09/08/04 17:45:45 xIBf24PY
その夜、私はラブの部屋を訪ねた。忍び込んだ、というべきか。
ラブは既に眠っていて、タルトもシフォンも仲良く抱き合って眠ってた。私はラ
ブの寝顔を見つめて、溜め息を一つ。
「私は…ラブの友達なの?」
私は嫌なの、友達は嫌。
ラブのたくさんいる友達の一人なら、私はラブの友達になんかなりたくない。な
んでこんなに我が儘なんだろ。やっぱり、心が貧しくなってしまったからなのか
な。
ぽたり、と一滴、ラブのベッドシーツに吸い込まれた。
「……せつな…」
「あ…」
ラブの目がゆっくり開いた。
「どうしたの…?嫌な夢でも見たの…?」
「ううん、なんでもないわ」
「嘘つき」
ラブは私の手を引く。
「おいで、せつな」
その手に導かれ、私はベッドに潜り込む。そっと抱き締められ、髪を撫でられて
、なぜか胸が苦しくなる私に、ラブは小さく微笑んだ。
「せつなは特別だよ」
「え…?」
「せつなは特別、」
ふわっと唇が塞がれた。
驚いて目を見開く私に、ラブはいたずらっ子みたいな顔で笑った。
「他の友達と違う、せつなは特別な存在なの」
だから嘘は吐かないで、って悲しそうな顔をして言うから、私はラブの胸に顔を
埋めて小さく頷いた。
だけど、本当はラブを独り占めしたいだなんて、恥ずかしくて言えない。
その日はあの夢は見なかった。
私はいつだってラブに守られてる、そんな気がした。
End