レズカップルを襲ってレイプしたい・・・・ハァハァat LESBIAN
レズカップルを襲ってレイプしたい・・・・ハァハァ - 暇つぶし2ch450:名無しさん@秘密の花園
07/05/26 00:15:53 Eldcr4gD
さて選択肢です。

① 1番が由菜ちゃん、3番が夏美ちゃん。

② 1番が由菜ちゃん、3番が亜由美さん。

③ 1番が亜由美さん、3番が夏美ちゃん。

451:名無しさん@秘密の花園
07/05/26 19:42:05 ZJnUlaVT
ここは王道で①!
由菜ちゃん夏美ちゃん!

452:名無しさん@秘密の花園
07/05/26 19:48:56 Eldcr4gD
>>451
了解!
①でいきましょう。

453:名無しさん@秘密の花園
07/05/26 21:09:01 Eldcr4gD
 現在、時刻は午後7時30分。ポッキーゲームには早すぎる気がするが、そもそもポッキーなんて何処にあるんだ? 
と疑問に思った矢先に、表情を変えずに亜由美さんがポシェットから箱を取り出す。一見爽やかそうに見える男女で
構成されているフットサルチームの、底知れなさに恐れを抱きながら、俺は夏美ちゃんと由菜ちゃんを見つめている。
 二人は、一瞬だけ視線を絡み合わせるものの、すぐに逸らしてしまい、恥ずかしそうに耳まで赤くして俯いている。
「なんか、緊張しちゃうよー 山田さんが見てるし」
 いきなり俺のせいにされてしまった。流石に不本意なので、由菜ちゃんにちょっと意地悪を言ってみる。
「由菜ちゃん。無理はしなくてもいいよ」
「無理じゃないもん。ポーキー1本食べるだけなんて、赤子の腕をひねるようなものよ」
 ものの例え方がかなり違うけれど、興奮して意固地になった姿は可愛らしい。
「なっちゃん! いくからねっ」
 大きな声で宣言すると、細い棒の黒い方をくわえ、小ぶりな胸を反らして待ち構える。夏美ちゃんが黄色い方に唇を
つけた事を確認すると、「ふぉんふぁあ、ふふぁーふぉ! 」 と、国民的菓子をくわえたまま、不明瞭な合図をして食べ始めた。

「ちなみにたくさん食べたほうが、次の王様だから」
 女子高生二人がおりなす、エロチックなゲームを目の当たりにしながら、亜由美さんは冷静に解説してくれる。この人も何か
一癖ありそうな感じがするのは、俺の考えすぎなのだろうか?
「んん…… 」
 好スタートを切った由菜ちゃんの口から漏れた音を聞いてから、ようやく、夏美ちゃんも意を決して食べ始める。
「んくっ…… 」
 小さく喘ぎながらも、由菜ちゃんのリップを塗った可愛らしい唇は確実に進んでいく。少女達の距離が急速に縮まり、互いの吐息が
もろに顔にあたる。秒針が一周するころには、由菜ちゃんは半分近くまで達したが、夏美ちゃんは三分の一に留まっている。
「これは、由菜ちゃんの勝ちかなあ」
 中川君は、ビールをぐびぐび飲みながら楽しそうに実況している。亜由美さんも瞳の色を輝かして、少女達の唇の動きを見守っている。
俺はというと― ごめんなさい。興奮しっぱなしデス。
 美少女二人の妖艶な真剣勝負を、余裕をもって観察できるのは、中川君や亜由美さんのように、よっぽど親しくなった人か、
EDの懸念がある人か、女性に興味がない方の何れかだと断言したくなる。俺が、各方面から顰蹙をかいそうな感想を抱いて
いるうちに、宝塚の男役的な雰囲気を醸し出している夏美ちゃんと、あどけない顔つきをした由菜ちゃんの唇が同時に動いて、
小さくなったポッキーがぽきんと折れ、彼女達の唇がしっかりと重なった。同時に、タイミング良く女性店員が料理を運んできて―
「お待たせしま…… 」
と言ったきり、完全に硬直してしまったのは気の毒としかいいようがなかった。

454:名無しさん@秘密の花園
07/05/26 21:10:53 Eldcr4gD
(今回は選択肢はありません)

無理に一レスに納めようとしてしまった。(反省)

455:名無しさん@秘密の花園
07/05/26 22:30:19 H/azeVCC
亜由美さんの用意周到さが恐ろしスw
そして乱入した店員が女性なのもまた百合。

さらに反省する作者さんに乾杯♪

456:名無しさん@秘密の花園
07/05/27 00:49:32 j2HxbJcK
 暫く、清水港に水揚げされた冷凍マグロのような硬直状態に陥っていた女性
店員は、二人の女子高生が、重ね合わせていた唇を離すとようやく解凍されて、
ぎこちなく動き始める。
 最初に渡されたメニューの一覧表から、「海鮮和風カルパッチョ」と、
「ヒラヤーチ(沖縄ちぢみ)」であると推測されるが、店員は、混乱状態から
脱しておらず、料理の説明を完全に忘れてしまい、強張った笑顔を張り付かせながら、
ロボットのような手つきで料理を配っているだけだ。
 もっとも、精神的なショックを受けている彼女を、更に追い込もうと考えている
人は、流石にいなかったが。

 一方、由菜ちゃんは茹でタコのように赤くなった顔を両手で覆い、夏美ちゃんの
後ろに隠れている。夏美ちゃんは困ったような苦笑を浮べて、寄りかかってきた
小柄な少女の髪の毛を優しく撫でながら、もう片方の手でコップを持って、
本日5杯目の泡盛をぐいぐいと飲んでいる。
 亜由美さんは、多くの男性を魅了するであろう、天使のような微笑をたたえたまま、
ライチソーダに口をつけている。中川君は「ぷはー 」と、さも美味しそうな声を
あげると、店員にビールのお代わりを頼んでいた。

 最後までぎこちない表情のまま一礼して店員が去ると、夏美ちゃんの影に隠れて
いたはずの由菜ちゃんが、急にふんぞり返って宣言した。
「次は、私が王様ですからね! 絶対に文句なんか言わせないんだからっ」



457:名無しさん@秘密の花園
07/05/27 00:51:49 j2HxbJcK
 確かに、ポッキーの『50%以上』を食べたのは由菜ちゃんだったけど、
王様ゲームって、こんな形で次の王様を決めてしまっていいのかな?
 しかし、俺の根本的な疑問に誰も答える事はなく、嬉々として由菜ちゃんは
割り箸を配っていく。
「ふふ。割り箸の微妙な形状を見抜かれないように、家から新しいのを持って
きました。あと、番号はまだ見ないでくださいね」

 某有名作家の書いた麻雀漫画で、牌の裏側に付いた微かな傷から、牌の
種類を的確に見抜いてしまう雀士のシーンが鮮明に脳裏に蘇った。確か
『ガン牌』といっていたはずだ。
「イカサマ麻雀じゃないんだから、そこまでしなくても…… 」
と、遠慮がちに呟いた俺を、華麗にスルーした由菜ちゃんは、割り箸を配り
終えると、右手を高々と挙げて宣言した。

「では王様として、庶民の皆さんに命令をします」
 由菜ちゃんは、えっへんと、非常にわざとらしい咳払いをした後、
「4番は、1番の耳掃除を膝枕でしなさい」
と言った。

「へ? 」
 今、何とおっしゃいましたか?
「耳掃除ですって。山田さん、まさかしない人じゃないでしょうね」
「いや。するけど」
 しかし、肝心の耳掻きは…… たぶん、あるんだろうな。
 期待に背かず、亜由美さんのポシェットから、竹製の耳掻きが取り出される。
しかも、白い綿菓子のような梵天付きだ。
 彼女のポシェットは異空間に繋がっている、としか思えない。

「それでは、割り箸の番号を見てください…… 」
 小悪魔そのものの笑みを浮べながら、由菜ちゃんが厳かに命令した。

458:名無しさん@秘密の花園
07/05/27 00:55:38 j2HxbJcK
さて、選択肢です。

① 1番が夏美ちゃん 4番が亜由美さん
② 1番が亜由美さん 4番が夏美ちゃん
③ 1番が俺      4番が亜由美さん
④ 1番が俺      4番が夏美ちゃん
⑤ 1番が俺      4番が中川君

(注:BAD ENDあり)

>>455
亜由美さんが何故か黒くなってしまったw


459:名無しさん@秘密の花園
07/05/27 11:14:19 cohoJ+8e
ここは・・・一番・・・かなぁ。


460:名無しさん@秘密の花園
07/05/27 19:14:48 18azN/eQ
亜由美さんもはや何でもありw
麻雀漫画って哭きの竜?
ここは迷わず⑤!

…ってのはBADっぽいから①で由菜ちゃんの焼きもちを見たい。

461:名無しさん@秘密の花園
07/05/27 20:21:31 cJArE65T
あげるな糞が

462:名無しさん@秘密の花園
07/05/27 20:29:59 CE78VQyi
ん…… では①でいこうか。

>>460
残念!
福本伸幸の「天」の銀次だったり。


463:名無しさん@秘密の花園
07/05/27 20:38:19 +z7sm0Nq
>>461
勘違いてるようだから
このスレを>>10から読んでみることをお勧めする

464:名無しさん@秘密の花園
07/05/27 22:12:30 CE78VQyi
 全員が手元の割り箸を見つめた後―

 夏美ちゃんが小声で、
「私…… 1番」
と呟き、直後に亜由美さんが、いわくありげな表情を浮べながら、
「私は4番だわ」
と、実に楽しそうに微笑んだ。

 亜由美さんの言葉を耳にした瞬間から、由菜ちゃんの顔が青ざめる。
「えっ、亜由美さんが4番ですか? 」
 由菜ちゃん本人にとっては予想外の展開だったようだ。
「夏美ちゃん。こっちにいらっしゃい」
 しかし、戸惑っている少女に構わず、亜由美さんは夏美ちゃんを呼び寄せた。
5人で6人席を使っている為、亜由美さんの隣は空いている。

 夏美ちゃんは、由菜ちゃんの、戸惑いから怒りに変化を遂げつつある顔色を
気にしながら、渋々と立ち上がる。
「王様の命令は絶対ね。由菜ちゃん」
 亜由美さんは、からかう様な言葉を紡いで、由菜ちゃんをわざわざ挑発する。
駄目だ。このひと、完全に面白がっている……

 急に雲行きが怪しくなった展開の中、夏美ちゃんは亜由美さんの横に腰掛けた。
「準備はいいかしら。夏美ちゃん? 」
「は…… はい」
 亜由美さんは、ゆっくりと夏美ちゃんの膝に頬をくっつけて寝そべると、
悩ましげな声で囁いた。
「あなた。とってもいい香りがするわ」
「え…… そうですか? 」
 意外な言葉に頬を赤く染めて、夏美ちゃんが言葉を返す。

465:名無しさん@秘密の花園
07/05/27 22:13:28 CE78VQyi
 やばい。由菜ちゃんの爆弾が膨らんでいく。
「ええ。それにとっても柔らかくて気持ちがいいの」
「はあ」
 夏美ちゃんはちらりと横を向いて体が固まる。
 憤慨している由菜ちゃんの針のような視線に冷や汗を垂らしながら、それでも、
亜由美さんから渡された耳掻きを軽く掴む。

「やっている間はくれぐれも気を散らさないでね。危ないから」
「はい」
 亜由美さんの注意に素直に頷くと、亜由美さんの耳朶に先端をあててゆっくりと
動かしていく。
「くぅ…… 」
 亜由美さんは、くすぐったそうに上半身を微かに震わす。鈴の音を鳴らしたような
透明感がある声が個室に響きわたる。
「んあっ…… 」
 時折、衣擦れの音とともに、微かな喘ぎ声を漏らす亜由美さんに、困惑しながらも
何とか耳掃除を終えて、夏美ちゃんは明らかにほっとした声を出した。

「あの…… 終わりましたけど」
「夏美ちゃん」
 長身の少女を見上げながら、亜由美さんは囁いた。
「逆もお願い」
 夏美ちゃんは再び由菜ちゃんを見る。しかし、沸騰寸前のやかんのように
なっている恋人に、視線だけでごめんといってから
「分かりました」
と、素直に頷いてしまう。

466:名無しさん@秘密の花園
07/05/27 22:14:19 CE78VQyi
 亜由美さんの整った顔が、夏美ちゃんの胸の下にくっついている。
 妖艶という言葉では伝えきれない程の、濃厚な色気を周囲に振りまいており
俺は何度も喉を鳴らしてしまう。

「夏美ちゃんって、胸あるのね」
 ほんの少しだけ肩を竦めた亜由美さんが、いたずらっぽく笑った。
「そ、そんなこと…… 」
 長身の少女は、恥ずかしさで首筋まで真っ赤になっている。
「とっても可愛いわ。夏美ちゃん」
 囁くように駄目を押してから、亜由美さんは耳を上方に向けた。

 美少女が美女の耳掃除をするという、いかにも百合的な光景が眼前で展開
されている。
 しかし、夏美ちゃんの正面に座っている由菜ちゃんが、嫉妬が詰まった風船を
限界まで膨らましている様子を見て、俺は落ち着かない気分になってしまう。
 それでも時々、亜由美さんが「あっ」とか、「んあっ」とかいう、悩ましげな声を
聞いてしまう度に、もともと豊富とはいえない理性が吹き飛ばされそうになる。
 目と耳に毒としかいいようのない光景が十二分に続いた後、夏美ちゃんはようやく
亜由美さんから解放された。

 耳掃除の途中、半ばお約束のように件の店員が中川君が頼んだビールと、
夏美ちゃんが頼んだ泡盛を運んできたが、亜由美さんは一顧だにしない。
 哀れな女性店員は、最早あきらめの表情で首を左右に振ると、桃色の空気に
染まった個室に飲み物を置いて、そそくさと立ち去った。

467:名無しさん@秘密の花園
07/05/27 22:16:45 CE78VQyi
 耳掃除を終えて、夏美ちゃんは深いため息をつきながら元の席に座った。
 しかし、亜由美さんは、何故か今頃になったぽっと頬を赤らめ、
「凄く良かったわ。夏美ちゃん」
と、身体をもじもじさせながら言った。

「ど、どうも…… 痛あっ」
 頬を緩めかけた夏美ちゃんは、思いっきり手の甲をつねられて叫んだ。
「夏美ちゃんの、ばかぁ! 」
 涙目になった由菜ちゃんが、恋人に理不尽な怒りをぶつけて、背中を
ぽかぽかと叩く。

「あらあら由菜ちゃん。いただけないわね」
 亜由美さんは、一方的に制裁を加えている由菜ちゃんを眺めながら嗜める。
 この人とことんやるなあ。と俺が感心しているうちに、ついに由菜ちゃんが
噴火した。

