レズ声優出張所Part12at LESBIAN
レズ声優出張所Part12 - 暇つぶし2ch955:京都旅行一日目 side koshimizu 4/8 ◆NgK5YCJ68I
09/06/23 01:05:34 Roc1q4kS
「そうだ、ぺー」

箸を置いてバッグを漁った。
今、プレゼント渡しちゃおう。

「ん?」

「あのね、2月はぺの誕生日でしょ?」

「うん、なんかすごい唐突な話題だけどなんで?」

「三瓶の誕生日プレゼント買っちゃいましたーー!」

バッグの中から、さっき入れた小さい手提げ袋を取り出す。ぺの目の前にそれを掲げた。
ぺは一瞬ぽかんと停止して、目をぱちくり。

「はあ!?早くない!?」

「うん早い。なんだけどね、衝動買いしちゃったの。プレゼントフォー・ユー!」

「お、おお、ありがとう」

目の前に掲げられた手提げ袋を、ぺがおそるおそる受け取る。

「えー、わー。嬉しいけどなんか、悪いなあ。開けていい?」

「開けて開けて!」

紙袋から小さな箱をとりだして、しゅるりとリボンを解く。箱を開けてケースをぱかりとあけた。
ぺの反応が少し怖くて変に緊張する。

「おーー」

ぺが歓声をあげた。

「これはピンキー?だよね?」

「うん。ピンキー」

ぺが箱の中心に埋め込まれているピンキーリングを取り出した。シンプルなデザインの、ピンクシルバーのピンキーリング。

「あれ?これ、もしかして」

「うん!ペアのピンキーちゃん」

私は指輪をはめた手の甲をぺに見せた。ぺとお揃いのピンキーリングがきらりと光る。

「可愛くってさー。シンプルだし、三瓶ちゃんの分も買いたくなっちゃって」

「へー」

これは、本当。

最初は自分へのご褒美のつもりで買ったピンキーリングだったけど、ぺにもつけてもらいたいな、似合うだろうなって思ったら、衝動買いしてた。

956:京都旅行一日目 side koshimizu 5/8 ◆NgK5YCJ68I
09/06/23 01:07:49 Roc1q4kS
声はハスキーで男らしくて、行動も男前。以前は男の子みたいな格好ばかりしていて、もったいないなってずっと思っていた。
内面はすごく女の子で可愛いのに。スカートとかも絶対に似合うのに。
そう思ってたから、役の影響もあって最近可愛い格好をするようになってきたのが、すごく嬉しかった。
ネイルアートのやり方とか、私に聞いてきたときは、嬉しくて思わず抱きしめちゃったくらい。
ピンキーリングだって絶対に似合う。

お揃いの指輪をぺは嫌がるかな、ちょっと重いかな、と思ったのは後になってから。

「夫婦のあかしだね!」

「いや、夫婦は違うけど。よっと、うんぴったり」

夫婦というキーワードをさらりとかわして、ぺはその場でピンキーリングをはめてくれた。どうよ?と言ってさっきの私と同じように手の甲を見せてくる。

「似合う!」

つけてくれたのが嬉しくて、顔が綻ぶ。
ぺは箱を袋の中にしまって、それらを脇に置いた。
箸を持って食事を再開させるぺを見て、私も箸を取った。




お腹いっぱいになってお店を出た私たちは、二人してくっつきながらホテルに向かって歩いた。
吸い込んだ空気は、肺に痛いほど冷たくて、吐き出した息が白く流れていく。
くっついて歩いたところで実際そんなに温かくなるわけじゃないけど、気分がほっこりと温かくなる。幸福感が胸いっぱいに広がって、口元がどうしようもなくほころんでしまう。

「どうしようかなー」

ぺが歩きながらぽつりと呟いた。

「何が?」

「小清水の誕生日プレゼント。私さっきもらっちゃったけどさ、小清水の方が誕生日早いじゃん。私も早く用意しないとね」

「いやいやこのタイミングの方がおかしいんだから気にしないでよー」

それもそうだけど。
と答えながらもぺはまだ気にしている風な感じ。


957:京都旅行一日目 side koshimizu 6/8 ◆NgK5YCJ68I
09/06/23 01:10:09 Roc1q4kS
「なんか悪いし」

「いいのに~」

本当に気にしなくていいのに。ぺの喜ぶ顔が見れるだけで本当に嬉しいのに。可愛いピンキーリングを、可愛いぺがつけてくれただけで、顔がにやけちゃうのに。
ぺとは付き合いが長いけど、律儀で義理堅いなあっていつも思う。

