09/08/04 17:43:09 xIBf24PY
私を呼ぶ声が聞こえた。ラブの声だ。暗闇を照らす光が見える。私は光に手を伸
ばす。
「せつなぁ~朝だよ~」
「…」
「早く起きないと、学校遅刻しちゃうよ?」
まだ見慣れないこの光景、もう1ヶ月近く経つっていうのに。それに、またあの
夢を見た。ずっと見ている夢だ。昨日も、その前も。
「…うなされたの?」
ラブが心配そうな表情で私の顔を覗き込んできた。私は首を横に振って、そっと
笑いかける。
この子の笑顔を曇らせるのは、いつからか凄く嫌になった。だから貴女の嫌いな
嘘を吐く様になった。
「大丈夫よ」
「そう?嫌な事があったら、すぐに言うんだよ?あたし達、友達なんだから」
友達という単語にも最近違和感を覚える様になった。友達、親友、って貴女は言
う。最初はそれがとても心地よかったけど、今は違う。なんか…気持ち悪い。
「…ありがとう」
「じゃ、朝ご飯食べよっか!」
「ねぇ、さっき言ってた、学校…って何…?」
「今日から新学期でしょ?せつなも学校行かなきゃ」
「私、学校なんて行った事ないわ」
「でも行かなきゃ!義務教育!」
「ええっ」
「制服も準備しといたよっ、早く着てみてよー」
「ちょ、ちょっとラブ!?」