「全部、そうぜんぶ、亜由美さんのせいなんだからあっ! 」
 由菜ちゃんには申し訳ないが、可愛らしい子犬がきゃんきゃんと吼える、
という表現がぴったりと当てはまる。
「由菜ちゃん。王様は貴方なのよ。そして庶民は暴君の仕打ちに耐えるだけなの」
 亜由美さんの方が何枚も上手である。
「うー 」
 反論する術を巧妙に封じられた由菜ちゃんは、低い声で唸ると、
夏美ちゃんが注文した、泡盛が注がれたコップをひったくるように掴み、
一気に飲み干した。
 羞恥ではなく、酔いの為に顔を真っ赤にして、ぷはーと言いながら手の甲で
濡れた唇をぬぐっている。

 中年男性のような仕草をみせる、小柄な女子高生の姿を眼前にしてしまい、
俺は深いため息をつきながら、手元のビールを飲み干すことしかできなかった。

468:名無しさん@秘密の花園
07/05/27 22:21:45 CE78VQyi
今回は選択肢はありません。

ちなみに >460の予想通り、⑤が BAD END です。
主人公が新世界に目覚めて旅立っていくという、ある意味では
HAPPY END かもしれませんが……

469:名無しさん@秘密の花園
07/05/27 22:33:05 CE78VQyi
誤字訂正します。

>467 2行目 今頃になった(誤)→今頃になって(正)

470:名無しさん@秘密の花園
07/05/28 16:38:33 cC4S4Kef
今回は久々の?百合でしたね~
女性店員になにかのフラグが立った気もw

471:本物のれずですw(嘘です
07/05/28 16:52:05 e/f+mimC
彼氏います・・・でもおんなです

472:本物のれずですw(嘘です
07/05/28 16:55:00 e/f+mimC
わぁ-

皆かれーにぬるーしてりゅ

473:名無しさん@秘密の花園
07/05/28 22:46:06 R0ylFD/a
久しぶりにのぞいてみたら、物凄く進んでるな。
でも、百合萌え男としては自分と女性のキスより女の子同士のキスのほうが嬉しいんじゃないか?w
修羅場が増えすぎると整理が大変だから、素直に①番で

474:473
07/05/28 22:48:49 R0ylFD/a
ごめん、使ってたビュワーが更新してなかった。逝ってくる

475:名無しさん@秘密の花園
07/05/28 23:52:54 CZrcK/UL
だからあげんな糞

お前こそ勘違いすんな俺は>>10ぐらいから居るぞ

糞虫が沸いてるから警戒してんだよ

476:名無しさん@秘密の花園
07/05/29 10:52:23 hU2/DnqK
俺はもはや脳内アポーンしてるから気にしなくなったw

477:名無しさん@秘密の花園
07/05/29 13:49:00 C07LmqGW
 色々な意味で危険すぎる「王様ゲーム」は2回だけで、なしくずし的に終わった
ことは幸いというべきだろう。

 5分後には、妖艶な雰囲気はすっかりと消えて、穏やかな雑談に戻っており、
話の中で中川君と亜由美さんが大学時代の先輩・後輩の関係であることを知った。
「中川君たちは、大学でフットサルをやっていたの? 」
「いいえ。違いますよ」
 彼は首を振ってから、ウーロン杯に口をつけながら話した。
「元々は、文芸部の部員だったの」
 アンニュイな表情で、俺に見つめながら、亜由美さんは微笑んでいる。

「そうなんですか」
 驚いた声をあげる俺に、少しだけ苦笑を浮べてから、中川君が続きを話す。
「でも文芸部に入る人はほとんどいなかったんです。部誌とかはちゃんと
つくったのですがね。それで2年前ネタに詰まった時に、気晴らしに友達が誘って
くれたフットサルをしてみたら、これが面白くなりまして」
 中川君は、一気に言ってから更に続ける。
「僕は大学を卒業してから、自分でチームをつくろうと思って、在学中の亜由美
を誘ったんですよ」
「だから、掲示板を使ったのかい? 」
 俺の質問に、中川君は少し驚いた顔をして頷いて言った。
「もう掲示板を知っているのですか。それなら話が早い。ご存知の通りあそこで
メンバーが足りないチームは、新人の募集をしています。それを通して、
今日来てないユウや、由菜ちゃん、夏美ちゃんが集まったんですよ」


478:名無しさん@秘密の花園
07/05/29 13:49:57 C07LmqGW
 亜由美さんは俺を見つめて、やんわりと微笑みながら、
「山田さんもどうかしら。結構楽しいと思うわ」
と、誘ってくる。
 顔色を変えずに黙々と泡盛を飲んでいる夏美ちゃんと、暴飲がたたって、
すっかりと酔いが回ってしまい、
「うーん。頭痛いよう」
と、先輩の膝の上で呻いている由菜ちゃんを交互に見つめる。確かに面白そうだ。

「時々なら、構わないよ」
「本当ですか? 」
 中川君が喜色を表にあらわした。
「ありがとうございます。好きな時に参加してもらえば結構ですから。
うちはだいたい土曜日の午後に試合を組んでいるので」
 メンバーが増えて喜んでいる彼と、亜由美さんは、連絡用のメアドと電話番号を
教えてくれた。

「本当は毎週やりたいのですが、ごらんの通りメンバーもぎりぎりで、対戦相手も
上手く見つからないことが多いので、月に1・2回が限度なんですよ」
 少し、残念そうな表情で中川君は言った。
 しかし、これだけ美しい女性が揃っているのだから、希望者なんて直ぐに
集まりそうなものだけど。
「うーん。どうでしょう。亜由美、由菜ちゃん、夏美ちゃん、揃って綺麗すぎるから、
却って近づけないかもしれませんね」
 中川君の歯の浮くような台詞に、亜由美さんが笑いながら彼の脇腹をつつく。

「私たち、まだまだ弱小なんです。今日は由菜が爆発してくれたから、なんとか2つ
勝てましたけど」
 亜由美さんは残念そうに肩を竦めてみせた。

479:名無しさん@秘密の花園
07/05/29 13:51:27 C07LmqGW
 話が一段落ついた時、店員がアイスクリームを持ってきた。どうやらラストの
メニューのようだ。
「今日は、本当にごめんなさいね」
 お盆からアイスを下ろした女性店員の手が、亜由美さんの言葉でぴたりと止まる。
「あっ、いえ」
 正統派の美人である亜由美さんにまっすぐ見つめられて、おそらく学生バイトと
思われる店員はしどろもどろになる。
「少し調子に乗りすぎてしまったわ。貴方のお仕事を邪魔しちゃって、申し訳なく
思っているの」
 亜由美さんの真剣な表情と言葉に、スレンダーだが少し幼い顔つきをした
女性店員は、またもや顔が赤くなってしまっている。

「あっ、いえ、全く構いません」
 もしかしてこれは―
「あ、あの、よろしければまたご利用ください。お待ちしていますから」
 店員は懐に手を伸ばすと、数枚の割引券を亜由美さんに差し出す。
「ふふ、ありがとう」
 亜由美さんは柔らかく微笑み、優しく店員の掌を包んだ。
 完全に舞い上がってしまった女性店員は、危なっかしい足取りでアイスを
配り終えると、名残惜しそうに部屋を後にしていった。

480:名無しさん@秘密の花園
07/05/29 13:54:58 C07LmqGW
「あのー 亜由美さん」
 俺は、思わず口を開いてしまう。
「何でしょう? 」
 彼女は柔和に微笑む。
「亜由美さんも、もしかして、由菜ちゃんみたいな…… すみません」
 俺は己の軽率さを恥じたが、亜由美さんは表情を変えずに話してくれる。
「気にしなくてもいいです。ご明察の通り女の子が好きですが、特別なひとは
いません。それに、どちらかというと、由菜ちゃんや夏美ちゃんがじゃれあって
いるのを眺めている方が楽しいわ」

 歌うように言ってから、耳元の髪を少しだけかき上げ、スプーンを伸ばして
バニラを口に含み、
「冷たいっ」
と、眉をしかめた。
 俺と亜由美さんは、性別こそ違うけど、当事者でいるより外から眺めている方を
好むという点において、似たような立ち位置にいるのかもしれない。

 アイスを食べ終わると、既に9時半を回っていた。そろそろお開きの時間である。
 夏美ちゃんが、膝の上で眠っている由菜ちゃんを起こして、ふらふらと
立ち上がった。
 彼女はまだ頭痛に悩まされているようで、顔をしかめている。

 中川君が全員から料金を集め、会計を済ませる。亜由美さんがタクシーを呼んで、
5分程店の前で待っていると、車が2台連なって店の前に止まった。
「山田さん、お先に失礼します。由菜ちゃんと、夏美ちゃんをよろしく
お願いします」
 先頭の、中川君と亜由美さんを乗せた車は、一足早く夜の街に消えていった。

481:名無しさん@秘密の花園
07/05/29 13:55:43 C07LmqGW
 俺は、あれだけ泡盛を飲んでもけろりとしている夏美ちゃんと、頭痛で額を
抑えている由菜ちゃんに後ろに座ってもらい、自らは助手席に乗り込んだ。
「どちらまで行きましょう? 」
 タクシーの運転手が尋ねてくる。俺は後ろを振り返って言った。
「夏美ちゃんの家をまず案内してくれないかな」
 彼女は小さく頷き、運転手に道を教えた。

 色とりどりのネオンが己の存在を強烈に主張している繁華街を過ぎ、
左右を住宅街に挟まれている道路に出る。
 時折、乳白色をしたヘッドライトが眩い光跡を描くと同時に、空気が擦れる
ような音が耳朶に届く。
 あらわれては瞬く間に後方へ流れゆく、街灯の光を眺めるのは好きだ。
昼はごく平凡な姿をした街も、夜は叙情的に変わる。

 しばらくしてから、後ろに座っている夏美ちゃんが口を開いた。
「今日は、長々と付き合っていただいて、ありがとうございました」
 最近の高校生には珍しい礼儀正しい言葉遣いに、戸惑いを覚えながら答えた。
「こちらこそ楽しかったよ 」
 俺の返事に夏美ちゃんは視線を下ろしながら言葉を紡ぐ。
「由菜がこんなにはしゃいだのも久しぶりですから 」
 もはや指定席となった夏美ちゃんの膝の上で、由菜ちゃんは子猫のように
丸まって夢の世界の住人となっている。
「この子。お姉さんと二人暮しなんです」

482:名無しさん@秘密の花園
07/05/29 13:56:59 C07LmqGW
「まさか…… 」
「いいえ。由菜のご両親は健在です。ただ実家が遠くに離れているので、
由衣さんのアパートを下宿代わりにしているんです」
 俺の早とちりを、夏美ちゃんは冷静に訂正してくれた。
「それでも、本人はやっぱり寂しいと思います。由衣さんは仕事で帰りが遅く
なることが多いらしいので」

 夏美ちゃんは、愛しそうに由菜ちゃんの華奢な背中をゆっくりと
撫でながら言った。
「山田さんとは、また一緒に試合をしたいです」
 彼女は、少しだけ微笑むと白い紙を渡してくる。
「これ、私のメアドです。連絡がある時はこちらにお願いします」
 今日はいろいろな人からメアドを貰うことになった。一期一会の出会いは
大切にしたいものだ。

 お返しとして自分のメアドを教えると同時に、タクシーは夏美ちゃんの
家に着いた。
 彼女は、膝の上に寝ている由菜ちゃんを揺り起こす。
「うーん」
 小さい吐息を漏らしながら、子猫のような少女はようやく瞼を開けた。
「それでは失礼します。あと、由菜をおねがいします」
「ああ。おやすみなさい」
「おやすみなさい」

483:名無しさん@秘密の花園
07/05/29 13:58:18 C07LmqGW
 玄関先で手を振ってくれた夏美ちゃんに頷くと、寝起きの由菜ちゃんに運転手へ
自宅の場所を伝えるように促した。
 由菜ちゃんが半ば寝ぼけながら指示した場所は、夏美ちゃんの家からは車で
3分程という近距離だ。
 しかし、1分も経たないうちに由菜ちゃんは、うつらうつらとしながら、
再びシートに沈み込んでいる。
 俺はきちんと彼女の家に着く事ができるのかという、不安を抱いていたが、
きっちり3分後、由菜ちゃんの指示どおりの場所にタクシーは到着した。

 運転手に少しだけ待って貰うように頼んで、千鳥足になっている由菜ちゃんを
支えながら、玄関脇の呼び鈴を鳴らす。

 姉の由衣さんは―

484:名無しさん@秘密の花園
07/05/29 14:03:08 C07LmqGW
さて選択肢です。(重要な分岐点にしたいと思います)

黒川由衣さんは、

① 自宅にいる

② 自宅にいない


>470
女性店員が妙に気に入りました。それにしても我ながら百合が薄いですねー
>473
気にするなw



485:名無しさん@秘密の花園
07/05/30 14:11:02 SSwOQxUO
一気に投下されてた!
うう、どっちが百合的にいいのか判断できん…
直感で②

486:名無しさん@秘密の花園
07/05/30 20:28:15 oPxqSFYv
黒川さんがいたら姉妹百合?? あえて②を。

487:名無しさん@秘密の花園
07/05/31 22:58:42 HHnXmOGj
選択肢は②ですね。

申し訳ないが更新は週末になります。
それまでごゆるりとお待ちください。




488:名無しさん@秘密の花園
07/06/01 18:19:01 vbLqfdNo
お待ちしております。

489:名無しさん@秘密の花園
07/06/02 00:10:53 p/TVvbFa
 俺は、呼び鈴を何度か押したが、返事は無い。
 部屋の中も電灯がついておらず、暗いままだ。
「留守なのかなあ。お姉ちゃん」
 由菜ちゃんは、未だ辛そうな顔つきのまま、不安そうな声を漏らした。
「どうやら。そうみたいだね」
「お姉ちゃん。夜遅くなる時や外泊する時って、必ず連絡してくれるのに…… 」
 半ば呟くような声で言いながら、由菜ちゃんは、暗闇の中で財布に入っている
家の鍵を何とか探り当ててドアを開けた。

 俺は、玄関先で靴を脱いでいる少女に声をかける。
「由菜ちゃん。大丈夫? 」
「うん。でも今日はもう寝ますね」
 彼女は、やや強張った笑顔を作ってはいたが、口調はしっかりしていた。
少しは酔いが醒めているようだ。
「ああ。今日はお疲れ様」
「山田さん。わざわざ、送ってくれてありがとうございました」
 由菜ちゃんは、ぺこりと頭をさげた。
「気にしないで。では、おやすみなさい」
「おやすみなさい」
 由菜ちゃんの可愛らしい顔を、もう一度だけ眺めながら、俺は玄関のドアを
ゆっくりと閉めた。

490:名無しさん@秘密の花園
07/06/02 00:13:00 p/TVvbFa
 女子高生二人を送るという、とりあえずの役目を終えて、待たしていたタクシーに
再び乗り込む。
「どうも、お待たしてすみません」
 俺は、業務書類をチェックしていた運転手に声をかけた。
「いえ。お気になさらず」
 やや事務的な口調で言うと、書類をしまった運転手はアクセルを踏み込んだ。

 夜が更けていくにつれ、闇が一層深くなる。街灯の明かりも少なくなった
暗い道を、タクシーは静かに走っていく。既に運転手には自宅へ向かうように、
伝えてある。
 しかし、俺は由衣さんの不在が気になってしまい、不安が深まるばかりだった。
 昨日から今日にかけて、由衣さんにとっては衝撃的な事実が立て続けに
明らかにされたことが、どうしても記憶の淵にこびり付いてしまい、離れない。

 想いを寄せているひとみさんが、さやかさんと付き合っており、更に、
ひとみさんが、さやかさんと同居生活を始める予定であることを、
由衣さんは知ってしまった。
 しっかりしているように見えて、脆い部分を合わせ持っている黒川さんは、
果たして大丈夫なのだろうか?

