10/11/19 23:13:37
>>774
……そんなことを言っていた時期が僕にはありました。
い、今は全然そんなこと思ってないからね。
むしろ逆で、天使の類なんじゃねって思ってくるくらいだよ。君のディソード的に考えて……。
(羽が舞い散る、まるで神の使いが僕の元に来たかのような……そんな姿を思い出して)
そ、そうだったね……だから、僕のこと殺さないでくれた。
僕も、あの時ホントは……死にたくないって―
君と一緒に居たいって―
そう願ってたんだ。
(隣で物音が耳に入り、僅かに首を持ち上げる)
……っ。あ、ありが……とう……。
(梨深の言葉と共に、彼女の柔らかい手が僕を包んでくれるのを感じる)
(梨深はいつだってそうだった)
(僕がどんなひどい姿でも、優しく背中をさすってくれて、手を引いて僕のことを導いてくれた―)
(護られているばかりじゃダメなんだ―)
(いつまでも引っ張ってもらっていちゃダメなんだ―)
(だから今度は、僕が―)
……これを僕からするのは、初めてだね。
僕の気持ち―受け取ってほしい。
(額に肌が触れる感触に目を開け、僕は彼女の唇に口づけを交わした)
(その居心地のよさにすぐに唇を離す気にはなれず、口づけを続ける)
(目からは熱いものが零れ落ちてくる)
(決して悲しみから生まれたものでは無い、)
(彼女への感謝と恋心から生まれた暖かい涙が―)