レズカップルを襲ってレイプしたい・・・・ハァハァat LESBIAN
レズカップルを襲ってレイプしたい・・・・ハァハァ - 暇つぶし2ch250:名無しさん@秘密の花園
07/03/26 14:21:19 cyKs3Nka
『百合萌え男』が生まれた流れも要るね。

251:名無しさん@秘密の花園
07/03/26 16:29:43 mc4OCcGE
まとめサイト賛成!!
このスレの流れは神!

252:名無しさん@秘密の花園
07/03/27 18:31:41 FZLRjttG
特に神である>>10から
ボスである>>21までの流れは最強
ダディも颯爽と現れ文置いていくトコ格好イイ
女神様も御三方おられますし
亀井もオチャメスルーだし

何よりこのスレから一番伝わってくる想いは


  み ん な キモオタ だ っ て こ と

勿論いい意味で
新スレこの板に建てるの賛成
ここは百合萌えの為の板でもあるからな

253:名無しさん@秘密の花園
07/03/27 18:56:48 FZLRjttG
急に思い付いた!
ドジっ子のお名前は「うめ」で頼みます
「うめちゃん」と皆に呼ばれ、仕事強くて頼りになる新戦力として扱われているけど
ありえない奇行を重ね、
一から黒川さんのお仕置…じゃなかった指導をうけなおす事に

彼女はひとみさんが痴漢にあったあの電車に乗り合わせていたものの、
(ひとみさんとは知らず)どうしたらいいか焦っていたトコに
百合萌え男が痴漢に痴漢し始め、彼の性癖を誤認しつつも尊敬……みたいな
勿論Loveとは違う方向のね。

254:名無しさん@秘密の花園
07/03/28 05:00:52 C/G06zir
平仮名で「うめ」?
それとも漢字?
①うめ
②梅
③楳
④卯女
⑤雨梅
⑥友人
「うめ」って名前こんだけあるけどどうする?
……そう言えば、黒川さんの名前なんだっけ?


255:名無しさん@秘密の花園
07/03/28 23:40:52 c8lPZOnF
おまい…ヒロイン二人ですら名前平仮名なのに……w

256:名無しさん@秘密の花園
07/04/02 20:50:25 UcvgQWbl
何度でも停滞しかける、それが……



百合萌え男クオリティ!

257:名無しさん@秘密の花園
07/04/03 01:35:20 rafi2ii/
と言うか基本的に職人がいない。


258:名無しさん@秘密の花園
07/04/03 21:55:26 Hsm7KwvA
っつーか最近悪質な荒らしがはびこっているよな。 硬派な(自薦他薦は問いません)百合燃え野郎達的にはあいつ等生かしてはおけませんよね。

259:名無しさん@秘密の花園
07/04/05 22:22:45 Sy0P+STx
ひたすらピザ百合にこだわる丁寧語のアイツwww
ひたすらババアだの四十だの連呼するアイツwww

ガチでキメエwwww死ねやwwwwww



ここにも書き込んであるな。
板のスルーLEVELが低いのもあってマジでカオス

260:名無しさん@秘密の花園
07/04/07 18:59:19 1vwfVk6m
新スレはSS含め百合萌え男達がマッタリングできるスレになれ
百合カップルの名前古今東西とかやっちゃえ
書き手が沢山いるスレになれ
ひたすらスルーして荒らしにも強いスレになれ
女神が現れたらひたすら拝むスレになぁ~れッ★ミ

261:名無しさん@秘密の花園
07/04/08 16:48:41 cdhBgiUb
よし、なった

262:名無しさん@秘密の花園
07/04/14 12:25:27 SG/0uyqv
下げ続けてるから人いねぇんかな?

263:名無しさん@秘密の花園
07/04/14 13:45:10 vb7p5fR8
ROM人達が書き手を待ってる
それだけの事さ


264:名無しさん@秘密の花園
07/04/19 18:06:31 1CeapemU
このスレとうとう
\(^o^)/タワオ

265:名無しさん@秘密の花園
07/04/20 15:49:24 USsGCaXg
黒川さんがひとみさんを抱き締めるシーンまでは終わっちゃダメっ

266:名無しさん@秘密の花園
07/04/20 16:31:52 mmvs4Fvv
そんな展開なのか(笑)
保守代わりに一回だけ続けて見るからちょっと待ってて。


267:名無しさん@秘密の花園
07/04/20 16:40:49 mmvs4Fvv
 ここで俺はふと気がついた。俺がパーカ娘と黒川さんに気を取られている間に、物凄い本数のワインが空いているではないか。見ればひとみさんがすごいへべれけに成っている。いや、雪だるまペンギンじゃなくて。
「さぁ~やぁ~、このままお泊まり行っちゃおうよぉ~」
 ケタケタと笑うひとみさんと、ウホッと心の中で叫ぶ俺。やばい、頬が勝手に緩む。
「ちょっと、ひとみ、飲み過ぎよ。そろそろ帰りましょう」
 そう言えば、もうかなり長い間ここにいる。そろそろ帰ってくれると黒川さんとパーカ娘の恐怖から逃れられて非常に有り難いが、もう少し見ていたい気がするのも事実だ。これが百合萌えの血……か。
「それじゃあぁ~、ちょっとお手洗い行って来るねぇ~」
 席を立ったひとみさんは、ふらふらと蝶の様に化粧室へ。
「あ、じゃあ私も……」
 まるで蝶を追う様にさやかさんが席を立った後、さやかさんとひとみさんの注文帳から一枚だけ俺の方へと移して席を立った。
 そのままレジへ向かおうとも思ったが、黒川さんとパーカ娘のやり取りを見ながら少し水を飲み過ぎたみたいだ。催して来た。
 クルリと踵を返し厠へ向かおうとしたその時、俺の視界からポッカリとある物が抜け落ちている気がしたが、何かが分からない。
 気の所為か……そう思い角を曲がったその時だった。
 化粧室へ向かうパーカ娘……その背中に『百合』の二文字。
「ぶっ!」
 計られた。まさかあのパーカが『漢字パーカ』だったとは。見事と言う他無い。
「ん? あ、さっきの黒川さんの知り合いの……あれ、でもそれ以前に何処かで……」
 まずい、吹き出した所為で見つかった!
「あー! あの、ゲイで痴漢の人ですよね!?」
「違うっ!」




268:名無しさん@秘密の花園
07/04/20 19:31:05 J0+ugdxD
>>267
ありがとう!!
>雪だるまペンギン
>蝶を追う様に
こういう表現好き
それにしてもパーカ娘大活躍ですねw

269:名無しさん@秘密の花園
07/04/21 02:18:43 48w1re/H
うー可愛いよーw
パーカーと百合萌え男の掛け合い楽しみだお

270:名無しさん@秘密の花園
07/04/21 07:23:14 vo+wp0vd
↑ケツ毛バーガーと百合萌え男も楽しみ♪

271:名無しさん@秘密の花園
07/04/21 14:50:15 2jrAJtRS
続きキテター

272:名無しさん@秘密の花園
07/04/21 15:27:42 48w1re/H
ウホッ(^o^)いい百合萌え男!

や ら な い か ?

的ギャグ展開はまだか?

273:名無しさん@秘密の花園
07/04/21 20:30:21 gAZhbokj
黒川さんはクールビューティーに似合わず
いつも抱き枕を抱いて寝ています。
密かに「ひとみちゃん」と名付けたりしちゃってます。

274:名無しさん@秘密の花園
07/04/21 20:58:25 48w1re/H
なんという神設定…
間違い無く黒川ファンが増える
(^o^)

275:名無しさん@秘密の花園
07/04/29 00:08:52 Nb9upm5/
保守

276:名無しさん@秘密の花園
07/04/30 05:33:08 wS3Q5VV1
「で、今日は何で女の人といたんですか?」
 最悪だ。さっきまでパーカ娘の話し相手だった黒川さんに同情していたが、今度は自分が同情される側に回るとは。
 取りあえず、パーカ娘と正面に話し合うのは速攻で胃壁貫通を意味する。ここは適当に流しながら誤魔化すのが一番だろう。
「えーと……」
「あ、うめちゃん。どうしたの?」
 あああああ、化粧室からひとみさんが出て来たぁ……
「あ、佐藤先輩。そっか、後ろ姿だから気が付きませんでしたけど、佐藤先輩だったんですね。今日は黒川先輩のおごりでお食事なんです。でも、何か黒川先輩が『明日があるし、今日は早く帰ろう』って言うから、もうすぐ帰るんですよ」
 黒川さん……いったいこの娘にどれだけ食べられたんだろう……かわいそうに……
「黒川さんも来てるんだ。明日はお休みなのに、マーケティング部は大変だね」
「えぇ、明日ってお休みなんですか!? 黒川先輩ってば、きっと勘違いしてるんですね」
 違う、違うよ……黒川さんは分かってて言ってるんだ。パーカ娘がきっと気付いてないから、そう言って帰ろうとしたんだよ……
「ひとみ、お待た……あら、うめちゃん?」
「あ、鈴木先輩。今日はお二人で来てたんですか?」
「ええ、そうよ。でも、もう帰るの。今度は一緒に食べようね。じゃあね、うめちゃん。山田さん、それではお先に失礼しますね」
「じゃあねぇー、うめちゃん。黒川さんによろしくね」
 やや千鳥足気味のひとみさんを、さやかさんがそっと支える様に寄り添って歩く後ろ姿は、俺の百合萌え魂を十二分に刺激し……って、あれ? パーカ娘は?
「せんぱーい、今そこで営業の鈴木先輩と受付の佐藤先輩にあったんですけど」
 しまった! と、思った頃には時すでに遅し。黒川さんの顔が急に暗くなり、その肩が小刻みに震え出した。
 急いで駆け寄っては見たが、まるで呪詛の様に『ひとみと鈴木さんが……』と繰り返す黒川さんに何かする事が出来るはずもない。
「先輩?」
 パーカ娘の声で上げられた黒川さんの顔は何と言うか、雨の中を突っ切った後の様な、もうやけくそな笑顔だった。
「うめちゃん、ここらに馴染みのバーがあるから朝まで呑もう。そうだ、山田さんも行きましょうよ」
 机の上の注文票をひったくる様に掴んでレジへ足早に向かう黒川さんの誘いを断れるはずも無く、俺に出来る事と言えば素直に喜ぶパーカ娘と黒川さんの後を着いて行く事だけだった……



277:名無しさん@秘密の花園
07/04/30 05:35:34 wS3Q5VV1
 黒川さんに連れて来られたバーは、おしゃれで落ち着いた大人の隠れ家的なバーだった。だが何より俺の魂を揺さぶったのは、ビシッとしたショートカットで男装の美人なバーテンダーさんだ。
 その見た目一つで『もうこれは明らかにそうだろ』的な彼女は、俺の妄想力を刺激した。『黒川さんとはどんな関係だろう? もしかして、昔の恋人?』……とかね。
「由衣、飲み過ぎじゃない?」
「良いの、今日は……今日だけは潰れるまで呑ませて……」
 そう言い終わるが早いか、カランと音がしてグラスが倒れた。そしてBGMにかき消されそうな小さな寝息。
「……先輩? せんぱーい? ……寝てますか?」
 そう言ってパーカ娘が黒川さんに耳を近付けた時だった。
「……ひとみ……私じゃダメなの?」
 ポソリとした、小さな寝言だった。だけどそれを聞いた途端、パーカ娘からは笑顔が消えて、ドスンと尻餅でもつくみたいに座った。
「あ……そうか……そうなんだ……あ、は……あはは……」
 バーテンダーさんがフウと溜め息を吐いて黒川さんに上着をかける。サッと倒れたグラスを片付け、一呼吸おいて『ちょっと良い?』とパーカ娘に声を掛けた。
「貴女の名前を教えて貰えるかしら?」
「え? あ……うめです。干支の卯に女で……」 答えるパーカ娘の目は焦点があってない。もしかして……
「苗字を、教えて貰えるかしら?」
 その質問に、パーカ娘は黙りこくったまま答えなかった。
「もしかして、『破桜院』ではなくて?」
 すんごい珍しい苗字だなおい。そんな名前いままで一度も聞いた事な……いや、あった。最近、世界一の大富豪ドル・ゲッチュに迫る勢いで伸びている日本人がいるってニュースで聞いた。その名前が確か……
「貴女は母親似ね。私と付き合っていた頃のお姉様にソックリだわ……お姉様、いえ、貴女のお母様はお元気かしら?」
「……失礼します!」
 逃げる様に走り去ったパーカ娘を追って店を出ると、立ち止まったまま星空を見上げていた。
「……生まれた家が悪かったと、諦めようとしました」
 ポツリと、パーカ娘が言った。
「好きな人がいると知って、決心がつきました。だけど今、それが女の人だと知って……どうせ諦めなきゃいけないのに……」
 最後の方は、声が震えていた。
「……相手が女の人で良かったです。負けたと思えるから。男の人だと、勝負にもなりません」
 そう言い残して、パーカ娘は夜に消えて行った……


278:名無しさん@秘密の花園
07/04/30 05:40:28 wS3Q5VV1
今年に入ってちょくちょく(と言うか三月以降は殆ど俺が)書かせて貰ったが、今月でウェブの契約を切るからこれが最後の投稿になると思う。なので、書きたい事だけを詰込んでちょっと展開強引だ。ゴメンね、勝手な事して。
いま俺が消えると書き手がいなくなるんじゃないかと不安だが、皆でこのスレを、そしてビアン様の幸せを守り続けてくれ。このスレは、良いスレだぁぁーーー…………



279:名無しさん@秘密の花園
07/04/30 06:04:30 wS3Q5VV1
言い忘れた、バーテンダーさんが付き合ってた頃には、うめちゃん既に生まれてます(じゃないと年齢が大変な事になるので)


280:名無しさん@秘密の花園
07/04/30 14:24:38 wHkhaau7
>>276-279
まさかパーカ娘にそんな秘密があったとは!
まさに怒濤の展開! 黒川さんには幸せになって欲しいなぁ。

今まで本当にありがとうございました。
パーカ娘のおかげで黒川さんの新たなお茶目さが判って素晴らしかったです。

281:名無しさん@秘密の花園
07/04/30 19:07:27 SkGULFUX
>>278



おまいの百合萌え男としての魂のレス

しかと読ませて頂いたぜw


まったりネカフェなんかで見に来いな


俺達はSEOULBROTHERだ

282:名無しさん@秘密の花園
07/05/01 04:20:43 rvC3Hr/9
このスレと素敵な仲間に出会えた事を神に感謝したい…

283:名無しさん@秘密の花園
07/05/02 15:42:43 ZLGCqcVb
 夜の街…… 一人で過ごすには寂しい暗闇の奥に、パーカ娘が完全に消え去る
まで、俺の目は追いかけていた―
 一見、おちゃらけた奴でも、心に深すぎる闇を抱えている事実に呆然としながら、
百合萌え男は、背広の内ポケットから煙草を取り出そうとして、中を切らしてしまった
事に気づき、小さく舌打ちする。

