08/07/26 20:03:23
ひぐらしのなく頃に【肉滅ぼし編】
みんながいくら奮闘しても、魅ぃちゃんが痩せる気配は一向にない。
それどころか、魅ぃちゃんと言う名の肉塊は教室の半分を埋め尽くすまで太ってしまった。
(これは多分、魅ぃちゃんを元のスリムな体に戻そうと無理に運動させてしまった反動だと思う。)
まだ六月とはいえ、肉の塊が教室の半分も埋め尽くせば猛暑さながらの熱気が教室中を支配するのは当たり前。
知恵先生や部活メンバー以外のみんなが熱中症で倒れるのも無理はない話だ。
気怠い暑さの中、黒板に書かれた自習の字を虚ろな瞳で見つめながら圭一君が溜息混じりに呟いた。
「なんだか、ますます状況が悪化している気がするな…」
「そうだね…魅音、ますます綺麗になったよね」
「いい加減に目を覚ましてくださいませ、にーにー…!」
「私に任せてください沙都子、お姉ごときスタンガンでいち殺ですよ!ぐけけけけ!」
「…早く、次の雛見沢を探しに行きたいわ」
『しっかりするのですよ、梨花ぁー…!』
消耗しきった圭一君の一言をきっかけに、みんなが口々に愚痴をこぼす。
けたたましく歯軋りしながら眠る肉の塊を避けながら、レナはそっと教室から抜け出した。
(園崎家次期頭首である魅ぃちゃんの体を媒体に、雛見沢中にメタボリックになる薬をばらまく細菌テロ。)
(鷹野さんから貸して貰ったスクラップ帳に全て書いてあった。)
(魅ぃちゃんは、次期頭首という権力に目を付けた宇宙人に操られているんだ。)
(――レナが、レナが雛見沢を守らなくっちゃ…!)
【続きを期待しながら、一言落ちだよ。だよっ】