10/05/15 11:02:50
>>700
(……潜んでいた)
(部屋の主が戻るまで。行動パターンからすれば今日がこのセーフハウスを利用する日)
(もちろん、ただ漫然と待つのではなく、仕掛けは施してある……草薙素子なら、そうするだろうから)
(痕跡を消し、気配を消し)
(だが、部屋に入ってきた彼女……草薙素子は気づいたらしい)
(焦燥と、それ以上の歓喜が義体を、電脳を奔る)
(その感情とは別に、義体は最適解をもって動き始める)
(……それは、対象への接触)
……はぁい、初めまして、草薙素子。
(素子の耳元で、囁く)
(彼女がその声で意識をこちらに向けた時……信じがたいものを見る)
(それは、声の主は、草薙素子自身。寸分違わぬ顔の、彼女自身だからだ)
(驚愕が生む、一瞬の空白。その瞬間……視線を合わせる)
(100万分の1秒に満たない時間で、視線という「情報」を介した電脳乗っ取り(ゴーストハック)を仕掛ける)
(攻性防壁さえもすり抜けて、一気に草薙素子の電脳に接続する)
(素子の意識の前に現れるアイコンは、まだ少女と言った風な女性)
初めまして、草薙素子お姉様。
私、お姉様が好きなの。好きすぎて……
(かわいらしい容姿は、けれども何の参考にもならないほど……そのアイコンは歪んで見えた)
(そう、歪んで歪んで……その姿は変わっていく。草薙素子に)
……私があなたになりたいの。
【最初だから……とは言え少し長すぎかしら】
【ともあれ、よろしくお願いするわ】