理論社会学・社会学理論・社会理論at SOCIOLOGY
理論社会学・社会学理論・社会理論 - 暇つぶし2ch87:名無しさん@社会人
12/08/24 15:12:36.76 .net
 そういや、社会学の現実解釈では、言語論的転回を経たポストモダン社会、
またの名を「動物の時代」と呼ばれる現代社会では、人それぞれ、色んな現実があって、
それらは、言葉や景色によって決定づけられるという理論があったのを思い出した。

 それを踏まえて考察すれば、綾波(そもそもエヴァンゲリオンそのものがセカイ系だが)
は正に、この現実感、現実の相対視感を描いたものではないだろうか。
たとえば、綾波とシンジのやり取りで、綾波「だって私、○体目だから…」シンジ「ぇ?」
っていう有名なやり取りがあるけど、あれを、「綾波は世界の内情を知ってて、普通の現代人シンジは、
何も内情を知らない」という偏見を捨てて、あるいは「綾波は、普通の人々
(メディアによって環境が規定されている現代人たち)を風刺したもの」と決めつけるのではなく、
綾波が見ている世界も現実であれば、シンジが見ている世界も現実、と捉えれば、
世界は大変、複雑多様なものに見えて来る、という仕組みに作品全体が成り立っている。
あの綾波の台詞を、現実の三次元世界で吐いてくる女の子がいれば、自分はその子を
どう捉えるだろう、と問いを組み立ててみれば、少しはリアリティが湧くだろうか。

 思春期にあり、まだ自分なりの世界観、価値観、視座を築き上げられていない、
何者にも染まっていない、白紙のような、フレキシブルな中高生シンジは、色んな人間と交流する中で、
世界には色んな側面があることを学んでゆく。しかし、世界をまだ柔軟に解釈できない、
大学でまだ「答えのない問題(これを哲学で「現象学的エポケー」の近隣にある言葉で
何かあったんだが、悲しくも忘れてしまった)」を考えてゆく訓練も受けていない、直情径行・頭ガチガチのシンジは、
この、様々な事情が複雑に絡み合い、入り組む現象世界を、どう解釈して良いかが分からない。
だからシンジは、色んな人間と接する度に、懊悩させられては、心を傷つけられ、あるいは相手を傷つけてしまう。
しかし、通常版の最後は確か、「現実は自分で決めるものなんだ、選ぶものなんだ、その権利が自分にはあるんだ」
みたいな展開に、結局のところ落ち着いた。シンジの心を支配していた闇に認知革命が起こって、
心が空になって、終了、ってな感じのエンディングだったと思う、確か。


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