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台南に台湾独立運動家の記念館 亡命先の日本で生涯終える
2018.9.9 18:18
戦後、日本に亡命し「台湾独立」運動に注力した台湾の言語学者、王育徳(1924~85)の記念館が出身地の南部・台南市に完成し命日の9日、開館式が行われた。
王は87年まで続いた戒厳令で当局の「ブラックリスト」に入り台湾に戻ることができず、日本で死去した。
都内在住の妻、王雪梅さん(93)は「この日を迎えられて夢のようです」と話した。
王育徳は日本統治下の台湾に生まれた。台湾を接収した中国国民党政権が台湾住民を弾圧した2・28事件で兄が殺害されたことを受け、49年に日本に亡命。
台湾の言語や歴史を研究する一方、1960年に雑誌「台湾青年」を日本語で発行し、独立運動に影響を与えた。
記念館は台南市内の公園内の施設を改装。都内の自宅の書斎を移設したほか、原稿や身の回りの品など約300点を展示している。
61年には、後に総統となる李登輝氏が訪日して秘密裏に面会しており、記念館の入り口には「台湾の将来について語り合った」という李氏のメッセージも掲げられた。
中央研究院近代史研究所の陳儀深副研究員は「王氏の論考には今日でも参考に値するものがある」と指摘。
著作の中国語への翻訳で、影響は「徐々に大きくなっている」と話した。
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