ストライクウィッチーズでレズ百合萌えpart8at LESBIAN
ストライクウィッチーズでレズ百合萌えpart8 - 暇つぶし2ch214:名無しさん@秘密の花園
08/10/26 11:22:28 zY/HzJmS
今日も漫画をアップロードしてくれた職人さんに感謝の言葉をおねがい
ストウィじゃないけど気にスンナ

スレリンク(ascii2d板:553番)

553 名前:名無したん(;´Д`)ハァハァ[sage] 投稿日:2008/10/26(日) 11:04:17 ID:aIpjiXOg
林檎畑に百合の花が咲いてるのを見たような気がしないでもない

パスはいつもの。
URLリンク(uploaders.ddo.jp)

215:名無しさん@秘密の花園
08/10/26 11:38:57 hFsaECGx
↑スルー推奨

216:名無しさん@秘密の花園
08/10/26 12:42:04 1mzhN0Wq
DS版はシムーン、PS2版はアカイイトorアオイシロorストパニぐらいだったらいいなと思う今日この頃>>ゲーム版

エイラーニャの結婚イベントとか、芳リーネの扶桑同棲イベントとかは流石にないだろうけど。

217:名無しさん@秘密の花園
08/10/26 13:18:59 DBMZfKeG
芳佳の一人ENDも欲しい所だ
フラグを立てずに帰国
扶桑人形にハマってしまう

とか

218:名無しさん@秘密の花園
08/10/26 13:56:41 TCl/jsVA
前に投下された智子人形ネタ思い出して吹き直したじゃねーか.。
BADエンディングが扶桑に帰国とか、それはどう考えてもみっちゃんフラグじゃないのか……。

219:名無しさん@秘密の花園
08/10/26 14:07:38 M04f6gXp
21X2w2Ibです。>>167-171の続きと言うか、別視点と言うか、番外編を投下します。
シャーリー視点。


220:「mix-turegret」-3' 21X2w2Ib 1/4
08/10/26 14:09:39 M04f6gXp
幕間-交錯の外側


「おい」
「んー?」

格納庫から逃げ出して、とりあえず、あたしの部屋までたどり着いた。今日は出撃予定もないみたいだし、
一日部屋でおとなしくしていよう、と柄にもなく思ったのだ。
扉を開いて迎え入れる。そしてパタンと閉めてようやく、『そいつ』に呼びかけた。

「なんでハルトマンがあたしの部屋まで付いて来るんだよ」
「……なりゆき?」
成り行きってなんだ成り行きって。どう考えてもお前自分からにこにこひょこひょこついてきたろう。その
一言は、とりあえず飲み込んでおくことにした。そう言えば一緒に逃げ出していたはずのエイラがいない。
今はハルトマンよりもエイラに用事があるんだ、あたしは。
「って言うか、エイラはいつの間にいなくなったんだ?」
「さあ?知らない。そんなことよりシャーリー!私喉が渇いたよ、なんか出して!」

ちゃっかり私の部屋に居座ったハルトマンは私のいすに座して私の机をバンバンと叩いた。

「私はさっきの発言をまだ根に持ってるんだからね。すっごい傷ついたんだからさ!」
「傷ついたって…あんなの陰口にも入んないだろ、事実じゃん」

だいたいカールスラント軍人らしからぬぐらい自分がズボラだってことを一番分かっているのはハルトマン
自身なんじゃないのか?むしろ自分からその『国民性』とやらに反するようにわざとしているんじゃないかと
あたしは踏んでいるんだけれど、もしかして違うんだろうか。
…まあ、聞いたってどうせこれは答えないだろうからあえて聞かないけどさ。

しかたなしに、戸棚からジュースのビンを取り出して投げてやる。ルッキーニ用に置いてあったのだけど
これもまた放置しておくと面倒なことを私はバルクホルンを見て散々学んでいる。ハルトマンがハルトマンが
ハルトマンがハルトマンが、などというやつの愚痴に何回つき合わされたか分からないからだ。…あれ?
あたしなんか中間管理職的なポジション?いやだなあ、あたしにはそう言うのあってないはずなのに。

わーい、ありがとー。
なんていいながらハルトマンはオレンジジュースのふたを開けてごくごく飲み始めた。そして一気に飲み
干して「ぷはー」なんて一息ついて…お前はいったい何歳なんだと突っ込んでやりたくなる。この顔で実は
私と同い年なんていうんだからたまに私は自分が老け込みすぎているんじゃないかと不安になるのだ。
…それともあたしは将来ミーナ中佐みたいな立場になるのかな。バルクホルンは一番上に立つの嫌い
みたいだしなあ。…部下が年上なのにわっはっはだったり同い年なのにシスコンだったり黒い悪魔だったり
エトセトラなこの隊をしっかりと取りまとめている中佐の気苦労を考えて今から胃がキリキリと痛んできた。
いけない、いけないぞあたし。

「…で、そっちのほうはどうだったんだ?」
ベッドの上に座り込んで、あたしは尋ねた。ハルトマンはにっこりと笑って指を一本立てる。
「いち?」
ふるふると首を振るハルトマン。笑顔が満面過ぎてむしろ怖い。
「…おかわり?」
「ああ、よくわかったね!優秀な上官を持って私は幸せだよ」
「…ついこの間まで同じ階級だったじゃないかよ」
「ただの同僚から昇進したんだ、ありがたく思うべきじゃない?」
「へいへい、ありがとうありがとう」



221:「mix-turegret」-3' 21X2w2Ib 2/4
08/10/26 14:10:47 M04f6gXp

もはやこれに付き合うものか、と思いながらもう一本ジュースを取り出してやる。ストックはもう少ない。
あとでまた厨房から持ってこなくちゃなあとひとりごちる。
ハルトマンはと言うと「それにしてもシャーリーの部屋は落ち着くねー」なんてのんびりいいながらやっぱり
早くしろと言わんばかりに机を叩いていた。それはあたしの部屋が散らかっていると言いたいのかよろしい
ならば戦争だ。…まあ、否定は出来ないけれど。散らかってるって言っても程度があるだろ。10段階で
評価したら私はまだ3段階そこそこ、ハルトマンのとこなんて10振り切って100いってるぞ。…という
のは実はバルクホルンの弁で、以前部屋に上がりこんで愚痴に付き合わされたときにすすけた背中で
言っていた。

「それで何の話だったっけ?」
「そっちはどうだったんだって聞いたんだよ」
「こっち…ああ、ペリーヌのほうね」

やる気のなさそうに返事をするハルトマン。おいおい、しっかりしてくれよ。昨日の談話室での相談を思い
起こしながら確認するように事の顛末をもう一度言ってやる。…あくびをするなハルトマン。

「最近エイラたちの様子がおかしいから、あたしとルッキーニでエイラ、ハルトマンとバルクホルンでペリーヌ、
 宮藤とリーネでサーニャを担当して、この何だかわけのわからなくなってる状況を上の二人にばれない
 ようにさっさと解決しようって手はずだったろ!」
「あーハイハイハイわかってる。それはそうなんだけどさあ」
言いながらメモらしき紙をポケットから取り出す。覗き込むと、
「…白紙じゃん」

何も書かれていなかった。何かを期待していたかというとそりゃ期待なんて寄せてなかったけどここまで
とは思わなかった。落書きに犬の絵でも書かれていたほうがまだマシだってもんだ。
もちろんメモの中身を把握していたハルトマンはけろりとした顔だ。見れば分かるじゃないかといわん
ばかりに言い張る。

「白紙だよ?なーんも書いてないもん」
「おいおい…」
脱力してベッドに倒れこんだ。拍子にその上に放置していたスパナが後ろ頭に思いっきり当たる。痛い。
ジュースを飲み終えたらしいハルトマンがそのビンを床に転がす音が聞こえた。これだから散らかる
んじゃないかと思っていたらそしてベッドの上、私の隣に座り込んでくるのを感じたあと、一応言い訳らしい
言葉が上から降ってきた。同時に手を伸ばして自然に毛布をとって包まっている辺り、こいつはここで
シエスタと決め込むつもりらしい。
「だいたいトゥルーデって言うのが人選ミスだったんだよ~。出会い頭にブリーフィングリームに引っ張って
 いってどうするんだと思ったら『何があった。さっさと吐け』なんて尋問してるの!あんなことされたら
 誰だって口開けないさ」
「ははは…バルクホルンのヤツ…」

のんきにこんなことを言っている時点でハルトマンもその脇で面白おかしく傍観していただけなんだろうな、
というのは簡単に想像できる。大体そのバルクホルンを抑えるためにお前を充てたんじゃないか、と
内心で文句を言うけれどそんなことしたってプリンに釘を打つようなもんだ。逆に指を叩いて涙目になる
んだろう、恐らくは。

「でも、格納庫に向かう途中で宮藤たちに会ってさ、とりあえずそっちの話も聞いといた」
お、やるじゃないか。宮藤たちならカールスラントコンビのようなへまはやらかしてないだろ、と耳をそば
だてる。
「…そっか。どうだって?」
「サーニャは何にも知らなくて、むしろ混乱してるっぽい。…けどエイラの様子がおかしくなったのは
 正確には4日前からじゃない。5日前の夜から、だったって。」

5日前の記憶を掘り起こそうとする。うーん、よく思い出せない。もともとエイラはみんなと行動時間の
ずれてるサーニャに合わせて生活しているせいであたしたちともすれ違いが多いんだよな…っていうのは、
もしかしたらここ数日エイラがあたしを避けていただけなのかもしれない。
…相当突っ込まれるのが嫌だったのかもな。今日格納庫に来たときもかなりばつの悪そうな顔してたし。



222:「mix-turegret」-3' 21X2w2Ib 3/4
08/10/26 14:13:41 M04f6gXp

「ふうん…サーニャの様子は?」
「相当いじけてるみたい。宮藤たちの目でもわかるんだからよっぽどなんだな」

まあ、当のエイラはそれどころじゃないみたいだけどねえ、とため息を付くハルトマンは、まあこれでも
こいつなりに仲間の心配をしているんだろう。日常生活が多少あれだとは言えハルトマンが仲間想いだと
いうことはみんなの知るところだ。実際、ハルトマンと一緒に出撃したときは誰も大きな怪我をしない。
それは仲間が危険な目にあわないようにやつが気を配っているからだ。
にしても、こんなにわかりやすくハルトマンが仲間を気遣うのは珍しいんだぞ。雪が降ったらどうしてくれる
んだ、エイラ。お前は北国育ちだから強いのかもしれないがあたしは嫌だ。

「…ナイトウィッチになるつもりなら、お姫様の世話は責任持ってやって欲しいよなあ」
「あははっ、騎士ウィッチ!それいいな、洒落てるぅ!」

夜と騎士に掛けた冗談が通じたんだろう。ハルトマンが笑い出す。あたしも笑う。状況は全く好転の兆しを
見せないけれど、だんだんとつかめてきた。こういうときに忘れちゃいけないのは笑うことだ。楽しんでれば
きっと世界は前向きに動いていくもんだよ、な?
ぼす、とハルトマンもベッドに倒れこむ、あ、その辺りには工具箱がだな…と言おうとしたら、ガツン!と鈍い
音がして脇でハルトマンが頭を抑えていた。ざまーみろ。

「こっちは結構つかめたよ。どうやらなんかあったのはエイラとペリーヌの間らしい」
「…ああ、なら話はつながるね」
答える声は涙声。あえて何も見なかったことにして話を続けるあたし。
「エイラをつついてみたところによると」
「…よると?」

「ペリーヌと浮気した、感じ?」
「うっわー、ありえなさ過ぎて言葉も出ない…」
「…だよなあ」

ペリーヌとエイラとで何かがあった。コレだけは確かだ。ケンカ?けどあいつらって割とよく言い争いはして
いるからなあ。いたずら好きのエイラが反応のいいペリーヌをからかうのはいつものことだし、それに
キャンキャンとペリーヌが噛み付くのもまた然り、だ。

「なあハルトマン、お前の妹ってほら、あのサーニャのごっつい武器作ったりして…頭良いんだよな?
 こういうのどうなんだ?聞いてみたらスパーンと名探偵みたいに解決してくれたりして」
んー、と考え込むハルトマン。まさか妹の存在を忘れてるんじゃないだろうな、と思いかけたところで、その
妹らしき名称は割とあっさりとハルトマンの口からこぼれ出た。
「ウーシュはこういうの苦手だろ。あの子が得意なのはもっと数字とか記号とかそんな感じのもんだから。」
私にはよくわからないけどね!と自慢げに言うハルトマン。それ威張って言うことかあ?

