09/01/14 23:56:34
「フェルゼン…!」と叫んで気がつくオスカルはアランが側にいて
自分の手当をしているのを見て驚く。
「王妃の恋人なら、もう行っちまったぜ」
王 妃 の 恋 人 を強調してオスカルの表情を伺うアラン。
「そうか、フェルゼン伯爵には借りができたな」
「衛兵隊の借りを陸軍連隊長殿が返してくれただけじゃねぇかよ」
「…」
「いけすけねぇ面してやがるが、暴徒のど真ん中で名乗りを挙げるとは
勇敢な奴だってことは認めるよ。王妃も男を見る目はあるんだな」
「アラン、お前は噂を真に受ける程ウブだとはな」
「安心しな、今頃は衛兵隊の隊長が暴徒に襲われ負傷したと噂になってるさ」
「腕利きの班長と一緒にな」
「そういうこった」
アランは会話を打ち切ると、オスカルを真顔で見て
「隊長殿、アラン・ド・ソワソン、警備の任にありながら
隊長殿を負傷させたこと、不覚であります!」
そう言って、頭を垂れた。