 同時に、残された黒川さんの事が心配になって、きびすを返した。
 再びバーの扉を開く。カウンターの机に、べったりとうつぶせになって、
カクテルグラスを焦点のあわない瞳で眺めている黒川さんの姿が、再び目に
入ってくる。
 俺は、ショックから抜け出せないでいる、彼女に声をかけた。
「…… 大丈夫ですか。黒川さん」
 我ながら、本当に気の効かない台詞だ。世の中を大手で振りながら闊歩する
イケメンの類だったら、もう少しまともな言葉が口からでてきたものを。
 しかし、黒川さんは、均衡のとれた身体から酒精を放ったまま、どきりとする
ような妖艶な表情を浮かべて、微かに呟いた。

「私ねえ、ひとみの事が大好きなの。あの娘にゃ悪いけどね」
 先程走り去った、パーカーを着た娘っ子の残像が微かに脳裏に蘇る。
「でもね、ひとみは鈴木さんのことが好き。これって全然、報われないよねえ」
 黒川さんは、山吹色をしたカクテルグラスに、整った顔を映しながら、自らを
嘲る様な笑みを浮かべてみせる。
 それから、頬を伝って流れる涙の跡を指で掬って、小さく舌を出して舐めて、
「しょっぱいね…… ほんとに」
と、俺の耳朶にだけに届くような、微かな声で囁いた。
 俺は、大人びた黒川さんの、意外に可愛らしい姿に思わず喉を鳴らした。
(やべえ…… 目が離せねえ)
 動悸が強まるのを自覚しながら、俺は酔い潰れた黒川さんを凝視している。

 さて、これから、どうしたものか。

284:名無しさん@秘密の花園
07/05/02 15:50:06 ZLGCqcVb
>>278さん。お疲れ様でした。
とはいっても、今日初めてスレを知った、完全な通りすがりですが。
即興で1レス分だけ書いてみました。では。


285:名無しさん@秘密の花園
07/05/02 20:41:46 ueBNXs/7
>>283-284
即興でこの高レベルとは素晴らしい。
相当な筆力の持ち主とみました。
よろしければ住人になっていただけると
ありがたい限りです。

286:名無しさん@秘密の花園
07/05/03 12:48:08 +BbGpWn3
ビアン様の放つ色気にウットラな百合萌え男
いいのぅ……

この後は二人で話し込み、黒川さんの警戒心を解ければヨカヨカ

287:名無しさん@秘密の花園
07/05/03 13:01:33 NtSNXypz
>>285
283では、適当なのりでちょっと書いたけど、
対話型のSSレスを維持した経験がないから、どうすれば
いいのか良く分かんないな。

288:名無しさん@秘密の花園
07/05/03 14:20:11 NtSNXypz
「君、由衣は酔うといつもそんな感じだから」
 かっこいいという言葉がぴたりと当てはまる、スレンダーでボーイッシュなバーテンダーは、
柔らかい微笑を、完全に潰れている黒川さんの背中に向けて言った。
「あの…… 」 「なんだい? 」
「黒川さんと、とのようなご関係なんですか? 」
 心の中では(俺の馬鹿馬鹿、もうすこし上手い言い方があるだろう)とも思うが、女性の心理状態に
急に詳しくなれるはずもない。
「あはは。直球だね」
 しかし、俺の心配が杞憂であったことを示すように、彼女はカクテルグラスを拭きながら答えてくれた。
「私と、由衣はね…… 高校の時、そういう関係だったの 」
「そう、なんですか? 」
 少し戸惑いながら、半ば反射的に言葉を返す。俺の喉がごくりとなった。
「なんたって、私たちの行ってた高校は女子高だったからね。秘密の花園そのものだったよ」
 当時を懐かしそうに振り返りながら、寝息を立て始めた黒川さんの両肩に毛布をかける。
「それから、どうなったんです? 」
「由衣とは大学が別になってしまったから、何となく縁遠くなっちゃってね。私はバーテンダーに
なって、由衣がお客として来た時は、そらまたびっくり仰天だったよ」
 少しおどけたような仕草が妙におかしみをさそって、俺も笑ってしまう。
「ところで君は。『黒川さん』とどんな関係なんだい? 」
 俺がグラスワインを飲み干した頃、由衣さんが少年のような顔つきで、興味深そうに尋ねてくる。
 困ったな。何て答えようか? 暫く逡巡した後、俺は何とか答えを捻りだした。
「えっと、黒川さんとは知り合いで、今から友達になろうとしてるとこです」
 言った瞬間、またまた自己嫌悪に陥りそうになる。
「あはは。君、ほんとにおもしろいねえ」
 しかし、笑い上戸なのか、腹に手をあてて苦しそうに捩る。そして、直後にとんでもない事をおっしゃった。
「悪いけどさ、そろそろお店閉めないといけないんだ。でもって由衣は私ん家に連れて行こうと思う
んだけど。君、由衣につきそってやってくれるかな? ちょっと彼女を一人で運ぶにゃ重いんだよ」
 晴天の霹靂とはこのような事をいう。俺― 百合萌え男は呆然と立ち尽くした。
 さて、どうしようか?

289:名無しさん@秘密の花園
07/05/03 14:34:53 NtSNXypz
>>288
20行目…… 

由衣さんが少年のような~  …… (誤)  
彼女が少年のような~  …… (正)

スマンが脳内変換よろ。

290:名無しさん@秘密の花園
07/05/03 18:03:10 +BbGpWn3
おk
早いなー
お疲れ様!
このあとは……?

291:名無しさん@秘密の花園
07/05/03 18:43:01 NtSNXypz
>>290
良く分からんw
昨日来たばっかだから、サポートしてくれw

292:名無しさん@秘密の花園
07/05/03 19:23:27 +BbGpWn3
VIPぁーかよw
んん大歓迎っw

このあとは
クールたち×クールたち
のカラミを間近で見てウホッ!な百合萌え男でよろしく

百合萌え男はフツメンで背がすんげー高いって事に
なってるから >過去レス

293:名無しさん@秘密の花園
07/05/03 19:31:15 NtSNXypz
>>292
vipperじゃねーw
いたことはあるけどw
百合板でSS書いてる奴だって。

やっぱ、バーテンダーと、黒川さんの絡みになるのかねー
フツメンで、背が高いのかok 把握した。

294:名無しさん@秘密の花園
07/05/03 19:38:05 +BbGpWn3
たまにマターリ雑談もしようや
>このスレの百合萌え男達

295:名無しさん@秘密の花園
07/05/03 19:45:52 NtSNXypz
>>294
今思ったけど、主人公って名前がないような気がするんだが。
女の子達は、どうやって読んでるんだ?
○○君とかって少し違和感があるような。

296:名無しさん@秘密の花園
07/05/03 19:53:28 +BbGpWn3
名無しの百合萌え男なんだよ。ナゼカ。
それふまえると>>21とかうますぎる。
おまいさんの文章も好きだぜw


山田でもいいかな……

297:名無しさん@秘密の花園
07/05/03 19:57:38 NtSNXypz
>>296
んー山田君でいいかな。
まあ、そこらへんは適当に書いてみるw
あと、バーテンダーの名前も適当に。

298:名無しさん@秘密の花園
07/05/03 20:07:41 +BbGpWn3
バーテンダーさんは他の人に決めてもらうのもいいかな。
スレの伝統的になw

まぁマターリしていって下さいな

299:名無しさん@秘密の花園
07/05/03 20:12:38 NtSNXypz
ありがとん。
あーでもたぶん、それまでに名前書いちゃうと思うけどw

300:名無しさん@秘密の花園
07/05/03 20:23:55 +BbGpWn3
おkw

おまいさんの好きな萌えシチュ全開でよろw

301:名無しさん@秘密の花園
07/05/03 20:29:37 NtSNXypz
 俺は、バーテンダーの人、ではいちいち呼びにくいので、名前を尋ねる。
「えっと名前ね。中沢鈴音、鈴音でいいよ 」
「鈴音さんか…… なんか少し可愛いお名前ですね 」
「可愛いっていうな」
 ほっぺたを膨らました彼女に、かるく小突かれた。
 ボーイッシュなのに、恥ずかしげに頬を朱色に染めた彼女は正直、たまらなく可愛らしい。
 酒精と仲良く旅をされている最中の黒川さんを、鈴音さんと俺で引きずりながら、5分程歩くと、
目的地である彼女のマンションに辿り着く。
 エレベーターの最上階のボタンを押し― 7階まで上がる頃には、ようやく黒川さんにも、
多少は意識が戻ってきたようで、少し呂律の回らない口調で言い放った。
「あらー 鈴音じゃないのー あー山田君もいっしょかー ふたり出来てたんだー」
 俺はこけそうになった。焦って横を見ると、鈴音さんはひーひー笑っている。
物凄い笑い上戸だな、このお人は。
 彼女にドアを開けてもらうと、黒色を基調とした落ち着いた居間が眼前に広がる。水槽には数匹の
熱帯魚が飼われていて、奥にはタワー型PCと、大きな書棚がある。本棚には、酒に関する
書籍がびっしりとつまっていて、中には判読不能な洋書も含まれている。
 壁側には、サイドボードが置かれており、中にはバーの中と遜色ない種類のボトルが鎮座している。
もう1軒、店が開けそうだ。
「まあ、バーテンダーだからね」
 俺が、酒の種類の豊富さに見とれていると、鈴音さんが少し照れくさい表情で頭に掌を載せた。
 居間のほぼ中央に置かれたソファーに、由衣さんは普段の凛々しさとは別人のように
くたんとなって寝そべっている。鈴音さんが広いキッチンからミネラルウォーターを持ってきて
由衣さんと俺に渡してくれた。
「結構、高いのよ。これ」
 渡されたミネラルウォーターを含むと、とても甘い感触が口内にひろがる。
「ところで君」
 鈴音さんが、壁にかけられた時計を眺めながら口を開く。既に午前1時を回っている。
 俺は、タクシー代という膨大の出費を覚悟した時―
「よかったら、ここで泊まってきなよ」
 彼女は、とんでもないことをおっしゃった。

302:名無しさん@秘密の花園
07/05/03 20:31:22 NtSNXypz
>>300
らじゃw
好きな名前でいかしてもらったw

303:名無しさん@秘密の花園
07/05/03 22:33:25 +BbGpWn3
百合萌え男
建前「だっ、ダメです帰ります!」

本心「夜通しで百合萌えキタァァァ!朝までオーナッww」

グッジョ!いいねw
部屋が見えそうな描写乙

304:名無しさん@秘密の花園
07/05/03 22:39:11 NtSNXypz
>>303
ここらへんで選択肢が出てくるのかw

①お誘いを辞退してタクシーで帰宅する。

②お言葉に甘えて鈴音さんちに泊めてもらう。



305:名無しさん@秘密の花園
07/05/03 23:09:51 +BbGpWn3
②以外ありえないだろ………常識的に考えて………




よろw

306:名無しさん@秘密の花園
07/05/03 23:51:05 NtSNXypz
①でも面白かったが、普通に②でいってみる。今から書き始めるよw


307:名無しさん@秘密の花園
07/05/04 00:35:33 s82/6nnI
「しかし、ご迷惑をかけるわけには…… 」 
「もう終電ないしさ。遠慮しないでよ」
「それでは、お言葉に甘えまして…… 」
 俺の簡単なポーズを鈴音さんは、しっかりと見抜いてくれた。
 俺の心情を分析すると、9割の歓喜と1割不安ってとこだ。
 残りの1割は上手く行きすぎて怖いってやつだ。普通、初対面の男を部屋にとめたりしないからな。
 まあ、鈴音さんは百合世界の人っぽいから、異性には興味がないともいえる。それはそれで、
少し悲しいものがあるのも事実だが、これ以上は望むべきではない。

 鈴音さんは一度決めたとなると、行動がとても早く、かつ、行き届いている。
 バーでは単なる一見客だったはずの俺に、温かいコーヒーを振舞ってくれたし、なんと風呂まで
使わしてくれた。
 信じて貰えないかもしれないが、風呂については本気で遠慮したんだぜ。
 しかし、鈴音さんはとっても押しの強い人で、有無を言わさぬ力があるというか…… 
 つまり俺は、今、お風呂を満喫して、鈴音さんと黒川さんと仲良く談笑しているわけだ。
 百合萌え男としてはこれ以上ない至福の一時といっても過言ではない。

「そういえば、鈴音さんと黒川さんって高校時代からのお知りあいなんですよね」
 何気なく、先ほど鈴音さんから聞いた話を振ってみる。
「すずねー 口が軽いぞ~ 」
 酔いはかなりひいたけれど、今日の黒川さんはいつものバリバリのキャリアウーマンって感じの
鋭い彼女ではない。むしろ、親友とはしゃいでいる女子高生のような幼さすら感じられる。

 黒川さんは、鈴音さんから借りた、淡いピンクのパジャマと、固い感じの眼鏡がアンマッチで…… 
かなりやべえ。萌えという言葉がリアルに浮かんできてしまう。
 一方、鈴音さんもパジャマ姿なんだが、こちらは落ち着いた紺色で、男物といっても通用しそうだ。
 もっとも、スレンダーで長身の彼女には、どんな服でも似合ってしまうのが罪なところではある。
「ふふ。山田くんに、ばらしっちゃおっかなあ」
 すっかりと上機嫌になった鈴音さんは、悪戯そうに微笑みながら、ほうじ茶に口をつける。
「えーなに、何をばらすのよっ」
 顔を赤くして黒川さんは慌てたように遮る。そんなにたくさん心当たりがあるのだろうか?

308:名無しさん@秘密の花園
07/05/04 00:55:34 s82/6nnI
「さっきもいったけど、私たちって女子高の同級生なの」
 何をいわれるのか、ドキドキしながら、大きなクッションに顔を半ば埋める黒川さんの
可愛さはもう反則だ。
「それでね。挨拶が 『ごきげんよう』 だったのよ」
「まじ…… ですか」
 某少女小説の言葉がリフレインする。ごきげんようお姉さま。タイがまがっていてよ……

「流石にスール制度はなかったけどね。でもね、男の子がいないでしょう。女の子同士の
アレは多くてね」
「いや、言わないで~ 」
 耳まで真っ赤にしながら、恥ずかしそうに黒川さんは身悶える。
 しかし、鈴音さんは平然として、
「この子ったら、バレンタインの日に手作りのチョコを、私に渡してくれってわけ」

「ばか、ばか、鈴音の莫迦。よりによって、山田君にそんなこといわなくてもいいじゃない」
 クッションを持ち上げて、高校時代に思いをよせた人に向けて、ぽかぽか叩く。
 黒川さんのこどもっぽい姿は、もう身悶えしてしまう程愛くるしく思えてしまう。

「それで、まあ私も悪い気分はしなかったから、いわゆる 『健全なお付き合い』 をしたわけ」
「健全~? 」
 黒川さんは不服そうに言って、鈴音さんを睨む。
「ああ、健全だともさ」
 しかし、ふふんと胸を反らして、おっ、スレンダーだけど肝心なところは意外と…… 
俺は今、何を考えた?