「…ふうん」
それ以外に返答が浮かばなかったのは、言葉の割にハルトマンの口調が楽しげだったからだ。食べること、
遊ぶこと、寝ること。欲求以外のことでここまで機嫌の良いハルトマンはあたしからするとひどく珍しい。
「話しかけても構ってくれないし、没頭するとなりふり構わないし…ま、そういうところもウーシュらしくて私は
 好きだけどさ」
「…そういうもんか」
「そう言うもんさ。…て言うか面白すぎること言わないでくれよ、今名探偵のウーシュ想像したら…くくっ、
 笑いが止まんなくなっちゃっただろ!」
あははははは、と、お腹を抱えてハルトマンは笑う。実際のところ伝聞程度でしかその『ウーシュ』とやらを
知らないあたしは横で笑いこげるハルトマンを肩をすくめて見やることしか出来ない。

姉妹の、それも双子のウィッチ。見た目はよく似ているけれど、性格はぜんぜん違うと聞いた。マニュアルに
則ったことなんてひとつもしない姉と比べて、マニュアル通りにしか動けない妹だと。でもきっと、そうして
比べて妹のことけなしたりとかしたら、ハルトマンはやっぱり怒るんだろうなあ、と思う。さっきの陰口
(のようなもの)とはまた別の怒りをもって。あたしにはよくわからないけれど、そんな気がしたから言わない。
たぶん、『そういうもん』なんだろう。
…これ以上この話をしても仕方がないな。あたしはとりあえず話題を変えることにした。



223:「mix-turegret」-3' 21X2w2Ib 4/4
08/10/26 14:15:16 M04f6gXp

「ところで、さっきの話なんだけど、どこまで本当だったんだ?」
「っくくく、あははは…へ、さっき?」
「格納庫で、『部屋が散らかりすぎて追い出された』とかそう言う話してたじゃないか。あれ全部本当じゃないだろ?」
「ああ、あれかあ」

涙を拭いながら答えてくる。うーん、と唸っているのは、今朝の出来事を必死に思い出しているんだろう。
そして指折り数えながら、今朝の出来事ウソホントを話しはじめた。

「寝る場所がなかったのはホント」
「うん」
「トゥルーデの部屋に潜り込んだのは、半分ホント」
「半分?」
「トゥルーデの部屋に行ったのは行ったんだけどすぐに追い出されちゃってね。しょうがないからミーナの
 部屋で寝てたんだ。まあ朝になったら私を探しに来たトゥルーデに見つかって怒られたんだけどさ。」
「?ミーナ中佐じゃなくてか?」
「昨日の晩はミーナ部屋にいなかったからね。坂本少佐のとこいってたんだろー」
最近特に仲良いねえ、なんて、のんきに笑うハルトマン。けれど私はその瞬間、ハッと閃いてしまった。
そして頭を抱える。ばかだなあ、あたし。様子のおかしいやつら以外が知らず知らずのうちに関わってるって、
なんで思わなかったんだろう。

「で、トゥルーデが私の部屋の片づけしてるのもホントだけど、それはペリーヌへの『尋問』が上手くいかなくて
 拗ねてるからなんだよね。私はとんだとばっちりだよ」
「…なあ、ハルトマン」
「ん~」
「あたし、なんとなーく話が見えてきた気がしたよ…」
「ああ、それはよかったなあ!じゃあお祝いにジュースもう一瓶飲もう!むしろお酒にしよう酒さけサケ!
 カールスラントのビールはないのか?あるんだろ?」
楽しげに今度はベッドをバンバンと叩く。…ああ、もうコイツ話聞く気も考える気も気ないな、とため息をひとつ。
「…そんなもんないっての。ルッキーニが飲んだら大変だろ」

そこで思い当たる。ああ、ルッキーニも助けに行かないといけないな。きっと帰ってきたら散々文句言われる
だろうな。クッキーどれくらい焼いたら許してもらえるだろうか。
(そう言えば)
もうひどくおぼろげの、5日前の晩のことを思い出す。そう言えばあの晩、急に部屋にやってきたルッキーニが
なにやら言っていなかったか。その日出撃があって疲れていたあたしは話半分にしか聞いてなかったけど、
たしかこうだ。

─エイラとペリーヌは、よくけんかしてるけど本当はすごく仲良しなんだねっ!!

…ルッキーニは、あの晩に何かを見たのかもしれない。それ如何によっては…また、話が変わる。
「…ちょっとルッキーニ迎えに行って来るわ」
「いってらっしゃ!じゃあ私は寝る!」
「…ここでか?」
「もちろん。私は自分から虎の巣に入るほど愚かじゃないんでね」
虎ってのが掃除の鬼の化しているであろうバルクホルンのことなのか、それとも絶対零度の笑みを浮かべて
いるのかもしれないミーナ隊長のことなのか、あたしはあえて聞かなかった。
とりあえず、ルッキーニにも話を聞かないと。今頃警察に捕まっているであろう子猫をどうやって助け出す
かを頭の中で必死にシミュレートしながら、ぱたぱたと手を振って見送るハルトマンにドアの辺りから一言
こういった。
「…散らかしたら自分で片付けろよ」
返ってこない返事に、帰ってきたときの自分の部屋の惨状を憂く。

(…全部お前のせいだからな、エイラ)

このツケは絶対に払ってもらおう。3倍返しくらいで。

(つづく)


224:名無しさん@秘密の花園
08/10/26 15:36:44 p6+cKNI5
>>223
GJ!!シャーリーとエーリカは意外と気が合いそうだな。
やっぱり世話焼きキャラと焼かれキャラは、どの組み合わせでもいけそうだな
エイラとエーリカの組み合わせも面白いかもしれん、誰か書いてみてくれ


225:名無しさん@秘密の花園
08/10/26 19:23:52 O5f8OV72
夕方にうたた寝してたら501で赤ん坊を預かる夢を見たので、妄想爆発した。


芳リーネ&シャッキーニ
赤ん坊を芳佳が抱くと泣く、リーネが抱くと喜ぶ。
おっぱいに抱きつく赤ん坊を見ておっぱい星人覚醒。
「リーネちゃんの胸は私のなのに!」
シャッキーニも同じ。

エイラーニャ
エイラが赤ん坊をあやしてサーニャが子守歌を歌ってあげる。
赤ん坊眠るがエイラのおっぱいから離れない。
エイラ「キョウダケダカンナー」
その一言にサーニャが嫉妬し、エイラの背中に抱きつく。
エイラ身動きがとれず、もうどうしていいのか解らなくなる。

エーゲル&もっペリ
ゲルトが赤ん坊を見て幼い頃のクリスを思い出し、強く抱きすぎて赤ん坊泣かせてしまう。
エーリカに赤ん坊を任せるが、おっぱいが無いので泣き止まない。
もっさんが替わるとあっさり泣き止む。「子供とは可愛いもんだな。わっはっは!」
ペリーヌ想像妊娠。
エーリカはゲルトのおっぱいに帰る。

ミーナが赤ん坊の親を連れてくる頃には、501内でおっぱいブーム到来。


ざっと書いてて、自分の文章力のなさに泣いたorz
誰かこのネタで書いてくれ。

226:名無しさん@秘密の花園
08/10/26 19:34:10 TCl/jsVA
ブルドロ思い出したw
これはペリーヌが色々と大変なことになりそうだ。

227:名無しさん@秘密の花園
08/10/26 20:07:15 W3rh+gGe
>>223
GJ!ナイトウィッチのくだりでは思わずうわお!と叫びたくなったw
16歳コンビいいな。
続き待ってる!

228:名無しさん@秘密の花園
08/10/26 21:21:51 1mzhN0Wq
>>225
ペリーヌwww。
もっさんに「責任を取って下さいますか」と迫るんだろうか?

>>226
そういえば線香持参の声、ペリーヌの中の人だったね。
てか、よく考えたら玉青ちゃんもペリーヌの中の人なんだよな。

229:名無しさん@秘密の花園
08/10/26 21:43:38 YjyQUDe7
>>223
比較優位性が働いて普段と違った一面が出るのは楽しいよね
今後もエーリカの出番を増やして欲しいな
>>224
エイラとエーリカの話は私ともうお一方書いているからぜひ読んでみて下さいね
え~っと、ゆりたまごからのお願いでした
>>225
そうそう赤ちゃんネタは基本だよ、頑張って仕上げて下さい
私も得意そうなリーネに指示されながら、あたふたするミーナを考えて
結局、美緒&ミーナ夫妻に変更したままオチが決まらなくて進んでないから
人様に頑張れとか言えないんだけどね

230:名無しさん@秘密の花園
08/10/26 21:50:46 ytGrSYh+
エイラーニャ投下します。保管の際には作者名:wic2dg+mでお願いします。



「サーニャ・・・怒ってるノカ?」

ぷい。

ベッドの上、正面に座るサーニャに呼びかけるも、ふくれつらで横を向いてしまった。

「さーにゃぁ・・・」

我ながら情けない声が出てしまう。そしてサーニャからの反応はなし。
自分はいったい何をやらかしてしまったのだろう。
いくら考えてもわからない。
夜間哨戒で疲れているサーニャを一人部屋に残したのが悪かったのか?
そのあと、すぐに食堂に起きてきたからやっぱり寂しかったのかな。
それとも、知らない内にサーニャに何かひどいことを言ったりしてしまったのだろうか。

わからない。
でもはっきりしていることは、サーニャは今ご機嫌を損ねていること。
そしてどうやら、その原因はワタシにあるということ。

考え込んで我に返ると、サーニャが上目遣いでこっちをにらんでいる。
そんな顔も可愛い、なんて考えている場合じゃない。

食堂で声をかけてもそっぽ向かれて、部屋に帰ろうとするサーニャを引き止めて、
なんとかワタシの部屋に誘ってから数十分。
サーニャはむくれたまま、まだ一言も口をきいてくれていないのだ。

まずい、まずいゾ。
今までも小さいケンカをしたことはある。
いつだって全力であやまってきた。
だってサーニャに嫌われちゃったら生きていけないからナ。
今回も、何が悪いかわからないけどとりあえずあやまろう。

「サーニャ、」

「やっぱり、エイラは胸が大きい方がいいんだ・・・」

目線をそらしたまま、そんなことをつぶやくサーニャ。
なんだって?
一瞬わけがわからずぽかんとしてしまう。
そして、すぐに思い当たった。

そういえば、女はやっぱり胸がある方がいい、とかなんとかさっき宮藤とかと食堂で話したような・・・。
でもサーニャはまだ食堂に来てなかったはずなのに。聞かれてたノカー!

231:>>217こういうことですかね?
08/10/26 21:50:55 pw/MjaO+
私は異常だ、たぶん。
ウォーロックを倒し扶桑に帰ってからは赤城の艦長さんからいただいた扶桑人形ばかり見ている。
別に引きこもっているわけでも友達が減ったわけでも勉強ができなくなったわけでもないが、
暇さえあればずっと扶桑人形を見ている。部屋に飾ってある扶桑人形の数も増えてきた。
最初こそお母さんやおばあちゃんは部屋に入るたびに目を大きくして口をパクパクとさせていたが、
最近は慣れたのか増え続ける扶桑人形に呆れたのか何も言わなくなった。
今ウィッチーズで連絡を取っているのはミーナさんだけ。
理由は私の趣味を理解してくれそうで実際に理解してくれた人だから。
たまに手紙(といっても最近カールスラントリオがカールスラントコンビ+1になってる。転属したいとかそんな感じのネガティブな内容だが)とカールスラントの人形を送ってくれる。
カールスラントの人形は扶桑人形とは違い本物の女の子みたいでこれも中々魅力がありとても気に入ってる。
今度扶桑に行きたいと手紙に書いてあったので家に招待しようと思う。

「芳佳、美智子ちゃんが着たわよ。」

そういえば今日はみっちゃんの所へ遊びに行くんだったな、時計の針は12時と30分をさしている。
まだちょっと早いけど、みっちゃんは部活の帰りかな?

「はーい。」
「こんにちわ芳佳ちゃん。」
「芳佳、寝癖が付いてるわよ。」
「え!?……え、えへへ……」

お母さんに言われるまで気付かなかった。扶桑人形や漫画が好きな人はよく身だしなみを整えられないって言うけど
私も徐々にそういう人になってきてる気がする。ちょっとショックだな…

「じゃあ、私ちょっと着替えてくるね」

自分の部屋にもどりパジャマを脱いで服を着る。今日はウィッチーズに居たころサーニャちゃんにもらった
パーカーを着ていこうかな、大事にしすぎてあまり着てなかったけど入るかな?
最初に来たときとほとんど着心地の変わらないパーカーと最近掛けだしたメガネをつけて玄関へ行く。
もちろん服を着る前に寝癖は直している。

(もうちょっと胸のところが苦しくなると思ったんだけどなぁ……)

すこしショックだったけどまあいっか。

「わあ、その服とっても可愛いね芳佳ちゃん!」
「本当? ありがとう!」

サーニャちゃんのことを疑ってた訳ではないが、みっちゃんに可愛いといわれて安心した。
サーニャちゃんやエイラさんみたいに綺麗な人だから何を着ても素敵だけど私が着れば変なんじゃないかと
思ってたので、みっちゃんの素直な感想はとてもうれしかった。
みっちゃんの家に着くまでかけっこをした。今まで勝てていたのに負けてしまった……
ずっと扶桑人形ばかり見ててあんまり運動してなかったからかな?
今日はショックを受けっぱなしな気がする。

232:>>217こういうことですかね?
08/10/26 21:51:42 pw/MjaO+
すみません被っちゃいました!
申し訳ないですorz

233:名無しさん@秘密の花園
08/10/26 21:53:37 ytGrSYh+
>>232 いえいえこちらこそ。
>>230 続きです。


「あ、いや、それは」

必死に弁解しようとするが、やはりぷい、と横を向かれてしまう。
確かに、サーニャはあまり胸があるほうではない。
でもサーニャはまだ14歳だし、これから成長する可能性は十分・・・。
いや、そういう問題ではなくて、胸なんか関係なくサーニャがスキダ!

なんて言えたらどんなにいいだろう。
でも結局言えなくて、とりあえず勢いのまま口をついて出た言葉は。

「いや、ワタシは胸が小さい方が実はスキナンダ!」

・・・マチガエタ。これじゃあ変態だ。
案の定サーニャがジト目でこっちを見ている。

「いや、違う、そうじゃなくて!」

必死でこの場を切り抜ける上手い言い訳を考えていたら、いつの間にかサーニャが近づいてきたことに気がつかなかった。
足を開いて座っていたワタシの胸の中に、すっぽりおさまって首の辺りに頬をすりつけられる。

こんな風に、無防備にくっつかれることは初めてじゃないけど、それでもその破壊力は十分で。
ワタシは固まってしまった。

「もう、いい。・・・いっこだけ、お願いきいてくれる?」

胸の中のサーニャに言われて、ぶんぶんと首を縦にふって同意する。

「あのね・・・頑張るから、私が成長するまで、もう少し待ってて?」

恥ずかしかったのか、顔を赤らめながらそんなことを言われてはたまらない。
胸なんかどうでもいい。今すぐサーニャに触れたい。
そんな気持ちをぐっと我慢して、そっとサーニャの華奢な背中に手を回すだけにする。
赤らめた頬を隠すように、ワタシの胸に擦り寄るサーニャ。

そのまま召集がかかるまで、ずっとずっと、二人でくっついていた。


数日後。
食堂でまたまた胸の話になり、ワタシはもちろん前回の反省を生かして余計なことを言わないように
黙っていたんだが。

誰かが言った、「好きな人に揉まれると大きくなるらしい」
の一言で、茹でダコのように赤くなったワタシとサーニャが、皆にさんざんからかわれたのは、
また別の話。

おしまい

嫉妬サーニャがかきたかったんだが、なかなか難しい。

234:名無しさん@秘密の花園
08/10/26 23:01:38 kRhLsI/R
本スレにシャーゲルがあったから思わず転載

(ドンドンドン)

「ノックは、もうちょっと静かにしろー」
「トリック ア トリート~」
「・・・ん?なんだリベリアンか。それで、その格好は何だ?」
「ハロウィンの仮装。みんなの所行って、後はカールスラントの堅物だけさ~。お菓子をくれないとイタズラするぞ~」
「お菓子なんか無いぞ。だから帰った、帰った」
「そっか、お菓子無いのか・・・。だったらイタズラするか。・・・えいっ」
「や、やめろ・・・。どこをさわってるっっっ・・・」
「お菓子くれなかったから、やめないぞ~。おっ・・・、ココとかソコとかは柔らかいのだな。うりうり~」
「あっ・・・ソコは、・・・きゃ・・・・・ふあっ、・・・んんっ~~~」
(省略されました、続きを読むには”カールスラントの堅物は、頭だけだった”と書き込んでください)
 ̄○ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   O。
           /゛!       /゙!
        { .{     /  ,'
        ∨ハ,. ‐―y  /
          , ^:".: : : : :`ヾ'ヽ
       /: :〃!l: : : }l: :ヽ: :',
       /ィ :ナ代 : :リTト、!: |l
      ノ |l:.:{T圷゙∨圷T,リ 人
       Ⅳバ┘  └' ,イ:リ  お菓子を前もって準備してるわけ無いし
.          乂ゝ、 ー' ∠ イ   この作戦で完璧だ
          ,.┴イjス7个、:.|
.          { ( (  ≠,、 ヾ,
.          乂トrrェ-rく__,.イ
         f゙¨丁¨゙ー'くⅣ
         〈、_人__,.イJ
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          ヒフ   .ヒフ

235:名無しさん@秘密の花園
08/10/26 23:49:54 VgNjNFze
ん!みんなGJ!