 もちろん、他の友達と飲みに行っていたりして、単に帰りが遅くなっている
だけなのかもしれない。俺の心配は杞憂に過ぎない可能性は十分にありえる。
 また、由衣さんと知り合ってからは、まだ日は浅く、彼女のプライベートに
踏み込む事に対して、強い躊躇いを覚えるのも事実だ。

 どうすれば良い? 俺は自分の心に何度も問いかける。そして―

491:名無しさん@秘密の花園
07/06/02 00:22:20 wnvinFGB
お待たせしました。選択肢です。

① 鈴音さんが働いているバーに電話をする。
② ひとみさんにメールを送る。
③ 直接、由衣さんにメールを送る。
④ 飲み屋の近くの駅に戻る。

私は、5月2日から書いていましたが、そろそろ話は終盤に向かいます。
できることならば、きちんと最後まで書ききりたいとは思います。
(もちろん、新たなる書き手さんに引き継ぐことができれば、良いのですが)





492:名無しさん@秘密の花園
07/06/02 11:01:31 TJ2pl8LI
一ヶ月ありがとうございました。
おかげさまで随分進みました。

では厳かに選択を。やはりひとみさんに何かを期待して②

493:名無しさん@秘密の花園
07/06/03 14:04:56 ECZeTWDC
では②でいきます。(今から書くので投入は後ほど…… )


494:名無しさん@秘密の花園
07/06/03 16:20:58 ECZeTWDC
 俺はひとみさんにメールを送ろうとして、大きな失敗に気が付いた。
 あの時、ひとみさんのメアドを貰っていない。

 どうする?
 必死に考える。ひとみさんのメールを知っているのは黒川さんだが、彼女自身に
直接連絡するのは、事情があって憚られる。
 とにかく考えろ! 俺は自分の思考にフル回転を命じ、きっかり5分後―
 おんぼろコンピューターは主人の命令を忠実に果たして、電流のような
閃きを与えてくれた。

 俺は、中川君の電話番号を押す。
『もしもし』
 3コールで繋がった。
「もしもし。山田です。夜分申し訳ない。実は教えて欲しい事があって」
『何です? 』
「今日、最初に対戦した相手チームの窓口になっている佐藤さんという方に
連絡とりたいんだけど」
『佐藤さん、ですね』
「彼女のメアド、分かるかな?」
『あ…… ちょっと待ってください。今送信しますね』
「ありがとう」
『いえいえ。お気になさらず』
 彼は、理由を聞こうともしなかった。中川君には明日きちんとお礼を言う
必要がある。

495:名無しさん@秘密の花園
07/06/03 16:27:56 ECZeTWDC
 中川君との通話を終了してから1分ほどで携帯が鳴り、ひとみさんの
アドレスが送られてくる。
 俺は、黒川さんが未だ帰宅しない事実を告げ、彼女の行方に心当たりが
あったら教えて欲しい、という旨の文章を打ち込んで送信する。
 但し、ひとみさんが携帯電話を持っていないと今回ばかりは意味が無い。
繋がるかどうかは賭けだ。そして、3分後―

 俺は賭けに勝ったことを知った。

『黒川先輩のこと、心配です。心当たりのある場所があるので、申し訳ありませんが
N駅まで来ていただけませんか? 』
 ひとみさんからのメールが届く。俺は、同意の返事とともに、ひとみさん自身の
携帯番号を教えて頂くよう、お願いをする。
 既に非常事態だから、余計な遠慮は無用である。

『分かりました。私の番号は― です。一度お電話ください』
 着信された2通目のメールを開き、携帯の発信ボタンを押して耳に当てる。
『こんばんは。山田さん』
「夜分遅く申し訳ありません。俺は今からタクシーでN駅に向かいますが、
30分ほどかかります」
『私が車を出します。車種は日産の青のシルフィです。駅の南口のロータリーで
お待ちしています』
「ありがとうございます」
 俺は安堵のため息をつきながら通話を終えて、タクシーの運転手にN駅へ
向かうように伝えた。

496:名無しさん@秘密の花園
07/06/03 16:32:57 ECZeTWDC
 ちょうど30分後、タクシーはひとみさんの家の最寄り駅である、N駅に到着した。
料金が1万3000円というのは、予想外の大出費だが、今は気にしている
場合ではない。
 俺がロータリーの端にとまっていた車に近寄ると、やや丸みを帯びたシルフィの
ライトが瞬きをして合図を送ってくれる。
 ひとみさんが駆け寄った俺を確認すると、僅かに微笑みながら助手席のドアを
開けてくれる。
「本当に、申し訳ないです」
 時刻は既に11時を回っている。ひとみさんにはよくぞ車を出してくれたと
感謝するしかない。
「いいえ、いいんです。私も心配していましたから」
「ひとみさんも、黒川さんの様子が気になっていたんですか? 」
「ええ。今日の試合の後、黒川さんが、憂鬱な表情で駅に向かって歩いているのを
見かけたんです。その時、声をおかけすれば良かったのですが…… 」

 後悔するように言ってから、彼女は車を発進させた。
 しばらくは駅前の商店街を低速で走り、信号を右折して国道に入ると、アクセルを
踏み込んで速度を上げていく。
 流石に、国道は通行量が深夜になっても絶えることはなく、大きな音をたてながら
疾走するダンプと幾度もすれ違う。

 車が市街地を抜けた頃、俺はひとみさんに尋ねた。
「ひとみさん。心当たりの場所はどこなんですか? 」
「港です。なぎさ埠頭と呼ばれているところです」
 なぎさ埠頭は、N駅から車で30分ほど国道を南に走ったところにある。
昼間はカップルでそこそこ賑わうが、この時間帯にはほとんど人はいないはずだ。

497:名無しさん@秘密の花園
07/06/03 16:38:16 ECZeTWDC
「しかし。何故そこなんです? 」
「そうですね。山田さんにはお話をした方が良いかもしれません」
 巧みなハンドル捌きでシルフィを操りながら、ひとみさんは口を開いた。
「話自体は、3年前に遡ります。当時、私は新入社員で、黒川さんはOJTでした。
つまり、マンツーマンで仕事の基本を教えて頂いていたのです。
 しかし、黒川さんは同時に、大きなプロジェクトをかかえていて、しかも
それが難航しており、とても悩んでおられました 」

 国道から道をそれて、港湾に向かう道路に入ると、交通量が激減して闇が深くなる。
 ひとみさんが窓を開けると、潮の匂いが鼻腔をくすぐるとともに、彼女の綺麗な
ロングが吹き込んだ風によって揺らめいた。

「当時の週末のことです。黒川さんと飲みに行った時、先輩は話してくれたんです」
『私、泣きそうな事があると港に行くの。なぎさ埠頭ってとこが特にお気に入りね』
「どうして、港なんですか? 」
『海を眺めていると何故か心が落ち着くわ。佐藤さんもそうは思わない? 』
「懐かしそうに、黒川さんが話してくれた時の表情が忘れられません。それに、
なぎさ埠頭は、地下鉄からでもいけますから」
 一気に言ったひとみさんは、小さくため息をついた。彼女の話によると、
プロジェクト自体は2ヵ月後に成功裏に終わり、会社における黒川さんの評価も
高まったという。

「黒川さんは、たぶん…… そこにおられると思います。あくまでも私の勘でしか
ありませんが」
 ひとみさんの慎重な口ぶりとは裏腹に、かなり確信を持っているようだ。
 俺も彼女の意見に同意したい。それにもし見つからなければ、別の場所を
改めて探し直さなければならないのだ。

498:名無しさん@秘密の花園
07/06/03 16:40:21 ECZeTWDC
 ひとみさんは、埠頭近くの広い駐車場に車をとめた。
 俺と彼女は夜の港を歩きながら、黒川さんの姿を懸命に探し始める。
 沖合いには何隻ものタンカーや大型船が行き交い、船の各所に備え付けられて
いる、色とりどりの照明灯が瞬いている。
 一方、港の護岸沿いの道は暗く、うっかりすると足を外して海に落ちかねない。

 俺とひとみさんは、小道を寄り添うようにして歩いていく。
 闇の中を10分ほど歩いて、もしかして外れか? と焦り始めた時―

 ちょっとしたスペースに備え付けられた小さなベンチで、子猫のように丸く
なっている女性がいた。
「黒川さん! 」
 ひとみさんが半ば叫ぶように言うと、眼鏡をかけている女性は顔をあげ、
驚きのあまりに、瞼を大きく開いた。
 そして、突然の闖入者が佐藤ひとみさんであることを確認すると、
わっと泣きながら、彼女の懐に飛び込んだ。


499:名無しさん@秘密の花園
07/06/03 16:44:03 ECZeTWDC
今回は選択肢はありません。

選択肢の結果、一気に緊迫した状況になりました。

PS
どちらかというと、百合よりハードボイルドといった感があるのは
気のせいでしょうか。



500:名無しさん@秘密の花園
07/06/03 18:16:18 j2zZmn1s
やはり埠頭といえばハードボイルドですね
ハードボイルド百合は新ジャンルですw
しかし中川君は良い人ですな

501:名無しさん@秘密の花園
07/06/03 19:32:36 ECZeTWDC
>>501
彼は好漢ですね。

実は選択肢を呈示した後、ひとみさんにメアド教えて
貰ってない、ということに気づいてしまって
とても焦ったというのは内緒ですw

502:名無しさん@秘密の花園
07/06/03 19:34:28 ECZeTWDC
自分にレスしてどうするorz

501は、>>500さん宛です。

503:名無しさん@秘密の花園
07/06/03 19:51:43 hd1epyTZ
>ひとみさんにメアド教えて貰ってない
気付いた作者さんスゴいw
教えてもらってたと思い込んでたw

504:名無しさん@秘密の花園
07/06/03 20:41:47 ECZeTWDC
>>503
具体的には、>143の選択肢で、③が選ばれた結果、
>148で、黒川さんが自分のメアドを 
「ひとみさんのアドレスは教えたくなかったのだろう」
という理由で、主人公に教えていました。

単純ながら、話の展開としては重要なミスになるところでした。



505:名無しさん@秘密の花園
07/06/07 23:51:04 SGwjVbrO
 港を出たばかりの貨物船が鳴らした哀愁を含んだ汽笛と、水面をゆっくりと
進む船がつくり出した小さな波が、コンクリートの壁にぶつかって砕ける音が、
微かに耳朶に届いている。
 夜に入って再びひろがった雲に遮られて、本来であれば天空に瞬くはずだった
無数の星達の存在は隠されている。

 古びたベンチから立ち上がった黒川さんは、ひとみさんの白いブラウスに顔を
押し付けて、子供のように泣きじゃくった。
 ひとみさんは、尊敬すべき先輩が胸元で泣いていることに驚いていたが、暫くは
何も言わなかった。事情をある程度知っている俺も、二人の傍で立ちすくんだままだ。

 沖合いを通った貨物船が完全に闇夜に消えて、黒川さんの嗚咽がようやく
収まりかけた時、ひとみさんはポケットからハンカチを取り出した。
「黒川…… 先輩? 」
 由衣さんは、差し出された白いハンカチを受け取り、熱くなっている瞼を抑えた。
しかし、溢れ続ける涙をとめることはできないでいる。
「私…… わたしね 」
 黒川さんが喉の奥に詰まった重苦しい塊を吐き出すように、言葉を紡ぎ始める。
「あの、あのね…… 」
 懸命に声を出そうと懸命にもがく。そして―
 顔をあげて、ひとみさんをまっすぐと見つめて言った。

「私、あなたの事が好きなの! 」

 黒川さんは、大きく前に踏み出した。

506:名無しさん@秘密の花園
07/06/07 23:52:55 SGwjVbrO
「新入社員研修の時、あなたの顔を見た時から気になっていた。あなたのOJT
(教育担当者)になれた時は本当に嬉しかった。佐藤さんという苗字じゃなくって、
ひとみと呼びたかったわ。でも、あなたの隣にはずっと鈴木さやかさんがいた。
 私、本当に嫉妬したわ。
 鈴木さんが何処かに転勤したら、私にもチャンスがあるかもしれない、なんて
馬鹿なことを考えたりもした。
 でもね。鈴木さんの話になると、あなたが物凄く嬉しそうな顔をするんだから
どうしようもなかった。
 私、あなたの笑顔が見られるなら、親しい先輩後輩という関係で満足すべきと、
懸命に自分を抑えつけた。でも、でもねっ」

 冷静という仮面をかなぐり捨てた黒川さんは、ほとばしるような熱い想いを
伝え続ける。
「見守るだけが幸せなんてことは、私の単なる逃げに過ぎなかった。
 だから、私、素直な気持ちをそのままいうわ。
 ひとみ、あなたの事が大好きなの。世界中の誰よりも大好きなの! 」

 黒川さんは、ありったけの想いをこめて、ひとみさんへ恋心を伝えた。
 俺は― 彼女の告白を目の当たりにして、自分自身に対してやり場のない憤りが
わきあがった。
 由衣さんは、泣きじゃくって化粧が落ちてしまって、何度も言葉に詰まりながらも、
全ての勇気を振り絞った。自分の気持ちを大好きな相手に伝える事ができたのだ。
 それに比べて俺は…… いつまでたっても傍観者に過ぎないのか?

 黒川さんは告白を終えると同時に、大きな荷物から開放されたような、晴れやかな
顔つきに変わっていた。
 幾筋かの涙の跡が頬に残ってはいるが、今まで見てきた中でも最高の笑顔だ。
 彼女はぐっしょりと濡れたハンカチを右手で掴んだまま、ただ、答えを待っている。
 そして、先輩から衝撃的な告白を受けたひとみさんは―

507:名無しさん@秘密の花園
07/06/07 23:56:50 SGwjVbrO
選択肢です。

① ひとみさんは、黒川さんの告白をことわった。

② ひとみさんは、黒川さんの想いを、その場で拒絶することができなかった。

③ 暗闇の奥から、誰かの足音が近づいてきて……



508:名無しさん@秘密の花園
07/06/08 20:08:10 gUbZZ1zl
黒川さんカッコイイー!
ひとみさんの胸で泣きじゃくる姿も可愛い!