「嘘ばっかり、鈴音ったら、あっちこっちで同級生・下級生にとどまらず、上級生まで
食べまくってたのよ」

309:名無しさん@秘密の花園
07/05/04 01:03:19 s82/6nnI
「ぶっ…… 」
 鼻血が出そうな展開に、あわてて顔を押さえる。
「どうしたの? 山田君」
「いや。なんでもないです…… はい」
「ふふん。私はね。来る者は拒まなかったわよ。去る者は追わなかったしね」
「へー じゃあ。私もその他大勢の一人だったんだ」
 膨れた顔で睨みつける。おいおい、黒川さんは今日失恋のどん底だったんじゃないのか。

 もし、鈴音さんが、それを分かっていて、敢えて高校時代の恋話をしたとしたら……
 俺など、とうてい太刀打ちできる相手ではない。まあ、最初から押されっぱなしな訳
ではあるが。

「そんなことないよ。みんな可愛かったけど…… 由衣は特別」
「ホント? 」 
 黒川さんは上目遣いで、高校時代の恋人を見つめる。
「ああ。マリア様に誓っても良いよ」
「分かった。信じてあげる」

「そこの君。ライトノベルの見すぎとか突っ込むんじゃないよ」
 いきなり話を振られて、俺は戸惑った。
「一応、私たちの高校もカトリックな訳。聖母マリアは信仰の対象の一人なんだ」
「そ、そうですね 」
「さて、積もる話はたくさんあるけど、そろそろ就寝といきますか」
 黒川さんは、腕時計を見ながら立ち上がった。既に2時を回っている。
 お休みの挨拶をしがてら、俺は4畳半に客室に案内された。(居間で十分だと
言ったのはいうまでもないが)更に、新品の布団を貸してくれ、疲れた身体を休める
事ができる。
 こんな丁重なもてなしを受けて布教されたら、入信してしまうのではないか
とすら思える。まさに至れりつくせりだ。
 しかし、百合萌え男として課せられた使命がある。
 俺は、まだ眠るわけにはいけない。

310:名無しさん@秘密の花園
07/05/04 01:05:47 s82/6nnI
意外と長くなってしまった。ではでは。
(それにしても、スレタイと中身のギャップが凄まじいですね…… )

311:名無しさん@秘密の花園
07/05/04 02:52:10 JAXfR7Jh
乙!
おまいさんの好み=マリみて は解ったw
ありがとう、結構きわどい話してる女子達は大好きだ


そうだ百合萌え男、おまいさんはまだ眠る訳にはいかない。
肝心なのはこれからであるぞ

312:名無しさん@秘密の花園
07/05/04 02:57:47 s82/6nnI
>>311
おきてたのかw
自慢じゃないがマリみては全刊読んでるぞw

まあいい。二つ目の選択肢を用意して俺は寝るw

①百合萌え男は台所を通って、中から鈴音さんの寝室に近づく。

②百合萌え男はベランダを通って、外から鈴音さんの寝室に近づく。

313:名無しさん@秘密の花園
07/05/04 03:12:33 JAXfR7Jh
おまいとは今日一日かけて百合萌え男同士の絆を築き上げたからな
起きるさそりゃ
でも書かせてばっかりでごめんなさい


選択肢だが、どっちも死亡フラグ立たねw
下手なホラゲより怖いw

張り合う訳じゃ無いが
俺にマリみて語らせたら大したもんスよ。
今度オヌメヌメの百合モノなんか教えてやー

314:名無しさん@秘密の花園
07/05/04 07:54:04 s82/6nnI
まあ、選択肢は気軽に答えてくれw (答えがなかったら適当に選んでやるので)

>>313
 ジャンルにもよるけど。思ったやつをいくつかあげるかw

・漫画(いずれも4コマ)
「あずまんが大王」(あずまきよひこ氏) …… 断トツ。個人的には百合の最高峰 
「らき☆すた」(美水かがみさん) …… ゆるゆるな萌えが特徴 
「妹は思春期」(氏家ト全氏) …… ゆるい下ネタ系ギャグが特徴

・ライトノベル
「マリア様がみてる」(今野緒雪さん) …… メジャーだね
「白い花の舞い散る時間」「春待ちの姫君たち」(友桐夏さん) …… あまり知名度はないが、切れ味が鋭い。

・一般小説
「夜のピクニック」(恩田睦さん) …… 単に丸一日歩くだけだが、強烈な印象に残った。

 マリみては、前白薔薇様の佐藤聖様と、現白薔薇のつぼみの二条乃梨子がお気にいり。
話としては「白き花びら」「ロサ・カニーナ」が好きかな。

315:名無しさん@秘密の花園
07/05/04 11:19:47 JAXfR7Jh
ウホッ!なんて似た趣味を持った奴!

らき☆すた と あずまんが 以外は読んだ事あるがなww
やべぇ嬉しい、ってかその二作って百合やったんだ……
気付かなかった、もったいねぇ……うんこー…


思春期はマリア先生とアキちゃんいいよな
従兄弟が単行本持っててよく吹いてたなー
良き百合青春の1ページだ

選択肢…まだ夜は寒いので中から侵入w
百合萌え男頑張れよw

316:名無しさん@秘密の花園
07/05/04 17:27:36 V4jQkMgz
うおお、新展開!GJ!です。
黒川さんファンとしては大活躍が続いて嬉しいです。

百合萌え男の友情に乾杯♪

317:名無しさん@秘密の花園
07/05/04 18:48:53 JAXfR7Jh
さぁおまいさんも仲間に入るんだ


まずはオヌメヌメの百合モノから語れw

318:名無しさん@秘密の花園
07/05/04 20:12:02 s82/6nnI
とりあえず、②ということだな。さて、行きますか…… 


319:名無しさん@秘密の花園
07/05/04 20:21:22 s82/6nnI
 俺は布団から這い出して、ゆっくりと窓を見上げた。昇り始めた下弦の月が東から差し込み、
窓際の床に、光と影の格子模様が形作られる。

 一種、幻想的な光景にみとれるが、すぐに立ち上がり、極力音をたてないように気をつけながら、
居間に出る。真の暗闇の中を手探りで、鈴音さんと黒川さんの寝室へ向かって進んでいく。
 何故こんな馬鹿な事をするのだろう。もし、彼女達に露見したら、今まで気づいてきた良好な
関係は、一瞬にして崩壊する。
 本当に馬鹿な奴だと、俺の理性的な部分が、俺自身を嘲笑する。しかし、足はとまらない。
 なぜ、アダムとイヴが禁断の実を食べて、エデンの園から追放されたのか? 今の俺には
身にしみて分かる。
 陳腐な言い方でいえば幼子が持つ好奇心…… それ以外にはない。

 暗闇に慣れず多少手間取ったものの、俺は、黒川さんと鈴音さんが優雅な肢体を横たえている
寝室の、扉の前にたどりつく。
 しめた― 開き戸ではなく、引き戸だ。
 俺は、吸い込まれるように、扉をほんの少しだけ空けてから、片膝をついた。

320:名無しさん@秘密の花園
07/05/04 20:27:22 s82/6nnI
 もし、俺の独白を聞いている誰かがいたとしたら、俺が神になることを許して欲しい。
おっと、誤解しないで欲しい。
 決して気が触れた訳ではない。神― 即ち、様々な視点から語りたいという意味に
すぎない。

 神経を極限まで研ぎ澄まして、耳を傾けると、僅かに開いた扉の隙間から、鈴音さんと
黒川さんの囁くような会話が聞えてくる。
「あなたって全然変わってないのね。」
 とろんとした瞳で、鈴音さんにしなだれかかりながら、黒川さんは囁いた。
 眼鏡を取り払った彼女の表情は、毅然とした普段の黒川さんとは、やはり変わった
ままだった。

「ふふ。あんたはだいぶ、お固くなったと思ったけどね」
 鈴音さんは、軽い微笑を浮かべながら、黒川さんの艶やかな髪をゆっくりと撫でる。
 黒川さんは心地よさそうに、かつての恋人の太腿の上に、形の良い顔を載せて、
身を委ねている。

「私、今日失恋したの」
「聞いたわ。あなたが酔っている時に…… 」
「ずっと、ずっと、好きだった子がいたの。会社の窓からあの子の姿を見る度に
少女みたいに胸が高鳴った。話しかけられた時は、必死で平静を装ったけど、
心臓がどきどきと鳴って、息がつまりそうだったわ」
「そう…… 」
「でもね。あの子には彼女がいたの」
「そうね…… 」

 真剣な表情で、彼女の言葉を聞いていた鈴音さんは、静かに言った。
「彼女の事、今日は忘れさせてあげる」
 鈴音さんは、黒川さんを包みこむように抱き上げると、ゆっくりと近づいて
黒川さんの、口紅が落とされている、少し渇いた唇を塞いだ。

321:名無しさん@秘密の花園
07/05/04 20:36:10 s82/6nnI
さて、どこまで進めようか。

① 最後まで

② 途中でアクシデントが……

322:名無しさん@秘密の花園
07/05/05 00:51:04 pV+CNQya
オッホォwwwww
これはいいガチ百合www

そうだな~…
あえて、
逆に
①で

323:名無しさん@秘密の花園
07/05/05 01:19:23 BDitv1V7
いやいや、ここはあえて②で。
途中で寝てしまうとか。
出来れば、そういうのは百合萌え男が見ていないところでやって欲しい。
例えば次の日、ほのめかすとかその程度で。

と、女の私が言ってみる。
口出ししてスマソ

324:名無しさん@秘密の花園
07/05/05 02:29:04 pV+CNQya
わーい百合萌えの女の子だー
異議なし!


という事で②でおながいしまつ

325:名無しさん@秘密の花園
07/05/05 05:46:56 KdrO7kCz
おはようございます。
では②でいきましょうか。と、いうわけで今から書き始めます(誰もいない時間帯ですが)



326:名無しさん@秘密の花園
07/05/05 06:02:52 jNr0E2GQ
>>325

327:名無しさん@秘密の花園
07/05/05 06:04:25 jNr0E2GQ
>>325
おはようございます
俺いるぜ、異議なし
…今から寝るけどね、おやすみ

328:名無しさん@秘密の花園
07/05/05 06:23:14 KdrO7kCz
 黒川さんの唇をふさいだ鈴音さんは、ゆっくりと唇を動かした。
 彼女は、くすぐったそうにして、心地よく受け入れているように見えたが、
何故か、黒川さんは動きをとめてしまっている。
 何故だ?
 俺が疑問を浮かべた直後、鈴音さんは小さくため息をついて、残念そうに呟いていた。
「ちぇっ、由衣のばか」
 ゆっくりと、唇を離した黒川さんは彼女を、静かにベッドに横たえた。
 黒川さんは、肉体的にも、精神的にも、かなり疲れていたのだろう。
 不意に襲われた睡魔に崩れるように意識をうしない、軽い寝息をたて始めていた。

 少しだけ未練があった鈴音さんは、もう一度だけ、夢の世界の住人となっている、
彼女にキスをしてから、隣にもぐりこむ。
 そして、とても優しげに目を細めて、黒川さんの髪をゆっくりとなでながら、囁いた。

「おやすみなさい。由衣…… 」

 予想外の展開に軽い失望を浮かべかけたが、まあ、俺の思いどおりに全てが進む
はずはない。ここらで満足しておくのが百合萌え男としての嗜みであろう。
 思い直した俺は、開けた扉を閉ざして、客室へと戻った。
 東の空に昇り始めた半月は高度を上げ、先程よりもやや強い光が、部屋を
薄く照らしていた。柔らかい月の光を浴びながら、俺は黒川さんと鈴音さんの
今後の関係について考えをめぐらすことにした。

 ひとみさんに好きな人がいたことを知った黒川さんは、今後どうするのだろう。
昔の恋人だった鈴音さんの元で、翼を休めるのだろうか?
 それとも、ひとみさんに一途な思いをぶつけていくのだろうか?
 一方の鈴音さんは、どうやら、未だに黒川さんに好意を持っているようだが、
黒川さんを一夜ではなく本気でよりを戻したいと考えているのだろうか?

 思考に結論を得る事ができないまま、いつしか俺も、深い眠りについていた―

329:名無しさん@秘密の花園
07/05/05 06:32:55 KdrO7kCz
>327 おやすみなさい。よき夢を。

>323さんの意向に、完全には添えなくてごめん。
(4行目の展開にはもってけなかったかな)

長い一夜は、一応終わりました。
ゲームで言ったらひとつのシナリオ(またはイベント)を終えた感じですね。




330:名無しさん@秘密の花園
07/05/05 14:17:29 pV+CNQya
そうだね~お疲れ様です!
投下早いなw

次の案が浮かぶまでマターリしよか

331:名無しさん@秘密の花園
07/05/05 16:11:23 KdrO7kCz
>>330
案というか、進路かな。
ちょうど、ドラクエで船を手に入れた時ように、さあ、次はどっちに行こうみたいな……

もちろん、個人的な考えはあるけど、敢えてご意見募集中っていうことにしよう。


332:名無しさん@秘密の花園
07/05/05 17:59:56 pV+CNQya
まぁとにかく聖さま大好きについて語ろうか

333:名無しさん@秘密の花園
07/05/05 21:53:14 KdrO7kCz
>>332
聖さまは、3年生になってからも、とてもイイ役割を果たしているけど、
刃のように鋭くて、ガラスのように繊細な2年生の時の方が好きだな。
あのまま、栞と一緒に電車に乗っていたら…… って話をいつか
書いてみたいとは思うが。

334:名無しさん@秘密の花園
07/05/05 22:50:10 pV+CNQya
あぁ~すっげぇよく解るwww
一匹オオカミな聖さまかっけぇ門内。
SLGとかよくあの頃の聖さまを扱えたよな。
蓉子さまですら、若いとはいえてこずってたのにw

そんな聖さまを救った志摩子さんは天使
ガチ×シスターのカップルを思い付いた今野は神

335:名無しさん@秘密の花園
07/05/05 23:37:31 KdrO7kCz
>>334
聖様のお姉さまをSLGと略すのか。今初めて知ったw
今野さんは、祥子様が卒業された後の話も書くつもりかな。

明日で休みが終わる訳だが、週末以外はぶっちゃけ期待しないでくれ。
のんびり待って貰って、時々、レスを入れて貰えればありがたい。
別の誰かが話に参加してくれれば、これ以上言う事はないが。