…なんだけどこれSS投下していいの?
ミーナさんシリーズ新しいの出来たんだけど

236:名無しさん@秘密の花園
08/10/26 23:55:19 /arNw8Un
>>235
見る側の人間としてはどんどん来て欲しい

237:滝川浜田 『ミーナさん崩壊シリーズ「恋人と言えば」』
08/10/27 00:03:39 rLFvgwGI
では行きます。引き続きミーナ隊長キャラ崩壊注意。






「美緒、恋人同士と言えばセックスよね」
「…ミーナ、もう少しオブラートに包め。直接的な単語は良くない。
それ以前にお前と私は恋人同士ではないが…。
というかなんだいきなり」
「宮藤さんとリーネさん、シャーリーさんとルッキーニさんも既にそういう関係なのよね。
あっ、ちなみにエイラさんとサーニャさんは、エイラさんが極度のヘタレだから未だ手を出せず」
「…そんな具体例はいらん」
「というワケで今日はセックスの在り方について考えていくわ」
「だからセックスって言うな」
「美緒はセックスに大事な事って何だと思う?」
「(こいつわざとだな…)そうだな、やはりお互いの想いじゃないか?
じゃないと愛のある行為は出来んだろ」
「さっすが私の美緒☆カッコいい!
…でもね美緒、大事な事はまだあるわ」
「…だいたい分かるが一応聞いておく。
……なんだ」
「それはね、身体の相性よ」
「言うと思ったよ!お前はどこかのタレントか!この性獣め!」
「だって大事だと思うわよ?実際問題」
「しかしだなあ、ミーナ。
身体の相性というのは行為をしてみないと分からないものじゃないか?」


238:滝川浜田 『ミーナさん崩壊シリーズ「恋人と言えば」』
08/10/27 00:08:53 rLFvgwGI
「そう言うと思って今日は特別ゲストを呼んであるわ!
自分より年下(12歳)の幼女に手を出したシャーロット・E・イェーガーさん(16歳)よ!」
「……あの、ミーナ中佐。そんな紹介やめて貰えますか…。なんかそれじゃあたしが犯罪者みたいでちょっと…」
「あら、手を出したのは事実なのよね?」
「だから手を出したって言うと一方的にしたにしか聞こえませんから!
ちゃんと同意の上ですから!」
「すまんなシャーリー。ルッキーニとなにか約束があったのではないか?」
「あ、いえどうせルッキーニは木の上でグーグー寝てるんで」
「で、どうなの?ルッキーニさんとの夜のフライトは」
「お前今日いつもよりヒドいぞ」
「…ま、まあ、上手くいってますよ」
「ルッキーニさんの喘ぎ声可愛い?」
「ミーナ!お前いろんな意味でOUTだぞ!」
「あたしに腕を回して『シャーリィ…好きぃ…もっと…』って言って来ますね。
…それが可愛くて可愛くて…//////」
「シャーリー!お前も答えるな!」
「嗚呼良いわねえ。恋人同士良いわねえ。
というワケで美緒!私達も夜のフライトしましょう!」
「これ以上近付くと本当に斬るぞ!」
「シャーリーさーん、ルッキーニちゃんが泣きながら探してますよー」
「おー宮藤、ありがとー。
じゃああたしはここら辺でー」

「美緒――――☆ ミーナ行きまーす!!」
「斬っ!!!!!!!!!!!!!!!」


以上です。
ここ2日くらい見ててなんか人減ってない?と思った自分は少し毒されてるんでしょうか…
それとも少し風邪気味だからそんな錯覚が起こってるだけ?

…いずれにせよ、爺はもう寝ます。おやすみなさい…


239:名無しさん@秘密の花園
08/10/27 00:11:49 ivg/FitC
>>238
爺様GJ

人が少ないのは皆SSを練っているんだと勝手に解釈してます



240:>>217こういうことですかね?
08/10/27 00:17:37 LmoK6/WJ
適当に書いたとはいえとりあえずもう一度
私は異常だ、たぶん。
ウォーロックを倒し扶桑に帰ってからは赤城の艦長さんからいただいた扶桑人形ばかり見ている。
別に引きこもっているわけでも友達が減ったわけでも勉強ができなくなったわけでもないが、
暇さえあればずっと扶桑人形を見ている。部屋に飾ってある扶桑人形の数も増えてきた。
最初こそお母さんやおばあちゃんは部屋に入るたびに目を大きくして口をパクパクとさせていたが、
最近は慣れたのか増え続ける扶桑人形に呆れたのか何も言わなくなった。
今ウィッチーズで連絡を取っているのはミーナさんだけ。
理由は私の趣味を理解してくれそうで実際に理解してくれた人だから。
たまに手紙(といっても最近カールスラントリオがカールスラントコンビ+1になってる。転属したいとかそんな感じのネガティブな内容だが)とカールスラントの人形を送ってくれる。
カールスラントの人形は扶桑人形とは違い本物の女の子みたいでこれも中々魅力がありとても気に入ってる。
今度扶桑に行きたいと手紙に書いてあったので家に招待しようと思う。

「芳佳、美智子ちゃんが着たわよ。」

そういえば今日はみっちゃんの所へ遊びに行くんだったな、時計の針は12時と30分をさしている。
まだちょっと早いけど、みっちゃんは部活の帰りかな?

「はーい。」
「こんにちわ芳佳ちゃん。」
「芳佳、寝癖が付いてるわよ。」
「え!?……え、えへへ……」

お母さんに言われるまで気付かなかった。扶桑人形や漫画が好きな人はよく身だしなみを整えられないって言うけど
私も徐々にそういう人になってきてる気がする。ちょっとショックだな…

「じゃあ、私ちょっと着替えてくるね」

自分の部屋にもどりパジャマを脱いで服を着る。今日はウィッチーズに居たころサーニャちゃんにもらった
パーカーを着ていこうかな、大事にしすぎてあまり着てなかったけど入るかな?
最初に来たときとほとんど着心地の変わらないパーカーと最近掛けだしたメガネをつけて玄関へ行く。
もちろん服を着る前に寝癖は直している。

(もうちょっと胸のところが苦しくなると思ったんだけどなぁ……)

すこしショックだったけどまあいっか。

「わあ、その服とっても可愛いね芳佳ちゃん!」
「本当? ありがとう!」

サーニャちゃんのことを疑ってた訳ではないが、みっちゃんに可愛いといわれて安心した。
サーニャちゃんやエイラさんみたいに綺麗な人だから何を着ても素敵だけど私が着れば変なんじゃないかと
思ってたので、みっちゃんの素直な感想はとてもうれしかった。
みっちゃんの家に着くまでかけっこをした。今まで勝てていたのに負けてしまった……
ずっと扶桑人形ばかり見ててあんまり運動してなかったからかな?
今日はショックを受けっぱなしな気がする。

241:>>217こういうことですかね?
08/10/27 00:18:23 LmoK6/WJ
「おじゃましまーす。」
「いらっしゃい、今日はお爺ちゃんもお兄ちゃんもいないからゆっくりしていってね。 かけっこして体が熱くなっちゃったし縁側で蜜柑でも食べようか。」
「うん!」

冬の冷たい風も、運動して汗をかいた後だととても気持ちいい。
私たちは縁側でいろいろな話をした。学校のこと、ウィッチーズのこと…ちょっとだけ、扶桑人形のこと。
やっぱりちょっとだけ気になる。扶桑人形が好きな人って普通の人に動思われてるのか。

「ねえ、やっぱりお人形が好きって言うのは変かな?」
「ううん、私は変じゃないと思うよ。……変な私が言うのもなんだけど。」
「え、みっちゃんが変?」
「うん……あのね私、実は好きな子が女の子なんだ。」

もじもじと告白するみっちゃんを見て、言いようの無い安堵感と少しだけの好奇心を覚えた。

「へえー、じゃあみっちゃん今好きな子っているの?」
「芳佳ちゃん。」

私が全部言い終わる前にみっちゃんは私に告白の言葉を放った。私は結構大きな声で話していたつもりだがその言葉は
はっきりと私の耳から頭へと届いた。

「みっちゃん……本当?」
「大好きだよ。」
「友達とかじゃなくて?」
「うん。」

短い言葉を交し合った後、みっちゃんの顔が近づいて着た。ああ、キス、するのかな。
でも、みっちゃんならいいかもしれない。
蜜柑の甘酸っぱくていい匂いのする唇が、私の唇と重なり、眼鏡が少しだけずれた。
それはたぶん一瞬だったんだろうけど、キスなんてした事の無い私にはとっても長い時間に思えた。

「私は芳佳ちゃんが扶桑のお人形が好きでもずっと芳佳ちゃんのことが好きだよ。
もしかしたら私に振り向いてくれるかも知れない、ずっとそんなこと考えて芳佳ちゃんのことが好きなまま。」

苦々しく話すみっちゃんは一度息をすうと

「ね?たとえ芳佳ちゃんが変だったとしてもお互い様だよ。」

ああ、やっぱり私は異常だ、絶対。こんなに想ってくれる人が居て、まだ扶桑人形が好きだなんて。

242:名無しさん@秘密の花園
08/10/27 00:19:11 LmoK6/WJ
せっかく時間ができたのにまったく推敲せずに10分くらいで書き上げたのを投下するのは
気持ちいいね!

243:名無しさん@秘密の花園
08/10/27 00:22:23 oQPR28Qm
>>229
すいません今の今まで気づきませんでした。
今から読んでみます。

244:名無しさん@秘密の花園
08/10/27 00:22:54 F0jqOMdZ
>>238
フイタww

職人の生活サイクル似てるのかなってかみんな職業人なら当たり前か
自分は暇な学生だからいつでものうのうとコメしてるが、職人方はマジで乙であります

なんだけどジッチャンが撃墜王たるスタンスで強力な爆撃しまくってくるので俺的にはわりと満ち足りていられる

てことでジッチャンGJだ!

245:名無しさん@秘密の花園
08/10/27 01:27:37 VHv0NaiU
こんばんは。t26gFAxTです。
前回分へのレスありがとうございます。
ただ、推敲したはずなのに読み返したらものすごいありえない誤字がいっぱいあったのでorz
DVD2巻が届き、隅から隅までお楽しみ中。
記録集の表紙がすばらしすぎる。
特に秘め声CDと記録集は使えそうなネタがたんまりでまだまだいけそうですね、これは。
それでは学園ウィッチーズ第11話いきます。
とある描写でサーニャが変態みたいになったけど、後悔はしていない。うん。

246:学園ウィッチーズシリーズ 第11話 降りしきる雨の中で
08/10/27 01:29:19 VHv0NaiU
 主任教官室の一室で、ゲルトルートはぴんと背筋を伸ばし、後ろで手を組んで、目の前の執務机に座って書類に目を通す主任教官であるハッキネンの言葉を待っている。
 ハッキネンが書類を机に置き、メガネを指先で持ち上げた。
「報告書を読む限り、ストライカーには問題がないことから、今回の墜落事故は人的要因により引き起こされたものとみて間違いないですね?」
「はい。間違いありません」
 ゲルトルートはきっぱりと、嘘偽りなく、答える。ハッキネンは、ゲルトルートを熟視した後、椅子にもたれる。
「それでは、処分を言い渡します」
 ゲルトルートの表情にかすかに緊張が走り、後ろで組んだ手を思わず握り締める。
「本日より、放課後に、同行者を必ずつけて飛行訓練を行ってください。訓練報告書も、同行者のサインを入れて、忘れずに提出するように」
 ゲルトルートは意表をつかれたのか、目を白黒させながらも、言葉を搾り出す。
「お言葉ですが……それは……、処分なのですか?」
「不服ですか?」
「いいえ、また飛べるのは嬉しいですが…」と、本音を言いかけ、ゲルトルートは口をつぐむ。
「バルクホルンさん。この学園の目的はご存知ですか? この学園はすべて生徒の"可能性"を探るためにあります。
あなたもウィッチであるとはいえ、例外ではありません。報告された内容だけを見れば、あなたの魔力が失われつつあったことは明白ですが、今のあなたからは、確かな魔力を感じます。
よって、それに賭けてみたいと思ったからこその処分です。訓練は必ず行うように」
「承知しました」
 ゲルトルートはこみ上げる喜びをなんとか胸にとどめ、凛とした態度で返答すると、勇ましい足取りで部屋を後にした。
 ハッキネンは立ち上がり、窓を開けると、桟に手をつき、視線を落とした。
 ただようタバコのにおいに顔をしかめる。
「盗み聞きとは、悪趣味ですね」
「学園内じゃ禁煙とうるさいからここで吸っているだけだ」と、しゃがんだビューリングは悪びれた様子も見せず、また煙を吸い込む。
「本当は心配していたくせに、素直じゃない」と、ウルスラが持っていた本でタバコの煙をあおいだ。
 ビューリングは否定するでもなく、ふん、と鼻だけ鳴らす。
 ハッキネンは、呆れながらも、真一文字に引き結んだ唇をほんの一瞬緩ませながら、「今後は、学園敷地内での禁煙も検討します」とだけ、いたずらぽく言うと、窓を閉じた。
「弱ったな。もう空で吸うしかないな……」
「禁煙すれば」
「そうだな。ハルトマン姉妹の仲が良くなったら止めてみるかな」
 ウルスラは、苦々しい顔をビューリングに向けると、くるりと背を向けて、校舎へ戻っていく。
 ビューリングはその様子を眺めて最後の一息を吸い上げると、空に向かって吐き出した。
「お前だって素直ではないじゃないか」


