09/02/07 10:41:13
>>866
このままバスローブの紐を解いて、いよいよ一戦が始まるのかと構えた矢先だった。
オスカルはアランに背を向けるとクローゼットの前に立ち、中から何か取り出そうとしている。
俺は今夜クローゼットに隠れなくて正解だったと胸を撫で下ろす。
オスカルがバスローブを脱ぎ捨て全裸になった。拍動が激しくなる。
全裸の肌に羽織ったのは、驚いたことに近衛連隊長時代の真紅の軍服だった。
まるで約束でもしていたかのように、鮮やかにそれを身に纏うと
オスカルは再びアランのところに戻ってきて前に立った。
「あ…俺のために…」感無量で言葉も出ないアラン。
「ばあやに何に使うのかとしつこく聞かれたぞ」
オスカルのぼやきも意に介さず、アランはただ真剣にそれを見つめていた。
その瞳になにを思うのか、俺には何故か痛いほどそれが分かる気がした。
アランは俺なのだ。
それにしても思う。オスカルはアランにはなんでも許しているんだろうな、と。
やはり妬ける。焦げそうだ。
腕を引き寄せられてオスカルがアランの腕の中に崩れてゆく。
バスローブ姿のアランと裸身に軍服をまとっただけのオスカルは、これから俺に見せるために激しい愛の行為を始めるのだ。
この前とは違う種の緊張が全身を支配してゆく。
寝転ぶアランの腹上にオスカルが馬乗りになるという姿勢で二人は愛し合い始めた。
上唇と下唇を交互に食み、舌を吸い合い絡め合う。
アランだけはいつしか全裸になっていたが
長い口付けの間もオスカルは軍服を羽織ったままだった。
そうやってオスカルを愛したかったんだな。