③は修羅場フラグっぽい?
やっぱり②でお願いします 作者さんに感謝!

509:名無しさん@秘密の花園
07/06/08 21:30:17 AxvRYEIt
ここはやっぱり②だろうなぁ。

と言いつつ、どれを選んでもドラマティックな展開が待ってそうで w

510:名無しさん@秘密の花園
07/06/09 22:15:12 uj7cOL+O
それでは②でいきます。

511:名無しさん@秘密の花園
07/06/09 22:24:13 uj7cOL+O
 佐藤ひとみさんは、先輩からの申し出に、承諾することも拒絶することも
できずに、呆然として立ち尽くす事しかできなかった。
 即座に断られなかったことから、黒川さんは、大いにチャンスありと
判断したのだろう。一気にひとみさんに近づき、耳元で囁く。

「ひとみ。さやかさんと別れなくてもいいのよ」
「どういうことですか? 」
 怪訝そうな表情で、ひとみさんは尋ねる。
「ひとみの自由にして貰えればいいの。もし、私の申し出を受けたとしても、
後になって、やっぱり嫌になったら、いつでも断ってもいいの。
文句なんか絶対言わないことを約束するわ」
「そ、そんなこと…… 」
「それに、このままさやかさんと一緒に住んでもいいのよ」

 黒川さんの言葉はやはり、甘い誘惑と言うべきなのだろう。
 俺は、雲行きが怪しくなっている状況を感じた。由衣さんの言葉を
聞き漏らすまいと、全神経を集中させる。

「ひとみを拘束したり、困らせたりするつもりはないの。もちろん、あなたに
嫌な思いをさせるつもりなんて全くない。私の気持ちを押し付けることも
しない。全ての選択権はあなたにあるわ」
 これは、ひとみさんにとって都合の良すぎる申し出だ。だからこそ、
彼女は困惑したまま動けない。

512:名無しさん@秘密の花園
07/06/09 22:25:05 uj7cOL+O
 ついっ―
 黒川さんは更に半歩間合いを詰める。二人の距離は、肌が直に触れ合いそうに
なるまで縮まっている。
「でも、そんなことしたら…… さやかが何というか」
 ひとみさんは、由衣さんの勢いに押されながらも、ようやく反論らしき
言葉を口にする。
「もし、さやかさんに責められたら、全部私のせいにしてくれればいいわ。
強引に迫られて仕方がなかったって言えばいいの。
 ひとみは全く罪悪感なんて感じる必要はない。悪いのはぜんぶ…… 私」

「あ、あの、でも」
 俺は、ひとみさんがはっきりと、黒川さんの告白を断れないことが
不思議だった。
 優柔不断なのか、尊敬している先輩の告白に気持ちがぐらついているのか。
 彼女の揺れる心を正確に推し量ることはできない。
 しかし、ひとみさんの真面目な性格から考えると『ふたまた』なんて
器用な事ができるとは、とても思えないのだが。

513:名無しさん@秘密の花園
07/06/09 22:26:18 uj7cOL+O
「ねえ、ひとみ」
「はい…… 」
「少しだけ、あなたに考える時間をあげる」
「え? 」
「もし、私の告白を断るのなら、首を横にふってちょうだい」
 黒川さんは視線を決して逸らさずに言ったが、表情は自信に満ち溢れていた。
 この時点に至っては、明確に断られることなんてありえないことを
確信していたからだ。
 そして、ひとみさんは― 予想通り、首を動かすことが出来なかった。

「ありがとう。ひとみ」
 時計の秒針が二回りした後、無言の承諾を得た黒川さんは優しく微笑んだ。
 同時に、ひとみさんの後ろに腕を絡めて、ゆっくりと顔を近づけ、
唇をあっさりと塞いでしまう。

 ひとみさんは、身体を硬直させて瞼をしきりに瞬かせている。
 信頼している先輩が、いきなりそういう行為に出た事が、信じられないと
いった様子だ。
 それでも、拒絶の仕草を見せる事はなく、黒川さんのなすがままに唇を
許している。

514:名無しさん@秘密の花園
07/06/09 22:27:39 uj7cOL+O
「んん…… 」
 ひとみさんの喘ぎ声が夜風に乗って、俺のところまではっきりと届く。
ぞくぞくするような妖艶な声だ。
 黒川さんはゆっくりと、渇いた唇を動かして、ひとみさんの硬くなった
身体を少しずつほぐしていく。
 彼女の右手は、ひとみさんの背中に回っており、綺麗な指先が白いブラウスを
軽くなぞっている。
 暫くの間、黒川さんは、ひとみさんの柔らかい唇の感触を味わっていたが、
拒絶のそぶりさえ見せないことを改めて確認すると、舌を伸ばしてゆっくりと
唇の間に割り込ませていく。

「んぐぅっ! 」
 ひとみさんのくぐもった悲鳴が漏れた。力が抜けて膝が崩れ落ちそうに
なるところを、黒川さんに支えられる。
 すっかりと脱力した後輩を愛おしそうに抱きしめると、ひとみさんの
舌に絡みつかせていく。

515:名無しさん@秘密の花園
07/06/09 22:30:33 uj7cOL+O
「ん…… んぅ…… んあっ」
 ひとみさんと黒川さんの唇から、途切れることなく続くあえぎ声は、
俺の心を深くえぐった。
 女性同士のディープキスに背徳感を覚えたわけではもちろんない。むしろ、
百合萌え男としては堪能すべき状況といえる。

 しかし、ひとみさんには、既にさやかさんという恋人がいるのに、
積極的な黒川さんに押しきられる形で、結局は受け入れてしまったことに
形容しがたい、やるせなさを感じてしまったのだ。
 それに、黒川さんの悪魔のような甘い囁きに乗ってしまったひとみさんが、
自ら修羅場を選択してしまったことに対して、強い危惧を覚えざるを得ない。

「んあ…… くぅっ」 
 濃厚なキスを続けながら、黒川さんの右手は巧みに動いて、ひとみさんの
ブラウスの内側に指をもぐりこませる。
 ひとみさんは、反射的に身体を捩って逃れようとするが、黒川さんは
もう離すことはしない。
 俺は―

516:名無しさん@秘密の花園
07/06/09 22:43:04 uj7cOL+O
さて選択肢です。

①黒川さんと、ひとみさんの行為を、見ていることしかできなかった。

②彼女達の愛撫をこれ以上、見続けることができなくて、立ち去る事にした。

③二人を見ていたが、マナーモードにしていた自分の携帯が震えて……


>>508-509
ありがとう。感想が貰えるからこそ続ける事ができます。

ちなみに、前回呈示した選択肢では……

 ①は、NORMAL ENDです。ひとみさんとさやかさんは結ばれ、黒川さんはひとみさんを
 すっぱりとあきらめます。

 ③は、たちの悪いナンパ男の登場で、アクションシーンの予定でした。

 今回選択された②は、修羅場となる可能性があります。

517:名無しさん@秘密の花園
07/06/09 23:14:31 e2+lJ7ba
おおーっ!とうとう本格的な百合がっw
黒川さん口説き上手すぎw 手練だ♪

ウワワワ前回の選択は修羅場でしたか
ええい黒川さんもう突っ走れw ①で!

518:名無しさん@秘密の花園
07/06/12 21:26:29 Ai836KZ8
俺が代わりに抜いといてやるから百合萌え男おまいは見てなさい

519:名無しさん@秘密の花園
07/06/24 18:40:51 IOoqMClG
保守


520:名無しさん@秘密の花園
07/06/24 19:18:46 DrCReU48
長い間放置してしまい、申し訳ありません。

①で書くことにします。

521:名無しさん@秘密の花園
07/06/24 21:09:29 DrCReU48
 俺は、彼女達から視線を離すことができなかった。二人の愛撫に視線が
釘付けになってしまっていた。
 黒川さんは、もぐりこませた手を器用に動かすと、ひとみさんのブラの
ホックを簡単に外す。
 ブラは簡単にほどけ落ちて、彼女の薄い服ごしから乳房と乳首が見えてしまう。

「ひとみ…… 大好き」
 ひとみさんの耳元で、黒川さんは囁く。
「せんぱい…… 」
 巧みなキスに翻弄されたひとみさんは、ほとんどなすがままにされている。

 黒川さんは、ひとみさんの豊かな胸をまさぐりながら、時折、乳首のあたりを軽く捻る。
「つぅ、せんぱい……だめっ、んんっ」
 綺麗な脚をぶるぶると震わせながら、ひとみさんの艶のある喘ぎ声が夜風に乗って
聞えてくる。
「ひとみは本当に可愛いね」
 眼鏡をかけている黒川さんは、ひとみさんの顎をつまむと、顔を寄せる。
 ひとみさんは、瞼を閉じて唇を上に向けて、黒川さんは期待通りに口を塞いだ。

「ん、んくぅ」
 黒川さんとひとみさんのキス。
 最初は、軽く唇を重ね合わせるだけだ。ふたりの唇が軽く触れ合い、
時折、小さな喘ぎ声が漏れる。
 しかし、すぐにもの足りなくなったのか、黒川さんは舌を伸ばして、
ひとみさんの唇の中に割り込ませていく。

522:名無しさん@秘密の花園
07/06/24 21:11:18 DrCReU48
「んんっ」
 ひとみさんは僅かに抵抗するものの、黒川さんの指先が彼女の乳首を軽く
捻っただけで、胸に注意をとられてしまい、口腔内への侵入を簡単に許してしまう。

「ん…… んむぅ」
 黒川さんの舌端が、ひとみさんを捉えて絡みつく。
 とろとろとした唾液が混ざり合い、淫らな音が微かに届く。
俺はどうしようもない程大きな煩悩を抱いたまま、彼女達の痴態を
ただ、見つめている。

 真夜中の埠頭でふたりの交わりは尚も続く。
 星を塞いでいた雲の切れ間から、東から昇り始めた下弦の月が覗き、
ひとみさんと黒川さんを照らし出す。
 激しく濃厚なキスを交わし続ける二人が、月光によって鮮やかに浮かび上がり、
妖しくも幻想的な情景が醸し出される。寄り添うふたりから伸びた長い影が、
俺の足元まで届いた。

523:名無しさん@秘密の花園
07/06/24 21:13:26 DrCReU48
 ひとみさんの口内を味わい尽くすと、黒川さんは、乳房の愛撫を続けながら、
もう一方の手を下に伸ばして、スカートの中に入れようとする。
「!? 」
 先輩の淫らすぎる行為に驚いたひとみさんが、唇を離して、身体を捩って
抗おうとするが、黒川さんは、冷徹な口調で言い放った。
「逃げないで。ひとみ」
「で…… でも」
 ひとみさんの、心の迷いにつけこむように黒川さんは、彼女のスカートを
捲くりあげた。
 ひとみさんの健康的な白い太腿と、薄いピンクの下着が視界に飛び込み、
俺は釘付けになってしまう。
 この状況を敢えて止めようとする男は、異性に興味がないごく一部の
例外を除いては、地球上に存在しないと断言しても良い。

 黒川さんは、ひとみさんの小さなレースがついた下着の上から、
丹念な愛撫を始める。
 最初は臀部を、細く長い指を滑らして円を描くように撫でていく。
「くろかわ、せんぱいっ…… やめてくださ…… んっ」
 黒川さんの愛撫に、ひとみさんは形の良い眉を歪めながら、
お尻を左右に振って逃れようともがく。
 しかし、黒川さんの愛撫は極めて上手く、瞬く間にひとみさんの
抵抗は弱まっていく。

524:名無しさん@秘密の花園
07/06/24 21:14:28 DrCReU48
「ひとみ。貴方は私に全てを任してくれればいいの」
 謡うように囁きながら、お尻を撫でていた手を前に回す。
 ひとみさんは、女性の最も大切な場所を守ろうと、反射的に太腿をぎゅっと
閉じるが、黒川さんは、ゆっくりと秘められた場所に指先をあてると、
意地悪そうな笑みを浮べて言った。

「ひとみ。ずいぶんと濡れているわ」
「そんな…… 嘘です」
「本当よ」
 狼狽しながらも否定するひとみさんに対して、冷静な口調で断定すると、
彼女の愛液によってつくられた、染みがついた部分を弄ぶ。
「んあっ」
 小さく悲鳴をあげて、ひとみさんは下半身を震わす。
「我慢、しなくていいからね」
 とても甘い誘惑の言葉。
 黒川さんは、ひとみさんの胸を揉みしだきながら、下着の上から
大切な部分を愛撫していく。
 ものすごく巧みに指先が動き、瞬く間にひとみさんの秘所から
噴き出した愛液は量を増していく。下着から漏れだした粘性のある液体が、
健康的な太腿の根元から溢れ出して、とろとろと下につたっていく。

525:名無しさん@秘密の花園
07/06/24 21:15:19 DrCReU48
「せんぱいっ、こんなとこで…… んあっ、駄目ですっ」
 絶え間ない刺激に悶えつつも、ひとみさんは顔を紅潮させて、
抗いの言葉を紡ぎだす。
 いくら真夜中とはいえ、夜風がじかにあたる外で、しかも男である
俺の眼前で、黒川さんと立ったままエッチをするという、
凄まじく異常で倒錯的な状況は、真面目なひとみさんにとっては、
とてつもなく恥ずかしいものであるはずだ。
 しかし、黒川さんの愛撫が上手すぎて、弱々しい抵抗をするものの、
絶え間なく与えられる快楽に流され、結局は溺れることになってしまう。

「くぅ…… だめ、だめです…… 」
 強まるばかりの悦楽に耐え切れず、ひとみさんの吐息と喘ぎ声が、
次第に大きくなる。
 頃合い良し、と踏んだ黒川さんは、下着の中に手を潜りこませて、
ひとみさんの秘所を直に愛撫する。溢れる愛液に指先を濡らしながら、
的確にアソコを刺激していく。
「ひとみ。感じてるのね」
「せんぱいが、わるいんで…… ひゃんっ」
 淫らな行為を仕掛けてくる、とても悪い先輩をにらみつけようとするが、
秘所の突起を軽く捻られると、敏感になった身体は反応してしまい、
喘ぎ声しかあげられなくなってしまう。

526:名無しさん@秘密の花園
07/06/24 21:16:46 DrCReU48
「素直でない子には、おしおきしないとね」
 黒川さんは意地悪そうに言うと、背後から抱きしめるような態勢をつくる。
ひとみさんの乳房を揉みながら、下着の中に入れた指を細かく動かして、
愛撫によって膨らんだ突起を、軽く押し潰すように揉んでいく。

「んあっ…… せんぱい…… だめ、くぅ」
 激しい刺激にひとみさんは喘ぎ、愛液をかき回す、くちゃくちゃという
淫らな音がはっきりと聞えてくる。
 ひとみさんは、必死に声を抑えようと我慢を重ねるが、黒川さんの
厭らしい責めに耐え切れず、大きな声を何度もあげてしまう。

「ひゃん、だめっ…… ホントにダメっ……んあっ、ああ! 」
 健康的な肢体を細かく震わせながら、ひとみさんは悦楽の階段を
昇っていく。限界はすぐ傍にまで迫っている。
「ひとみ。イキなさい」
 黒川さんが短く命令した。
 ひとみさんは、悪魔のような先輩の愛撫に完全に弄ばれながら、
長い髪を振り乱して激しくよがりまくる。
「んあ、いっちゃう、ほんとに…… いっちゃうのっ」
 なおも懸命に耐えるが、黒川さんの愛撫は、加速度的に早く、激しくなる。
「だめ、ああっ…… んあっ、いくっ、いくのっ…… んあああああっ! 」
 立ったまま全身を硬直させて、ひとみさんは小刻みに震わし、ついに
絶頂を向かえる。そして。

 快楽の頂を超えると、全身の筋肉が弛緩して、糸が切れたマリオネットの
ように崩れ落ちかけ― 黒川さんよって支えられた。 

527:名無しさん@秘密の花園
07/06/24 21:22:09 DrCReU48
ちなみに、今回は選択肢はありません。

久々に濡れ場を書いたような気がします。
えろはぬるいかもしれませんが、ご容赦を。



528:名無しさん@秘密の花園
07/06/25 15:24:13 AH6iaQCT
少子化対策は小梨税で:第2ラウンド

小梨、非婚が大嫌い【育児板】
スレリンク(baby板)l50


529:名無しさん@秘密の花園
07/07/01 00:10:39 g/1EQBUO
 俺は、彼女達の愛撫が終わる頃、背を向けた。
 二人をまともに直視できなかったからだ。
 断じて、愛撫を重ねたひとみさんと黒川さんを軽蔑したわけではない。
 百合萌え男としてはありえない。では、何故?