247:学園ウィッチーズシリーズ 第11話 降りしきる雨の中で
08/10/27 01:29:58 VHv0NaiU
 エイラ、サーニャ、ペリーヌ、リーネの4人は、屋上でランチボックスを開いて、昼食を囲んでいた。
 ひとしきり食べ終わったエイラはごろりと寝転がり、曇天の空を見上げると早速ペリーヌがため息をついた。
「まったくお行儀が悪い」
「かたいこと言うなって。ていうか、宮藤呼ばなくていいのか、リーネ?」
 カップにお茶を注いでいたリーネの手が止まり、わずかに目元を引きつらせながらも、笑顔を向けた。
「うん。今日は医療研修で忙しいみたいだから。邪魔しちゃ悪いかなって」
「そっか。あいつ治癒魔法使えるし、実家も診療所だって言ってたな。いつかは扶桑に…」
 と、言いかけてエイラは起き上がり、リーネが注いだ紅茶に口をつけ、火傷する。
 ペリーヌはいつものように呆れ、リーネは苦笑し、サーニャはくすくすと笑った。
 エイラはサーニャにつられて笑いながらも、学園生活が終わり、いつかはサーニャと離れる日が来るということ、目の前のペリーヌとリーネもいずれはそれぞれの想い人と離れてしまうことを漠然と思い出し、つい、瞳を伏せる。
 サーニャは、そんなエイラの想いを気取ったのか、彼女の口元に指を置いた。
 緑の瞳がじっとエイラを射抜いて離さない。
 目の前にいるリーネとペリーヌも思わず息を呑んだ。
「痛いの痛いの飛んでけ~…」
 頼りない、そよ風のような声が奏でた言葉に、エイラは目を点にし、頬を真っ赤に染めた。
「こ、子供扱いすんなよな!」
「だって、芳佳ちゃんがとっても効くおまじないだって…」
 リーネとペリーヌはかわいらしい二人のやり取りに声を上げて、笑い、エイラはそんな二人を制止しようとあたふたする。
 サーニャは、三人を見つめながら、エイラの口元に置いた指先で自分の唇をそっとなぞった。

 エーリカは廊下を駆け抜け、生徒会室のドアを開け、ぱっと瞳を輝かせる。
「おー、いたいた」
 机に肘をついていたゲルトルートが振り返り、また前を向いた。
「何か用か」
「ミーナが探してる」
 ゲルトルートは、立ち上がると、ドアに施錠をした。エーリカの顔から電灯が消えたように、笑顔が失せ、わずかに厳しさが透けた。
「どうしたのさ?」
「エーリカ。お前はミーナがこの学園に来た理由を、知ってたんだな」
「ご名答。なに? 責任感じて、ミーナから逃げ回ってるわけ?」
 図星をつかれたゲルトルートは眉間にしわを寄せ、拳を握り締めた。
「私なんかのために、無為な時間を…」
「それは、違うんじゃないかなあ? そりゃ、音楽も好きだろうし、でも、ウィッチとして人の役に立ちたいってのもあるだろうし、なによりトゥルーデを…」
「私を、なんだ?」
 エーリカは、本当に何もわかっていなさそうなゲルトルートの表情に、呆れつつも、にやっといたずらっぽく笑い、ゲルトルートの肩を
叩いた。
「残りは本人に聞きなよ。あんまり逃げ回ってると、魔法使われて常に位置把握されちゃうぞ」
「……努力する」

 ミーナは廊下の曲がり角で、つい余所見をし、ちょうど歩いていた坂本とぶつかり、よろける。
「ごめんなさい」
「随分あわただしいな。どうした?」
 髪を耳にかけ、視線をそらすミーナに、坂本はすぐに合点がいったのか、ふと微笑んだ。
「バルクホルンを探しているのか?」
「そんなところね…」
「あいつの処分は事実上なしみたいだ。ただし、しばらくは、放課後に飛行訓練をしなければならないそうだ」と、言いながら、坂本は窓の外の格納庫に目を向ける。
 ミーナは、坂本の言葉に胸をなでおろし、息を吐いた。
 坂本はその様子を視線のすみで追いながら、窓の外を指差した。
「飛行訓練には、同行者が必須だ。一緒に飛んであげてはどうだろう」
 ミーナは、ちょうどゲルトルートが格納庫に入っていくのを見ると、弾かれたように駆け出した。

248:学園ウィッチーズシリーズ 第11話 降りしきる雨の中で
08/10/27 01:31:10 VHv0NaiU
 ゲルトルートが格納庫を訪れると、そこにはすでに彼女のストライカーを準備するシャーリーの姿があった。
 他の整備スタッフは見当たらない。
 シャーリーはゲルトルートに気がつくと、大きく手をあげた。
「よぉ」
「お前だけか」
「ああ。誰かさんのおかげでスタッフの休日返上させちまったからなあ」と、シャーリーはにやついた。
「……そうだな、すっかり迷惑をかけてしまった」
 昨日までの棘だらけだったゲルトルートがすっかりしおらしくなっているものだから、シャーリーは、少し考えた後、持っていた工具をがっしゃんと工具箱に戻した。
「一緒に飛ぶか? 同行者、必要なんだろ」
「そうしてもらえると、助かる」
 あっさりと同意され、今度はなぜかシャーリーがどぎまぎし始め、なにより、彼女自身が、自分の胸の高鳴りに困惑を始める。
「……で、でも、私よりミーナ先輩のがいいんじゃない?」
「いや、ミーナは……その……今は…」
「ケンカでもしたのか?」
 シャーリーはいつの間にやらゲルトルートの目の前に立ち、わずかに腰を折って、彼女に詰め寄る形となっていた。
 ゲルトルートが、話してよいものかどうか、迷っているうちに、格納庫の屋根をてんてんと雨が叩き始め、次第に本降りとなる。
「これじゃ、今日は無理そうだな…」
「……ああ」
 バシャバシャと足音が聞こえ、二人が入り口のほうへ視線を向けると、ちょうどミーナが駆け込んできた。
 ミーナが顔を上げる前に、シャーリーはゲルトルートから離れ、工具を片付け始めた。
 濡れた髪を撫で付けるミーナに、ゲルトルートは勇気を振り絞ったように近づいて、ハンカチを差し出した。
先日ミーナが渡したものである。きっちり糊付けでもされたのかという具合に、しわが伸ばされ、たたまれた状態に、ミーナはゲルトルートの生真面目さを見て取って、くすっと笑った。
「ありがとう」
 シャーリーはそんな二人を見、傘を掴みあげると、ゲルトルートに向かって放り投げた。
 ゲルトルートはしっかり受け取るも、怪訝な顔を向けた。
「一本だけか?」
「もう一本は私とルッキーニの。予備なんだから贅沢言うなって。飛行訓練はまた明日な。ほら、今日はもう店じまいだから出てった出てった」
 ゲルトルートはしぶしぶといった様子で傘を広げると、ミーナを伴って格納庫を出て行った。
 入れ違いで、ルッキーニがビシャビシャになりながら入ってきて、体を震わせ水を弾いた。
「うえぇ、風邪引いちゃうよぉ~…」
 一人ごちるルッキーニは、ぼおっとするシャーリーの前に立って、手を振った。
「おーい、シャーリー? どしたぁ?」
 シャーリーは、まるで今目覚めたかのようにルッキーニに気がつくと、取り出したハンカチでルッキーニの濡れた顔を拭いた。
 ルッキーニは、八重歯を見せ、嬉しそうにその状態を愉しむ。
 シャーリーはそんな彼女を真剣な眼差しで見つめ、抱きしめ、格納庫の入り口から見える雨の風景を、じっと見据えた。

 ゲルトルートとミーナは、1つの傘に身を寄せ合って入り、寮へ向かっていた。
 傘を持つ、ゲルトルートの冷えた手に、ミーナが自分の手を重ねた。
「明日の飛行訓練だけど、同行者はもう決めたの?」
「一応、リベリア……シャーリーに頼んだが……」
 ミーナはひときわ寂しそうな瞳をゲルトルートに向けて、また、正面を向いた。
 ゲルトルートは、ミーナの視線に気づかぬまま、じっと前を見つめ、昔もこんな風に1つの傘で雨の中を二人で帰ったこと、そして、数日前に見た夢の光景を思い出す。
 幼い頃に、ミーナの両親は立て続けに亡くなって、その頃のゲルトルートにできたことは、ただ傘を差し出して、抱きしめて、そして言葉をかけてあげることだけで。
 あの時、私は―
 ゲルトルートは、大きく目を見張って、立ち止まった。
 ミーナがそばにいてくれたのは、あの日の約束の―
 ミーナも立ち止まり、ゲルトルートを覗き込んだ途端、片手で抱き寄せられる。
「すまない。私は……。馬鹿なのは私だ。ミーナの両親の墓前の前で……約束したのに…」
 ミーナは、ゲルトルートの背中に手を回し、きつく抱きしめた。
 ゲルトルートの手から傘が離れ、二人の上に容赦なく雨が降る。
「……トゥルーデ、今のあなたはまたあのときの約束をしてくれる?」
 ゲルトルートは、両手でミーナを抱きしめ、耳元でささやいた。
「ああ。いつまでも、そばにいる」
 

第11話 終わり


249:名無しさん@秘密の花園
08/10/27 02:09:42 NSXOS2Lp
>>238
ミーナさん崩壊シリーズはぶっ壊れたミーナ隊長もおもしろいがそれ以上に
もっさんのクールさがおもろいw二人の温度差笑えるなぁwww

250:zet4j65z
08/10/27 04:17:23 hzRUMMlo
欝話書く上で心の均衡を保とうと書き始めた話の方が先に出来上がる罠。

前スレで影響受けてもやもやしたものがそこそこ形になったんではないかと思われ。


251:zet4j65z
08/10/27 04:18:06 hzRUMMlo
●スオムス1946 ピアノのある喫茶店の風景 エルマ来店

 喫茶ハカリスティ、本日開店。

 缶の臭いはバッチリとれて、二人ともお店での服にお着替え。
 ちょっと恥ずかしいけど、わたしはサーニャの勧めでウェイター姿。
 男物のズボンなんて似合わないよ~って思ったけど、一緒に買いに行ったサーニャに押し切られて渋々試着。
 で、姿見でサーニャと一緒に並んでみたらなんだか思わず自分で言うのもなんだけど似合いすぎちゃって即買い決定。
 サーニャはベルトが長めのウェイトレス。
 今まで着てた服とデザインは似てるけど、ポイントとして入るのはオラーシャの赤い星じゃなくてスオムスの青十字。
 サーニャは何を着ても似合うなぁ……うんうん。

 お客様第一号はご近所の一家。
 その他にもお店の立ち上げを手伝ってくれた比較的近所のおっちゃんやらおばちゃんやらその家族やらが来店して、朝から昼過ぎまでは大忙し。
 みんながサーニャの料理を褒めてくれて、ちょっとだけ私のコーヒーや料理も褒めてくれて、サーニャも笑顔で最高に幸せ。
 心残りと言えばちょっと忙しすぎてサーニャのピアノとか歌声とかを披露できなかった事くらいカナ。

 まぁ立地が『閑静な』場所だけあって近所組みが帰っちゃうとお客さんはグッと減る感じ。
 一応街道沿いではあるんだけど、まだ復興の進んでないオラーシャ側とスオムスを結ぶ街道なんてそんなに人通りが多くないんだよナァ。
 でもきっといつか、呼の街道も人通りを取り戻すって、そう信じてる。



252:zet4j65z
08/10/27 04:18:45 hzRUMMlo
 そんな気だるい昼下がり。
 見知った顔がやってきた。
「こんにちはエイラさん。お元気してますか?」
 店内に入るなり笑顔で挨拶する短めの薄色の金髪の20歳過ぎの女性。
 私服でサマーセーターを着てたけど、思い出の中にあるいつもの軍服じゃないだけで、その優しげな声も顔も忘れたりなんかするもんか。
「エル姉ぇ!」
 わたしはその来客、エルマ・レイヴォネン、スオムス空軍少佐に抱きつこうとした矢先、
 すってーん!
 エル姉は盛大にコケた。勿論何も無い所で。
 寸前でピンときたわたしは抱きつこうと広げた腕のままもう一歩踏み込んで、姿勢を低くして抱き留めるアクションへとシフト。
 最終的にはわたしよりちょっとだけ背の高いエル姉をお姫様抱っこ状態になる。
「ごめんなさぁい」
「モ~相変わらずダナ~エル姉は~」
 年上で上官なのにドジで気弱な可愛い人。
 でも扶桑のアナブキ中尉から学んだって言う航空指揮はとっても的確で、幾つもの戦闘で勝利を得ている。
 地味に撃墜数とかも稼いでて、スオムスでは3番目に多くネウロイを撃墜してたりする。
「そんなエイラさんは相変わらず勘も動きも鋭いですね~」
「ソンナンジャナクテ、魔法なんて使うまでも無く知ってる人なら誰でもピンとくるって」
 そのままサーニャの居るカウンターに向いて、その姿勢のままエル姉を紹介。
「サーニャ、この人わたしのスオムス空軍の先輩のエルマ・レイヴォネン……今は少佐でよかったよね」
「あ、あのちょっと、恥ずかしいですから降ろしてくださぁい」
「見ての通り年上だけどドジッ娘。リーネといい勝負、いやエル姉の勝ちカナ?」
「はい、あの、サーニャ・リトヴャクです。その、エイラ、降ろしてあげたら」
 サーニャはちょっとこちらから目線を逸らしつつ控え目な自己紹介。
 ん?なんだか久しぶりに人見知りモードかも。
 エル姉は誰にでも優しいからそんなに緊張すること無いのにナ。
 あ、少佐って聞いてサカモト少佐を思い出したのかな。
 方向性ぜんぜん違うから大丈夫なのに。
「ホラ、エル姉、座った座った」
 言いながら直接カウンターの椅子に座らせる。
 わたしは久しぶりに会ったエル姉と思い出話。
 で、エル姉が大人しいのをいい事に、いろいろ悪戯なんかして、酔っ払っても優しく叱ってくれるエル姉に少し甘えてみたり。
 ニパやハッセ、その他の仲間たちの近況を確認してみたり。


253:zet4j65z
08/10/27 04:19:49 hzRUMMlo
 でも、何度水を向けても、サーニャ微笑を浮かべて相槌を打つばかりで、話に混ざってきてはくれなかった。

 途中夕方になってお客さんが入り始めた。
 ちゃんと喫茶店のウェイターをしてるうちに、飲ませすぎてしまったらしいエル姉は寝息を立てていた。
 途中気付いたサーニャが毛布をかけて置いてくれたんだけど、当のサーニャはなんだかちょっと様子が変だった。

