22/05/15 16:41:30.99 0.net
1996年に書かれた論文でもクリミアやキーウ(キエフ)問題が指摘されているな~
ロシアの新しいアイデンティティとその外交への影響 Konstantin Sarkissov
URLリンク(src-h.slav.hokudai.ac.jp)
ウクライナとの争いの種になっているクリミア半島とセヴァストポリを巡る議論の中には、ナショナリスト勢力の
盛り上がりが目立つだけでなく、民主 勢力の戸惑いも観察されるのである。次期大統領の有力候補と目されるモスクワ市長ルシコフ氏の
「フルシチョフがクリミア半島をウクライナに提供したのは、 ウクライナのロシアへの自由加盟300周年記念日の
一種の手みやげであって、すでにソ連邦が存在しなくなった現在では、この決定は無効である」という発言 は、
ロシア国民にアピールするにちがいない。
また、新しい国境線がロシアの周りに突然生じたことだけではなく、「ロシアの母の町」と呼び慣わされてきたウクライナの首都キエフが、
今や「外 国」の都となってしまったことも、国民意識にとってにわかには納得できないところである。
いずれにせよエリツィン大統領は、クリミア半島もセヴァストポリ軍港もウクライナの領土であるという思い切った声明を、
自分のプレスマンを通じて 発表し、これによってイメージダウンが避けられなかった。
その反面、自分が愛国主義者であることを立証するために、国境線の不可変の原則を何回も訴え、
ロ シア領土の統一を守り領土を絶対に譲らないという姿勢を示している。
おそらくソ連解体によって失われた領土は、戦争を起こさない限り取り返せないと充分自 覚したうえで、
残っている領土を一貫して守るという立場であろう。