「朽木ルキア」大ブレイクの予感パート18at EROCHARA
「朽木ルキア」大ブレイクの予感パート18 - 暇つぶし2ch911:紅葉狩り1
08/08/15 17:44:41
今度の非番の日、晴れたら紅葉狩りに行こう。
と恋次に誘われたルキアは、当日浮き立った気持ちで身支度をして出かけた。
行き先は北流魂街。歩きやすいよう女袴を穿き、白足袋に草蛙を合わせれば準備は整った。
背負っているのはお気に入りのウサギ模様の背嚢。毛氈の代わりに使う大振りの風呂敷や、手ぬぐいや、その他野外での散策に必要と思われる細々としたものを詰めているのである。
本当ならば朽木家の厨房を借りて弁当でも作りたかったが、使用人達がそれを許さないことを知っているルキアは泣く泣く諦めた。
仕方なく早めに家を出ると、下町の仕出し屋で竹筒に入った茶と握り飯を購入して、ルキアは待ち合わせ場所へと急いだ。

瀞霊廷の北、黒陵門を出て二人は流魂街に向かった。ルキアと同じく軽装に袴をつけた恋次は、「どこに行くのだ?」という彼女の質問を笑顔で躱した。
「ま、着いてからのお楽しみってことでいいんじゃねえ?」
はぐらかす恋次に、むっと膨れてみせると頬を突つかれた。
「何をする!」
「いや、河豚がいるなあと思って」
「私は河豚ではない、たわけ!」
そんなたわい無い口喧嘩の応酬をしつつ、二人は秋晴れの野道を歩んで行った。

「すごいぞ恋次!こんなところよく知っていたな!」
黄や赤に色づいた林を抜けると、開けた丘にでた。吾亦紅が風にそよぐ丘の上にたって、ルキアがはしゃいで笑った。
丘の上に寝転がって、ルキアは「ああいい気持ちだ」と伸びをした。
ここからは、紅葉した林や遠くの色づいた山々が一望にできるのだ。秋晴れの青い空の下、清々しい空気をルキアは大きく吸い込んだ。
彼女の横に腰を下ろして、恋次は最初の質問に答えた。
「桜の頃、ここに花見に来たことがあるんだよ。まだ五番隊にいた頃に」
ほら、と恋次が指差したのは、葉を赤く染めた桜の古木であった。
「で、桜もいいけどこの辺は紅葉も良いって教えてもらってな」
それを教えてくれたのは藍染であるということは伏せて、恋次は語った。
彼が見下ろすルキアは、微風に髪をそよがせ、うっとりと目を閉じている。
口付けたい、と不意に思った。
藍染との戦いも終わり、ようやく平和な日常が戻って来た。ルキアとは以前のように気兼ねなく話せる間柄に戻った。
それだけではない。一世一代の覚悟で告白もし-----受け入れてもらったのだ。
晴れて二人は恋人同士になった…はずなのであるが。
「お腹が空いたなー」
ぐううー、と豪快に腹の虫を鳴かせて、ルキアが言った。
どうもこの想い人には、ムードとか色気というものが足りなさ過ぎではないだろうか。
恋次は密かに溜め息をついた。

「おかかと塩昆布、どっちがいい?」
「…おかか」
「そうか!私は塩昆布が食べたいと思っていたのだ!」
ちょうど良かったなと言いながら、ルキアは嬉し気に背嚢から出したものを大きな風呂敷の上に並べていった。
ルキアの持参した濡れ手ぬぐいで手を拭き、二人は昼食にかぶりついた。
こんな風にのんびりと一緒に昼食をとるのは初めてであった。学院時代は授業の関係ですれ違いが多く、たまに二人で落ち合って昼を一緒にしても、どこかせわしなかった。
こういうのもいいな、と恋次は指についたご飯粒を舐めとった。
「恋次、ここ」
ルキアが自分の唇の端を指差して、何かを訴えていた。
「ついてる、おかか」
「ん?」
「そこじゃなくて…ほら」
恋次の唇の端についていた鰹節を指で摘んで、ルキアはそれを食べた。
「…いい味だな」
不意打ちは反則です。と、恋次は思った。
自分の唇に触れた指が、桃色の唇に吸い込まれ、舐めまわされ…少しのぞいた舌の赤さが目に焼き付いた。



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