 開店初日で疲れたとか、そんなのとは違う気がした。

「エイラ、レイヴォネンさんを送ってあげて。その間にサウナの準備をしておくから」
 なんとなくその言葉に逆らえなくて、「うん」とだけ頷いてまだむにゃむにゃいってるエル姉を抱き上げた。
 その瞬間、サーニャが少し悲しそうな表情を浮かべた。

「え!? ちょっと、サーニャ!」
 でもサーニャはすぐに背を向けると「気をつけてね」とだけ言い残して奥へ引っ込んでしまった。
 もやもやしたまましばらく突っ立ってたけど、幸せそうな表情で頬を染めて身じろぎするエル姉の重みを思い出したわたしは、裏手のシュトルヒに向かった。

 シュトルヒの後席にエル姉を押し込んで、固定して離陸。
 少し離れた航空基地で教官をやってて、今日は非番なんで足を延ばしたって言ってたから、そこまで置いてくればいいと思うんだけど……。
 問題は突然軍の基地に行っていきなり試行機下ろさせてくれるかだよな。しかも時間遅いし。
 そんなことを考えながら転針していると、エル姉が起きる気配がした。
「エイラさんおはようございます。あ、これ自家用のシュトルヒですね。すごいですね~」
「あ、エル姉起きた? ヨカッタ。これでいきなり対空砲で撃たれるのだけはなさそー」
「エイラさんて、本当に変わらないですね~」
「ナニガ?」
 なんだか、記憶にあるエル姉以上にほわほわした感じがする。まだお酒のこってるのかな。
「自分の気持ちに不器用なところとか、そんなところに自分で気づいてるのに踏み出せないところとか」
「え、エル姉まだ酔ってるダロ~」
「はい、酔ってますから普段できないこととかしちゃいますよ~……、エイッ」
「ひゃっ!?」


254:zet4j65z
08/10/27 04:20:22 hzRUMMlo
 唐突にエル姉が私のおっぱいをもみ始めた。
 シュトルヒが蛇行するけど、流石は元航空歩兵だけあって普通の人なら悲鳴をあげるところで平然と揉み続ける。
「エル姉ノンケじゃなかったのかよー!」
「私にだって揉む権利があると思うんですっ!」
 しかもなんか揉み方がいやらしい感じ。ンッ……なんか、だいぶ手馴れてナイカ?
「ヤメロ酔っ払い!」
「ふふ、じゃ、やめます」
 あっけなく手を離す。ちょ、ちょっと興奮しちゃったじゃナイカ。
「全くモー……何なんだよ、エル姉」
「エイラさんが余りにも幸せそうで、余りにも鈍感で、余りにも残酷なんでちょっと意地悪したくなっちゃったんですよ」
「チョットの意地悪で墜落しかけたぞー」
「今のはチョットの悪ノリです。意地悪はもう済ませました」
 ジト目で抗議するけどあっさりとかわされる。
「うぇ、やっぱりエル姉変わった~。昔はもっといい人だったよ」
「それでですね、サーニャちゃんですけど、」
「サーニャが何っ!?」
 まさかサーニャに何か意地悪したのか!? まさか様子が変だったのはエル姉のせいなのかっ!?
「わ……食いつきが凄すぎですね。その、多分ですけどエイラさんが自分を律しすぎてるんじゃないかな、って思います」
 え?
「もう少し……その、自分の欲望みたいなものをうまくサーニャさんにぶつけてみるとか、うーん、うまく言えませんね」
 いっ欲望!?
「わ、わたしがっ、その、そんな事したら……サーニャに嫌われちゃうよ……」
 でも、わからない。
 そして、頭の隅に追いやってたことを思い出してしまった。
 さっきのサーニャのなんだか変な、よそよそしい感じの、突き放した様子。
「エル姉、わたし、サーニャに何か悪いことしちゃったのかな?」
 ああ、なんか思い出したらわたし気弱どころか涙声になってる。
「はい、してましたよ」
「えええっ! なに?なに?なに?わたしいったい何シチャッタ?」
「多分答えだろうと思うものはわかってますけど……それを言わないのが今日はちょっと意地悪な大人のエルマです」
「ひどいよエル姉っ!」
 うう、本当に意地悪だ。
「あ、飛行場ですね」
 そういうとエル姉は窓から身を乗り出して地上に手を振っていた。
 程なくして誘導員が出てきて着陸。
 別れ際、「ヒント:お姫様」とだけ言うとエル姉はさっさとシュトルヒを離れて手を振り始めてしまった。
 仕方なくタキシングして離陸。
 考える暇も与えてくれないほどあっという間に飛び上がるシュトルヒの性能が、このときだけは恨めしかった。


255:zet4j65z
08/10/27 04:20:59 hzRUMMlo
 煮え煮えになりながら帰宅。
 サーニャは笑顔で「お帰りなさい」って迎えてくれたけど、なんだかちょっと無理してるような気がした。
 わたしもエル姉のくれたヒントの事でいっぱいいっぱいになってて、気の聞いた返事もできずに「タダイマ」とだけしか返せなかった。
 お姫様……。
 サーニャがわたしのお姫様なんて、私の中では当たり前だし。
 いやそれだけじゃなくて天使とか妖精とか女神とか……たいていのものは当てはめられちゃう自身はあるぞ。
 ん~でも、エル姉のいうお姫様って一体なんなんだろう?

 二人でサウナ。
 身を寄せ合うようにしてるのに、なんだか心が遠いようで辛い。
 本当はもう少し言葉を交わす時間なのに、二人ともずっと何も喋れなくて、ただずっと静かな時間だけが過ぎて。
 多分わたしたちは、いつもよりも長く、サウナにいた。

「あがるね」

 そんな長い時間の中で、初めて発された言葉。
 サーニャはそういうと立ち上がるんだけど、のぼせてしまったのか、足をふらつかせた。
 ああ、もう!
 ナニヤッテンダ! わたし!
 こうならない様に、いつものぼせないようちゃんと時間を計ってたんじゃないのか!? わたしのバカ!
 自分を罵倒すると同時に、最悪の状況を回避すべく反射的に踏み出したわたしは、しっかりとサーニャの体を抱きとめた。
 咄嗟だったから気を回していられなかったんで、二人の体からはらりとタオルが落ちる。



256:zet4j65z
08/10/27 04:21:34 hzRUMMlo
 火照った肌の接触。
 すべすべの感触。
 細くて可愛らしい身体。
 そんな腕の中の存在に崩壊寸前の理性を?ぎ止めてくれたのは、何時間かぶりに見る心からのサーニャの笑顔だった。
「こうして欲しかったの」
「えっ!?」
「ごめんなさい。私、エイラにこうやって抱っこしてもらえるエルマさんに嫉妬してたみたい」
 え?え?え?どういうこと!?
「私ももうちょっとドジだったりしたら、もっと早くこうしてもらえてたのかな」
 何気にサーニャ真剣な表情でちょっとひどい事言ってるゾ。
「その、言ってくれればこれくらいの事は……」
 いや、まてよエイラ、これはまずい。
 裸でこんなおっぱい同士が触れ合うほど接触してるなんてっ! こんなんじゃ私がどうにかなっちゃうじゃナイカッ!
「お願いがあるのっ!」
 思考が沸騰する前にサーニャが強く言った。おかげで少しだけ冷静に。
「サウナから水浴び場まで、毎回こうやって抱っこして欲しいの」
 いや! そそそそれはまずいよサーニャ! わたしが獣になっちゃうよ!
 でも、サーニャの頼みを断るわけにはいかない!
 そうだ、今日だけ、今日だけならきっと耐えられるっ!
 耐えられるに違いないっ!!
「キ、キョウダケ……」
「エイラ……」
 上目遣い。反則ダロ。
 で、でも精一杯サーニャの願いをかなえるのがわたしの使命ダロ!
「アシタマデ……」
「…………」
 今度は目を伏せる。
「コ、ココダケッ、ダカンナー」
 多分のぼせたときよりも真っ赤になったわたしは、叫んだ勢いで水浴び場までサーニャをお姫様抱っこ。
 後はそんな幸せな状況に頬は緩むままに任せ他愛の無い会話。

 明日以降の理性なんてその時がんばればいいさ。
 何よりも、昨日より笑顔が輝いて見えるんだから。
 それがとっても幸せ。

 そんなわけで、ちょっとばたばたはしたけれど、喫茶ハカリスティ開店初日はまずまずの仕上がり、カナ?
 エル姉アリガトネッ! 


257:zet4j65z
08/10/27 04:22:44 hzRUMMlo
以上となります。
ユーティライネン、カタヤイネンに多分ルーッカネン、アホカスまでいるんなら、
きっとハンス”ハッセ”ウィンドもいるだろうと思って名前を入れてみた。
公式に出てきたら「まだニパがいる」ネタでもやりたいなぁ。

坂本×山川に関しては月曜夜あたりに投下できればと思ってます。


っていうか、密林!
DVD2巻ではいい仕事したというのに、島田フミカネ画集が届かないのはどういうことよ!

258:名無しさん@秘密の花園
08/10/27 07:22:45 JvVzZV50
さーにゃんかわいいなあ…
エイラちゃんは幸せもんですね!
GJ!

259:名無しさん@秘密の花園
08/10/27 08:21:25 +fE2G1dk
>>245

学園キター!
やっとゲルト復活できて嬉しい
後はミーナの気持ちに気付いて肉体言語で語り合うだけですね、性的な意味で
まだまだ続いて欲しいですw

学園シリーズはアニメだけじゃなくていらん子のキャラも出てくるから嬉しいです
特にビューリングが可愛い



260:名無しさん@秘密の花園
08/10/27 09:13:53 d15++2pO
>>248

261:名無しさん@秘密の花園
08/10/27 09:17:19 d15++2pO
すまん途中で書きこんじまった…

>>248
これはまさかのシャーゲルのながれかな?
わっふるわっふる

262:名無しさん@秘密の花園
08/10/27 10:29:21 kI5PjP/5
>>257
グッジョブ!エイラーニャ良いなぁ
今日も一日幸せな気分で過ごせるよ

263:名無しさん@秘密の花園
08/10/27 14:40:32 Xk1OFf7H
>>241
・・・・・・・・なんという
妄想を具現化してくれるとは思っても見なかったです

ここの人は本当に読ませてくれる作品が多くて好き
学園シリーズも眼が離せません

264:名無しさん@秘密の花園
08/10/27 16:09:46 e3DycO5e
エイラとゲルトのやつの続きはまだですか?

265:名無しさん@秘密の花園
08/10/27 17:50:56 z6/bb77Q
一日放置すると読みきれない量が投下されるから困る
いや困らないけど

266:名無しさん@秘密の花園
08/10/27 18:29:26 wewzveLG
感想が追いつきません!
職人さんみんなGJGJGJ

267:名無しさん@秘密の花園
08/10/27 20:19:22 9yXZnO0f
>>257
GJ!!最初のお客さんがエルマさんでなんか嬉しいぜ!
サーニャ以外には無自覚で紳士なエイラがツボにきたw嫉妬サーニャかわいいなぁ

ところでざっと見た感じフィンランドの著名な軍人にレイヴォネンって人いない
みたいなんだが、氏はエルマさんのモデル誰かにしている?
参考にしたいのでよければ教えてくだされ

268:267
08/10/27 20:27:00 9yXZnO0f
すまない、もう一人のエイノさんだったか>エルマさんのモデル

たしかヨルマって名前の人もいたな

269:名無しさん@秘密の花園
08/10/27 20:38:19 oQPR28Qm
>>267>>268
エイノ・アンテロ・ルーッカネンだな
ユーティライネンとかカタヤイネンに比べるとインパクトは少ないが
まぁあの方たちが異常なだけだから。

270:名無しさん@秘密の花園
08/10/27 21:05:45 OKOdfFGB
ルーッカネンって言いにくいw
元ネタの方々は調べてみるとなかなか面白いよな。

271:名無しさん@秘密の花園
08/10/27 22:12:47 gB5fTHxU
ヴィルケ本部長
ペリーヌ・クロステルマンの場合

前年から25%を超える大減俸に対して

「ふざけるな!という金額。そういう提示をするのは、わたくしをいらないということでしょう」
「ショックで震えることってあるんですね。金額を見た瞬間に足ががくがくになりましたわ」
「1話に一言しかセリフのない人とは違うのですわ!」
「実は来年の5月に子供が生まれるんです(想像妊娠)。何とかミルク代として」

272:zet4j65z
08/10/27 22:15:43 hzRUMMlo
>>267>>270
感想ありがとっす~
アニメのまとめwikiみたらルーッカネンになってた。
自分的にもキーワード的に39年に独立した自分の部隊を率いていて、
苗字がLから始まっててエイラの先輩っていうと、
有名どころではルーッカネンかな、と想像してた。

273:滝川浜田 『confession game』
08/10/27 22:53:24 rLFvgwGI
投下します。久々のシャッキーニ。





―ああ、くそ、あんなゲームなんかして後悔した。

まさかルッキーニに告白する事になるなんて…


――confession game――


遡る事一時間前。

「なあ堅物、ちょっとゲームしないか?」
「ゲーム?」

あたしは食堂でカールスラントの堅物にゲームを挑んだ。

「簡単なゲームだよ。今からこのトランプの中から一枚引く。
そのトランプの柄を当てる。それだけのシンプルなゲームさ」
「ほう、それで負けた方には何かペナルティはあるのか?」
「ペナルティか…」
「ゲームには無ければいけないだろう」
「うーん…あたしこういうの考えるのは苦手だからなあ…。
あんたがなんか考えてよ」
「…そうだな。
好きな相手に告白するというのはどうだ」
「…っていうか堅物。お前に好きな奴なんていんのか?」
「失礼だな。
…いるに決まってるだろ」
「ふ~ん…じゃ、始めようか」
「待て。お前じゃ何をやらかすか分からない。
私がトランプを切る」
「…あたしどんだけ信頼無いんだよ…」

堅物はトランプを切る。

「じゃあ、今から当ててみようか」
「その前にルール確認だ。もしも二人の予想が外れたらどうする」
「それは、サドンデスに決まってるだろ。
じゃなきゃ面白くない」
「…なるほど」

…なんかやけに乗り気だな…


274:滝川浜田 『confession game』
08/10/27 22:55:41 rLFvgwGI
「じゃあ、予想しようか。まずは堅物から」
「そうだな…。ダイヤの3にしようか」
「ならあたしは…ハートのエース」

