09/11/29 00:13:01
>>94
(それは、淫蕩な王女の戯れに激しい性虐を受け非業の死を遂げた若者たちの怨念が呼んだものだったろうか)
(人間の世界とは幾重にも次元を離れた魔界。その中でも淫魔界と呼ばれる淫匂に満ちた王宮から、一体の)
(巨大な魔が、王女の寝室へ近づきつつあった)
(まず、完全に人間界へと姿を表す前に、次元の狭間から王女の様子を確認し余計な手間のいらぬよう処理を施す)
(王女の知らぬ間に、寝室全体が結界で包み込まれどのような叫びも外に届かなくなっていた)
(それに満足すると、「魔」はその腕を伸ばし…)
御機嫌よう、ミーシャ王女。
(鏡の前でポーズをとる王女に突如、深みのある男の声がかけられる)
(鏡の全面が真紅に染まり、渦巻き、中心から一本の腕が。巨大な山羊の角を生やした頭が、屈強な上半身が)
(そして、下半身が生えて、王女の目の前に仁王立ちとなる)
(豪華な黒のマントで全身を包んだ巨漢が、珍しい動物でも見るような目で王女を見下していた)
私の名は、コルドバ。淫魔界の住人……。
今宵、王女を狩りの獲物と定め、かどわかしに参上した次第。