……ちょっと弄くっちゃえ。

「でも、ぺがどうしてもすぐにお返ししたいんだったら」

ぺの耳元に口を寄せる。

「三瓶ちゃんでもいいよ」

声優らしく、すごく色っぽく艶のある声を作って、ぺの耳に吹き込んだ。


ぴた。


ぺの歩みが止まる。

後頭部にものすごい衝撃が走った。

「あいたー!」

ぺに殴られた。
かなりの衝撃に頭をおさえる。

「あーんまってよー!三瓶ちゃあん!」

バイオレンスを働いたぺは、私を無視してすたすたと前を歩いていた。早足で追いついて涙目で言う。

「今のは痛いです三瓶さん。暴力は反対です三瓶さん」

「何キャラだよ。まったく、キモイこと言わないでくれますか小清水さん」

キモイ。

いつも言われてる言葉だけど、一瞬だけ心臓に痛みが走る。

「相変わらずツンデレなんだから~」

「寄るな!腕つかむな!」

ぺが逃げて、私が追いかける。

ホテルからお店までの距離が遠くなかったこともあって、そんなやり取りをしているうちに、ホテルの玄関が見えてきた。

玄関の自動ドアが開いて足を踏み入れると、温かい空気が身体を包み込む。

「小清水」

「なに~?マイワイフ!今夜は寝かせないよ?」

そう応えてから、暴力反対ー!なんて言いながら両手で頭をガードした。
だけど、反応が返ってこない。

あ、あれ?

958:京都旅行一日目 side koshimizu 7/8 ◆NgK5YCJ68I
09/06/23 01:11:54 Roc1q4kS
「まあ、うん、その」

「……ぺ?」

予想外の反応に驚きながらぺの方をおそるおそる見つめると、ぺは恥ずかしそうにしながら口元を手で隠していた。

「プレゼント、嬉しかった。ありがと」

照れながら、ぺがふわりと笑って言う。

その時のぺの顔が、穏やかで優しくて、可愛くて綺麗で。

思わず息を飲んで、顔が熱くなる。

こんなときにそんな顔をするぺのことを、私はちょっと卑怯だと思った。




バスルームの方からドライヤーの音が聞こえてくる。

私はベッドの上で寝そべりながら、旅行雑誌をぱらぱらとめくっていた。京都旅行は初めてじゃないし、読むでもなくただぼんやりと眺める。

ホテルに戻った私たちは、じゃんけんをしてシャワーを浴びる順番を決めた。勝った私が先に、その後ぺがシャワーを浴びて、今は髪を乾かしてる。

ふと、ある旅館の小さな広告が目に止まった。ページをめくる手がとまる。

『ご夫婦、恋人同士にオススメ!特典付きカップルプラン!』と書かれているその下の写真には、恋人同士と思われるカップルが、お互いに寄り添って景色を眺めていた。
いや、もしかしたら夫婦かもしれない。

どちらにせよ、その男女の二人組は、誰がどう見てもカップルに見られると思う。

口の中で小さくため息が漏れる。

カップルの証明、付き合っていることの証明なんて、いらないと思う。目に見えるような証明がないと安心できないような、そんな浅い付き合いなんてしていない。

でも、

どうしても、身体も求めてしまう。恋人同士の証明とか、そんなんじゃなくて、
ただ、ぺが欲しくなる。


ーー今夜は寝かせないよ?

この言葉に、ツッコミを入れて欲しかった。


単に、ぺにスルーされただけなのは分かってる。

ぺはその言葉を意識してスルーしたんじゃなくて、私がいつもふざけて言うようなことだから、自然にスルーしただけ。深い意味はないよ。

実際私もふざけて言っただけだったし。

でもだからこそ、この言葉に、「死ね」でもいいからツッコミを入れて欲しかった。


期待しちゃうから。

959:京都旅行一日目 side koshimizu 8/8 ◆NgK5YCJ68I
09/06/23 01:15:03 Roc1q4kS
ドライヤーの音が止んだ。洗面所のドアが開いて、ぺがこちらに歩いてくる音がする。

「おかえりー」

ベットの上に腹這いになりながら、ぺの方を見ずに声をかけた。

「ただいま」と言いながら、ぺが私の隣に寝転んでくる。

「明日はどこ行く?」

そう言って私の顔を覗き込んできた。

ぺは、時々すごく天然だと思う。

無防備っていうか、さりげなく誘っているんじゃないかっていうことを素でやる。

夕方キスされたの覚えてないの?
私のこと信頼しているから?
それとも期待していいの?