堅物はトランプを引く。
そして一枚のトランプをテーブルに叩き付ける。

そこにあったのは…

「ダイヤの3…だと…?」
「フッ」

堅物が不敵にニヤリと笑った。

「なっ、なんで一発で当てられるんだよっ…!」
「フッ、リベリアン、お前は勝負を挑んだ相手を間違えたようだな」
「…なんだと?」
「私はここ一番には強いんだよ。特に賭け事に関してはな」
「くっ…!」
「ほら、早く告白してこい。
……まさかとは思うが、好きな相手は私じゃないだろうな」
「アホか!お前なんか好きになるワケないだろ!」
「そうか。なら安心した。ほら、心置きなく告白してこい」

堅物はそう言うとあたしを無理矢理食堂から追い出す。



275:滝川浜田 『confession game』
08/10/27 23:00:54 rLFvgwGI
――――――――――で、今に至る。
今、ルッキーニは宮藤、リーネと話し中だ。
廊下の曲がり角からルッキーニをジロジロ見ているあたしは今はただの変態だろう。

「ん?何をしているんだ、シャーリー」

あたしの様子を見た坂本少佐が話し掛けて来た。

「さっ、坂本少佐!」
「ルッキーニに何か用なのか?」
「ええ、まあ」

すると気を利かせたつもりなのか、坂本少佐は、

「おーい、ルッキーニ!
シャーリーが何か用があるそうだー!」
「っ…!?」

なんとルッキーニを遠くから呼んだのだ。

「ウニャ?なに、シャーリー」
「あっ…いや…あの…さ…//////」

ルッキーニを前にすると、言いたい事(っていうか言わなきゃいけない)が頭をグルグル回って口に出せない。

「…っ…あっ…あのさ…//////」
「?」
「……なんでもない……」
「あ、そ」

…あたしいつからこんなにヘタレになったんだっけか…
あまりの自分のチキンっぷりに心底呆れる。

「じゃああたしからいい?」

あたしが死ぬほど落ち込んでいると、ルッキーニが話を切り出して来た。

「…ん?なんだよ」
「…ここじゃ恥ずかしいからさ、ちょっと向こう行かない?」
「あ、ああ、別に良いけど」

そう言うと、あたしはルッキーニに手を引かれてどこかへと、連れて行かれる。

「おい、どこ行くんだよ」
「もっと、遠くだよ。…誰もいないような…//////」
「ルッキーニ…?」

ルッキーニの様子が少しおかしい。

「シャーリー」
「なんだよ」
「…あたしの話、ちゃんと聞いてね?」
「ん、ああ…」

ルッキーニは大きく深呼吸して、あたしに話を始める。

「……実はね、シャーリー…あたし…シャーリーの事が…」



276:滝川浜田 『confession game』
08/10/27 23:03:09 rLFvgwGI





――――――――――
《シャーリーの様子を傍らで見ていたトゥルーデ

「イカサマなんて私らしくも無いな」

トゥルーデの手には先が少し折れ曲がったダイヤの3のトランプが。

「フフ…面白い報告を待ってるぞ、リベリアン」

そう言うと、トゥルーデは持っていたダイヤの3のトランプを投げ捨てた。


END

以上です。
久々のシャッキーニ、やっぱり書きやすいw

…さて、いよいよ体調が悪くなってきたので、爺はもう寝ます。おやすみなさい…


277:名無しさん@秘密の花園
08/10/27 23:10:05 nMzpLv9l
ふぅ……久々にリアタイきたぜ
>>276GJ!!何だこのお姉ちゃんww
トランプに興じる女の子たちっていいですよね。そしてナイスシャッキーニ。

278:名無しさん@秘密の花園
08/10/28 00:28:02 Act7EGFG
いやはや、ここはパラダイスですね!
みなさんGJすぎる……。
特に学園ウィッチーズシリーズはすごく…ミートゥルで…2828でした。
GJ!

前スレでちらっとカールスラントトリオは3Pでいいよ!
なんて話をしてたしがない絵描きですが、ぴぃvに後でコッソリ投下します…。
インスピレーションくださった、保管庫管理人様のSSに感謝。

279:名無しさん@秘密の花園
08/10/28 01:45:41 483gSflI
彼是一週間くらい保管庫が更新されてないな
この時期はみんな忙しいのかな

280:保管庫 ◆YFbTwHJXPs
08/10/28 01:51:45 ulKHBiyi
ぐはぁ、遂に言われてしまった。今修羅場真っ最中なんです、申し訳ない……。
11月までには何とかします。多分。
いらん子ネタで一本書いてるのでそれで勘弁してくださひ……。

281:zet4j65z
08/10/28 05:24:17 1VoRfYHp
>>276
トゥルーデがカッコイイ惚れ直しました。

>>280
修羅場真っ最中なのに創作活動を忘れない管理人さんが素敵です。
がんばってください。


そんなわけで予告どおり自分の投稿いきます。
内容が欝です。
なんか最後がうまくまとめらん無かったんで前半部だけ投下してみます。
ごめんなさい。
朝一番に見る内容じゃないと思われます。
本当はこれ完結させてから口直しに喫茶ネタを投下できればよかったんですが、
どうにもうまくいかないもんです。

一応、坂本美緒×山川美千子となります。

282:zet4j65z
08/10/28 05:25:21 1VoRfYHp
●扶桑皇国1945 残された者たち

 横須賀 昭羽20年7月

 宮藤からの手紙が届いた。
 あいつは向こうでもうまくやっているらしい。
 あの人懐っこい性格と空戦の実力ならにべなるかな。

 現在、扶桑は大陸からのネウロイによる空襲に悩まされ、一人でも多くのウィッチが必要とされていた。
 大戦初期に活躍し、魔力を失いつつあったウィッチは後進の指導の為にストライクウィッチ養成校の教官となっているものが多かった。
 私もそんな中の一人だ。
 精強なウィッチを育て、戦場に送り出す事。それが今の私に出来る宮藤への最大の支援だと考えている。
「坂本教官、試験を始めるとの事で技官の方がお呼びです」
 物思いにふけるうちに、山川が来た。
 彼女は宮藤のはとこにして親友で、最近になって魔力を発現したウィッチだ。
 宮藤ほどの素質に恵まれているわけではないが、新機材の開発の為に癖のついていないウィッチが必要だと言う事で横須賀空技廠に出向している。
 同時に私も彼女の監督官と言う事でここ空技廠に通う身だ。
 格納庫へ向かう道すがら、山川が好奇心を押さえきれずに話しかけてくる。
「さっき見ていたお手紙って、芳佳ちゃんからのですか?」
「ああ、戦闘は大変だがうまくやってるらしい」
 宮藤も私や家族以外に手紙を送りたいようではあったが、忙しい防空任務の合間に手紙を書いている身ではどうにも出来ず、申し訳なく思っているようだ。 
「そうなんですか~。私も早くちゃんと飛べるようになって芳佳ちゃんの助けになりたいな」
「当然だ。私も宮藤の為に何かしてやりたいと思っているからな。今はお前を一人前にするのが、何よりも宮藤のためになるだろう」
「はいっ、がんばります!」
 新機材、ストライカーユニットJ7は野心的な設計の局地戦で、今までのユニットに慣れたウィッチには扱いにくいだろうと思われた。
 未完成な部分も多く、まさしく今この瞬間に山川と共に成長途上にあるといえた。
 だが、完成すればこの戦闘脚こそが扶桑の防空の要となる。そんな予感を与える機体でもあった。
 J7は兎も角、山川に関して心配事があるとすれば、宮藤に対する思いが少々強すぎる点か。
 まぁ、私もあまり人の事は言えんのだがな。



283:zet4j65z
08/10/28 05:26:03 1VoRfYHp
 実は、手紙はもう一件あった。
 ネウロイの猛攻の前に劣勢に立たされつつある扶桑での、連合部隊発足に関する連絡だ。
 元501統合戦闘航空団を中核とし、増強した混成部隊になるという。
 そして、部隊番号は現在欠番となっている501番が使われる。
 勿論この部隊には宮藤も呼ぶつもりだし、山川も推薦してある。

 宮藤は今、第三四三航空戦闘隊に所属し、西扶桑の空を護っていた。
 本来ならば私が赴くべき空だったのだが、魔力の低下は如何ともし難く、私はこの横須賀の地から宮藤の活躍を見守る他はなかった。
 宮藤がその名を上げたのは今年の2月の事だ。
 大型ネウロイ12機に対して単身防空戦を行い、内2機を撃墜。
 右手に機銃、左手に使い魔を具現化した護身刀九字兼定を構え奮戦するその姿は「空の二刀流」と写真つきで新聞にて報道された。
 今や人気は私や竹井、陸軍の穴吹や加藤すら凌ぐ勢いだ。
 そんな一般国民の盛り上がりと裏腹に、西の防空は過酷さを増しているらしい。
 余程状況が悪いのだろう。
 国民に知らせられ無い情報が多すぎて、同じ軍内部にいる私にすら正確な情報が入らないことがままある。
 今のところ帝都は無事だが、本格的なネウロイの攻撃が始まるのも時間の問題か。
 歯痒いものだな。
 手紙や新聞の宮藤は明るい部分しか見せていない。
 だが、私には分かる。
 防空任務についたウィッチ達の損害の表す数字。
 確実に宮藤の身近でも何人ものウィッチが帰らぬ人となり、或いは二度と飛べない体となっているはずだ。

 守りたい。

 そう強く、何度も語った宮藤の力強い眼差しを私は覚えている。


284:zet4j65z
08/10/28 05:26:42 1VoRfYHp
 私の命を繋いだ眼差しだ。忘れられるはずが無い。

 守れない。

 私が大戦初期に欧州で味わった絶望感。
 宮藤は、今その時と同じ気持ちで居るはずだ。
 私には、その時隣には竹井がいて、くじけそうな心をお互いに支えあってきた。
 勿論今一緒に戦っている連中も大切な仲間には違いないはずだ、だがそれを少し踏み越えた関係である者が隣に居る事がより望ましい。
 宮藤にとってはリーネや山川、そして自惚れるなら私といったところか。
 しかし、リーネは遠く海の向こう、山川は未だ実戦力とならず、私は既に戦う力を失った。
 それでも為すべき事はまだある。
 新生501の為に尽力してリーネたちをこの扶桑に呼び込み、一日も早く山川を一人前のウィッチとして鍛え上げればいい。
 私は、そう自分に言い聞かせながら格納庫への道を急いだ。


 夕刻、試験の項目を終え山川と共に帰還。
 山川は疲労の限界で自力でストライカーを脱ぐことも出来なかった。
「しょうがないやつだな」
「ご、ごめんなさい」
 自分のストライカー、零戦22型から機種転換した紫電21型を外すと、山川の除装を手伝ってやった。
 私の紫電もそうだが、山川の使用している戦闘脚J7は局地戦用だ。
 高い攻撃力、防御力、ダッシュ力を持っている代わりに魔力、体力の消耗が早い。
 私の場合はストライカーユニットそのものへの完熟度が高い為、衰えた魔力でもこの程度の飛行時間は問題にならないが不慣れな山川にとってはまだまだきついのだろう。
「まだ起き上がれんか?」
「た、立てます」
 と、上半身を起こすが、腕にも力が入らないのかそのまままた倒れこんでしまう。
「あっはっは。まったくしょうがないやつめ」
 私は頭を打たぬように手を差し伸べるとそのまま抱き上げた。
「汗びっしょりだな」
 まだまだ力を扱えていない証拠だろう。無駄に力が入ってしまっているのだ。


285:zet4j65z
08/10/28 05:27:20 1VoRfYHp
「あ、はい、ごめんなさい」
「まぁ慣れんうちは仕方があるまい。よし、報告書の前に風呂に行こう」
 多分に早く力になりたいと言う思いや新機材への周囲の期待が重圧になっている部分もあるのだろう。
 ならば、それをほぐすのはゆっくりと湯につかるのがいいだろう。
「ええ、いいんですか?」
「私が言うのだから構わんさ」
 視界の隅に未だ痙攣を続ける爪先が映る。まだ立てそうも無い、か。
 そう判断した私は山川を横抱きにしたまま格納庫を出、風呂のある棟へと向かった。
「き、教官、これはちょっと恥ずかしいです」
 ふむ、所謂お姫様抱っこで人目に触れる場所を歩くのは恥ずかしいものなのか。
「あっはっは、では恥ずかしい目に合わん様に飛行後もしっかり歩ける身体を作らんとな」
「もうっ、教官意地悪です」
「あっはっは」
 そのまま棟に入り風呂に向かおうとすると、従兵の土方が血相を変えて走りこんできた。
「少佐っ!」
「馬鹿モンっ! こちらの棟は男子禁制だぞ!」
「申し訳御座いません。報告がありまして、後姿を見かけたものですから……出直します」
 そう言う土方の表情は呼吸を荒げ、そして心なしか若干蒼褪めていた。
「構わん、急ぎの用ならさっさと報告しろ」
「はっ、本日正午頃、呉に対する大規模な空襲が発生。三四三空が全ウィッチを以って迎撃、これを撃退しました」
 呉、三四三空、宮藤の所属する部隊か。
「301隊の宮藤の戦果は?」
「地上の損害は軽微、三四三空の、活躍の、お陰です……」
 目線を逸らし、俯き気味に言葉を繋ぐ。
「おい土方! はっきりと答えろ! 宮藤の戦果はどうしたと聞いているっ!」
 言葉を切りながら、辛そうに報告を搾り出す土方。
 そのただならぬ様子に、私の心を不安が覆った。

「……301隊は未帰還が3。その中には宮藤少尉も含まれています」


286:zet4j65z
08/10/28 05:31:19 1VoRfYHp
以上となります。

最後の方の展開がうまくまとまらないんで、もうちょっと待っててください。
やっぱ大戦末期の扶桑撫子には薄幸なシチュが似合うと思うんですがどうでしょ?

287:名無しさん@秘密の花園
08/10/28 07:20:15 d0b4U1ij
じじじじGJだけど続きが気になってはわわナンダナ

288:名無しさん@秘密の花園
08/10/28 09:36:40 JcfuFwtj
GJであります

醗酵なシチュというと不時着した芳佳は食糧確保の為、大量に納豆を作っているということですね

289:名無しさん@秘密の花園
08/10/28 10:41:34 FgBaqa5d
GJ!
でも少佐にはやっぱり現役で戦ってほしいんだぜ

290:名無しさん@秘密の花園
08/10/28 15:10:31 lcmqkzEP
SWの百合スレの作品って確かに素敵なのばっかなんだけど
女が女を好きってことにコンプレックスがあって、そこに身もだえるって作品多いよね?(それはこの作品だけの話じゃないけどw)
普通に女のコが女のコを好きなのが普通っていうかそんなに変な事じゃないっていうか
当たり前、当然とまでは言わないけど、その気持ちが普通であるような設定の作品も書いてほしいな

……ダメだな、なんかうまく伝わらない。わかってくれる人はいないだろうか

291:名無しさん@秘密の花園
08/10/28 15:55:41 5YsVMaDf
要するに女同士で結婚するのが普通の世界か

292:名無しさん@秘密の花園
08/10/28 16:01:41 rkXYBw5K
コンプレックスを描いてない作品は普通になかったっけ?