 俺の脳裏にさやかさんの顔が浮かんだからだ。
 黒川さんが、強引にさやかさんを奪ったとしたら、さやかさんは黙ってはいないだろう。
 いわゆる修羅場に、俺は居合わせたくない。綺麗な百合だけがみたいんだ。
と、思ったところで、自分のあまりの身勝手さに辟易した。

 だれもが、自分の思うとおりに生きられるわけではない。
 黒川さんだって必死の思いで、ひとみさんへの愛を貫きたいと、
果敢に行動したわけだし、ひとみさんだって、黒川さんを
傷つけたくないという「善意」が、あのような結果に
なってしまったのだ。

 どちらにせよ、黒川さんとひとみさんが『ああいう形』で結ばれたからには、
今日の俺は、埠頭にいても仕方がない。 
 腕時計を見れば既に午前1時を回っており、地下鉄は終電を過ぎているが、
大通りに出れば空きのタクシーくらいあるだろう。

 俺は、混乱する思考をまとめられないまま、タクシーを拾い、そのまま家に帰った。
 ただ、タクシーに乗る直前に、ひとみさんの車に立ち寄り、1枚の名刺を挟んでおいた。
 名刺の裏には、「申し訳ありませんが、お先に失礼させていただきます」
とだけ書いておいた。


530:名無しさん@秘密の花園
07/07/01 15:38:39 +o6ll9WR
ご苦労様です。読み応えがありました。

今回は我々読み手にとっても登場人物にとっても
つらい選択でしたね。
今後どうなっていくのか目が離せません。

531:名無しさん@秘密の花園
07/07/01 17:33:44 Hq2ZngW6
>530
いつも読んでいただいてありがとです。

更新頻度はごらんの通り、期待できませんが……

今後も読み手の方に選択肢を呈示する場面があろうかと思います。
ただ、私の不徳の極みで申し訳ないのですが、
スレ進行がとまっている状況ですので、場合によっては自動的に進行する
(自分で選択する)場合があるかと思います。

この点、ご理解いただければ幸いです。


532:名無しさん@秘密の花園
07/07/04 16:05:21 dKvO9Gui
やあ、こんにちわ。>>278です。えっ?知らない?うん、まぁそれは良いや。300レスも前の話だし。
消えた後も時々図書館のパソコンを使って見に来てたんだけど、
自分で出すだけ出して書いてあげられなかったキャラ(バーテンダーさんやパーカ娘のお母さんとか)がいた事がちょっと心残りでね。
で、本編の流れにはついて行けそうもないし、二人のエピソードを保守代りに番外編みたいな感じで投下したいんだけど、ダメかな?
まぁ、完成させる自信もないしダメと言われたら即あきらめるよ。
一応、暫く待って返事が無ければ出来てるところまでで投下するけど、ダメならダメって言って脳内あぼーんしてくれ。

533:名無しさん@秘密の花園
07/07/04 18:13:49 dKvO9Gui
えと、じゃあとりあえず置いていきます。
主役はバーテンダーさんです。

534:名無しさん@秘密の花園
07/07/04 18:15:20 dKvO9Gui

家は、裕福ではないけれど幸せな家族だった。
 お酒がダメで接待嫌いな父は私が寝る前には帰って来たし、母との仲も良かった……と言っても、本当にそうだったのかは分らない。けれど、平仮名だらけの作文と幼き日のかすかな記憶がきっとそうであったと確信させてくれる。
『中沢すず音』
他の子たちが平仮名を間違えている中で、一人だけ漢字交じりの名前。その理由は思い出さなくても分かっている。
私の中で幼稚園の頃の記憶は三つ。一つは、父や母と過ごした何気ない幸せな家庭の記憶。二つ目は、「私立の小学校を受けないか?」と言われた時の記憶。そして、最後の一つは……

永遠の、初恋。



535:名無しさん@秘密の花園
07/07/04 18:16:15 dKvO9Gui

 既に朧げな友人達の顔と夏の空を覆う雲の形が、まるでパステルか水彩画の様にぼやけて浮かぶ。確実なのは晴れていたこと。そして、その日はまるで前日までの暑さが嘘の様に涼しかったと言う事。
 私たちは公園でボール遊びをしていた。それが何だったかは覚えていないけれど、私は逃げるウサギでも追う様に、ただただ白いボールを追いかけていた。
 ポンッ、ボールが道路に飛び出る。こんな時、他の子だと一緒に飛び出しかねないから、ボールを取りに行くのは必ず私の役目と決められていた。
既に走り出していた私が追いつくことを諦めて速度を落とし、向かいの歩道にボールがたどり着いたころ、大きなトラックが交互に、まるで間を縫うように通って行く。
瞬間、ボールを見失う。
「あっ……」
 トラックの覆いが解けると、そこにはスッケチブックを片手に、ボールを抱えた女学生の姿。襟と裾とにフリルのあしらってある純白のブラウス、シックな濃い藍色のベストに肌を隠すロングスカートの組み合わせが、当時の私にはとにかく大人びて見えた。
 フワリ、ウエーブのかかった濡羽色の長髪が振られる。現れたのは透き通るような白い肌と艶やかな桜色の唇、影を落としそうな程に蓄えられた長いまつげ、吸い込まれそうな瞳……その美しさに幼い私は、言い様のない恐怖と感動とが混じった不思議な感覚に襲われた。
 目を離せない……いえ、瞬きさえもできない。


536:名無しさん@秘密の花園
07/07/04 18:17:17 dKvO9Gui
 見たこともない美しい生き物が、一歩、また一歩とこちらに近づいてくる。
「これ、貴女のではなくて?」
 艶めかしさに満ちた声、いえ、艶めかしさの塊が音に直されたもの。聞いただけで、まるで身体を撫でまわされた様な感覚……
「あ……」
 ボールを渡されて、初めて正気に戻った。同時に、甘く柔らかい香りが鼻腔をくすぐる。香水ではない。この人の、肌自体の香り。
「もしかして、違ったのかしら?」
「い、いえ。あ、ありがとうございます!」
 慌ててお礼を言うと、振り返りざまにボールを友達の方へ投げやった。
「お友達?」
「んぅ、ふぅ……」
 耳元で言われ、背筋をぞくぞくとした物が走る。
「残念ね。お暇なら、手伝って貰いたかったのに」
「あ……」
 手伝う……? 何を……?
 いや、何でも良い、もう少しそばにいたい……
「あ、あの、大丈夫です!」
「本当? でも、お友達は?」
 そっと指が頬を撫でる。まるで、飛切りに上等なシルクの布で頬を撫でられた様な、滑らかで優しい感触……
「いえ、ちゃんと断りますから……」
「そう。じゃあ、もしも手が空いたら向こうの噴水に来ていただけるかしら? あ、あの水が出ているところよ」
 そう言って道路の向かいを指さすと、あの人はその方向へ歩いて行ってしまった。
 その後姿は、見送る私にはまるでダンスのステップにさえ見えた。



537:名無しさん@秘密の花園
07/07/04 18:18:25 dKvO9Gui
 私に与えられたのは、絵のモデルと言う役目。言い換えれば、目の前の美しい人と少しの会話を楽しむ喜び。
「お名前は、なんと言うの?」
「す、鈴音です。中沢、鈴音」
「そう。スズネちゃん……きっと『鈴の音』で鈴音ちゃんね。いい名前だわ、貴女の声、とても奇麗ですものね」
 そう言うこの人の声に比べて自分の声が良い物にはとても思えなかったけれど、とにかくお褒めの言葉を授かったのが嬉しかった。
「あ……え……」
 名前を尋ねようとして、自分から話しかけるには何とお呼びして良いのか判らずに口を閉ざす。目の前の人を、他の人達と同じように『お姉さん』『お姉ちゃん』と呼ぶのには、ひどく抵抗があった。
「今日は演劇部……そうね、お遊戯で、お父様やお母様の前で絵本の真似などしなかった?
  あんな事をしているのだけど、今度やる劇のイメージを掴む為に、街で自分の役に役立ちそうな物をスケッチする事になったの。私はお姫様の役をする事になったのだけれど、街中にそんな物が見つからなくて。そうしたら突然、目の前に可愛らしい女の子が現れたものだから」
お姫さま? 私が?
 この人がお姫様なのは分かった。この人はそのまま『お姫様』と呼んでも問題のないくらい奇麗な人なのだから。だけれど、どうしてそんな人が自分を選んだのかが分からなかった。お姫様の絵が描きたいのなら、鏡の中を覗けば良いのに……
「けれど私、本当は王子様の役をやりたかったのよね」
 溜息混じりにそう言ったのを聞いて、私は思わず口を開く。
「そんなの、変です!」
「あら、どうして?」
「だって、どう見てもお姫さまです。奇麗で、華やかで……」
 その台詞には、クスリと笑みが返された。


538:名無しさん@秘密の花園
07/07/04 18:18:58 dKvO9Gui

「でもね、物語のお姫様は殆どの場合、いつも幸せを待っているの。『何か素敵な事は起こらないかしら』『私の王子様が早く来ないかしら』って……でもね、私は誰かを幸せにしたいの。例えば、鈴音ちゃんみたいに可愛いお姫様を幸せにする王子様になりたいの」
嗚呼! 何と嬉しい言葉! この美しい人が、自分などを『可愛いお姫様』と呼び、剰え『幸せにしたい』などと言ってくださる!
 身体が―特に太もものあたりが―何とも言えないくすぐったさに襲われる。
「さ、出来たわ。もう少し続けたかったけれど、もう時間が来てしまったみたい」
 そう言って見せられた絵に描かれていた私は……これは、本当に私?
 優しいタッチで描かれた鉛筆画の少女は、可愛らしく悪戯っぽい笑みを浮かべ、それでも失われることがない気品の様な物に満ちていて……その、なんと言うか……
「わ、私、こんなに素敵な人じゃありません!」
 その一言に尽きた。
「あら、貴女はとても魅力的よ。さ、これで端の方にお名前を書いていただける?」
 そう言われて、私は困った。
 目の前にあるのは、完成した一つの美しさ。そこに自分の文字を、どうあがいたところで圧倒的に醜い物を入れてしまえば、それだけが浮いて折角の絵が台無しである。何より、自分の書いた名前がこの絵と一緒に見られるのは、恐ろしく恥ずかしい事だった。
「あの、これは私が書かない方が……」
「これは鈴音ちゃんと出合った思い出なのよ? 鈴音ちゃんに書いて頂かないと、意味がないの。お願いできるかしら?」


539:名無しさん@秘密の花園
07/07/04 18:21:02 dKvO9Gui


 嫌です、等とは言えるはずもない。だからせめて、簡単そうな『中沢』ではなく、難しそうに見える『鈴音』を平仮名で書いた。幾ら漢字が書けるはずが無いとは言え、単純そうに見える『中沢』を平仮名で書くのは恥ずかしくて出来なかった。
 その点『鈴音』ならば、特に『鈴』の字は小学生の中学年でも難しいだろう。それならば、少しは平仮名で書いても恰好がつく、そう思ったから。(ただし、実際に小学生になって漢字を習い始めると、『鈴木』という名字のせいで皆すぐに覚えてしまったのだけど……)
 私が絵の美しさと自分が書いた文字の汚さとの落差に恥ずかしさを覚えながらスケッチブックを渡すと、遠くにやはりベストとブラウスにロングスカートの女学生が見えた。
「お姉ぇーさまぁー、そろそろ帰りましょーう」
「はぁーい」
 そう返事をされていた振り向きざま、私は柔らかな匂いに包まれ、頬にそっと何か柔らかで幸せな物が触れたのを感じた。
「次は唇にしてあげるわ。それまでに、もっと素敵なレディになるのよ」
 その瞬間、先ほどの物が頬への接吻だったと気づき、頭にカァッと熱が上がってくる。
「今日はありがとう。御機嫌よう、きっとまた逢いましょう」
 先ほどの接吻で腰を抜かされた私は、地べたにへたり込んでその後姿を見送った後、そのまま暫く幸せの裡に『お姉さま』と、聞いたばかりの素敵な呼び名を口の中で繰り返し続けたのでした……


540:名無しさん@秘密の花園
07/07/04 18:22:08 dKvO9Gui


 それから私は奇麗に平仮名を書く練習と、簡単な漢字の勉強を始めた。勿論、もう一度お姉さまに逢えた時のために。
 学が無いと思われたくなくて外国、特にヨーロッパの国々の名前を覚え、常識がないと思われたくなくてニュースや歴史を学び、頭が悪いと思われぬ様に算数の勉強をして、
演劇をしているお姉さまと話をしようとシェークスピアを始めとして国内外の様々な文学作品を読み漁った。
 そんな時に、私は一つの作品と出合う。
 吉屋信子、『花物語』。
 この作品であの『お姉さま』が上級生への呼び名だと知る。そうして、少女達の思いが次第に自分の思いと重なってくる……
 恋。私は自分の気持があの『初恋』と呼ばれている物だとこの時に確信した。
「私があの人と同じ制服に身を包み、一目お会いして『お姉さま』と呼べたならばどんなに幸せでしょう」
 やや言葉の色がうつったまま溜息混じりにそう漏らして、私は窓から外を眺めた。
 季節は疾うに秋を過ぎ、冬さえも流れ、もう直ぐ春を迎えようとしていた。


