【キャラ萌え】オルフェウスの窓【なりきり】第50部at EROCHARA
【キャラ萌え】オルフェウスの窓【なりきり】第50部 - 暇つぶし2ch780:保守がわり
10/08/15 21:49:59
gdgdなのでお急ぎの方はスルーでw

186×年レーゲンスブルグ

アルフレート・フォン・アーレンスマイヤは教会前の広場に年若い友人を見つけた。
急いで止めさせた馬車から飛び降り、目的に向かって足早に一直線に進む彼の前に人波が自然に割れ、石畳にひときわ靴音を響かせながらアルフレートは声高く呼ばわった。
「テオドール!」
いつもは小気味のいい俊敏さで反応する友人の耳にその声は届かなかったのか、青年は振り向きも、微動だにせず立っていた。

「テオドール!」アルフレートは再び叫ぶと実に彼らしく遠慮も礼儀も無視しテオドールの両腕を後ろから鷲づかみにし、一瞬の後にその身を回しテオドール・フォン・ベーリンガーの真正面に立ちふさがった。
「一体どうしたんだ。白昼夢でも見ているのか?」

テオドールはようやくアルフレートに顔を向けたが、はしばみ色の瞳はすぐには彼をとらえなかった。
やがて放心していたようなそれがゆっくりと焦点を結び、まだ柔らかな唇が弧を描いた。
アルフレートはあやうくそのかすかな呟きを聞き逃すところだった。
「いや。僕は天使を見た。」
その時、彼らの足元の石畳で何かついばんでいた数羽の鳩が突然羽ばたき、羽音と共に飛び立った。アルフレートは羽音につられるように鳩達の姿が曇り空に吸い込まれていくのをやや険しい眼で追った。
一呼吸おいてテオドールに向き直ると「天使の話は場所を変えてゆっくり聞こう。マクシミリアンが待っている。」
皮の手袋のまま相手の柔らかな頬を愛情をこめ軽くはたくと、その肩を抱き馬車に向かって歩き始めた。すれ違う人々は皆、この二人の貴公子に軽く会釈をした。それも当然で、アルフレートはいわばこの街の王子だった。
タクシス家ほどの欧州中に鳴り響く名声と富は持っていないが、アーレンスマイヤはこの街と同じ程の歴史を誇る旧家であり、言葉を変えればアーレンスマイヤ家の歴史がこのレーゲンスブルグのそれとも言えなくもない。
アルフレートはその若く美しい当主で、この一見女にもみまがうような美貌、かつ優れた才覚を見せる貴公子には現在のバイエルンの王が戴冠した時のような期待と興奮が街の人々からは寄せられていた。
「黄金時代」。
アルフレートが放つ傲慢なまでの青春の輝きは、そんな期待を人々に持たせるものがあった。




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