293:名無しさん@秘密の花園
08/10/28 16:16:36 97kywzbU
俺10本以上書いたけど、そんなのまったく意識したことなかったな
性別関係なく、好きなら好きでいいんだよ!(断言)

294:名無しさん@秘密の花園
08/10/28 17:03:51 0eSed48a
>>290
言いたい事はわかる
この作品はナチュラルに百合っぽいんでそっちの方が基本じゃないか?

295:名無しさん@秘密の花園
08/10/28 17:06:20 znvVOeXZ
むしろ男の存在を全く考慮してない作品のが多いと思うぞw

話は変わるが、保管庫みてると案外絡みありの作品って多いんだな。
できたら保管庫にエロの有無も書いてあると嬉しいなと思った
エロの基準って人それぞれだし作品数も半端ないから現実的には無理だろうが…

296:名無しさん@秘密の花園
08/10/28 17:16:30 lcmqkzEP
>>294
あ、あのタイミングで書いちゃったから勘違いされちゃったかな
さっきの作品について感想を言ったんじゃなくて
ただ単に自分が言いたかったことをあのタイミングで言わせてもらっただけです、申し訳ありませんでした


先程の作品に関しては、少佐×みっちゃんネタを心待ちにしていたので、GJとしか言いようがありません
この先の展開がすごく気になりますです
土方のヤツが現状報告の名目でちゃっかり出てきたのは許せませんでしたがね
わたしが坂本さんなら張り倒すか切り捨てますねw

297:名無しさん@秘密の花園
08/10/28 17:20:04 JK1Z6CTI
>>295
さすがに管理人さんが大変だw

298:名無しさん@秘密の花園
08/10/28 20:01:17 JcfuFwtj
>296
(前略)
 そのまま棟に入り風呂に向かおうとすると、従兵の土方が血相を変えて走りこんできた。
「少佐っ!」
その姿を確認するや否や、私は刀を抜き放ち土方を袈裟懸けに斬り捨てた
「こちらの棟は男子禁制だ」
(後略)
こうですね、わかりません

作者の方すいませんごめんなさい

299:zet4j65z
08/10/28 20:20:31 1VoRfYHp
男出しちゃってゴメンナサイ。
設定にあるキャラなんで何気なく出してから、
でもここの板だしあとで名も無い女性従兵にでもするかな~と思って
後の展開に悩んで修正忘れてました。
>>298
書き上げて欝モードだったんだけど笑わせてくれてアリガトw

そんなわけで>>285の続きです。



300:zet4j65z
08/10/28 20:21:17 1VoRfYHp
 目の前が、真っ暗になった。
 全身から力が抜け、膝から崩れ落ちた。山川の重みを支えらなくなり、その身体を取り落とした。

「嘘です! 嘘って言ってください!!!」
 涙声の、搾り出すような叫びが聞こえた。山川がこんな声は初めて聞いた。
 山川は脱力した私とは逆に、土方の襟首をつかんで詰め寄っていた。
 土方はただ視線を逸らし、立ち尽くすだけだった。

「山川、防空任務だ、扶桑の空で戦っているんだぞ。今は未帰還でも、何日かすれば無事だってことがすぐ……」
「誤魔化さないでくださいっ!!」
 こちらに向き直った山川は、そう叫んで私の言葉を遮った。
 すでにその瞳は決壊し、とめどなく涙が溢れていた。
「そんな震えてっ、自分に言い聞かせるような言い方でっ、説得力なんか……無いって……う、ううう……」
「山川……」
 その通りだった。
 そして私は、自分がそんな声で喋っていた事も、視界が涙で歪んでいる事にもたった今まで気付けない程動転していた。
「うわああああああああああああぁぁぁぁぁっ!」
 山川は、泣きながら自室へと駆け込んだ。

 私は土方に退出するよう命じると、風呂へ向かい、冷たい水を被った。
 何度も。
 何度も。
 何度も。

 そして、覚悟を決めた私は山川の部屋へと赴いた。
 


301:zet4j65z
08/10/28 20:22:24 1VoRfYHp
「入るぞ、山川」
 鍵はかかっていなかった。
 山川は膝を抱え、うずくまっている。
「希望を捨てるな、山川」
 平静を装った声。
 自分で無い誰かが、どこか遠くで囁いている様な感覚だった。
 言っている私が一番希望を持てずにいるのだ。
 以前の宮藤なら、きっと無条件に生存を信じられたのだろう。
 だが、写真の向こうの、手紙の向こうの、疲れ切った空っぽの笑顔は死を予感せずにいられなかった。
「一番宮藤の近くにいたお前が、あいつを信じてやれなくてどうする」
 優しく微笑みかけながら、虚しく響く言葉を繋ぐ。
 大丈夫だ。
 今の私は、完全に自分を騙せている。
 尚早も不安も、一寸だって表に出して居はしない。
「あんがい寝て起きたらひょっこり帰っているかも知れんぞ。わっはっは」
 大人になったものだと思った。
 心にも無い台詞を言いながら笑える自分は、魔力を失って当然なのだと、今初めて実感できた気がした。
「坂本教官、嘘ついてる」
 少しだけ顔を上げた山川が口を開いた。
 そのぞっとする様な静かな言葉に、空気が凍りついた。
「わたしにはわかるんです。芳佳ちゃん、疲れてた、とても」
 私の認識が甘かった。
 山川にとって一番である宮藤の事など、当にお見通しだったのだ。
「わたしの知ってる芳佳ちゃんは、あんなに無理して笑わなかった。ブリタニアから帰ってきて、暫くは一緒だったのに、西へいって、有名になって、会えなくなってから、変わっちゃった」
 胸が痛い。
「きっと芳佳ちゃんは、みんなを助けたいって言ってた芳佳ちゃんは、それでも助けられない人がいっぱい居て……、だからあんなに無理して笑って」
 感極まり、詰まりながらつむがれる言葉の一つ一つが、刃となって私の胸に突き刺さってくる。
「私、知ってます。本当は坂本教官が三四三空に配属されるはずだったって。だから……」
 先が予想できた。
 頼む、その先は言わないでくれ。そう絶叫したかった。でも出来なかった。
 親友で、血の繋がりもある山川には私を責める理由も権利も義務もあるのだ。


302:zet4j65z
08/10/28 20:24:27 1VoRfYHp
「坂本教官がちゃんと飛べていれば、芳佳ちゃんは死ななかった」

 静かな声だった。心が空っぽになったような口調が告げるのは、紛れも無い真実。
「やめろ」
 私は力なく制止した。
 もう仮面を被る事など出来なくなって、ただその言葉を認める以外の選択肢は無かった。
 死。
 そう口にしてしまったら本当にすべてが返らなくなる気がしていて、無意識に避けていた言葉。
 未帰還という曖昧な状態に縋り、騙し続けていた坂本美緒の土台を、年下の少女はいとも簡単に打ち崩した。
 深呼吸をする。
 今の私には、どんな些細な行動すら覚悟が必要だった。
「私の事ならば、その通りだ。私が力を失わなければ宮藤が三四三空へ行く事は無かった。宮藤は、私が殺したも同然だ」
 瞬間。
 山川の体が動いた。
 その手には銀色のきらめき。
「うわあああああああああああああああ!」
 そして、私への体当たり。
「…………」
 山川が隠し持っていたハサミで私の腹を刺したのだ。
 だが、ハサミはそこそこ深く腹に刺さっていたが、致命傷にはなり得ていなかった。
 痛みはある。
 しかし、その傷は胸の奥で心に突き刺さっている宮藤の死よりも、痛くは無かった。
 返ってその現実の痛みが私を冷静にし、山川を見つめる余裕を与えてくれた。
 怒りと憎しみのこもった目。
 悲しみと絶望を湛えた目。
 そうか、私にそんな思いをぶつける事で、立ち直り、羽ばたけるのならば私は喜んでその礎となろうではないか。
「それでは、人は殺せん」
 山川がハッとなる。
 衝動でとった行動の理不尽さに気付いたのだろうか。
「人を殺すにはもっとしっかりした得物を用いる必要がある。そうだな……私を殺すなら私の軍刀を用いるがいい」
「な、何で……」
 山川に動揺が走った。
 その手は震えてハサミは取り落とし、怯える様に半歩下がる。
「だが、死ぬ前にお前に頼みがある。遺言と思って聞いて欲しい」
 そんな山川の様子を無視して下がられた半歩を詰め、鈍く響く続ける傷の痛みをこらえて続ける。
「さ、坂本教官……」
「聞けっ!」
「はい!」
「山川、お前はまだ半人前だ。だから宮藤の為にも、この扶桑を、いや世界を護る他の仲間達の為にも、一人前のウィッチになれ」
 私はまっすぐに山川の瞳を見つめ、言った。

「そして願わくば、その力をより多くの人を守る為に」


303:zet4j65z
08/10/28 20:25:15 1VoRfYHp

 山川はただ立ち尽くし、視線を交わしたまま暫しの静寂が流れた。
「……くっ……」
 そんな均衡状態は痛みにふらついた私によって崩された。
 
「坂本教官っ!」
「願い、聞いてもらえるか?」
 踏みとどまり、問う。
 山川は、半ば怯えたような悲しげな表情のまま目を伏せ、ゆっくりと首を横に振った。
 そうか。
 全身から力が抜けた。
 当たり前だ。
 誰よりも宮藤を大切に思っていた山川から、その宮藤を奪ったのは無力な私なのだ。
 そんな私が頼みなどと、全く片腹痛いというものだ。
 無力感に任せ、倒れこもうとした私を支えるものがあった。山川だ。
「山川……」
「私、無力です。まだネウロイと戦える力なんて無い。私にはまだ練習が必要なんです」
 抱きつくような姿勢で私を支え、囁く山川。
「でも、私……私……、ネウロイが悪いってわかっていても……やっぱりあなたの事を赦せない」
 わかってはいるんです。坂本教官が芳佳ちゃんの為に、私が早く芳佳ちゃんの力になれるように厳しく、優しく鍛えてくれてたんだって。
 だから、私きっと坂本教官以外の人の下じゃ強くなれない……。でも、でも……芳佳ちゃんを奪った教官の事、やっぱり赦せない!
 どうしたらいいか……わかんない。
 私、芳佳ちゃんの為に一生懸命だった教官の事を嫌いになりたくない……。
 これからも教官に教わって、一人前のウィッチになって、ネウロイを倒したい。
 いっぱいネウロイを倒して、芳佳ちゃんの仇を討つの。討たなきゃいけないの。
 でも、やっぱり……芳佳ちゃんを身代わりにして、こんな所で生きながらえてるあなたを、殺してやりたいほど赦せない。
 わかんないよ、助けてよ。芳佳ちゃん……」

 私の胸に顔をうずめたまま、嗚咽する。
 割り切れ、などとは言え無かった。
 そんな事が出来るほど心が大人ならばきっと、魔力を授かる事も出来なかったのだろう。


304:zet4j65z
08/10/28 20:27:19 1VoRfYHp
 暫くそんな状態が続き、山川は私の胸の中で小さく呟いた。
「坂本、教官……。私にあなたを愛させてください。憎しみを消したいんです」
 無理だ。
 人の心は、そんな簡単じゃない。
 それでも……それでも私は、宮藤を冥府へと追いやったこんな私を、僅かでも想ってくれる少女の決意に応えたかった。
 支えてもらっていたはずの私の体が、いつしか震えて嗚咽する山川を支えていた。
 どうしていいか解らないのは、私とて同じ。
 錯乱しているだけだ、と突き放すのがきっと簡単で、後腐れも無いのだろう。
 だが、後に続く者へと未来を拓く義務が、私には在ると思った。
 それで空が飛べるなら、それで力を得られるなら、その錯乱した世界に私も飛び込むべきなのだと、私は結論した。
「山川……」
 肩を抱き、その頭を撫でる。
 そして、胸に埋められたその顔が程よい距離を保てる様に少しだけ肩を押し、離す。
 細い顎に指を当て、僅かに上向ける。
 美千子は素直にその動きに従い、その身を硬くしながらも私のくちづけを受け入れた。
 いつしか服を取り払い、まるでそうする事が当然の行為であるというかの様にお互いの肉体を愛した。
 降りた夜の帳の中、常夜灯の薄明かりに照らされた美千子の深い色の瞳は私を通して別のものを見ていた。
 私の傷に触れ、何度もごめんなさいと謝りながらその傷を舐める姿を見ながら、お互いに傷を舐めあっているのだと思った。
 身体が火照り、その炎に溺れるほどに心のどこかが冷えていく。
 これは偽りの愛の営みなどではなく、美千子が負の感情のぶつける先を、全てネウロイへと向ける為の儀式なのだ。
 そんな三千子を私は許容した。
 汚い大人である私もまた、ネウロイに対する復讐の為に傷心の少女を利用し、戦士を作り出そうとしていた。
 利害は一致している。
 だから悩む事は無い。
 
 真夜中、私の心と体に幾つもの痕を残し、儀式は終わった。

 昭羽20年8月。
 急速に力を伸ばした美千子と、奇跡が起きたのか少しだけ力を取り戻す事の出来た私は、帝都の空に居た。
 ネウロイで黒く覆われた空。
 くじけそうな心を奮い立たせる様に美千子と繋いだ手に力を込め、弾幕の中へと切り込んだ。



305:zet4j65z
08/10/28 20:29:51 1VoRfYHp
以上となります。

っていうか、微エロと微グロ?って前書きに書き忘れてたすいません。
なんか、最後の方うまくまとまって無くてすいません。
書きながら色々な状況考えちゃったんで、もしかしたら関連した話とか書く、カモ。

306:名無しさん@秘密の花園
08/10/28 21:11:08 rkXYBw5K
>>299
気にする必要ないと思うよ。もっさんの部下として説明なしで自然に使えるキャラだし、話の本筋に絡んでるわけでもないし。

307:名無しさん@秘密の花園
08/10/28 22:02:03 lcmqkzEP
>>305
乙です
みっちゃん病んでますねーこわいですねーw
芳佳もどうなったかわからないし、凄く終わったあとに黒いものが残る感じのSSでしたねー
このまま終わるのもそれはそれでいいのでしょうが
私としてはできればその関連話も書いていただきたいですねー、このままだと救いなさすぎですし…