541:名無しさん@秘密の花園
07/07/04 18:23:16 dKvO9Gui

 いつの間にかやって来ていた春も終わりを迎え、漸く待ちわびていた夏が来た。
 去年、お姉さまと出合えた季節。それが夏。だから私は、もう一度出会えるならまた夏だと思っていた。
 晴れの日は友達とあの公園で遊び、友達が帰った後もギリギリまで本を読んであの公園で過ごし、雨の日は、近くの図書館で勉強をしながらチラチラと窓越しにあの公園を眺める。そんな日々がずっと続いた。
 一日、また一日と夏が過ぎていく中で、私はもどかしさと切なさと、悲しさを覚える。
 私が無力感に打ちひしがれた頃、夏は終わりを迎えてしまう。


542:名無しさん@秘密の花園
07/07/04 18:23:47 dKvO9Gui

 それから去年と同じように秋を越し冬になり、両親は私に「私立の小学校を受けてみないか?」と一冊のパンフレットを差し出す。そこには、確かに見覚えのある制服。
 まさか、そう思いながらパンフレットに載っている全ての写真を穴が空くほど見つめ続け、あの日のお姉さまと同じ制服に身を包んだ女学生達の写った写真を見つける。
 直ぐに母に問うたところ、高等部の生徒の半数は小・中等部からエスカレータ式に上がってきた生徒らしい。だから、私がもし小等部に受かれば、高等部に入れることが決るのだと言う。
 つまり、この試験に受かれば確実にお姉さまと同じ制服を着る事が出来る。
 勿論、私がこの学校に入れたとしてもお姉さまに逢える訳はない。それどころか、恐らくお姉さまは既に卒業されてしまわれているかも知れない。だけど、あの制服を着ることで少しでもお姉さまを近くに感じる事が出来るのならば……私にはそれだけで十分だった。
 そうして、季節はまた春へと廻っていく……


543:名無しさん@秘密の花園
07/07/04 18:26:07 dKvO9Gui
以上です。
需要があれば小学生編~も書きますが、「嫌だ」「そんなスレじゃない」と言われたらこれで終わりますので。


544:名無しさん@秘密の花園
07/07/04 21:52:08 G7jqpOgT
>532氏

>283だけど。
お帰りなさい、それとも、はじめまして?
ネットへの接続環境はもう大丈夫ですか?

本編といっても、縁あってここまで書いているけれど、
本来は通りすがりにすぎないから、お気兼ねなく。

鈴音さんの話は興味深く読ませていただいたよ。
煩悩にまみれた自分とは全く異なり、凛として、澄んだ話を
書けるのが羨ましかったり。
できれば続きをキボンヌ。

545:名無しさん@秘密の花園
07/07/07 20:08:47 bNhh+giZ
>544氏
いえ、はじめましてではないです。でないとバーテンダーさんの名前が分からないので。
それと、俺も結局は煩悩まみれになので羨ましがる必要はないですw
じゃあ、とりあえず続きを書いてみますが、他の人はそれで良いのかな?
それとも、もしかしてあの頃の人はもういないのかな……

ついでにお姉様の名前とかも募集中。

546:名無しさん@秘密の花園
07/07/09 19:41:06 vtGq55I+
 ~鈴音編ーその2~

 小学校に通い始めて2カ月もたったころ、既に学校は私にとって苦痛を伴う場所でしかなくなっていた。
 始めは、いじめだと思っていた。
 五月の初めごろだっただろうか? お気に入りだったピンク色のチェック柄をしたボールペンが筆箱の中から消えたのだ。
初めてのお小遣いで買ったものだったのでそれなりにショックだったけれど、探しても見つからなかったし、残りのインクも少なかったので寿命だと思って諦めた。
 ところが翌日、机の上には奇麗に包装された如何にも高そうな万年筆。
 子供心に理由もなくこんな物を受け取るのが悪い気がしてクラスの子達に聞いて回ってみたのだけれど、誰が置いたか分からないので返しようもなく……結局『きっとボールペンを借りた子が、壊したか何かでお詫びに置いたのだろう』と結論付けて受け取った。
 けれど、似たような事が幾度となく続く。
 その内に、『もしかしたら自分は誰かからいじめられていて、それを知った子が置いてくれているのではないか?』と思い始め、ぼんやりとした不安に包まれるようになった。
 そんな時、私は聞いてはいけない事を聞いてしまう。


547:名無しさん@秘密の花園
07/07/09 19:42:21 vtGq55I+

「やっぱり、鈴音様にはあんな玩具よりも、私の送った本物の時計が似合ってらっしゃるわ」
 放課後、教室に忘れ物を取りに来た私は、クラスの子のその言葉を聞いてドアにかけた手を止めた。
「私、鈴音様からハンカチをお借りした時、『洗って返しますから』と言って持ち帰ったの。それから『無くしましたので』と言ってもっと似合う物とすり替えたのですけど、家ではそのハンカチを眺めて、鈴音様の事を思い出すのですわ」
「あら、無くしてしまったと言って、鈴音様は怒りませんでしたの?」
「鈴音様は大人ですもの。笑って許してくださいましたわ」
「流石は私達の鈴音様よね」
 そこまで聞いたところで、私は急いでその場を離れた。
 体育の時間に時計が無くなったのも、貸した物が何時も返ってこないのも、全てクラスの子達が、いえ、もしかしたら違うクラスの子達も……私の周りの人間が組んでしていた事だったのだ。
 確かに、それなら全て納得が行く。誰が何を盗っていこうとも、犯人など見付かるはずもなかったし、周りの子供達は私と違ってお金持ちの子供ばかりだったから、高価な物でも簡単に置いていける。それに、無くなるのは何時も『可愛らしい物』ばかり。
 私がお姉さまに何時逢っても良い様な立ち振る舞いを心がけていたことで、周りの子達の目に私はとても素敵に、大人びて映っていたのだ。そして、その姿に何時しか憧れ、その内に皆で理想の『中沢鈴音』を作り上げる事を思いついた……
 けれど、それが分かったところで何か出来るはずもない。
 一般人が一人とお金持ちが多数では経済差があり過ぎる。幾ら子供用の物を買っても、次の日にはまた別の物に換えられてしまうだろう。私に似合う、黒や銀色をした大人用の物に……


548:名無しさん@秘密の花園
07/07/09 19:44:32 vtGq55I+
 だから私は扱いの難しい大人用の物を、それでも当たり前の様に使いこなした。お姉さまに憧れている私に、同じ様に自分に憧れる周りの子達の気持ちを潰す事など出来なかったから。
 そうして残ったのは、恐ろしい程の重圧。
 お姉さまと逢えた時のために早くから勉強を続けていた私は、他の子よりも賢かった。だから、ずっと賢い私でなければならなかった。
 お姉さまに声を褒めていただいた為に歌うのが好きだった私は、他の子より声の出し方が上手かった。だから、音楽でも他の子に、ピアノやヴァイオリンを習っている子達にさえも、負ける訳には行かなかった。
 お金持ちでないが故、他の子達より友達と外で遊んで運動に慣れていた私は、他の子達より体を動かすのが得意だった。だから当然、体育でも負ける訳にはいかなかった。
 そう、家庭科も、図工も、聖書を読む事でさえ負ける訳にはいかず、力仕事を回されても文句一つ言えず、欲しい物は買えず、例え休日用にでも、見られては困るから可愛らしい服も欲しがる訳にはいかない。
 他の子達から『黒薔薇の君』『白銀の貴公子』等と称えられる事で、私は心休まる時を失っていった。


549:名無しさん@秘密の花園
07/07/09 19:45:44 vtGq55I+

 そんな時に、私は自分の家に起きていた変化にようやく気付く。
 あんなに睦まじかった父と母の仲が、何時の間にか少しずつ険悪な物となっていた。そしてその原因は、私の学費だったのだ。
 私の学費が公立の小学校に比べ格段に高かった為に、父はこれまで自分の仕事ではなかった接待さえもこなさなくては成らなくなった。その為に帰りも遅くなり、元々お酒が苦手で接待を避けられる今の仕事を選んでいた父だから、抱えるストレスも大きかったのかもしれない。
 そんな生活の中で夏休みを迎えた直後、初めて父と母が大きな喧嘩をする。
 これまで続いてきた物が自分の所為であっという間に壊れてしまった。その事が、これまでの重圧で倒れかけていた私に止めを刺し、限界を超えたところへと追いやった。
 その日、私は家を飛び出した。当てはない、それでも行くところは一つしかなかった。
 お姉さまと出合った、あの公園しか……


550:名無しさん@秘密の花園
07/07/09 19:47:38 vtGq55I+

 私が家を出てから一時間ほどして雨が降り始め、そして瞬く間に土砂降りと化した。
 そう言えば、ニュースで台風とか警報とか言っていた気がする。けれどもう、どうでも良かった。
「まるで昨日の暑さが嘘の様……」
 雨に濡れていた所為かも知れないし、あるいは風が強かった所為かも知れない。とにかく、凍てつく様に寒かった。
「このままなら、今夜辺りにはここで凍え死ぬかも」
 夏に凍え死ぬと言うのは自分で言って冗談の様に聞こえたけれど、実際に段々と身体の感覚は痺れて来た気がする。それに、何だかとても眠くなってきた。
「でも、ここでなら幸せに死ねるかもしれない……」
 そう、ここでならお姉さまとの思い出だけを抱き締めて死ねるかもしれない。それならそれで、幸せなことだ。
「死んだら何をしましょう? 先ずはお父様とお母様に謝って、それから、それから……」
 お姉様に逢いに行きたい。
 冷たい雨に身を刺されながら、私はそのまま眠りについた……


551:名無しさん@秘密の花園
07/07/09 19:48:29 vtGq55I+

 意識は戻った。けれど体はだるくて動かないし、瞼も開くには余りに重い。
 ただ、体を打つあの感覚は消えているから、雨は止んでいる様だった。いや、もしかしたら死んだのかもしれない。そう言えば花の匂いがする。
 両手いっぱいに抱きしめたブーケの香りを柔らかな風が温かく吹き上げた様な……
ちがう、この香りは花なんかじゃなくて!
 残っていた僅かばかりの力を振り絞って起き上がり瞳を開く。このまま力尽きてもかまわない。
「あ、嗚呼……」
 涙が溢れて、言葉に成らなかった。忘れるはずもない。二年間、瞼の裏に焼きついて離れなかった。その美しい後姿!
「あら、起きてしまったの?」
 そう、この声……この声をお聞きしたくて、私は毎日、毎日、あの公園で……
 そして今、ゆっくりと近づいて来て、私の頬にその手を。
 幻覚でなかった!
 幻聴でもなかった!
 今、私は確かに二年前と同じ温もりに触れている……
「今はおやすみなさい。話は、次に起きた時にしましょう」
 私は死んでしまったのでしょう。そうに決まっています。
 だって、ここはきっと天国ですもの。


552:名無しさん@秘密の花園
07/07/09 21:19:53 8uLRuhgs
GJ!!
久々に来たら話が進んでてびっくりした


553:名無しさん@秘密の花園
07/07/10 21:52:28 lwrqZME4
こちらが全く予期していない方向性の展開です。
続きに期待しております。

554:名無しさん@秘密の花園
07/07/28 00:19:23 8VBqKC8/
~鈴音編ーその3~


 力尽きて眠ってしまった後、再び気がついた私は、先刻の事が夢でなかった事を確かめ安堵する。確かに先程と同じ部屋、同じベッド。
 ただ一つだけ不安だったのは、その部屋にお姉様の姿が見えなかった事。
「お、お姉……さま……」
 戸惑いがちにそうお呼びすると、何だか不思議なくすぐったさが上がって来た。
「お姉さま、お姉さま?」
 最初はその響きに酔っていたけれど、繰り返すうち、次第に不思議な恐怖心が芽生え始めた。
 お姉さまの返事がない。
「お姉さま! お姉さま!」
 せっかく会う事が出来たのに……『次に起きた時に』と言ってくださったのに……
 もう、眠っている場合ではない。ベッドから飛び降り、とにかく虱潰しに扉を開けて回る。
 いない。いない。いない。
 いったい何度ドアを開けて、幾つのドアが残っているのか分からない。けれど扉を開ける度に、自分がどんどん無力な存在になって行く気がしてくる。
 このドアの先に、お姉さまはいなかった。けれど次のドアを開けると、そこにお姉さまはいるかもしれない。次にいなくても、その次にはいるかもしれない。
 けれどもしこれが最後のドアで、その先にいなかったら?
 お姉さまが、どこにもいなかったら……?
 私はドアノブを両手で握りしめたまま、その場にヘタリと座り込んでしまった。
 どんどん大きくなってくる無力感と、不思議な既視感。
「あっ……あの時と、同じ……」
 お姉さまを待ち続け、そして結局は逢えなかった、あの夏の日に感じた無力感。その感覚が思い出したように襲ってくる。
「違う、私は、私は確かにお姉さまと逢えたの!」
 叫ぶようにそう自分に言い聞かせ、ドアノブをひねった。

555:名無しさん@秘密の花園
07/07/28 00:20:05 8VBqKC8/

 ドアの向こうには、誰もいなかった。
「どうして? どうして……」
 ぽろぽろと涙が零れた。まるで自分の幸せも、夢も、希望も、全てを否定されたような気がした。
 けれど、たとえどんな絶望でさえ―
「どうしたの?」
 ―その一言で、吹き飛んでしまう。
「怖い夢でも見た?」
 背中からぶかぶかのブラウスを羽織らせた手を握りしめ、飛びつく様に振り向いた。
「お姉さま! 私……居なくなってしまわれたのかと……怖くて、怖くて……」
 お姉さまは嗚咽で上手く話す事の出来ない私をそっと抱き締め、頭を撫でてくださった。
「お家に電話をしていたの。ごめんなさい。鞄の中身を勝手に見せて貰って、それから、怖い思いもさせてしまったのね。でもね、鈴音ちゃん」
 お姉さまは目を合わせて悪戯っぽく笑みを浮かべた後、私の額をツンと人差し指で弾いてこう言われた。
「レディがそんな恰好で歩き回ってはダメよ」
 その一言で、私は裸だった事に気づいて赤面した。