4月まで頑張ってきてくれた人は見てくれているかな。




336:名無しさん@秘密の花園
07/05/05 23:55:39 pV+CNQya
祥子さま卒業後も書いてほしい……けど


おkすべて把握
マターリすることが掟だから好きにして下さい><
しかし職人はこの擦れたいでは期待できないであろう(^O^)

前の職人さんは一度ぐらいなら来てるでしょ
多分

337:名無しさん@秘密の花園
07/05/06 00:00:50 kEzuQbjM
>336
確かに、アンチスレとしか思えない、素晴らしすぎるスレタイだw
例え、ageても罵倒レスしかこないであろう。
だがそれがイイ。究極のツンデレとは思わないかw

338:名無しさん@秘密の花園
07/05/06 01:02:59 kEzuQbjM
 目が覚めると、眩い黄白色の光がガラス越しに差し込んでくる。
 朝だ―

 枕元に置いていた腕時計を手繰り寄せると、午前8時を回ったところだった。
 窓の外からは小鳥のさえずりが、聴こえてくる。
 布団から起き上がって、窓の外を眺めると― 雲ひとつない、とまでは行かなかった
がまずまずの晴天だ。
 流石にマンションの最上階だけにあって、とても見晴らしの良い場所で、遥か遠くに
そびえる高層ビル群を、眺めることができる。
 今日は土曜日なので会社は休みだ。小さな幸せを噛みしめながら、大きく伸びを
する。酒気はほぼ抜けたようで体調も順調だ。
 俺は(柄にも無く)布団を丁寧に畳むと、客室を出て、キッチンを兼ねる居間に入った。

「おはよう。山田君」
「おはようございます」
 既に、二人とも起床している。鈴音さんは調理場に立ちながら、シャープな顔つきで
微笑んだ。彼女のエプロン姿は、少し家庭的な感じがする。
「君。ちょっと待っていて。今お味噌汁作っているから」
 立ち上る白い湯気から、微かに漂ってくる匂いが鼻腔をくすぐる。
「ありがとうございます」
 軽く礼を言いながら、お皿を出そうとすると、鈴音さんに、
「いいから。お客さんは座ってて」
と、言われてしまった。
 頭をかきながら席につくと、物凄いしかめっ面をした黒川さんが、ぼそっと呟いた。
「頭、痛い」

 もしかして、否、完全な二日酔いだ。パジャマ姿のまま額に手を当てている表情は
可愛らしかったが、心配にもなってくる。

339:名無しさん@秘密の花園
07/05/06 01:10:00 kEzuQbjM
「由衣ったら、深酔いするといつもこうなのよ」
 鈴音さんは、からからと笑いながら、台所からお椀を運んでくる。
 さつま芋の味噌汁だ。黒川さんが「頭、痛い」を3回繰り返す頃に、炊き立ての
ご飯と、味噌汁、納豆、目玉焼き、そして鰺の干物が並んでいた。意外にも完璧な和食派だ。
「さあ、召し上がれ」
「いただきます」
 上機嫌で勧めただけあって、物凄く旨い。流石、料理の世界に携わっている人である。
「とても美味しいです」
「ふふ。嬉しい事いってくれる」
 ボーイッシュな顔が和らぎ、俺がどきっとするような笑顔を向けてくれる。
 一方、黒川さんは、襲いかかる頭痛と戦いながら、それでも懸命に箸を動かして
料理を中に放り込んでいく。
「なんか。不思議な光景だな」
 鈴音さんが、微笑を絶やさないまま、小さく呟いた。
「どうしたんですか?」
「ああ。まあ男の子なんて普通、部屋にあげないからね。君がここで食事をしている
ことが妙に新鮮だったのさ」
「恐縮…… です」
「あはは。固くならなくてもいいよ。私が好きで招いたんだし」
 ここで黒川さんが、頬を膨らましたまま文句を言った。
「鈴音。いつからバイになったの? 」
 このお方は、朝っぱらから際どいことをおっしゃる。お陰で箸が一瞬止まってしまった。
「由衣ったらほんと慌てすぎ。私は、あんたの事しかみてないから」
「ばか…… 」
 恥ずかしげに頬を赤く染める黒川さんは、相変わらずの微笑ましい可愛らしさを
見せてくれたが、同時に俺は、二人の深い信頼関係に、少しだけ羨ましさも感じていた。

 ところが、鈴音さんは、ほとんど食事を終える頃になって、またまた衝撃的な事を
おっしゃった。
「ねえ。山田君。君のメアド、教えてくれないかな」

340:名無しさん@秘密の花園
07/05/06 01:14:04 kEzuQbjM

お話を(影響が少ない範囲で)少しだけ進めてみました。
では。おやすみなさい。

ちょっとした選択肢を。

①鈴音さんのメアドをありがたく受け取る。

②黒川さんのお怒りに触れるのが怖いので辞退する。

341:名無しさん@秘密の花園
07/05/06 01:15:52 kEzuQbjM

(追伸、①はお互いのメアドを交換するという意味です…… 舌たらずですみません)

342:名無しさん@秘密の花園
07/05/06 02:16:16 OQhZzruW
②で…
黒川さんには前軽蔑されたから①は怖いです


あ、あれ?何だか物足りない…?

はは…、まさかだろ、怒られたがってるのか、俺

343:名無しさん@秘密の花園
07/05/06 06:23:20 kEzuQbjM
おはようございます。それでは②でいきましょう。


344:名無しさん@秘密の花園
07/05/06 06:36:04 kEzuQbjM
 俺はメアドを教えようと、携帯を取り出して…… 黒川さんの顔がみえた。
やばい、やばすぎる。絶対に怒っているよ。
 レーザー光線のような鋭い視線に耐え切れず、俺は、鈴音さんからの、せっかくの
申し出を辞退するしかなかった。
「すんません。鈴音さん。ちょっとお教えできません」
「え? 」
 断られることが予想外で、あっけに取られていた鈴音さんだったが、怒りで湯気を
たてている黒川さんと、困り果てている俺の情けない顔を交互に見ると、お腹を抱えて
笑い出した。

「あははっ…… くるしいっ …… まさか由衣が嫉妬するなんて、それも
男に…… 君達、やっぱできてんじゃないの …… あはっ 」
 床にのたうちながら笑い転げる、超絶な笑い上戸に、俺はあっけにとられる。
 しかし、黒川さんの警戒心自体は緩んだようだ。
「鈴音はね。本当に良く笑うの。それが長所でも、短所でもあるのよ」
 サイダーの気が抜けたような表情で、苦笑いを浮べ、両肩を竦めて見せる。
「あははっ、ごめんね。あんまりも由衣の表情が、堪らなかったから」
 鈴音さんは何とか立ち上がると、ポケットから茶色い名詞入れを取り出して、
中に入っているバーの名詞を俺にくれた。「BAR 暁」と書かれていた。

 朝食を頂いた後、俺は鈴音さんのマンションを後にすることになった。
「私、週5であそこに詰めているから、また遊びにきてよ。山田君」
「ありがとうございます」
 お辞儀をしてから、黒川さんの方を見る。
「ありがとう。いろいろ世話になってしまったようね」
 軽く微笑みながら、黒川さんが礼を言ってくれた。普段の彼女に戻ってきたようで、
表情に凛々しさが戻っている。

 彼女達と別れの挨拶をすませると、春の柔らかい空気と、暖かい日差しに包まれ
ながら、俺は最寄駅に向かって歩いていった。

345:名無しさん@秘密の花園
07/05/06 06:56:22 kEzuQbjM

実際は、ここまで(鈴音さんの部屋を出るところまで)で一区切りとなります。

あと誤字を修正します 名詞(誤) → 名刺(正)

346:名無しさん@秘密の花園
07/05/06 18:35:16 R53vDmen
 最寄り駅から自宅へ向かう急行電車は、俺の予想以上に混んでいた。
 休日でかつ、都心とは逆方向であることに、不審を覚えながら天井を見上げると、
でかでかと描かれた広告が目に飛び込んでくる。
 今日の午後から、かなり有名なミュージシャンのコンサートが沿線近くのホールで
開催されるらしい。
 しかし、車内広告をのんびりと眺める事ができるうちは、まだ良かった。
 次に停まった特急停車駅で、大波が押し寄せるように人が雪崩れ込み、俺は
不本意な対人接触を余儀されない状態、つまり、ラッシュ時のような混雑に
巻き込まれてしまった。
 何が悲しくて、土曜日までラッシュアワーに巻きこまれなくてはいけないのかと
ひたすらぼやきながら、電車に揺られていると、少し離れた位置にいる制服を
身に付けた女の子の小さな唇から、微かな声が漏れていることに気がついた。

 これはもしやと思い、俺は、制服姿の少女の動向を注視する。
 近辺では有名な女子高の制服と、かなり短めのスカートが似合う。少しくすんだ茶色の
髪は二つのお下げでまとめられ、顔立ちは小動物のような愛くるしい。
 しかし今は、恥ずかしげに顔を真っ赤にして、何かに対して必死に堪えるように、
華奢な小刻みに震えている。

 既視感 ― 以前にも経験がある。そう、ひとみさんと同じ状況だ。百合萌え男と
しては、不条理な仕打ちに耐えている、可憐な少女の危機を救わねばならない。
 しかし、ここからでは羞恥に悶える少女の姿しか見えない。
 少なくとも、決定的な場面を押える必要がある。
 俺は、電車が揺れる度に、密着してくる人ごみの圧力に耐えながら位置を変え、
彼女を辱めている、悪逆無道な奴に制裁を加えるべく、少しずつではあるが確実に
距離を縮めていく。
 そして、急行電車が3つ目の通過駅を通り越した時、俺はついに少女のスカートの
後ろを、卑猥な動きで撫でる掌を見つけることに成功した。

 さて、どうやって懲らしめてやろうか。
 
 

347:名無しさん@秘密の花園
07/05/06 18:39:30 R53vDmen
さて、選択肢です。

①前の時と同じように、少女のスカートを触っている奴のお尻を触る。

②手首を掴み、鉄道警察に引き立てる。

③慎重を期して、もう少し様子をみる。

(3択です。 注:BAD END  あり)

348:名無しさん@秘密の花園
07/05/06 18:46:09 R53vDmen
最近誤字が多い……すみませんorz

17行目 華奢な(誤) → 華奢な身体が(正)


349:名無しさん@秘密の花園
07/05/06 22:50:22 5IKWNCQ+
神速の投下感謝です。
百合描写以外の客観描写も入っていて良いですね。
黒川さんに百合の過去があったなんて驚きです。

やはりここは百合萌え男の十八番w ①を希望します。


350:名無しさん@秘密の花園
07/05/06 23:19:18 4tnvlc7k
①を選んだらBAD ENDな気がするのは私だけ?

ってか痴漢行為をしているのが実は同じ学校の百合百合な先輩…とか考えた私はアホかも…

351:名無しさん@秘密の花園
07/05/07 00:21:29 w1c6/gI/
>>350
いや、私も同じようなこと考えたw
ここは慎重に③で

352:名無しさん@秘密の花園
07/05/07 00:23:16 w1c6/gI/
うわ、すいませんageてしまった

353:名無しさん@秘密の花園
07/05/07 01:49:06 AHQ99dMv
うわぁぁあああーっ
上がってる!まぁいいやドンマイドンマイ!



警察に逝ったらアウコ。
迷惑すぎ。
①もなんか……やって欲しいが確かに痴女だったらw
このまま見ていようか。
痴女だったら百合萌え男もおいすー^^だし

354:名無しさん@秘密の花園
07/05/07 23:01:27 UTdqYmtA
それでは③にします。さて……



355:名無しさん@秘密の花園
07/05/07 23:09:56 UTdqYmtA
 現場を押さえようと手を伸ばしたところで、猛烈に嫌な予感を覚えて、
寸前で引っ込める。
 あまりにも痴漢にしては、手が綺麗すぎることに不審を覚えたからだ。
 ここは慎重にいこう。一つ間違えると、とんでもないことになる。
 俺は、妖しく動く掌から上にゆっくりと視線を移して、呆然となる。

 痴漢と思われた者の服装は、少女と全く同じ制服だった。

 もしかして痴女? それともプレイか? 激しく混乱する俺の前で『彼女』の
掌が、お尻の割れ目あたりを這っていく。
「ん……、んくう…… 」
 鈴の鳴るような喘ぎ声を熱い吐息に混ぜながら、小柄な少女は何も抵抗せず、
必死に耐えている。

 俺は途方に暮れた。
 もし、同じ学校の生徒だとしても、相手が本物の痴女であり、少女が嫌がって
いるとしたら、助けなくてはいけない。
 かといって、二人の合意の上での遊びだったら、物凄い薮蛇だ。
「んあっ…… はぅ…… やっ…… 」
 俺の思考が袋小路に嵌っている中でも、懸命に声を出すのを押さえようとして
いる少女の唇の端からは、途切れ途切れに喘ぎ声が聞えてくる。

356:名無しさん@秘密の花園
07/05/07 23:10:52 AHQ99dMv
毎度毎度リアルタイムな俺が通りますよ



よくおいでになる職人さんにあだ名付けるのも掟

神、ボス、ダディクール…

君のあだ名は聖さまでいい?

357:名無しさん@秘密の花園
07/05/07 23:16:07 UTdqYmtA
 ついに耐え切れなくなった俺は、半ば自棄になって少女に声をかける。
「大丈夫ですか? 」
「え、あ…… ひゃう? 」
 見知らぬ単なる通勤客だったはずの男から、突然声をかけられてびっくりした
のだろう。
 真っ赤な顔をしたまま、小さな身体を震わせている。

「もしかして体調が悪いのですか? 」
 根も葉もない事を言っている、俺自身が途方も無い偽善者に思えて、豆腐の角に
頭をぶつけて死にたくなるが、ここはやむを得ない。ひたすら突っ走るしかない。

 俺は、俯いたまま何も答えられない少女を見ながら、心配そうな表情と声をつくって
提案した。
「もし、よろしかったら次の駅で休みませんか? 」

 断られるのを承知で言ったのだが、意外にも、彼女は愛くるしい顔を少しだけあげて、
「分かりました」
と、素直に頷いた。
 そして、後ろを振り返って、形の良い小さなお尻を撫でまわしていた、ベリーショートの
女性に向けて、意外にもはっきりとした声で言う。

「なっちゃん。いいよね」
 長身の女性が無言で頷くと同時に、急行電車は減速をはじめて、数十秒後には
俺と彼女達は、ぎゅうぎゅうずめの車両から吐き出されていた。


358:名無しさん@秘密の花園
07/05/07 23:21:33 UTdqYmtA
>>350 さん。正解です。

ちなみに①は、主人公が痴漢扱いされてお縄にかかる BAD ENDでした。

>>356
聖さまはちょっと恥ずかしいなw



359:名無しさん@秘密の花園
07/05/07 23:25:44 AHQ99dMv
性さまは?w

360:名無しさん@秘密の花園
07/05/07 23:28:24 UTdqYmtA
>>359
もっとやだw
落ち着いた感じのがいいw

361:名無しさん@秘密の花園
07/05/07 23:33:37 AHQ99dMv
滝川クリステル


今テレビにでてるから

362:名無しさん@秘密の花園
07/05/07 23:36:46 UTdqYmtA
>>361
誰やねん。というのはテレビをほとんど見ない人だから。

ちなみに、今回は選択肢はありません。では~

363:名無しさん@秘密の花園
07/05/07 23:40:35 AHQ99dMv
おっつー


次までに何か考えておきます

364:350
07/05/08 02:39:26 UCKaIZL9
>>358
マジだったんですかw
思考(嗜好)が似てるんですかね
あ、間接的にでもアホといって申し訳ありません;

あだ名…聖の読み方変えてヒジリ…とか? 呼びにくいかな?