308:名無しさん@秘密の花園
08/10/28 22:23:32 ulKHBiyi
URLリンク(www2.ranobe.com)
URLリンク(www2.ranobe.com)
URLリンク(www2.ranobe.com)
3枚目のカプが斬新過ぎる転載。お姉ちゃん無双達成の日は近いか……。

>>295
一つ一つの作品に備考を付けることは検討していたけどそうなってくると既存を書き換えるよりCGI作った方が早いんですよね。
そしてFC2鯖はCGIが使えない。そうでなくても表示が重くなるので結局放置したままという……。
需要があるならどなたかいい鯖紹介してくださればそのうちなんとかできるかもしれません。

>>305
GJ!!ナイフじゃなくてハサミというところが素晴らしい!(そこかよ)
鬱展開でも大歓迎。斬新で面白かったです。

309:滝川浜田 『ミーナさん崩壊シリーズ「私は貴女になりたい」』
08/10/28 22:31:34 PeVoLjPk
>>308 もっさん×トゥルーデいいなあ。
ちょっと書いてみようかな。
でも今日投下するのは変態ミーナさん。




「美緒、見てみて」
「…何の真似だ、ミーナ」
「貴女を真似てみたの」
「一体なんのために…」
「貴女になれば、何故美緒が私を避けてるのかが分かるのかしらと思って」
「…今までの行動全部総ざらいして来い。
話はそれからだ」
「でもね、美緒の制服を身に纏っていると、身体が熱くなってくるの。
嗚呼今私、美緒に包まれているんだって」
「…ミーナ、暴走を承知で聞くが、その制服、もしかしたら…」
「ええもちろん貴女の制服よ」
「やっぱり!
というか『だから何?』みたいなトーンで返すな!」
「いけないの?」
「いけないに決まってるだろ!!というかいつの間に私の部屋に入ったんだ!
ストーカー+不法侵入+窃盗だぞ!」
「私は貴女をこんなに愛しているのに?」
「それはもう痛いほど分かってるよ。
というかお前の想い自体が重い」
「ウフフ、面白いダジャレね、美緒」
「…お前、本気で隊長の座から引きずり降ろすぞ…
…とにかくこれは脱げ!」
「嫌よ!私はいつまでも貴女の温もりを感じていたいの!」


310:滝川浜田 『ミーナさん崩壊シリーズ「私は貴女になりたい」』
08/10/28 22:35:30 PeVoLjPk
「洗濯してるから私の温もりは残ってない!!
だから早く脱げ!」
「いやそんな事は無いわ!微かに残る貴女の温もりが私を壊すの!
そうだわ、美緒にも私のズボン履かせてあげるわ!」
「 全 力 で 拒 否 す る ! ! 」
「えー」
「いいから脱げ!!」
「嫌ぁぁぁぁぁ!美緒が獣になったわ!」
「それはどっちかと言えばお前だろ!!
お前のせいで私は過去二回も貞操を奪われそうだったんだぞ!
いいから返せ!」
「いや!」
「返せ!」
「いや!」
「返せ!」
「坂本さん、ミーナ中…さ…」
「み、宮藤っ…!」
「しししししし失礼しましたぁ――――!!!!!!!////////////」

「あらあら宮藤さんったらウブねぇ」
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ――――――――――――――――っ!!!!!!!!!!!!!!!!」


以上です。
もう自分の中でミーナ隊長がなんだか分からなくなってきたw

…では爺はここいらで…
…風邪早く治さにゃなぁ…

311:zet4j65z
08/10/28 22:51:21 1VoRfYHp
>>310
場を明るくする暴走ミーナが最高w
っていうか白服ミーナ想像して萌えた
爺サマお大事に~。


>>306
そういっていただけると助かります~

>>307
あれでカップリングが成立しちゃった後に芳佳が生きてるとそれはそれで欝ダナ。
幾つかのキーワードから思い立って書いてみたんだけど、
素直に明るくもっさん×みっちゃんとか描けないかな~とかも思ったり。
この黒髪長髪ペアってビジュアル的に萌えませんか?

>>308
ハサミって辺りで錯乱して衝動的な行動に出てるってところが伝わっていただければ幸いです。

312:名無しさん@秘密の花園
08/10/28 22:56:49 lcmqkzEP
>>311
>あれでカップリングが成立しちゃった後に芳佳が生きてるとそれはそれで欝ダナ
あー……ってことは、一応未帰還だけど、作者さんの中では芳佳は死亡確定ですか…キツいですね…

>明るくもっさん×みっちゃん描けないかな~
是非そちらの方、よろしくお願いします、期待させていただきます
坂本さん×みっちゃん、自分もとてもいいと思います

313:名無しさん@秘密の花園
08/10/28 23:10:20 JcfuFwtj
>300
 GJです。
 ああ・・・芳佳

>309
 これでミーナは指揮がとれるんだろうかw
 乙です

>312
護れなかった絶望と怪我で記憶を失って幼児退行して、
瀬戸内海の島の1つで島民の女の子とのんびり過ごしてる芳佳とかなら許容範囲

314:名無しさん@秘密の花園
08/10/28 23:12:35 +JDCb5Li
>>310
ミーナさんはこれくらいのほうが可愛いな・・w
だんだん変態度が上がってますがww

315:名無しさん@秘密の花園
08/10/28 23:26:24 /AfSkLsM
4話の「トゥルーデを助けてくれてありがとう」の下りと同じようなことが
ミーナともっさんのときもあったんだろうなと予想

「ミーナ最近楽しそうなんだ、少佐のおかげだよ」
「そうなのか?私には分からないが…」
「ミーナはさみしんぼだからね。大切にしてあげてよ」
「…ああ、約束する」

と言うもっさんとエーリカを書きたいが文章にならないので誰か頼んだ!

316:名無しさん@秘密の花園
08/10/28 23:46:07 1a5PGtbq
>>310
だめだ…おもしろすぎる…
もう変態ミーナさんを愛さずにはいられないwGJ!

>>315
それいいな。だれか一発書いてくれ。俺は最近妄想力が弱まってきた…

317:名無しさん@秘密の花園
08/10/28 23:51:43 3JyurdwC
月曜夜に本スレで「この人いい意味で頭がおかしい。」と書かれていて素直に喜んでしまったt26gFAxTです。
その他「リバウの誓い」とかに関しても粋なレスをいただきありがとうございましたー、ってここで書いても意味無いか……w
今後も、淡々と、頑張ります。

また、学園ウィッチーズ、前回分にレスをしていただきありがとうございました。
と、言いつつも、今回は「ルーデルさんフミカネ画集でようやくご尊顔を拝めたよ」記念ということでルーデルさんとアーデルハイドさんのごく短いのを投下します。
一応いらん子2巻で二人が初登場する数日前という設定。
相変わらず小説読んでないとわかんねーよネタですんません。
どうやら上官と副官というのがすごい好きだと気がついた。ミーナとゲルトしかり…

318:凍えた薔薇を溶かすもの
08/10/28 23:52:54 3JyurdwC
1940年のある日。
 カールスラント方面の空は、昼だというのに赤く染まっていた。
 戦況は良くなる気配を一向に見せず、日に日に隊員たちにも、精神的、身体的、両方の疲弊がたまり始めていた。
 カールスラント空軍第二急降下爆撃航空団第十飛行中隊の長であるハンナ・ルーデル大尉は、宿舎の窓から、厳しい面持ちで赤い空を見つめ、シャワーを浴びた体をタオルで拭うと、ガウンを羽織った。
 おろしたてのガウンの心地よい香りと、部屋に居座った硝煙の香りが鼻をかすめる。
 あと何年この匂いにさらされるのか。
 ルーデルはそっとため息をついた。
 部屋のドアがノックされ、ルーデルは振り向きもせず、言った。
「入れ」
「失礼します」
 ルーデルの副官であるアーデルハイドが敬礼をし、部屋に入ると、ルーデルは顔だけ振り向いて、鋭い視線でアーデルハイドを見据えた。
「今日の出撃予定は?」
「本日も待機との事です」
「またか。これで何回目だ」
「5回目です」と、アーデルハイドはきっぱりと言う。
「仲間達は連日空を飛んで闘っているというのに…」
「お言葉ですが、昼の制空権が奪われてしまった以上は、今我々が飛んでもかえって足手まといになるだけです」
「そうだな…」
 いつになく、覇気の失せた上官の態度にアーデルハイドは、少しだけ、肩の力を抜いて、表情を和らげた。
「大尉、今の状況はあなたのせいではありません。恐れ多いですが、お気持ちは、わかります…」
 ルーデルは、アーデルハイドの気遣いに即座に気づくと、すっかり弱気になってしまった自分を嘲り、気を引き締めなおした。
「おい」
「はい?」
「ちょっと来い」と、ルーデルはアーデルハイドを手招いた。
 二人は対峙する様に向き合って、ルーデルは、じぃっとアーデルハイドを見つめる。
 凍らせた薔薇のような美貌を持った副官、アーデルハイド。
「アーデルハイド、お前が私についてからどれぐらいたったかな?」
「軍に入ってからですか? それとも、士官学校時代からの?」
 ルーデルは、あくまでも真面目を貫くアーデルハイドに、思わずにやついてしまう。
 まったくこいつときたら、すべて覚えているのか。
 ルーデルは、そっとアーデルハイドの頭の後ろに手を回し、髪を撫でた。
「動くなよ」
「はい」
 ルーデルとアーデルハイドは、まばたきもせず、互いの瞳に顔を映した。
 アーデルハイドが、自分が置かれている状況を、かつて、中隊の年下隊員たちに付き合わされて見た恋愛映画と重ね合わせた瞬間、ぶしつけに、ルーデルの唇が重ねられた。
「ふむ。"凍らせた薔薇"とは言え、唇は温かいな」
 ルーデルはまるで母親が子供の熱を額で測ったかのような態度であっさりと言う。
 アーデルハイドは、白い頬を徐々に赤く染め、気が抜けていく風船のように、しなびた言葉を搾り出した。
「な、なにを…」
「なにって、キスだろう? 嫌だったら断ってくれれば良かったのに」
「あなたが動くなといったからです!」
「拒むことはできただろう」
 アーデルハイドは、手を顔の前において、上官の視線から逃れる。
 ルーデルの唇の感触が消えてくれず、胸が高鳴った。
「初めて……の、キスだったのに…」
 震えた、年相応の少女を感じさせるアーデルハイドの声に、ルーデルはわずかに目を見開いて、頭をかく。
「すまない。ただ……、いたずらに口づけたわけではない。私も人間だ。弱気になると、人肌が恋しくなる」
「あなたに憧れている人なら他にも…」
「そうかもしれないが、私が欲しいのはお前だけだ、アーデルハイド」
 アーデルハイドは、自分の手を顔から離して、ルーデルに顔を向ける。
 今のは告白なのだろうか。
 ルーデルは、目に厳しさを残しながらも、どこか吹っ切れたような、穏やかな笑顔を向け返した。
「そんな顔もするんだな」
 アーデルハイドは、もう一度、いつもの表情に戻ろうとするが、熱くなった頬は硬直することを許さない。表情を作ることにあきらめ、アーデルハイドは疲れきったかのように、ルーデルに倒れこむようにして、体を預けた。
「……責任は取っていただきます」
「望むところだ」

 その翌日、カールスラント空軍第二急降下爆撃航空団第十飛行中隊はスオムス派遣を命じられた。

終わり

319:ドロップ序1/7 j4ntaz3y
08/10/29 00:15:45 KqBIkU+n
>>318
ぶはっアーデルハイドもえるな。小説のキャラも素敵なのばっかりだし自分も書きたくなる

えっと>>86シャーゲルの「最初のいっかい」が気になると言われた気がしたのでなにも考えてなかったのを無理くり形にしてみました
>>86のちょっとまえの話です。このスレってえろあんまり需要ないのかなと思いつつちょっとえろいのでお気をつけください、そして長い


 おそらく、どうにも寝つきがわるいからって真夜中に散歩にでたのが運のつきだったんだ。あとになってそう思いあたっても、
結局そんなのは後の祭りなのだ。
 ただ気のむくままにあるいていると、いつのまにか管制塔のベランダにでていた。この基地でいちばんたかいところ。きらい
じゃない場所。適当に夜風にでもあたって部屋にもどろう。ふうと息をついて手すりに背をあずける。と、視界のはしに意外な
ものがうつった、気がした。

「なにしてんの?」

 きいたことのある声。もう一度視線をそちらにむけると、やはりさきほどのは見間違いじゃなかったと確信するはめになる。
シャーロットがそこにいて、壁によりかかってすわりこみ、さらにはビール瓶を手にもっていた。

「……そっちこそ」
「べつにい。ただのやけ酒」

 やけ酒。なにかやけにならなくちゃいけないことがあったのだろうか。首をひねっていると、シャーロットが自分のとなりの
地面をぽんとたたいた。なにを示しているのか理解できず怪訝に眉をよせると、シャーロットがすわれば、とそっぽをむきながら
提案する。それからシャーロットのむこう側にまだあったらしいビール瓶がさしだされる。

「ひとり酒ってのもむなしいもんでして」
「そうか、だが残念ながら辞退させてもらう」
「ふん、つれないの」

 シャーロットが手にもっていた瓶に口をつける。どうにもふてくされているじゃないか。らしからぬ厭世的な表情をうかべている
同僚が、すこしだけ気になってしまった。ふむ、と思案してから、私はやつのとなりに腰かける。するととなりをすすめた張本人
がぎょっとした顔をする。

「きょうはめでたい知らせをきいただろう」
「……めでたいねえ」

 本日の昼間に、ミーナからきいているはずだ。大尉への昇進。自分のしてきたことが認められた証拠だ。そんなすばらしい
こともわすれるほどにいやなことでもあったなんて、私はかすかに同情する。話くらいきいてやろうと、そんな気になる。

「めでたかないさ、全然」
「なんだと?」

 予想外のことばについおどろいた声をあげてしまい、するとシャーロットは肩をすくめてため息をつく。あたしはね、自由な
ほうがいいなあ。でも、階級があがるたびに責任だなんだってのが重くなるじゃない。あたしって、あんたが思ってる以上に
不真面目なの。もっとこう、適度に好き勝手してられるくらいがさ。ぐちぐちと酒のいきおいにまかせてかシャーロットがつぶやく。
なんてことを言うんだ、こいつは。さきほどの同情の念などさっぱりふきとんでいき、おいおい、と思わずおおきな声がでてしまった。

「無責任なことを言ってくれるな。おまえはおなじ大尉としてこれから私と……」
「ほらね、すぐにこういうこと言うひとがいるんだもん」
「シャーロット・イェーガー大尉」
「かたくるしいなあ」


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