09/08/11 22:11:31 PysN3efq
眠ったせいもあってか、さっきまでの嫌な嫉妬めいた気持ちは収まってきてたけど、今はまた
違う黒い気持ちが湧いてきていた。
・・・罪悪感と自己嫌悪。
(気持ち悪い、わたし)
いくら好きだからと言っても、せつなちゃんの知らないとこで服の匂いを嗅ぐなんて。
ストーカーとか変質者とか、そんな風に言われる人たちと一緒だ。こんなこと皆にバレたら・・・
プリキュアどころか、友達でさえいられなくなっちゃう。
(もう、起きなきゃ・・・)
でも、まだ残り香のせいか、少しだけ黒い気持ちの中に甘いものが混じる。
(祈里、って呼び捨てでも良かったのにな)
ブッキ―って皆と一緒の呼び方じゃなくて。
せつなちゃんだけは祈里って呼んでてくれても良かった。それだけでわたしは小さな幸福感を
得られたかもしれない。
(わたしがせつなちゃんだけちゃん付けしなかったら、そんな気持ちも味わえるかな?)
クスッと笑ってしまう。たぶん皆ビックリするよね。
でもそんな事は多分しない。それがただの悲しい自己満足で、一人よがりだって分かるから。
このジャージと一緒だ。
でも。だったら。
今なら呼べるかもしれない。今、このわたしと彼女の残り香しかないこの暗闇の中なら。
「・・・せつな・・・」
「なあに?ブッキ―?」
バネ仕掛けの人形のようにわたしは飛び起きた。