365:名無しさん@秘密の花園
07/05/08 07:52:20 jZVS2sF4
あえてスガセイで

366:名無しさん@秘密の花園
07/05/08 23:18:59 ZB0/aygx
 電車を降りた後、駅の施設内にあるカフェテリアで、高校生の少女達とお茶を飲むことになった。
 男性諸氏にとっては、非常に羨ましいシチュエーションと思われるかもしれないが、俺はすっかりと
脱力しており、深いため息が出るばかりだった。
「あんまり、電車で変な事をしない方がいいよ…… 」
 もしかして、年をとってしまったのだろうか。
 満員電車の中で、女子高生同士が痴漢ごっこをする、というのは流石に想像の外だ。
「由菜が悪い…… 」
 長身の少女がぼそっと呟いた。どうやら、彼女にとっては不本意なイベントであったらしい。
「だって、一度やってみたかったんだもん」
 甘えるような目線を向けてから、ストローに小さな唇をつけて紅茶をすする。
「流石に、制服はまずいんじゃない? 」
 反則的な可愛らしさに、軽い眩暈を覚えながらも、俺は辛うじて常識的な言葉を口にする。
 しかし、由菜と呼ばれた少女は、さして動揺するそぶりも見せず、
「でも、こういうシチュってぞくぞくしませんか? 」
と言って、微笑すら浮かべている。まあ、確かに煩悩多き男にとってはそうかもしれないが。

 俺は、ふと思いついた事を声に出した。
「ところで、君達は同級生なの? 」
「なっちゃん。えっと、相沢夏美さんは、ひとつ年上です。テニス部の先輩なんですよ」
 二人の背の高さは、大人と子供といっても良い程の違いがある。上手くダブルスが
組めるのだろうか。しかし、俺の懸念をよそに、彼女は言葉を続ける。
「先輩、無口なんですけど、とっても優しいんですよ」
 夏美と呼ばれた少女は、照れたような顔つきになっている。
 あらためて彼女を見つめると、目鼻立ちがくっきりとしていて、何処か日本人離れしている。
「ふふ、正解。なっちゃんはクォーターなんだ。つまり、お祖父さんがイギリス人」
 なるほど、道理で背丈がずば抜けて高いわけだ。
「で、私の名前は黒川由菜です。ゆなって呼んでいいよ」

「ちょ、ちょっと待って! 」
 俺は慌てて腰を浮かす。まさか、彼女は―

367:名無しさん@秘密の花園
07/05/08 23:23:11 ZB0/aygx
さて、選択肢です。

①彼女は、黒川由衣さんの妹

②彼女は、黒川由衣さんのいとこ

③同姓ながら血縁のない知人


>>364
お気になさらず~
何故か、高野聖を思い出しました。
結構いい感じがします。

368:名無しさん@秘密の花園
07/05/08 23:42:33 jZVS2sF4
高野→こうや→コーラ



!!
コーラさんで

①がいいけど③もヨカヨカ

369:名無しさん@秘密の花園
07/05/08 23:49:13 ZB0/aygx
>>368
ちょっと。いや、かなり苦しいなw 
ゲームのシナリオ書く人とかってこんな感じで書いたりしているのかな。

370:名無しさん@秘密の花園
07/05/08 23:51:57 jZVS2sF4
わかんねーな
みんなで協力な点は一緒じゃない?


いつも書かせてすんません><
普通に①で

371:名無しさん@秘密の花園
07/05/08 23:57:10 ZB0/aygx
ゲームとなると、かなり大人数の作業になるかな。良く分からんがw
選択肢については、引き続きご意見募集中ということで。ではでは。


372:名無しさん@秘密の花園
07/05/09 18:43:10 J8el1FLh
新カップル乙です!
やっぱり①で姉妹百合が見たいですね~。
キャリアウーマンの黒川さんに憧れる妹ちゃんで。

373:名無しさん@秘密の花園
07/05/11 00:14:23 33VtwI+9
百合萌え男
「何かキモいスレッドあるな……
しかも400行きそうだし……
どうなってるのか解らないが、俺は絶対こんなスレ開かないなり」


で自分が実況されてる事を知らない百合萌え男

374:名無しさん@秘密の花園
07/05/12 13:18:44 3Ao5sCcp
それでは①でいきます。

(平日は事前の予想どうりでしたが先に進めず、すみませんでした)

375:名無しさん@秘密の花園
07/05/12 13:24:21 3Ao5sCcp
「もしかして、黒川由衣さんの妹さんですか」
 半ば叫ぶように尋ねた俺を、少女達は驚いた顔つきで見つめている。
「そ、そうです。あなたは、由衣姉さんのお知り合いなんですか? 」
 俺は、黒川さんとは最近、会社の関係で知己を得るようになった事を話した。
 まだこの段階では、合コンで知り合ったとはいえない。

「凄い偶然ってあるんですね」
 ツインテールの少女はあどけない顔でしきりに頷く。
「一期一会」
 一方、長身の少女は的確な四字熟語を呟いた。偶然の出会いだが、大切にしなければ
ならないのだろう。

 俺はもっと黒川さんの事が知りたくなり、小柄な少女に尋ねる。
「お家での黒川さんは、やっぱりきびきびとしているのかな? 」
「うーん、どうかなあ。仕事はバリバリらしいんだけど、私生活は結構いい加減なの 」
「意外だね 」
 予想通りの返答に満足して、少女はくすりと笑って片目を閉じてみせる。
「うん。服を出しっぱなしにする癖があるし、お酒を飲むと駄目駄目になっちゃう」
「どうやらそのようだね」
 昨日の泥酔した黒川さんの姿が鮮明に蘇る。いろんな人から黒川さんを知る事ができて、
俺は、楽しい気分になっていたが ―
「由衣姉さんとお酒を飲みに行ったこともあるんですか? 」
 彼女は結構鋭い。しかし、否定するほどの事でもないので、軽く首を縦に振る。

「それにしても、人の縁ってとても面白いものですね」
 紅茶を飲み終わった後、由菜ちゃん(少し恥ずかしい呼び方だが)は、しんみりとした口調で
呟いた。そして、次の瞬間、先輩の瞳を見つめてお互いに頷き合う。
 何かのアイコンタクト? 俺が疑問を声に出す前に、少女は信じられないような言葉を紡いだ。

「もし、よろしかったら、これから私たちが行くところに付き合ってくれませんか? 」

376:名無しさん@秘密の花園
07/05/12 13:25:25 3Ao5sCcp
では選択肢です。

二人は主人公を何処に誘ったのでしょう?

①コンサート

②スポーツセンター



377:名無しさん@秘密の花園
07/05/12 19:54:52 H/j4QNAu
???

378:名無しさん@秘密の花園
07/05/13 15:48:31 70/d+ypv
>>374-376
ありがとう。ペースは焦らずとも良いですよ。
スポーツセンターの方がなにか百合が起こりそうな予感が…
②を期待します。

379:名無しさん@秘密の花園
07/05/13 15:51:43 PQ2IPyIt


380:名無しさん@秘密の花園
07/05/13 18:45:39 zTyN46Xq
ありゃ。わかれちゃった。
もう少し待って、そのままなら先着の方の選択肢にしましょうか。

>378
どうもです。ゆっくりのペースですが、気長にお付き合いしてもらえればありがたいです。

381:名無しさん@秘密の花園
07/05/13 19:30:52 zTyN46Xq
それでは先着の②で書くことにします。

382:名無しさん@秘密の花園
07/05/13 20:06:07 PQ2IPyIt
よろw
あとどうでもいいかも知れないが
百合萌え男が普通に女子とお話できてるのが気になるw
やりやすい方でおながいします

383:名無しさん@秘密の花園
07/05/13 20:07:29 zTyN46Xq
「えっと…… 」
 いきなりの提案に迷ったが、美しく、可愛らしい女性には流されるというのが百合萌え男と
しての性であろう。
 特に、今日は用事もないので、彼女達の誘いに承諾する。
「ありがとうございます!」
 ツインテールの少女は満開の桜のような笑みを見せてくれる。隣の長身の少女も喜色を
表に出して頭を下げている。
「で、コンサートに行くのかい? 」
 俺は、コンサートホールに流れていく多くの人の群れを眺めながら尋ねた。
「いいえ。違うところですよ」
 由菜ちゃんは片方の瞳を閉じて、悪戯そうな表情に変わる。
「とりあえず、ついてきてもらえますか? 」
 長身の少女が、落ち着いた様子で言葉を添えた。
「分かった」
 俺は頷いてからレシートを持って立ち上がり、カフェテリアのレジで料金を支払った。

 駅から3分程歩くと、コンサートホールの隣に、「駅前スポーツセンター」という看板が見えてくる。
 少女達は室内テニスコート場を素通りして、小さなクラブハウスに入っていく。ここは―
「実は、メンバーの子が一人、急にこれなくなってしまったんです」
 由菜ちゃんは、困ったように肩を竦めた。
「で、僕が代役という訳だね」
 傍らにいる夏美ちゃんは、小さく頷きながら、スポーツバッグを床に下ろした。
「ユニフォームは無理ですけど、ジャージはレンタルできますので、受付で手続きをお願いします」
「ああ」
「それから、着替えをお願いしますね。」
 はきはきとした口調で言った由菜ちゃんは、奥にある更衣室を指し示した。

 この季節の日中はかなり気温があがる。ジャージ姿になると少し暑いくらいだ。着替えが終わり、
受付に戻ると、由菜ちゃんと、夏美ちゃんも着替え終わっていた。やや長めの半袖のユニフォームに
短パン姿だ。白く綺麗な太腿が眩しく映る。
 彼女の隣には二人の男女が笑顔を浮べながら、俺に声をかけてきた。

384:名無しさん@秘密の花園
07/05/13 20:47:49 zTyN46Xq
「えっと、あなたが山田さんですか」
 男の方は20代半ばといったところか。背の高さはさほど無いが、がっちりとした体格だ。
 一方、女性の方はもう少しだけ若い。そして、思わず見とれてしまうような美人さんだ。
 ゆるいウエーブのかかった黒髪を後ろでまとめており、シャープな印象を受ける黒川さんとも、
ボーイッシュな鈴音さんとも違うタイプで、どこか柔らかい印象を受ける。
「えっと、男性の方がリーダーの中川さん。で、女性の方が、朽木亜由美さんです」
 由菜ちゃんが、紹介してくれる。
「急に誘って申し訳ないが、ユウの代役を頼みます」
 今日欠席したもう一人のメンバーは、ユウという男性とのことだ。中川君は俺に言ってから
メンバーを見渡して、外に出るように促した。
 四人に従って、クラブハウスを出ると、大勢の若い男女が歓声をあげながら、人工芝の上を
必死に駆け巡る選手達の姿を追っている。

「山田さん。フットサルの経験はありますか? 」
 黄色のビブスをメンバーに配りながら、中川君は尋ねてきた。
 フットサル―
 まだメジャーとは言いがたいが、確実に広まっているスポーツだ。
 簡単に言うとミニサッカーであり、5人いればチームを作る事ができる。サッカー経験者が、
フットサルをやることが多い。
 ルールはサッカーと似ているが、大きな違いが幾つかある。まず、グラウンドがバスケットボールと
同じくらいでかなり狭い事、タックル・スライディング等の対人接触プレーは一切禁止されていること、
キーパーへのバックパスに制限があること等である。そして、今回の最大の特徴は、男女混合
チームで公式試合に出場することができる、という点だ。

 俺は、数年前に取引先の社員に誘われて、数度経験したことがあるが、最近はご無沙汰である。
「昔、少しだけやったことはあるが、戦力としては期待しないでくれ」
 しかし、中川君は、俺の懸念に対してからからと笑いながら、
「うちは、メンバーぎりぎりだから、試合ができるだけでもありがたいんですよ」
と、言ってくれた。少しだけ気が楽になる。
 暫くすると審判が終了を告げる笛が鳴った。次が由菜ちゃん達のチーム、即ち、俺が出る試合だ。

385:名無しさん@秘密の花園
07/05/13 20:51:56 zTyN46Xq
さて、スポーツ編です。どうやって百合に持っていくのか、非常に悩ましいところでは
ありますが、思いっきり趣味に走っています。
ちなみに今回は選択肢はありません。

>382
主人公の性格変えてスマンw
筆力が足らんのは仕様なので許して貰えるとありがたい。

386:名無しさん@秘密の花園
07/05/13 23:21:12 JG9ZZoA7
さっそくの投下感謝!
テニスかと予想しましたがまさかフットサルとはw
百合とフットサルと言えばスフィアリーグを思い出しますが
どうぞ趣味に突っ走ってください。

387:名無しさん@秘密の花園
07/05/14 00:06:04 ku/fnnvY
>>386
ありがとうございます。
最近、テレビで取り上げる事が増えてきたフットサルは、
性別を問わず楽しめる、なかなか面白いスポーツです。
あと、フットサル場の隣にテニスコートがあるというスポーツ施設は、
結構多かったりします。



388:名無しさん@秘密の花園
07/05/14 23:09:23 ku/fnnvY
 俺は、何年かぶりの人工芝の感触を確かめる為に、強く踏みしめる。それから、
幾度か屈伸をして、なまった身体を少しずつほぐしていく。
 ゴールキーパーは中川君。前線は由菜ちゃんと、夏美ちゃんの女子高生コンビ。
 左サイドは綺麗なお姉さんといった感じの亜由美さん。しかし、穏やかだった顔つきは
いつの間にか鋭くなっている。右サイドの俺は下がり気味のポジションだ。
 一方、相手チームは赤のビブスを着けている。男性3名、女性2名という編成で、
年代は大学生といったところだ。
 両チームで、俺だけが年齢的に「浮いている」ところに哀しさがあるが、悠長なことを
考えていられるのも、試合が始まる前までだ。
 間もなく、中央に出てきた審判が、開始を告げるホイッスルを鳴らした。

