10/08/03 00:20:01
>>234
――でしょう? 自分でも驚く位、騒がしくって……。
(胸に手を当てられると、少しだけ頬を紅く染めやりながら)
………いえ、冗談ですよ。小森さんの焦る顔を見たのは…これが初めてかもしれませんね。
ええ、とても……可愛らしかったです。だから、そんなに強く指を握らなくても大丈夫ですよ。
―先生、あまり普段は冗談を言わない性質なんですが、少し悪戯したくなりまして。
(相手の様子に可笑しそうにクスリと笑うと、焦る霧の頬へと軽くキスを落とし)
(しっかりと握られた自分の指先は、望の仄かな体温を霧の手の平へと伝えていく)
………? ……!? っ………!! はぁっ………
(相手の様子を伺おうと、微かに瞼を上げると……視界に霧の視線が飛び込んできて)
(その驚きに目を見開くと、重ねていた唇を僅かに離して、バツが悪そうに視線を逸らしながら一言)
……小森さん、目を閉じてもらえますか。あまり見つめられるのは、ちょっと。
いえ、普段なら大丈夫なんですが。キスの時はちょっと………お願いします。
(口元に手を当てながら、咳払いの振りをしてみせてから…改まった表情で、もう一度顔を近づけ…)
(霧の特徴の一つでもある長く、艶やかな黒髪に指を入れると、上から下まで丹念に梳きながら)
(小鳥が餌でも啄ばむかのような、ごく軽いタッチで何度も唇を重ね合わせていく)
んんっ………ちゅっ…………っ………。
(しんと静まり返った部屋には、キスによって起こるリップ音だけが響き)
(その他の音といえば、時折二人が身動ぎするたびに、衣擦れの音が混ざる程度のもので……)
【いえ、お気になさらず。先生のほうが遅いのは確かですし】
【……そうですね。もういっそ、マイペースにいくのもいいかもしれません】