせつなの横顔に目をやった。
くせのない髪、長い睫毛、大きな瞳、整った鼻筋。

同性でもドキッとするほど、可愛い。




356: ◆BVjx9JFTno
09/08/21 00:33:09 hv+HHR12
ふと、髪が結構伸びていることに気づいた。


「ねぇせつな、髪伸びたね」

「ええ...向こうでは機械で勝手にやっていたから
 こっちの世界でどうやってるか解らないの」

「せつな、美希たんのところで切ってもらいなよ。
 美希たんのお母さん、すっごく上手なんだよ!」

「今日は店休日だけど、電話して聞いてみるね」


ママに電話すると、二つ返事でOK。
あたしが手伝う条件で、無料で良いそうだ。

「じゃぁ決まり。今から行きましょ」

「私とブッキーは夕ご飯の買い物に行ってくるから、ごゆっくりー」


せつなと並んで歩く。

「本当にいいの...?」

「うん。気にしないで。
 ママもせつなに会いたがってたし」

「ありがとう、美希」

せつなが笑顔を見せる。

心臓が、
ドクン、と脈打った。

どうしたの、あたし...



357: ◆BVjx9JFTno
09/08/21 00:34:18 hv+HHR12

ママはせつなと軽妙におしゃべりしながら、
手際よく髪を切りそろえていく。
よく口と手がここまでバラバラに動くものだ。

シャンプーとトリートメントは、あたしが担当。

せつなの髪はするすると指が通り、地肌もやわらかく
ついすみずみまで指先で触れてしまう。

指先を通して、せつなの体温を感じる。

「とっても気持ちいい。上手ね、美希」
「ふふ、これでもお手伝い歴長いんだから」



ママがブローをして仕上げる。

「さ、これでOK。おつかれさま」
「ありがとうございました」

ぺこりと頭を下げたせつなから、髪のいい匂いが拡がる。


「私、これから和希のところに行ってくるから、
 お留守番よろしくね。」
「そっか、今日お見舞いに行く日だったね」

「じゃぁせつなちゃん、ごゆっくりね」
「ありがとうございます」



358: ◆BVjx9JFTno
09/08/21 00:35:44 hv+HHR12

せつながあたしの部屋に入ってきた。

「わあ...きれいな部屋ね」

すっきりと片付いた室内、大きな鏡台、しゃれたアロマライト。
アロマライトにはリラックスできる香りのオイルを落としておいた。

「何かとっても落ち着く...」


何か恋人を招き入れた気分になり、
胸の鼓動が速くなった。

何なのよ、あたし...


「ちょっと、飲み物持ってくるね」

いそいそと居間に降り、冷蔵庫からアップルジュースを取り出して
2つのグラスに注ぎ、氷を浮かべて持っていく。

「ありがとう。ちょうど喉が渇いていたの」

せつなはほぼひと息で飲み干した。


あたしもアップルジュースに口を付ける。


...!



359: ◆BVjx9JFTno
09/08/21 00:37:09 hv+HHR12

何か違う。

これって...リンゴの味するけど、お酒じゃない?

「ごめん、ちょっと待っててね」
あわてて冷蔵庫まで戻り、ジュースの瓶を確認する。

「やっぱり...!」
ママがいつも飲んでるシードルだった。


ばたばたと部屋に戻る。
「せつなごめん!さっきのはジュースじゃなくてお酒...」

部屋に戻ると、せつなが椅子に座ったまま、
船をこぐように眠りかけていた。


とりあえず肩を貸すように抱え、ベッドに寝かせる。

「ふぅん...」

せつなの吐息が顔にかかる。

胸がゾクゾクする。


あたし、何考えてるの?

