09/07/22 18:32:15 W0kC/gHI
宴会場での全員揃っての夕食とミーティングも終わり、合宿初日は終わろうとしていた。
移動疲れもあり、ほとんどの参加者は早々に自室に戻った。
久、まこ、美穂子も部屋に戻り、敷かれていた布団に寝転んだ。
「あー楽しい一日だった」
「いちおー部活の合宿なんじゃが」
「合宿でも楽しまないと損だと思わない? 私だって、やることはちゃんとやるつもりよ」
「すまん、言ぅてみただけじゃ」
「わかってるって」
美穂子は布団で仰向けになり、二人の会話を聞いていた。間に入りたくても、壁があるように感じて入れなかった。
消灯し、暗闇になっても美穂子の目は開いていた。まこと一緒にいる時の、久の生き生きとした顔が脳裏から離れない。
まこの布団は少しも動かなくなった。もう眠っているのだろう。
久の布団は、時折寝返りを打つ音が聞こえた。まだ起きているかもしれない。
美穂子は声をかけようか迷っていた。でも、何を話したらいいのか分からなかった。
そうこうしているうちに、久の布団が大きく動いた。
もぞもぞと音がして、音はまこの布団と一つになった。
美穂子は布団を頭までかぶって耳をふさいだ。
終