556:名無しさん@秘密の花園
07/07/28 00:23:28 8VBqKC8/
急性胃腸炎にかかったり、試験があったりでなかなか書けなくてすみませんでした……
筆は死ぬほど遅い方な上に、話も全く浮かばなかったりで完結するかどうかも危ういので、本当に保守代り程度に思ってください。

557:名無しさん@秘密の花園
07/07/28 20:54:38 DlRtF8SR
ご苦労さまです。
一回一回大切に読ませていただいています。

558:名無しさん@秘密の花園
07/07/28 23:10:33 8VBqKC8/
いやもう何と言うか、色々申し訳ないです。
百合分と切なさが不足しがちな気がするので
どうやってこの二つを保ったまま話を繋げるかが悩みの種……
くそう。せめてクライマックス位は、息ができないほど切なく百合ん百合んにしてやりたい

559:たくま
07/08/01 16:52:52 5RW405xr
やりたい

560:名無しさん@秘密の花園
07/08/16 22:47:20 oI8uTSj9
~鈴音編ーその3……の2~

「で、いったい何があったの?」
 漸く先程のショックから立ち直った頃、お姉さまは私にホットミルクを差し出しながらそうお尋ねなさった。
「こんな日に、まさか日向ぼっこをして寝てしまった訳でもないでしょう」
「あ……」
 お姉さまに出会えてしまった事ですっかり忘れていた。なんと言うか、まるで現実と遠く離れた夢の世界にでも来てしまったような気分になっていて……
「私、もうここからは帰りたくない……」
 もう、辛くて悲しいだけの現実は沢山。
「学校では頑張れば頑張るほど辛くなって、頼れなくなって、だけど他の子達の気持ちを考えたら、頑張る事以外なんて選べなくて……家では、あんなに仲が良かったお母様とお父様が、私の所為で喧嘩をして……」
 言っていて、段々と声が涙声になって行くのが自分で分かる。それはまるで、自分の中でため込んでいた何かが言葉と一緒に零れてしまったように―ぽろぽろと、次から次へ溢れて落ちる。
 もしかしたら、人前で泣いたのなんてこれが初めてかも知れない。特に小学生になってからは、父や母にも迷惑をかけるまいと我慢していた。


561:名無しさん@秘密の花園
07/08/16 22:48:13 oI8uTSj9
「そう。誰かに寄りかかりたいのに、誰にも頼れなかったのね」
 優しく私を抱き寄せ、お姉さまはそっとささやく。
「鈴音ちゃん、貴女は悲しみを一人で背負いこめるほど強くはないの。辛い時、悲しい時、苦しい時、私を頼りなさい。私に全てを預けて寄りかかりなさい。私が貴方を受け止めてみせるから」
「……よろしいの、ですか?」
「もちろんよ。それに……」
 少し口ごもった後、お姉さまはやや悲しげに笑った。
「もう少し大きくなれば分かるかもしれないけど、崖の淵に立っているとね、支える人がいないと、自分から倒れてしまいそうになる物なのよ」
 その言葉に含まれていた意味は分からなかったけれど、とにかくお姉さまが私の事を受け入れてくださるのだと思うととてもうれしかった。
「お姉さま」
 だけど、その前に私には訊かなければならないことがあったのです。
「私は、お姉さまが居てくれさえすれば救われます。どんな辛い事も、どんな苦しい事も我慢できますし、乗り越えることだってできます。ですが……お父様とお母様は、それで元通りになれるのでしょうか?」
 お姉さまは先程の笑顔とは違う優しい微笑みを浮かべられると、信じられない事を……いえ、信じたくない言葉を口にしました。
「私ね、結婚したの」
 ズキリ。


562:名無しさん@秘密の花園
07/08/16 22:48:57 oI8uTSj9
「愛なんてないわ。向こうは良い後継ぎを生む為に、良い畑が欲しかっただけ。私は……大人の事情って奴ね」
 お姉さまが、お姉さまが、お姉さまが……
 誰でも良い、嘘だと言って。
「子供を産んでからは、夫とは一度も顔を合わせた事はないわ。産んだ子供も、英才教育を受けさせるために取り上げられて。こうしてここに一人でいても、困る人間なんてだれもいない。こう言うのを本当の『壊れた』って言うの」
 お姉さまはそう言って、俯いていた私の顎をそっと指で持ち上げた。
「鈴音ちゃんの所は違うでしょ? 鈴音ちゃんが居なくなっても、鈴音ちゃんのお母様が居なくなっても、お父様が居なくなっても……誰が居なくなっても、皆が困るはずよ。大丈夫、きっと今日の事も、まるで他人事のように笑って話せる日が来るわ」
「……お姉さま?」
「なに?」
「もしも、もしも好きな人がいて……その人以外の人を好きになるなんて考えられないくらい好きな人がいて、その人の事をずっと思い続けていたとして、その人が結婚していたと知ったら……その思いも、まるで他人事のように笑って話せる日が来ると思いますか?」
 少しの沈黙の後、お姉さまはふっと微笑んだ。
 それが何を意味するのか、私には分からなかった。


563:名無しさん@秘密の花園
07/08/17 15:04:49 h3QLTz3Y
うーん、加速度的にヘビーになってきてまつね。GJ!
続きが気になります。

564:あたしは何人目?
07/08/18 20:07:19 uPSxxIOS
どうも、初めましてです。
あたしはバイなのですが、いつも楽しみにしています。
特に鈴音編!憧れですw
皆さん頑張ってくださいね~

565:名無しさん@秘密の花園
07/08/18 20:28:36 BNoHpA1u
わーいバイさんがやってきたー♪
バイさんのお墨付きだ~♪

566:バイ1人目
07/08/20 20:57:39 vlAK/DsR
喜んでもらえると嬉しいですw
普段あまり良く思われないことが多いので
正直助かります。ありがとう。

567:名無しさん@秘密の花園
07/08/20 21:27:23 0MUKEiRD
バイさん視点の感想もヨロシクお願いしますね。
もうバイ1人目様もスレ住人さっ♪

568:名無しさん@秘密の花園
07/08/24 09:48:20 RAlqRUAu
へたくそ文章
うんこ以下www

569:2人目
07/08/29 09:42:36 PKphVjgq
ご無沙汰デス
リアルビアン2人目デス
小説、頑張られてますネ♪
小説の進み具合を影ながら応援してるので
中傷に負けず適度に頑張って下さいね~

570:名無しさん@秘密の花園
07/08/29 13:33:21 8S5VtZwS
ビアン二人目さんにも見守られてるっ!
嬉しい♪

571:名無しさん@秘密の花園
07/08/29 19:37:57 EoqYKs0F
じゃビアン3人目。
スレタイだけ見てけしからん!とクリックしたら
・・・・

萌えさせて頂きましたありがとう

572:名無しさん@秘密の花園
07/08/29 23:50:46 h5T0PnEH
このスレタイはビアンホイホイだよなw

573:名無しさん@秘密の花園
07/08/31 22:55:57 IeyyQniC
そんなビアン3人目さんに萌えさせて頂きました
ありがとー♪

574:バイ1人目
07/09/09 14:59:45 IoyyYWTr
うぅ…更新が待ち遠しいですっ…。
急かす訳じゃありませんけどっ(充分急かしてるか…)

575:鈴音編の人
07/09/10 11:32:20 XoSVZwXM
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
先月の終わりまで実家に帰っていて書けなかったとはいえ、お待たせして誠に申し訳ありません。何とお詫びすればよろしいか……
と、言う訳で少しですが投下します。

576:名無しさん@秘密の花園
07/09/10 11:33:43 XoSVZwXM
~鈴音編ーその4~


 初めて二人で歩くには不釣り合いな、台風で壊れた街並み。それでも楽しいと思える。隣を歩くのが貴女なら。
「さ、ここからは鈴音ちゃんが案内する番よ」
「えっ!? あ……はい」
 初めて貴女と出会った公園が近づいていた事にさえ気づかなかったのは、貴女の横顔に見とれていたから。
 普段は早く自転車が欲しいと思った帰り道、今はもっと長ければ良いのにと思う。
 そんな距離じゃないのは分かってる。だけど、貴方が『休憩しましょ』なんて言ってそこら辺の喫茶店を指さすのを心待ちにしている自分がいる。それがダメなら、せめてこの青信号、赤に変わってくれれば良いのに。今日に限って待ってくれるのね。
 暑い日差しから逃げようともせずに待ってくれいる母の姿を見たとき、他の子はどうしたかしら? 走って駆け寄るなり、手を振るなりしたかしら?
 それでも私は、立ち止まってしまいたかった。
 貴方と再び出会えた事、奇跡だと思ってる。会えないのが普通だと諦めてる。だから、この奇跡に幕を下ろしたくないの。


577:名無しさん@秘密の花園
07/09/10 11:35:57 XoSVZwXM
 ねぇ、お姉さま。貴女はどうですか?
「あれが、鈴音ちゃんのお母様?」
 どうして、そうやって笑えるのですか?
「良いお母様ね」
「はい」
 私の返す笑顔は、今にも崩れてしまいそうなのに。
「鈴音!」
 最後の数歩を駆け寄ったのは、母の方からだった。
「鈴音、大丈夫? 熱はもうないの?」
「はい」
 私は昨夜、お姉さまの隣で眠りながら母の事をこれっぽっちも考えなかった。そんな少しの罪悪感が混じった返事。もう少し無邪気になりたい。


578:名無しさん@秘密の花園
07/09/10 11:36:40 XoSVZwXM
「あっ、鈴音の母です。鈴音がご迷惑をおかけしまして……」
「いえ、私は久しぶりにお話できて楽しかったです」
 普段はとても大人びて見えるお姉さまだけど、母と並べばやはり随分と若く見えた。
 私には、この人が母と同じように子供を産んでいる事が未だに信じられなかった。
「宜しければ、お茶でも飲んで行ってください」
「あら、どうしようかしら」
 お姉さまは悩む素振りを見せる。私としては、何としてでも誘いに乗ってもらいたいところ。
「寄って行ってくださいな。昨夜は寝てばかりで良くお話も出来ませんでしたもの」
「それでは、お言葉に甘えて、御馳走にならしていただきますわ」
 お姉さまはクスと悪戯っぽい笑みを浮かべた後、小さな声こう囁きになられた。
「昨夜は頂けなかったものね……」


579:名無しさん@秘密の花園
07/09/10 11:53:45 XoSVZwXM
今回はここまでで……待たせたのに少なくてごめんなさい……
それにしても、この話がまさかこんなに(期間的に)長くなるとは思わなかった。
本編が止まって、スレ人気一位の黒川さんにさえ触れずに二か月。大丈夫なのかこのスレ?

580:名無しさん@秘密の花園
07/09/10 19:46:40 PKyBJxeW
バイ様に催促頂いて、すぐさま投下とはサスガです。
吉屋信子リスペクトな文体が素晴らしい。
お姉様が秋津さんに思えてきます。
本筋からそれるのもリレー小説の魅力です。ぜひ頑張って下さい。

581:名無しさん@秘密の花園
07/09/10 20:43:30 867ZXZne
孤独で健気な鈴音タンにキュンキュンしてます。
素晴らしいです。このまま続けて下さい。

582:バイ1人目
07/09/12 22:43:08 2KVHiEcr
嗚呼、本当にありがとうです。。
お忙しいところを催促してしまいましてっ・・・。。
ご迷惑ではなかったでしょうか??

583:名無しさん@秘密の花園
07/09/12 23:25:42 wze++42e
まだあったのかここw
職人様GJ

584:名無しさん@秘密の花園
07/09/13 13:06:03 +cYmcLei
>>580
それるどころか本筋が跡形もなくなってますがwww
そうか、お姉さまの旧姓は秋津にしてしまうと言うのも手かなと思う今日この頃。
>>581
それではこのまま続けます。気力が残っていればw
もう少しだけお付き合いくださいませ
>>582
いえいえいえいえいえ、迷惑だなんてそんな滅相な
夏休みの宿題は最終日に徹夜でまとめてやるタイプなので、しめ切りのないリレー小説はどうしても延ばし気味で・・・
自分でも「流石にヤヴァイな」と思っていたところですので気にする必要は皆無です。ロムからすれば「してやったり」です。GJです。
>>583
本編を続けてくれるGJな職人様、カァァム ヒィィィアァァァ
番外編終了とともにスレ落ちはマジ勘弁



最終話(?)は二か月以上前から出来てるのに、展開で完全に行き詰ってる俺。文才ナサス…

585:名無しさん@秘密の花園
07/09/13 19:55:23 tBGXGKeA
おお、すでに終わり方が決まってるとは楽しみです。
ゆっくりお待ちしております。

586:名無しさん@秘密の花園
07/09/27 11:36:24 R6WBFlYi
~鈴音編ーその4……の2~

 母が紅茶を注ぎに台所へ行っている時のこと、お姉さまはケーキを食べた後、突然深くため息をついた。
「鈴音ちゃんてば、白状ね」
「白状?」
「私、ずっと待っていたのよ。鈴音ちゃんがあの約束を思い出すのを」
「約束?」
 ずっと浮かれっぱなしだとはいえ、あの日の思い出は私の宝物、お姉さまとした約束を私が忘れるはずがなかった。
「もう」
 そっと私の唇へお姉さまの人差し指が添えられる。
「したでしょう? 『次は唇に』」
「んっ……」
 あっという間だった。気がついたら指がお姉さまの顔にかわっていた。
 何だろう……体が熱くなって来た気がする。それに、頭がポーっとしてくらくらする。
「どうだった?」
「ど、どうって、その……」
 頭の中でバクバクと心臓の音が響いて、まともな言葉が浮かんでこない。
「び、ビックリしました」
「ふ~ん」
 もう少しまともな言葉もあるだろうに、よりによって嬉しかった事さえ云えない言葉が出て来た。
「でも私、タチじゃなくてリバなのよね」
「私たちじゃなくて??」
 リバって何だろう? その前に、何が『私たち』なんだろう?


