11/11/18 00:21:18.96 0.net
それと、世界史板のラ米史スレは「白い伝説」と「黒い伝説」を行ったりきたりしてるけれども、
同時代(16世紀)のヨーロッパの諸国家で、アメリカ大陸の先住民が「人間」か否かを
国家レベルで議論した(バリャドリー論争)のはスペインのラス・カサスだけだったことに触れてもいいんじゃないかね。
同時代にフランスのモンテーニュは『エセー』でアステカ文明のインディオの先進性について述べ、
18世紀にルソーはこの見解を違った見解で繰り返しているけれども、
「高貴な野蛮人」概念をも内包していたが故に、スペイン人の宣教師ほど徹底した反ヨーロッパ中心主義には成り得なかった。
その勤勉な特性が評価される北米ニューイングランドのマサチューセッツ植民地のピルグリム・ファーザーズに至っては、
恐ろしい論理でインディアンを征服している。
スペインの良心に関しては、パラグアイ司令官区のイエズス会の活躍について語ってもいいんじゃなかろうか。
あの南米の奥地の「イエズス会国家」では、イエズス会が頑張ったのにも拘わらず、
ヘスース教会の門なんかはムデハル様式だったりするし(因みにリマのトーレ・タグレ宮殿もムデハル様式なので、
スペイン育ちのイスラーム風建築は植民地のアメリカでこそ流行ったんだろう)、
ドイツ人会士のセップやイタリア人会士のブラサネリなど、面白い人がたくさん。