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准教授が学生の先行研究を「ない」明記 熊本大、処分を検討
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熊本大学は1日、大学院人文社会科学研究部の准教授が書いた論文で、自身のゼミに所属していた
学生の先行研究があったにもかかわらず「ない」と明記するなど「先行研究の不適切な扱い」
があったと発表した。今後、処分を検討する。
発表によると、不正が確認されたのは、同部の安高啓明准教授(45)=日本近世史=が
2022年に国内の学術誌で発表した歴史学の論文。先行研究として、学生の卒業論文や修士論文などが
あったにもかかわらず、故意に引用しなかった上、先行研究がないと明記していた。
23年3月、同大に設置されている公益通報窓口に学外者から情報提供があり、発覚した。
熊大は同年5~12月に学内外の有識者ら5人でつくる調査委員会を計8回開催し、
「認識していた先行研究の存在を無視し、研究成果を否定して言及しなかった」として24年2月に
安高氏の不正行為を認定。論文を取り下げるよう勧告し、本人も承諾した。
安高氏は「指導学生と自分の研究は違う」と弁明していたが、異議申し立てはなかったという。
小川久雄学長は「再発防止と信頼回復に向けた努力を精いっぱい行う」とコメントした。