【愛は】ベルサイユのばら【永遠に】part2at EROCHARA
【愛は】ベルサイユのばら【永遠に】part2 - 暇つぶし2ch564:名無しさん@ピンキー
09/02/01 13:20:03
>> 563
オスカルの部屋の前で止めた足は、なかなか次の一歩を踏み出せずにいた。
心は、この部屋の中に入ることしか考えられなくなってゆく。
中に入って何かするわけではないが、どうも好奇心というやつが先に立とうとする。
いけないことだと知りつつも、俺は廊下に誰もいないことを確認してオスカルの部屋に身を入れた。

中は、静まり返っていて物音ひとつしない整理整頓された俺の知るオスカルの部屋だ。
オスカルは今、勤務中で邸にはいない。夫のアランも同じ職場なのだから同様だ。
俺の視線は部屋の西側に位置するひとつの扉に向いた。この部屋は寝室だったはず。
俺はそこにどうしても興味を引かれて、そこにも入ってみることにした。
言い訳など考えずに行動に起こす。
このあと大きな後悔が待つとも知らずに。

ギイ…扉を開けると部屋の中央には天幕付の大きなベッドがあり、リネンが綺麗に畳まれていた。
しわひとつない完全な姿をしたベッドに目が釘付けになる。
ここでアランはオスカルと…。
考えたくはなかったが、そんな行為が紛れもなく毎夜ここで行われていることに疑いの余地はなく、
いやがうえにも想像力が働いてしまう。

ベッドの脇にある鏡。
この鏡に映し出されるのは毎晩のようにアランに抱かれるオスカルの姿態なのだろうか。
自己嫌悪に見舞われながらも暫くこの部屋にたたずんでいると、不思議なほどに感覚が空気に馴染んでくるのが分かる。

どのくらいの時間が過ぎただろう。
パタパタと廊下を歩く足音がして俺はハッと我に返る。
神経を研ぎ澄ませていると今度はいきなり扉が開く音がした。
大変だ、オスカルが帰って来たんだ。予定より早い帰宅に俺は驚き、戸惑った。
侍女に付き添われて何やら会話をしながら入ってくる部屋の主に、見つかるわけにはいかない。
しかも扉続きにある寝室に潜んでいる。
俺は咄嗟に身を隠す場所を探した。あった、ちょうどいい場所にクローゼットがあっった。
何かあったらここに身を隠せばいい。これで救われる思いがしたと胸を撫で下ろす。
まるでかくれんぼだな。そう、これは絶対に見つかってはいけない大人のかくれんぼ。



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