09/01/29 21:02:46
ジャルジェ家の舞踏会に、予期せぬ客は衛兵隊たちだけではなかった。
その日、屋敷の前に王妃の恋人として悪名高いフェルゼン伯の馬車が止まったのだ。
このことは、あっという間にヴェルサイユ中の噂になり、王妃の耳にも届くだろう。
「ハンスさま、よろしいのですか」
「じぃ、私とオスカルは親友だ。親友のパーティに私は来ただけだよ」
「ハンス様、このじぃを謀るのはおやめくださいませ。
今日のパーティの主旨は、じぃですら存じ上げるほど、宮廷中の噂なのですぞ!」
「じぃ、噂を真にうけるのか。では、私が王妃様の情人であるという噂もお前は信じているのだね」
「そ、それはハンスさま。高潔なあなた様への悪意ある噂をこのじぃが信じるとお考えと情けのうございます」
「ほらご覧。噂とはたわいのないものなのだよ」
じぃの嘆きを軽くかわして、フェルゼンは優雅な足取りでジャルジェ家のホールにたった。
すみません、フェルゼンを乱入させてしまいました。