そんなことをぐるぐる考えながら、雑誌に目を落とす。さっきのページをさりげなくめくって、他のページに移る。

「やっぱり清水寺行きたいなー」

「いいね。でも小清水何度か行ってるんじゃないの?」

「三瓶ちゃんとは初めてだもん。全然オッケーだよ!」

「そか」

ぺの方を見ると、髪の隙間からぺのうなじが見えた。押し倒したい衝動にかられる。

触りたい。

「小清水?」

ぺの声に、はっと意識を引き戻す。顔が、近い。

「午前には他のお寺も回りたいよね。ぺ、朝起きられる?」

「ほっほーう。その言葉そっくりそのまま返すよ?」

「ってことで今日は早く寝まーす!おやすみーー!」

「お!?早すぎない?」

「今日はちょっと疲れて眠いの……」

色々な意味で。

それに私が変な気を起こす前に、寝ちゃいたい。このまま起きてたら、本当にぺのこと襲いそう。

雑誌をベッドサイドに置いて枕に顔を突っ伏した。

960:京都旅行一日目 side koshimizu 8/8続 ◆NgK5YCJ68I
09/06/23 01:16:12 Roc1q4kS
「明日は早く起きたいし……」

「りょーかい。んじゃあ私は歯磨きしてくるわ」

「おやすみ」と、ぺは私の頭をポンとなでて、また洗面所に向かった。

「……おやすみー」

枕に顔を突っ伏したまま応える。
ぺの気配がなくなったのを確認して小さな独り言を漏らした。

「三瓶のばかあ……」

ぺの匂いがシーツに残っていて、どきどきする。

さっき頭をなでてくれた感触を思い出して、またどきどきする。


疲れて眠いはずなのに、すぐに眠ることができなかった。


961:名無しさん@ローカルルール変更議論中
09/06/23 01:19:07 Go1nO/3h
小清水なみに悶々としてしまふww
続きwktk!

962: ◆NgK5YCJ68I
09/06/23 01:20:15 Roc1q4kS
今回はこんな感じで以上です。やっと一日目終了です。まだまだまだまだ続きます。初エロまでの道のりは長い……(←それかよ)

ピンキーリングネタ、自分なりに色々ブログやら画像やら漁って調べたんだけど、このタイミングもありかなと思って入れました。2日目の写真からピンキー確認できたので、、、
色々ねつ造すみません。

たくさんスレ消費してごめんなさい。お粗末でした。

>>949
GJです!いいなその設定!すごく萌えた!
微妙に投稿のタイミングが重なってしまって本当にすみませんでした。

963:名無しさん@ローカルルール変更議論中
09/06/23 01:37:08 0JvXWtkC
>962
GJ!宵っ張りでよかったwリアタイで神に遭遇できた
小清水視点っていうのがなんとなく新鮮な感じがしたよwこれはいいこしさん!
色々研究して書かれてるし続きも期待して待ってる!

964:名無しさん@ローカルルール変更議論中
09/06/23 05:37:34 2ah2g/vF
>>949>>962
両方とも続きwktk

残りバイト数が危うい感じだから、次スレ立て行ってみる

965:名無しさん@ローカルルール変更議論中
09/06/23 05:41:25 2ah2g/vF
立ちますた

レズ声優出張所Part13
スレリンク(lesbian板)

966:名無しさん@ローカルルール変更議論中
09/06/23 14:31:17 fZ4o+leB
ラジオで田中理恵さんを「抱く」発言をした御前は
その後、理恵さんを「抱いた」のだろうか?
気になる・・・。
まあ御前は有限実行する人だから初恋イベントの日に抱いたな
確実にw

967:名無しさん@ローカルルール変更議論中
09/06/23 22:15:42 skxu/zYo
>>962
あ ん た を 待 っ て い た

初めて「正座で待つ」ということが理解できたよ

968:名無しさん@ローカルルール変更議論中
09/06/23 23:51:06 VSuGhr2z
>>962
GJGJGJ!!!
読んでいてここまでドキドキしたのは久々だ
続き、ほんとに楽しみにしてるよ

969:名無しさん@ローカルルール変更議論中
09/06/24 00:26:47 2Nlcd0kp
>>949 >>962
二人ともGJすぎる、短編も長編もいいな

