09/07/07 22:25:56 ORiz3BYu
「それを貸せっ蒲原!!」
携帯が私の手からすっぽりと奪われる。
ユミちんはいそいそと私の携帯を弄ってなにかを必死に読んでいた。
「くそっ、他人の携帯は操りづらい…。それにしても酷いな蒲原・・・」
モモの携帯は自分のものみたいに操れるくせに。
ユミちんは、呼称が途中で素に戻っているだの、風景描写は前半で飽きたのかだのくどくどと文句を言う。
いいじゃないかそのぐらい…自信作だぞ!!
「妹尾は現国が得意だと聞いたのだが…少し世話をしてやったらどうだ?」
ユミちんはそうかおりに言い寄っていて。…大きなお世話だ。
「どれもすごく智ちゃんらしい間違いだから、私には直せません…。」
そうだぞかおり!!私たちはこれでいーの!!
困ったような顔をユミちんはしていた。
「まっまぁ落ち着いてよユミちん!!ここに遊園地のチケットが4枚ある…これで手を打とう。」
ムッとした顔をユミちんはしていたけれど、モモの笑顔を見たらそんなことはどうでも良くなったのか、チケット2枚で手を打った。
「わ、私だけ仲間はずれですか…。」
「つ…津山!!」
私が連れてきたのにすっかり忘れていた。
むっきーはぽろぽろと泣いていて寂しそう。あちゃあ…つい置いてきてしまった。
「蒲原…分かっているな?」
私の手元にあった残りの2枚も気づいたらユミちんの手の中。
次いで、かおりとむっきーのてに収まった。
「今週末は皆で遊園地だな。」
ユミちんの言葉にみな笑顔で頷く。私はワハハと笑うことしか出来なかった。
しかたない、それもいいか。今週は皆で遊園地。私だけ自腹でも不満はないかな。
とりあえず、新聞部にもう一枚チケットをくれるように頼むことにしようと心に誓ったのであった。
Fin.