10/07/14 23:33:50
>>99
(この暗闇の部屋へ閉じ込められ、どれくらい経つだろうか……時間の感覚は麻痺しかかっている)
(思い返せば、周到に準備された上の手口での拘束)
(実行者すべてが己の命を省みないテロリズム的な作戦に、不名誉にも成すすべもなく捕らえられてしまった)
(どのような意図での拘留なのか、この監禁生活に終わりは来るのか、それすらもわからないまま時間だけが過ぎていく……)
…………、……
(身動ぎすれば、後ろ手に嵌められた手錠が金属音を鳴らす)
(悲痛なほどの空腹感に苛まれていると、こちらへ向かってくる足音が聞こえてきて息を潜める)
…………
自分で、歩ける……離せ
(ドアが開かれると眩しさに目を細めて、はじめて耳にする声を聞く)
(強引に引きづられると乾いた声でそれだけ発して、生気は薄れたがいまだ殺気の篭もった赤い瞳で、影を睨みつけ)
(ふらついた歩みを踏み出しながら、両脇から抱えてきたヒトガタの手を振りほどこうとする)
【ありがとう】
【わかった……廃ビルだな】
【細かく知る必要はこちらにはないが、研究所の廃棟などだろうか……?】
【ではその言葉に甘えて、簡単に返してみる】