10/12/25 19:48:08
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では充分に温まってくれたまえ。私もその方が嬉しいのでね。
(肩に回した腕。手の平に感じる素材の手触りと彼女の柔らかさ。
もっと触れていたいという気持ちが首をもたげる。スルリ。ゆっくりと滑るように肩から腰まで手を落とし、
細くくびれたそこに手を落ち着かせて)
この服もとても手触りがいいな。ずっと触れていたい気分だ。が――それも君が着ているからか。
(本心を濁すように言葉にして、腰に落とした手から、言葉へと彼女の気が移るように。
そして、逆手に感じる彼女の手の温もりをそのままに、後ろから抱きしめるかのように、腕を腰に回して)
そういえばこの距離でいた事は今までにもしばしばあったが――
その時とはまるで違う感情を抱いているのだから不思議なものだな。
(腕の中にいる彼女に向けて、笑みを溢しながら、囁いて)
かなり以前から知っていると言えば、あそこで初めて君を見たのではないと、ちゃんとわかるだろう?
(間違えようがない。その言葉に疑問を持っている様子だったので、かみ砕いて説明し)
自分の価値は自分が決めるものではなく――相手が決めるものではないかね?
確かに、そこにある程度の自信は必要だがね。卑屈になるのは考えものだしな。
(そういうと、苦笑いを浮かべた)
君の価値か。――ふむ。色々と思う事はあったが、今こうしているのが私の答えなのだろう。
君は君の時間が欲しい。そして、私の時間を君に。と言った際に簡単にと言っていたが、別に簡単にではない。
私にも大切なものはあったのでね。だが――それでも。と思ったのだよ。
(絡められた指に力が籠もるのを感じて、彼女を抱きしめる力を強めて)
――君がそう言ってくれるのはありがたい。今はその気持ちだけ受け取っておきたい。
それに、聞かれれば答えられる事には答える。――その約束だからね。
(思慮するかのように瞳を閉じる彼女の顔を覗き、頬に口付けて)
私からの感謝の気持ちとして受け取ってくれたまえ。勿論、愛情表現ととってくれても寧ろ構わないがね。
(そういうとふっと笑い)
【そうしてくれると助かる。私からも動ける時はきちんと動く。
引きはしないよ。そんな心配は無用だぞ、凛。
そうか。ふむ――我慢しないで教えたらきっと慌てふためくのは目に見えているが……、
そうさせて貰う事にするよ。気遣いありがとう。とても嬉しい。】