10/08/24 22:22:16
>>330
うッ・・・んぐっ!!
(エセルドレーダが足を捻ると靴底がゴリっと頭部を擦り今尚艶を保っていた髪がくしゃりと乱される)
(以前なら憤怒していたところだろうが、今のアル・アジフはどれだけ苦痛を与えられようとも、どれだけ屈辱を強いられようと)
(黙って耐え忍ぶのみで、かつての傲慢不遜ぶりが何かの冗談のようで)
あっ・・・!?こ、これは…その…
(まだ残っていた屈辱を感じる心から、無意識の内に拳を震わせていたことにエセルドレーダからの指摘に気付かされる)
(反抗の意と取られたのかもしれないと、今度は怯えから全身を震わせ、弁解の言葉も浮かばず恐る恐るエセルドレーダを見あげる)
えっ・・・しかし、この前は・・・・・・
(言いかけたところで慌てて口を止める。今においては『事実』など意味をなさない)
(事実と異なっていようと、それがどんなに理不尽であろうとエセルドレーダの言葉が自分にとって『絶対』だった)
・・・・・・申し訳ございません御主人様っ!!
何分・・・あ、頭の足りぬ出来損ないの奴隷であるが故に、御主人様のご命令を取り違えておりましたっ!
い、今すぐ・・・ど、奴隷の舌で、御主人様のお靴をお磨きさせていただきます!
(エセルドレーダの足元近くまで這い蹲って、黒い革靴に顔を寄せる)
んっ・・・むぇっ・・・ちゅっ…
(舌に伝わるざらざらとした感触と、苦味をもった味)
(今でも尚、靴を舐めさせられるのには慣れず、眩暈のしそうな屈辱が心身を侵す)
(それを知ってか、知らずか、かつて宿敵だった主は無情にも命じて)
そ・・・それは・・・
(ごくり、と唾を飲む)
(二人きり、という空間は唯一残された救いと取れなくもなかったが)
(この姿を衆目に晒すとなると、その救いすら残さず剥ぎ取られてしまう)
…も、勿論で、ございます…御主人様の御心の…ままに・・・
(リードを握るエセルドレーダに対し、自分が答えられる選択肢はYES以外にはなく)
(厳密に言えば、そもそも選択肢自体、存在しないものだった)
【この前は失態を晒したが、今夜もよろしく頼むぞ】