08/04/02 13:24:14
>>72
(;)・3・( )「むわぁーてぇーいっ! 沙ぁー都子ぉーっ!」
あれからどれだけ、全裸でプールサイドを走り続けただろうか。
往生際の悪い沙都子は、いつまでもちょこまかと逃げてばかりだ。
夏の太陽に全身を照り付けられて、私はもう限界だった。
(;)・3・( )「やっぱり市民プールのプールサイドは、心臓破りの坂と命名されただけはあるヌェー。おじさんがたった今命名したんだけどヌ」
そんなことを呟いて息を切らしていると、沙都子が急にプールに飛び込んだ!
( )・3・( )「ちゃあーんすっ、水の中ならおじさんのホームグラウンドだよ!」
別に走るより泳ぐ方が得意って意味じゃなくて、水の中は涼しいからってだけなんだけどね。
そして私は嬉々として、全身を水面に投げ打った。
……いやぁー、このときの光景をみんなにも見せたかったね。
まるで海から跳ね上がったマーメイドが、ヒトデやらクラゲやらを岸に打ち上げたという表現が近いかな。
私が飛び込んだ途端、偶然にも起きた波で、沙都子は一気にプール際まで打ち上げられた。
波が出るプールなんて知らなかったよ、天は味方したね。
なんの意思表示か知らないけど、その小振りな胸を露出しながら、沙都子は一目散に逃げ出した。
何、あれ私の真似のつもり?
今更自分のボディを主張したって、私に適うわけ無いのにね。
……そんな事はいいけど、早く私の水着返してよー!
私はただ水着を返して欲しいから近づいただけなのに、沙都子は泣きじゃくって逃げる逃げる。
あー、さては梨花ちゃん、沙都子に薬を打つの忘れてるな。
私が鉄平にでも見えちゃってるんだろうね、仕様が無いなぁ……。
( )・3・( )「待ちなよぉー、沙ぁー都子ぉーっ! おじさんは沙都子の皮を剥いで売ろうなんて、考えてないからヌェー!」
……沙都子の逃げるスピードが速くなった気がするけど、気のせいだよね。
追いかけている途中で、床に鏡が……あ、いやいや、詩音が転がってたけど、日射病かね。
本当に仕方が無い妹だね、後で介抱してやるか。
赤坂さんがまだ誰かを探してるよ、おっきな海パン持って。
やだやだ、あんなに大きな海パンにサイズがピッタリな人って、どんな体型してんだろうね~。