587:名無しさん@秘密の花園
07/09/27 11:37:26 R6WBFlYi
「私も鈴音ちゃんにビックリさせて貰いたいな~、ってこと」
「あっ……」
 これは分かった。要するにその、私からお姉さまに……
「それとも、嫌だった?」
「ち、違います!」
「口で言われても信じられないのよね、大人って」
 覚悟をきめて、大きく息を吸った。
「い、いきます!」
 そう言って目をつぶると、二年前と同じ匂いがした。
 このまま、あの頃に戻りたい。
 お姉さまが誰のものでもなかったあの頃に……
 だけど、それは無理だから、せめてこの人が自分の方を向いてくれているうちに伝えたかった。
 嬉しかった。あの日も、今も。
 お姉さま。私はお姉さまの事が―
「お、オホン。オホン」
 背中から聞こえたわざとらしい咳払いで破裂しそうなほど心臓が高鳴り、その後サァーっと血の気が引いて行くのが分かった。
「おっ、お母っ!」
「あら、お母様。失礼して先に御馳走になっていましたわ」
 今すぐにでも逃げ出したい私と違って、お姉さまはまるで母の反応を楽しむ様に私を抱き寄せて見せた。
 嗚呼、嬉しい、嬉しいけど、物凄く居た堪れない!
「こんなに美味しい物を口にしたのは久しぶりです」
「そ、そうですか……」
 心なしか、カップを運ぶ母の手が震えている気がする


588:名無しさん@秘密の花園
07/09/27 11:38:05 R6WBFlYi
「ホテルでも頂こうと思えば幾らでも頂けますけど……こんなに可愛い娘はいませんもの」
「お、お姉さま!」
「冗談よ、冗談。美味しかったのはケーキの話。ごめんなさいね、ちょっと意地悪しちゃった」
 そう言ってクスッと笑うお姉さまのお顔を見ると、何も言えなくなって諦めてしまう自分がいて……とことん私はこの人には勝てないのだなと、思い知らされてしまう。
 それから、母とお姉さまと三人でたくさんお話しして、たくさんからかわれて……あんなに笑った母を見たのは久しぶりだった。
 それから帰りしな、お姉さまの部屋へ案内してもらえる秘密の言葉を教えてもらった。
 ちなみに、お姉さまを迎えにきた長い車を見た母から「あの人は何者なの?」と訊かれたけど、そんな事を私が知っている筈がなかった。


589:名無しさん@秘密の花園
07/09/27 15:18:49 jbUbqW2f
お姉さまの手管が鮮やかすぎる。凄すぎる。
鈴音タン完全にとりこでつね( ゚∀゚)

あと、>586は「薄情」ですよね?

590:名無しさん@秘密の花園
07/09/28 01:23:54 3WnOsKo3
「白城」って出てきて直したら「白状」になってるorz
って言うかなんで最初に白城なんて出てきたんだ……

591:バイ1人目
07/10/01 01:52:18 WRtQL37F
久々に来てみたら・・・流石ですっ(≧□≦)

母親に見られたら・・・私の場合、身の破滅に繋がりかねないので
鈴音ちゃんが羨ましいかぎりです・・・。。

592:名無しさん@秘密の花園
07/10/01 01:57:38 kDrRwscE
↑どんな母親なの?

593:名無しさん@秘密の花園
07/10/03 00:30:25 3ojoYe53
何故こんなスレタイのスレッドでこんな高レベルの小説が!

今も良いが初期のキモ高いテンションが好きだw
気取れないキモオタ可愛い

594:名無しさん@秘密の花園
07/10/05 22:12:41 jnnZGsjq
たしかに初期おもすー

595:バイ1人目
07/10/14 03:06:08 /MEIM31i
いやぁ・・・差別と偏見に満ちた母親ですよ・・・
好きな人の話すら出来ませんしね。。

596:名無しさん@秘密の花園
07/10/14 11:00:56 zsGP+E1g
ここで話せばいいんですよ

597:名無しさん@秘密の花園
07/10/16 13:15:45 8RHJMfR3
美波と真木よう子が愛し合ってレズってるところを襲いかかる
近藤春菜

598:名無しさん@秘密の花園
07/10/26 01:19:49 pR52a9sv
~鈴音編ーその5~

 いつもの様に朝が来て、いつもの様に学校へ行き、いつもの様に家に帰り、いつもの様に宿題を終わらせる。以前の私の日課はそれで終わりだった。だけど今は、もう一つ。
「あの……リリー・ビッフェさんの部屋に案内して貰いたいのですけど」
 最初にフロントで言うときは何度も深呼吸したこの台詞も、今では一度の深呼吸で言えるようになった。
「はい。今すぐ係りの人が来ますから、少々お待ちくださいね」
 言うが早いか、フロントに女性が迎えに来た。どうやら私の姿を見て直ぐに来ていたみたいで、私の顔はすっかり覚えられてしまっているらしい。
 『リリー・ブッフェ』は魔法の言葉。
 それを唱えれば、秘密のエレベーターで存在しないはずの最上階と屋上の間へ行く事が出来る。
 そう。私の最後の日課、それは……
「いらっしゃい、鈴音ちゃん」
 毎日こうして、お姉さまのもとに通い詰める事なのです。



599:名無しさん@秘密の花園
07/10/26 01:22:20 pR52a9sv

「あれから、お母様とお父様の仲はどうなの?」
「喧嘩は一度もしていません。ですけど、溜息を吐いているところはよく見かけます」
「やっぱり、お金の事なの?」
「きっと、そうです」
 『私の学費が』と言おうとして、やめた。
 私の脳裏に、母にどうして私立を受けさせたのか訊いた時の事が浮かんだから。
「私の頃は、女は上司の奴隷でしかなかったの。定年は三十代、私も結婚したら無理やり辞めさせられたわ」
 母は、懐かしむ様にそう言った。
「でもね、今、それを変えようって動きが始まりつつあるの。まだまだ不十分だけど、貴女の頃には変わっているかもしれない。勿論、変わってないかも知れない。だけどね、どんな些細なことでも良い、貴女に可能性があるなら、私はそれを少しでも広げてあげたいの」
 そう言った母の顔は、笑顔だった。
 『私の学費が』と言う泣き言は、その母の好意を批判してしまう気がした。
「ですから私、もっと勉強して偉くなるんです。そうすれば、高等部からは学費が免除されますから」
「そう……鈴音ちゃんは偉いのね。だけど、これだけは覚えておいて」
 ふと、お姉さまの顔から笑顔が消える。
「偉く『なる』ための勉強は、人を豊かにするかもしれない。だけど、偉く『する』ための勉強は、人を不幸にする事もあるのよ」
 そう言って、今度は寂しそうに笑った。
 私がその言葉の本当の意味を知ったのは、ずっと、もっと後の事……


600:名無しさん@秘密の花園
07/10/26 01:24:07 pR52a9sv

 それから数日した頃、家に帰るなり、母が玄関まで走って来て私を抱きしめた。
「やったわ! 鈴音! やったのよ!」
「えっ?」
「奨学金が貰えるのよ! それも、月にいくらだと思う?」
「……五万円くらい?」
「五十万よ、五十万! しかも返済不要ですって! 返さなくていいのよ!」
「ご、ごじゅうまん!?」
 母は浮かれていて気付いていないけど、幾らなんでもそれはおかしい。
 確かに、うちの学校はお嬢様校で、授業料も目玉が飛び出るほど高い。それこそ、私みたいな一般人はローンを組まないと通えないくらいに。
 だけど、それでも月五十万は高すぎる。だって、それだと一年で六百万、私が中等部に入るまででも軽く三千万を超えてしまう。
 それが、返済不要?
「すごいわ、宝くじに当たったみたい!」
 そう。そんな奇跡みたいなことが本当に―
「あっ……」
 その瞬間、脳裏にある人の事が浮かぶ。
「ちょっと、出かけてきます!」
「今日は御馳走だから、早く帰ってくるのよ」
 玄関に鞄を放り投げて駆けだす。行先は一つしかなかった。
「そう、きっとそう。こんなの奇跡でも何でもない」
 私が思い出したのは、私に起きた最高の奇跡。勿論、あの人の事。



601:名無しさん@秘密の花園
07/10/26 01:24:59 pR52a9sv
「いらっしゃい、鈴音ちゃん」
 私を迎えたお姉さまは何時も通りの笑顔。まるで何もなかったかのよう。
「お姉さま、何か言う事はありませんか?」
「そうね、今日も素敵よ。食べちゃいたいくらい」
 もう、この人はいつもこう。分かっているのに知らないふりをして、私をからかって、意地悪して、それが生きがいみたいに楽しんでいる。
「そうじゃありません。もっと他に―」
「……他に?」
「―いえ、なんでもありません」
「あら、どうしたの?」
「いえ、どうでも良い事ですから」
 知らないふりをするお姉さまを見て、何だか今回の事が本当にどうでも良い事のように思えてきてしまった。だって、こんな安っぽい奇跡一つあろうとなかろうと、私にとってお姉さまが掛けがえのない大切な存在である事は何も変わらないのだから。
 とはいえ、お姉さまとしては折角の私をからかう機会を失うのが相当ご不満らしく、私を膝の上にのせて「どうしたの?」等と訊くのだけれど、私はその度に「なんでもありません」と、初めての勝利に対する優越感に浸るのでした。



602:名無しさん@秘密の花園
07/10/26 01:37:57 pR52a9sv
……えーと、考えているエピソードの間を埋めるのが大変で、時間ばっかりかかって全然進んでないので(次回があればですが)次回からいきなり中学編に入るかもしれません。
中学編は短めになると思いますが、それでも今年中に終わらないかも……orz

603:名無しさん@秘密の花園
07/10/26 20:53:55 pohiQ/IF
長くなるの大変結構!
実に読み応えがあるではないですか!

本当に先が読めなくて、楽しみです。

604:名無しさん@秘密の花園
07/11/15 13:11:40 kXK0f47V
新都社で漫画化してもいいか?

605:2人目
07/11/16 19:00:17 pP2YDNM+
(*´∇`)ノ
お久しぶりデス
漫画化の話も出てますね・・・w
素晴らしい♪

>604
ついでに私の経験談も漫画化して頂けますか?w



606:602
07/11/18 01:09:17 AcdyihKC
>604
リレー小説の漫画化って原作は誰になるんだww
他の職人さんが良いなら私はおkですw

607:名無しさん@秘密の花園
07/11/20 17:53:53 Ovt79x66
やった!マジでやっちゃうよ!
年明け以降には新都社の別冊少女きぼんに載せるようしときます

作者のみなさん頑張って下さい。

608:名無しさん@秘密の花園
07/11/21 16:06:25 HUbKxS0A
ちょっと待てそこのVipper
俺は完結してからのが漫画にしやすいと思う

609:名無しさん@秘密の花園
07/11/25 07:21:18 IaIheiz8
うあああああああぁぁああぁおおぉぉあああ
先に言ええええい!

ここと新都社両方の読者を怒らせるとこだったヤベー

610:名無しさん@秘密の花園
07/12/06 15:09:52 lyACvYUu
良い方法思い付いた
お前途中まで漫画にしろ
漫画読んだ人がこのスレ来て続き書いてくれるかも

行って書き手を集めてこいそこのVipper

611:名無しさん@秘密の花園
07/12/06 15:27:32 0yND9j7M
マンガよりマンコをおねだりするあたしがいたりする

612:名無しさん@秘密の花園
07/12/07 11:37:29 om0tQxtk
>>611
いくら亀井信者と言えどVIPPERに絡むような真似するとえらいめにwww

新都社見てきたよ~
百合漫画も結構あって良かった!

613:名無しさん@秘密の花園
07/12/08 20:04:22 P8j1uR5B
283-529 の間、書いていた奴だけど。
久しぶりにのぞいてみたら、まだ生きていたのかと正直びっくりw
現在書いている人がんばって。

>604
えっと原作者って、最初に書いたひとの許可がいるんちゃいます?




614:名無しさん@秘密の花園
07/12/08 20:38:24 EqhPfgXK
お久しぶりです
いつでも復帰を待ってますよ

615:名無しさん@秘密の花園
07/12/08 22:39:02 P8j1uR5B
>614
どもです。他板の百合SSが完結した後、時間的に書くことが可能な状況ならば、
続けたいかなと思います。
百合萌え男の今後には多少未練があるのでw

616:602
07/12/09 03:33:16 Cmt+cIif
>615
どうも、お久しぶりです。
寂しい事に本編の方が止まってしまっているので、
職人さんの復帰は何時でもお待ちしております。

私の方は飛び飛びで書いているのでそんなにたくさん投下できませんが……
一応、中学生編を少しだけ投下します。

617:名無しさん@秘密の花園
07/12/09 03:36:52 Cmt+cIif
~鈴音編ーその6~


「今日は練習が遅くまでありますから、そのままお姉さまの所に行きます」
 食べ終えた食器を流しに置きながら、ふと隣に立つ母と肩の高さが並んでいる事に気づく。
「お母さん、背、幾つだっけ?」
「一六二。まだ私の方が高いわよ」
 言われてもう一度肩を合わせると、確かに私の方がまだまだ低かった。並んだと思ったのは、どうやら気のせいだったらしい。
「今度の舞台もまた王子様役?」
「私より背の高い娘もいるのに、どうしてか、ね」
「一年生の頃からずっと遣ってるからでしょ。あーあ、また私の鈴音が人様の前で唇を奪われちゃうのね」
 母のその冗談に苦笑しながら、何時もの様にかけてある上着を手にとった。
「子供の成長は早いって言うけど、もうボケたの?」
「あっ……」
 言われて、今着ているブラウスが夏服だった事に気がついた。昨日の夜に母に頼んで出してもらったのをすっかり忘れていた。
「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
 ドアを開けると、初夏の日差しが眩しかった。
 お姉さまと再開して、八年目の夏。
 私はいつの間にか、中学三年生になっていた。



618:名無しさん@秘密の花園
07/12/09 03:38:54 Cmt+cIif

 学校での私は、相変わらず『黒薔薇の君』であり、『白銀の貴公子』のままだった。
 誰よりも優秀で、誰にも優しくて、そして誰からも愛される、皆の憧れ。その上こうして生徒会室に閉じ込められているのだから、出来すぎた配役だ。
 思えばいつでも『黒薔薇の君』を演じている私が演劇部の部長だと言うのは、軽い皮肉だった。
「鈴音様、そろそろ四時ですから、終わりにして休憩しましょう」
「そうね、そろそろ終わりにしましょう」
 そう言って書類を納めながら、まだこの部屋から出られぬ事に小さく溜め息を吐く。私にはこの後、もう一つ大きな仕事が残っている。
「今日はとても良い葉が手に入りましたの」
「本当? それは楽しみだわ」
 そう笑顔で答えながら、内心は苦笑い。
 何が楽しいのか、誰かが必ずと言っていいほど紅茶を持ってくるのがこの生徒会の決まり事の様になっていて、けれど、私はそんな上等な紅茶より、お姉さまの淹れてくれるコーヒーが飲みたかった。
 お姉さまの出すホットミルクはカフェオレを経て、何時の間にかコーヒーへと変わっていて、私はそれをブラックで飲むのが大好きなのだ。
 そんな私だから、いつもこのお茶会では、幾らするか分からないような奇麗なカップよりも、彼女達の持ちよる歪な形のクッキーにばかり手が伸びてしまうであった。



619:名無しさん@秘密の花園
07/12/11 08:01:41 FxNq11yU
職人毎度毎度GJ!
今の百合萌え男は君で守っているもんだぜ!
鈴音編はとても丁寧な展開でゆっくり読んで楽しめますお( ^ω^)ありがとうございますお

>>612
新都社行ってきたのかw


620:バイ1人目
07/12/25 13:06:16 Q4K/nXB2
鈴音ちゃん可愛いっ!
続き、楽しみに待ってますよ、職人さん♪


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