女同士だよ。

あたしは恋愛も完璧にこなすんだから。



360: ◆BVjx9JFTno
09/08/21 00:39:07 hv+HHR12

時計の秒針の音と、せつなの寝息だけが聞こえる。


目は本に向いているが、内容なんて頭に入りやしない。
耳をすませて、せつなの寝息を聞いている。

せつなの寝顔を見る。

髪のいい匂いがする。

自然に整った眉。

閉じるといっそう長さが強調される睫毛。

きめの細かい肌。

ぽってりとした唇。


ついこの間まで、敵として闘っていた。
ラブを騙そうとしている、したたかな女。
生気の無い笑顔を見て、絶対に裏があると思っていた。

でも、

ラビリンスから排除され、この世界でひとつひとつ
やり直しているせつなを見て、あたしの中に
ある感情が生まれた。


守ってあげたい。


いや、


独り占めしたい。


あたしは、自分の中にある気持ちを
はっきりと認識した。


せつなを、あたしだけのものにしたい。



361: ◆BVjx9JFTno
09/08/21 00:41:32 hv+HHR12

せつなの唇から、目が離れない。

でも、

だめよ。

女同士じゃない。


心とは裏腹に、あたしの顔はどんどんせつなに近づく。
せつなの匂いが、鼻をくすぐる。


だめよ、

しちゃうと、

堕ちちゃうよ。



...ちゅっ。


甘美な感触に、全身が震えた。
心臓が飛び出しそうなほど高鳴っている。


唇を離すと、せつなが目を閉じたまま軽く微笑み、
おねだりをするように、唇を少し尖らせた。


...ちゅっ。

もう一度、口づける。

せつなの手が、あたしの髪に触れた。

すぐ近くにあるせつなの顔が、少し寄って来て
あたしの唇の近くに、小さく、何度も口づける。


胸の鼓動が聞こえるほど高鳴った。


「...ラぁブぅ...」



362: ◆BVjx9JFTno
09/08/21 00:43:45 hv+HHR12

冷水を浴びたように、体が、心が、固まった。

それは、今まで全く聞いたことがない、せつなの声。

ベッドで恋人にささやきかけるような、甘えた声。


あたしの唇に唇を重ねていたせつなの動きが
また止まり、パタンと手がベッドに落ちた。
寝息がまた聞こえてくる。


あたしはベッドの横にへたり込み、目の焦点を合わせるでもなく
せつなの顔を見つめていた。


どのくらいそうしていただろうか。
窓の外からは夕日が差しこんている。
せつなが目を覚ました。

「...ん...あれ?ごめんなさい、何か寝ちゃってたみたい」
「何か疲れてたみたいだったんで、ベッドに寝かしておいたの」

「そう...私、何か寝言とか言ってなかった?」
「...ううん、別に。」




363: ◆BVjx9JFTno
09/08/21 00:46:10 hv+HHR12
「あっ、こんな時間!私、そろそろ帰らなきゃ」


玄関を出る。

「美希、今日はホントにありがとう」
「うん。明日はダンスレッスンだから、また頑張りましょ」
「そうね。じゃあまた明日」
「うん。バイバイ」

通りを歩いていたせつなが一度振り返り、笑顔で手を振る。
手を振り返し、家に入る。


部屋に戻ってドアを閉めた瞬間、抑えていた感情が
涙になってあふれてきた。

せつなが口づけしていたのは、
あたしじゃなかった。


でも、これでいい。


せつなとは友達のまま。
クローバーも今までどおり。
何も変わってない。


あたしが、勝手に失恋しただけ。


ベッドに横になる。

「さすが、あたし」

心にもないことを、口にする。


「失恋だって、完璧にこなしちゃうんだから」

言い終わる前に視界が歪んだ。


あたしは枕に顔を深くうずめ、ありったけの声をあげて泣いた。



364: ◆BVjx9JFTno
09/08/21 00:47:13 hv+HHR12

以上です。ありがとうございました。

書いてて辛くなった。
誰か美希たんを幸せにしてやってくれ...



365:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 01:01:50 lrqmdvHs
もうラブに犯られちまったのか

366:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 01:17:38 YKtE1tOV
GJ!!
美希たんの気持ちがすごく伝わってきたよ。こっちまでドキドキしたw
ラブラブなのもいいけど切ない話もたまらんね~。


367:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 02:33:11 iU3dPPci
んぬあああ~う!!たまらん!せつねえ!だれか美希たんを幸せにしてあげて!!

368:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 02:34:36 iU3dPPci
この文体は・・・いつも乙です!

369:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 02:55:33 cq2nmsiw
次々新作投下されてる。皆さんどんだけのスピードで書いてるんですか…。
しかもどれも神作ばかりじゃないか…。
>>351
甘酸っぱさに悶え死んだ…GJです!ブキラブいいなあ…。
>>364
切ねええええええ!!GJ!!美希たん報われてよ美希たん…
新しい職人さん達もスゴいっす!やっぱここレベル高いわ…。

370:名無しさん@秘密の花園
09/08/21 02:57:15 jPat6EvE
GJです!

自分、基本ラブせつなんだけど、ブキせつ、美希せつもいいなあ。
ってか、どんなカプでも萌えるなんて、すごいアニメなんだな。
このスレに住みはじめてから、妄想が止まらなくなってる。
3人がかりで嫌がるせっちゃんを喜ばせたい。

371: ◆ZU7CldKWo2
09/08/21 03:05:42 ziW8mmoo
保管庫に拙作を入れて頂き、ありがとうございました。


今日もSS祭りですね。わかります。

っていうかみんな、レベル高い・・・・・・私も精進しないと。


>>364
幸せというかはわかりませんが、美希せつの穏やかな日常風景で。

372: ◆ZU7CldKWo2
09/08/21 03:07:35 ziW8mmoo
 秋の匂いが漂う河川敷。ワーワーと子供達が野球に熱中する声が空に響く。
 その片隅の草っぱら。傾斜の途中に座る、少女が一人。
 目を閉じて、イヤホンからの音に耳を澄ます。思い描くは、ダンスシーン。ト
リニティの三人が、ステップ、ステップ、ターン、ステップ。指先まで綺麗に手
を両に伸ばして、綺麗にポージング。
 心に描くは容易なこと。けれど、実際に自分がしてみると、全然うまくいかず。
腕に意識を向ければ足がおろそかになり、ステップを気を付ければリズムが狂
う。

「体で覚えるしかないわね」

 ミユキにコツを聞いた時、そう応えられたことを思い出す。

「何度も何度も、繰り返し繰り返しレッスン。ダンスを上手くなるには、これし
かないわ」

 頑張ってね。
 笑顔でそう言った彼女は、どれほどの汗を流したのだろう。ステージの上、ス
ポットライトを浴びるミユキのダンスには、揺ぎ無い自信が感じられる。
 すごい。素直にそう思う。
 一つのことに夢中になるというのは、とても素敵なこと。
 私も、いつかはそういったものに出会うんだろうか。

「――」

 誰かに声をかけられた気がして、目を開ける。それと前後して、後ろから両の
イヤホンを奪われて。

「こんなところで、何やってるの、せつな?」
「美希」

 振り向いたそこにいた親友の姿に、せつなは驚きに目を見広げた後、ゆっくり
と笑ったのだった。




      Whisper in the Wind


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