 最初は味方ボールから。由菜ちゃんが、センターサークルからボールを軽く
蹴りだし、夏美ちゃんが長い足を振り下ろして、いきなりシュート!
 ボールは、低く這うように突き進んで、白いポストに当たって大きく跳ね返る。

 試合前の弛緩した空気は、彼女のロングシュートで一気に吹き飛び、観客達も
一瞬だけ静まり返った後に、どっと沸きあがる。
 もちろん、相手の選手達の顔つきも厳しいものに変わった。赤ビブスの女性
プレーヤーはドリブルで、ボールを中央付近まで戻し、サイドに大きくパスを送る。
 そして、俺の手前でボールを受け取った男性選手は、軽いフェイントだけで、あっと
いう間に抜き去ってしまう。
「くそっ」
 柄にも無く、大きな舌打ちして必死で追いかける。ボールはゴール近くまで運ばれており、
後退した亜由美さんが懸命にディフェンスを試みているが、サイドから猛然と上がってきた
長身の男性プレーヤーに綺麗なパスが渡り、強いシュートが放たれる。
 中川君が機敏に反応して、パンチングではじくが、ロストボールはまたもや相手チームへ。
 開始早々から苦戦を強いられる。ボールがほとんど自陣内に留まり、短い距離から
シュートが幾度も襲いかかったが、中川君がことごとく弾き返す。そして、4度目の中途
半端な態勢で打たれたボールを、手元に抑えることに成功する。
 さあ反撃だ。中川君は前がかりになった相手の頭を越す、大きなパスを前線に送った。

389:名無しさん@秘密の花園
07/05/14 23:38:08 ku/fnnvY
 前線で待っていた由菜ちゃんがボールを受け取ろうと小さな胸をはるが、
一人だけ残っていた屈強なディフェンダーに阻まれて、ボールはセンター付近へと
戻される。
 しかし、ゴール付近から疾走してきた亜由美さんが、ロストボールを上手く拾って
右サイドに流れていく。
 俺は激しく息をつきながら、彼女をフォローする為に懸命に相手陣内に突き進む。

 身体接触は禁止されているものの、フットサルは一瞬たりとも休息が許されない、
かなり激しいスポーツだ。今日の試合時間は10分間であるが、疲労の蓄積は
恐ろしく早い。
 開始からまだ2分となっていないのに、滝のような汗が背中を流れ落ちる。

 相手陣内の奥深く、右サイドのコーナー付近まで達した亜由美さんは、そこで
二人の選手に囲まれながらも、後ろにいた俺に正確なパスを送ってくれた。
 俺はなんとか、ボールを足元に納めると、右サイドからゴールに向かって
切り込んで行く。
 しかし、せっかくゴール前に達したのに、先程、由菜ちゃんと競り合ったがっちりと
した体つきをしたディフェンダーに行く手を阻まれてしまう。
 長すぎるブランクというより、ほとんど初心者同然の俺にとって、1対1ではかなり
荷が重い相手だ。
 ボールを奪おうと襲いかかる相手のプレッシャーと、腹部の痛みと疲労に耐えながら、
必死にボールを確保して周囲を見渡す。

 右サイドラインぎりぎりには、夏美ちゃんが長い脚をフルに使って走りこんでくる。
一方、左サイドに動いた由菜ちゃんが、びっくりするような大きな声で
「パース! 」と、叫んでいる。
 そして、俺のすぐ後ろには、フォローに回った亜由美さんが片手にあげながら
「一旦、下げてっ」
と、指示を出してくる。
 さて、どうする?

390:名無しさん@秘密の花園
07/05/14 23:41:42 ku/fnnvY
さて、選択肢です。

①由菜ちゃんにパスを出す。

②夏美ちゃんにパスを出す。

③亜由美さんの指示に従って後ろに戻す。(亜由美さんにパスを出す)

④強引にシュートを放つ。


今回は完全に百合じゃないような気がorz


391:名無しさん@秘密の花園
07/05/15 19:06:24 CQFdKZVi
おお、経験のないフットサルだけどやってる気になりました。
由菜ちゃんは胸ちっちゃいんですねw

ここはその由菜ちゃんのアピールを信じて①を。

392:名無しさん@秘密の花園
07/05/15 21:45:40 1GBQJFyF
では①でいきますねー 

393:名無しさん@秘密の花園
07/05/15 22:11:42 4ByuwY1I
お願いします♪

394:名無しさん@秘密の花園
07/05/15 22:29:04 1GBQJFyF
 俺は、屈強な相手に押されながらも、ぐるりと見渡して味方を探した。
 右サイドを駆け上がる夏美ちゃんには、ディフェンダーがぴったりとくっついている。
 後ろの亜由美さんに戻すと、相手が自陣内に戻りきってしまい、攻撃が遅くなる。
 強引にシュートにいっても、コースは塞がれており、まず無理。
 そして、由菜ちゃんは…… フリーだ。

 俺は、インサイドで、ボールを押し出すように蹴りだし、左サイドで懸命にアピール
している由菜ちゃんにパスを出した。
 通ってくれ! 
 心からの願いが通り、芝生を転がったボールは、辛くも相手ディフェンダーの
つま先の脇をかいくぐり、由菜ちゃんの元に届く。
 彼女は、ボールを足元におさめると、ゴール正面に身体を向けて、細い綺麗な脚を
鋭く振りぬいた。
 ボールはやや高めに浮きながらも、ゴールに突き進む。ゴールキーパーが懸命に
飛びつく。そして―
 由菜ちゃんのシュートは、見事にゴールネットを揺らした。

「うわあっ! 」
 観客達から、ひときわ大きな歓声があがる。
 由菜ちゃんは嬉しさのあまり、俺に抱きつくように飛び込んでくる。
 柔らかい両腕の感触と、仄かに漂う甘い香りにどきりとするが、それ以上に
嬉しさがこみ上げてくる。フットサルでは最高の瞬間だ。
「ナイスゴール! 」
「由菜。やったね」
 亜由美さんと、夏美ちゃんが、由菜ちゃんに駆け寄り、彼女の頭をくしゃくしゃと
かき回してから、ハイタッチ。そして、彼女達は俺にも、
「ナイスアシスト。山田さん」
と、ねぎらいの声をかけてくれる。アシストを評価してくれたことも嬉しく、溜まった疲労を
和らげてくれる。
 しかし、試合はまだ始まったばかりだ。  


395:名無しさん@秘密の花園
07/05/15 23:22:56 1GBQJFyF
 先取点を取って気を良くした、味方チームの動きは良くなった。
 相手選手の不用意な横パスを、素早くカットした亜由美さんが、前線に残っている、
由菜ちゃんにロングパスを送る。ツインテールを激しく振り乱しながら、相手ディフェンダー
をひきつけて、ゴール前に踊りこんでくる夏美ちゃんに、高めのボールを送る。
 直後、長身を生かした彼女のヘディングシュートが、ものの見事に決まった。

 俺に、もしかしたら勝てるかもしれない、という気持ちが芽生えたのは、2点目が
入ったこの瞬間からだ。しかし、勝負には、この感情は極めて危険なものである。
 決死の反撃に転じた相手チームの男性選手に、もはや相手が若い女性だからと
侮る者は誰もいない。
 7番の赤ビブスを着た俊敏な男が、俺をドリブルで抜きにかかり、何とか対応しようと
するが、簡単に抜き去られて、更に情けない事に脚がもつれて追いかけることができない。
 易々とゴール前に躍り出た彼は、強烈なシュートを放ち、バーに当たって跳ね返った
ところを、後ろから疾走してきた、体格の良いディフェンダーに頭で押し込まれ、ついに
シュートを決められてしまう。
 1点差となり、俄然、追い上げムードとなった相手が怒涛の攻撃を始める。
 守備に負われた俺たちは、前線に由菜ちゃんだけを残して、夏美ちゃんも後ろに下がる。
 必死で自陣内で守りを固めるが、1対1で抜かれるシーンが多くなり、非常に危険な
シュートを何度も浴びてしまう。
 辛うじて中川君が弾いた、相手の十本目のシュートは後ろに逸れ、相手側の
コーナーキックとなる。そして、コーナーから蹴りだされたボールに素早く反応した、
長身の選手に、ダイレクトでボレーシュートを放たれ、あっけなくゴールネットを揺らされた。

 2-2と追いつかれて、愕然となって下を向く俺に、中川君が叫ぶ。
「山田さん。これからだ」
 確かに、まだ同点だ。激しい疲労にふらつきながらも、俺は懸命に歯をくいじばり、
ボールをセンターサークルに運ぶ。時計を見ると残り3分を切っている。
 試合が再開されて間もなく、ボールがサイドラインを割った。審判の笛がなり、
相手チームで頑張っていた女性選手が退いた。
 そして、同じく女性が赤ビブスを着ながら、コートに入ってきて― 彼女の顔を見た時、
俺は文字通り仰天した。

396:名無しさん@秘密の花園
07/05/15 23:29:04 1GBQJFyF
さてさて、選択肢です。
交替した相手選手は ……

① ひとみさんだった。

② 鈴音さんだった。

③ パーカ娘だった。

397:名無しさん@秘密の花園
07/05/15 23:31:56 1GBQJFyF
>395
16行目 守備に負われた(誤) → 守備に追われた(正) に訂正します。

398:名無しさん@秘密の花園
07/05/16 20:26:28 9294CP1S
本格的なフットサル小説にw
由菜ちゃんスゴス
パーカ娘も見たいけど、やはりヒロインのひとみさんを希望!

399:名無しさん@秘密の花園
07/05/16 22:36:22 u9/ekvbE
>398
それでは、①にしたいと思います。
但し、ひとみさんの特徴が上手く掴めていないのと、
自分自身が疲労しているので、すみませんが、今日はちょっと更新できません。

フットサル小説w から、なんとか百合方面に持っていきたいのですが。

400:名無しさん@秘密の花園
07/05/17 20:53:38 lNN/Dhqm
>>1の虐殺SS書いてやる

401:名無しさん@秘密の花園
07/05/17 21:13:25 THhA72IV
>>399
無理はせずに休息を。
のんびりしたペースでも大丈夫ですよ。

402:名無しさん@秘密の花園
07/05/17 23:29:35 kSy92RUx
>>401
ありがとう。
では、いきます。

403:名無しさん@秘密の花園
07/05/17 23:31:38 kSy92RUx
「ひとみさん…… 」
 俺は、満を持してコートに入ってくる、良く知っている女性を
見つめている。
 電車での思わぬ出会いから、多くのシーンが脳裏に浮かぶ。
 ひとみさんは、髪を後ろにまとめており、いつもより凛々しい感じが
する。

 センターサークル付近で目が合うが、すぐに逸らされる。
 言いようが無い寂しさが胸をよぎり、遠ざかる後ろ姿を、ただ眺めること
しかできないでいる俺の肩が軽く叩かれた。
 振り向くと由菜ちゃんが、背の高い俺を見上げていた。
「絶対に勝ちましょうね。山田さん」
 励ますようにいってにっこりと微笑むと、脇を通り抜けていった。

 そうだ― ひとみさんは戦う相手だ。今は自分の全ての力を出し切る
ことしか考えまい。
 試合の再開を告げる審判の笛が鳴り、サイドから相手の選手が蹴りだす。
(フットサルではサッカーとは異なり、サイドラインを割ったボールは
スローインではなく、キックでコート内に入れる)
 出場したばかりのひとみさんが、早速ボールを足元に納めると、猛然と
駆け上がりながら叫んだ。

「みんな、あがってっ」
 普段の彼女からは想像もつかない大きな声とともに、赤ビブスの選手達が、
自陣内に殺到してくる。
 ひとみさんは、左サイドで守備についている、夏美さんにフェイントをかけて、
僅かに造られた隙に一気に抜け出す。
 しかし、すぐさま亜由美さんがフォローに入り、危険な香りを漂わせている
選手をフリーにはさせない。
 速攻を止められたひとみさんは、サイドから上がってきた7番の選手に
パスを送り、すぐさまダッシュ。ダイレクトで返されたボールを受け取る。

404:名無しさん@秘密の花園
07/05/17 23:35:07 kSy92RUx
 綺麗すぎるワン・ツーを決めて、ゴール前に躍りこんだひとみさんは、
均整の取れた右脚を振りあげる。
 しかし、絶妙のタイミングで、キーパーの中川君が前に飛び出して、
ほとんど横に倒れこむようにボールを押さえにかかる。
「危ない! 」
 ぎりぎりのところで二人の衝突は避けられ、ボールは中川君が抱え込んだ。
 審判の笛はならない。

「走れっ」
 声を振り絞った中川君が投げたボールを、後ろに戻っていた亜由美さんが
受け取る。
 彼女は激しく息をつきながらドリブルで駆け上がるが、マークがきっちりと
ついており、抜け出せない。
「夏美! 」
 鋭く叫んだ亜由美さんは、センターサークル付近にいた長身の夏美ちゃんに
パスを出すが、彼女はわざとスルーして、ボールは右サイドの由菜ちゃんの
足元に納まる。
 小さな身体をゴールに向けるが、全力疾走で戻ってきたひとみさんが前に
立ちはだかり、激しく競り合う。ここは1対1の勝負だ。

405:名無しさん@秘密の花園
07/05/17 23:37:02 kSy92RUx
 必死の形相をした由菜ちゃんが、荒い息をつきながら、何度もフェイントで
抜きにかかるが、冷静になっているひとみさんは通さない。
 美少女と美女のガチンコの競り合いに周囲の歓声がひときわ大きくなる。
 二人の技術はほとんど互角だが、疲労度がまるで違う。由菜ちゃんは、
ひとみさんの激しいプレッシャーに、コーナー付近まで押し込まれる。

 俺は、彼女の近くまで走って大声をあげた。
「由菜ちゃん。パスだっ」
 辛うじて反応した由菜ちゃんが、ノールックでボールを送ってくれる。前には
スペースが空いている。
 激しい疲労と耳鳴りで、朦朧となりながらも、懸命にゴールに向かって突き進む。
 もう時間がほとんどない。ゴール前には屈強なディフェンダーが、またもや立ち塞がる。

 俺は、ほとんどぶつかる直前まで、相手を引き寄せてから、ヒールでパスを流す。
 後ろに回っていた、夏美さんが期待通りにボールを受けて、すぐさまミドルシュート
を放つが、相手キーパーも鋭く反応し、パンチングで大きく弾かれる。
 高く浮き上がったボールは、ルーズとなり、激しい奪い合いになる。

 相手のゴール付近に密集する混戦の渦中に、ひとみさんも、由菜ちゃんも飛び込んでいく。
 審判が腕時計を見た瞬間、ボールの確保に成功した由菜ちゃんが、ゴール前に切り込んで
いた俺に、絶妙のパスを送ってくれる。
 ほとんど意識が混濁していた俺は、本能だけで、つま先で突くように蹴る。
 次の瞬間、ボールは相手ゴールの右隅に放り込まれ、直後に試合の終了を告げる
長い笛が鳴った。