970:名無しさん@ローカルルール変更議論中
09/06/24 22:58:10 E/XKO9/S
やっと規制解除された!これで>>962にGJできる!!!
道のり長くても全然OK!じっくり書いてくださいな
楽しみに待ってます

971: ◆bVl3UIA/Z2
09/06/24 23:54:18 T4B1MsCC
>>548の続き。ちょっと長い。

「ごめんね、せっかくアーサーんち来たのに、あたしもうダメ」
「いいよ。遊ぶのはまた今度で、いつでもうちにおいで」
それほど飲んだ訳じゃないけれど、今日ははしゃいで疲れてしまった。
アッキーと二人で体を支え合って、どうにか部屋へ転がり込む。
靴も蹴散らかし、上着をポイっとベッドに投げ捨てると、そのまま体を横たえた。
アッキーも床にへたり込んでしまった。

「あはは、あたしなんかもう汗臭い」
アッキーが四つん這いになって、襟の所をパタパタさせるのだけど、
そのたびに胸のあたりがチラチラと見えてしまう。ナイスバディなんだよなあ。
そういう魅力に自覚がないところが、またアッキーらしいんだけども。

「いいよ。先にシャワー使ってよ……先にシャワー、浴びてきな」
途中で言葉を打ち切って上半身を起こし、ぴしっとポーズを決めて言い直した。
「今夜は、寝かせないぜ」
「ばかぁ(笑)」


「もう大丈夫?落ち着いた?タオルと下着、ここにおいとくね」
ドア越しに尋ねる。しかし返事がない。
「アッキー?……入るね」
「え?あ、ちょっと待って。もう上がるから」
「じゃあタオル、手だけ出して」
カチャリとドアが開き、隙間から白い湯気とともに手が伸びる。
これ一枚隔てた向こうに、全裸のアッキーがいるんだよなあ。うほほほほ。
おっといかん、何考えてるんだあたしは。

そんなに酔ってるわけじゃないけれど。
あえて言うなら雰囲気に酔ったというか。
自分に酔ったというか。
恋人役の自分に酔ったというか。

ベッドに戻り、伸びをする。そのまま腕を頭の後ろで組み足を絡ませ、
バスルームから出てくる恋人を待つシチュエーションに酔う。

972: ◆bVl3UIA/Z2
09/06/24 23:55:16 T4B1MsCC
扉が開いた。
「じゃーん。どう?あたしセクシー?」
「おおー!うわーっははぁw、せくしーぃ」
思わず吹き出して、それからテンションは急上昇。出てきたのは
バスタオル一枚だけ巻き付けた姿のアッキーだった。

「えーっ、それって下ハダカ?下着そこにあるよね。うわー、やっぱ
裸なんだ。はぁーん」
「いい匂いもするでしょー」
「そうきたか、あはっ、『磯くせー!』」
「でもほら?ちゃんと石けんで体洗ってきたから」
しゃなりしゃなりと歩いてきてベッドのそばへ。
「ちょ、ちょっとアッキー、近いよ」
「アーサー」
上半身を傾け、肩に手をかけてきた。

「冗談はなしにしてさ、寝よう、もうほら」
たじたじとなってそっぽを向こうとするも、思いも寄らない力で引き戻される。
「そうよ。あたし今日はアーサーと寝る」
「いやそうじゃなくて、アッキーも酔ってるから」
「もう酔いも覚めたもん。あたし本気だから」
「ええー!アッキーって、ほんと本気か嘘かわからないってばさ」
「本気ですー。ひっどーい。じゃあアーサーあたしが本気か嘘かわからないの?
あたしアーサーがいつも嫁って言ってくれてるの本気だと思ってるのに、嘘だったの?うえーんシクシク」
「ちょっとアッキー。もう……」
泣き真似を始めた。駄々っ子だ。

しかし、イヤイヤと肩を振っていた動作はやがて静かになり、
シクシクという声は、いつしか本当の嗚咽になっていった。
「あたし、あたし、繪里子さんみたいにずっとかわされ続けるの嫌なの」

973: ◆bVl3UIA/Z2
09/06/24 23:56:34 T4B1MsCC
アッキーは不安なようだった。寂しいようだった。とりあえず言葉をかける。
「大丈夫だって。別に逃げたりしないから。それに今井さんたちだって、
あんまり表に出さないだけできっとうまくやってるって。あたしなんか、
表でもちゃんとアッキーのこと好きだよって言ってるよ」
「でも実際あたしに何もしてくれないじゃない」

