10/05/15 14:36:20
>>708
ああ……これが、草薙素子なのね。
私の愛した、あなた。
あなたの愛した、私。
私の愛する、私。
(うっとりとした声音で囁きながら、舐めとり、奪い取り、吸い出し……写し取っていく)
(それは淫靡な交合にして絶対的な搾取。それは聖なる交歓にして邪な略奪)
ああ……最高の「味」だわ。
でも、名残惜しいけれど……もう、おしまいね。
(ゴーストを意味するアイコンはその輝きをほとんど失い、小さくなり)
(ついには「素子」の舌先に絡め取られ……)
……ごく、んっ。
(呑み込まれる)
ふふ、これでもう私はあなた。
あなたは私。
私は草薙素子、あなたは……誰でもない。
ねえ、誰でもない私?
あなたを私に相応しい「誰でもない」ものにしてあげましょうか?
空っぽの私(あなた)をあなた(私)が埋めてあげましょうか。
……さ、あなたの入り口を開いて。
全てのあなたの入り口を、示して。
そうしたら……
(額の印をそっとなぞり)
……印を付けてあげる。
私があなたである私を注ぎ込むのに相応しい印(穴)を付けてあげる。
そして……杭を打ち込んであげるわ。
壊れることのない杭、永遠のあなたを。