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69 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 投稿日: 2009/09/11(金) 15:29:40
実家の近所に横畑さん(仮名)という60を少し過ぎたおじちゃんがいる。うちの両親と
同世代なのだが、ご近所づきあいも長いので何かと立ち話をする間柄だ。
その横畑さんには、痴呆を患っている奥さんがいる。まだ症状が軽いので横畑さんが
ご自宅で面倒を見ている。そんな横畑さんが先日、冗談なのか真面目なのかわからない
顔つきでこう言った。「○○くん、おじさんはね、たまに後悔するんだ。うちの女房のことで」
横畑さんの奥さんは浮気をすることが何回かあったらしい。そのたびに間から捨てられ、結局は
連れ添った情から横畑さんが許し、再構築をしてきたという。その奥さんが、病を患い
たまにおかしな言動を取ったとき、口走るセリフが「△△さん!どうしたの、そんなに老いて!」
「××さん、次はいつ逢えるのかしら?」といったもので、△△さんや××さんは当時の間の
名前だという。長い話が終わった後、横畑さんはフーッとため息をつき、弱弱しく笑いながら
「○○くん、おじさんはね、何度も女房を許してきたのに、女房の頭の中にはおじさんの居場所は
これっぽちもなかったようだ」と言う。子どものいない横畑さん夫婦の深い闇を垣間見た気がした。
再構築できる人は尊敬に値するが、その道のりはもちろん向かう結末も修羅の道なのだなと思った。