う わ 、マ ジ で す か 。
もんのすごく失礼ながら、その衝撃を言葉にすると、そんな一言だった。

弄んだつもりはないし、もちろん嫌いじゃない。アッキーのことは大好きだ。
デートにも行き、愛を語り、人前でそれを公言した。アッキーは私の恋人、
ある意味一方的な宣言に、ついにアッキーも応えてくれた。
満願成就、少女漫画のような展開、ままごとのような恋愛。
それがいま、この目前のリアリティに行き着いてしまった。

アッキーは本気だ。アッキーはいつも「本気で言ってるの?」と言っていた。
「もちろん本気だよ」ずっとそう答えた。アッキーは本気になった。私は―


「しょうがないなあ。ほらこっちおいで」
ベッドの縁に腰掛けて、優しくアッキーの頭を抱き寄せる。
柔らかく頭を撫で、撫で、撫でて、、、

974: ◆bVl3UIA/Z2
09/06/24 23:57:26 T4B1MsCC
「アーサー」
「ん?」
「あたしにキスできる?」
「う、マジで?」
「むぅ~っ」
かるくふくれっ面になる。

「できる、と思う」
「じゃあ、して」
チュッとついばむようなキス。
すると次の瞬間アッキーの方から襲いかかるように唇を求めてきた。


私はそのまま押し倒された。
キス、キス、キス、そしてキス。キスの嵐だった。
アッキーの手が私のブラウスのボタンに伸びる。
それは、先に手をかけていた私の指にぶつかった。
一瞬、目が合う。

(大丈夫、すべて受け止めてあげる)
そんな会話をした。したと思う。

私の手は離れ、代わりにアッキーの手がぎこちなく、
そしてやや強引にボタンを外していった。
既にはだけつつあったバスタオルをアッキーが自ら
放り捨てると、ついに私たちは抱き合った。


「アーサー」
アッキーが呼びかける。体を触れあわせていながら、
なおも互いの存在を確かめるように。
「アーサー、好き」
アッキーが繰り返す。心にあるものすべてが、
このたった二つの言葉に凝縮されたかのように
「アーサーの胸、柔らかい」
アッキーがうっとりする。私の胸を存分に揉みしだき、
頬ずりし、その心地良さに没頭して。
「アーサーのここ、濡れてる」
アッキーの手が触る。私の身体が、いや私が、反応している。
抱き合いっこじゃなく、セックスをしている。
私はアッキーとセックスをしてる。
その事実が津波のように頭の中身全体を押し流そうと
ぐわぁっと駆け巡った刹那、
「あたし、アーサーのなら舐めれる」
「!」

975: ◆bVl3UIA/Z2
09/06/24 23:57:58 T4B1MsCC
「まって」
私のもので濡れた指をくわえようとする腕を慌てて押しとどめた。
(―まだ体洗ってないから)
(―恥ずかしいから)
(―まだ初めてだし)
理由にならない理由が浮かんでは消える。
(だめだ)

眉毛を曲げて困惑したようなアッキー。でもヘタレな私を
見透かしたようにも、この状況を面白がってるようにも見える。
よく分からない。この口元は謎の微笑というやつだろうか。
(―小悪魔アッキー)
心の中でつぶやいてみたとき、なんだか楽になった。
(なんだ、私は小悪魔を口説いてたのか。それじゃしょうがないな)
アッキーの腕を掴んだ手から力が抜けた。
二、三度、フーッと深呼吸をする。アッキーはそんな私の姿を
静かに見守る。

そしてゆっくりとアッキーの空いた方の手が動き、私の手を下ろさせた。
再び胸に顔を寄せ、息が吹きかからんばかりの距離を保ったまま、
焦らすように下へ降りていく。

「アッキー……」
こんどは私が呼びかける番だった。
「あああ、アッキー」
呼びかけるというものではない。漏れ出るというやつだ。
胸から腹部のくすぐったさが、耐え難い焦れったさに変わり、
秘部に鮮烈のような快感を受けたときまで、私は“アッキー”以外の言葉を
知らなかった。

「アッキ…、アッキイ」
「気持ちいい?」
「気持ち……いい……気持ちいい」
「私のこと好き?」
「好き」
次々と新しい言葉を教えられていくけれども、
アッキーの舌が与える快感が片っ端から吹き飛ばしてしまう。
もはや私は“あ”しか言えなくなってしまった。
「あっ、あっ、あっ、あああ、あああああ!」
アッキーも最後のクライマックスに向けて言葉を捨てた。
「んー!んんんん!」
「あああああああああああっ!」


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