09/07/23 04:18:58 58aX2IH4
「ねえ君、今1人?」
突然声をかけられたことで驚いて思わず振り向いてしまった。
全く知らない男の人が2人、私を見下ろしている。
お世辞にもいい人そうには見えない。
「さっきあそこのライブハウスから出て来たでしょ?ギター背負ってるし・・・もしかしてバンドやってるの?」
「え!?えっと・・・あの・・・」
「君かわいいねー。もしバンド探してるんならさ、うちに入らない?もし興味あるなら話だけでもそこの喫茶店でどう?」
困った・・・。
2人は代わる代わる私に話しかけ、こういうことに慣れていない私が返事に詰っているのをいいことに話を切るつもりはないらしい。
私が本当に困り果て、そろそろ半ば強引に2人に連れて行かれそうになったとき、
「おーい、梓?梓じゃないか?」
天からの助けだった。
向こうから律先輩がこちらに向かって小走りに近づいてくる。
「なんだ梓、こんなところで会うなんて奇遇じゃないか」
そして私の隣に並んだところで目の前にいる2人に気がついた。
「誰?お前の知り合い?」
「君こそ誰だよ?俺達はこの子と話してたんだけど」