10/08/12 00:56:58
(一つの戦いが終わった)
(長く続いた部族の領土争いであったが、追い詰められた部族が習わしを破り外部の傭兵を雇ったことで)
(もう一方の部族を打ち破ったのだ)
(失地を回復し新たに交わされた盟約により大幅に領土を増やしたその部族では連日お祭り騒ぎが続いていた)
(多くの戦士たちがその栄光を讃えられたが、その中でもやはり第一の勲功者は件の傭兵を率いる隊長であろう)
(同族ではなく、また金で雇われるものという蔑みもあり大々的に持てはやされることはなかったが)
(それでも我が世の春を謳歌する族長から「何でも望みの褒美をとらす」という一言を引き出すことくらいはできた)
(そして隊長はその一言によって、この戦争中最も自分が欲しかったもの…部族一の女戦士を我がものとする機会を得たのだった)
……やれやれ、ようやく終わったか。
決闘よりも疲れるぜ。
(身長は2メートルを優に超える。人とは思えぬ巨漢がやれやれと肩をすくめた)
(目の前には部族の儀礼をつかさどる巫女が頭を垂れており…たったいま、「花嫁」の準備が整ったと知らせていた)
(巨漢は鷹揚に頷くと、用意された婚礼のための社に入っていく)
(「婚礼の儀」とはいってもここで全ての儀式が終わるわけではない。まずは「花嫁の了承」を得なければならないのだが)
(先ほどまで肉が裂け骨が軋むような激闘を繰り広げようやく気絶させた「花嫁」のもとへ向かう足は軽かった)
くくく……楽しみだ。
(下半身に質素なズボンとブーツだけをまとい、巨岩のような肉体をさらけ出した男はこれから始まる「婚礼の儀」への)
(期待に犬歯を覗かせてほくそ笑みながら花嫁の横たわる部屋の扉を押し広げた)
【>>413ではよろしくお願いします。簡単な状況説明だけでしたのでこんな感じで…】