10/12/25 18:22:05
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うむ。確かに些か飲み足りないが――いつもの私であればこれ程までは口にはしないだろう。
(それなのに何故わかったのかと、不思議に思いながら)
白の方が好きなのかね? ……そうか。別に私も特別赤に執っているわけではないのだがね。
気がつけば赤を飲んでいる始末だ。白も好きだがね。どちらにも良い所がある、と言う事で落ち着けておこう。
(グラスを回しながら、白ワインの香りを愉しみ――僅かだが、そこに彼女の香りも混ざり、とても良く馴染んだ。
そして、座ったからわかる彼女の足下。可愛らしい爪に塗られたペディキュア。それを見て、微笑む。
そこにまで気を遣う彼女を思って)
倫敦で、としておこうか。色々と学ぶ事の多い所ではあったのでね。
小一時間問い詰められてはぐうの音も出なくなりそうだ。
(苦笑いを浮かべながら、彼女の様子を見れば、アルコールが入っているからか、頬が赤く朱がさしていて)
飲もうと思えば飲める。ザルではないが、下戸でもない。
君は少し控えた方が良いかもしれないがね。先程も足取りが危うかったしな。
――倹約家らしい発言だ。今日は特別――それもそうだな。今日位は倹約家の君も大盤振る舞いか。
普段使わない分、浪費が激しかったが――また暫くそれも無くなりそうだな。
(ワインを喉に流し、感嘆の声を上げる彼女を横目で見て)
中々の上物だろう? ――何か物騒な事を聞いた気がするが、聞かなかった事にしておこうか。
それは相手の不手際だ。しかし――そのお陰で今こうして上物のワインを味わえるのだからな。
此方に損害は無い分、得した気分だな。その元金は君の事だからきっちり回収するのだろうしね。
ちゃっかり――もとい、しっかりしたマスターを持って良かったと思う事にしよう。
(慌てて付け足す彼女に此方もそれにあやかって、ワインを味わいながら笑みを浮かべた)
(ラベルを眺めていると彼女の寄る気配を感じて、顔を寄せてくれば見たいのかと思い、彼女の方へとボトルを向けて、
一緒にそれを眺めた)
ああ、この辺では聞かないな。決して安いものではないし――次にこれを味わえるのはいつになるか。
(彼女の温もりを服越しから感じて、視線をむければいつの間にかラベルから視線を移していたのか、
視線が絡み合う。そして、不意を突くように温かな笑みを向けられて)
――ッ。
(いつもの彼女であっても、充分に魅力的なのにこんな彼女にそんな顔を見せられては――
そう感じながら彼女の甘い囁きにも似た声と共に、猫のように頭を擦り寄せられ、高なる鼓動――。
それに少し息苦しさを感じて、一つ息を吐き)
ちょっとだけかね? それは残念だ。私としては、気が済むまでこうしていたいのだがね。
(ふっと微笑み、肩口に頭を寄せる彼女の肩に腕を回し引き寄せて、とんっと乗せられた頭に己が頬を軽くあてて、
逆手で彼女の手を握りしめて。無くした温もりが戻り、そしてこの状況に心から安堵して)
温かくて気持ちが良いな、凛。
(それは彼女の温もりか、暖炉の火のせいか――だが、感じたかった温もりは、確かに今ここに在って――)
知っている。かなり以前からと言えばいいのかな?
――それなら間違いようは無いだろう。
【それは自粛してくれて感謝する。私も終わられては困るのでね。】
【【】混じりの認識で了解している。安心してくれたまえ。
何度も言うが懐いてくれるのは嬉しい事だ。私の方は――そうだな、君を気遣ってしまうのでね。
強気に出られない部分もあったりするが、決して嫌と言う事はない。
こ、困っているようにかね? そうか、君にそんな風に感じられていたのだな。すまない。
私も必要以上に我慢するのはよそう】