09/02/07 10:39:09
>>865
そして夜になった。
アランは帰っているようだな。
俺は給仕を済ませると、さり気なく夫婦の在室を確認してから自分の部屋に向かった。
そこから天井裏の通路を使えばオスカルの部屋の真上に行ける。
そういう造りになっているジャルジェ家に俺はこれほど感謝したことはない。
湧き上がる興奮を抑えきれずに、
思わずオスカルに変なところを見せてしまった今日の自分を反省しつつ
俺はオスカルの寝室の真上になる天井の板をずらしてその時を待った。
これもあれもみんな、おまえを愛しているからなんだ。
夫婦が寝室にやって来たのは午後10時をまわったころだった。
湯浴みをしたばかりのオスカルの肌にはまだ湯気が立ち上っている。
結い上げた髪や、その姿格好が綺麗で俺は目を潤ませた。
アランはオスカルに視線を向けただけで、そのままベッドに入ってしまった。
会話も他愛のないものだ。
俺の背中を嫌な予感が走った。
まさか、今夜は無し?
俺は焦った。おいアラン、ちゃんとオスカルを愛してくれよ。おまえは俺なんだぞ。
もしやこれで眠ってしまうなんてことになったら俺の期待は木っ端微塵に砕け散ってしまうじゃないか。
だが俺の失望は誤算に終わった。
オスカルがアランの前にやってきて奴の前に立ったのだ。
胸の前を肌蹴た同じくバスローブ姿でオスカルを見上げるアラン。
今夜はオスカルから誘うのか?そう思った瞬間。
またもや期待が外れたことを知る。
―オスカルはどうやらドアで指を挟んだらしい。
結婚しても相変わらずドジだな…。俺は口角をあげて笑う。
「これくらい大丈夫だ」
「だめだ見せて…」
「いやだ…」
「いいから…」
オスカルが根負けして命じられたままに奴の眼前にそっと白い手を差し出す。
そうするとアランは患部をろくに見ようともせずに、オスカルを見つめたまま人差し指を口に含むとしゃぶり出した。
それが愛撫だとわかるまでそう時間はかからなかった。
なんという愛し方、なんという荒治療だ。
だが、アランの口唇を出入りするオスカルの白い指、それを見つめるオスカル
の構図が俺の目にはひどく淫らに映って、
これから始まるであろう二人のセックスを連想せずにはいられなかった。