406:名無しさん@秘密の花園
07/05/17 23:39:48 kSy92RUx
今回は選択肢はありません。
たった、10分間の試合なのに、物凄い時間がかかってしまいました。


407:名無しさん@秘密の花園
07/05/18 23:13:57 tcYbJ6yP
誰もいないうちに、ちょこっと書いておこうかな。

408:名無しさん@秘密の花園
07/05/19 00:08:15 zZX4Q4jZ
 全ての体力を使い果たした俺は、ゴールを見届けた後によろめいた。
 しかし、歓声をあげながら駆け寄ってきた由菜ちゃんと、夏美ちゃんに倒れる寸前で
抱きかかえられる。更に、亜由美さんと、中川君も加わってもみくちゃにされる。
 こみ上げてくる歓びと、信じられないという思いが渦巻き、荒い息と鼓動が交互に響く。
「信じられないよおっ」
 歓喜を爆発させて、何度もコート上を飛び跳ねている由菜ちゃんと、静かに微笑んでいる
夏美ちゃん、真夏の向日葵のような笑みを見せてくれる亜由美さんに囲まれながら、
試合後の挨拶の為に、ゆっくりとコートの中央に向かって歩いていく。
 悔しそうな、或いは呆然とした表情を浮べている相手方の選手達と礼を交わした時、
ひとみさんと再び、視線が絡み合う。
 彼女は何も言わないまま、静かに手を差し伸べ、俺の手を軽く握った。
 至近から見た、ひとみさんの頬には微かな涙の跡が残っていた。

 俺は、コートの外に並んでいるベンチの近くで倒れこみ、半ば這いずるようにして
ペットボトルを掴むと、貪るようにミネラルウォーターに口をつける。
 何度も喉を鳴らして一気に飲み干すと、ようやく気分が落ち着いてくる。
 短時間ながらも、激しい運動により多量の汗をかくフットサルでは、こまめな水分補給が
欠かせない。特に気温が上がっている日は要注意だ。

 次の試合までには時間があるので、俺は立ち上がって、クラブハウスへと向かった。
チームのメンバーも一旦散って、各所で観戦や休憩に入っている。
 緑色のネットに覆われたコートの端をゆっくりと歩いていると、ひとみさんがベンチに
座っており、ややぼんやりとした表情で、他所のチームの試合を眺めていた。
 俺は、前の試合の事もあって、少し躊躇ったが、思い切って声をかけてみる。

「あの…… ここよろしいですか? 」
 ひとみさんが、整った顔をあげ、俺を見つめて―
「ええ。どうぞ」
 柔らかく微笑むと、少しだけ位置をずらしてくれた。

409:名無しさん@秘密の花園
07/05/19 00:55:49 zZX4Q4jZ
「まさか、試合が始まる前までは、山田さんが出場しているなんて全く思わなかったです」
「ひとみさんが途中で出てきた時には、ホントに心臓が止まりました」
 俺の言葉に、ひとみさんは軽く微笑みながら、言葉を続ける。
「最後はお見事でした。でも、とっても悔しかった」
 彼女は小さくため息をついて、両肩を竦めて見せる。試合の勝ち負けにこだわる姿は
意外で、新鮮だ。
 南西から心地よい風が吹き抜けて、ひとみさんの解かれた髪が揺れる。

「前から、フットサルをされているのですか? 」
 ひとみさんは大きく伸びをしてから、答えてくれた。
「流石に毎週は行けませんけど、日頃のストレスを解消するにはいい機会ですので」
「確かに、会社はいろいろ溜まりますね」
「ええ。やっぱり取引先や上司には気を遣いますから。でも、思いっきり身体を動かすと
もやもやした事は忘れちゃうんです」
 今日のひとみさんは、飲み会の時とはかなり印象が違っている。あまり飾り気は
ないけど、凄く自然な感じがする。

「山田さんはどうなんです? 」
 逆に問い返されて戸惑っている俺に、少しだけ悪戯そうな瞳を投げかけてくる。
「山田さんのチーム。可愛らしい方や、綺麗な方ばかりですね」
 まさか、ひとみさんは?
 一瞬、変な妄想を浮べてしまい、慌てて頭から追い払った。
「実は飛び入り参加なんですよ」
 俺は頭をかきながら、急に欠席が出来て人数が足らなくなったから、誘われた事実
だけを話した。流石に痴漢ごっこの件を言うわけにはいかない。
「でも山田さん、チームに凄くなじんでいました。ちょっと羨ましくなっちゃうくらい」
「皆、びっくりする程真剣だったから、つい熱くなってしまって」
 ひとみさんと話が弾んで、俺の胸が高鳴り始めた時―

 ベンチの傍に歩み寄ってきた女性が、声をかけてきた。

410:名無しさん@秘密の花園
07/05/19 01:00:04 zZX4Q4jZ
さて選択肢です。

声をかけてきた女性は―

①鈴木さやかさん

②黒川由衣さん

③黒川由菜ちゃん

411:名無しさん@秘密の花園
07/05/19 13:33:45 e9EZt2hi
ひとみさんが運動出来るとは以外。
けっこう天然っぽかったから運動音痴だと思ってたw
ここでさやかさんが出て来たらまた修羅場が起りそうだなぁ
個人的にはお姉さんの由衣さんを②

412:名無しさん@秘密の花園
07/05/19 20:12:02 zZX4Q4jZ
>411
それでは、②でいきますか。

ひとみさんの運動能力については、書かれていないと思ったから、
勝手に設定してしまった。
21氏がみてたら、こんなキャラじゃねーとか絶叫しているかもしれんw

413:名無しさん@秘密の花園
07/05/19 22:47:15 zZX4Q4jZ
「山田さん、お疲れ様。大活躍で― 」
 黒川さんは俺に声をかけた瞬間、隣に座っていたひとみさんの姿に気がついて
呆然と立ち尽くす。
 しかし、ひとみさんは、黒川さんの表情の変化には、特に注意を払っておらず、
「あっ、黒川さん。こんなところで会えるなんて嬉しいです」
普段どおりの微笑みを、尊敬している会社の先輩に向けて、小さく頭を下げる。
「あ…… こんにちは」
 ひとみさんの小春日和のような笑顔が、黒川さんの凍りついた表情を
少しずつ溶かしていく。

「もしかして、黒川さんもフットサルをされるのですか? 」
 ひとみさんは、興味津々と言った表情で尋ねるが、黒川さんは首を振った。
「私は妹の試合を覗きにきたの。是非、来てくれって由菜からメールが
あったから」
 由菜ちゃんは、俺が補充要員として、試合に参加してくれそうだと分かった
時に、姉の由衣さん宛にメールを打ったと思われる。
 恐らく、カフェテリアで俺に向かって、
『これから私たちが行くところに付き合ってくれませんか? 』
と、尋ねた直後だろう。
 その時点で、まだ黒川さんが鈴音さんの家にいたとしても、フットサルの会場
までは一時間程度しかかからないから、試合の開始時刻までに到着する
事は困難ではない。

414:名無しさん@秘密の花園
07/05/19 22:49:33 zZX4Q4jZ
「先輩の妹さん。由菜さんって名前なのですか? 」
「ええ。そうよ」
「彼女には、もの凄い迫力で気圧されてしまいました」
 俺は思わず苦笑いを浮べてしまった。ひとみさんも、試合に対する意気込み
という面では、全く引けをとらなかったからだ。

「もうっ。なんで笑うんですかあ」
 ひとみさんは、頬を少しだけ膨らまして、軽く俺の身体を押した。
 反則的なまでに可愛らしい仕草に、俺の理性がぐらついてしまうが、同時に
黒川さんの様子が気になっていた。

 昨夜、黒川さんは、ひとみさんとさやかさんが互いに恋愛感情を持っている
事を知ってしまったばかりで、大きなショックを受けていた。
 結果、酔い潰れた黒川さんを、彼女の昔の恋人である鈴音さんのマンション
に運んで、思わぬ一夜を明かすことになった。
 もっとも、鈴音さんの励ましによって、黒川さんは落ち着きを取り戻した
ようではあるが……
 たった一日が経過したくらいでは、とても辛い経験から、気持ちを切り替える
事など不可能だ。
 一方で、ひとみさんへの恋心も変わるはずはなく、黒川さんの想い自体を
知らないひとみさんと、どのように接すれば良いのか分からず、彼女の心は
極めて不安定になっていると思われた。

415:名無しさん@秘密の花園
07/05/19 22:51:26 zZX4Q4jZ
「あの子の高校はね。練習試合の日を除いて、休日に部活動をすることが
禁止されているの」
「すごく珍しいですね」
 ひとみさんは、驚いた顔つきになって言った。
「だけど、由菜はスポーツが大好きだから、お嬢様学校のテニスだけじゃ飽き
足らないみたい」
 黒川さんは、フットサル場に隣接しているテニスコートで、コーチに教わり
ながら、テニスボールに向けて、懸命にラケットを伸ばしている、幼い女の子達を
眺めながら、小さく息を吐いた。

「由菜ちゃん、いや、由菜さんは、物凄く気合が入っていましたからね」
 俺は慌てて言いなおしたが、黒川さんは、
「そのままでいいですよ」
と、言ってくれた。
「すると私が出ているところも、見られてしまったんですね」
 ひとみさんは思い出したように呟き、整った顔を赤らめながら俯いた。
「とっても恥ずかしいです…… 」
「いいえ。格好良かったわ。普段と違ったあなたはとても新鮮だった」
 今日初めて、黒川さんの微笑みを見たような気がする。いつもの理性的な彼女に
戻っていることに、俺はほっと胸を撫で下ろした。

416:名無しさん@秘密の花園
07/05/19 22:53:38 zZX4Q4jZ
 テニスコートへ向けていた視線を戻した黒川さんは、ひとみさんの綺麗な瞳を
覗きこみながら尋ねる。
「いつからフットサルを始めたの? 」
「3年前からです。さやかに誘われたのがきっかけで」
 ひとみさんは、何気ない口調で恋人の名前を出してしまい―
 黒川さんの表情が一変した。

 まずい。とても嫌な予感がする。
 黒川さんは、表面だけは辛うじて平静を保っているが、瞳とその周りが非常に
険しいものに変わっている。
 しかし、ひとみさんは、彼女の決定的な変化に全く気がついていない。
 黒川さんは、擦れそうな声を絞り出し、何気なさを装って尋ねる。
「彼女、試合には出ていなかったようだけど。今日は来ているのかしら? 」

 ひとみさんは、人差し指の先端を柔らかい唇にあてながら口を開いた。

417:名無しさん@秘密の花園
07/05/19 22:58:41 zZX4Q4jZ
それでは選択肢です。(大きな分岐点になるかもしれません)

さやかさんは……

①今日は用事があって不参加だ。

②用事があるものの、遅れて参加する。



418:名無しさん@秘密の花園
07/05/19 23:26:15 jXhJ/Vfu
ままま迷う!
しかしここはさやかさんには眼を瞑ってもらいたい。
という事で①!

419:名無しさん@秘密の花園
07/05/19 23:40:11 zZX4Q4jZ
>418
何故か急に修羅場が書きたくなったw



420:名無しさん@秘密の花園
07/05/20 00:12:50 peK/PiKV
修羅場来るぅぅーーー!! さやかさんComing!?

421:名無しさん@秘密の花園
07/05/20 00:26:24 pIup8JgO
>420
は、一応②かな。(間違っていたら訂正お願いします)

書き始める時点で、多い方にするつもり(同数なら先着の①に)


422:名無しさん@秘密の花園
07/05/20 09:50:22 pIup8JgO
それでは同数なので、先着の①にします。

423:名無しさん@秘密の花園
07/05/20 10:21:20 pIup8JgO
「さやかは事情があって、不参加なんです」
 黒川さんの顔を見ると、表情は元に戻っている。
「何か用事でもあるのかしら? 」
「ええ。マンションの下見に行っています 」
「マンション? 」
「本当は、私も一緒に行く予定だったのですが…… さやか、私まで抜けると
チームがきつくなるって言われて、断られちゃった」
 ひとみさんは、軽く舌を出した。

 西に傾いている太陽が、ひろがり始めた灰色の雲に覆われて、日差しが
さえぎられる。
「本当は一緒に行く予定だったの? 」
 眼鏡の位置を少しだけ直しながら、黒川さんは何気ない口調で尋ねる。

「ええ。さやかと一緒に住むことに決めましたから」

424:名無しさん@秘密の花園
07/05/20 10:22:44 pIup8JgO
「えっ」
 小さな叫び声がニ箇所であがった。一つは俺、もう一つは黒川さんだ。
「都内のマンションってやっぱり高いじゃないですか。ですが、ルームシェア
をすれば半分になりますから、何とかやっていけると思います」

 ひとみさんは、さやかさんとの新生活のビジョンを実に楽しそうに語っている。
 しかし、黒川さんは身体を細かく震わしながら、スカートの裾が皺になって
しまうくらい、強く握り締めている。
「いつから、住む予定なの? 」
 俺は、背中に大量の冷や汗を垂らしながら、二人の会話をただ呆然と眺める
ことしかできない。

 冷静な仮面をかぶり続ける黒川さんの鋭すぎる質問に、ひとみさんは無邪気に
答えてしまっている。
「そうですね。できれば今月中にも決めてしまいたいです」
 彼女は、微笑を絶やさずに言った。
 敢えて繰り返すが、ひとみさんは黒川さんの想いに全く気がついていないから、
彼女を責めようとは思わない。
 しかし、黒川さんにとっては、あまりにも残酷な事実が明かされたことになり、
俺はある種の危惧を覚えざるを得なかった。

「そう。場所が決まったら教えてね」
 黒川さんの無表情がひたすら怖い。
「もちろんですよ。是非遊びにきてくださいね」
「ええ。そろそろ由菜にも会いたいし、失礼させていただくわ」
「ゆっくりなさってくださいね」
「そう…… ね」
 低い声で言うと、黒川さんは、背中を向けてゆっくりと去っていった。

425:名無しさん@秘密の花園
07/05/20 10:25:37 pIup8JgO
 黒川さんの後ろ姿が完全に消えるのを確かめた後、俺は疲労と憔悴のあまり、
深いため息をついて、ベンチの奥深くに身を沈めた。
「大丈夫ですか? 山田さん」
 ひとみさんの声に我に返ると、彼女の顔がドアップで迫っている。
「あ、いや」
 俺は、距離の近さに慌ててしまって、何もいうことができない。
「ものすごい汗をかかれていますよ」
 あなたが原因です、とはとてもいえない。
「もしかして、体調が悪いのですか? 」

 彼女は心配げな表情で尋ねながら、ポケットから取り出した薄桃色のレースが
付いた、ハンカチで額の汗をぬぐってくれた。
「えっと、ひさしぶりの試合だったから、やっぱり疲れが出たみたいです」
 動悸を押さえながら辛うじて俺が言うと、ひとみさんは柔和な表情のまま提案する。
「次の試合まで、休まれませんか? 」
「えっ? 」
「山田さんたちが出る試合の時間は知っていますし、私の肩をお貸ししますから」

 改めて普通の意味での『異性』として認識されていないことに、微かな寂しさが
胸をよぎるが、百合萌え男としてはせっかくの申し出を断る事なんてできやしない。
 ありがたくひとみさんの肩をお借りすると、俺は、疲労に眠気が上書きされて、
急速に意識が薄らぎ、眠りに落ちて行った。

426:名無しさん@秘密の花園
07/05/20 10:27:06 pIup8JgO
 時間的には短いが、深いノンレム睡眠に沈んでいた俺にとっての一瞬後 ―

 ひとみさんに優しく身体を揺すられると同時に、鈴の鳴る様な澄んだ声が上から
降ってくる。
「山田さん。そろそろ起きてくださいね 」
「ん…… 」
 俺は、ぼんやりとした状態のまま、小さく声を漏らして瞼を開いた。
 少しずつ視界と意識が明瞭になっている。
「そろそろ次の試合ですから」

 二人が座っていたベンチの前には、俺が代役で参加したチームの一員である
女性が立っていた。

427:名無しさん@秘密の花園
07/05/20 10:30:52 pIup8JgO
さてここで選択肢です。

二人の前に立っていたのは……

①由菜ちゃん

②夏美ちゃん

③亜由美さん


修羅場は、この時点では先送りされました。

428:名無しさん@秘密の花園
07/05/20 20:29:44 wBuEKFqb
修羅場がなくてホッとしたようなw
では軽い気持ちで夏美ちゃんを②

429:名無しさん@秘密の花園
07/05/20 21:16:31 JTFXVtRy
>428
読んでくれている人が、どういう方向性を望んでいるのか
分からないから、いつも戸惑っていたり。

かなり、好き勝手やらしてもらっているのは、
ありがたい限りなんだけどw



430:名無しさん@秘密の花園
07/05/20 23:12:26 JTFXVtRy
それでは②でいきます。

431:名無しさん@秘密の花園
07/05/20 23:14:43 JTFXVtRy
 俺は、迎えに来てくれた夏美ちゃんと、コート脇をゆっくりと歩いていく。
 次の試合を行う場所とはかなり距離が離れていた。
「ごめんなさい」
 ひとみさんと別れて間もなく、夏美ちゃんからの口から出た言葉は意外にも
謝罪だった。
「どうして謝るの? 」
「気持ち良さそうにお休みになっていたから、無理をされているのかと思いまして」
「そんな事、気にしなくてもいいよ」
 俺は、彼女の細やかな気遣いに嬉しく思いながらも、反面ちょっと情けない
思いにかられた。いかに三十路に突入したとはいえ、女子高生に体力面で心配
されてしまうとは。

「私も、最初の頃は全然動けませんでした」
 夏美ちゃんは、少し恥ずかしそうに言ってくれる。
 彼女は、最初は由菜ちゃんが言った通り、無口なタイプかと思っていたけれど、
今の俺に対してはごく普通に口を開いてくれるようだ。

「あの、夏美ちゃんって呼んでいいかな」
 俺は鼻に指先をあてながら訊いてみた。
「ええ。構いません」
「夏美ちゃんが、このスポーツを始めたきっかけって何なのかな? 」
 クラブハウスに着いた時から感じていた疑問を、思いきってぶつけてみた。

432:名無しさん@秘密の花園
07/05/20 23:21:55 JTFXVtRy
「私と由菜は以前、学校の休日になると、隣のコートでテニスをしていました」
 夏美ちゃんは、テニスコートを懐かしそうに眺めながら話し始めた。
 俺は、黒川さんが、由菜ちゃん達が通う女子高は、休日の部活動が原則禁止
だと話していたことが脳裏に蘇る。

「ちょうど半年前ですが、由菜がフットサルをやりたいって言い出しまして」
「彼女は、何に対しても凄く積極的な感じがするね」
「ええ。何処かに繋いでおかないと、遠くに飛んでってしまいそう」
 夏美ちゃんにしては珍しい、冗談めかした言い方に、思わず笑ってしまった。

「ちょうどその日、クラブハウスの掲示板に、新規メンバー募集の張り紙を
見つけて、次の週から中川さん達と一緒にプレイすることになったんです」
 なるほど。俺は大きく相槌を打った。

 チームの結成に至る経緯を聞いたところで、クラブハウスから離れた
次の試合のコートに辿り着いた。
 俺より一足早く着いていた黒川さんが、妹の由菜ちゃんと話している姿が見える。
 由菜ちゃんは夏美ちゃんの姿を認めると、嬉しそうにぶんぶんと大きく手を
振っている。
「次の試合も頑張りましょうね」
 片方の瞳を閉じながら、夏美ちゃんはさらりと言うと、由菜ちゃんの元へと
走っていった。

433:名無しさん@秘密の花園
07/05/20 23:24:20 JTFXVtRy
 今回は軽い話になりました。(選択肢はありません)
 平日は、更新間隔が空くと思われますが、よろしければ、
ごゆるりとお待ちください。

434:名無しさん@秘密の花園
07/05/21 19:25:09 4e0917b6
夏美ちゃんと由菜ちゃん、百合カップルだらけですね~♪
生活に支障がないようにゆっくりと書いて下さい
お疲れさまです

435:名無しさん@秘密の花園
07/05/21 21:25:20 wqydC4CY
>>434
ありがとうございます。ペースには気を付けたいと思います。
先週は、少し無理をしすぎたかもしれません。

由菜ちゃんと、夏美ちゃんの女子高生コンビは、
書いていても楽しいですね。


436:名無しさん@秘密の花園
07/05/22 23:31:41 nvGZ/O8A
 2試合目では、由菜ちゃんの動きは更に鋭さを増しており、開始直後に夏美ちゃんから受け取ったパスから、
ミドルシュートを見事に決めて先制点をあげる。
 相手のカウンターで同点に追いつかれた後、亜由美さんがコーナーから蹴りだした、低い弾道のボールに
由菜ちゃんは果敢に飛び込む。ボールは一歩も動けないキーパーの脇を抜けて、勝ち越しに成功する。
 さらに1分後には、ゴール前の混戦から抜け出した亜由美さんがゴールを決め、差を2点に拡げる。
 終盤には、由菜ちゃんが、焦った相手選手のパスミスからボールを奪うと、一気にドリブルでゴール前まで
駆け抜け、飛び出したキーパーを冷静にかわし、ハットトリック(1人で3得点)を決めた。
 大勢のギャラリーの喝采を一身に浴びた、由菜ちゃんの大活躍により、試合は4-1で快勝した。

 今回は、2試合目の直後に3試合目が組まれている。4チームで開催されているリーグ戦なので、
勝てば優勝となる。しかし、相手チームも2勝をあげており、更に南米系の外国人が参加している
多国籍チームで、今までの相手とは体格と動きがまるで違っていた。
 更に、味方チームはメンバーぎりぎりで戦っている為、疲労がほとんど抜けないまま、試合に入らざるを
得なかったこともあり、開始早々から劣勢に追い込まれる。
 鋭いドリブルで守りを切り崩されてからの、強烈なシュートを立て続けに決められ、中盤までに2点を
失ってしまった。
 それでも、中川君が好セーブを連発して、試合の流れを食い止めると、爆発的な得点力で会場の観客を
熱狂させている由菜ちゃんが、カウンターからの速攻からシュートを見事に決めて、1点を返して希望を繋ぐ。
 しかし、味方の反撃もここまでで、結局1-2で最終戦を終えた。

 俺は、最後の試合が終わって、コートから戻る時には疲れ果てていた。しかし一方では、もう終わって
しまうのかという、ある種のもの足りなさも感じていた。ランナーズ・ハイ、つまり、激しい運動を立て続けに
繰り返しているうちに、身体が順応した状態になっていたのかもしれない。

 更衣室で着替え終わった後、クラブハウスでチームのメンバーが再び顔を合わせる。
 由菜ちゃんと、夏美ちゃんは女子高の制服姿で、亜由美さんは薄めのブラウスにタイトなスカートを
合わせており、中川君はジーンズとTシャツというラフなスタイルだ。
 俺の顔をみつけた、中川君が笑顔で話しかけてくる。
「今日はお疲れ様でした。もしよろしかったら、6時半からチームの皆で食事にいきませんか? 」
 腕時計を見ると、ちょうど4時を回ったところだ。

437:名無しさん@秘密の花園
07/05/22 23:35:06 nvGZ/O8A
ここで、選択肢です。

中川君の誘い(メンバーで食事にいくこと)を受けますか?

①喜んで行く、と答える。

②用事があるからと、丁重にお断りする。


438:名無しさん@秘密の花園
07/05/23 20:49:43 R/l6BxPx
それはもちろん行きますよ!
① もしや中川君もウホッ?w

439:名無しさん@秘密の花園
07/05/23 22:04:47 wilkpvPJ
>>438
あらたなる新世界へ。ってBLじゃねーw

それでは、①でいきます。

440:名無しさん@秘密の花園
07/05/23 23:26:05 wnbRaGkJ
 中川君たちのお誘いを喜んで受けた俺は、一旦家に戻り、軽くシャワーを浴びてから、とんぼ返りの
ような形で駅前の店に着いた。
 一時はひろがっていた雲はすっかり消えており、空は、地平線上に沈んだ太陽の名残を残している
稜線付近の山吹色から天頂の濃紺色に至る、見事なグラデーションを描いている。
「確か、ここだったよな 」
 渡された地図を覗きこみながら、店の看板を見つけて視線を下ろすと、由菜ちゃんが
「こっちですよー」
と、大きく手を振ってくれている。
 既に、俺以外のメンバーは到着しており、亜由美さんと中川君の服装は変わらなかったが、高校生の
二人は私服に着替えていた。
 夏美ちゃんは長い脚が映える白のパンツルックと、落ち着いた紺色の上着で大人っぽさを演出していた。
一方、薄い黄色のキャミを纏った由菜ちゃんは、華奢な肩のラインがくっきりと露になっており、思わず喉をなら
してしまうような、仄かというにはやや強すぎる色気を放っている。

 店内に入ると、若い女性店員が元気な声で迎えてくれる。彼女の案内で、2階の掘りごたつ式の個室に着くと、
小柄な由菜ちゃんは、夏美ちゃんの隣にすぽんと納まるように座って、早速メニューをひろげて覗きこむ。
 夏美ちゃんの隣には中川君が座り、反対側の席に俺と亜由美さんが着くことになった。
 俺もメニューをひろげて― 半分くらいが理解できず首を捻る。亜由美さんが微笑みながら言った。
「珍しいでしょう」
 確かに― このあたりでは珍しい琉球料理の店だ。ゴーヤチャンプルーや、海ぶどうなど、沖縄特有の
メニューがずらりと並んでいる。
「お飲み物は何になさいますか? 」
 案内してくれた店員が、はきはきとした口調で注文をとる。
「泡盛」
 最初に夏美ちゃんが声をあげた。女子高生にしては渋い選択肢である。
「うっちんハイ! 」
 由菜ちゃんは、聞き慣れない飲み物を頼むが、これもアルコールだ。
 無論、未成年の飲酒を指摘するつもりはない。俺だって高校の頃は飲み屋で騒いでいた。
 亜由美さんはカシスオレンジ、俺と中川君はビールを注文し(残念ながらオリオンビールではなかった)
かくして、打ち上げのお食事会― 否、飲み会が始まった。

441:名無しさん@秘密の花園
07/05/23 23:29:03 wnbRaGkJ
さて、飲み屋編?です。(ちなみに選択肢はありません)

どちらかというと、部活の打ち上げに近い雰囲気ですね。



442:名無しさん@秘密の花園
07/05/23 23:38:41 m5ZApfLl
空の描写が綺麗ですねー。
こんどは琉球のお酒ですか?
作者さんの趣味がまたもやw
誰か酒豪がいる予感w

443:名無しさん@秘密の花園
07/05/23 23:46:49 wnbRaGkJ
>>442
少し前に、琉球料理の店に行ったので書きたくなったり。
完全に趣味に走ってますね…… 生暖かい目で見守ってやってくださいw


444:名無しさん@秘密の花園
07/05/24 21:59:52 UWeAvCFN
すいません。いきなり根本覆す発言します。
誰か、おおまかでいいからキャラの外見と
カップリング(?)教えて。

445:名無しさん@秘密の花園
07/05/24 22:06:23 bxB7FxBg
>>444
今も見ているのかな。

把握している限りにおいて書いておこうか?

446:名無しさん@秘密の花園
07/05/24 23:07:47 bxB7FxBg
とりあえずこんな感じかな。

佐藤ひとみさん…… 最初に主人公が痴漢から助けた女性(エルメス)。
             ロングが似合う綺麗な人。さやかさんの恋人。由衣さんの後輩で受付をしている。

鈴木さやかさん…… ひとみさんの恋人で、職場は違うが同じ会社に通う。髪は黒のショートで、軽いウエーブが
              かかっている美人。ひとみさんとルームシェアする為、マンションを探している。

黒川由衣さん …… マーケティング部所属で、ひとみさんの職場の先輩で、ひとみさんの事が大好き。
             眼鏡をかけた理知的なキャリアウーマンで仕事には厳しいが、お酒にとことん弱い。

上野恵さん …… 合コンに来た元気な女性。由衣さんと同じ会社で総務に所属。

パーカ娘(破桜院卯女ちゃん)…… 由衣さんの後輩。とんでもない天然どじっ娘で、散々由衣さんを困らせるが、実家は大富豪。

中沢鈴音さん …… ボーイッシュな長身のバーテンダー 由衣さんの女子高時代の恋人。性格がさっぱりしている
              ところが人気で、当時はプレイガールぶりを発揮していたらしい。
                    
黒川由菜ちゃん…… 由衣さんの妹で女子高生。小柄で胸も小さめ。ツインテールが似合う可愛らしい子。
              夏美ちゃんの恋人でいつも一緒に過ごす。とても活動的でテニス部に入っているが、
              週末はフットサルを楽しんでいる。

相沢夏美ちゃん…… やや無口。由菜ちゃんの一つ上の先輩で彼女とは相思相愛。スポーツも一緒に楽しむ。
              クオーターで目鼻立ちがくっきりとしており、背がずば抜けて高い。髪はベリーショート。
          
朽木亜由美さん…… 綺麗なお姉さんといった感じの美人で、柔らかい印象がある。
              ゆるいウエーブがかかった黒髪を後ろにまとめている。
              由菜ちゃん、夏美ちゃんとは、同じフットサルのチームに入っている。


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